以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドリールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとはそれぞれ、特別図柄の可変表示終了時に、上記の可変表示の結果として、確定特別図柄を導出表示(ここでは、停止表示)する。可変表示中に表示される特別図柄と、確定特別図柄(つまり、導出表示される可変表示結果)とは同じであっても良いし、異なるものであってもよい。つまり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとのうちの少なくとも一方は、可変表示する複数の特別図柄のうちのいずれかの特別図柄を確定特別図柄(つまり、可変表示結果)として導出表示してもよいし(例えば、「0」〜「9」を可変表示して、「1」を確定特別図柄として表示する。)、可変表示する複数の特別図柄以外の特別図柄を確定特別図柄(つまり、可変表示結果)として導出表示してもよい(例えば、「0」〜「9」を可変表示して、「−」を確定特別図柄として表示する。)。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、可変表示装置31が設けられている。可変表示装置31は、複数の円筒型のリール(左リール32L、中リール32C、右リール32R)と、各リール32L、32C、32Rに対応したリールモータ33L、33C、33Rと、から構成されている。各リール32L、32C、32Rには後述するように複数の飾り図柄が配列されている。遊技盤2には、各リール32L、32C、32Rの少なくとも1部が視認できるような配置で、透視窓30が設けられている。
可変表示装置31は、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、リールモータ33L、33C、33Rが各リール32L、32C、32Rを回転させることで、透視窓30を介して複数種類の図柄が連続的に表示されることとなる。即ち、識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、左リール32L、中リール32C、右リール32Rでは飾り図柄の変動(後述するリールの回転)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、各リール32L、32C、32Rが停止することで、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、可変表示装置31は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示の終了時に可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。
また、可変表示装置31には、後述するリールLED55が設けられており、リールLED55によって各リール32L、32C、32Rの各図柄を独立して照射することができ、これによりリールの視認性を向上することができる。
各リール(左リール32L、中リール32C、右リール32R)には、複数種類の図柄が配列されており、遊技者は、透視窓30を介して、各リールで縦に3つずつの図柄、すなわち、3×3の図柄を視認することができる。なお、視認することができる図柄数は、これに限られず、各リールで少なくとも一つ以上の図柄を視認することができれば良い。
各リール32L、32C、32Rの外周部には、図3に示すように、「黒7」、「白BAR」、「黒BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「オレンジ」、「スイカ」、「チェリー」といった互いに識別可能な複数種類の図柄がそれぞれ所定の順序で合計21個ずつ描かれている。
なお、上述の複数種類の図柄は図3では平面上で表しているが、上述の通り、実際には各リールは円筒型であるため、20番目の図柄の次には0番目の図柄が配置されていることとなる。また、上述の複数の図柄の配列及び種類は一例であり、任意に設定することができる。
以下の説明において、N番の図柄からN+M番の図柄の部分について説明する場合、「Mコマ」と表現する。すなわち、例えば左リール32Lの10番の「黒7」から5コマ以内、と表現した場合、左リール32Lの10番の「黒7」から15番の「リプレイ」までの図柄を意味する。
各リール32L、32C、32Rは、それぞれ対応して配置されたリールモータ33L、33C、33Rによって反時計回り(図1では図面上部から下部に向かう方向)に回転し、これにより透視窓30を介して複数種類の図柄が連続的に表示されることとなる。本実施形態では、特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかの可変表示が開始されたことに基づいて各リール32L、32C、32Rが回転を開始する。また、実行中の可変表示の終了と同期して、回転を停止することにより、確定飾り図柄を導出表示させることができる。
打球供給皿(上皿)を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124が設けられていればよい。本実施の形態では、後述するように、遊技者がプッシュボタン120を押下する毎に、各リール32L、32C、32Rの停止順序が変更される。即ち、遊技者はプッシュボタン120を操作することにより、複数の表示体(リール)の停止順を指定することができる。
図1に示すパチンコ遊技機1の構成例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数は、例えば第1始動入賞口13に遊技球が進入(例えば、通過)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ1つ加算(インクリメント)される。これにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第2特図保留記憶数は、例えば第2始動入賞口14に遊技球が進入(例えば、通過)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ1つ加算(インクリメント)される。これにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1つ減算(デクリメント)される。第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1つ減算(デクリメント)される。
このように、後述する第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときには、可変表示の保留が発生する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
本実施の形態では、透視窓30の下に複数の保留表示ランプ9Bが配置されている。保留表示ランプ9Bの発光により、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示(適宜、保留表示ともいう。)が行われる。この実施の形態では、保留数の上限値と同数だけ配置された保留表示ランプ9Bのうち、特図保留記憶数と同じ数が発光することにより、合計特図保留記憶数が表示される。この実施の形態では、一つの発光部に赤・黄・青・緑の4色の発光LEDを配置し、第1特図保留記憶に対応して「赤」又は「黄」を、第2特図保留記憶に対応して「青」又は「緑」を、それぞれ入賞順に左詰めで発光させる。このとき、第1特図保留記憶の奇数番目を「赤」で、偶数番目を「黄」で、交互に表示させる。第2特図保留記憶についても、奇数番目を「青」で、偶数番目を「緑」で、交互に表示させる。なお、ここでは電源投入後に初めて第1始動入賞口13に入賞した保留記憶を1番、次に第1始動入賞口13に入賞した保留記憶を2番、として、電源が切られるまで「赤」と「黄」とで交互に表示する。第2始動入賞口14についても同様に、電源投入時から数えて奇数番目に入賞した保留記憶に「青」、偶数番目に入賞した保留記憶を「緑」で、交互に表示すればよい。例えば、現在の保留記憶として、図9(A)に示すように「第1特図保留記憶」「第2特図保留記憶」「第1特図保留記憶」「第2特図保留記憶」「第1特図保留記憶」の順で記憶されている場合に、8個の保留表示ランプ9Bを左から「赤」「青」「黄」「緑」「赤」の順で発光させればよい。その後、図9(A)の1番の「第1特図保留記憶」の可変表示が始まると、2番〜5番の保留情報の内容が1エントリずつ上位にシフトされることに応じて、「青」「黄」「緑」「赤」の順で保留表示ランプ9Bを発光させる。具体的な制御方法については後述する。本実施形態では、後述する振分部材202によって第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに交互に遊技球が入賞する。これにより、第1保留記憶と第2保留記憶とが交互に表示される。ところが、後述する振分部材202の振り分け動作に狂いが生じて、第1保留記憶と第2保留記憶の順番が通常時から前後する場合がある。この場合、例えば第1保留記憶を「赤」のみで、第2保留記憶を「青」でそれぞれ表示した場合には、順序が前後した部分で同じ色の保留記憶表示が連続することにより、遊技者に違和感を与える怖れがある。第1保留記憶と第2保留記憶とをそれぞれ複数の色の保留表示ランプで表示することにより、入賞が前後しても遊技者に与える違和感を低減することが出来る。
なお、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とで表示を区別しない場合には、色の区別をせず同色のLED(例えば赤)を合計保留数だけ発光させればよい。このような構成は、特に第1特図を用いた特図ゲームと、第2特図を用いた特図ゲームとで、有利不利の差が少ない(あるいは無い)場合に有効である。
本実施の形態では、遊技盤2の所定位置(例えば、透視窓30の左下)に特図ゲームの結果が大当りとなること(識別情報の可変表示結果が特定表示結果となること)を告知する告知ランプ9Aが配置されている。告知ランプ9Aは、後述する報知演出において、複数のタイミングの何れかから点灯し、「大当り」の飾り図柄が導出されるまで(特定表示結果が導出されるまで)継続して点灯する。告知ランプ9Aは、遊技者が容易に認識できるように、遊技効果ランプ9や保留表示ランプ9Bといったパチンコ遊技機1に備えられた他のランプよりも強く発光する。告知ランプ9Aは、事前に大当りとなることが確定した場合にのみ点灯するので、遊技者に告知ランプ9Aが点灯する事への強い期待感を与えることが出来る。
可変表示装置31の下方には、流入した遊技球を振り分けるための振分装置200が設けられている。また、演出表示装置9の下方には、左右に並ぶように第1始動入賞口13および第2始動入賞口14が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。また、第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。
第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
振分装置200の下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態(又は一部開放状態)となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、例えば、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
次に、振分装置200について説明する。振分装置200上部には、遊技球が流入可能な流入口201が設けられている。また、振分装置200内部には、流入口201から振分装置200内に流入した遊技球を左側通路203と右側通路204とのいずれかに振り分けるための振分部材202が設けられている。左側通路203の下部には第1始動入賞口13が、右側通路204の下部には第2始動入賞口14が、それぞれ設けられている。
図1の状態では、振分部材202によって振分装置200内の左側通路203が遮蔽され、遊技球が右側通路204を通過可能である。この状態において遊技球が流入口201から振分装置200内に流入すると、流入口201から流入した遊技球は振分部材200によって右側通路204に振り分けられ、右側通路204を通過して第2始動入賞口14に入賞する。
また、遊技球が左側通路203を通過するときに、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部に遊技球があたり、遊技球の自重によって羽根部が押されることによって、振分部材202が左側に倒れている状態から右側に倒れている状態に変化する。そのように変化することにより、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技球が左側通路203を通過可能な状態となる。
次いで、そのような状態において、遊技球が流入口201から振分装置200内に流入すると、流入口201から流入した遊技球は振分部材200によって左側通路203に振り分けられ、左側通路203を通過して第1始動入賞口13に入賞する。
また、遊技球が左側通路203を通過するときに、振分部材204の回転軸部分に設けられている羽根部に遊技球があたり、遊技球の自重によって羽根部が押されることによって、振分部材202が右側に倒れている状態から左側に倒れている状態に変化する。そのように変化することにより、振分部材202によって振分装置200内の左側通路203が遮蔽され、遊技球が右側通路204を通過可能な状態となる。
振分部材202が以上のように動作することにより、この実施の形態では、振分装置200に流入した遊技球が左側通路203と右側通路204とに交互に振り分けられ、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに交互に入賞可能となる。このため、遊技球が流入口201に進入するたびに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とが交互に増加する。よって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とが上限値(例えば、それぞれ「4」)となるまで等分に増加し、片方に偏ることがない。
なお、この実施の形態では、振分装置200の振分部材202が遊技球の自重によって物理的に左右に切り替わる場合を示したが、例えば、振分部材202を駆動するためのソレノイドやモータを設け、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御によって振分部材202を交互に切り替えるように構成してもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受信する機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、可変表示装置31、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。例えば、演出制御基板12は、可変表示装置31における各リール32L、32C、32Rの動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や告知ランプ9A、保留表示ランプ9BリールLED55・装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や告知ランプ9A、保留表示ランプ9B、リールLED55、装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
モータ駆動回路45は、演出制御基板45から出力されたモータ駆動信号(表示制御信号)を基にリールモータ33L、33C、33R等の各種モータを制御する。また、演出制御用制御基板12は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から取得する。また、演出制御用制御基板12には各リールセンサ33L、33C、33Rと、が接続され、各リール32L、32C、32Rの現在の位置を示す信号が入力される。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がモータ駆動信号(表示制御信号)をリール駆動回路45に供給し可変表示装置31における飾り図柄の表示を制御する表示制御動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、プッシュセンサ124からプッシュボタン120の操作検出信号を受け取るための配線、モータ駆動回路45に対してモータ駆動信号を伝送するための配線、などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、RAM122の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM122とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、演出制御用CPU120が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドなどを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路45へ伝送される指令(モータ駆動信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、モータ駆動回路45を用いて可変表示装置31に各リール32L、32C,32R上の特定の組合せの飾り図柄を透過窓30を通して停止表示(又は仮停止表示)させたりして、各種の演出(リーチ演出など、遊技の盛り上げるための演出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、第1始動入賞口13(第1始動領域)を進入する始動入賞(第1始動入賞)が発生したときに、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより、第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が第2始動入賞口14(第2始動領域)を進入する始動入賞(第2始動入賞)が発生したときに、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、可変表示装置31において各リール32L、32C、32Rが回転することにより、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、可変表示装置31において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態(又は一部開放状態)となり、入賞球が発生不可能(又は発生困難)となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「5」又は「15」、後述の大当り種別によって決まる。)に達するまで繰返し実行される。
本実施の形態では、特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「スモール」(5R)、「ビッグ」(15R)のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「1」又は「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「スモール」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「ビッグ」となる。
大当り種別が「スモール」である場合の大当り遊技状態を「5R大当り遊技状態」といい、「ビッグ」である場合の大当り遊技状態を「15R大当り遊技状態」という。
