次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。
図1は本発明のパチンコ機10(遊技機)の外観を示す外観斜視図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3はパチンコ機10の制御回路の構成の概略を示すブロック図である。
[パチンコ機10の全体構成]
本実施例のパチンコ機10は、図1に示すように、前面枠11に嵌め込まれたガラス板12(透明板)を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤30(図2参照)と、遊技球を貯留する上受け皿14および下受け皿16と、上受け皿14に貯留されている遊技球を遊技盤30へ発射するための発射ハンドル18と、を備える。
前面枠11は、本体枠21に嵌め込まれており、左辺を回動軸として本体枠21に対して回動できるようになっている。本体枠21は、外枠22に嵌め込まれており、左辺を回動軸として外枠22に対して回動できるようになっている。なお、前面枠11と本体枠21は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。また、外枠22は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、パチンコホールの島設備の島枠に固定される。
また、前面枠11の左上部と右上部には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28bが設けられており、右端部には、前面枠11を本体枠21に対して施錠するための施錠装置29が設けられている。また、前面枠11の左側には、図示しないプリペイドカード式の球貸装置(CRユニット)が設けられている。
上受け皿14は、その上面部に、CRユニットに挿入されたカードの価値残高(有価残高)の範囲内で遊技球の貸し出しを指示するための球貸ボタン24aと、CRユニットに挿入されているカードの返却を指示するための返却ボタン24bとが配設されている。また、上受け皿14は、その上面中央部に、遊技者の操作に応じて各種演出や後述する演出モードの設定を行うための演出ボタン26aや左右の方向ボタン26b,26cが配設されている。
発射ハンドル18は、前面枠11の右下部に設けられており、遊技者がハンドルに触れていることを検知するタッチセンサ18a(図3参照)や遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ18b(図3参照)が設けられている。発射ハンドル18の回転軸には、上受け皿14に貯留されている遊技球を1球ずつ打ち出すための図示しない発射装置が接続されており、発射ハンドル18が回転操作されると、発射装置が備える発射モータ19(図3参照)が回転し、これに伴って発射ハンドル18の操作量に応じた強さの打撃力で遊技球を打ち出す。
[遊技盤30の構成]
遊技盤30は、図2に示すように、外レール31aと内レール31bとによって囲まれる遊技領域31が形成されている。この遊技盤30は、遊技領域31の右部に配置され遊技球の通過を検知するゲートスイッチ32a(図3参照)を有する普通図柄作動ゲート32と、遊技領域31の右下部に配置された図柄表示装置40と、遊技領域31の中央部に配置された演出表示装置34と、演出表示装置34の周囲に配置されたセンター役物49と、センター役物49の下側に配置され遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ36a(図3参照)を有する第1始動口36と、第1始動口36の下側に配置され遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ38a(図3参照)を有する第2始動口38と、遊技領域31の右下部に開閉可能に配置され遊技球の入球を検知すると共にその入球数をカウントするための第1大入賞口入球スイッチ44a(図3参照)を有する第1大入賞口44と、第1大入賞口44の下側に開閉可能に配置され遊技球の入球を検知すると共にその入球数をカウントするための第2大入賞口入球スイッチ50a(図3参照)を有する第2大入賞口50と、遊技領域31の左下部に配置され一般入賞口スイッチ45a(図3参照)を有する一般入賞口45と、いずれの入球口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口46と、を備える。また、遊技盤30には、この他に、遊技領域31を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする風車48や図示しない多数の釘が設けられている。
第2始動口38は、普通電動役物として設けられる可変式の入球口であり、左右一対の翼片部38cと、翼片部38cを作動させる第2始動口ソレノイド38b(図3参照)と、を備える。この第2始動口38は、翼片部38cが直立しているときには遊技球の入球の可能性が比較的低い通常状態となり(図2の点線参照)、翼片部38cが左右に開いているときには遊技球の入球の可能性が通常状態よりも高い開放状態となる(図2の実線参照)。なお、本実施例では、翼片部38cが直立した通常状態においては、第2始動口38への遊技球の入球が不可能となるように構成されている。
第1大入賞口44は、特別電動役物として設けられる可変式の入球口であり、前述した第1大入賞口入球スイッチ44a(図3参照)と、開閉板44cと、開閉板44cを作動させる第1大入賞口ソレノイド44b(図3参照)と、入球した遊技球の排出を検知する第1大入賞口排出スイッチ44d(図3参照)とを備える。この第1大入賞口44は、通常は開閉板44cによって塞がれて遊技球を受け入れない閉状態(閉鎖状態)とされており、大当り遊技(特定遊技)のときに、第1大入賞口ソレノイド44bによって開閉板44cが作動して(下辺を軸に回動して)手前側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開状態(開放状態,入球可能状態)となる。第1大入賞口44は、大当り遊技中に開放され、第1大入賞口入球スイッチ44aが遊技球の入球を10個カウントするか10個カウントする前に所定時間(例えば、長開放時間である29秒や短開放時間である0.1秒などであり、詳細は後述する)が経過すると、閉鎖される。
第2大入賞口50は、特別電動役物として設けられる可変式の入球口であり、前述した第2大入賞口入球スイッチ50a(図3参照)と、開閉板50cと、開閉板50cを作動させる第2大入賞口ソレノイド50b(図3参照)と、を備える。この第2大入賞口50の内部を含む構成の概略を図4に示す。この第2大入賞口50は、通常は遊技盤30の収納口30a(図4参照)から前方に突き出た開閉板50cによって塞がれて遊技球を受け入れない閉状態(閉鎖状態)とされており、大当り遊技(特定遊技)のときに、第2大入賞口ソレノイド50bによって開閉板50cが収納口30a内に引き込まれることで開放されて遊技球を受け入れやすい開状態(開放状態)となる。第2大入賞口50は、大当り遊技中に開放され、第2大入賞口入球スイッチ50aが遊技球の入球を10個カウントするか10個カウントする前に所定時間(例えば、長開放時間である29秒や短開放時間である0.1秒などであり、詳細は後述する)が経過すると、閉鎖される。
ここで、大当り遊技は、第1の所定ラウンド目には第1大入賞口44を開放し第2の所定ラウンド目には第2大入賞口50を開放する等のように、第1大入賞口44と第2大入賞口50とを所定の順序に従って開放することによって行われる。本実施例では、第1の所定ラウンド目を奇数ラウンド目または偶数ラウンド目とすると共に第2の所定ラウンド目を偶数ラウンド目または奇数ラウンド目とすることで、第1大入賞口44の開放と第2大入賞口50の開放とを交互に繰り返すものとした。これにより、ラウンド間の繋ぎの時間をできる限り短くして、大当り遊技を素早く消化させることが可能となる。
また、第2大入賞口50内には、図4に示すように、円筒状の流路内に遊技球の通過を検知する特定領域通過スイッチ52a(図3参照)を有する特定領域52(いわゆるV領域)と、円筒状の流路内に遊技球の通過を検知する非特定領域通過スイッチ54a(図3参照)を有する非特定領域54(いわゆる外れ領域)と、第2大入賞口50内に入球し第2大入賞口入球スイッチ50aを通過した遊技球を特定領域52か非特定領域54のいずれかに振り分ける振分装置56とが設けられている。振分装置56は、回転可能な円筒部から径方向に突出部が突出して構成された振分部材56aと、振分部材56aを円筒部を中心として作動(回動)させる振分ソレノイド56b(図3参照)とを備える。振分装置56は、振分ソレノイド56bが駆動してない非駆動(オフ)状態では、図4(a)に示すように、振分部材56aが図中右側に傾くことにより遊技球を非特定領域54(V非通過側)に振り分け(第2状態)、振分ソレノイド56bが駆動している駆動(オン)状態では、図4(b)に示すように、振分部材56aが図中左側に傾くことにより遊技球を特定領域52(V通過側)に振り分ける(第1状態)。即ち、第2大入賞口50に入球した遊技球は、振分装置56による機械式振分を経て、特定領域52か非特定領域54のいずれかを通過して排出されることになる。特定領域52を通過したために特定領域通過スイッチ52aで検知された遊技球の数と、非特定領域54を通過したために非特定領域通過スイッチ54aで検知された遊技球の数との合計数は、第2大入賞口50に入球して排出される遊技球の数を示すから、基本的には第2大入賞口50に入球して第2大入賞口入球スイッチ50aで検知される遊技球の球と一致することになる。なお、本実施例では、大当り遊技中に第2大入賞口50が開放される第2の所定ラウンド目のうち特定ラウンド(例えば、第2ラウンド)において、振分装置56を所定の動作パターンに基づいて動作させるものとする。このため、第2の所定ラウンド目のうち特定ラウンド(第2ラウンド)で第2大入賞口50に入球した遊技球は特定領域52を通過する可能性があり、第2の所定ラウンド目のうち特定ラウンド以外のラウンドで第2大入賞口50に入球した遊技球は特定領域52を通過する可能性がないものとなる。
図柄表示装置40は、図5の構成図に例示するように、普通図柄の変動表示および停止表示が可能な普通図柄表示装置41と、特別図柄(識別情報)の変動表示および停止表示が可能な特別図柄表示装置42と、大当り遊技の規定ラウンド数(最大ラウンド数)を示す図柄を表示するラウンド表示部43と、を備える。普通図柄表示装置41は、発光ダイオード(LED)を用いて構成された左普通図柄表示部41aおよび右普通図柄表示部41bを備える。図6に、普通図柄表示装置41の表示態様の一例を示す。普通図柄表示装置41は、図示するように、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に消灯した表示態様(図6の上から1段目参照)と、左普通図柄表示部41aが点灯し右普通図柄表示部41bが消灯した表示態様(図6の上から2段目参照)と、左普通図柄表示部41aが消灯し右普通図柄表示部41bが点灯した表示態様(図6の上から3段目参照)と、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に点灯した表示態様(図6の上から4段目参照)の4通りの表示態様がある。普通図柄表示装置41は、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過するのを検知したときに、4通りの表示態様を順次切り替えることにより普通図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、上記表示態様のうちのいずれかの表示態様で普通図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された普通図柄の表示態様が特定の表示態様(例えば、図6の上から4段目に示す表示態様)であるときに、当りとして第2始動口38を一定時間(例えば、0.5秒)に亘って開放する。なお、普通図柄の変動表示中に、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過したときには、普通図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている変動表示が順次消化される。
特別図柄表示装置42は、図5に示すように、7セグメント表示器を用いて構成された第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bとを備えており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数通りの表示態様(最大128通り)を表現している。特別図柄表示装置42は、第1始動口36か第2始動口38かのいずれかの入球が検知されたときに、第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bのうち対応する特別図柄表示部の表示状態を順次切り替えることにより特別図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で特別図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された特別図柄の表示態様が特定の表示態様(当り特別図柄)である場合に、大当りとなる。本実施例では、第1特別図柄表示部42aが第1始動口36への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる第1始動口対応表示部となっており、第2特別図柄表示部42bが第2始動口38への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる第2始動口対応表示部となっている。以下、第1特別図柄表示部42aで表示される特別図柄を第1特別図柄(特図1)とも呼び、第2特別図柄表示部42bで表示される特別図柄を第2特別図柄(特図2)とも呼ぶ。図7に、大当り時における特別図柄表示装置42の表示態様の一例を示す。図7(a)に示すように、第1特別図柄の大当り図柄(特図1大当り図柄)には、特図1通常大当りとなる特別図柄(特図1通常大当り図柄)と、特図1確変大当りAとなる特別図柄(特図1確変大当り図柄A)と、特図1確変大当りBとなる特別図柄(特図1確変大当り図柄B)として、それぞれ1種類ずつの表示態様が用意されている。また、図7(b)に示すように、第2特別図柄の大当り図柄(特図2大当り図柄)には、特図2確変大当りAとなる特別図柄(特図2確変大当り図柄A)と、特図2確変大当りBとなる特別図柄(特図2確変大当り図柄B)として、それぞれ1種類ずつの表示態様が用意されている。なお、大当り時における特別図柄の表示態様は、図7の態様に限られることはなく、如何なる態様で表示するものとしてもよいし、各大当り時における特別図柄の表示態様の種類も1種類とするものに限られず、複数種類用意するものとしてもよい。特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1始動口36および第2始動口38のいずれかに入球したときには、それぞれの始動口毎に特別図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている特別図柄の変動表示が順次消化される。なお、後述するが、第1特別図柄の変動表示の保留数は第1保留図柄35aによって表示され、第2特別図柄の変動表示の保留数は第2保留図柄35bによって表示される。
特図1通常大当りおよび特図1確変大当りAは、奇数回目のラウンド(第1の所定ラウンド目)での第1大入賞口44の開放動作と偶数回目のラウンド(第2の所定ラウンド目)での第2大入賞口50の開放動作とを計8回(8ラウンド,8R)に亘って繰り返す大当り遊技(8R大当り遊技)が行われる。特図1通常大当りは、計8回の開放動作のうち7回で開放時間が長時間(例えば、29秒)の長開放パターン(長時間パターン)による開放動作が行われ、1回で開放時間が短時間(例えば、0.1秒)の短開放パターン(短時間パターン)による開放動作が行われる大当り態様であり、短開放パターンでの大入賞口(第1大入賞口44または第2大入賞口50)への遊技球の入球を困難としているため、実質7回(7ラウンド,7R)となる。特図1確変大当りAは、計8回の開放動作のうちの全てで長開放パターン(長時間パターン)による開放動作が行われる大当り態様である。また、特図1確変大当りBは、奇数回目のラウンドでの第1大入賞口44の開放動作と偶数回目のラウンドでの第2大入賞口50の開放動作とを計16回(16ラウンド,16R)に亘って繰り返す大当り遊技(16R大当り遊技)が行われる。この特図1確変大当りBは、計16回の開放動作のうち8回で長開放パターンによる開放動作が行われ、残りの8回で短開放パターンによる開放動作が行われるため、実質8回(8ラウンド,8R)となる。また、特図2大当りのうち特図2確変大当りAは、奇数回目のラウンドでの第1大入賞口44の開放動作と偶数回目のラウンドでの第2大入賞口50の開放動作とを計16回(16ラウンド)に亘って繰り返す大当り遊技(16R大当り遊技)が行われ、特図2確変大当りBは、奇数回目のラウンドでの第1大入賞口44の開放動作と偶数回目のラウンドでの第2大入賞口50の開放動作とを計4回(4ラウンド,4R)に亘って繰り返す大当り遊技(4R大当り遊技)が行われる。なお、特図2確変大当りA,Bは、何れも、各ラウンドの全てで長開放パターンによる開放動作が行われる大当り態様である。各大当り遊技において、奇数回目のラウンドの第1大入賞口44の開放が終了すると、極短時間(例えば、0.2秒など)の間隔で偶数回目のラウンドの第2大入賞口50の開放を開始し、偶数回目のラウンドの第2大入賞口50の開放が終了すると、極短時間(例えば、0.2秒など)の間隔で奇数回目のラウンドの第1大入賞口44の開放を開始するものとなっている。各大当り遊技の終了後には、何れも、所定回数(閾値C4,例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮(時短状態)されると共に普通図柄の当否判定の結果が当りとなる確率(普図当り確率)を高確率に設定(普図高確率状態)し且つ普通図柄が当りで停止表示されたときに第2始動口38の開放時間が延長(開放延長状態)される電サポあり状態(高頻度状態)が設定される。なお、大当り遊技の終了後に所定回数(閾値C4,100回)の特別図柄の変動表示が行われると、電サポあり状態が終了し、電サポなし状態となる。また、本実施例では、電サポあり状態は、普図高確率状態と時短状態と開放延長状態の3つの状態が全て発生した状態としたが、3つの状態のうちいずれか1つまたは2つが発生した状態としてもよい。
また、前述したように、偶数回目のラウンドである第2の所定ラウンド目のうち特定ラウンド(第2ラウンド)では、振分装置56の振り分けにより、第2大入賞口50に入球した遊技球が特定領域52を通過する可能性(V通過可能性)がある。この特定ラウンドで第2大入賞口50に入球した遊技球が特定領域52を通過した場合、大当り遊技終了後に所定回数(閾値Ce,例えば120回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率(特図当り確率,大当り確率)を高確率(確変,確変状態)に設定して、電サポあり高確率状態を発生させる。一方、特定ラウンドで第2大入賞口50に入球した遊技球が特定領域52を通過しなかった場合、特図当り確率(大当り確率)を低確率(通常確率,所定確率)に設定して、電サポあり低確率状態を発生させる。本実施形態では、大当りの種類によって特定ラウンド(第2ラウンド)での第2大入賞口50の開放パターンが異なっている。具体的には、特図1通常大当りでは、第2大入賞口50を極短時間(例えば、0.1秒)だけ開放させる短開放パターンとし、特図1確変大当りA,Bと特図2確変大当りA,Bでは、第2大入賞口50を長時間(例えば、29秒)開放させる長開放パターンとする。短開放パターンで特定ラウンドが実行される特図1通常大当りでは、特定ラウンド中に遊技球が第2大入賞口50に入球するのは困難であり、遊技球が特定領域52を通過する可能性も低いものとなる。このため、特図1通常大当りは、大当り遊技終了後に低確率(通常確率)が設定される可能性が高いことから、「通常」大当りと称する。また、特図1通常大当り以外の各大当りでは、長開放パターン(長時間パターン)で特定ラウンドが実行されるため、短開放パターン(短時間パターン)よりも遊技球が特定領域52を通過する可能性が高く、大当り遊技終了後に高確率(確変)が設定される(特典が付与される)可能性が高いことから、「確変」大当りと称する。なお、本実施例では、第1大入賞口44および第2大入賞口50の開放回数(ラウンド数)として、16Rと8R,4Rの3種類を用意したが、これに限定されるものではなく、15Rや12R,10Rなど他のラウンド数を用意してもよい。
演出表示装置34は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、表示画面上で演出図柄の変動表示やリーチ演出や予告演出などの様々な演出表示が行われる。本実施例の演出表示装置34は、図8に例示する画面構成に示すように、横方向に並んで配置されキャラクタや数字により構成される左,中,右の3つの演出図柄(疑似特別図柄,第1識別情報)34L,34M,34Rと、図示しない背景図柄とを有している。演出図柄34L,34M,34R(第1識別情報)は、演出表示装置34の表示領域の中央部付近に表示される。この演出表示装置34は、遊技球が第1始動口36に入球した場合と、遊技球が第2始動口38に入球した場合に、3つの演出図柄34L,34M,34Rを変動表示させる。演出図柄34L,34M,34Rは、変動表示が開始されると、それぞれ上から下に向かって高速でスクロールするように変動表示され、変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、左の演出図柄34L,右の演出図柄34R,中の演出図柄34Mの順に停止表示される。このとき、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致しなかったときにはリーチなしの単純な外れとなり、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致したときにはリーチとなる。そして、所定のリーチ演出を伴って中の演出図柄34Mが停止したときに、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致しなかったときにはリーチありの外れとなり、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致したときに大当りとなる。この演出表示装置34で表示される演出図柄の当否の結果は、基本的には、上述した特別図柄表示装置42により表示される特別図柄(第1特別図柄,第2特別図柄)の当否の結果と対応する。
また、演出表示装置34は、図8に示すように、特別図柄の変動表示に合わせて点滅表示(変動表示)し、特別図柄の停止表示に合わせて所定の図柄で点灯表示(停止表示)する判定図柄(第2識別情報)も有している。判定図柄は、第1特別図柄に対応付けられた第1判定図柄34aと、第2特別図柄に対応付けられた第2判定図柄34bとを有し、それぞれ演出表示装置34の表示画面の左隅(表示領域の中央部から離れた位置)に演出図柄34L,34M,34R(第1識別情報)よりも小さく表示される。第1判定図柄34aおよび第2判定図柄34bは、具体的には、対応する特別図柄が大当り図柄で停止表示されることに基づいて第1図柄(例えば「○」の図柄)で停止表示し、外れ図柄で停止表示されることに基づいて第2図柄(例えば「×」の図柄)で停止表示する。
さらに、演出表示装置34は、図8に示すように、現在の遊技状態によって、遊技領域31のうち何れの領域へ遊技球を発射すべきかを示す発射領域報知表示部34cを有する。発射領域報知表示部34cは、現在の遊技状態が後述する左打ち(遊技領域31の第1領域への発射)を必要とする遊技状態(本実施例では大当り遊技中でない通常遊技状態中)である場合と、右打ち(遊技領域31の第2領域への発射)を必要とする遊技状態(本実施例では大当り遊技中または電サポあり状態中)である場合とで、異なる表示態様で表示を行う。具体的には、現在の遊技状態が左打ち(遊技領域31の第1領域への発射)を必要とする遊技状態である場合には、第1態様(「左矢印」の画像)で表示し、右打ち(遊技領域31の第2領域への発射)を必要とする遊技状態である場合には、第2態様(「右矢印」の画像)で表示する。発射領域報知表示部34cは、本実施例では、常時何れかの表示態様で表示を行っており、遊技者は発射領域報知表示部34cをみることによって、非遊技中、遊技中問わずどのような遊技状態であっても発射方向(遊技状態)を確認することができる。なお、発射領域報知表示部34cは、特別図柄が変動表示していないときや、有利状態(大当り遊技、特図高確率状態、普図高確率状態、時短状態、開放延長状態)が発生していないとき、遊技者が遊技球を発射していないとき等の非遊技中には表示を行わないものとしてもよい。また、本実施例では、発射領域報知表示部34cを、サブ制御基板90(副制御部)によって制御される演出表示装置34に設けるものとしたが、主制御基板70(主制御部)によって制御される図柄表示装置40に設けるものとしてもよい。