5R大当り遊技状態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが5回(5R(ラウンド))を上限回数として繰り返し実行される。これに対して、15R大当り遊技状態では、通常開放ラウンドが15回(15R(ラウンド))を上限回数として繰り返し実行される。このように、15R大当り遊技状態は、5R大当り遊技状態と比較して、通常開放ラウンドの上限回数が多く、賞球として払い出される遊技球の個数が多くなる可能性が高いため、5R大当り遊技状態よりも遊技者に付与される価値が高い大当り遊技状態といえる。
5R大当り遊技状態又は15R大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。
本実施の形態では、飾り図柄の可変表示中に、可変表示結果が「大当り」となることを報知する報知演出が実行される。報知演出は、特別図柄の可変表示結果が導出される以前の所定のタイミングに告知ランプ9Aが点灯開始し、「大当り」の可変表示結果が導出されるまで継続して点灯する演出である。このような報知演出には、「大当り」の可変表示結果が導出される当該変動が開始される以前から開始される第1報知演出と、当該変動中に開始される第2報知演出と、が含まれる。第1報知演出は未だ開始されていない保留記憶を参照する「先読み」処理の結果、「大当り」となる可変表示の保留記憶情報が後述する特図保留記憶部に保存されていると判定されたこと基づいて実行される。一方、第2報知演出は、開始される当該変動の結果が「大当り」となると決定されたことに基づいて実行される。
第1及び第2報知演出には、それぞれ飾り図柄が停止(又は仮停止)した直後のタイミングに開始される「後告知」と、飾り図柄の変動が開始(又は再変動の開始)した直後に開始される「先告知」と、が含まれる。「先告知」の報知演出が実行される場合は、可変表示結果は大当り種別「ビッグ」の「大当り」となる。即ち、15R大当り遊技状態に制御されるという遊技価値が付与されることが確定する。一方、「後告知」の報知演出が実行される場合には、可変表示結果は大当り種別「スモール」又は「ビッグ」の何れかの「大当り」となる。即ち、15R大当り遊技状態に制御されるという遊技価値が付与される場合と、5R大当り遊技状態に制御されるという遊技価値が付与される場合と、の何れもがありうる。よって、「先告知」と「後告知」の何れで告知ランプ9Aが点灯するか(報知演出が開始されるか)によって、より遊技者に有利な(賞球として払い出される遊技球の個数が多い)特定遊技価値(15R大当り遊技状態への制御)が付与される割合が異なる。そのため、遊技者は報知演出が実行されるか否かに加えて、何れのタイミングで報知演出が開始されるかについて注目するようになる。
報知演出が実行された場合、大当り組合せの確定飾り図柄が導出される。大当り組合せとは、有効な入賞ラインのうちいずれかで特別役に応じた図柄が揃う組合せである。
ここで、入賞ラインとは、透視窓3を介して表示される3×3コマのうち、図柄の組み合わせが揃った際に入賞が発生するラインを意味する。本実施形態では、透視窓30を介して表示される各リール32L、32C、32Rの各コマのうち、各リールの中段を結ぶ平行なラインである入賞ラインL1と、各リールの上段を結ぶ平行なラインである入賞ラインL2と、各リールの下段を結ぶ平行なラインである入賞ラインL3と、各リールを斜め右下に結ぶ斜めのラインである入賞ラインL4と、各リールを斜め右上に結ぶ斜めのラインである入賞ラインL5と、からなる。
なお、本実施形態では、入賞ラインが5ライン有効である場合について説明するが、これに限られず、例えば、左リール上段、中リール中段、右リール上段、を変則的に結ぶラインを有効にしても良く、入賞ラインL1のみの1ライン構成にしても良い。
本実施形態では、特別役は、同色の「7」が3つの入賞ラインのいずれかに揃うビッグ役と、「黒Bar」が3つか、「7」・「7」・「Bar」が入賞ラインのいずれかに揃うスモール役と、の2種類からなる。
なお、特別役は、上述の組み合わせ、種類に限られず、任意に設定することが可能である。例えば、リール上に色ちがいの「7」(例えば、黒、白、網の「7」など)が有る場合に、「黒7」、「白7」、「網7」が入賞ラインに揃うことで入賞が発生する組合せをビッグ役としてもよい。あるいは、スモール役として、二つの同色の7と、一つの他の色の7と、が揃う組合せを設定してもよい。
また、本実施の形態では、特別役の他に、後述する先読み設定処理の結果に基づいて「リプレイ役」や「小役」、「リーチ目」といった組合せの表示結果が導出表示される場合がある。本実施の形態では、リプレイ役として、図3の飾り図柄のうち「リプレイ」・「ベル」・「スイカ」の何れかが有効ラインのいずれかに揃う組合せが設定されている。リプレイ役は、スロットマシンにおける再遊技が成立するリプレイ役に対応する。また、小役として、左リール32Lの中段に5番のチェリーが止まる組合せ(「中段チェリー」)が設定されている。「小役」は、スロットマシンにおいてメダルの払い出しを伴う小役に対応する。小役と、リプレイ役と、を合わせて一般役と呼ぶこともある。本実施の形態では、再可変表示を含む擬似連の可変表示が実行されることを示唆する擬似連チャンス目や、後に報知演出が実行されることを示唆する先読みチャンス目として、一般役を停止表示(又は仮停止表示)する。また、スロットマシンにおける遊技性を再現するため、小役と他の役(リーチ目を含む)とが同時に成立しないように、最終停止図柄を調整する。具体的な制御方法については後述する。
リーチ目組合せは、スロットマシンにおいて内部中状態(特別役が当選した後入賞するまでの状態)において特別役が揃わなかった場合に揃う組合せに対応する。「リーチ目」の組合せが導出されることを、特殊表示結果が導出される、とも言う。本実施の形態では、例えば「7上段テンパイ」(上段で7が2つだけ揃う組合せ)や、「リプレイテンパイ」(例えば中段など、特定の有効ライン上でリプレイが2つだけ揃う組合せ)、「ベルテンパイ」(例えば下段など、特定の有効ライン上でベルが2つだけ揃う組合せ)、などをリーチ目とする。このうち、「7テンパイ」(7が二つだけ揃う組合せ)を、「目押し失敗リーチ目」と呼ぶ場合がある。「目押し失敗リーチ目」は、スロットマシンにおいて特別役が当選したのち、遊技者が入賞を狙って目押しを失敗した場合に停止する役に対応する。本実施の形態では、「特別役」、「リプレイ役」、「小役」、「リーチ目」、のいずれでも無い組合せを「ハズレ目」と呼ぶ。先読み設定処理の結果に基づいてこのような組合せの表示結果を導出することで、スロットマシンの遊技体験を再現することが出来る。
なお、一般役は、上述のような図柄の組み合わせに限らず、任意に設定することが可能である。例えば、スイカを2種類に区分し、平行スイカ、斜めスイカとしても良く、チェリーを2種類に区分し、チェリーA、チェリーBとしても良い。また、擬似連チャンス目としては「ベル」や「スイカ」を、先読みチャンス目とには「チェリー」を、それぞれ表示するなど、目的に応じて表示する一般役を使い分けてもよい。
また、入賞ラインを中段のL1のみの1ライン構成にする場合、無効ラインで上述の図柄の組み合わせが揃うような一般役の構成にしても良い。このような構成において、例えば、左リール32Lの8番のベル、中リール32Cの7番のベル、右リール32Rの8番のベル、が無効ラインL2で揃った場合、実際に入賞ラインL1で揃う図柄は、左リール2Lの7番のリプレイ、中リール2Cの6番のチェリー、右リール2Rの7番のスイカ、である。このような組合せを一般役に設定する構成も可能である。
リーチ目についても、上述の組合せに限らない。例えば、「7」がV字状に配列される組合せをリーチ目に含めてもよい。さらに、予め右リール32Rに「チェリー」の下に「7」が配置されている場合に、右リール32Rの中段に「チェリー」、下段に「7」が揃う組合せをリーチ目とするなど、既知のスロットマシンのリーチ目に対応して任意の組み合わせを設定可能である。また、既知のスロットマシンで設定されている組合せに限らず、新たにリーチ目の組合せを設定しても良い。
本実施の形態では、報知演出とは異なり、飾り図柄の可変表示中に、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行してもよい。一例として「擬似連」の可変表示演出が挙げられる。「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、各リール32L、32C、32Rの全部を一旦仮停止させることにより飾り図柄を全て仮停止表示した後、全部のリール32L、32C、32Rを回転させることにより飾り図柄を再び変動(擬似連変動又は再可変表示とも言う)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行う。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定される。
本実施の形態では、擬似連の変動パターンにおいては、最初に仮停止表示させた後のタイミングで報知演出を開始する。最初の仮停止前に報知演出を開始させると、報知演出により「大当り」となることを告知した後に擬似連演出が長時間実行されることとなり、演出が冗長となる。このような構成によれば、遊技者を興ざめさせることを防止しつつ、擬似連演出と、報知演出と、を含む多様な演出を実行して遊技の興趣を高めることができる。
本実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となる「擬似連」の変動パターンにおいて、特定表示結果が導出される(「大当り」となる)ことを示唆する特殊表示結果が導出される場合がある。特殊表示結果とは、上述した「リーチ目」の組合せである。仮停止される表示結果により「大当り」となることが示唆されるので、仮停止される表示結果に対して遊技者が注目するようになる。
また、「擬似連」の変動パターンにおいては、上述した一般役(「リプレイ役」や「小役」)が仮停止される場合がある。特に、擬似連の変動パターンで「リプレイ役」を仮停止後に保留を消費せずに再変動が実行することにより、コインを消費せずに再度遊技を実行するスロットマシンの「リプレイ役」入賞を好適に模倣することができる。このような構成により、スロットマシンの遊技性をパチンコ遊技機1で再現することができる。
本実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となる可能性がある他の演出として、各リール32L、32C、32Rの回転開始態様を異ならせる演出(カックンスタート演出)が実行される場合がある。通常、可変表示装置31にて各リール32L、32C、32Rの回転を開始するに当たって、停止状態(又は仮停止状態)から順方向(遊技板2を前面から見て飾り図柄が下に移動する方向)になめらかに回転開始するようにリールモータ33L、33C、33Rを制御する。この回転開始態様を通常開始態様と呼ぶ。一方、停止状態(又は仮停止状態)から一旦逆方向(遊技板2を前面から見て飾り図柄が上に移動する方向)にて各リール32L、32C、32Rを微動させた後順方向に回転させる場合がある。このような回転開始態様を微動回転開始態様、あるいは特定開始態様と呼ぶ。本実施の形態では、後述する第1報知演出の実行を示唆するために、及び、再可変表示の実行を示唆するために、可変表示を開始するにあたって、特定開始態様で各リール32L、32C、32Rの回転を開始する。これをカックンスタート演出とも呼ぶ。カックンスタート演出のように、識別情報の可変表示を開始する態様によって特定表示結果が導出されるか否かを示唆することにより、識別情報の可変表示が如何なる態様で開始されるかについて遊技者が注目するようになり、遊技の興趣を更に高めることが出来る。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、所定の「ハズレ目」を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。本実施の形態では、図3のリール配置から可能な表示結果のうち、上述した特別役、一般役及び「リーチ目」のいずれでもない組合せをハズレ目の組合せとする。
また、この実施の形態では、始動条件は成立したが開始条件が成立していない可変表示について、始動条件の成立時に、この可変表示(所謂ターゲット)の表示結果(特図表示結果)が「大当り」になるか否かと、「大当り」になる場合の大当り種別と、を判定する、所謂「先読み」が行われる。そして、先読みの結果に基づいて、第1報知演出(「大当」となる保留情報が記憶されていることを報知する報知演出)を実行する。また、先読みの結果に基づいて、先読みの判定対象となった変動(当該変動とも言う)の前に実行される可変表示の表示結果を「リーチ目」や一般役に決定する。このような処理により、一般役等を狙って遊技している時に「リーチ目」や告知ランプの点灯により特別役が当選したことを知り、特別役の入賞を目指して遊技を行うスロットマシンの遊技性をパチンコ遊技機1で再現することが出来る。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入る。
図4は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により実行される遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する各処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU103によって実行されるものとする。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCTCや乱数回路104などで発生した各種の割込み要因に基づく割込み要求は、CPU103に所定の割込み処理を実行させるためのものである。そして、CPU103やCPU103以外の各種回路を含んだ概念を遊技制御用マイクロコンピュータ100ということもあるものとする。図4に示す遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、まず、割込禁止に設定し(ステップS21)、割込モードの設定を行う(ステップS22)。例えば、ステップS22では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビットは“0”)とを合成することにより割込アドレスが生成されるマスク可能割込の割込モード[2]が設定される。マスク可能な割込みが発生したときには、CPU103が自動的に割込禁止状態となる設定を行うとともに、プログラムカウンタの内容がスタックにセーブされればよい。
続いて、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS23)。また、内蔵レジスタの設定(初期化)を行う(ステップS24)。ステップS24の処理に続いて、CTCの設定が行われる(ステップS25)。ステップS25の処理を実行した後には、例えば所定の入力ポートにおける端子状態をチェックすることなどにより、電源断信号がオフ状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。
その後、RAM102をアクセス可能に設定する(ステップS26)。続いて、電源基板に設置されたクリアスイッチから伝送されるスイッチ信号(クリア信号)の信号状態などに基づき、クリアスイッチがオン操作されたかを判定する(ステップS27)。なお、ステップS27の処理では、クリアスイッチから伝送されるクリア信号を複数回チェックし、連続してオン状態となったときに、クリアスイッチがオン操作されたと判定してもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、クリア信号の状態をもう1回確認する。このとき、クリア信号がオフ状態であれば、クリア信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときにクリア信号の状態がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、クリア信号の状態を再び確認するようにしてもよい。なお、クリア信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
ステップS27にてクリアスイッチがオフであるときには(ステップS27;No)、RAM102などに設けられたバックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS28)。バックアップフラグの状態は、遊技制御用マイクロコンピュータ100への電力供給が停止するときに、RAM102などに設定される。そして、このバックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でも、バックアップフラグの状態は保存されることになる。ステップS28では、例えばバックアップフラグの値として「55H」がRAM102に設定されていれば、バックアップあり(オン状態)であると判断される。これに対して、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)であると判断される。
ステップS28にてバックアップフラグがオンであるときには(ステップS28;Yes)、RAM102のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する(ステップS29)。ステップS29の処理では、例えばRAM102の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムとメインチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、メインチェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。そして、比較結果が不一致であれば、RAM102の特定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判断される。
ステップS29におけるチェック結果が正常であるときには(ステップS29;Yes)、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態といった主基板11における制御状態や、サブ側の制御基板(例えば演出制御基板12など)の制御状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行い、電断前の遊技状態を復旧させる(ステップS30)。具体的な一例として、ステップS30の処理では、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次に、RAM102内のワークエリアに設定する。ここで、RAM102のワークエリアはバックアップ電源によってバックアップされており、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域についての初期化データが設定されていてもよい。
ステップS27にてクリアスイッチがオンであるときや(ステップS27;Yes)、ステップS28にてバックアップフラグがオフであるとき(ステップS28;No)、あるいは、ステップS29にてチェック結果が正常ではないときには(ステップS29;No)、停電復旧時でない電源投入時やシステムリセット時に対応した初期化処理を実行する。この初期化処理では、RAM102のクリア(初期化)を行い(ステップS31)、作業領域となるワークエリアを設定する(ステップS32)。なお、ステップS31の処理では、所定のデータ(例えばRAM102に設けられたランダムカウンタにおける格納データなど)が任意の値あるいは予め定められている初期値などに設定されてもよい。また、RAM102の全領域を初期化してもよいし、一部の領域を初期化する一方で所定のデータはそのままにしてもよい。ステップS31の処理が実行されるときには、乱数回路104の動作状態も初期化してもよい。ステップS32の処理により、RAM102などに初期値が設定されればよい。このときには、演出制御基板12等といったサブ側の各制御基板を初期化するための制御コマンド(初期化指定コマンド)を送信する。例えば、演出制御基板12では、初期化指定コマンドの受信に応答して、遊技効果ランプ9を点滅させる、スピーカ8L・8Rから所定のメッセージ音声を放音するなどして、パチンコ遊技機1における制御が初期化されたことを報知するなどの初期化報知が実行されればよい。
ステップS30あるいはS32の処理を実行した後には、割込み許可状態に設定して(ステップS36)、各種割込み要求の発生を待機する。なお、ステップS36の処理も、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて実行される初期設定処理に含まれるものとしてもよい。ステップS36の処理を実行した後には、例えばステップS25におけるCTC508の設定に基づき、2ミリ秒ごとに遊技制御用のタイマ割込みが発生するようになればよい。ステップS36の処理を実行した後には、乱数更新処理が繰り返し実行される(ステップS37)。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、図5に示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理(S11)やメイン側エラー処理(S12)、情報出力処理(S13)、遊技用乱数更新処理(S14)、特別図柄プロセス処理(S15)、コマンド制御処理(S17)といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
ステップS11で実行されるスイッチ処理は、スイッチ回路110を介して第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
ステップS12で実行される遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用乱数MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3とが含まれていればよい(図8参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。乱数値MR2は、大当り種別の決定に用いられる。なお、特図表示結果決定用の乱数値と、大当り種別決定用の乱数値とを異なるものとしてもよい。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
ステップS15で実行される技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
ステップS17で実行されるコマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンド(特に、下記で送信設定される各種の制御コマンド)を伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図6は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図7は、始動入賞判定処理として、図6のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えばRAM102の所定領域(例えば、遊技制御カウンタ設定部)に設けられた、第1特図保留記憶数をカウントする第1保留記憶数カウンタの格納値(初期値は「0」である。)である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。
ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部)に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。始動口バッファの格納値は、「1」が第1始動口を表し、「2」が第2始動口を表す。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えばRAM102の所定領域(例えば、遊技制御カウンタ設定部)に設けられた、第2特図保留記憶数をカウントする第2保留記憶数カウンタの格納値(初期値は「0」である。)である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。
ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部)に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1つ加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1つ加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1つ加算する。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を1つ加算した場合には、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を1つ加算した場合には、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)。
こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1つ増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1つ増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1つ加算するように更新する(ステップS208)。例えば、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御カウンタ設定部)に設けられた、合計保留記憶数をカウントする合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1つ加算するように更新すればよい。
また、ステップS208では、図9(A)に示すように、CPU103は保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口バッファ値に応じて「第1」または「第2」を示すデータをセットする。保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(図9(A)に示す例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図9(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図9(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14(第3始動入賞口17を含む)への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM102の所定領域に形成されている。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104などによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3それぞれを示す各数値データ(図8参照)を、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部(例えば、RAM102の所定領域に設けられる。)における空きエントリの先頭に、保留データとしてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、RAM102の所定領域に設けられた第1特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、RAM102の所定領域に設けられた第2特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
図9(B)及び(C)に第1特図保留記憶部と第2特図保留記憶部とに記憶された乱数値MR1〜MR3の一例を示す。図9(B)の第1特図保留記憶部では、乱数値MR1〜MR3が、保留記憶3つ分記憶されている。保留番号は、記憶された順番を示す。保留番号1のエントリに記憶された乱数値MR1(「20980」)、MR2(「39」)、MR3(「240」)、が、第1特図保留記憶部において最も古く記憶されたものである。図9(C)の第2特図保留記憶部では、乱数値MR1〜MR3が、保留記憶2つ分記憶されている。保留番号は、記憶された順番を示す。保留番号1のエントリに記憶された乱数値MR1(「151」)、MR2(「99」)、MR3(「61」)が、第2特図保留記憶部において最も古く記憶されたものである。
乱数値MR1〜MR3は、図8に示した範囲・用途を持つ。このうち、乱数値MR1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを決定するために用いられる乱数値である。乱数値MR1は、「1」〜「65535」の範囲にある値を取り得る。乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる乱数値である。乱数値MR2は、「1」〜「100」の範囲にある値を取り得る。乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターンを決定するために用いられる。乱数値MR3は、乱数値MR3は、「1」〜「251」の範囲にある値を取り得る。CPU103は、ステップS210の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンド(第1始動口に始動入賞があったことを指定するコマンド)を送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理(詳しくは後述)を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。保留記憶数通知コマンドは、第1保留記憶数通知コマンド及び第2保留記憶数通知コマンドを含み、各コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。本実施の形態では、保留記憶数通知コマンドに加えて、保留記憶特定情報通知コマンドをさらに送信する。保留記憶特定情報通知コマンドは、現在の合計保留数及び、保留記憶特定情報(図9(A)参照)の内容を示す情報が含まれている。なお、演出制御基板12に対して送信する保留記憶数通知コマンドは、第1保留記憶数通知コマンド及び第2保留記憶数通知コマンドのうち、始動入賞があった方のコマンドのみを含むものであってもよい。例えば、保留記憶数通知コマンドは、始動口バッファ値が「1」であれば、第1保留記憶数通知コマンドのみを含み、始動口バッファ値が「2」であれば、第2保留記憶数通知コマンドのみを含むようにしてもよい。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図10は、入賞時乱数値判定処理として、図9のステップS213にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定及び大当り種別の決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示態様を規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、ステップS209で抽出された各乱数値が、特図表示結果を「大当り」と決定する乱数値MR1であるか否かの判定や、大当り種別がどれになるかの判定などを行う(所謂「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、大当り種別を予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で先読み演出を実行するか否かなどを、決定することができる。なお、この先読み対象の保留データ及び可変表示を適宜先読みターゲットの保留データ、ターゲットの可変表示などと呼ぶことがある。また、入賞時乱数値判定処理は、乱数値MR1〜MR3を第1又は第2特図保留記憶部に記憶する前にステップS212の処理(先読み)を行い、その後に乱数値MR1〜MR3を第1又は第2特図保留記憶部に記憶するようにしてもよい。
図10の入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。例えば、確変フラグがオン状態であるときには遊技状態が確変状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、大当り判定範囲を設定する(ステップS402)。例えば、大当り判定範囲としては、確変状態用(確変用)の大当り判定範囲と、確変状態以外の遊技状態用(非確変用)の大当り判定範囲と、が用意され、現在の遊技状態が確変状態であれば、確変用の大当り判定範囲を設定し、現在の遊技状態が確変状態でなければ(非確変状態であれば)、非確変用の大当り判定範囲を設定する。
確変用の大当り判定範囲は、後述のステップS239で確変状態のときに、可変表示結果を「大当り」にすると決定することができる乱数値MR1の範囲として、予め定められていればよい。確変用の大当り判定範囲は、ここでは、ステップS239で参照される特図表示結果の決定テーブル(図12)において確変状態(確変制御有り)に応じて「大当り」に割り当てられた決定値の範囲(「8000」〜「10048」)と同じである。つまり、乱数値MR1が確変用の大当り判定範囲内の値である場合には、その後、この乱数値MR1に基づいてステップS239で決定される特図表示結果は、確変状態が終了しない限り、「大当り」になる。
例えば、非確変用の大当り判定範囲は、後述のステップS239で確変状態以外の遊技状態のときに、可変表示結果を「大当り」にすると決定することができる乱数値MR1の範囲として、予め定められていればよい。非確変用の大当り判定範囲は、ここでは、ステップS239で参照される特図表示結果の決定テーブル(図12)において非確変状態(確変制御無し)に応じて「大当り」に割り当てられた決定値の範囲(「8000」〜「8655」)と同じである。つまり、乱数値MR1が非確変用の大当り判定範囲内の値である場合には、その後、この乱数値MR1に基づいてステップS239で決定される特図表示結果は「大当り」になる。
その後、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS402の処理により設定された大当り判定範囲とを比較する(ステップS403)。そして、乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。大当り判定範囲内であると判定された場合(つまり、特図表示結果が「大当り」と判定された場合)には(ステップS404;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定範囲とを比較する(ステップS408)。本実施の形態では、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、後述するステップS242で使用するテーブルデータ(図12(B)及び(C))から大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。これにより、乱数値MR2がどの大当り種別の判定範囲内であるかが判定される。
ステップS408の処理を終了するか、S404でNoと判定した場合には、CPU103は変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、変動パターン判定範囲とを比較する(ステップS410)。本実施の形態では、後述するステップS271で使用する変動パターン決定テーブル(図14(B))を参照することにより、複数の変動パターン(図14(A))のいずれに決定されるかを判定する。これにより、乱数値MR3がどの変動パターンの判定範囲内であるかが判定される。
ステップS409の処理に続き、ステップS403、ステップS408、ステップS409の処理による比較結果・判定結果に応じて、入賞時判定結果指定コマンドを送信するための送信設定を行ってから(ステップS409)、入賞時乱数値判定処理を終了する。例えば、ROM101における入賞時判定結果指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して入賞時判定結果指定コマンドを送信するための設定を行う。入賞時判定結果指定コマンドは、次のコマンド制御処理で演出制御基板12に対して伝送される。
本実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドは、ステップS401で特定した現在の遊技状態を示す情報と、ステップS403で判定した「大当り」となるか否かと、ステップS408で判定した大当り種別と、ステップS409で判定した変動パターンと、を示す情報が含まれる。
なお、この実施の形態では、現在の遊技状態に応じた大当り判定範囲内に乱数値MR1があるか否かを判定するので、乱数値MR1が大当り判定範囲内にあるからといって、実際の可変表示の表示結果が「大当り」になるとは限らない。ターゲットの可変表示の前に、確変終了条件が成立するなどして、遊技状態が変更される場合があるからである。そこで、ステップS402において設定する大当り判定範囲を、確変用の大当り判定範囲(「8000」〜「10048」)と、非確変用の大当り判定範囲(「8000」〜「8655」)と、が重複する範囲(「8000」〜「8655」)にしてもよい。これによって、乱数値MR1がその範囲内にあれば、その乱数値MR1についてのステップS239において必ず特図表示結果が「大当り」に決定される。つまり、先読みの精度が向上する。なお、この場合、ステップS401の処理は省略してもよい。なお、この場合、乱数値MR1がその範囲内でない場合であっても、そのMR1についてのステップS239では、可変表示結果が「大当り」に決定される場合もある。
図7に示す始動入賞判定処理や図10に示す入賞時乱数値判定処理では、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、入賞時判定結果指定コマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド及び/又は第2保留記憶数通知コマンド)、保留記憶特定情報通知コマンド、という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎に上記コマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に所定の順序で送信されてもよい。
図7に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する(図6参照)。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(最初は“0”である。)のときに実行される。図11は、特別図柄通常処理として、図6のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS230)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