また、演出表示装置34の表示画面内に第1保留図柄35aと第2保留図柄35bも表示されている。第1保留図柄35aは、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中に第1始動口36に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第1特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。第2保留図柄35bも、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中に第2始動口38に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第2特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。
こうして構成された本実施例のパチンコ機10では、第1始動口36が演出表示装置34(センター役物49)の下側に配置されており、大当り遊技でない通常遊技のときに、遊技者は遊技球を遊技領域31の左側領域(第1領域)に流下させるように発射ハンドル18の回転操作(所謂左打ち)を行うことにより、遊技球を第1始動口36に入球させることができる。また、普通図柄作動ゲート32が演出表示装置34の右側に配置されると共に第2始動口38が第1始動口36の下側に配置されており、遊技者は発射ハンドル18を最大限右回転させて遊技球を発射させる所謂右打ちを行うことにより、遊技球を普通図柄作動ゲート32に通過させることができ、普通図柄が当りとなって第2始動口38が開放すると、遊技者は右打ちを継続することにより、遊技球を第2始動口38に入球させることができる。さらに、第1大入賞口44および第2大入賞口50は遊技領域31の右下部に配置されており、大当り遊技が開始されると、遊技者は右打ちを行うことにより、遊技球を遊技領域31の右側領域(第2領域)に流下させて、開状態となった第1大入賞口44または第2大入賞口50に入球させることができる。なお、短開放パターンで特定ラウンド(第2ラウンド)が実行される特図1通常大当りや、短開放パターンで一部のラウンド(第9R〜第16R)が実行される特図1確変大当りBでは、該当するラウンドにおいて第1大入賞口44や第2大入賞口50が開状態となるものの、その時間は極短時間(0.1秒)であるから、短開放パターンで開状態となった第1大入賞口44や第2大入賞口50に遊技球を入球させるのは困難である。
[制御回路の構成]
次に、実施例のパチンコ機10の制御回路の構成について主として図3を参照しながら説明する。パチンコ機10の制御回路は、図3に示すように、遊技の基本的な進行の制御を司る主制御基板70(主制御部)と、賞球や球貸の払い出しに関する制御を司る払出制御基板80と、遊技の進行に伴って行われる各種演出の全体的な制御を司るサブ制御基板90(副制御部)と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板100と、パチンコ機10の電源制御を司る電源基板105と、パチンコ機10が設置されたホールに設けられているホールコンピュータ115との通信に関する制御を司る外部端子板110などの制御基板により構成されている。これらの制御基板は、各種論理演算や算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM,プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM,各種制御に必要な時間を計るタイマ(システムタイマ),周辺機器との間でデータをやり取りするための周辺機器インターフェース(PIO),CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器,CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ,定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマー・サーキット)などの種々の周辺LSIがバスにより相互に接続されている。なお、図3では、各制御基板に搭載された各種デバイスのうち主制御基板70のCPU70a,ROM70b,RAM70cのみを図示し、その他については図示を省略した。また、制御回路の一部をなすサブ制御基板90の構成の概略を示すブロック図を図9に示す。なお、本実施例ではサブ制御基板90を副制御部としたが、主制御部を除く制御部、例えば払出制御基板80や発射制御基板100等の他の制御部を副制御部ということもできる。
主制御基板70は、遊技の基本的な進行の制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、第1始動口スイッチ36aからの入球信号や第2始動口スイッチ38aからの入球信号,主制御基板70のRAM70cやサブ制御基板90のRAM90c(図9参照)などの各制御基板のRAMのクリア(初期化)を指示するRAMクリアスイッチ71からの操作信号が直接に入力されると共にゲートスイッチ32aからの通過信号や第1大入賞口入球スイッチ44aからの入球信号,第1大入賞口排出スイッチ44dからの排出信号,第2大入賞口入球スイッチ50aからの入球信号,特定領域通過スイッチ52aからの検知信号,非特定領域通過スイッチ54aからの検知信号,一般入賞口スイッチ45aからの入球信号などが中継端子板72を介して入力されている。主制御基板70からは、図柄表示装置40の表示制御を司る図柄表示基板40aへの制御信号や第2始動口ソレノイド38bへの駆動信号,第1大入賞口ソレノイド44bへの駆動信号,第2大入賞口ソレノイド50bへの駆動信号,振分ソレノイド56bへの駆動信号などが中継端子板72を介して出力されている。主制御基板70は、払出制御基板80やサブ制御基板90,発射制御基板100(払出制御基板80を介して通信)と通信しており、各種指令信号(コマンドや駆動信号など)やデータのやり取りを行っている。また、主制御基板70には、パチンコ機10の電源のオンオフを切り替えるオンオフスイッチ107からの操作信号などが電源基板105を介して入力される。主制御基板70は、オンオフスイッチ107が操作されて電源のオフからオンへの切替を指示する操作信号が入力されると、初期化処理などの電源投入に必要な電源投入処理を実行し、オンオフスイッチ107が操作されて電源のオンからオフへの切替を指示する操作信号が入力されると、各種情報のバックアップなどの電源遮断に必要な電源遮断処理を実行する。また、主制御基板70は、ホールコンピュータ115と外部制御基板110を介して通信可能となっており、パチンコ機10の稼働状況を送信したり、異常発生時にエラー信号を送信したりする。
払出制御基板80は、賞球や球貸の払い出しに関する制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、前面枠11の開放を検知する枠開放スイッチ81からの検知信号が直接に入力され、球貸ボタン24aや返却ボタン24bからの操作信号が球貸表示基板82,中継端子板83を介して入力され、賞球の払い出しを検知する払出前スイッチ84および払出後スイッチ85からの検知信号が中継端子板87を介して入力されている。払出制御基板80からは、賞球の払い出しを行う払出モータ86への駆動信号などが中継端子板87を介して出力されている。また、払出制御基板80は、主制御基板70や発射制御基板100と通信しており、各種指令信号やデータのやり取りを行っている。なお、本実施例では、第1大入賞口入球スイッチ44aや第2大入賞口入球スイッチ50aが遊技球を1個検知する毎、すなわち第1大入賞口44や第2大入賞口50に遊技球が1個入球する毎に、15個の賞球を払い出すものとなっている。1ラウンド中に第1大入賞口44や第2大入賞口50に入球可能な遊技球の最大数(規定数)は10個であるから、1ラウンドにおける最大の払い出し可能な賞球数は150個となる。このため、実行されるラウンド数が実質7ラウンドの特図1通常大当りでは、最大の払い出し可能な賞球数(上限賞球数)が1050個となり、実行されるラウンド数が実質8ラウンドの特図1確変大当りA,Bでは、最大の払い出し可能な賞球数が1200個となる。また、実行されるラウンド数が16ラウンドの特図2確変大当りAでは、上限賞球数が2400個となり、実行されるラウンド数が4ラウンドの特図2確変大当りBでは、上限賞球数が600個となる。
サブ制御基板90は、図9に示すように、CPU90aやROM90b,RAM90cなどを備えており、主制御基板70から各種指令信号を受信してその指令に応じた遊技の演出を行う。サブ制御基板90には、演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91や各種スピーカ28a,28bを駆動するアンプ基板92、各種LEDランプ93aを駆動したり可動役物を作動させるための装飾モータ93bを駆動したりする装飾駆動基板93,演出ボタン26aと左右の方向ボタン26b,26cのそれぞれに対応して設けられ対応するボタンの操作を検知する操作検知スイッチ27a,27b,27cからの操作信号を入力する演出ボタン基板94などが接続されている。
発射制御基板100は、タッチセンサ18aからの検知信号や発射停止スイッチ18bからの操作信号,下受け皿16に遊技球が満タン状態となるのを検知する下受け皿満タンスイッチ102からの検知信号などを入力しており、発射モータ19へ駆動用のパルス信号などを出力している。発射制御基板100は、発射ハンドル18が回転操作されてタッチセンサ18aがオンで発射停止スイッチ18bがオフで下受け皿満タンスイッチ102がオフのときに発射モータ19を駆動して遊技球を発射し、タッチセンサ18aがオフか発射停止スイッチ18bがオンか下受け皿満タンスイッチ102がオンかのいずれかが成立したときに発射モータ19の駆動を停止して遊技球の発射を停止する。また、発射制御基板100は、払出制御基板80を介して主制御基板70と通信しており、タッチセンサ18aからの検知信号などの発射ハンドル18の操作状態に関するデータを払出制御基板80を介して主制御基板70に送信する。
[主制御処理]
次に、こうして構成された実施例のパチンコ機10の動作について説明する。図10は、主制御基板70のCPU70aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機10の電源が投入されたときに実行される。主制御処理は、初期化処理などの電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、遊技開始処理(S110)と、普通図柄遊技処理(S120)と、普通図柄当り遊技処理(S130)と、特別図柄遊技処理(S140)と、大当り遊技処理(S150)と、有効期間監視処理(S160)と、振分装置駆動処理(S170)と、特定領域通過有無監視処理(S180)とを繰り返し実行することにより行われる。なお、本実施例では、S110〜S180の処理に要する時間は約4msecとなっているため、これらの処理は約4msecの間隔で繰り返し実行されることになる。主制御基板70は、これらの処理の実行に伴って、各種コマンドを担当する制御基板に送信してコマンドに応じた処理を実行させることにより、パチンコ機10の全体の遊技を進行させている。
[遊技開始処理]
S110の遊技開始処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、各種センサ(ゲートスイッチ32aや第1始動口スイッチ36a,第2始動口スイッチ38a,第1大入賞口入球スイッチ44a,第1大入賞口排出スイッチ44d,第2大入賞口入球スイッチ50a,特定領域通過スイッチ52a,非特定領域通過スイッチ54aなど)の状態を検出してRAM70cの所定の状態記憶領域に保存したり、各種判定用情報(後述する大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数,変動パターン決定用乱数、普通図柄当否判定用乱数など)を更新したりする。続いて、遊技球の入球に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ36aや第2始動口スイッチ38a,第1大入賞口入球スイッチ44a,第2大入賞口入球スイッチ50a,一般入賞口スイッチ45aなど)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM70cの所定の賞球情報記憶領域に保存し、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御基板80に送信して遊技開始処理を終了する。払出制御基板80は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ86を駆動制御して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出前スイッチ84および払出後スイッチ85により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御基板70から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。遊技開始処理が終了すると、主制御処理に戻って次のS120の普通図柄遊技処理に進む。
[普通図柄遊技処理]
S120の普通図柄遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、普通図柄の保留が値0でない即ち値1以上あるか否かを判定し、保留が値1以上あるときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行うと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(図6参照)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート32を遊技球が通過することに基づき取得される普通図柄当否判定用乱数と、普通図柄当り判定テーブルを用いて行われるもので、電サポなし状態にあるときには当り確率の低い(例えば、約0.8%)低確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられ、電サポあり状態にあるときには当り確率の高い(例えば、約99.2%)高確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられる。また、当否判定の結果が当りのときには、当り図柄を停止表示させる図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄のうちのいずれかを停止表示させる図柄に決定する。そして、普通図柄の変動時間を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過するのを待つ。変動時間の設定は、電サポなし状態にあるときには長時間(例えば、30秒)に設定され、電サポあり状態にあるときには短時間(例えば、1秒)に短縮される。変動時間が経過すると、決定した図柄で普通図柄を停止表示し、停止表示した図柄が当り図柄のときには、第2始動口38の開放時間を設定し、第2始動口38の開放を開始して普通図柄遊技処理を一旦終了し、停止表示した図柄が外れ図柄のときには、何もせずに普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口38の開放時間は、電サポなし状態にあるときには短時間(例えば0.5秒)に設定され、電サポあり状態にあるときには長時間(例えば5秒)に延長される。また、第2始動口38の開放は、上述したように、第2始動口ソレノイド38bを駆動制御することによって、翼片部38cを左右に開くことにより行う。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS130の普通図柄当り遊技処理に進む。このように、電サポあり状態においては、普通図柄の変動時間を短縮する変動時間短縮機能を作動させると共に普通図柄の当否判定の結果が当りとなる確率(普図当り確率)を高くする確率変動機能を作動させ、且つ、第2始動口38の開放時間を延長する開放延長機能を作動させる。このため、本実施例の電サポあり状態を、開放延長機能作動状態、時短状態または普図確変状態ともいう。また、これら3つの機能を同時に作動させる形態のみを例示したが、いずれか1つの機能またはいずれか2つの機能を作動させる形態とすることもできる。
[普通図柄当り遊技処理]
S130の普通図柄当り遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、第2始動口38が開放を開始してからの経過時間(開放経過時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間に達しているか否か、規定数(例えば、8個)の遊技球が第2始動口38に入球しているか否かを判定する。開放経過時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口38に入球してもいないと判定すると、第2始動口38の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放経過時間が設定時間に達していると判定したり、開放経過時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口38に入球していると判定すると、第2始動口ソレノイド38bの駆動を停止して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS140の特別図柄遊技処理に進む。
[特別図柄遊技処理]
S140の特別図柄遊技処理は、図11〜図13に示すフローチャートに従って実行される。特別図柄遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1始動口スイッチ36aからの検知信号を入力して第1始動口36に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口36に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S204)、特図1の判定用情報(取得情報)を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S206)、第1特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S208)。ここで、S206で取得される判定用情報としては、第1始動口36への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定(特別図柄の当否判定)の際に用いられる大当り判定用乱数(当否判定用乱数)や、大当り判定の結果が大当り(特定結果)のときに第1特別図柄表示部42aに停止表示させる大当り図柄(大当りの種類)を決定するための大当り図柄決定用乱数,第1特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報が例示できる。また、第1特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第1保留図柄35aで表示するための第1特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S200で第1始動口36に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S204〜S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
続いて、第2始動口スイッチ38aからの検知信号を入力して第2始動口38に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口38に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S214)、判定用情報(取得情報)を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納する(S216)。ここで、S216で取得される判定用情報としては、第2始動口38への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定(特別図柄の当否判定)の際に用いられる大当り判定用乱数(当否判定用乱数)や、大当り判定の結果が大当り(特定結果)のときに第2特別図柄表示部42bに停止表示させる大当り図柄(大当りの種類)を決定するための大当り図柄決定用乱数,第2特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報が例示できる。そして、変動短縮フラグがオンであるか否かを判定する(S218)。変動短縮フラグがオンであると判定すると、取得した判定用情報(取得情報)に基づいて大当りの事前判定を行い(S220)、事前判定の結果(事前判定情報)を含む第2特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S222)。一方、変動短縮フラグがオンでないと判定すると、S220の事前判定をスキップして、事前判定の結果(事前判定情報)を含まない第2特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S222)。ここで、S220の処理は、保留発生時の遊技状態が高確率状態の場合(確変フラグがオンの場合)には後述する高確率用大当り判定テーブルを用いて大当り判定を事前に行い、低確率状態の場合(確変フラグがオフの場合)には後述する低確率用大当り判定テーブルを用いて大当り判定を事前に行う処理である。第2特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第2保留図柄35bで表示するための第2特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S210で第2始動口38に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S214〜S222の処理をスキップして次のS224の処理に進む。
次に、大当り遊技中であるか否か(S224)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か(S226)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが停止表示時間中であるか否か(S228)をそれぞれ判定する。大当り遊技中と判定すると、これで特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。一方、大当り遊技中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが変動表示中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが停止表示時間中でないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S230)。第2特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第2特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S232)、第2特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S234)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。
一方、第2特別図柄の保留数が値0と判定すると、第1特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S236)。第1特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第1特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S238)、第1特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S240)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。第1特別図柄の保留数も値0のときには、これで特別図柄遊技処理を終了する。S230〜S240では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0でないときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(特図2優先変動)。以下、変動表示関連処理の詳細について説明する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理はいずれも共通の処理が実行されるため、共通のフローチャート(図14のフローチャート)を用いて説明する。
変動表示関連処理では、まず、確変フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれであるかを判定する(S300)。確変フラグがオフのとき、即ち現在の遊技状態が低確率状態のときにはS228またはS234で読み出した大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い(S302)、確変フラグがオンのとき、即ち現在の遊技状態が高確率状態のときには読み出した大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行って(S304)、その判定結果が大当りか否かを判定する(S306)。大当り判定テーブルの一例を図15に示す。なお、図15(a)に低確率用大当り判定テーブルを示し、図15(b)に高確率用大当り判定テーブルを示す。低確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜796のうち値60,61のときに大当りとし(1/398.5の大当り確率)、高確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜796のうち値60〜70のときに大当りとする(1/72.5の大当り確率)。なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の大当り判定テーブルが用いられる。
S306で大当り判定の結果が大当りと判定したときには、判定用情報記憶領域(RAM70c)から大当り図柄決定用乱数を読み出し(S308)、読み出した大当り図柄決定用乱数に基づいて停止表示させる大当り図柄を選択して決定する(S310)。ここで、第1特別図柄の大当り図柄の決定には、図16に例示する第1特別図柄用の大当り図柄決定テーブルが用いられ、第2特別図柄の大当り図柄の決定には、図17に例示する第2特別図柄用の大当り図柄決定テーブルが用いられる。
第1特別図柄用の大当り図柄決定テーブルでは、図16に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜399のうち値0〜159のときに特図1通常大当り図柄が選択されて「特図1通常大当り」となり(40%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値160〜359のときに特図1確変大当り図柄Aが選択されて「特図1確変大当りA」となり(50%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値360〜399のときに特図1確変大当り図柄Bが選択されて「特図1確変大当りB」となる(10%の出現確率)。図18は、特図1大当り用の大当り遊技実行パターンの一例を示す説明図である。図示するように、大当り図柄として「特図1通常大当り図柄」が選択されて特図1通常大当りが発生すると、8R大当り遊技が実行され、8Rのうち第1R,第3R〜第8Rで大入賞口(第1大入賞口44または第2大入賞口50)の開放パターンが長開放パターンとなり第2Rで開放パターンが短開放パターンとなるため、実質7Rとなる。大当り図柄として「特図1確変大当り図柄A」が選択されて特図1確変大当りAが発生すると、全てのラウンドで開放パターンが長開放パターンとなる8R大当り遊技が実行される。また、大当り図柄として「特図1確変大当り図柄B」が選択されて特図1確変大当りBが発生すると、16R大当り遊技が実行され、16Rのうち第1R〜第8Rで長開放パターンとなり第9R〜第16Rで短開放パターンとなるため、実質8Rとなる。また、本実施例では、特定ラウンドを第2ラウンドに定めているため、特図1通常大当りは、特定ラウンドでの第2大入賞口50の開放パターンが短開放パターンとなり、特図1確変大当りA,Bは、特定ラウンドでの第2大入賞口50の開放パターンが長開放パターンとなる。したがって、特図1通常大当りは、特定ラウンドで特定領域52への遊技球の通過可能性が低く、大当り遊技終了後に高確率電サポあり状態となる可能性が低い大当り態様である。一方、特図1確変大当りA,Bは、特定ラウンドで特定領域52への遊技球の通過可能性が高く、大当り遊技終了後に高確率電サポあり状態となる可能性が高い大当り態様である。
また、第2特別図柄用の大当り図柄決定テーブルでは、図17に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜399のうち値0〜239のときに特図2確変大当り図柄Aが選択されて「特図2確変大当りA」となり(60%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値240〜399のときに特図2確変大当り図柄Bが選択されて「特図2確変大当りB」となる(40%の出現確率)。このように、第2特別図柄の大当り図柄は、全て確変大当り図柄である。図19は、特図2大当り用の大当り遊技実行パターンの一例を示す説明図である。図示するように、大当り図柄として「特図2確変大当り図柄A」が選択されて特図2確変大当りAが発生すると、全てのラウンドで開放パターンが長開放パターンとなる16R大当り遊技が実行される。また、大当り図柄として「特図2確変大当り図柄B」が選択されて特図2確変大当りBが発生すると、全てのラウンドで開放パターンが長開放パターンとなる4R大当り遊技が実行される。特図2確変大当りA,Bは、何れも、特定ラウンド(第2ラウンド)で開放される第2大入賞口50の開放パターンが長開放パターンであり、特定領域52への遊技球の通過可能性が高く、大当り遊技の終了後に高確率電サポあり状態となる可能性が高い大当り態様である。電サポあり状態中は、第2特別図柄の変動を主体とした遊技が行われることから、高確率電サポあり状態が終了するまでに大当りを引くと、高確率電サポあり状態が継続することとなり、一度に大量の出玉(賞球)を獲得できるチャンスとなる。
また、S306で大当り判定の結果が大当りでないと判定すると、外れであるから、外れ図柄を決定する(S312)。なお、外れ図柄は、詳細な説明は省略するが、例えば、大当り図柄決定用乱数と図示しない外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することができる。勿論、大当り図柄決定用乱数とは別に外れ図柄決定用乱数を取得するものとすれば、この外れ図柄決定用乱数と外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することもできる。
こうして停止図柄を決定すると、変動パターンテーブルを設定するための図20に例示する変動パターンテーブル設定処理を実行する(S314)。変動パターンテーブル設定処理は、特別変動モードフラグがオンであるか否かを判定し(S350)、特別変動モードフラグがオンでなくオフであると判定すると、現在の変動モードは通常変動モードであると判断して、通常変動モード時変動パターンテーブルを選択し(S352)、特別変動モードフラグがオンであると判定すると、現在の変動モードは特別変動モードであると判断して、特別変動モード時変動パターンテーブル設定処理を実行する(S354)、ことにより行う。ここで、特別変動モードは、低確率電サポあり状態や高確率電サポあり状態、高確率電サポなし状態で遊技が進行している状況で設定される変動モードであり、通常変動モードは、低確率電サポなし状態で遊技が進行している状況で設定される変動モードである。
図21は、通常変動モード時変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。通常変動モード時変動パターンテーブルでは、変動パターン決定用乱数の値0〜99に対応付けられた各種の変動パターン(変動時間)P01〜P07が設けられており、特別図柄遊技処理のS206で取得された特図1用の判定用情報(変動パターン決定用乱数)に基づいて対応する一の変動パターンが選択される。この通常変動モード時変動パターンテーブルは、図21に示すように、大当り判定の結果が大当りの場合と外れの場合とで異なる変動パターンテーブル(大当り変動パターンテーブル,外れ変動パターンテーブル)が用いられる。また、外れ変動パターンテーブルは、特図1の保留数が多い場合(値3,4)の方が保留数が少ない場合(値1,2)よりも、平均変動時間が短くなるように、各変動パターンの変動時間の設定や各変動パターンへの変動パターン決定用乱数の対応付けがなされている。なお、各変動パターンテーブルは、便宜上、少数のパターンを記憶したテーブルを示しているが、実際には、より多数のパターン(例えば、20種類以上のパターン)を記憶したテーブルが用いられる。
図22は、特別変動モード時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。特別変動モード時変動パターンテーブル設定処理では、まず、演出カウンタCの値を調べる(S360)。ここで、演出カウンタCは、大当り遊技終了後に値0がセットされ、特別図柄の変動表示が行われる度に値1ずつカウントアップされるものである。したがって、演出カウンタCは、大当り遊技終了後からの特別図柄の変動表示の回数を示すものとなる。演出カウンタCの値が閾値C1(例えば、値1)以上で閾値C2(例えば、値5)未満である場合、即ち、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が1回〜4回(第1期間中)である場合には、第1期間用特別変動モード時変動パターンテーブルを選択し(S362)、演出カウンタCの値が閾値C2(例えば、値5)以上で閾値C3(例えば、値21)未満である場合、即ち、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が5回〜20回(第2期間中)である場合には、第2期間用特別変動モード時変動パターンテーブルを選択し(S364)、演出カウンタCの値が閾値C3(例えば、値21)以上で閾値C4(例えば、値100)未満である場合、即ち、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が21回〜99回(第3期間中)である場合には、第3期間用特別変動モード時変動パターンテーブルを選択し(S366)、演出カウンタCの値が閾値C4(例えば、値100)以上で閾値C5(例えば、値101)未満である場合、即ち、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が100回(第4期間中、特定期間中)である場合には、第4期間用特別変動モード時変動パターンテーブルを選択し(S368)、演出カウンタCの値が閾値C5(例えば、値101)以上で閾値Ce(例えば、値120)以下である場合、即ち、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が101回〜120回(第5期間中)である場合には、第5期間用特別変動モード時変動パターンテーブルを選択し(S369)、特別変動モード時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
図23は、特別変動モード中の各期間を説明する説明図である。特別変動モードは、図示するように、大当り遊技終了後から順に、第1期間、第2期間、第3期間、第4期間(特定期間)、第5期間が設けられている。前述したように、特別変動モードは、遊技状態が低確率電サポあり状態と高確率電サポあり状態と高確率電サポなし状態の何れかの状態である場合に設定されるモードであり、大当り遊技終了後、低確率電サポあり状態が発生すると、特別図柄の変動回数が閾値C4(100回)に達したときに電サポあり状態が終了して低確率電サポなし状態となり、大当り遊技終了後、高確率電サポあり状態が発生すると、特別図柄の変動回数が閾値C4(100回)に達したときに高確率電サポあり状態から高確率電サポなし状態へ移行しさらに特別図柄の変動回数が閾値Ce(120回)に達したときに高確率電サポなし状態が終了して低確率電サポなし状態となる。したがって、大当り遊技終了後、低確率電サポあり状態で特別変動モードが発生した場合には、第1期間から第4期間(特定期間)までが特別変動モードとなり、大当り遊技終了後、高確率電サポあり状態で特別変動モードが発生した場合には、第1期間から第5期間までが特別変動モードとなる。また、第1〜第4期間中に設定される第1〜第4期間用特別変動モード変動パターンテーブルは、遊技状態が低確率電サポあり状態または高確率電サポあり状態のときに選択され、第5期間中に設定される第5期間用特別変動モード変動パターンテーブルは、遊技状態が高確率電サポなし状態のときに選択される。また、第4期間中に設定される第4期間用特別変動モード変動パターンテーブルは、遊技状態が低確率電サポあり状態から低確率電サポなし状態へまたは高確率電サポあり状態から高確率電サポなし状態へ移行するタイミングで選択されるテーブルであり、特定期間用特別変動モード変動パターンテーブルとも称する。以下、各テーブルの詳細について説明する。
図24は、第1期間用特別変動モード時変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。第1期間用特別変動モード時変動パターンテーブルは、大当り判定の結果に拘わらず、平均変動時間が短い変動パターンが選択されるテーブルである。本実施例では、図24に示すように、変動パターン決定用乱数が値0〜99の全てで変動時間が1秒の変動パターンP11が選択される。この変動パターンP11が選択されると、大当り判定の結果が外れである場合のみならず、大当りの場合であっても、リーチ演出は実行されない。したがって、大当り遊技終了後の第1期間中に大当りを引くと、遊技者に、大当りが発生したかを認識することを困難とさせ、恰も大当り遊技が連続しているかのように感じさせることが可能である。
図25は、第2期間用特別変動モード時変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。第2期間用特別変動モード時変動パターンテーブルは、第1期間用特別変動モード時変動パターンテーブルよりも、変動パターンの種類が多く、且つ、長い変動時間の変動パターンが選択される可能性が高い(選択される変動パターンの平均変動時間が長い)テーブルである。本実施例では、図25に示すように、大当り判定の結果が大当りの場合には、変動パターン決定用乱数が値0〜99の全てで変動時間が30秒の変動パターンP23が選択される。また、大当り判定の結果が外れで且つ特図2の保留数が少ない場合(値1,2)には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜97の場合に変動時間が6秒の変動パターンP22が選択され、変動パターン決定用乱数が値98,99の場合に変動パターンP23が選択される(平均変動時間は約6.5秒)。さらに、大当り判定の結果が外れで且つ特図2の保留数が多い場合(値3,4)には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜89の場合に変動時間が1.5秒の変動パターンP21が選択され、変動パターン決定用乱数が値90〜97の場合に変動パターンP22が選択され、変動パターン決定用乱数が値98,99の場合に変動パターンP23が選択される(平均変動時間は約2.4秒)。変動パターンP23では遊技者の遊技興趣を高めるための所定のリーチ演出が行われる。なお、第2期間中の遊技状態は電サポあり状態(低確率電サポあり状態または高確率電サポあり状態)であり、第2始動口38への遊技球の入球頻度が高く、保留数が多い状況で遊技が進行する。したがって、第1期間よりは平均変動時間が長いものの、第2期間中も平均変動時間が短く電サポあり状態中の遊技を素早く進行させることができる。
図26は、第3期間用特別変動モード時変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。第3期間用特別変動モード時変動パターンテーブルは、第2期間用特別変動モード時変動パターンテーブルよりも、変動パターンの種類が多く、且つ、長い変動時間の変動パターンが選択される可能性が高い(選択される変動パターンの平均変動時間が長い)テーブルである。本実施例では、図26に示すように、大当り判定の結果が大当りの場合には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜39の場合に変動時間が30秒の変動パターンP33が選択され、変動パターン決定用乱数が値40〜99の場合に変動時間が60秒の変動パターンP34が選択される。また、大当り判定の結果が外れで且つ特図2の保留数が少ない場合(値1,2)には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜89の場合に変動時間が6秒の変動パターンP32が選択され、変動パターン決定用乱数が値90〜97の場合に変動パターンP33が選択され、変動パターン決定用乱数が値98,99の場合に変動パターンP34が選択される(平均変動時間は9秒)。さらに、大当り判定の結果が外れで且つ特図2の保留数が多い場合(値3,4)には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜79の場合に変動時間が1.5秒の変動パターンP31が選択され、変動パターン決定用乱数が値80〜89の場合に変動パターンP32が選択され、変動パターン決定用乱数が値90〜97の場合に変動パターンP33が選択され、変動パターン決定用乱数が値98,99の場合に変動パターンP34が選択される(平均変動時間は5.4秒)。第3期間は、第1期間や第2期間よりも、平均変動時間が長い変動パターンが選択される可能性が高く、変動パターンの種類も多いため、より興趣度の高い演出を実現することができる。
図27は、第4期間(特定期間)用特別変動モード時変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。第4期間用特別変動モード時変動パターンテーブルは、大当り判定の結果に拘わらず、第1〜第3期間用特別変動モード時変動パターンテーブルよりも、平均変動時間が長い変動パターンが選択されるテーブルである。本実施例では、図27に示すように、変動パターン決定用乱数が値0〜99の全てで変動時間が15秒の変動パターンP41が選択される。前述したように、第4期間(特定期間)は、遊技状態が低確率電サポあり状態から低確率電サポなし状態へまたは高確率電サポあり状態から高確率電サポなし状態へ移行する場合に発生するため、変動パターンP41が選択されると、遊技状態が低確率電サポなし状態と高確率電サポなし状態の何れの状態へ移行するかを遊技者に示すモード移行演出が実行される。
図28は、第5期間用特別変動モード時変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。第5期間用特別変動モード時変動パターンテーブルは、第1〜4期間用特別変動モード時変動パターンテーブルよりも、変動パターンの種類が多く、且つ、長い変動時間の変動パターンが選択される可能性が高い(選択される変動パターンの平均変動時間が長い)テーブルである。本実施例では、図28に示すように、大当り判定の結果が大当りの場合には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜9の場合に変動時間が60秒の変動パターンP54が選択され、変動パターン決定用乱数が値10〜29の場合に変動時間が100秒の変動パターンP55が選択され、変動パターン決定用乱数が値39〜99の場合に変動時間が120秒の変動パターンP56が選択される。また、大当り判定の結果が外れで且つ特図2の保留数が少ない場合(値1,2)には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜89の場合に変動時間が12秒の変動パターンP52が選択され、変動パターン決定用乱数が値90〜92の場合に変動時間が30秒の変動パターンP53が選択され、変動パターン決定用乱数が値93〜95の場合に変動パターンP54が選択され、変動パターン決定用乱数が値96,97の場合に変動パターンP55が選択され、変動パターン決定用乱数が値98,99の場合に変動パターンP56が選択される(平均変動時間は約18秒)。さらに、大当り判定の結果が外れで且つ特図2の保留数が多い場合(値3,4)には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜89の場合に変動時間が3秒の変動パターンP51が選択され、変動パターン決定用乱数が値90〜92の場合に変動パターンP53が選択され、変動パターン決定用乱数が値93〜95の場合に変動パターンP54が選択され、変動パターン決定用乱数が値96,97の場合に変動パターンP55が選択され、変動パターン決定用乱数が値98,99の場合に変動パターンP56が選択される(平均変動時間は約10秒)。第5期間は遊技状態が高確率電サポなし状態である場合に実行されるから、第5期間中は、第1特別図柄を主体とし、保留数が少ない状況で遊技が進行する場合がある。このため、第1〜第3期間よりも、平均変動時間が長い変動パターンが選択される可能性が高い。また、第5期間中は、第1〜3期間よりも、変動パターンの種類が多いため、電サポなし状態であっても、興趣度の高い演出を実現することができる。
図14の変動表示関連処理に戻って、こうして変動パターンテーブルを設定すると、変動パターン決定用乱数を読み出し(S316)、読み出した変動パターン決定用乱数と設定した変動パターンテーブルとを用いて変動パターンを設定する(S318)。そして、特別図柄の変動表示を開始すると共に(S320)、変動表示を開始した特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし(S322)、図柄変動開始時コマンドをサブ制御基板90に送信して(S324)、変動表示関連処理を終了する。S320〜S324の処理は、現在の変動表示関連処理の対象が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄の変動表示を開始すると共に、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし、保留消化時コマンドとして第1特別図柄の保留消化時コマンドを送信する処理となる。一方、現在の変動表示関連処理の対象が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄の変動表示を開始すると共に、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし、保留消化時コマンドとして第2特別図柄の保留消化時コマンドを送信する処理となる。また、S324で送信する図柄変動開始時コマンドには、大当り判定の結果が大当りのときには大当り変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と大当り停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれる。また、大当り判定の結果が外れのときには外れ変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と外れ停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれる。図柄変動開始時コマンドを受信したサブ制御基板90は、コマンドを解析し、その解析結果に基づいて演出表示装置34の画面上で行う演出内容を決定し、その決定に応じた制御信号(演出コマンド)を演出表示制御基板91に出力して演出表示装置34の制御を行う。