なお、ステップS230において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してステップS231に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してステップS248に移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ(ステップS231;No)、CPU103は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS231)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。のとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ(例えば、RAM102の所定領域に設けられる。)などに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1つ減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1つ減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域に移動させる。)。また、ステップS233の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新し、保留特定領域における保留番号「2」以上に記憶された保留情報の内容を1エントリずつ上位にシフトする。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS231;Yes)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データ(最も過去に記憶された保留データ)を読み出す(ステップS236)。これにより、図7に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1つ減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1つ減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域に移動させる。)。また、ステップS237の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新し、保留特定領域における保留番号「2」以上に記憶された保留情報の内容を1エントリずつ上位にシフトする。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果の決定テーブル(図12(A)参照)を選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果の決定テーブルでは、例えば、図12(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果の決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」のいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた後述の確変フラグがオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図10(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図16に示す大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。
ステップS242ではまず、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別の決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。この実施形態では、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものである場合には図12(B)の決定テーブルを、第2特図を用いたものである場合には図12(C)の決定テーブルを、それぞれ選択する。例えば、変動特図指定バッファの格納値が「1」である場合には第1特図を用いたものであると判定して、図12(B)の決定テーブルを、「2」である場合には第2特図を用いたものであると判定して、図12(C)の決定テーブルを、それぞれ選択すれば良い。大当り種別の決定テーブルは、例えば図12(B)及び(C)に示すように、複数の大当り種別(「ビッグ」と「スモール」)と、その大当り種別に割り当てられた判定範囲を対応付けて記録したテーブルである。なお、本実施の形態では大当り種別が「ビッグ」である場合でも、「スモール」である場合でも、最大8回の確変制御が実行される。すなわち、大当り後に8回の特図ゲームが実行されるか、「大当り」の可変表示結果が導出されるか、何れかが成立するまで確変制御が実行される。
ステップS242では、CPU103は次に、選択した決定テーブルを用いて大当り種別を決定する。具体的には、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、選択した大当り種別の決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
本実施の形態では、今回の特図ゲーム(可変表示)が第2特図を用いたものである場合には、第1特図を用いたものである場合よりも、大当り種別ビッグ(15R)が選択される割合が高い。このように、第1特図と第2特図を用いた特図ゲームで、遊技者に有利な度合いが異なる。このような構成により、遊技者に何れの特図を用いた特図ゲームであるかに応じて多様な期待感を与えることが出来る。なお、大当り種別の決定方法はこれに限らず、第1特図と第2特図の何れを用いたかにかかわらず、同じ割合で大当り種別を決定してもよい。この場合には、第1特図と第2特図の差といった、パチンコ遊技機に特有な要素を遊技者に意識させず、スロットマシンの遊技体験を再現することが出来る。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータ(つまり、「ビッグ」・「スモール」のどちらであるかを示すデータ)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合(ステップS240;No)か、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図6に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS230にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS230;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出効果ランプ9を発光させる・スピーカ8L及び8Rから所定の音声を出力させる、などによるデモンストレーションの実行を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ実行設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。客待ちデモ指定コマンドは、コマンド制御処理において演出制御基板12に対して送信される。なお、パチンコ遊技機1が画像表示装置を備えている構成では、ステップS248にて所定のデモンストレーション画像を表示するための演出制御コマンドを送信すればよい。
上述の処理では、乱数値MR1及びMR2に基づいて、可変表示結果を「大当り」とするか否か(大当り遊技状態に制御するか否か)と、大当り種別とが、ステップS239及びS242において、可変表示の表示結果の導出表示前に事前決定されていることになる。
図6のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理は、この後開始される可変表示の態様を指定する変動パターンを設定する処理であり、これによって、この後開始される飾り図柄の可変表示の内容や、可変表示の期間(特図変動時間)が決定されることになる。
図13は、変動パターン設定処理として、図6のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図13の変動パターン設定処理で選択され設定される変動パターンとしては、例えば、図14(A)に示す変動パターンがある。
図14(A)の変動パターンPA1−1とPA1−2とは、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に選択されるものである。PA1−1は再変動が実行されずに特別役以外の組合せの飾り図柄が導出される変動パターンである。一方、PA1−2は、再変動を1回だけ実行した後に、特別役以外の組合せの飾り図柄が導出される擬似連の変動パターンである。変動パターンPA1−1とPA1−2では、「ハズレ目」の組合せのほか、「リーチ目」や一般役の組合せの飾り図柄が導出される場合がある。
図14(A)の変動パターンPB1−1〜PB1−4は、特図表示結果が「大当り」となる場合に選択されるものであって、再変動の有無・回数がそれぞれ異なる。PB1−1は再変動が実行されずに大当り組合せ(特別役)の飾り図柄が導出される変動パターンである。一方、PB1−2〜PB1−4は、再変動をそれぞれ1〜3回だけ実行した後に、大当り組合せ(特別役)の飾り図柄が導出される擬似連の変動パターンである。
本実施の形態では、全ての変動パターンの特図変動時間として、変動(又は再変動)開始から終了(又は仮停止)するまでの所要時間として5000ms(5秒)を、再変動1回につき仮停止した結果を遊技者に提示するために1000ms(1秒)の所要時間と、の加算値が設定されている。スロットマシンでは、リールは遊技者がスタートスイッチにより回転を開始してからストップスイッチにより停止するまで回転する。そのため、通常のパチンコ遊技機で実行されるノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出といった長時間にわたる演出や、時短制御による変動時間の短縮によって、変動時間が大きく異なると、スロットマシンとは遊技性が大きく異なってしまう。そこで、本実施の形態では変動(又は再変動)開始から終了(又は仮停止)するまでの所要時間を一定にすることで、スロットマシンの遊技性を再現している。
変動パターン設定処理では、CPU103は、まず特図表示結果が「大当り」と「ハズレ」との何れであるか、及び、乱数値MR3の値に応じて、変動パターン決定テーブルを用いて変動パターンを決定する(ステップS271)。変動パターン決定テーブルは、例えば、図14(B)に示すように、変動パターン決定用乱数の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、特図表示結果が「大当り」と「ハズレ」のいずれであるかに応じて割り当てられていればよい。CPU103は、大当り時にステップS241で設定される大当りフラグがオン状態である場合に、大当りであると判定する。そして、CPU103は、特別図柄通常処理のステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる乱数値MR3を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出す。そして、判定結果に応じて、読み出した乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンに決定すればよい。このステップS271が実行されることによって、変動パターンが選択される。つまり、飾り図柄の可変表示の態様(演出内容)が決定される。
ステップS271の処理を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS272)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図14(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、S271の処理で選択した変動パターンに応じた特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS272の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させる(ステップS273)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する。なお、このとき、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、このとき、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS273の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS274)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンド、保留記憶特定情報通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド、保留記憶特定情報通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、ステップS271の処理において選択された変動パターンの内容を指定する演出制御コマンドであり、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置31における「左」、「中」、「右」の各リール32L、32C、32Rが回転することにより可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「ハズレ」のいずれであるかや、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。保留記憶特定情報通知コマンドは、現在の合計保留数及び、保留記憶特定情報(図9(A)参照)の内容を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS275)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS275にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図6に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する制御コマンドである図柄確定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。CPU103は、図柄確定コマンドの送信設定では、主基板11から演出制御基板12に対して図柄確定コマンドを送信するために、予め用意された図柄確定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。設定された図柄確定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオン状態となっているか否かの判定などが行われる。
図15は、特別図柄停止処理として、図6のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS351)。大当りフラグがオン状態である場合(ステップS351;Yes)、確変フラグをオフ状態にし、確変回数カウンタのカウント値を「0」にすることなどによって、確変フラグ、確変回数カウンタをリセットする(ステップS352)。確変回数カウンタは、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、確変制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントするカウンタである。
その後、RAM102の所定領域(例えば遊技制御タイマ設定部)に設けられた大入賞口制御タイマ(タイマ値を示すデータが記憶される)に大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、可変表示装置31や告知ランプ9A・遊技効果ランプ9等を用いて報知する時間であり、予め定められた時間である。)を設定し(ステップS353)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられたラウンド数計数用カウンタ(大当り遊技状態で実行される残りのラウンド数をカウントするためのもの、ラウンド数カウンタともいう。)にカウント初期値(大当り種別バッファに格納された大当り種別に応じた上限ラウンド数であり、大当り種別が「ビッグ」である場合には「15」、「スモール」である場合には「5」を設定し(ステップS354)、当り開始指定コマンド及び遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「4」に更新し(ステップS356)、特別図柄停止処理を終了する。
当り開始指定コマンドは、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する制御コマンドである。CPU103は、当り開始指定コマンドの送信設定では、主基板11から演出制御基板12に対して当り開始指定コマンドを送信するために、予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。設定された当り開始指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
遊技状態指定コマンドは、現在の遊技状態(ステップS356では、通常状態を指定するコマンド)を指定する制御コマンドである(例えば、確変フラグのオン状態・オフ状態を指定することによって遊技状態を指定するコマンド)。CPU103は、遊技状態指定コマンドの送信設定では、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するために、予め用意された遊技状態指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。設定された遊技状態指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
CPU103は、大当りフラグがオン状態でない(オフ状態である)場合(ステップS351;No)、確変フラグがオンであるかを判定する(ステップS364)。CPU103は、確変フラグがオンである場合には(ステップS364;Yes)、確変回数カウンタのカウント値を「1」減らし(ステップS365)、減らした後のカウント値が「0」であるかを判定する(ステップS366)。CPU103は、カウント値が「0」である場合(ステップS366;Yes)、確変フラグをオフ状態にし(ステップS367)、確変状態を終了させる。CPU103は、ステップS367の処理を行った後には、ステップS355と同様に、現在の遊技状態(確変が終了した遊技状態)を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(ステップS368)、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS369)、特別図柄停止処理を終了する。CPU103は、確変フラグがオンでない場合(ステップS364;No)、カウント値が「0」でない場合(ステップS366;No)も、特別図柄停止処理を終了する。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦確変状態が終了し、ハズレ時には、確変中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。確変中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、確変フラグがオフになり確変状態が終了する。つまり、確変状態(確変制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板12側になされる。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、大入賞口制御タイマに設定されたタイマ値が「0」になることなどによって、大入賞口制御タイマで計測される大当り表示時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理などが含まれている。この処理では、例えば大入賞口を開放状態とする期間の上限(ラウンド遊技が実行され得る上限期間)を設定する(例えば、7R大当り遊技状態又は15R大当り遊技状態において29秒間、2R大当り遊技状態において0.5秒間)。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判別した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、ラウンド数計数用カウンタの値が「1」減らされ、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否か(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」であるか否か)を判定する処理や、上限回数に達していない場合(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」でない場合)に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したとき(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」になったとき)には、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。CPU103は、大当り遊技状態終了コマンドの送信設定では、例えば、主基板11から演出制御基板12に対して大当り遊技状態終了コマンドを送信するために、予め用意されたコマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。
ステップS114からS116が繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態における各ラウンド遊技が実行される。特に、「スモール」に対応する5R大当り遊技状態では、5回のラウンド遊技が実行され、「ビッグ」に対応する15R大当り遊技状態では、15回のラウンド遊技が実行される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。図16は、図6のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出(エンディング演出)待ち時間(大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての後述のエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間)が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図6に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値がRAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、大当り種別によらず確変フラグをセットする(ステップS323)。
その後、CPU103は、確変回数カウンタにカウント初期値(例えば、8回)を設定する(ステップS324)。そして、CPU103は、ステップS355と同様に、現在の遊技状態(ステップS323の処理内容に応じた遊技状態)を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(ステップS325)、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。図17は、演出制御メイン処理の一例のフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する(ステップS72;No)。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、例えば可変表示装置31における各リール32L、32C、32Rを動作して飾り図柄の表示を制御する制御内容、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理が再度実行される。
図18は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図18のコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された始動口入賞指定コマンド、入賞時判定結果指定コマンド、保留記憶数通知コマンド、保留記憶特定情報通知コマンドの4つのコマンドの一括受信又は連続受信があったか否かを判定する(ステップS681)。
4つのコマンドの受信があった場合(ステップS681;Yes)、これによって、第1始動条件又は第2始動条件が成立したことが分かるので、演出制御用CPU120は、4つの受信コマンドに応じて入賞時判定結果を第1保留情報バッファ又は第2保留情報バッファのうちの始動条件に対応する方に格納する(ステップS682)。第1保留情報バッファ及び第2保留情報バッファは、それぞれ、RAM122の所定領域に設けられる。第1保留情報バッファは、第1始動条件の開始に基づいて先読みが行われた入賞時判定結果を保留情報(先読み結果)として格納していくものである。第1保留情報バッファに格納される保留情報と、第1特図保留記憶部に格納される保留データとは、互いに対応している。第2保留情報バッファは、第2始動条件の開始に基づいて先読みが行われた入賞時判定結果を保留情報(先読み結果)として格納していくものである。第2保留情報バッファに格納される保留情報と、第2特図保留記憶部に格納される保留データとは、互いに対応している。
一例として、ステップS682では、演出制御用CPU120は、4つの受信コマンドのうち、始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドである場合には、4つの受信コマンドのうちの入賞時判定結果指定コマンドが通知する入賞時判定結果を、保留情報として、第1保留情報バッファにおける空き領域のうちで、保留番号が最も小さい格納領域(4つの受信コマンドのうちの第1保留記憶数通知コマンドで通知された第1特図保留記憶数と同一の保留番号に対応した格納領域)に格納する(図19(A)参照)。
一方、ステップS682では、演出制御用CPU120は、4つの受信コマンドのうち、始動口入賞指定コマンドが第2始動口入賞指定コマンドである場合には、4つの受信コマンドのうちの入賞時判定結果指定コマンドが通知する入賞時判定結果を、保留情報として、第2保留情報バッファにおける空き領域のうちで、保留番号が最も小さい格納領域(3つの受信コマンドのうちの第2保留記憶数通知コマンドで通知された第2特図保留記憶数と同一の保留番号に対応した格納領域)に格納する(図19(B)参照)。
図19(A)及び(B)は、第1保留情報バッファ及び第2保留情報バッファそれぞれの記憶内容の一例を示す図である。図19(A)に示す第1保留情報バッファでは、保留番号「1」から「3」に対応する格納領域に、入賞時判定結果を示すデータ(保留情報)が記憶されている。図19(B)に示す第2保留情報バッファでは、保留番号「1」から「2」に対応する格納領域に、入賞時判定結果を示すデータ(保留情報)が記憶されている。
本実施の形態では、演出制御用CPU120はステップS682にて保留記憶特定情報通知コマンドが通知する現在の合計保留数及び保留記憶特定情報の内容を、合計保留情報バッファ(図19(C))に格納する。この結果、主基板11の側で入賞時判定処理が実行されるごとに、最新の合計保留数および保留記憶特定情報の内容をバッファに記録できる。そのため、たとえ電断等により保留情報等の記憶が失われたとしても、次に入賞時判定処理が実行されたタイミングで保留表示等を現在の遊技状態に合わせて復旧できる。
ステップS682の処理のあと、保留記憶の数が1増えているので、演出制御用CPU120は、例えばランプ制御基板14に電飾信号を伝送するなどして、合計保留情報バッファに記憶された保留情報に応じて、保留表示を一つ増加させる制御(ランプの発光制御
)を実行する(ステップS683)。具体的には、合計保留情報バッファに記憶された第1特図保留記憶の奇数番目に対応して赤を、偶数番目に対応して黄を、第2特図保留記憶の奇数番目に対応して青を、偶数番目に対応して緑を、それぞれ入賞順に左詰めで発光させる。なお、電源投入後に初めて第1始動入賞口13に入賞した保留記憶を1番、次に第1始動入賞口13に入賞した保留記憶を2番、として、奇数番目に入賞した保留記憶を「赤」で、偶数番目に入賞した保留記憶を「黄」で、交互に表示すればよい。第2始動入賞口14についても同様に、電源投入時から数えて奇数番目に入賞した保留記憶を「青」で、偶数番目に入賞した保留記憶を「緑」で、交互に表示すればよい。例えば、現在の保留記憶が、図19(C)に示すように「第1」「第2」「第1」「第2」「第1」の順であることが特定されている場合に、8個の保留表示ランプ9Bを左から「赤」「青」「黄」「緑」「赤」の順で発光させる制御を実行する。
このためには、合計保留情報バッファに、第1及び第2保留記憶それぞれに対応して、次に入賞する保留記憶が奇数番目であるか偶数番目であるかに応じて更新される第1保留表示色指定フラグ及び第2保留表示色指定フラグを記憶する領域を設定する。この第1保留表示色指定フラグは、電源投入時に「0」(赤に対応)に設定され、値が「0」の場合に第1保留記憶数通知コマンドを受信した事に応じて「1」(黄に対応)に、値が「1」の場合に第1保留記憶数通知コマンドを受信した事に応じて「0」に更新される。第2保留表示色指定フラグも同様に、電源投入時に「0」(青に対応)に設定され、値が「0」の場合に第2保留記憶数通知コマンドを受信した事に応じて「1」(緑に対応)に、値が「1」の場合に第2保留記憶数通知コマンドを受信した事に応じて「0」に更新される。そして、合計保留情報バッファに記憶された保留情報に対応して、更新前の保留表示色指定フラグの値を記憶しておく。そして、ステップS683において、演出制御用CPU120が保留情報に対応して記憶した保留表示色指定フラグの値に応じた色で保留表示ランプ9Bを発光させることを指示する電飾信号を、ランプ制御基板14に伝送すればよい。
ステップS683の処理のあと、又は、ステップS681で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS681;No)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される、変動開始コマンドを含む特別図柄の変動開始時におけるコマンドの受信があったかを判定し(ステップS684)、受信があった場合には(ステップS684;Yes)、受信した変動開始コマンドに応じて、第1保留情報バッファ又は第2保留情報バッファに格納された保留情報を消化する(ステップS685)。
ステップS685では、一例として、演出制御用CPU120は、第1変動開始コマンドを受信した場合には、第1保留情報バッファの1つ目の格納領域(保留番号「1」に対応した領域)に格納された保留情報を読み出して消去し、以降の記憶内容をシフトさせる。これによって、保留番号「1」に対応した領域に格納された保留情報が消化され、保留番号「2」から「4」に対応した領域に格納された保留情報が、保留番号「1」から「3」に対応した領域に移される。
また、第2変動開始コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU120は、第2保留情報バッファの1つ目の格納領域(保留番号「1」に対応した領域)に格納された保留情報を読み出して消去し、以降の記憶内容をシフトさせる。これによって、保留番号「1」に対応した領域に格納された保留情報が消化され、保留番号「2」から「4」に対応した領域に格納された保留情報が、保留番号「1」から「3」に対応した領域に移される。
本実施の形態では、演出制御用CPU120はステップS685にて変動開始コマンドと同時に送信された保留記憶特定情報通知コマンドに応じて、合計保留情報バッファを更新する。
このような処理によって、特別図柄の可変表示の開始に応じて開始される可変表示に対応する保留情報を消化することができる。
その後、演出制御用CPU120は、例えば、例えばランプ制御基板14に電飾信号を伝送するなどして、合計保留情報バッファに記憶された保留情報に応じて、保留表示を一つ減少させる制御(ランプの発光制御)を実行する(ステップS686)。
これら処理によって、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数が1つ減らされる。なお、このような、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ減らす処理は、飾り図柄の可変表示の開始に応じて行われても良い(例えば、後述のステップS511などで行われても良い)。
ステップS686の処理のあと、又は、ステップS684で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS684;No)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される遊技状態指定コマンドの受信があったか否かを判定し(ステップS687)、受信があった場合には(ステップS687;Yes)、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、確変フラグのオン状態・オフ状態を切り替える(ステップS688)。
確変フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。
ステップS688において、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが確変状態を指定するものである場合、確変フラグをオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。
ステップS688の処理のあと、又は、ステップS687で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS687;No)、演出制御用CPU120は、その他のコマンド解析処理を実行してから(ステップS686)、コマンド解析処理を終了する。
本実施の形態では、その他のコマンド解析処理として、電断発生時に演出制御メイン処理(図4)のステップS32にて送信される初期化指定コマンドの解析処理を実行する。具体的には、初期化設定コマンドを受信したか否か判定し、受信した場合には、まず遊技効果ランプ9を点滅させる、スピーカ8L・8Rから所定のメッセージ音声を放音するなどして、パチンコ遊技機1における制御が初期化されたことを報知する制御を実行する。そして、各リールモータ33L、33C、33Rの動作を停止し、保留表示ランプ9B及び告知ランプ9Aを消灯する。その後、コマンド解析処理を終了する。この場合は、次に入賞時判定結果指定コマンド、変動開始コマンド、遊技状態指定コマンドの何れかを受信するまで、後述する演出制御プロセスの実行をスキップする。そして、次に入賞時判定結果指定コマンドや、変動開始コマンド、遊技状態指定コマンドを受信したときには、ステップS682・ステップS683・ステップS688にて受信したコマンドに基づいて演出を再開する。なお、初期化指定コマンドを受信していないときにはこのような処理は実行されずにコマンド解析処理を終了する。
図20は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み設定処理を行う(ステップS161)。図21は、先読み設定処理の一例を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば第1保留情報バッファや第2保留情報バッファ、合計保留情報バッファといった、保留情報バッファにおける記憶内容をチェックする(ステップS651)。
ステップS651の処理によるチェック結果に基づいて、演出制御用CPU120は、新たな始動入賞があったか否かを判定する(ステップS652)。例えば、合計保留情報バッファにおいて、新たな保留情報が記憶されたかによって前記判定を行う(新たな保留情報が記憶されていれば、新たな始動入賞があったことなる。)。なお、新たな保留情報や、この新たな保留情報に対応して実行される可変表示を、適宜先読みターゲットの可変表示又は当該変動ということもある。
ステップS652にて新たな始動入賞がないと判定された場合には(ステップS652;No)、先読み設定処理を終了する。一方、新たな始動入賞があったと判定された場合には(ステップS652;Yes)、演出制御用CPU120は、先読みターゲットの保留情報(入賞時判定結果)が「大当り」を表すものであるか否かを判定する(ステップS653)。
先読みターゲットの保留情報が大当りを表さない場合(「ハズレ」を表す場合)には(ステップS653;No)、先読み設定処理を終了する。一方、先読みターゲットの保留情報が大当りを表す場合には(ステップS653;Yes)、演出制御用CPU120は、先読みターゲットの保留情報(入賞時判定結果)が再変動を実行する変動パターンを表すものであるか否かを判定する(ステップS656)。具体的には、入賞時判定結果が示す当該変動の変動パターンが、ROM121に予め記憶された再変動ありの変動パターン(ここではPB1−2〜PB1−4のいずれか)である場合には、再変動を実行する変動パターンを表すものであると判定する(ステップS656;Yes)。この場合、先読み設定処理を終了する。
一方、入賞時判定結果が示す当該変動の変動パターンが、再変動ありの変動パターン(ここではPB1−2〜PB1−4のいずれか)でない場合、再変動を実行する変動パターンを表すものでないと判定する(ステップS656;No)。この場合、演出制御用CPU120は新たな始動入賞によって増加した合計保留数が2以上であるか否か判定する(ステップS657)。例えば、図19(C)の合計保留情報バッファを参照して、合計保留数が1であった場合には、合計保留数が2以上でないと判定する(ステップS657;No)。この場合は、直ぐに当該変動が開始されるため、第1報知演出は実行できないと考えられるため、先読み設定処理を終了する。
一方、合計保留数が2以上であると判定すると(ステップS657;Yes)、次に演出制御用CPU120は先読みターゲットの保留情報の大当り種別が「ビッグ」であるか否か判定する(ステップS658)。大当り種別が「ビッグ」である場合には(ステップS658;Yes)、演出制御用CPU120は第1報知演出決定用テーブルAを参照して、当該変動の実行までに実行される演出内容を決定する(ステップS659)。一方、大当り種別が「ビッグ」でない場合には(ステップS658;No)、演出制御用CPU120は第1報知演出決定用テーブルBを参照して、当該変動の実行までに実行される演出内容を決定する(ステップS660)。
ステップS659では、例えば図22(A)に示したような決定例で、演出内容が決定されればよい。このとき、第1報知演出決定用テーブルAは、当該変動(先読みの対象となった可変表示)が開始される前に実行される複数の演出内容に対して、図22(A)の決定例に応じた決定値が割り振られたテーブルであればよい。一方、ステップS660では、例えば図22(B)に示したような決定例で、演出内容が決定されればよい。このとき、第1報知演出決定用テーブルBは、当該変動(先読みの対象となった可変表示)が開始される前に実行される複数の演出内容に対して、図22(B)の決定例に応じた決定値が割り振られたテーブルであればよい。
図22(A)及び(B)の例では、当該変動が開始される前に実行される複数の演出内容として、第1報知演出の実行有無、実行する場合に先告知か後告知かのいずれの報知態様で実行するか、当該変動の開始までの可変表示においてカックンスタート演出を実行するか否か、リーチ目組合せの表示結果を導出表示するか、がそれぞれ決定される。このうち、大当り種別が「ビッグ」である場合(図22(A))は、告知態様として「先告知」及び「後告知」のいずれもが選択されうる。一方、大当り種別が「スモール」である場合には(図22(B))、告知態様が「先告知」の第1報知演出は選択されない。このため、「先告知」の第1報知演出が実行された場合には、必ず「ビッグ」の大当りとなり、15R大当り遊技状態に制御されるという遊技価値が付与されることとなる。一方、「後告知」の第1報知演出が実行された場合には、15R大当り遊技状態に制御される割合が「先告知」よりも低い。このため、遊技者に対して「先告知」の演出態様で報知演出が実行されることに強い期待感を与えることが出来る。
また、図22(A)及び(B)の決定例において、第1報知演出が実行される可変表示では、可変表示結果として「リーチ目」が停止表示される。さらに、「後告知」の第1報知演出が実行される場合と、第1報知演出を実行しない場合とにおいて、「カックンスタート演出」が実行されることが決定される場合がある。このような設定により、多様な報知態様で遊技者に「大当り」となる保留情報が記憶されていることを報知することができる。