図11〜図13の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S226で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御基板70のCPU70aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S242)。変動時間は特別図柄の変動パターンに応じて決定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行うことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、変動中の特別図柄の変動表示を停止し(S244)、図柄停止コマンドをサブ制御基板90に送信する(S246)。この図柄停止コマンドを受信したサブ制御基板90(演出表示制御基板91)は、演出表示装置34での図柄変動演出を終了させる。そして、停止表示時間を設定し(S248)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(S250)。ここで、停止表示時間は、特別図柄の変動表示を停止してから次に変動表示を開始するまでのインターバルであり、例えば0.6秒に設定される。停止表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S228で停止表示時間中と判定するため、再びS250で停止表示時間が経過したか否かを判定し、停止表示時間が経過していると判定すると、停止表示している特別図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S252)。
S252で停止表示している特別図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り遊技フラグをオンとすると共に(S254)、大当り時の遊技状態(変動短縮フラグの設定状況や確変フラグの設定状況等)をRAM70cに記憶し(S256)、大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信する(S258)。これにより、後述する大当り遊技処理によって大当り遊技が開始されることになる。また、大当り遊技中には確変機能や時短機能,開放延長機能を停止させるために、確変フラグがオンのときには確変フラグをオフとし(S260,S262)、変動短縮フラグがオンのときには変動短縮フラグをオフとすると共に開放延長フラグをオフとして(S264〜S268)、特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150大当り遊技処理に進む。
一方、S252で大当り図柄でない、即ち外れ図柄であると判定すると、特別変動モードフラグがオンであるか否かを判定し(S270)、特別変動モードフラグがオンであると判定すると、大当り遊技終了後からの特別図柄の変動回数を示す演出カウンタCをカウントアップする演出カウンタ更新処理を実行して(S272)、次のS274の処理に進み、特別変動モードフラグがオンでないと判定すると、S272の処理をスキップして、S274の処理に進む。そして、確変フラグがオンか否かを判定し(S274)、確変フラグがオンでないと判定すると、次のS284の処理に進む。確変フラグがオンであると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S276)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S278)。ここで、確変カウンタは、高確率状態(特図高確率状態)を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際してその値がセットされる。確変カウンタが値0でないと判定すると、高確率状態を維持したまま次のS284の処理に進み、確変カウンタが値0であると判定すると、確変フラグをオフとすると共に(S280)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S282)、次のS284の処理に進む。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、高確率状態から低確率状態に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す確変フラグの設定状況などが含まれる。
次に、変動短縮フラグがオンであるか否かを判定し(S284)、変動短縮フラグがオンでないときにはそのまま特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動短縮フラグがオンのときには変動短縮カウンタを値1だけデクリメントし(S286)、変動短縮カウンタが値0であるか否かを判定する(S288)。ここで、変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能(特別図柄および普通図柄の変動短縮)の作動状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際してその値がセットされる。変動短縮カウンタが値0でないときには、電サポあり状態を維持したまま特別図柄遊技処理を一旦終了し、変動短縮カウンタが値0のときには、電サポあり状態を終了させるために、変動短縮フラグをオフとすると共に(S290)、開放延長フラグをオフとし(S292)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S294)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、電サポあり状態から電サポなし状態に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す変動短縮フラグや開放延長フラグの設定状況などが含まれる。
[大当り遊技処理]
S150の大当り遊技処理は、図29に示すフローチャートに従って実行される。図29の大当り遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグがオンであるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(S400)。大当り遊技フラグがオフであると判定すると、そのまま大当り遊技処理を終了する。一方、大当り遊技フラグがオンであると判定すると、大当り遊技を開始するタイミングか否かを判定し(S402)、大当り遊技の開始タイミングである場合には、大当りの種類に応じたラウンド数に残りラウンド数を設定すると共に(S404)、実行ラウンドRを値1に初期化する(S406)。残りラウンド数は、特図1通常大当りや特図1確変大当りA(8R大当り)であれば値8に設定され、特図1確変大当りBや特図2確変大当りA(16R大当り)であれば値16に設定され、特図2確変大当りB(4R大当り)であれば値4に設定される。なお、大当り遊技の開始タイミングでない場合には、残りラウンド数と実行ラウンドRは設定済みであるから、S404,S406の処理をスキップして次のS408の処理に進む。
次に、残りラウンド数が値0であるか否かを判定する(S408)。残りラウンド数が値0でない、即ち値1以上であると判定すると、実行ラウンドRが特定ラウンド(本実施例では第2R)であるか否か(S410)、奇数ラウンド(第1R,第3R,第5R,第7R,第9R,第11R,第13R,第15R)であるか否か(S412)、をそれぞれ判定する。実行ラウンドRが特定ラウンドでなく奇数ラウンドであると判定すると、第1大入賞口44を開放して大当り遊技を行う第1大入賞口開放遊技処理を実行して(S414)、大当り遊技処理を終了する。また、実行ラウンドRが特定ラウンドでなく奇数ラウンドでもない、即ち特定ラウンド以外の偶数ラウンド(第4R,第6R,第8R,第10R,第12R,第14R,第16Rの何れか)であると判定すると、第2大入賞口50を開放して大当り遊技を行う第2大入賞口開放遊技処理を実行して(S416)、大当り遊技処理を終了する。さらに、実行ラウンドRが特定ラウンドであると判定すると、特定ラウンド用の開放パターンに従って第2大入賞口50を開放して大当り遊技を行う特定領域入球遊技処理を実行して(S418)、大当り遊技処理を終了する。
一方、S408で残りラウンド数が値0であると判定すると、後述する大当り遊技終了時処理を実行して(S420)、大当り遊技処理を終了する。なお、大当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS160の有効期間監視処理に進む。
S414の第1大入賞口開放遊技処理は、図30に示すフローチャートに従って実行される。図30の第1大入賞口開放遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1大入賞口44が開放中であるか否かを判定し(S500)、第1大入賞口44が開放中でないと判定すると、第1大入賞口44を開放する準備中であるか否かを判定する(S502)。準備中であると判定すると、通常ラウンド開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信するなど第1大入賞口44の開放準備に必要な処理を行って(S504)、第1大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。なお、通常ラウンド開始指定コマンドには、実行ラウンドRなどが含まれる。
S504で開放準備に必要な処理を行うと、次に第1大入賞口開放遊技処理を実行したときには既に開放準備が完了しているため、S502で準備中でないと判定し、第1大入賞口44が開放されるよう第1大入賞口ソレノイド44bを駆動制御して(S506)、第1大入賞口開放遊技処理を終了する。
また、S500で第1大入賞口44が開放中であると判定すると、今回のラウンドの第1大入賞口44の開放パターンが長開放パターンであるか否かを判定する(S508)。第1大入賞口44の開放パターンは、大当りの種類によってラウンド(奇数ラウンド)毎に定められている。本実施例では、図18および図19に示したように、大当りが特図1確変大当りBの場合に第9R,第11R,第13R,第15Rで短開放パターンが選択される他は、長開放パターンが選択されるようになっている。今回のラウンドの第1大入賞口44の開放パターンが長開放パターンであると判定すると、第1大入賞口44の開放を開始してからの経過時間が長開放パターンの開放時間であるC時間TC(本実施例では、29秒)以上であるか否か(S510)、第1大入賞口44に入球した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したか否か(S512)、をそれぞれ判定する。第1大入賞口44の開放を開始してからの経過時間がC時間(TC)以上でなく、且つ、第1大入賞口44に規定数の遊技球が入球していないと判定すると、第1大入賞口44の開放を維持したまま第1大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。一方、経過時間がC時間(TC)以上であると判定したり、第1大入賞口44に規定数の遊技球が入球したと判定したりすると、第1大入賞口44が閉鎖されるよう第1大入賞口ソレノイド44bを駆動制御し(S514)、残りラウンドを値1だけデクリメントすると共に(S516)、実行ラウンドRを値1だけインクリメントして(S518)、第1大入賞口開放遊技処理を終了する。
S508で今回のラウンドの開放パターンが長開放パターンではなく、短開放パターンであると判定すると、第1大入賞口44の開放を開始してからの経過時間が短開放パターンの開放時間であるA時間TA(本実施例では、0.1秒)以上であるか否かを判定する(S520)。経過時間がA時間(TA)以上でないと判定すると、第1大入賞口44を開放したまま第1大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。一方、経過時間がA時間(TA)以上であると判定すると、第1大入賞口44が閉鎖されるよう第1大入賞口ソレノイド44bを駆動制御し(S514)、残りラウンドを値1だけデクリメントすると共に(S516)、実行ラウンドRを値1だけインクリメントして(S518)、第1大入賞口開放遊技処理を終了する。
次に、図29の大当り遊技処理で実行ラウンドRが特定ラウンド以外の偶数ラウンドの場合に行われるS416の第2大入賞口開放遊技処理について説明する。第2大入賞口開放遊技処理は、図31に示すフローチャートに従って実行される。図31の第2大入賞口開放遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、第2大入賞口50が開放中であるか否かを判定し(S600)、第2大入賞口50が開放中でないと判定すると、第2大入賞口50を開放する準備中であるか否かを判定する(S602)。準備中であると判定すると、通常ラウンド開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信するなど第2大入賞口50の開放準備に必要な処理を行って(S604)、第2大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。なお、通常ラウンド開始指定コマンドには、実行ラウンドRなどが含まれる。
S604の開放準備に必要な処理を行うことにより開放準備が完了すると、次に第2大入賞口開放遊技処理を実行したときには既に開放準備が完了しているため、S602で準備中でないと判定し、第2大入賞口50が開放されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御して(S606)、第2大入賞口開放遊技処理を終了する。
また、S600で第2大入賞口50が開放中であると判定すると、今回のラウンドの第2大入賞口50の開放パターンが長開放パターンであるか否かを判定する(S608)。第2大入賞口50の開放パターンは、大当りの種類によってラウンド(特定ラウンドを除く偶数ラウンド)毎に定められている。本実施例では、図18および図19に示したように、大当りが特図1確変大当りBの場合に第10R,第12R,第14R,第16Rで短開放パターンが選択される他は、長開放パターンが選択されるようになっている。今回のラウンドの第2大入賞口50の開放パターンが長開放パターンであると判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がC時間(TC)以上であるか否か(S610)、第2大入賞口50に入球した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したか否か(S612)、をそれぞれ判定する。第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がC時間(TC)以上でなく、且つ、第2大入賞口50に規定数の遊技球が入球していないと判定すると、第2大入賞口50の開放を維持したまま第2大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。一方、経過時間がC時間(TC)以上であると判定したり、第2大入賞口50に規定数の遊技球が入球したと判定したりすると、第2大入賞口50が閉鎖されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御し(S614)、残りラウンドを値1だけデクリメントすると共に(S616)、実行ラウンドRを値1だけインクリメントして(S618)、第2大入賞口開放遊技処理を終了する。
S608で今回のラウンドの開放パターンが長開放パターンではなく、短開放パターンであると判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がA時間(TA)以上であるか否かを判定する(S620)。経過時間がA時間(TA)以上でないと判定すると、第2大入賞口50を開放したまま第2大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。一方、経過時間がA時間(TA)以上であると判定すると、第2大入賞口50が閉鎖されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御し(S614)、残りラウンドを値1だけデクリメントすると共に(S616)、実行ラウンドRを値1だけインクリメントして(S618)、第2大入賞口開放遊技処理を終了する。
次に、図29の大当り遊技処理で実行ラウンドRが特定ラウンド(第2R)の場合に行われるS418の特定領域入球遊技処理について説明する。特定領域入球遊技処理は、図32に示すフローチャートに従って実行される。図32の特定領域入球遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、第2大入賞口50を開放中であるか否かを判定し(S700)、第2大入賞口50を開放中でないと判定すると、第2大入賞口50を開放する準備中であるか否かを判定する(S702)。準備中であると判定すると、特定ラウンド開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信するなど第2大入賞口50の開放準備に必要な処理を行って(S704)、特定領域入球遊技処理を一旦終了する。
S704で開放準備に必要な処理を行うことにより開放準備が完了すると、S702で準備中でないと判定して、第2大入賞口50が開放されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御し(S706)、特定領域52への遊技球の通過の検知を有効とする有効期間を発生させる(開始する)と共に(S708)、振分装置駆動実行フラグをオンとしてから(S710)、振分ソレノイド56bをオンとして(S712)、特定領域入球遊技処理を終了する。なお、発生させた有効期間はS160の有効期間監視処理によって監視され、振分装置56(振分ソレノイド56b)の駆動状態はS170の振分装置駆動処理によって制御される。
こうして第2大入賞口50を開放すると(第2大入賞口50の開放に伴って、有効期間を発生させると共に振分装置56(振分ソレノイド56b)の駆動を開始すると)、S700で第2大入賞口50が開放中であると判定し、特定ラウンドの第2大入賞口50の開放パターンが長開放パターンであるか否かを判定する(S714)。特定ラウンドの第2大入賞口50の開放パターンは、図18および図19に示したように、大当りが確変大当り(特図1確変大当りA,Bおよび特図2確変大当りA,B)である場合に長開放パターンとなり、大当りが通常大当り(特図1通常大当り)である場合に短開放パターンとなる。特定ラウンドの第2大入賞口50の開放パターンが長開放パターンであると判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がC時間(TC)以上であるか否か(S716)、第2大入賞口50に入球した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したか否か(S718)、をそれぞれ判定する。経過時間がC時間(TC)以上でなく、且つ、第2大入賞口50に規定数の遊技球が入球していないと判定すると、第2大入賞口50の開放を維持したまま特定領域入球遊技処理を一旦終了する。一方、経過時間がC時間(TC)以上であると判定したり、第2大入賞口50に規定数の遊技球が入球したと判定したりすると、第2大入賞口50が閉鎖されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御し(S720)、残りラウンドを値1だけデクリメントすると共に(S722)、実行ラウンドRを値1だけインクリメントして(S724)、特定領域入球遊技処理を終了する。これにより、長開放パターンで第2大入賞口50を開放する特定ラウンドが終了する。
S714で特定のラウンドの開放パターンが長開放パターンではなく、短開放パターンであると判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がA時間(TA)以上であるか否かを判定する(S726)。経過時間がA時間(TA)以上でないと判定すると、第2大入賞口50を開放したまま第2大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。一方、経過時間がA時間(TA)以上であると判定すると、第2大入賞口50が閉鎖されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御し(S720)、残りラウンドを値1だけデクリメントすると共に(S722)、実行ラウンドRを値1だけインクリメントして(S724)、特定領域入球遊技処理を終了する。これにより、短開放パターンで第2大入賞口50を開放する特定ラウンドが終了する。
[有効期間監視処理]
次に、S160の有効期間監視処理について説明する。この有効期間監視処理は、図33に示すフローチャートに従って実行される。図33の有効期間監視処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、図32の特定領域入球遊技処理のS708で発生(開始)させた有効期間内であるか否かを判定し(S740)、有効期間内でないと判定すると、そのまま有効期間監視処理を終了する。なお、有効期間監視処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS170の振分装置駆動処理に進む。S740で有効期間内であると判定すると、特定ラウンドの開放パターンが長開放パターンであるか否かを判定する(S742)。今回の大当りが確変大当り(特図1確変大当りA,Bまたは特図2確変大当りA,B)であれば長開放パターンであると判定し、今回の大当りが通常大当り(特図1通常大当り)であれば短開放パターンであるため長開放パターンでないと判定する。S742で長開放パターンでなく短開放パターンであると判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がB時間(TB)以上であるか否かを判定する(S744)。ここで、B時間(TB)は、短開放パターンでの第2大入賞口50の開放時間(0.1秒)よりも長い時間であり、例えば、4.0秒とすることができる。S744で経過時間がB時間(TB)以上でないと判定すると、有効期間を維持したまま有効期間監視処理を終了し、S744で第2大入賞口50を開放してからの経過時間がB時間(TB)以上であると判定すると、有効期間を終了させると共に(S748)、有効期間終了指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S750)、有効期間監視処理を終了する。なお、有効期間終了指定コマンドを受信したサブ制御基板90の処理については後述する。一方、S742で長開放パターンであると判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がD時間(TD)以上であるか否かを判定する(S746)。ここで、D時間(TD)は、長開放パターンで第2大入賞口50が開放を終了するまでのC時間(例えば29秒)よりも長い時間であり、例えば32秒とすることができる。S746で経過時間がD時間(TD)以上でないと判定すると、有効期間を維持したまま有効期間監視処理を終了し、S746で経過時間がD時間(TD)以上であると判定すると、有効期間を終了させると共に(S748)、有効期間終了指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S750)、有効期間監視処理を終了する。なお、有効期間以外の期間において、特定領域52を遊技球が通過した場合、特定領域通過スイッチ52aにより遊技球の通過は検知されるが、有効なものとはされず、S180の特定領域通過有無監視処理で特定領域通過フラグがオンとされることはない。
[振分装置駆動処理]
S170の振分装置駆動処理は、図34に示すフローチャートに従って実行される。図34の振分装置駆動処理では、まず、振分装置駆動実行フラグがオンであるか否かを判定する(S760)。この振分装置駆動実行フラグは、前述した図32の特定領域入球遊技処理のS710でオンとされるから、特定領域入球遊技処理が行われる特定ラウンド開始時にオンされるものとなる。振分装置駆動実行フラグがオンでなくオフであると判定すると、そのまま振分装置駆動処理を終了する。なお、振分装置駆動処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS180の特定領域通過有無監視処理に進む。S760で振分装置駆動実行フラグがオンであると判定すると、振分ソレノイド56bがオンであるか否かを判定する(S762)。特定領域入球遊技処理では、S710で振分装置駆動実行フラグをオンとした後に振分ソレノイド56bをオンとするから、特定ラウンド中に振分ソレノイド56bがオフとされない限り、S762で振分ソレノイド56bがオンであると判定して、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間が、D時間(TD)以上であるか否か(S764)、B時間(TB)以上であるか否か(S766)、A時間(TA)以上であるか否か(S768)、をそれぞれ判定する。ここで、前述したように、例えばA時間は0.1秒であり、B時間は4.0秒であり、D時間は32秒である。このため、第2大入賞口50を開放してからA時間(TA)が経過するまでは、S764,S766でそれぞれ経過時間がD時間(TD)以上,B時間(TB)以上でなく、S768で経過時間がA時間(TA)以上でもないと判定して、そのまま振分装置駆動処理を終了する。この場合、振分ソレノイド56bはオンのままとするから、振分装置56が遊技球を特定領域52に振り分ける状態のままとなる。
S768で第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がA時間(TA)以上であると判定すると、特定ラウンドの開放パターンが長開放パターンであるか否かを判定する(S770)。開放パターンが長開放パターンでなく短開放パターンであると判定すると、振分ソレノイド56bをオフとし(S772)、振分装置駆動実行フラグをオフとして(S774)、振分装置駆動処理を終了する。これにより、振分装置56が遊技球を非特定領域54に振り分ける状態となる。なお、A時間(TA)は、前述したように、短開放パターンで特定ラウンドを実行する場合に第2大入賞口50の開放を開始してからその開放を終了する時間である。このため、短開放パターンでは、第2大入賞口50の短開放を終了するときに振分ソレノイド56bをオフとして、振分装置56が遊技球を非特定領域54に振り分ける状態とされることになる。一方、S770で長開放パターンであると判定すると、振分ソレノイド56bをオフとし(S776)、振分装置駆動実行フラグをオフとすることなく、振分装置駆動処理を終了する。これにより、長開放パターン中も経過時間がA時間(TA)以上となると、振分装置56が一旦遊技球を非特定領域54に振り分ける状態となる。なお、長開放パターンであれば、振分ソレノイド56bをオフとするだけで振分装置駆動実行フラグをオフとしない(オンのままとする)から、次に振分装置駆動処理が実行された場合、S760で振分装置駆動実行フラグがオンで且つS762で振分ソレノイド56bがオフと判定することになる。
S762で振分ソレノイド56bがオフと判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がB時間(TB)以上であるか否かを判定し(S778)、経過時間がB時間(TB)以上でないと判定すると、振分ソレノイド56bをオフとしたまま振分装置駆動処理を終了する。一方、S778で経過時間がB時間(TB)以上であると判定すると、振分ソレノイド56bを再度オンとして(S780)、振分装置駆動処理を終了する。これにより、振分装置56が再び遊技球を特定領域52に振り分ける状態となる。S780で振分ソレノイド56bをオンとした以降に振分装置駆動処理が実行されると、S762で振分ソレノイド56bがオンであると判定し、S764で第2大入賞口50を開放してからの経過時間がD時間(TD)以上と判定するまで、S766で経過時間がB時間(TB)以上であると判定し、振分装置駆動処理を終了する。なお、S766で経過時間がB時間(TB)以上であると判定すると、S768,S770,S776(振分ソレノイド56bのオフ動作)に進むことなく、振分駆動処理を終了するのであるから、S780においてB時間(TB)が経過したタイミングで振分ソレノイド56bを再びオンとすると、以降、S764で経過時間がD時間(TD)以上と判定されるまで、振分ソレノイド56bがオンのまま維持されることとなる。そして、S764で経過時間がD時間(TD)以上であると判定すると、振分ソレノイド56bをオフとし(S772)、振分装置駆動実行フラグをオフとして(S774)、振分装置駆動処理を終了する。これにより、振分装置56が遊技球を非特定領域54に振り分ける状態となる。前述したように、長開放パターンでは、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がC時間(TC)以上となると第2大入賞口50を閉鎖し、経過時間がC時間(TC)よりも長いD時間(TD)以上となったときに振分装置56を遊技球を特定領域52に振り分ける状態から非特定領域54に振り分ける状態へ変化させるのである。
[特定領域通過有無監視処理]
S180の特定領域通過有無監視処理は、図35に示すフローチャートに従って実行される。図35の特定領域通過有無監視処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、図32の特定領域入球遊技処理のS708で発生(開始)させた有効期間内であるか否かを判定し(S790)、有効期間内であると判定すると、特定領域通過スイッチ52aにより特定領域52への遊技球の通過を検知したか否かを判定する(S792)。有効期間内に特定領域52への遊技球の通過を検知したと判定すると、特定領域通過フラグをオンとし(S794)、特定領域通過指定コマンドをサブ制御基板90へ送信して(S796)、特定領域通過有無監視処理を終了する。ここで、サブ制御基板90に送信する特定領域通過指定コマンドは、特定領域通過フラグがオンに設定されたことを示すものである。一方、S790で有効期間内ではないと判定したり、有効期間内であってもS792で特定領域52への遊技球の通過を検知してないと判定すると、そのまま特定領域通過有無監視処理を終了する。このため、特定領域52への遊技球の通過を検知することなく有効期間が終了すると、特定領域通過フラグはオンとされず、特定領域通過指定コマンドはサブ制御基板90に送信されないことになる。
[大当り遊技終了時処理]
次に、図29の大当り遊技処理のS420で実行される大当り遊技終了時処理を説明する。この大当り遊技終了時処理は、図36に示すフローチャートに従って実行される。図36の大当り遊技終了時処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグをオンからオフとし(S800)、特定領域通過フラグがオンであるか否かを判定する(S802)。特定領域通過フラグがオンであると判定すると、確変カウンタを120回(閾値Ce)に設定し(S804)、確変フラグをオンとして(S806)、特定領域通過フラグをオフとする(S808)。これにより、特定ラウンドの有効期間内に遊技球が特定領域52を通過したことに基づいて、大当り遊技終了後に高確率状態が設定されることになる。そして、変動短縮カウンタを値100に設定し(S810)、変動短縮フラグをオンとすると共に(S812)、開放延長フラグをオンとする(S814)。これにより、大当り遊技終了後に高確率電サポあり状態に設定されることとなる。また、特別変動モード発生期間Crefを120回(閾値Ce)に設定して(S816)、特別変動モードフラグをオンとすると共に(S818)、演出カウンタCを値1に初期化し(S820)、大当り終了指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S834)、大当り遊技終了時処理を終了する。
一方、特定領域通過フラグがオフであると判定すると、確変フラグをオンとすることなく、変動短縮カウンタを100回に設定し(S822)、変動短縮フラグをオンとすると共に(S824)、開放延長フラグをオンとする(S826)。そして、特別変動モード発生期間Crefを100回(閾値C5)に設定して(S828)、特別変動モードフラグをオンとすると共に(S830)、演出カウンタCを値1に初期化し(S832)、大当り遊技終了指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S834)、大当り遊技終了時処理を終了する。
以上の確変フラグや変動短縮フラグ、開放延長フラグの設定状況によって、特別図柄の変動表示が行われる際、換言すると特別図柄の当否判定(大当り判定)が行われる際の遊技条件が定まることとなる。なお、大当り遊技時を除いて、確変フラグと変動短縮フラグと開放延長フラグのすべてがオフとなっている状態が通常の遊技状態(通常変動モード)であり、それらフラグの何れかがオンとなっている状態が特別状態(特別変動モード)となる。したがって、大当り遊技終了後、遊技状態が高確率電サポあり状態に設定されると共に特別変動モードが発生した場合、特別図柄の変動表示が120回行われて遊技状態が高確率電サポあり状態から高確率電サポなし状態へ変化しても、特別変動モードが維持され、特別図柄の変動表示が120回行われて遊技状態が高確率電サポなし状態から低確率電サポなし状態へ変化すると、特別変動モードが終了することとなる。また、大当り遊技終了後、遊技状態が低確率電サポあり状態に設定されると共に特別変動モードが発生した場合、特別図柄の変動表示が100回行われて遊技状態が低確率電サポあり状態から低確率電サポなし状態へ変化すると、特別変動モードが終了することとなる。なお、大当り遊技終了指定コマンドには、確変フラグや変動短縮フラグ、開放延長フラグの各設定状況の他、今回の大当り遊技の発生契機となった大当り図柄などが含まれる。そして、大当り遊技終了指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、大当り遊技終了演出などを実行する。
ここで、各開放パターンでの特定ラウンドの実行前と実行中と実行後とにおける第1大入賞口44および第2大入賞口50の開放制御に関する時間変化の様子について説明する。図37は、長開放パターンで特定ラウンドが実行される場合の説明図であり、図38は、短開放パターンで特定ラウンドが実行される場合の説明図である。図37,図38には、特定ラウンド実行前の第1ラウンドの終了間際から、特定ラウンド(第2ラウンド)を経て、特定ラウンド終了後の第3ラウンドの開始後までの時間変化の様子を示す。
図37に示すように、長開放パターンで特定ラウンドが実行されると、時間0の時点から第2大入賞口50の開放を開始して、振分装置56の振分ソレノイド56bをオンとして第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分ける状態とし、特定領域通過検知を有効とする(有効期間を発生させる)。第2大入賞口50の開放を開始してからA時間(TA)が経過すると、振分装置56の振分ソレノイド56bをオフとして第2大入賞口50に入球した遊技球を一旦非特定領域54に振り分ける状態とする。なお、振分ソレノイド56bをオフとしても、特定領域通過検知は、有効のままとする。第2大入賞口50の開放を開始してからB時間(TB)が経過すると、振分ソレノイド56bを再びオンとして第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分ける状態とする。そして、第2大入賞口50の開放を開始してからC時間(TC)が経過すると、第2大入賞口50を閉鎖する。ただし、振分ソレノイド56bはオンのままであり、特定領域通過検知も有効のままである。このように、長開放パターンは、第2大入賞口50を閉鎖するときに、第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分ける状態(振分ソレノイド56bがオン)のままとなるパターンである。ここで、C時間(TC)は、十分な時間(例えば29秒)が確保されているから、特定ラウンドの開放パターンとして長開放パターンが選択されると、通常、第2大入賞口50が開放している間に遊技球が入球し、入球した遊技球が特定領域52を通過することとなる。また、第2大入賞口50の開放時間が終了する直前(閉鎖直前)に遊技球が入球し、入球した遊技球が振分装置56に到達する前に第2大入賞口50の開放時間が終了(第2大入賞口50が閉鎖)しても、その遊技球は特定領域52を通過可能である。そして、第2大入賞口50の開放からD時間(TD)が経過すると、振分ソレノイド50bをオフとして、特定領域通過検知を無効とする(有効期間を終了する)。なお、第1ラウンドで開放された第1大入賞口44は、時間T11で閉鎖される。また、第1大入賞口44は、C時間(TC)で第2大入賞口50の閉鎖が開始され、その約0.15秒後の時間T12で第3ラウンドの開放準備が開始された後、約0.5秒が経過すると(時間T13)、再び開放が開始される。図示するように、D時間(TD)は、時間T13以降の時間となっている。即ち、本実施例の長開放パターンでは、特定ラウンド(第2ラウンド)が終了し第2大入賞口50を閉鎖してから、次ラウンド(第3ラウンド)で第1大入賞口44を開放した後も、振分ソレノイド56bをオンのままとして遊技球を特定領域52に振り分ける状態としつつ、特定領域通過検知を有効とすることになる。このように、次ラウンド中も特定領域通過検知を有効とすることで、特定ラウンドと次ラウンドとの間の繋ぎの時間をできる限り短くしつつ(ラウンドの消化を速めつつ)、特定領域の通過の検知を適切に行うことが可能となるのである。
図38に示すように、短開放パターンで特定ラウンドが実行されると、長開放パターンと同様に、時間0の時点から第2大入賞口50の開放を開始して、振分装置56の振分ソレノイド56bをオンとして第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分ける状態とし、特定領域通過検知を有効とする(有効期間を発生させる)。第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がA時間(TA)になると、振分装置56の振分ソレノイド56bをオフとして第2大入賞口50に入球した遊技球を非特定領域54に振り分ける状態とし、第2大入賞口50を閉鎖する。このように、短開放パターンは、第2大入賞口50を閉鎖するときに、第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分けない状態となる(振分ソレノイド56bがオフとされる)パターンである。短開放パターンでは、第2大入賞口50を極短時間だけ開放すると共に第2大入賞口50を開放している間だけ遊技球を特定領域52に振り分けるよう振分装置56を駆動するから、短開放パターンで特定ラウンドが実行される場合に、第2大入賞口50に遊技球が入球することはほとんどなく、仮に第2大入賞口50に遊技球が入球してもその遊技球が振分装置56の振り分けを経て特定領域52を通過するのはほとんど不可能である。そして、第2大入賞口50の開放からB時間(TB)が経過すると、特定領域通過検知を無効とする(有効期間を終了させる)。なお、第1大入賞口44は、A時間(TA)で第2大入賞口50の閉鎖が開始され、その約0.15秒後の時間T21で第3ラウンドの開放準備が行われた後、約0.5秒が経過すると(時間T22)、開放される。図示するように、B時間(TB)は、時間T22以降の時間となっている。即ち、本実施例の短開放パターンでは、特定ラウンド(第2ラウンド)が終了し第2大入賞口50を閉鎖してから、次ラウンド(第3ラウンド)で第1大入賞口44を開放した後は、振分ソレノイド56bをオフとして遊技球を非特定領域54に振り分ける状態としつつ、特定領域通過検知を有効とすることになる。前述したように、短開放パターンで特定ラウンドが実行される場合に、遊技球が特定領域52を通過するのはほとんど不可能であるが、次ラウンド中も特定領域通過検知と第2大入賞口監視期間とを有効とすることで、特定ラウンドと次ラウンドとの間の繋ぎの時間をできる限り短くしつつ(ラウンドの消化を速めつつ)、特定領域の通過の検知を適切に行うことが可能となるのである。
[演出カウンタ更新処理]
次に、図13の特別図柄遊技処理のS272で実行される演出カウンタ更新処理について説明する。演出カウンタ更新処理は、図39のフローチャートに従って実行される。図39の演出カウンタ更新処理が実行されると、まず、演出カウンタCが、図36の大当り遊技終了時処理のS816またはS828で設定された特別変動モード発生期間Cref以上であるか否かを判定する(S900)。特別変動モード発生期間Crefは、前述したように、大当り遊技終了後の遊技状態として高確率電サポあり状態が設定されると、高確率状態が低確率状態へ移行するタイミングである120回であり、大当り遊技終了後の遊技状態として低確率電サポあり状態が設定されると、電サポあり状態が電サポなし状態へ移行するタイミングである100回である。演出カウンタCが特別変動モード発生期間Cref以上でないと判定すると、演出カウンタCを値1だけインクリメントし(S902)、特別変動モードを維持して、演出カウンタ更新処理を終了する。一方、演出カウンタCが特別変動モード発生期間Cref以上であると判定すると、特別変動モードを終了させるために、特別変動モードフラグをオフとすると共に(S904)、モード指定コマンドをサブ制御基板90へ送信して(S906)、演出カウンタ更新処理を終了する。
[演出制御処理]
次に、サブ制御基板90により実行される動作について説明する。図40は、サブ制御基板90のCPU90により実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御処理は、保留発生時処理(S1000)と、図柄変動演出処理(S1010)と、先読み予告演出処理(S1020)と、大当り告知演出処理(S1030)と、大当り遊技演出処理(S1040)、演出モード移行処理(S1050)等の各種処理を繰り返し実行することにより行われる。
[保留発生時処理]
S1000の保留発生時処理では、図示しないが、図11の特別図柄遊技処理のS208またはS222で第1特別図柄の保留発生時コマンドまたは第2特別図柄の保留発生時コマンドを受信したか否かを判定し、第1特別図柄の保留発生時コマンドを受信したと判定すると、第1特別図柄用の保留図柄35aを通常態様(所定の色と形状)で1つ表示し、第2特別図柄の保留発生時コマンドを受信したと判定すると、第2特別図柄用の保留図柄35bを通常態様で1つ表示する。また、図14の変動表示関連処理のS324の処理で第1特別図柄の保留消化時コマンドまたは第2特別図柄の保留消化時コマンドを受信したか否かを判定し、第1特別図柄の保留消化時コマンドを受信したと判定すると、第1特別図柄用の保留図柄35aを1つ消去し、第2特別図柄の保留消化時コマンドを受信したと判定すると、第2特別図柄用の保留図柄35bを1つ消去する。
[図柄変動演出処理]
S1010の図柄変動演出処理は、図41のフローチャートに従って実行される。図41の図柄変動演出処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、図14の変動表示関連処理のS324の処理で主制御基板70により送信される図柄変動開始時コマンドを受信したか否かを判定する(S1100)。図柄変動開始時コマンドを受信したと判定すると、その受信したコマンドに基づき今回の大当り判定の結果が大当りか否かを判定し(S1102)、大当り判定の結果が大当りの場合には演出図柄の停止図柄に大当り図柄を設定し(S1104)、外れの場合には演出図柄の停止図柄に外れ図柄を設定する(S1106)。前述したように、図柄変動開始時コマンドには、特別図柄の変動パターン(変動パターン指定コマンド)と特別図柄の停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれているから、演出図柄の停止図柄の選択は、ROM90bに予め記憶されている演出図柄の停止図柄のうち受信した特別図柄停止情報指定コマンドに対応する停止図柄を読み出すことにより行うことができる。本実施例では、遊技者が、演出図柄の停止図柄から特図当り図柄が通常大当り図柄であるか確変大当り図柄であるかを判別することはできないように、共通のテーブルを用いて停止図柄を設定するものとした。演出図柄の停止図柄を設定すると、図柄変動開始時コマンドに含まれる変動パターンに基づいて演出パターンを設定する演出パターン設定処理を行う(S1108)。ここで、演出パターン設定処理は、図42のフローチャートに従って実行される。
図42の演出パターン設定処理では、現在の演出モードが、「確変時短モード」であるか否か(S1150)、「時短モード」であるか否か(S1152)、「確変非時短モード」であるか否か(S1154)、をそれぞれ判定する。ここで、演出モードは、現在の遊技状態(低確率電サポなし状態,低確率電サポあり状態,高確率電サポあり状態,高確率電サポなし状態)を示唆するためのものであり、本実施例では、現在の遊技状態が低確率電サポなし状態であることを示唆する「通常モード」と、現在の遊技状態が高確率電サポあり状態であることを示唆する「確変時短モード」と、現在の遊技状態が低確率電サポあり状態であることを示唆する「時短モード」と、現在の遊技状態が高確率電サポなし状態であることを示唆する「確変非時短モード」とがある。「時短モード」は、後述するように、遊技状態が高確率電サポあり状態である場合にも設定されることがある。現在の演出モードが「確変時短モード」,「時短モード」,「確変非時短モード」の何れでもないと判定すると、「通常モード」であるため、演出パターンテーブルとして通常モード用演出パターンテーブルを選択し(S1156)、「確変時短モード」であると判定すると、演出パターンテーブルとして確変時短モード用演出パターンテーブルを選択し(S1158)、「時短モード」であると判定すると、演出パターンテーブルとして時短モード用演出パターンテーブルを選択し(S1160)、「確変非時短モード」であると判定すると、演出パターンテーブルとして確変非時短モード用演出パターンテーブルを選択する(S1162)。こうして演出パターンテーブルを選択すると、選択した演出パターンテーブルとS1100で受信した図柄変動開始時コマンドに含まれる変動パターンとに基づいて演出パターンを設定して(S1164)、演出パターン設定処理を終了する。
図43は、通常モード用演出パターンテーブルの一例を示す説明図であり、図44は、確変時短モード用演出パターンテーブルの一例を示す説明図であり、図45は、時短モード用演出パターテーブルの一例を示す説明図であり、図46は、確変非時短モード用演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。通常モード用演出パターンテーブルは、図43に示すように、変動パターンP01,P02にはリーチ演出を伴わずに演出図柄を変動表示させる通常変動パターンA1,A2が対応付けられ、変動パターンP03,P04にはそれぞれノーマルリーチ演出A1,A2を伴って演出図柄を変動表示させるノーマルリーチパターンA1,A2が対応付けられ、変動パターンP05,P06,P07にはそれぞれノーマルリーチ演出A1またはA2から発展するスーパーリーチ演出A1,A2,A3を伴って演出図柄を変動表示させるスーパーリーチパターンA1,A2,A3が対応付けられている。図21に示したように、大当り判定の結果が外れの場合、選択され易い方から順に、変動パターンP01,P02(通常変動パターンA1,A2)、変動パターンP03(ノーマルリーチパターンA1)、変動パターンP04(ノーマルリーチパターンA2)、変動パターンP05(スーパーリーチパターンA1)、変動パターンP06(スーパーリーチパターンA2)、変動パターンP07(スーパーリーチパターンA3)となっている。一方、大当り判定の結果が大当りの場合、変動パターンP01〜P03が選択されることはなく、変動パターンP04〜P07のうち選択され易い方から順に、変動パターンP07(スーパーリーチパターンA3)、変動パターンP06(スーパーリーチパターンA2)、変動パターンP05(スーパーリーチパターンA1)、変動パターン04(ノーマルリーチパターンA2)となっている。したがって、通常モードでは、大当り信頼度が高い方から順に、スーパーリーチパターンA3、スーパーリーチパターンA2、スーパーリーチパターンA1、ノーマルリーチパターンA2となっている。また、通常モードでは、現在の演出モードが「通常モード」であることを報知するために、背景画像のパターンとして通常用背景が選択される。
確変時短モード用演出パターンテーブルは、図44に示すように、大当り遊技終了後、第1期間中(1回〜4回)に選択される変動パターンP11には演出図柄を短時間だけ変動表示させる短変動パターンB1が対応付けられている。また、大当り遊技終了後、第1期間よりも後の第2期間中(5回〜20回)は変動パターンP21〜P23が選択され、変動パターンP21には変動パターンP11よりも長いが演出図柄を短時間だけ変動表示させる短変動パターンB2が対応付けられ、変動パターンP22にはリーチ発生の有無を煽るテンパイ煽り演出B1を伴って演出図柄を変動表示させるテンパイ煽り演出パターンB1(リーチが発生しないパターン)が対応付けられ、変動パターンP23にはテンパイ煽り演出B1からリーチが発生して発展するスーパーリーチ演出B1を伴って演出図柄を変動表示させるスーパーリーチパターンB1が対応付けられている。また、大当り遊技終了後、第2期間よりも後の第3期間中(21回〜99回)は変動パターンP31〜P34が選択され、変動パターンP31には演出図柄を短時間だけ変動表示させる短変動パターンB3が対応付けられ、変動パターンP32にはテンパイ煽り演出B2を伴って演出図柄を変動表示させるテンパイ煽り演出パターンB2(リーチが発生しないパターン)が対応付けられ、変動パターンP33にはテンパイ煽り演出B2からリーチが発生して発展するスーパーリーチ演出B2を伴って演出図柄を変動表示させるスーパーリーチパターンB2が対応付けられ、変動パターンP34にはテンパイ煽り演出B2からリーチが発生して発展するスーパーリーチ演出B3を伴って演出図柄を変動表示させるスーパーリーチパターンB3が対応付けられている。大当り遊技終了後、第2期間や第3期間よりも後の第4期間中、即ち特定期間中(100回)に選択される変動パターンP41は演出モード(遊技状態)の移行を報知するためのモード移行演出を伴って演出図柄を変動表示させるモード移行演出パターンが対応付けられる。また、大当り遊技終了後の各期間の背景画像として、第1期間中には確変時短用背景Aが選択され、第2期間中および第3期間中には確変時短用背景Bが選択され、第4期間中にモード移行用背景が選択される。