また、図22及び後述する図24(B)の決定例では、「カックンスタート演出」が実行される場合には、そうでない場合よりも第1報知演出が実行される割合が高い。このため、特定開始態様(「カックンスタート」の回転開始態様)によって報知演出が実行されるか否かを示唆する事が出来る。その結果、識別情報の可変表示(リールの回転)が如何なる態様で開始されるかについて遊技者が注目するようになり、遊技の興趣を更に高めることが出来る。
ステップS659、又はS660のいずれかの処理のあと、演出制御用CPU120は、ステップS659、又はS660において第1報知演出を実行することを決定したか否か判定する(ステップS661)。実行しない場合には(ステップS661;No)、先読み設定処理を終了する。一方、実行すると決定した場合には(ステップS661;Yes)、決定結果に応じて保留記憶に第1報知演出実行フラグをセットする(ステップS662)。本実施の形態では、ステップS651で判定対象となった新たな保留記憶(「大当り」となる当該変動に対応)の一つ前の保留記憶に対して、第1報知演出実行フラグをセットする。例えば、当該変動に対応する保留記憶が、合計保留情報バッファのn番目に記憶されている場合には、(n−1)番目の保留記憶に第1報知演出実行フラグをセットする。このとき、先告知か後告知かの何れの報知態様に決定されたかを示す情報も、保留記憶に対応して記憶する。この結果、「大当り」となる当該変動の一つ前の変動で第1報知演出が実行される。報知演出が実行されてから多くの可変表示が実行されると、遊技者が演出に飽きてしまう怖れがあるが、このような構成により遊技の興趣が低下することを低減することが出来る。
ステップS662が終了すると、演出制御用CPU120は、ステップS659又は660における決定結果に応じて、保留記憶に一般役フラグ・リーチ目フラグ・カックンスタートフラグをセットする(ステップS664)。例えば、当該変動に対応する保留記憶が、合計保留情報バッファのn番目に記憶されているとする。この場合、ステップS659又は660でリーチ目停止ありと決定した場合には、(n−1)番目の保留記憶に対応して、リーチ目フラグをセットする。また、カックンスタート演出ありと決定した場合には、同じく(n−1)番目の保留記憶に対応して、カックンスタートフラグをセットする。
本実施の形態では、(n−1)が2以上である場合には、1〜(n−2)番目の保留記憶に所定の割合(例えば、1/3)で一般役フラグをセットする。このような設定により、第1報知演出やカックンスタート演出が実行されたり、リーチ目の表示結果が導出される可変表示の前に、所定の割合で一般役の表示結果が導出される可変表示が実行される。スロットマシンでは、一般役を狙って遊技を進行中に報知演出やカックンスタート演出・リーチ目によって特別役の当選を知り、後に特別役入賞を目指して遊技する場合が多い。上記構成により、このようなスロットマシンの遊技性を好適に再現することが出来る。
ステップS664を終えるか、ステップS652・ステップS653・ステップS657・ステップS661の何れかでNoと判定するか、ステップS656でYesと判定するか、何れかの場合に演出制御用CPU120は先読み設定処理を終了する。
図21の先読み設定処理では、ステップS656にて当該変動で再変動が実行されると判定した場合には先読み設定処理を終了する。第1報知演出を当該変動の前の可変表示にて実行した後、当該変動にて、再可変表示(飾り図柄の再変動)を実行すると、演出が冗長となり遊技者が興ざめしてしまう怖れがある。このような構成によれば、当該変動にて再可変表示を実行する場合には開始条件成立前に開始される報知演出が実行される割合が低いため、遊技者が興ざめしてしまう割合を低減することが出来る。
演出制御用CPU120は、ステップS161の先読み設定処理を実行したあと、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する(図20参照)。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、可変表示装置31における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信し、可変表示装置31における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、可変表示装置31における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの大当り遊技状態終了コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく可変表示装置31の各リール32L,32C、32Rの位置制御、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図23は、図19のステップS170にて実行される可変表示開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドといった、主基板11から伝送される変動開始コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS551)。このとき、第1変動開始コマンド及び第2変動開始コマンドをいずれも受信していなければ(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は次にデモ実行中フラグがオンであるか否か判定する(ステップS552)。後述するステップS556で設定したデモ表示を実行中であることを示すデモ実行中フラグがオンである場合には(ステップS552;Yes)、演出制御用CPU120は客待ちデモを実行するための制御を行う(ステップS553)。具体的には、図11のステップS248で送信された客待ちデモ指定コマンドに応じて、演出効果ランプ9を発光させるための電飾信号をランプ制御基板14に伝送する、スピーカ8L及び8Rから所定の音声を出力させるための効果音信号を音声制御基板13の伝送する、といった客待ちデモンストレーションを実行するための処理を実行する。
ステップS553の処理が終わると、次に演出制御用CPU120は停止順変更操作を検出したか否か判定する(ステップS554)。具体的には、プッシュセンサ124が送信する、遊技者によるプッシュボタン120への押下操作を検出したことに基づく操作検出信号をI/O125を通して検出したか否かを決定する。このような操作検出信号を検出した場合には、演出制御用CPU120は停止順変更操作を検出したと判定する(ステップS554;Yes)。この場合、演出制御用CPU120はRAM122に設けられた停止順指定フラグを更新する(ステップS555)。
停止順指定フラグは、例えば各リール32R、32C、32Lの停止順として「順押し」の停止順(左リール32L、中リール32C、右レール32Rの順)に対応する値「1」、「逆押し」の停止順(右リール32R、中リール32C、左レール32Lの順)に対応する値「2」、「ハサミ押し」の停止順(左リール32L、右レール32R、中リール32Cの順)に対応する値「3」、のいずれかを取る。停止順指定フラグは、ステップS555の処理が実行されるたびに、「1」→「2」→「3」→「1」→…のように巡回的に更新される。後述する可変表示中演出処理のステップS531にて、この停止順指定フラグの値に応じた順で各リール32R、32C、32Lが停止する。
本実施の形態では、新たな停止順を遊技者に報知するため、複数の停止順表示ランプの何れかを点灯させる制御を行う。具体的には、遊技盤2に、設定可能な停止順に対応して、「順押し」、「逆押し」、「はさみ押し」、等が印刷された透過板の内側に停止順表示ランプをそれぞれ設置する。そして、ステップS531にて、ランプ制御基板14に対して更新後の停止順指定フラグに応じた停止順表示ランプを表示するための電飾信号を送信すれば良い。
よって、停止順指定フラグの値が「1」である場合には、第1停止図柄(最初に停止する飾り図柄)は左リール32L、第2停止図柄(次に停止する飾り図柄)は中リール32C、第3停止図柄(最後に停止する飾り図柄)は右レール32R、である。一方、停止順指定フラグの値が「2」である場合には、第1停止図柄は右リール32R、第2停止図柄は中リール32C、第3停止図柄は左レール32L、である。また、停止順指定フラグの値が「3」である場合には、第1停止図柄は左リール32L、第2停止図柄は右リール32R、第3停止図柄は中レール32C、である。
なお、停止順を遊技者に報知するための方法はこれに限らない。例えば、停止順変更操作を検出するたびに、各リール32L,32C,32Rに設置されたリールLED55を、更新された停止順の順で一時点灯させることにより、遊技者に停止順を報知してもよい。例えば、ステップS531にて停止順指定フラグが「1」に更新された場合には、「順押し」の停止順(左リール32L、中リール32C、右レール32Rの順)でリールLED55を点滅させるような電飾信号を、ランプ制御基板14に対して伝送すれば良い。
このような構成によれば、遊技者は客待ちデモの実行中にプッシュボタン120を押下操作することで、自らの意図を反映した順でリールで示された識別情報(飾り図柄)を停止することができる。ステップS555の処理を終えるか、ステップS554でNoと判定すると、演出制御用CPU120は可変表示待ち処理を終了する。
なお、停止順変更操作に応じた停止順の設定方法は上記に限らず、例えば「順押し」、「ハサミ押し」、「逆押し」の順であってもよい。また、「逆ハサミ押し」の停止順(右リール32R、左レール32L、中リール32Cの順)に対応する順を含めた4つの停止順を設定可能であってもよい。更に、停止順変更操作はプッシュボタン120に限らず、レバーやタッチパネルなど、パチンコ遊技機1が備える任意の操作手段を用いてもよい。
一方、ステップS552にてデモ表示中フラグがオンでないと判定すると(ステップS552;No)、次に演出制御用CPU120は客待ちデモ指定コマンドを受信したか否か判定する(ステップS556)。客待ちデモ指定コマンドを受信していない場合は(ステップS556;No)、後述するステップS557をスキップする。
一方、図11のステップS248にて主基板11が送信する客待ちデモ指定コマンドを受信している場合は(ステップS556;Yes)、デモ開始設定を実行する(ステップS557)。一例として、演出制御用CPU120はデモ開始設定において演出制御用CPU120は、ROM121から、所定のデモ演出制御パターンを読み出すなどして、デモ実行中における演出動作を制御するための使用パターンとしてセットする。また、RAM122の所定領域に設けられたデモ実行中フラグをオン状態にセットする。
ステップS556でNoと判定されるか、ステップS557を終了すると演出制御用CPU120は可変表示待ち処理を終了する。
ステップS551に戻って、変動開始コマンドを受信したと判定した場合は(ステップS551;Yes)、可変表示開始設定処理に移行するため、演出プロセスフラグに1を代入し(ステップS558)、可変表示開始待ち処理を終了する。演出プロセスフラグに1が代入されたことにより、次の演出制御プロセス(図19)においてはステップS171の可変表示開始設定処理が実行されることとなる。
図24(A)は、可変表示開始設定処理として、図20のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS501)。
ステップS501にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS501;No)、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「大当り」となることがわかるので、大当り種別に基づいて大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS503)。
一例として、ステップS503の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に大当り種別毎に記憶された大当り確定図柄決定テーブル(大当り種別に応じて、大当り確定図柄決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り確定図柄に割り当てられたもの)を参照することなどにより、大当り確定図柄決定用の乱数値に該当する決定値が大当り種別(可変表示結果通知コマンドなどに基づいて特定される。)に応じて割り当てられている図柄を構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS503)。
ステップS503を実行した後には、開始される可変表示の表示結果として特定表示結果が導出されることを報知する報知演出(第2報知演出)を実行するか否かを決定する処理(第2報知演出決定処理)を実行する(ステップS504)。
図25は、ステップS504で実行される第2報知演出決定処理の一例を示すフローチャートである。第2報知演出決定処理において、演出制御用CPU120は、開始される可変表示の変動パターンが再変動を実行する擬似連の変動パターンであるか否かを判定する(ステップS701)。具体的には、変動開始コマンドが指定する変動パターンが、ROM121に予め記憶された再変動ありの変動パターン(ここではPB1−2〜PB1−4のいずれか)である場合には、再変動を実行する変動パターンであると判定する(ステップS701;Yes)。
ステップS701でYesと判定すると、次に演出制御用CPU120は大当り種別が「ビッグ」であるか否か判定する(ステップS702)。大当り種別が「ビッグ」である場合には(ステップS702;Yes)、演出制御用CPU120は第2報知演出決定用テーブルAを参照して、開始される可変表示(当該変動)で実行される演出内容を決定する(ステップS703)。一方、大当り種別が「ビッグ」でない場合には(ステップS702;No)、演出制御用CPU120は第2報知演出決定用テーブルBを参照して、当該変動中に実行される演出内容を決定する(ステップS704)。
一例として、ステップS703及びステップS704の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される演出内容決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。そして、ステップS703では、乱数値を用いて、図26(A)に示したような割合で、演出内容が決定されればよい。このとき、第2報知演出決定用テーブルAは、当該変動中に実行される複数の演出内容に対して、乱数値と比較される決定値が図26(A)の決定例に応じて割り振られたテーブルであればよい。一方、ステップS704では、乱数値を用いて、例えば図26(B)に示したような割合で、演出内容が決定されればよい。このとき、第2報知演出決定用テーブルBは、当該変動中に実行される複数の演出内容に対して、乱数値と比較される決定値が図26(B)の決定例に応じて割り振られたテーブルであればよい。
一方、ステップS701でNoと判定すると、次に演出制御用CPU120は大当り種別が「ビッグ」であるか否か判定する(ステップS705)。大当り種別が「ビッグ」である場合には(ステップS705;Yes)、演出制御用CPU120は第2報知演出決定用テーブルCを参照して、開始される可変表示(当該変動)で実行される演出内容を決定する(ステップS706)。一方、大当り種別が「ビッグ」でない場合には(ステップS705;No)、演出制御用CPU120は第2報知演出決定用テーブルDを参照して、当該変動中に実行される演出内容を決定する(ステップS707)。
一例として、ステップS706及びステップS707の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される演出内容決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。そして、ステップS706では、乱数値を用いて、図26(C)に示したような割合で、演出内容が決定されればよい。このとき、第2報知演出決定用テーブルCは、当該変動中に実行される複数の演出内容に対して、乱数値と比較される決定値が図26(C)の決定例に応じて割り振られたテーブルであればよい。一方、ステップS707では、乱数値を用いて、例えば図26(D)に示したような割合で、演出内容が決定されればよい。このとき、第2報知演出決定用テーブルDは、当該変動中に実行される複数の演出内容に対して、乱数値と比較される決定値が図26(D)の決定例に応じて割り振られたテーブルであればよい。
図26(A)〜(D)の例では、当該変動中に実行される複数の演出内容として、第2報知演出の実行有無、実行する場合に先告知か後告知かのいずれの報知態様で実行するか、当該変動でカックンスタート演出を実行するか否か、リーチ目組合せの表示結果を仮停止するか、がそれぞれ決定される。このうち、再変動有りの変動パターンで、かつ大当り種別が「ビッグ」である場合(図26(A))、告知態様として「先告知」及び「後告知」のいずれもが選択されうる。一方、再変動ありの変動パターンで、大当り種別が「スモール」である場合には(図26(B))、告知態様が「先告知」の第2報知演出は選択されない。このため、「先告知」の第2報知演出が実行された場合には、必ず「ビッグ」の大当りとなり、15R大当り遊技状態に制御されるという遊技価値が付与されることとなる。一方、「後告知」の第2報知演出が実行された場合には15R大当り遊技状態に制御される割合が「先告知」よりも低い。このため、遊技者に対して「先告知」の演出態様で報知演出が実行されることに強い期待感を与えることが出来る。
また、図26(A)及び(B)の決定例において、第2報知演出が実行される可変表示では、「リーチ目」が仮停止表示される。このため、リーチ目が出た後「大当り」となる特別役の飾り図柄が揃うため、擬似連演出にてスロットマシンの遊技体験を再現することができる。
再変動なしの変動パターンで、かつ大当り種別が「ビッグ」である場合(図26(C))、告知態様として「先告知」が選択される。一方、再変動なしの変動パターンで、大当り種別が「スモール」である場合には(図26(D))、告知態様が「先告知」の第2報知演出は選択されない。このため、「先告知」の第2報知演出が実行された場合には、必ず「ビッグ」の大当りとなり、15R大当り遊技状態に制御されるという遊技価値が付与されることとなる。一方、「後告知」の第2報知演出が実行された場合には15R大当り遊技状態に制御されることはない。このため、遊技者に対して「先告知」の演出態様で報知演出が実行されることに強い期待感を与えることが出来る。
さらに、図26(A)〜(D)では、「後告知」の第2報知演出が実行される場合と、第2報知演出を実行しない場合とにおいて、「カックンスタート演出」が実行されることが決定される場合がある。図24(B)及び図26に示したように、第2報知演出を実行する場合には、実行しない場合よりも高い割合で、特定開始態様で識別情報の可変表示が開始されることになる。このような構成によれば、識別情報の可変表示を開始する態様によって特定表示結果が導出されるか否かを示唆することが出来る。このため、識別情報の可変表示が如何なる態様で開始されるかについて遊技者が注目するようになり、遊技の興趣を更に高めることが出来る。
また、図24(B)及び図26に示したように、当該変動が再変動を実行する擬似連の変動パターンである場合には、そうでない場合よりも高い割合で当該変動にて「カックンスタート演出」が実行されることが決定される。即ち、「カックンスタート演出」の実行の実行により、識別情報の可変表示を開始する態様によって再可変表示が実行されることを示唆することが出来る。識別情報の可変表示が如何なる態様で開始されるかについて、遊技者の注目を高めることが出来る。特に、本実施の形態では再可変表示が実行される場合には、実行されない場合よりも大当りとなる割合が高いため、識別情報の可変表示を開始する態様によって遊技者の期待を煽ることが出来る。
ステップS703又はS704の処理のあと、演出制御用CPU120は、仮停止する図柄を決定する(ステップS0705)。このとき、ステップS703又はS704にて、リーチ目仮停止ありと決定した場合には、最後の仮停止タイミング(変動パターンPB1−2においては最初の仮停止時、PB1−3においては2度目の仮停止時、PB1−4においては3度目の仮停止時)にリーチ目組合せの飾り図柄を仮停止すると決定する。仮停止が2度以上ある場合には、最後以外の仮停止タイミング(PB1−3においては1度目の仮停止時、PB1−4においては1度目と2度目の仮停止時)に一般役の仮停止図柄を停止すると決定する。例えば、各仮停止タイミングにおいて、4/5の割合でリプレイ役を、1/5の割合で「小役」を、それぞれ仮停止すると決定すればよい。
ステップS705、S706、又はS707のいずれかを終えると、次に演出制御用CPU120はステップS702、S703、S706、又は、S707にて第2報知演出を実行することを決定したか否か判定する(ステップS708)。実行しない場合には(ステップ708;No)、そのまま第2報知演出決定処理を終了する。一方、実行すると決定した場合には(ステップS708;Yes)、決定結果に応じて第2報知演出実行フラグをセットする(ステップS709)。
ステップS709が終了すると、演出制御用CPU120は、ステップS702、S703、S706、又は、S707における決定結果に応じて演出内容を演出用バッファに一時記憶する(ステップS710)。ステップS710を終えるか、ステップS708でNoと判定するか、何れかの場合に演出制御用CPU120は第2報知演出決定処理を終了する。
上述した第2報知演出等決定処理は、第1報知演出の実行の有無にかかわらず実行される。言い換えれば、第1報知演出が実行され、既に告知ランプが点灯していた場合でも、第2報知演出等決定処理を行い、第2報知演出を実行するか否かを決定する。そして、実行すると決定した場合には、後述する可変表示ランプ点灯処理(図523のステップS523)にて、既に点灯しているか否かに関わらず、第2報知演出の開始タイミングに可変表示ランプを点灯するための設定処理を実行する。電断等により第1報知演出が中断されると、大当りとなる権利が消滅したかのような不信感を遊技者に与えてしまう恐れがある。このような構成によれば、例え第1報知演出の開始後に電断等により報知演出が中断されても、第2報知演出にて特定表示結果となることを報知できるため、遊技者の不信感を低減して遊技の興趣を高めることが出来る。また、断電からの復旧に備えて特別な制御をする必要がない。
図24(A)にもどって、ステップS501にて特図表示結果が「ハズレ」であると判定されたときには(ステップS501;Yes)、演出制御用CPU120は次に当該変動の保留記憶に対応してリーチ目フラグがセットされているか否か判定する(ステップS505)。リーチ目フラグがセットされている場合には、停止順指定フラグが指定する停止順に応じてリーチ目組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS505)。
一例として、まず演出制御用CPU120は乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ目決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。そして、ROM121の所定領域に予め記録されたリーチ目決定テーブルを参照することなどにより、第1〜第3停止図柄に対応するリールに停止表示される第1〜第3確定飾り図柄を決定する。リーチ目決定テーブルは、停止順指定フラグが指定する停止順に応じて異なるリーチ目に対応するリールの停止位置に対して、乱数値と比較される決定値が割り当てられていればよい。確定飾り図柄は、第1〜第3確定飾り図柄を一つの乱数値と一つの決定テーブルを用いて一括して決定しても良いし、一つずつ決定しても良い。このとき、決定した確定図柄において、リーチ目と両立しない他の役(例えば「中段チェリー」)が含まれている場合には、再度抽選を行って好適なリーチ目組合せが成立するまで繰り返せばよい。あるいは、いずれかのリールをずらしてもリーチ目が成立する場合には、そのリールを一段ないし2段ずらして、両立しない役を確定図柄から取り除くように制御してもよい。
ステップS505にてリーチ目フラグがセットされていないと判定されたときには(ステップS505;No)、演出制御用CPU120は次に当該変動の保留記憶に対応して一般役フラグがセットされているか否か判定する(ステップS507)。一般役フラグがセットされている場合には、一般役フラグが指定する一般役の種類と、停止順指定フラグが指定する停止順に応じて一般役を構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS508)。
一例として、まず演出制御用CPU120は乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ目決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。そして、ROM121の所定領域に予め記録された一般役決定テーブルを参照することなどにより、第1〜第3停止図柄に対応するリールに停止表示される第1〜第3確定飾り図柄を決定する。一般役決定テーブルは、停止順指定フラグが指定する停止順と、一般役フラグが指定する一般役の種類(リプレイ役か、小役か)と、に応じて異なる一般役に対応するリールの停止位置に対して、乱数値と比較される決定値が割り当てられていればよい。一般役の確定飾り図柄は、第1〜第3確定飾り図柄を一つの乱数値と一つの決定テーブルとを用いて一括して決定しても良いし、一つずつ決定しても良い。このとき、決定した確定図柄において、一般役と両立しない他の役(例えば「リーチ目」)が含まれている場合には、再度抽選を行って好適な一般役組合せが成立するまで繰り返せばよい。あるいは、いずれかのリールをずらしても一般役が成立する場合には、そのリールを一段ないし2段ずらして、両立しない役を確定図柄から取り除くように制御してもよい。
ステップS505にて一般役フラグがセットされていないと判定されたときには(ステップS507;No)、演出制御用CPU120は他の組合せの最終停止図柄を決定する(ステップS508A)。ここでは、大当り組合せ、リーチ目組合せ、及び、一般役組合せのいずれでも無い「ハズレ組合せ」の最終停止図柄を決定する。
一例として、ステップS508Aの処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される第1停止図柄〜第3停止図柄の確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。そして、抽出した数値データを用いて、ランダムに第1停止図柄〜第3停止図柄に対応するリールの停止位置を仮決定する。次に仮決定した位置における確定図柄が、大当り組合せ、リーチ目組合せ、及び、一般役組合せのいずれかに該当するか否か判定する。判定の結果、いずれにも該当しない場合は、そのまま仮決定した位置の図柄を、導出表示する確定図柄として決定する。何れかに該当する場合は、第1停止図柄〜第3停止図柄のうちランダムに選ばれた一つを順方向に一つずらす。以下、大当り組合せ、リーチ目組合せ、及び、一般役組合せのいずれにも該当しない確定図柄が得られるまで繰り返せばよい。
ステップS506、S508、S508Aのいずれかを終了すると、演出制御用CPU120はハズレ時のカックンスタート演出の実行有無を決定する(ステップS509A)。一例として、まず演出制御用CPU120は乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。そして、ROM121の所定領域に予め記録されたカックンスタート演出決定テーブルを参照することなどにより、開始される変動表示の変動パターンが再変動を実行する変動パターン(例えば、PA1−2)であるか否かに応じて異なる割合で、カックンスタート演出を実行するか否か決定すればよい。カックンスタート演出決定テーブルは、例えば図24(B)に示すような決定割合で演出の有無が決定されるように、乱数値と比較される決定値が割り当てられていればよい。
図24(B)の例では、当該変動の変動パターンが再変動を実行する変動パターンである場合には、そうでない場合よりも高い割合でカックンスタート演出の実行を決定する。そのため、識別情報の可変表示を開始する態様によって再可変表示が実行されること(擬似連演出の実行)を示唆することが出来る。このため、識別情報の可変表示が如何なる態様で開始されるかについて遊技者が注目するようになり、遊技の興趣を更に高めることが出来る。なお、先読み設定処理により、当該変動の前に当該変動を対象としたカックンスタート演出を実行した場合には、当該変動についてカックンスタート演出を実行しない、としてもよい。このためには、先読み設定処理(図21)でカックンスタート演出を実行すると決定した場合に、ステップS662で当該変動の保留記憶にカックンスタート演出禁止フラグをセットする。そして、図24(A)の可変表示開始設定処理において、読み出した当該変動の保留記憶にカックンスタート禁止フラグがセットされている場合には、ステップS509Aにてカックンスタート演出の非実行を決定すればよい。このような構成によれば、一つの可変表示を対象として複数回のカックンスタート演出を実行することによって演出が冗長になることを防ぐことが出来る。
ステップS504、S509Aのいずれかを終了すると、演出制御用CPU120は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS509)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS509のあと、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(その変動パターンの特図変動時間に応じた値)を設定する(ステップS510)。
そして、可変表示装置31における飾り図柄などの変動を開始させる設定を行う(ステップS511)。このときには、例えばステップS510にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれるモータ駆動信号をモータ駆動回路45に対して伝送させることなどにより、可変表示装置31のリールモータ33L、33C,33Rを制御する。その結果、各リール32L、33C、33Rの飾り図柄の変動を開始させればよい。図21のステップS664、図25のステップS710、あるいは図24(A)のステップS509Aにて、当該変動でカックンスタート演出を実行するとセットされていた場合には、特定開始態様で回転を開始するように、ステップS509で決定した使用パターンの開始部分を変更する。そうでない場合は、開始部分を変更せず、通常開始態様で各リール32L、33C、33Rの回転を開始する。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS512)、可変表示開始設定処理を終了する。
図27は、可変表示中演出処理として、図20のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御パターンの演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。一例として、ステップS521の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1つ減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS521にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS521;No)、演出制御用CPU120は、次に現在が報知演出の開始タイミングであるか否か判定する(ステップS522)。例えば、図21のステップS662又は図25のステップS709にて、当該変動で第1又は第2報知演出を実行することをセットしていた場合に、現在の演出制御プロセスタイマの値により、ROM121に記録したタイミングテーブルを参照して報知演出の開始タイミングを決定することができる。タイミングテーブルは、再変動実行回数と、報知態様が「後告知」か「先告知」かに応じて図28・29に示したような好適な開始タイミングを登録したテーブルであればよい。
演出制御プロセスタイマの値がタイミングテーブルが示す開始タイミングと一致していた場合には、報知演出実行タイミングであると判定して(ステップS522;Yes)、演出制御用CPU120は告知ランプ9Aの点灯開始制御を実行する(ステップS523)。具体的には、告知ランプ9Aの点灯を指示する電飾信号を、ランプ制御基板14に対して送達する。告知ランプ9Aは、少なくとも大当り組合せの飾り図柄が導出表示されるまで継続して点灯した後、大当り遊技状態が終了するまでに消灯する。消灯タイミングは、予めタイミングテーブルに記憶されているものとする。例えば、大当りの組合せの飾り図柄が導出表示された直後に消灯する場合には、可変表示中演出処理のステップS531の後に、告知ランプ9Aの消灯を指示する電飾信号を、ランプ制御基板14に対して送達すればよい。あるいは、大当りの組合せの飾り図柄が導出表示された後、大当り遊技状態が開始するまでに消灯する場合には、図20のステップS173(特図当待ち処理)実行中の所定タイミングで、告知ランプ9Aの消灯を指示する電飾信号を、ランプ制御基板14に対して送達すればよい。
本実施の形態では、第1報知演出により既に告知ランプ9Aが点灯していたとしても、第2報知演出の実行開始タイミングで告知ランプ9Aの点灯を指示する電飾信号を、ランプ制御基板14に対して送達する。ランプ制御基板14は、告知ランプ9Aを点灯中に、更に点灯を指示する電飾信号を受け取った場合には、継続して告知ランプ9Aの点灯を続ける。このような構成によれば、例え第1報知演出の開始後に電断等により報知演出が中断されても、第2報知演出にて特定表示結果となることを報知できるため、遊技者の不信感を低減して遊技の興趣を高めることが出来る。また、断電からの復旧に備えて特別な制御をする必要がない。
ステップS523の処理を終了するか、ステップS522にてNoと判定した場合に、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンに対応してステップS509で選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS524)、可変表示中演出処理を終了する。ステップS524では、例えば、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば音声制御基板13に対する効果音信号やランプ制御基板14に対する電飾信号、リール駆動回路45に対するモータ駆動信号(表示制御信号)など)に応じて、所定の演出態様による演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123などに対して伝送させる。
一方、可変表示時間が経過した場合には(ステップS521;Yes)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS530)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS530;No)、可変表示中演出処理を終了する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS529にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS530;Yes)、演出制御用CPU120は、例えばリール駆動回路45に対してリール32L、32C、32Rを減速・停止するためのモータ駆動信号を送達するなど、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS538)。このとき、停止順指定フラグが指定する停止順で各リールを停止するように、モータ駆動信号を送達する。そして、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS540)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS541)、可変表示中演出処理を終了する。
ここで、特別役(大当りの飾り図柄)が導出表示されるにあたって、可変表示及び各種演出がどのように実行されるかを、図28及び29を参照して説明する。図28は、大当りとなる当該変動が再変動を含まない場合の可変表示及び各種演出の例を示す。この場合、先読み設定処理に基づいて、第1報知演出が実行される。例えば、図28の変動(a)では、先読み設定処理の判定結果に対応する可変表示(当該変動)は、大当り種別が「スモール」である。そして、変動開始までに2度の可変表示が実行されている。この場合、2回前の変動で一般役が、1回前の変動でリーチ目が、それぞれ可変表示結果として導出される。そして、1回前の変動で第3停止図柄が完全停止した直後のタイミングから、告知ランプが点灯開始される。点灯した告知ランプは、当該変動で大当りの可変表示結果が導出されるまで継続して点灯する。
第1報知演出の後告知は、変動(a)のように直前の可変表示において表示結果が導出された直後のタイミングのほか、変動(b)のように2回前の変動で表示結果が導出された直後のタイミングで開始されても良い。この場合、後告知が開始され、1回前の変動で目押し失敗のリーチ目組合せの飾り図柄を停止表示したのちに大当りとなる。このような演出を実行するためには、例えば図21の先読み設定処理において、合計保留表示が3以上である場合に、ステップS659又はS660にて所定の割合で2回より前の変動で目押し失敗以外のリーチ目を導出表示することを決定すればよい。この場合、リーチ目を導出表示した後、大当りとなる当該変動までは、目押し失敗のリーチ目組合せを導出するように決定すればよい。一般に、「目押し失敗」でないリーチ目は、遊技者の知識レベルによってその意義が理解されにくい場合がある一方、「目押し失敗」のリーチ目はより多くの遊技者に理解さる。そこで、図28(b)のように、「目押し失敗」でないリーチ目で知識レベルの高い遊技者に、次に「目押し失敗」のリーチ目でより一般的な遊技者にも理解しやすい形で、「大当り」となることを報知することで、遊技者の知識レベルに応じて段階的に期待感を煽ることが出来る。
図28の変動(c)は、当該変動の大当り種別が「ビッグ」であることに対応して、先告知の報知演出が実行される例である。この場合、大当りとなる当該変動の1回前の変動開始直後に告知ランプが点灯する。なお、大当り種別が「ビッグ」である場合でも、後告知演出にて「大当り」となることが報知される場合もある(変動(d))。
報知演出以外に、大当りとなる保留情報が記憶されていることを報知する演出として、「リーチ目の停止」(変動(a)〜(d))が実行される。本実施の形態では、リーチ目の表示結果が導出されるのは、第1報知演出が実行される可変表示である。また、報知演出が実行されることを示唆する演出として、カックンスタート演出(変動(d))が実行される場合がある。なお、カックンスタート演出は、報知演出が実行されない変動でも実行される場合がある(変動(d))。
図29は、第2報知演出が実行される場合の例を示す。例えば、図29の変動(a)では、再変動を含む擬似連の変動パターンであり、かつ大当り種別が「スモール」である。そして、可変表示結果が導出されるまでに2度の再変動が実行されている。この場合、1度目の仮停止表示で一般役が、2度目(直前)の仮停止表示でリーチ目が、それぞれ仮停止される。そして、直前の仮停止表示において第3停止図柄が仮停止した直後のタイミングから、告知ランプが点灯開始される。点灯した告知ランプは、大当りの可変表示結果が導出されるまで継続して点灯する。
第2報知演出の後告知は、変動(a)のように直前の再変動表示において表示結果が導出された直後のタイミングのほか、変動(b)のように2回前の仮停止直後のタイミングで開始されても良い。この場合、後告知が開始され、直前の再変動表示において「目押し失敗」のリーチ組合せが仮停止されたのちに大当りとなる。このような演出を実行するためには、例えば図25の第2報知演出等決定処理において、2度以上の再変動を含む変動パターンの場合には、ステップS705にて所定の割合で最初の仮停止が終わったあとの任意の再変動において「目押し失敗」以外のリーチを導出表示することを決定すればよい。この場合、「目押し失敗」以外のリーチ目を仮停止した後、大当りとなる可変表示結果を導出する前までは、「目押し失敗」のリーチ組合せを仮停止するように決定すればよい。