時短モード用演出パターンテーブルは、図45に示すように、大当り遊技終了後、第1期間中(1回〜4回)に選択される変動パターンP11には演出図柄を短時間だけ変動表示させる短変動パターンC1が対応付けられている。また、大当り遊技終了後、第1期間よりも後の第2期間中(5回〜20回)は変動パターンP21〜P23が選択され、変動パターンP21には演出図柄を短時間だけ変動表示させる短変動パターンC2が対応付けられ、変動パターンP22にはテンパイ煽り演出C1を伴って演出図柄を変動表示させるテンパイ煽り演出パターンC1(リーチが発生しないパターン)が対応付けられ、変動パターンP23にはテンパイ煽り演出C1からリーチが発生して発展するスーパーリーチ演出C11,C12を伴って演出図柄を変動表示させるスーパーリーチパターンC11,C12が対応付けられている。ここで、スーパーリーチパターンC11は演出パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜49の場合に選択され、スーパーリーチパターンC12は演出パターン決定用乱数が値50〜99の場合に選択される。このように変動パターンP23には複数の演出パターンが対応付けられており、演出パターン設定処理にて複数の演出パターンの何れかが選択されるようになっている。また、大当り遊技終了後、第2期間よりも後の第3期間中(21回〜99回)は変動パターンP31〜P34が選択され、変動パターンP31には演出図柄を短時間だけ変動表示させる短変動パターンC3が対応付けられ、変動パターンP32にはテンパイ煽り演出C2を伴って演出図柄を変動表示させるテンパイ煽り演出パターンC2(リーチが発生しないパターン)が対応付けられ、変動パターンP33にはテンパイ煽り演出出C2からリーチが発生して発展するスーパーリーチ演出C21,C22を伴って演出図柄を変動表示させるスーパーリーチパターンC21,C22が対応付けられ、変動パターンP34にはテンパイ煽り演出C2からリーチが発生して発展するスーパーリーチ演出C31,C32を伴って演出図柄を変動表示させるスーパーリーチパターンC31,C32が対応付けられている。ここで、スーパーリーチパターンC21は演出パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜49の場合に選択され、スーパーリーチパターンC22は演出パターン決定用乱数が値50〜99の場合に選択される。また、スーパーリーチパターンC31は演出パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜49の場合に選択され、スーパーリーチパターンC32は演出パターン決定用乱数が値50〜99の場合に選択される。このように、変動パターンP33,P34にはそれぞれ複数の演出パターンが対応付けられており、演出パターン設定処理にて複数の演出パターンの何れかが選択されるようになっている。大当り遊技終了後、第2期間や第3期間よりも後の第4期間中、即ち特定期間中(100回)に選択される変動パターンP41は演出モード(遊技状態)の移行を報知するためのモード移行演出を伴って演出図柄を変動表示させるモード移行演出パターンが対応付けられる。このように、「時短モード」の第2期間は、「確変時短モード」の第2期間よりも演出パターンの種類が多くなっており、「時短モード」の第3期間も、「確変時短モード」の第3期間よりも演出パターンの種類が多くなっている。したがって、「時短モード」は、「確変時短モード」よりも、演出パターン(リーチパターン)の種類が多いモードであるといえる。また、大当り遊技終了後の各期間の背景画像として、第1期間中には時短用背景Aが選択され、第2期間中に時短用背景Bが選択され、第3期間中に時短用背景Cが選択され、第4期間中にモード移行用背景が選択される。したがって、「時短モード」は、「確変時短モード」よりも、背景画像(背景パターン)の種類が多くなっており、この点でも、演出の種類が多いモードであるといえる。但し、第4期間は、「時短モード」および「確変時短モード」の何れも、同じモード移行演出パターンが選択され、このモード移行演出パターンによって、遊技状態が高確率電サポなし状態と低確率電サポなし状態の何れに移行するのかが遊技者に報知される。なお、この例では、「時短モード」の方が「確変時短モード」よりもリーチパターンおよび背景パターンの種類を多くしたが、何れか一方のみの種類を多くしてもよい。
確変非時短モード用演出パターンテーブルは、図46に示すように、変動パターンP51,P52にはリーチ演出を伴わずに演出図柄を変動表示させる通常変動パターンD1,D2が対応付けられ、変動パターンP53〜P56にはそれぞれスーパーリーチ演出D1〜D4を伴って演出図柄を変動表示させるスーパーリーチパターンD1〜D4が対応付けられている。確変非時短モードでは、大当り信頼度が高い方から順に、スーパーリーチパターンD4、スーパーリーチパターンD3、スーパーリーチパターンD2、スーパーリーチパターンD1となっている。また、確変非時短モードでは、現在の演出モードが確変非時短モードであることを報知するために、背景画像のパターンとして確変非時短用背景が選択される。
こうして演出図柄の停止図柄と演出パターンとを設定すると、図柄変動演出を開始する(S1110)。S1110の処理は、演出図柄の停止図柄と演出パターンとに基づく図柄変動演出の開始を指示する演出コマンド(図柄変動演出開始コマンド)を演出表示制御基板91に送信することによって行われる。演出コマンドを受信した演出表示制御基板91は、演出表示装置34の表示画面上で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始されるよう表示制御する。また、図柄変動演出に合わせて、判定図柄34a,34bの変動表示(点滅表示)も開始する。即ち、今回の図柄変動遊技の対象が第1特別図柄の場合には第1判定図柄34aの変動表示(点滅表示)を開始し、今回の変動対象が第2特別図柄の場合には第2判定図柄34bの変動表示(点滅表示)を開始する。なお、第1判定図柄34aおよび第2判定図柄34bのうち今回の変動表示の対象とならない判定図柄は、前回の表示を維持したままとする。
S1100で図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定した場合またはS1110で演出図柄の変動表示を開始した後には、図12の特別図柄遊技処理のS246の処理で主制御基板70により送信される図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1112)。図柄停止コマンドを受信したと判定すると、図柄変動演出を終了して(S1114)、図柄変動演出処理を終了する。S1114の処理は、図柄変動演出の終了を指示する演出コマンド(図柄変動演出終了コマンド)を演出表示制御基板91に送信することによって行う。演出コマンドを受信した演出表示制御基板91は、演出表示装置34では図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が終了して、S1104あるいはS1106で設定された演出図柄の停止図柄が停止表示されるよう表示制御する。また、演出図柄の停止に合わせて判定図柄34a,34bも停止する。即ち、今回の図柄変動遊技の対象が第1特別図柄の場合には第1判定図柄34aを停止表示し、今回の変動対象が第2特別図柄の場合には第2判定図柄34bを停止表示する。
[先読み予告演出処理]
S1020の先読み予告演出処理は、図47のフローチャートに従って実行される。図47の先読み予告演出処理では、まず、現在の演出モードが「確変時短演出モード」であるか否か(S1200)、先読み無しモード中であるか否か(S1202)、第2特別図柄の保留発生時コマンドを受信したか否か(S1204)、事前判定情報があるか否か(S1206)、をそれぞれ判定する。これらの判定の何れかが否定的な判定である場合には、そのまま先読み予告演出処理を終了する。これらの判定の何れもが肯定的な判定である場合には、先読み予告演出を実行するかの抽選(先読み予告抽選)を行う(S1208)。抽選結果が当選であると判定すると(S1210)、先読み予告演出パターンテーブルを用いて先読み予告演出パターンを設定し(S1212)、設定した先読み予告演出パターンに従って先読み予告演出を実行して(S1214)、先読み予告演出処理を終了する。一方、抽選結果が外れであると判定すると(S1210)、先読み予告演出を行うことなく、先読み予告演出処理を終了する。先読み予告演出は、例えば、先読み対象の事前判定情報に係る保留の保留図柄(記憶情報)を通常態様とは異なる態様に変化(例えば、保留図柄の色や形状を変化)させる保留変化予告演出とすることができる。勿論、図柄変動演出に伴い所定のキャラクタを登場させたり、背景画像を変化させたりすることで、予告演出を行うものとしてもよいし、所定の音声パターンで音声出力したり、所定の発光パターンでLED93aを点灯させたりするものとしてもよい。図48は、先読み予告演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。先読み予告演出パターンテーブルは、図48に示すように、事前判定情報に含まれる大当り判定の結果が大当りの場合と外れの場合とで異なるテーブルが用いられる。即ち、大当り判定の結果が大当りの場合には、予告演出パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜4の場合に予告演出パターン1が選択され、予告演出パターン決定用乱数が値5〜14の場合に予告演出パターン2が選択され、予告演出パターン決定用乱数が値15〜99の場合に予告演出パターン3が選択される。一方、大当り判定の結果が外れの場合には、予告演出パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜79の場合に予告演出パターン1が選択され、予告演出パターン決定用乱数が値80〜94の場合に予告演出パターン2が選択され、予告演出パターン決定用乱数が値95〜99の場合に予告演出パターン3が選択される。したがって、予告演出パターン1〜3は、大当り信頼度が高い方から順に、予告演出パターン3、予告演出パターン2、予告演出パターン1となる。
ここで、先読み予告演出処理では、先読み無しモードが設定されていると、事前判定情報があるか否かに拘わらず、先読み予告演出が実行されない。先読み無しモードは、大当り遊技中に、後述する演出モード設定処理で遊技者の入力によって選択することができる(モード選択)。
[大当り告知演出処理]
S1030の大当り告知演出処理は、図49のフローチャートに従って実行される。図49の大当り告知演出処理では、まず、現在の演出モードが「確変時短演出モード」であるか否か(S1300)、図柄変動開始時コマンドを受信したか否か(S1302)、図柄変動開始時コマンドに含まれる特別図柄の変動パターンや停止図柄に関する情報に基づき今回の図柄変動演出(当該変動)に係る大当り判定の結果が大当りであるか否か(S1304)、をそれぞれ判定する。図柄変動開始時コマンドに含まれる特別図柄の変動パターンに係る情報が大当り変動パターンを示す情報であったり、停止図柄に係る情報が大当り停止図柄を示す情報であったりする場合に、大当り判定の結果が大当りであると判定することができる。これらの判定の何れかが否定的な判定である場合には、そのまま大当り告知演出処理を終了する。一方、これらの判定の何れもが肯定的な判定である場合には、一発告知モード中であるか否かを判定する(S1306)。一発告知モード中でないと判定すると、当選する確率が所定確率(例えば1/20)の通常抽選処理を行い(S1308)、一発告知モード中であると判定すると、当選する確率が所定確率よりも高い(例えば1/2)高確率抽選処理を行う(S1310)。抽選結果が当選であると判定すると(S1312)、大当り告知演出を行って(S1314)、大当り告知演出処理を終了する。一方、抽選結果が外れであると判定すると(S1312)、大当り告知演出を行うことなく、大当り告知演出処理を終了する。ここで、大当り告知演出は、演出図柄(特別図柄)が停止表示する前に、大当り判定の結果が大当りであることを事前報知する演出である。例えば、特定のキャラクタを登場させたり、特定の音声パターンで音声出力したり、特定の点灯パターンでLED93aを点灯させたりする等、大当り告知演出でしか出現しない態様で行われる演出とすることができる。また、一発告知モードは、先読み無しモードと同様に、大当り遊技中に、後述する演出モード設定処理で遊技者の入力によって選択することができる。したがって、遊技者の選択によって、確変時短演出モード中における大当り告知演出の出現確率を向上させることができる。なお、本実施例では、図柄変動開始時コマンドに含まれる特別図柄の変動パターンや停止図柄に関する情報に基づいて当該変動が大当りであるか否かを判定したが、保留発生時コマンドに含まれる事前判定情報(先読み)に基づいて大当りであるか否かを判定するものとしてもよい。つまり、大当り告知演出を先読み予告演出として行ってもよい。
[大当り遊技演出処理]
S1040の大当り遊技演出処理は、図50および図51に例示するフローチャートに従って実行される。図50および図51の大当り遊技演出処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、大当り遊技開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1400)。ここで、大当り遊技開始指定コマンドは、前述したように、図13の特別図柄遊技処理のS258で主制御基板70により送信される。大当り遊技開始指定コマンドを受信したと判定されると、大当り遊技開始演出を実行し(S1402)、大当り遊技開始指定コマンドを受信していないと判定されると、S1402の処理をスキップして次のS1404の処理に進む。大当り遊技開始演出は、大当りの発生を示す大当りファンファーレ画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に演出コマンドを出力し、画面表示に対応する音声がスピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力し、画面表示に対応する点灯態様によりLEDランプ93aが点灯するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力することにより行われる。なお、「確変時短モード」または「時短モード」(特別モード)における第1期間中に大当りが発生すると、大当り遊技開始演出(特定遊技の開始を示す演出)を実行しないものとしてもよい。
次に、通常ラウンド開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1404)。ここで、通常ラウンド開始指定コマンドは、図30の第1大入賞口開放遊技処理のS504または図31の第2大入賞口開放遊技処理のS604で主制御基板70により送信される。通常ラウンド開始指定コマンドを受信したと判定すると、受信した通常ラウンド開始指定コマンドに含まれる実行ラウンドRに基づき今回のラウンドが所定ラウンド目であるか否か(S1406)、モード選択フラグがオンであるか否か(S1408)、をそれぞれ判定する。所定ラウンド目でないと判定したり、モード選択フラグがオンでないと判定すると、通常ラウンド演出を実行する(S1410)。通常ラウンド演出は、所定のキャラクタなどの演出画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力し、画面表示に対応する音声がスピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力し、画面表示に対応する点灯態様によりLEDランプ93aが点灯するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力することにより行われる。一方、今回のラウンドが所定ラウンド目であり、且つ、モード選択フラグがオンであると判定すると、遊技者の選択入力によって演出モードを設定する演出モード設定処理(モード選択)を実行する(S1412)。ここで、モード選択フラグは、モード選択の実行可能条件が成立したことを示すフラグであり、特定ラウンドが実行された後、S1438でオンとされる。演出モード設定処理(モード選択)の詳細については後述する。なお、所定ラウンド目は、特定ラウンドよりも後のラウンドであり、例えば、第13Rなどとすることができる。また、所定ラウンド目は1回のラウンドとしたり複数回のラウンドとしたりすることができ、複数回のラウンドとする場合には、例えば「第13R〜16R」というように連続する複数回のラウンドとしたり、「第11R,第13R,第15R」というように連続しない複数回のラウンドとしたりすることができる。本実施例では、所定ラウンド目を「第13R〜16R」としている。S1404で通常ラウンド開始指定コマンドを受信していないと判定すると、S1406〜S1412をスキップして次のS1414の処理に進む。
次に、特定ラウンド開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1414)。ここで、特定ラウンド開始指定コマンドは、図32の特定領域入球遊技処理のS704で主制御基板70により送信される。特定ラウンド開始指定コマンドを受信したと判定すると、今回の大当り遊技の発生契機となった大当り図柄(特図当り図柄)が確変大当り図柄(特図1確変大当り図柄A,Bまたは特図2確変大当り図柄A,B)であるか否かを判定し(S1416)、確変大当り図柄でなく、通常大当り図柄(特図1通常大当り図柄)であると判定すると、S1410と同様の通常ラウンド演出を実行し(S1418)、確変大当り図柄であると判定すると、特定ラウンド報知演出を実行する(S1420)。ここで、特定ラウンド報知演出は、例えば、「Vを狙え」などのメッセージを演出表示装置34に表示することで、特定ラウンドの実行を遊技者に報知する演出である。具体的には、報知用の演出画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力し、画面表示に対応する音声がスピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力し、画面表示に対応する点灯態様によりLEDランプ93aが点灯するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力することにより行われる。なお、本実施例では、確変大当り図柄で大当りを引くと、特定ラウンドにて特定ラウンド報知演出を実行するものとしたが、一部の確変大当り図柄(例えば、特図1確変大当りB)で大当りを引くと、特定ラウンド報知演出を実行しないものとしてもよい。
また、図35の特定領域通過有無監視処理のS796で主制御基板70により送信される特定領域通過指定コマンドを受信したか否か(S1422)、図33の有効期間監視処理のS750で主制御基板70により送信される有効期間終了指定コマンドを受信したか否か(S1424)、をそれぞれ判定する。特定領域通過指定コマンドと有効期間終了指定コマンドをいずれも受信していないと判定すると、S1440の処理に進む。また、S1422で特定領域通過指定コマンドを受信したと判定する前にS1424で有効期間終了指定コマンドを受信したと判定すると、大当り遊技中の有効期間内に遊技球が特定領域52を通過せず、大当り遊技終了後の遊技状態は低確率状態(低確率電サポあり状態)となるため、失敗態様で確変報知演出を実行すると共に(S1426)、大当り遊技終了後に低確率電サポあり状態が発生することを示唆するために、演出モードとして時短モードを設定する(S1428)。一方、S1422で特定領域通過指定コマンドを受信したと判定すると、大当り遊技中の有効期間内に遊技球が特定領域52を通過し、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態(高確率電サポあり状態)となるため、成功態様で確変報知演出を実行する(S1430)。そして、今回の大当りが高確率状態での大当り(大当り確率が高確率のときの大当り)であるか否か(S1432)、今回の大当りの発生契機となった大当り図柄が特図2確変大当り図柄A(16R確変大当り図柄)であるか否か(S1434)、をそれぞれ判定する。なお、S1432の処理は、S1400で受信した大当り遊技開始指定コマンドに含まれる確変フラグの設定状況を調べることにより行うことができる。今回の大当りが高確率状態での大当りでないと判定(大当り確率が低確率のときの大当りであると判定)したり、大当り図柄が特図2確変大当り図柄Aでないと判定すると、演出モードとして「確変時短モード」を設定する(S1436)。一方、今回の大当りが高確率状態での大当り(確変大当り)であり、且つ、大当り図柄が特図2確変大当り図柄A(16R確変大当り図柄)であると判定すると、その後の所定ラウンド目(本実施例では第13R〜第16R)でS1412の演出モード設定処理(モード選択)により演出モードを設定させるために、モード選択フラグをオンとして(S1438)、次のS1440の処理に進む。なお、本実施例では、特図2確変大当り図柄Aで大当りを引いて大当り遊技終了後に高確率状態が発生する場合に限って、モード選択を可能としたが、高確率状態での確変大当りであれば、どの確変大当り図柄であっても、モード選択を可能としてもよい。
なお、一部の確変大当り(特図1確変大当りB)で大当りを引いたときに特定ラウンド報知演出を実行しない場合、S1422で特定領域通過指定コマンドを受信したときであっても、演出モードとして、「確変時短モード」ではなく、「時短モード」を設定するものとしてもよい。この場合、確変報知演出を失敗態様で実行するものとしてもよい。
そして、大当り遊技終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1440)。ここで、大当り遊技終了指定コマンドは、図36の大当り遊技終了時処理のS834で主制御基板70により送信される。大当り遊技終了指定コマンドを受信したと判定すると、大当り遊技終了演出を実行して(S1442)、大当り遊技演出処理を終了し、大当り遊技終了指定コマンドを受信していないと判定すると、S1442の処理をスキップして大当り遊技演出処理を終了する。また、大当り遊技終了指定コマンドを受信した場合には、モード選択フラグをオフとする。大当り遊技終了演出は、大当り遊技の終了を示す大当りエンディング画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力し、画面表示に対応する音声がスピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力し、画面表示に対応する点灯態様によりLEDランプ93aが点灯するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力することにより行われる。なお、本実施例では、大当り遊技終了指定コマンドを受信すると、S1412の演出モード設定処理(S1454,S1456)、S1436,S1428の何れかで設定された大当り遊技終了後の演出モード(「時短モード」または「確変時短モード」)を報知するモード報知演出を行う。
ここで、演出モード設定処理(モード選択)について説明する。演出モード設定処理は、図52のフローチャートに従って実行される。図52の演出モード設定処理では、まず、モード選択画面を演出表示装置34に表示させる(S1450)。なお、モード選択画面は、例えば、演出ボタン26aを押すことにより呼び出すことができる。そして、操作検知スイッチ27a〜27cにより遊技者による入力(選択操作)が検知されたか否かを判定する(S1452)。図53にモード選択画面の一例を示す。モード選択画面は、図示するように、選択可能な演出モードとして、デフォルト設定である「確変時短モード」(図53(a)参照)と、「確変時短モード(先読み無し)」(図53(b)参照)と、「確変時短モード(一発告知)」(図53(c)参照)と、「時短モード」(図53(d)参照)とがある。遊技者は、方向ボタン26b,26cを押して演出モードの表示を切り替えた後、演出ボタン26aを押すことで、表示中の演出モードを選択することができる。遊技者による選択入力が検知されたと判定すると、選択された演出モードを設定し(S1454)、遊技者による選択入力が検知されていないと判定すると、演出モードとしてデフォルト設定である「確変時短モード」を設定して(S1456)、演出モード設定処理を終了する。本実施例では、この演出モード設定処理(モード選択)が、モード選択フラグがオンとされている場合に、第13R〜第16Rまで、すなわち第13Rの開始から大当り遊技の終了まで行われる。
ここで、演出モードとしてデフォルト設定の「確変時短モード」が設定されると、確変時短モード用演出パターンテーブルに基づく演出パターンで図柄変動演出が実行される。また、デフォルト設定の「確変時短モード」が設定されると、図47の先読み予告演出処理のS1202で先読み無しモード中でない(先読み有り)と判定されるため、確変時短モードの図柄変動演出中に所定確率で先読み予告演出が出現し(S1208〜S1214)、図49の大当り告知演出処理のS1306で一発告知モード中でないと判定されるため、確変時短モードの図柄変動演出中に所定確率(低確率)で大当り告知演出が出現する。
演出モードとして「確変時短モード(先読み無し)」が設定されると、デフォルト設定の「確変時短モード」(先読み有り)と同様の確変時短モードの演出パターンで図柄変動演出が実行され、先読み予告演出処理のS1202で先読み無しモード中であると判定されるため、確変時短モードの図柄変動演出中に先読み予告演出は出現しない。なお、「確変時短モード(先読み無し)」では、大当り告知演出処理のS1306で一発告知モード中でないと判定されるため、確変時短モードの図柄変動演出中に所定確率(低確率)で大当り告知演出が出現する。
また、演出モードとして「確変時短モード(一発告知)」が設定されると、デフォルト設定と同様の確変時短モードの演出パターンで図柄変動演出が実行され、大当り告知演出処理のS1306で一発告知モード中であると判定されるため、確変時短モードの図柄変動演出中に高確率で大当り告知演出が出現する。なお、「確変時短モード(一発告知)」では、先読み予告演出処理のS1202で先読み無しモード中でない(先読み有り)と判定されるため、所定確率で先読み予告演出が出現する。
また、演出モードとして「時短モード」が設定されると、時短モード用演出パターンテーブルに基づく演出パターンで図柄変動演出が実行される。なお、先読み予告演出処理のS1200および大当り告知演出処理のS1300で「確変時短モード」でないと判定されるため、「時短モード」の図柄変動演出中に先読み予告演出および大当り告知演出は実行されない。ここで、「時短モード」は、通常、大当り確率(特図当り確率)が低確率の遊技状態(低確率電サポあり状態)のときに設定されるものであるから、大当り信頼度が高い演出パターン(スーパーリーチパターンC11,C12,C21,C22,C31,C32)は出現し難いモードである。また、「時短モード」は、「確変時短モード」とは異なる演出パターンが定められている。このため、「時短モード」中の大当り信頼度が高い演出パターン(スーパーリーチパターンC11,C12,C21,C22,C31,C32)は、普段なかなか見ることのできない希少性の高い演出パターンといえる。したがって、大当り確率が高確率の遊技状態(高確率電サポあり状態)で「時短モード」を設定することで、こうした時短モードの希少性の高い演出パターンを出現し易くすることができ、遊技興趣を高めることができる。
但し、こうしたモード選択は、初当り(大当り確率が低確率の状態)で大当りを引き、大当り遊技終了後に大当り確率が高確率状態となってデフォルト設定の「確変時短モード」が設定された後、大当りの連荘中(高確率状態中)に大当りを引いた場合にはじめて実行可能となる。このため、遊技者は、デフォルト設定の「確変時短モード」を一度は必ず体感してから、他のモード(「確変時短モード(先読み無し)」,「確変時短モード(一発告知)」,「時短モード」)を体感することができるようになる。したがって、例えば、高確率状態中は常に「時短モード」が設定され続ける等、設計者が意図する大当り遊技終了後の演出モードが全く実行されない場合が生じないようにすることができ、演出バランスが悪くなるのを防ぐことができる。
[演出モード移行処理]
S1050の演出モード移行処理は、図54に例示するフローチャートに従って実行される。図54の演出モード移行処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、実行中の演出モードが「時短モード」であるか否かを判定する(S1500)。実行中の演出モードが「時短モード」でないと判定すると、S1514の処理に進む。一方、実行中の演出モードが「時短モード」であると判定すると、図13の特別図柄遊技処理のS282またはS294で主制御基板70により送信される遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1502)。なお、前述したように、遊技状態指定コマンドには、確変フラグや変動短縮フラグの設定状況が含まれている。遊技状態指定コマンドを受信していないと判定すると、S1514の処理に進む。一方、遊技状態指定コマンドを受信したと判定すると、確変フラグがオンであるか否か(S1504)、変動短縮フラグがオフであるか否か(S1506,S1508)、をそれぞれ判定する。S1504で確変フラグがオフであると判定し、且つ、S1508で変動短縮フラグがオンであると判定すると、現在の遊技状態は低確率電サポあり状態であると判断して、「時短モード」を維持したまま演出モード移行処理を終了する。S1504で確変フラグがオフであると判定し、且つ、S1508で変動短縮フラグがオフであると判定すると、遊技状態が低確率電サポあり状態から低確率電サポなし状態へ移行したと判断し、演出モードを「時短モード」から「通常モード」へ移行して(S1510)、演出モード移行処理を終了する。S1504で確変フラグがオンであると判定し、且つ、S1506で変動短縮フラグがオンであると判定すると、現在の遊技状態は高確率電サポあり状態であると判断して、「時短モード」を維持したまま演出モード移行処理を終了する。なお、遊技状態が高確率電サポあり状態である場合、通常、演出モードとして「確変時短モード」が設定されるが、前述したように、遊技者の入力によってモード選択がなされると、高確率電サポあり状態であっても「時短モード」に設定される場合がある。S1504で確変フラグがオンであると判定し、且つ、S1506で変動短縮フラグがオフであると判定すると、遊技状態が高確率電サポあり状態から高確率電サポなし状態へ移行したと判断して、演出モードを「時短モード」から「確変非時短モード」へ移行する(S1512)。
次に、実行中の演出モードが「確変時短モード」であるか否かを判定する(S1514)。実行中の演出モードが「確変時短モード」でないと判定すると、S1522の処理に進む。一方、実行中の演出モードが「確変時短モード」であると判定すると、特別図柄遊技処理のS294で主制御基板70により送信される遊技状態指定コマンド(変動短縮フラグ)を受信したか否かを判定する(S1516)。遊技状態指定コマンドを受信していないと判定すると、演出モード設定処理を終了する。一方、遊技状態指定コマンドを受信したと判定すると、変動短縮フラグがオフであるか否かを判定する(S1518)。変動短縮フラグがオンであると判定すると、現在の遊技状態は高確率電サポあり状態であると判断して、「確変時短モード」を維持したまま演出モード移行処理を終了する。変動短縮フラグがオフであると判定すると、遊技状態が高確率電サポあり状態から高確率電サポなし状態へ移行したと判断して、演出モードを「確変時短モード」から「確変非時短モード」へ移行する(S1520)。
次に、実行中の演出モードが「確変非時短モード」であるか否かを判定する(S1522)。実行中の演出モードが「確変非時短モード」でないと判定すると、演出モード移行処理を終了する。一方、実行中の演出モードが「確変非時短モード」であると判定すると、特別図柄遊技処理のS282で主制御基板70により送信される遊技状態指定コマンド(確変フラグ)を受信したか否かを判定する(S1524)。遊技状態指定コマンドを受信していないと判定すると、演出モード設定処理を終了する。一方、遊技状態指定コマンドを受信したと判定すると、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S1526)。確変フラグがオンであると判定すると、現在の遊技状態は高確率電サポなし状態であると判断して、「確変非時短モード」を維持したまま演出モード移行処理を終了する。確変フラグがオフであると判定すると、遊技状態が高確率電サポなし状態から低確率電サポなし状態へ移行したと判断して、演出モードを「確変非時短モード」から「通常モード」へ移行して(S1528)、演出モード移行処理を終了する。
図55は、演出モードの遷移の様子を示す遷移図である。「通常モード」から他の演出モード(「時短モード」,「確変時短モード」,「確変非時短モード」)への移行は、初当りの発生を契機に行われる。なお、「初当り」は、本実施例では、遊技状態が低確率電サポなし状態にあるときに発生した大当りを意味する。勿論、遊技状態が低確率状態での当りであれば、電サポあり状態および電サポなし状態の何れの状態であっても、「初当り」としてもよい。初当りが発生すると、これに伴い実行される大当り遊技の特定ラウンドにおいて、有効期間内に遊技球が特定領域52を通過した場合には、大当り遊技終了後の遊技状態として高確率電サポあり状態が設定され、有効期間内に遊技球が特定領域52を通過しなかった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態として低確率電サポあり状態が設定される。ここで、初当りの発生契機となった大当り図柄(特図当り図柄)が確変大当り図柄(特図1確変大当り図柄A,B)である場合には、特定ラウンドで遊技球が特定領域52を通過する可能性が高いため、高確率電サポあり状態が設定され易く、大当り図柄(特図当り図柄)が通常大当り図柄(特図1通常大当り図柄)である場合には、特定ラウンドで遊技球が特定領域52を通過する可能性が低いため、低確率電サポなし状態が設定され易い。特定ラウンドが終了すると、大当り遊技終了後に遊技状態が高確率状態(高確率電サポあり状態)となるか低確率状態(低確率電サポあり状態)となるかを遊技者に報知する確変報知演出が実行される。確変報知演出は、遊技状態が高確率状態となる場合には成功態様で行われ、低確率状態となる場合には失敗態様で行われる。大当り遊技終了後、遊技状態が高確率電サポあり状態となる場合には、演出モードが「通常モード」から「確変時短モード」へ移行し、遊技状態が低確率電サポあり状態となる場合には、演出モードが「通常モード」から「時短モード」へ移行する。本実施例では、初当りで確変大当り(特図1確変大当りA,B)を引いて、大当り遊技終了後に高確率電サポあり状態となる場合、必ず「確変時短モード」へ移行する。これにより、遊技者は、初当りで確変大当りを引くと、大当り遊技終了後に「確変時短モード」による演出を一度は必ず体感することとなる。
「時短モード」へ移行すると、大当り遊技終了後の特別図柄(第2特別図柄)の変動回数が第1所定回数(100回)となるまで時短モードが継続する。「時短モード」は低確率電サポあり状態で設定されるモードであり、電サポあり状態は電サポなし状態に比して第2始動口38への遊技球の入球頻度が高いため、第2特別図柄の変動を主体として遊技が進行する。また、第2特別図柄は確変大当り図柄(特図2確変大当り図柄A,B)しか存在しない。このため、時短モード(低確率電サポあり状態)中に大当りを引くと(引き戻し)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確率電サポあり状態となり、「確変時短モード」へ移行する。時短モード中に大当りを引くことなく大当り遊技終了後の特別図柄(第2特別図柄)の変動回数が第1所定回数(100回)に達すると、遊技状態が低確率電サポあり状態から低確率電サポなし状態となるため、「時短モード」が終了し、「通常モード」へ戻る。なお、大当り遊技後、特別図柄の変動回数が第1所定回数(100回、第4期間、特定期間)に達するときには、モード移行演出が行われ、モード移行演出によって「通常モード」へ移行することが遊技者に報知される。
「確変時短モード」に移行すると、大当り遊技終了後の特別図柄(第2特別図柄)の変動回数が第1所定回数(100回)となるまで確変時短モードが継続する。「確変時短モード」は高確率電サポあり状態で設定されるモードであり、電サポあり状態は電サポなし状態に比して第2始動口38への遊技球の入球頻度が高いため、第2特別図柄の変動を主体として遊技が進行する。また、第2特別図柄は確変大当り図柄(特図2確変大当り図柄A,B)しか存在しない。このため、確変時短モード(高確率電サポあり状態)中に大当りを引く限り、高確率電サポあり状態が繰り返し発生することとなる(大当りの連荘状態)。確変時短モード(高確率電サポあり状態)中に確変大当りを引くと、その大当り遊技中に遊技者は「確変時短モード」および「時短モード」の何れかを選択することができる(モード選択)。したがって、遊技者は、「時短モード」を選択すれば、「時短モード」の演出を高確率電サポあり状態で行わせることができ、普段(低確率電サポあり状態)ではなかなか見ることができない大当り信頼度の高い演出を見ることが可能となる。この場合、大当りの連荘状態が続く限り、「時短モード」を選択し続けることも可能であるが、モード選択は、「確変時短モード」を一度体感してからはじめて実行可能となるから、演出バランスを良好に保つことができる。なお、大当り遊技後の特別図柄(第2特別図柄)の変動回数が第1所定回数(100回)に達すると、電サポあり状態(時短状態)は終了し、高確率電サポなし状態となるため、「確変時短モード」が終了して「確変非時短モード」へ移行する。また、本実施例では、高確率電サポあり状態での演出モードとして「時短モード」が設定された場合も、大当り遊技後の特別図柄(第2特別図柄)の変動回数が第1所定回数(100回)に達すると、「時短モード」が終了して「確変非時短モード」へ移行する。なお、大当り遊技後、特別図柄の変動回数が第1所定回数(100回、第4期間、特定期間)に達するときには、「確変時短モード」および「時短モード」の何れが設定されている場合も、モード移行演出が行われ、このモード移行演出によって「確変非時短モード」へ移行することが遊技者に報知される。
「確変非時短モード」へ移行すると、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が第2所定回数(120回)に達するまで確変非時短モードが継続する。即ち、「確変非時短モード」は、大当り遊技終了後からの特別図柄の変動回数が第1所定回数(100回)に達した後、第2所定回数(120回)に達するまでの残り回数(20回)分だけ実行される。「確変非時短モード」は、高確率電サポなし状態で設定されるモードであり、電サポなし状態は電サポあり状態に比して第2始動口38への遊技球の入球頻度が低いため、第1特別図柄の変動を主体とした遊技となる。また、第1特別図柄は確変大当り図柄と通常大当り図柄とが混在するため、確変非時短モード中に大当りを引くと(引き戻し)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確率電サポあり状態か低確率電サポあり状態の何れかとなり、確変報知演出を経て「確変時短モード」または「時短モード」へ移行する。
以上説明した実施例のパチンコ機10は、大当り確率(特図当り確率)が低確率のときに大当りを引いて大当り遊技終了後の大当り確率が低確率に設定される場合(低確率電サポあり状態に設定される場合)、大当り遊技終了後の演出モードとして「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)を設定し、大当り確率(特図当り確率)が低確率のときに大当りを引いて大当り遊技終了後の大当り確率が高確率に設定される場合(高確率電サポあり状態に設定される場合)、大当り遊技終了後の演出モードとして「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)を設定し、大当り確率が高確率のときに大当りを引いて大当り遊技終了後の大当り確率が高確率に設定される場合、「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)と「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)の何れかを遊技者による入力に基づいて選択するモード選択が可能となり、モード選択で選択された演出モードが設定されることとしている。これにより、大当り遊技終了後に大当り確率が高確率となる場合の演出モードとして、デフォルトの「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)を経由してから、遊技者によるモード選択が可能とされる。即ち、遊技者に対して「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)を一度は必ず体感させてから、モード選択を行わせるようにすることができる。また、遊技者は、大当り遊技終了後に大当り確率が高確率に設定される場合において、モード選択にて「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)を選択すれば、大当り確率が高確率に設定されている状態で「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)による演出を体感することができるため、通常(大当り確率が低確率に設定されている場合)では体感できないような演出を体感することができ、遊技興趣を高めることができる。これらの結果、演出バランスを良好に保ちつつ、遊技者によるモード選択を可能とすることで、遊技興趣をより向上させることができる。
また、実施例のパチンコ機10は、高確率電サポあり状態に対応するモードとしてデフォルト設定(先読みあり)の「確変時短モード」(第2演出モード)と「確変時短モード(先読み無し)」(第1演出モード)とを有し、デフォルト設定(先読みあり)の確変時短モード(第2演出モード)中に大当りを引いて大当り遊技終了後に高確率電サポあり状態が設定される場合、デフォルト設定(先読みあり)の「確変時短モード」(第2演出モード)と「確変時短モード(先読み無し)」(第1演出モード)との選択を可能とするから、遊技者に対して先読みありの演出モードを一度体感させてから、先読み無しの演出モードを体感させることが可能となる。
さらに、実施例のパチンコ機10は、高確率電サポあり状態に対応するモードとしてデフォルト設定の「確変時短モード」(第2演出モード)と、大当り告知演出の出現率がデフォルト設定よりも高い「確変時短モード(一発告知)」(他の演出モード)とを有し、デフォルト設定の確変時短モード(第2演出モード)中に大当りを引いて大当り遊技終了後に高確率電サポあり状態が設定される場合、デフォルト設定の「確変時短モード」(第2演出モード)と「確変時短モード(一発告知)」(他の演出モード)との選択を可能とするから、遊技者に対して大当り告知演出の出現率が低い演出モードを一度体感させてから、大当り告知演出の出現率が高い演出モードを体感させることが可能となる。
ここで、従来、大当り遊技(特定遊技)終了後に演出モードを変化させるものが知られていた。例えば、特開2013−59448号公報には、大当り遊技中の所定ラウンドにおいて、大当り遊技終了後の演出モードを遊技者の操作に基づき選択可能なものが開示されている。しかしながら、大当り遊技終了後の演出モードの全てを遊技者の選択に委ねてしまうと、設計者が意図する大当り遊技終了後の演出モードが全く実行されない場合が生じるため、演出バランスが悪くなり、却って遊技興趣を損なうことがある。そこで、本発明の遊技機では、演出バランスを良好に保ちつつ、遊技者によるモード選択を可能とすることで、遊技興趣をより向上させることを目的とし、上述した構成を採用しているのである。
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後、所定期間の間、特別変動モードを発生させ、特別変動モード中の第1期間(特別図柄の変動回数が1回〜4回)では第1期間用特別変動モード時変動パターンテーブル(第1条件)を用いて特別図柄(識別情報)の変動パターンを設定し、第1期間よりも後の第2期間(特別図柄の変動回数が5回〜20回)では第2期間用特別変動モード時変動パターンテーブル(第2条件)を用いて特別図柄(識別情報)の変動パターンを設定し、第2期間よりも後の第3期間(特別図柄の変動回数が21回〜99回)では第3期間用特別変動モード時変動パターンテーブル(第3条件)を用いて特別図柄(識別情報)の変動パターンを設定し、第3期間よりも後の第4期間(特別図柄の変動回数が100回、特定期間)では第4期間(特定期間)用特別変動モード時変動パターンテーブル(特定条件)を用いて特別図柄(識別情報)の変動パターンを設定する。また、第2期間を第1期間(特別図柄の変動回数が1回〜4回)よりも長い期間(特別図柄の変動回数が5回〜20回)とし、第4期間(特定期間)を第1期間よりも短い期間(特別図柄の変動回数が100回)とする。そして、第1期間中に設定される変動パターンの平均変動時間を所定の短時間(例えば、1秒)とし、第2期間中に設定される変動パターンの平均変動時間を第1期間よりも長い時間(例えば、保留数が多い場合は約2.4秒、保留数が少ない場合は約6.5秒)とし、特定期間中に設定される変動パターンの平均変動時間を第2期間よりも長い時間(例えば、15秒)とする。これにより、大当り遊技終了後の第1期間中では、特別図柄の変動時間を短時間とすることで、大当り遊技終了後の次の大当り遊技を時間を空けずに発生させることを可能とし、第1期間よりも後の第2期間中や第3期間中では、第1期間よりも長い平均変動時間によって興趣度の高い演出を実現可能とするから、大当り遊技終了後の遊技における遊技興趣を向上させることができる。しかも、第1期間中は、たとえ大当り判定の結果が大当りの場合であっても、リーチ演出を伴わない演出パターンにより演出を行うから、この期間中に大当りを引くと、遊技者に恰も大当り遊技が連続して発生したかのように感じさせることができ、遊技者に驚きを与えて、遊技興趣をさらに高めることができる。また、大当り遊技終了後に高確率電サポあり状態が発生すると、特定期間中に遊技状態を高確率電サポあり状態から高確率電サポなし状態へ移行させ、大当り遊技終了後に低確率電サポあり状態が発生すると、特定期間中に遊技状態を低確率電サポあり状態から低確率電サポなし状態へ移行させるものとし、特定期間中に遊技状態が高確率電サポなし状態と低確率電サポなし状態の何れの状態へ移行したかを示すモード移行演出を行うから、遊技状態が何れの遊技状態に変化するのか注目させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を一層高めることができる。
また、実施例のパチンコ機10は、「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)による演出(リーチパターンや背景パターン)の種類数を「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)よりも多くした上で、モード選択により「時短モード」と「確変時短モード」の何れかを選択可能とする。これにより、演出パターンのバリエーションを多様化し、遊技者による演出パターンの選択の幅を広げることができるから、遊技興趣を向上させることができる。
ここで、従来、当否判定の結果が大当り(特定結果)の場合に大当り遊技(特定遊技)を実行し、大当り遊技終了後、特別図柄(識別情報)の変動回数が特定回数となるまでの間、当否判定の結果が大当りとなる確率を高確率状態に設定するものが知られていた。例えば、特開2013−59448号公報には、大当り遊技終了後、高確率状態が開始されてから終了するまでの区間のうち前半区間で当否判定の結果が当りとなった場合、短い変動時間の変動パターンを設定し、後半区間で当否判定の結果が当りとなった場合、長い変動時間の変動パターンを設定するものが開示されている。また、短い変動時間の変動パターンは、特別図柄の変動中にリーチ演出を経ずに当りとなる変動パターンに対応し、長い変動時間の変動パターンは、特別図柄の変動中にリーチ演出を経て当りとなる変動パターンに対応することも開示されている。しかしながら、上述した遊技機では、高確率状態の前半区間と後半区間とで、変動時間を短い変動時間から長い変動時間に変化させたり、リーチ演出を実行しない態様からリーチ演出を実行する態様に変化させたりすることについては記載されているものの、変化のバリエーションが乏しく、遊技興趣を高めるには不十分であった。そこで、本発明の遊技機は、特定遊技終了後の遊技における遊技興趣をより向上させることを目的として、上述した構成を採用しているのである。