図29の変動(c)は、当該変動の大当り種別が「ビッグ」であることに対応して、先告知の第2報知演出が実行される例である。なお、大当り種別が「ビッグ」である場合でも、後告知演出にて「大当り」となることが報知される場合もある(変動(d))。変動(d)は、「大当り」となる可変表示結果が導出された直後に後告知が実行される例である。このような後告知を実行するためには、例えばステップS703・S704にて、所定の割合で後告知の実行タイミングを可変表示結果が導出された直後に設定すればよい。あるいは、ステップS707にて後告知ありに決定した場合には、同様に可変表示結果が導出された直後に後告知が実行される。
第2報知演出以外に、大当りとなる保留情報が記憶されていることを報知する演出として、「リーチ目の停止」(変動(a)〜(d))が実行される。本実施の形態では、リーチ目の表示結果が仮停止されるのは、第2報知演出が実行される再変動期間中である。また、擬似連演出が実行されることを示唆する演出として、カックンスタート演出(変動(d))が実行される。
図29(a)〜(d)に示すように、再変動表示を含む変動パターンでは、第2報知演出は必ず最初の仮停止が終わった後のタイミングで開始される。もし最初の仮停止が終わる前に第2報知演出が開始されると、報知演出が開始され「大当り」となることが遊技者に告知された後に、最大3度の特別役(大当り)でない表示結果が仮停止されることとなり、演出が冗長となってしまうからである。
本実施の形態では、第1・第2報知演出のいずれにおいても、先告知の報知演出が開始されるのは、リール(飾り図柄)の変動(又は再変動)が開始された直後である。また、第1・第2報知演出において、先告知の報知演出が開始されるのは、リール(飾り図柄)の変動(又は再変動)が開始された直後である。つまり、第1・第2報知演出のどちらであっても、またいずれの変動パターンであっても、「先告知」が開始される時点における変動の態様は共通である。さらに、後告知の報知演出が開始されるのは、リール(飾り図柄)の変動(又は再変動)が終了(又は仮停止)した直後である。つまり、つまり、第1・第2報知演出のどちらであっても、またいずれの変動パターンであっても、「後告知」が開始される時点における変動の態様は共通である。そのため、遊技者は第1・第2報知演出や擬似連の有無といった区別を意識することなく、より有利な(ビッグボーナスの獲得が確定する)、飾り図柄が動き始めたときに開始される「先告知」の報知演出を待ち望むことができる。また、スモールかビッグかは不明だが「大当り」が確定するので、飾り図柄が3つとも停止するときに「後告知」の報知演出への期待を高めることが出来る。すなわち、パチンコ遊技機1で、スロットマシンの遊技体験を再現することが出来る。
以上説明したように、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、識別情報を仮停止表示させてから識別情報の可変表示を再開する場合(即ち、擬似連の変動パターンを実行する場合)には、最初に仮停止表示させた後の適切なタイミングで報知演出を開始する。そのため、遊技者を興ざめさせることを防止しつつ、識別情報を仮停止表示させてから識別情報の可変表示を再開する可変表示(擬似連演出)と、報知演出と、を含む多様な演出を実行して遊技の興趣を高めることができる。
また、図26(A)及び(B)で示したように、再変動を含む変動パターンを実行するに当たって、表示結果として特定表示結果が導出されることを示唆する特殊表示結果(例えば、リーチ目の表示結果など)を仮停止表示する。そのため、再可変表示パターンの可変表示(擬似連を含む変動)において特殊表示結果(リーチ目)を仮停止表示させることにより特定表示結果が導出されること(大当りとなること)を示唆することが出来る。このため、仮停止される表示結果に対して遊技者が注目するようになり、遊技の興趣を更に高めることが出来る。
また、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、通常開始態様(「カックンスタート」ではない通常の回転開始態様など)と、通常態様とは異なる特定開始態様(「カックンスタート」の回転開始態様など)と、を含む複数態様の何れかで識別情報の可変表示(各リールの回転)を開始可能である。その上、図22及び図26で示したように、大当りとなる、再可変表示パターン(再変動を含む変動パターン)を実行する場合には、そうでない場合よりも高い割合で、特定開始態様で識別情報の可変表示を開始する。このため、識別情報の可変表示を開始する態様によって再可変表示が実行されるか否かを示唆することが出来る。よって、識別情報の可変表示が如何なる態様で開始されるかについて遊技者が注目するようになり、遊技の興趣を更に高めることが出来る。特に、本実施の形態のように、再可変表示を実行する場合には、実行しない場合よりも「大当り」となる割合が高くなるように設定することで、より可変表示を開始する態様に対する興味を高めることが出来る。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技者が所定の指示操作を可能なプッシュボタン120などを備えている。このプッシュボタンを用いた操作により、左リール32L、中リール32C、及び、右リール32Rなどの表示体の停止順を異ならせる事が出来る。よって、遊技者の意図を反映した順で識別情報を停止することにより、遊技の興趣を更に高めることが出来る。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、例えば、5R大当り遊技状態と15R大当り遊技状態とを含む複数の大当り遊技状態への制御などといった、複数の遊技価値を付与可能できる。そして、図22・図26で示したとおり、特定遊技価値(15R)が付加されるか否かに応じて、複数のタイミングのうち何れで報知演出が開始されるかの割合が異なる。その結果、何れのタイミングで報知演出が実行されるかについて遊技者が注目するようになるため、遊技の興趣を更に高めることが出来る。
また、本実施の形態では、第1報知演出の実行の有無にかかわらず第2報知演出等決定処理を実行する。このような構成によれば、既に報知演出を実行しているか否かに関わらず、可変表示の開始時に報知演出を実行するための制御を行うため、電断等があっても報知演出によって特定表示結果となることを報知できる。そのため、遊技の興趣を高めることが出来る。また、断電からの復旧に備えて特別な制御をする必要がない。
また、大当りとなる当該変動の保留記憶として、再変動を実行する変動パターン(擬似連の変動パターン)が記憶されている場合には、第1報知演出(先読みに基づく報知演出)の実行割合が小さい。再可変表示を実行する保留情報が記憶されている場合に、開始条件成立前に開始される報知演出(第1報知演出)を実行すると、報知演出が開始されてから特定表示結果が導出するまでに特定表示結果とは異なる表示結果が多く停止表示されるため、遊技者が興ざめしてしまう恐れがある。このような構成によれば、再可変表示を実行する場合には開始条件成立前に開始される報知演出が実行される割合が低いため、遊技者が興ざめしてしまう割合を低減することが出来る。
また、先読みに基づく第1報知演出を実行する場合は、特殊表示結果(リーチ目の表示結果)を導出する割合が高い。このような構成によれば、第1報知演出に加えて、特殊表示結果(リーチ目)を導出する演出によって遊技者の期待を煽ることができ、遊技の興趣を更に高めることが出来る。
また、また、先読みに基づく第1報知演出を実行する場合は、高い割合で特定開始態様(「カックンスタート」)で識別情報の可変表示(リールの回転)を開始する。このため、識別情報の可変表示を開始する態様によって特定表示結果が導出されるか否か(大当りとなるか)を示唆することが出来る。よって、識別情報の可変表示が如何なる態様で開始されるかについて遊技者が注目するようになり、遊技の興趣を更に高めることが出来る。
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、上記実施の形態などについて様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下に上記実施の形態の変形例を例示するが、各変形例は適宜組み合わせることができる。
(変形例1)
上記実施の形態では、報知演出は告知ランプを用いて実行したが、これに限定されず、例えば特定の音声データを継続して放音する、演出用の画像表示装置に特定の画像を継続して表示するなど、遊技者に報知演出が途切れたとの印象を与えないことを条件に、任意の演出態様をとることできる。告知ランプを点灯する演出においても、継続して同じ輝度で点灯する必要は無い。例えば所定の速度で点滅する態様において、報知演出が途切れたとの印象を与えない期間であれば完全に告知ランプが消える期間があってもよい。
(変形例2)
また、上記実施の形態では、可変表示結果が「大当り」である場合であっても、第2報知演出を実行しないときがあった。しかし、電断等が生じても第2報知演出で確実に遊技者に大当りとなることを重視する場合などには、可変表示結果が「大当り」である場合である場合には必ず第2報知演出を実行する構成が有効である。このためには、例えば図26の(A)〜(D)の決定例が、「第2報知演出実行なし」と決定される割合が0となるような決定テーブルを用いて図25の第2報知演出等決定処理を実行すればよい。
(変形例3)
図21の先読み設定処理では、ステップS656にて当該変動で再変動が実行されると判定した場合には先読み設定処理を終了した。しかし、これに限らず、当該変動で再変動が実行される場合に所定の割合で先読み設定処理を終了しても良い。即ち、再変動が実行される場合に、低い割合で第1報知演出が実行される構成も可能である。逆に、先読み設定処理の判定対象となった当該変動に限らず、第1又は第2保留記憶として再変動を含む変動パターン(例えばPA1−2など)が一つでも記憶されている場合に、第1報知演出が実行される割合を低減してもよい。このような構成によれば、より冗長さを感じやすい遊技者に対しても、遊技の興趣を保つ事が出来る。
(変形例4)
パチンコ遊技機には、遊技者の操作等により照明の輝度を調節できる機能を持つものがある。また、遊技者の操作の他に、節電機能により照明の輝度が自動的に低下するものがある。このような輝度調節機能を備えたパチンコ遊技機において上記のように告知ランプを用いて報知演出を実行する場合に、告知ランプについては輝度調節の対象としない、としてもよい。このような構成によれば、告知ランプの視認性を保ちながら、輝度調節機能をも有効活用することができる。
(変形例5)
また、上記実施の形態では、各可変表示結果・仮停止表示結果を導出するにあたって、常に遊技者の停止順指定操作に応じた順で各リール32L,32C、32Rを停止表示した。しかし、これに限らず、所定の割合で停止順指定操作が指定する停止順とは異なる停止順で各リール32L,32C、32Rを停止してもよい。これに関連して、たとえば遊技者の停止順指定操作によって「逆押し」が指定されている場合に、「大当り」の可変表示結果を導出する場合にのみ、所定の割合で「順押し」の停止順で停止する「演出矛盾」により「大当り」の可変表示結果が導出されることを報知してもよい。このためには、例えば図25の第2報知演出等決定処理において、現在の停止順指定フラグに応じた異なる演出決定テーブルを用いて演出内容を決定する。このとき、停止順指定フラグが「2」(逆押し)又は「3」(ハサミ押し)である場合には、所定の割合で「演出矛盾」を実行する演出内容が決定されるように決定値を割り振ったテーブルを用いればよい。一方、停止順フラグが「1」である場合には、図26に示す決定テーブルをそのまま用いてよい。
なお、「演出矛盾」を実行する以前に第2報知演出を実行すると、後に実行される「演出矛盾」への関心が低下してしまうので、「演出矛盾」が実行される場合には最後に表示結果が導出される直前(「演出矛盾」が明確になる第2停止図柄の停止後)まで報知演出が実行されないこと(少なくとも割合が少ないこと)が望ましい。例えば、「演出矛盾」が実行される場合には、図29の変動(d)で示したタイミングで告知ランプが点灯すればよい。
このためには、「演出矛盾」実行に決定値を割り振った決定テーブルにおいて、「演出矛盾」が実行される場合には、実行されない場合よりも、最後に表示結果が導出される直前(「演出矛盾」が明確になる第2停止図柄の停止後)以前に第2報知演出が実行される割合が少なくなるように決定値が割り振られていればよい。このような構成によれば、「先告知」の第2報知演出と「演出矛盾」を実行する演出とが互いに演出効果を高めあう態様で実行することが出来る。また、これに関連して、当該変動を対象として第1報知演出が実行された場合には、演出矛盾による報知を行わない設定も有効である。
(変形例6)
上記実施の形態では、カックンスタート演出と第1及び第2報知演出とを同時に実行する場合があった。しかし、「カックンスタート演出」が実行される場合には、そうでない場合よりも第1及び第2報知演出が実行される割合が小さい、あるいは報知演出が実行されないように設定してもよい。「カックンスタート演出」が実行されることにより、「大当り」となる保留情報が記憶されていることを報知されると、その後に実行される第1報知演出については遊技者の興味が低下してしまう。その場合に、高い割合で「カックンスタート演出」と第1報知演出を共に実行すると、遊技者が報知演出への興味を低下させてしまう恐れがある。第2報知演出についても同様に、カックンスタート演出と共に実行すると、報知演出への興味が低下する恐れがある。そこで、「カックンスタート演出」が実行される場合には、そうでない場合よりも第1報知演出が実行される割合が小さく設定することにより、遊技者の報知演出への興味を維持することができる。このためには、例えば図22の決定例に代えて、「カックンスタートあり」の場合には、そうでない場合よりも低い割合で第1報知演出が実行されるような決定テーブルを用いて、ステップS659及びS660で演出内容を決定すればよい。第2報知演出についても同様に、図26の決定例に代えて、「カックンスタートあり」の場合には、そうでない場合よりも低い割合で第1報知演出が実行されるような決定テーブルを用いて、ステップS703,S704,S706及びS707で演出内容を決定すればよい。
(変形例7)
なお、上記実施の形態では、第1報知演出により既に告知ランプ9Aが点灯していたとしても、第2報知演出の実行開始タイミングで告知ランプ9Aの点灯を指示する電飾信号を、ランプ制御基板14に対して送達した。しかしこれに限らず、第2報知演出の実行開始タイミングに告知ランプ9Aが点灯中であるか否かを判定し、点灯中である場合には点灯を指示する電飾信号を送達しない構成も可能である。例えば、ランプ制御基板14を、告知ランプ9Aを点灯中には「点灯中」であることを示す信号を演出制御基板12のI/O125に送るように設定する。そして、演出制御用CPU120が、図27のステップS523にて、告知ランプ9Aの点灯指示を実行するにあたって、ランプ制御基板14が送信する点灯中であることを示す信号を検知したか否か判定する。そして、検知していない場合には、告知ランプ9Aの点灯を指示する電飾信号を送達する一方、検知した場合には、電飾信号を送達しなければよい。このような構成によれば、告知ランプ9Aの点灯を指示する電飾信号を重複して送ることがないため、処理を効率化できる。
(変形例8)
また、上記実施の形態では、擬似連の変動パターンで仮停止する表示結果として、一般役やリーチ目といった、飾り図柄の組合せを例示した。これらは、「リプレイ役」や「払い出しを伴う小役」、リーチ目といった、スロットマシンの役に対応する組合せである。しかし、再変動が実行されることを直接的に報知するなど、スロットマシンの役とは異なる表示結果を仮停止してもよい。例えば、右リール32L、中リール32C、左リール32Rの何れかに、図3に示した図柄に変わって再変動を示唆する「再」又は「再変動」との文字を含む図柄を配列しておく。そして、図25のステップ705にて、再変動を示唆する図柄1つが有効ラインの何れかに導出される組合せを、仮停止図柄として決定すればよい。このような構成によれば、多様な演出にて擬似連となることを示唆することができる。また、スロットマシンの遊技体験にパチンコ遊技機ならではの要素を加味することで、遊技者に新鮮な感覚を与えることが出来る。
(変形例9)
また、上記実施の形態では、左リール32L、中リール32C、右リール32Rを回転することにより飾り図柄の可変表示を実行した。しかし、本願発明はこれに限らず、画像表示装置上で飾り図柄を変動表示させるパチンコ遊技機においても応用可能である。例えば、可変表示装置31に変わって、遊技盤2における遊技領域の中央付近に液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等から構成される画像表示装置を配置する。画像表示装置の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部を配置されている。そして、特図ゲームにおいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示とのうち、いずれかの可変表示が開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部の全部において図3の図柄に対応した飾り図柄の可変表示(例えば上下方向あるいは左右方向のスクロール表示など)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示(完全停止表示)されるときに、画像表示装置における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部にて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示(完全停止表示)されればよい。この飾り図柄の可変表示は、演出制御基板が備えるVDP(Video Display Processor)を用いて実行される。このような画像表示装置上で実行される飾り図柄の可変表示において、報知演出を上述の制御処理で実行する場合ことにより、上記の本発明に係る効果を発揮することが出来る。これに関連して、画像表示装置の所定領域に設置された報知演出実行領域を用いて、報知演出を実行することが出来る。このように、リールを用いた構成に限定されずに、多様なパチンコ遊技機で本発明の効果を発揮することが可能である。
(変形例10)
また、上記実施の形態では、左リール32L、中リール32C、右リール32Rを用いた構成を例に説明したが、リールの数は3本に限らない。例えば、左リールと、右リールの2本のリールで飾り図柄の可変表示を実行してもよい。この場合、上・中・下の3つを有効ラインとして設定できる。例えば、上段の有効ラインに特別役が揃える場合には、右リールと、左リールの上段に同色の7が並行して停止表示させれば良い。中段・下段についても同様に、特別役の組合せをその段に並行して停止表示させる。一般役・リーチ目等についても同様である。また、リールの本数は4本以上としてもよい。リールの本数に応じて、有効ラインや特別役・一般役・リーチ目の組合せを好適に設定することができる。このような構成によれば、3本のリールを用いた構成に限定されず、多様なパチンコ遊技機において本発明の効果を発揮することが出来る。
(変形例11)
上記実施の形態においては、変動時間や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドではリーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドでは再変動演出の有無等を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1が備える構成及び機能の少なくとも一部は、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、前段階演出及び予告演出などの所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。