実施例のパチンコ機10では、本発明を、第2大入賞口50の内部に特定領域52を設け、大当り遊技中に開放された第2大入賞口50に入球した遊技球が特定領域52を通過すると、大当り遊技終了後に高確率状態を発生させるタイプの遊技機に適用したが、これに限定されるものではなく、大入賞口の内部に特定領域を備えないタイプの遊技機に適用するものとしてもよい。この場合、例えば、大当り判定の結果が大当りとなると(判定の結果が特定結果となると)、大当り図柄(識別情報)の種類に拘わらず、大当り遊技(特定遊技)終了後、大当り確率(判定の結果が特定結果となる確率)を高確率とし、特別図柄(識別情報)の変動表示が特定回数行われると、大当り確率を低確率(所定確率)としてもよい。また、大当り判定の結果が大当りとなると、大当り図柄が通常大当り図柄である場合には大当り遊技終了後の大当り確率を低確率(所定確率)とし、大当り図柄が確変大当り図柄である場合には大当り遊技終了後の大当り確率を高確率としてもよい。また、別途抽選処理によって大当り遊技終了後の大当り確率を低確率とするか高確率とするかを決定するものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)と「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)とで共通の変動パターンテーブル(変動時間、変動パターン)を用いるものとし、演出パターンの種類数を「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)の方が「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)よりも多くなるようにしたが、これに限定されるものではなく、「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)と「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)とで用いる変動パターンテーブル(変動時間、変動パターン)を異ならせてもよい。この場合、例えば、図22の特別変動モード時変動パターンテーブル設定処理に代えて、図56の特別変動モード時変動パターンテーブル設定処理を実行するものとすればよい。
図56の特別変動モード時変動パターンテーブル設定処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、演出カウンタCが閾値C5(大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が101回)未満であるか否かを判定する(S370)。演出カウンタCが閾値C5未満であると判定すると、サブ制御基板90から現在の演出モードを取得し(S372)、取得した演出モードが「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)であるか否かを判定する(S374)。現在の演出モードが「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)であると判定すると、時短モード用変動パターンテーブル設定処理を実行し(S376)、現在の演出モードが「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)ではなく「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)であると判定すると、確変時短モード時変動パターンテーブル設定処理を実行して(S378)、特別変動モード時変動パターンテーブル設定処理を終了する。S370で演出カウンタCが閾値C5未満でない、即ち閾値C5以上であると判定すると、実施例の特別変動モード時変動パターンテーブル設定処理のS369と同様に、第5期間用特別変動モード時変動パターンテーブルを選択して(S379)、特別変動モード時変動パターンテーブル設定処理を終了する。ここで、時短モード時変動パターンテーブル設定処理は、図57のフローチャートにより実行され、確変時短モード時変動パターンテーブル設定処理は、図58のフローチャートにより実行される。
図57の時短モード時変動パターンテーブル設定処理では、演出カウンタCの値を調べる(S380)。演出カウンタCの値が閾値C1以上で閾値C2未満である場合、即ち、第1期間中には、第1期間用時短モード時変動パターンテーブルを選択し(S382)、演出カウンタCの値が閾値C2以上で閾値C3未満である場合、即ち、第2期間中には、第2期間用時短モード時変動パターンテーブルを選択し(S384)、演出カウンタCの値が閾値C3以上で閾値C4未満である場合、即ち、第3期間中には、第3期間用時短モード時変動パターンテーブルを選択し(S386)、演出カウンタCの値が閾値C4以上で閾値C5未満である場合、即ち、第4期間中(特定期間中)には、第4期間用時短モード時変動パターンテーブルを選択して(S388)、時短モード時変動パターンテーブル設定処理を終了する。また、図58の確変時短モード時変動パターンテーブル設定処理では、図22の特別変動モード時変動パターンテーブルのS360〜S368と同様に、第1期間中には第1期間用特別変動モード時変動パターンテーブルを選択し、第2期間中には第2期間用特別変動モード時変動パターンテーブルを選択し、第3期間中には第3期間用特別変動モード時変動パターンテーブルを選択し、第4期間中(特定期間中)には第4期間用特別変動モード時変動パターンテーブルを選択する(S390〜S398)。
図59は、第1期間用時短モード時変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。第1期間用時短モード時変動パターンテーブルは、図59に示すように、変動パターン決定用乱数が値0〜99の全てで変動時間が1秒の変動パターンP61が選択される。本実施例では、「時短モード」で第1期間中に選択される変動パターンP61の変動時間は、「確変時短モード」で第1期間中に選択される変動パターンP11(図24の第1期間用特別変動モード時変動パターンテーブル)の変動時間と同じである。この変動パターンP61が選択されると、大当り判定の結果が外れである場合のみならず、大当りの場合であっても、リーチ演出は実行されない。
図60は、第2期間用時短モード時変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。時短モード時に選択される第2期間用時短モード時変動パターンテーブルは、確変時短モード時に選択される図25の第2期間用特別変動モード時変動パターンテーブルよりも、変動パターンの種類が多い。本実施例では、図60に示すように、大当り判定の結果が大当りの場合には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜49の場合に変動時間が20秒の変動パターンP73が選択され、変動パターン決定用乱数が値50〜99の場合に変動時間が40秒の変動パターンP74が選択される。また、大当り判定の結果が外れで且つ特図2の保留数が少ない場合(値1,2)には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜97の場合に変動時間が6秒の変動パターンP72が選択され、変動パターン決定用乱数が値98の場合に変動パターンP73が選択され、変動パターン決定用乱数が値99の場合に変動パターンP74が選択される(平均変動時間は約6.5秒)。さらに、大当り判定の結果が外れで且つ特図2の保留数が多い場合(値3,4)には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜89の場合に変動時間が1.5秒の変動パターンP71が選択され、変動パターン決定用乱数が値90〜97の場合に変動パターンP72が選択され、変動パターン決定用乱数が値98の場合に変動パターンP73が選択され、変動パターン決定用乱数が値99の場合に変動パターンP74が選択される(平均変動時間は約2.4秒)。時短モード時に選択される第2期間用時短モード時変動パターンテーブルと確変時短モード時に選択される図25の第2期間用特別変動モード時変動パターンテーブルとは、変動パターンの種類数は異なるが、変動パターンの平均変動時間は同じである。
図61は、第3期間用時短モード時変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。時短モード時に選択される第3期間用時短モード時変動パターンテーブルは、確変時短モード時に選択される図26の第3期間用特別変動モード時変動パターンテーブルよりも、変動パターンの種類が多い。本実施例では、図61に示すように、大当り判定の結果が大当りの場合には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜19の場合に変動時間が20秒の変動パターンP83が選択され、変動パターン決定用乱数が値20〜39の場合に変動時間が40秒の変動パターンP84が選択され、変動パターン決定用乱数が値40〜69の場合に変動時間が50秒の変動パターンP85が選択され、変動パターン決定用乱数が値70〜99の場合に変動時間が70秒の変動パターンP86が選択される。また、大当り判定の結果が外れで且つ特図2の保留数が少ない場合(値1,2)には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜89の場合に変動時間が6秒の変動パターンP82が選択され、変動パターン決定用乱数が値90〜93の場合に変動パターンP83が選択され、変動パターン決定用乱数が値94〜97の場合に変動パターンP84が選択され、変動パターン決定用乱数が値98の場合に変動パターンP85が選択され、変動パターン決定用乱数が値99の場合に変動パターンP86が選択される(平均変動時間は9秒)。さらに、大当り判定の結果が外れで且つ特図2の保留数が多い場合(値3,4)には、変動パターン決定用乱数が値0〜99のうち値0〜79の場合に変動時間が1.5秒の変動パターンP81が選択され、変動パターン決定用乱数が値80〜89の場合に変動パターンP82が選択され、変動パターン決定用乱数が値90〜93の場合に変動パターンP83が選択され、変動パターン決定用乱数が値94〜97の場合に変動パターンP84が選択され、変動パターン決定用乱数が値98の場合に変動パターンP85が選択され、変動パターン決定用乱数が値99の場合に変動パターンP86が選択される(平均変動時間は5.4秒)。時短モード時に選択される第3期間用時短モード時変動パターンテーブルと確変時短モード時に選択される図26の第3期間用特別変動モード時変動パターンテーブルとは、変動パターンの種類数は異なるが、変動パターンの平均変動時間は同じである。
図62は、第4期間(特定期間)用時短モード時変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。時短モード時に選択される第4期間用時短モード時変動パターンテーブルは、確変時短モード時に選択される図27の第4期間用特別変動モード時変動パターンテーブルと同じである。第4期間(特定期間)中は、第4期間用時短モード時変動パターンテーブルで選択される変動パターンP41に基づいて前述したモード移行演出が実行される。
上述した変形例では、時短モード中に主制御基板70によって第1〜第4期間用時短モード時変動パターンテーブルの何れかを用いて変動パターンが設定されると、サブ制御基板90のCPU90aは、図42の演出パターン設定処理のS1160,S1164の処理で時短モード用演出パターンテーブルと設定された変動パターンとに基づいて図柄変動演出における演出パターンを設定する。ここで、時短モード用演出パターンテーブルは、図63に例示するテーブルが用いられる。図63の時短モード用演出パターンテーブルは、図示するように、変動パターンと演出パターンとが一対一で対応付けられている。一方、確変時短モード中に主制御基板70によって第1〜第4期間用特別モード時変動パターンテーブル(図24〜図27のテーブル)の何れかを用いて変動パターンが設定されると、サブ制御基板90のCPU90aは、図42の演出パターン設定処理のS1150,S1164の処理で図44の確変時短モード用演出パターンテーブルと設定された変動パターンとに基づいて演出パターンを設定する。図44の確変時短モード用演出パターンテーブルも、変動パターンと演出パターンとが一対一で対応付けられている。前述したように、変動パターンの種類は「時短モード」(時短モード時変動パターンテーブル)の方が「確変時短モード」(特別モード時変動パターンテーブル)よりも多いため、変動パターンに基づいて設定される演出パターンの種類も「時短モード」(時短モード時演出パターンテーブル)の方が「確変時短モード」(確変時短モード時演出パターンテーブル)よりも多いこととなる。また、「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)と「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)は、モード選択によって遊技者が何れかを選択可能となっている。したがって、遊技者が希望する演出態様で大当り遊技終了後の遊技を進行させることができるため、遊技興趣をさらに向上させることができる。なお、変形例では、「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)と「確変時短モード」(第2演出モード,第2特別演出モード)とで、選択される変動パターンの平均変動時間を同じとしたが、異ならせてもよい。
実施例のパチンコ機10では、図54の演出モード移行処理において、大当り遊技終了後に高確率電サポあり状態が設定される場合、モード選択により演出モードとして「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)が選択されると、高確率電サポあり状態が終了して高確率電サポなし状態へ移行するときに、演出モードを「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)から「確変非時短モード」(第3演出モード)へ移行させるものとしたが(S1500〜S1506,S1512)、これに限定されるものではなく、モード選択により「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)が選択されると、高確率電サポあり状態が終了して高確率電サポなし状態へ移行するときに、演出モードを「時短モード」(第1演出モード,第1特別演出モード)から「通常モード」(第4演出モード)へ移行させるものとしてもよい。この場合、演出モード移行処理のS1512の処理を、演出モードを「通常モード」へ移行させる処理とすればよい。
即ち、第1の態様と該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変始動口(第2始動口38)と、
所定の判定実行条件(第1始動口36または第2始動口38(可変始動口)への遊技球の入球)に基づいて行われる判定(大当り判定)の結果が特定結果(大当り)となった場合に、遊技者にとって有利な特定遊技(大当り遊技)を実行する特定遊技実行手段と、
判定の結果が特定結果となる確率が所定の確率(低確率)よりも高くなる高確率状態を設定可能な高確率状態設定手段と、
可変始動口への遊技球の入球頻度が所定の遊技状態(電サポなし状態)よりも高くなる高頻度状態(電サポあり状態)を設定可能な高頻度状態設定手段と、
判定(大当り判定)の結果に基づいて所定の演出表示を実行する演出表示実行手段と、
予め定められた複数の演出モードの中から選択される演出モードを設定する演出モード設定手段と、
を備える遊技機であって、
特定遊技終了後の遊技状態として、少なくとも、高確率状態および高頻度状態が設定されない通常遊技状態(低確率電サポなし状態)と、高確率状態が設定されず高頻度状態が設定される第1特別遊技状態(低確率電サポあり状態)と、高確率状態および高頻度状態が設定される第2特別遊技状態(高確率電サポあり状態)と、高確率状態が設定され高頻度状態が設定されない第3特別遊技状態(高確率電サポなし状態)とを有し、特定遊技終了後に第2特別遊技状態(高確率電サポあり状態)が設定された場合、所定時期に第2特別遊技状態(高確率電サポあり状態)から第3特別遊技状態(高確率電サポなし状態)に変化する場合があり、
複数の演出モードとして、少なくとも、通常遊技状態(低確率電サポなし状態)に対応する通常演出モード(通常モード)と、第1特別遊技状態(低確率電サポあり状態)に対応する第1特別演出モード(時短モード)と、第2特別遊技状態(高確率電サポあり状態)に対応する第2特別演出モード(確変時短モード)と、第3特別遊技状態(高確率電サポなし状態)に対応する第3特別演出モード(確変非時短モード)とを有し、
特定遊技終了後の遊技状態として第2特別遊技状態(高確率電サポあり状態)が設定される場合に所定のモード選択可能条件が成立すると、第1特別演出モード(時短モード)と第2特別演出モード(確変時短モード)のうちの何れかを遊技者の入力に基づき選択するモード選択が可能となり、モード選択により選択された演出モードが設定され、
モード選択によって第2特別演出モード(確変時短モード)が設定された場合、遊技状態が第2特別遊技状態(高確率電サポあり状態)から第3特別遊技状態(高確率電サポなし状態)に変化する際に演出モードを第2特別演出モード(確変時短モード)から第3特別演出モード(確変非時短モード)へ変化させ、
モード選択によって第1特別演出モード(時短モード)が設定された場合、遊技状態が第2特別遊技状態(高確率電サポあり状態)から第3特別遊技状態(高確率電サポなし状態)に変化する際に演出モードを第1特別演出モード(時短モード)から通常演出モード(通常モード)へ変化させるものとすることもできる。
尚、所定時期としては、所定の変動表示が終了することに基づいて設定されるものとすることができる。例えば、高確率電サポあり状態から高確率電サポなし状態への変化は、特定遊技(当り遊技)終了後に行われる変動表示が所定回数を終えることに基づいて行われる。例えば、100回目の変動表示終了までは高確率電サポあり状態とされ、101回目の変動表示からは高確率電サポなし状態に変化する態様を挙げることができる。そして、少なくとも、遊技状態の変化に係る100回転目の変動表示が実行される期間は、特定期間とされる。
実施例のパチンコ機10では、モード選択により選択可能な演出モードとして、「時短モード」とデフォルト設定の「確変時短モード」と「確変時短モード(先読み無し)」と「確変時短モード(一発告知)」とを用意するものとしたが、これに限定されるものではなく、何れか2種類であってもよいし、3種類であってもよい。また、5種類以上であってもよい。
実施例のパチンコ機10では、モード選択において、「時短モード」とデフォルト設定の「確変時短モード」と「確変時短モード(先読み無し)」と「確変時短モード(一発告知)」(複数の特別演出モード)の中から一の演出モードを選択可能としたが、これに限定されるものではなく、「通常モード」(通常演出モード)もモード選択による選択対象に加えるものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、モード選択により選択可能な演出モードとして「確変時短モード(先読み無し)」が選択されると、先読み予告演出を実行しないものとしたが、これに限定されるものではなく、通常(デフォルト設定の「確変時短モード」)よりも低確率で先読み予告演出を実行するものとしてもよい。また、実施例のパチンコ機10では、モード選択により選択可能な演出モードとしてデフォルト設定の「確変時短モード」が選択されると、低確率で大当り告知演出を実行し、「確変時短モード(一発告知)」が選択されると、デフォルト設定よりも高確率で大当り告知演出を実行するものとしたが、これに限定されるものではなく、デフォルト設定の「確変時短モード」が選択されると、大当り告知演出を実行しないものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、大当り遊技中の所定ラウンド目から大当り遊技が終了するまで(第13R〜第16Rまで)モード選択を実行可能としたが、これに限定されるものではなく、大当り遊技が開始してから大当り遊技が終了して次の特別図柄(識別情報)の変動表示が開始されるまでの間であれば、如何なる時期にモード選択を実行可能としてもよい。
実施例のパチンコ機10では、大当り確率が低確率のときに大当りを引いて大当り遊技終了後に大当り確率が高確率に設定される場合には、大当り遊技終了後の演出モードとして「確変時短モード」(第2演出モード、第2特別演出モード)を設定し、大当り確率が高確率のときに大当りを引いて大当り遊技終了後に大当り確率が高確率に設定される場合には、モード選択を可能としたが、これに限定されるものではなく、大当りを引いたときの演出モードが「確変時短モード」(第2演出モード、第2特別演出モード)であるか否かを判定し、「確変時短モード」でない、即ち「通常モード」(通常演出モード)または「時短モード」(第1演出モード、第2特別演出モード)であると判定すると、大当り遊技終了後の演出モードとして「確変時短モード」を設定し、「確変時短モード」であると判定すると、モード選択を可能としてもよい。
実施例のパチンコ機10では、特別変動モードにおいて、変動時間を決定する条件(特別変動モード時変動パターンテーブル)が異なる各期間として、第1期間から特定期間との間に、2つの期間(第2期間と第3期間)とを設けるものとしたが、1つの期間だけであってもよいし、3つ以上の期間を設けるものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、第2始動口38への遊技球の入球に基づいて取得される特図2の判定用情報(取得情報)について事前判定(先読み)を行うものとしたが、これに限定されるものではなく、第1始動口36への遊技球の入球に基づいて取得される特図1の判定用情報(取得情報)についても事前判定(先読み)を行うものとしてもよい。また、実施例のパチンコ機10では、特図2の判定用情報の事前判定を、変動短縮フラグがオンとなっているとき(時短モード、電サポあり状態)に行うものとしたが、変動短縮フラグがオフとなっているとき(非時短モード、電サポなし状態)にも行うものとしてもよい。なお、実施例のパチンコ機10において、特図1の判定用情報の事前判定を行う場合には、当該事前判定を、変動短縮フラグがオフとなっているとき(非時短モード、電サポなし状態)行うものとすることができる。
また、本実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAM(遊技価値管理制御部)に記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。もちろん、遊技価値管理制御部が管理する遊技価値として、遊技の結果得られた遊技価値と、現金等を投入することで得られた遊技価値とを別に管理(別途に表示)してもよいし、一緒に管理(加減算して表示)してもよい(別表示と加減算表示の両方をしてもよい)。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
本実施例では、本発明をパチンコ機10(弾球式の遊技機)に適用するものとしたが、スロットマシン等の回胴式の遊技機に適用するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、パチンコ機10が「遊技機」に相当し、
大当り判定用乱数などの判定用情報が「取得情報」に相当し、判定用情報を記憶する主制御基板70のRAM70cが「記憶手段」に相当し、図11の特別図柄遊技処理のS220の処理を実行する主制御基板70のCPU70aが「事前判定手段」に相当し、図47の先読み予告演出処理を実行するサブ制御基板90CPU90aが「予告演出実行手段」に相当し、図50および図51の大当り遊技演出処理のS1412(図52の演出モード設定処理),S1428,S1436の処理を実行するサブ制御基板90のCPU90aが「演出モード設定手段」に相当し、「確変時短モード(先読み無し)」が「第1演出モード」に相当し、デフォルト設定の「確変時短モード」が「第2演出モード」に相当する。また、大当り告知演出処理を実行するサブ制御基板90のCPU90aも「予告演出実行手段」に相当する場合がある(事前判定情報に基づいて大当り告知演出を実行する場合)。また、図36の大当り遊技終了時処理のS802〜S806の処理を実行する主制御基板70のCPU70aが「確率設定手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。