このような構成によれば、第1変動表示手段および第2変動表示手段のそれぞれで実行される変動表示について、開始条件が成立した変動表示手段における変動表示の表示結果を決定するための表示結果決定処理を共通の処理ルーチンにより実行することにより、識別情報の表示結果が決定されるので、第1変動表示手段および第2変動表示手段で変動表示を実行するために必要となる処理ルーチン数を削減することができ、そのような変動表示を実行するために必要となるプログラム容量を削減することができる。また、第1変動表示手段および第2変動表示手段のそれぞれでの変動表示について、第1計数手段によって計数された成立数と第2計数手段によって計数された成立数との合計数が所定数以上のときに、合計数が所定数未満であるときに比べて低い確率で、リーチとすることに決定される。これにより、合計数がある程度多くなった状態でリーチとなると、そのような状態で生じるリーチに対して遊技者が特定の表示結果となることを期待して表示結果が導出表示されるまで遊技を休止してしまう状況となるのを抑制することができ、遊技者による遊技を促進させて遊技機の稼働率を向上させることができる。さらに、第1計数手段によって計数された成立数と第2計数手段によって計数された成立数との合計数が所定数以上のときに、当該合計数が所定数未満であるときに比べて演出表示時間が短い演出パターンが選択されるので、合計数がある程度多くなった状態で、第1計数手段および第2計数手段により計数された成立数の消化効率を向上させることができる。これにより、遊技者による遊技を促進させることができるので、遊技機の稼働率をより向上させることができる。また、第1計数手段によって計数された成立数と第2計数手段によって計数された成立数との合計数に基づいて演出パターンが選択されるので、合計数が予め定められた数以上であるときに、第1変動表示手段と第2変動表示手段とのうちのいずれか一方の変動表示手段についてはそのような演出表示時間が短い演出パターンでの変動表示が行なわれるが、他方の変動表示手段についてはそのような演出表示時間が短い演出パターンでの変動表示が行なわれない事態が発生することを防止でき、そのような事態の発生により遊技者に違和感を与えないようにすることができる。また、特別遊技状態以外の通常状態のときよりも、可変始動装置により第2の始動領域に遊技球を進入させやすくする制御が行なわれるので、特別遊技状態における遊技者による遊技を促進させることができるため、遊技機の稼働率をより向上させることができる。さらに、第2の変動表示の開始が第1の変動表示の開始よりも優先して実行されることにより、特別遊技状態において第2の始動領域に遊技球を進入させやすくする制御が行なわれているときに、第2の変動表示の開始が優先して実行されることで、そのような状況において、第2計数手段によって計数された成立数がより消化しやすくなるようにすることができる。
このような構成によれば、第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のうち、変動表示を行なっている変動表示手段において表示結果を確定させることを特定する確定コマンドが遊技制御手段から演出制御手段に送信されるので、その確定コマンドに基づいて遊技制御手段と演出制御手段との間での変動表示の時間管理にずれが生じるのを防ぐことができる。さらに、確定コマンドを第1の変動表示および第2の変動表示の共通のコマンドとして用いることにより、変動表示を行なうために用いるコマンド数を削減することができるとともに、第1の変動表示と第2の変動表示との両方の変動表示に関して制御を行なうために用いる処理を共通化することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技球が打込まれる遊技領域に設けられた第1の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて第1の実行条件が成立した後、第1の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な第1の識別情報による第1の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1変動表示手段と、前記遊技領域に設けられた第2の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて第2の実行条件が成立した後、第2の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な第2の識別情報による第2の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2変動表示手段とを有し、前記第1変動表示手段または前記第2変動表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、いずれか一方、または、両方が、7セグメントLED以外のLEDを用いた表示器で構成されてもよい。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、変動表示の実行条件が成立した後、変動表示の開始条件が成立する。これら2つの特別図柄表示器は、同時に変動表示を行なうことがなく、変動表示の開始条件が成立するごとに、いずれか一方が変動表示を行なうように制御される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示においては、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、打球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であって、図柄の変動開始順番(第1特別図柄および第2特別図柄の各図柄単位では複数の始動条件が成立しているときには始動入賞順による順番が変動開始順番であり、第1特別図柄と第2特別図柄との両方で始動条件が成立しているときには第2特別図柄の方を優先的に変動表示を開始させる順番)になったこと)が成立したことに基づいて変動表示を開始し、予め定められた変動表示時間(変動表示の開始時から変動表示の終了時までの時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。このように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とは、変動表示の実行条件が成立した後、これらの変動表示のどちらもが実行されていないことを条件に、それぞれの開始条件が成立したときに開始される。なお、入賞とは、入賞口などの予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、ここでは、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのうち、第2特別図柄の変動表示を優先的に変動表示させるものを説明したが、これに限らず、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのいずれかを優先的に変動表示させるものであればよい。また、前述した変動表示の開始条件に含まれる1つの条件である図柄の変動開始順番としては、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのいずれかを優先的に変動表示させるように変動開始順番を定めることを説明したが、これに限らず、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらも優先せずに、始動入賞順による順番を用いるようにしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示部である演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(各々が識別可能な識別情報)の変動表示(可変表示、または、更新表示ともいう)を行なう演出図柄表示領域91がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示、および、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示に対応する演出表示を行なう。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9の演出図柄表示領域91においては、たとえば、縦方向の1ライン、横方向の1ライン、および、斜め方向の6ラインよりなる有効ラインに設けられた9つの表示領域のそれぞれにおいて、0〜9の数字よりなる演出図柄が変動表示を行なう。演出図柄表示領域91での演出図柄の変動表示は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中と、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中とに行なわれる。演出図柄表示領域91における変動表示では、すべての表示領域において演出図柄が変動表示を開始した後、予め定められた順序にしたがって、それぞれの表示領域において演出図柄が停止表示されていき、すべての表示領域において演出図柄が停止表示されたときに表示結果が確定する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、各々が識別可能な識別情報である装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器(第1変動表示部)9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、各々が識別可能な識別情報である装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器(第2変動表示部)9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り表示結果としての大当り図柄(たとえば、奇数の特別図柄)が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り表示結果としての大当り図柄(たとえば、奇数の特別図柄)が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
なお、飾り図柄表示器としては、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとの2つの飾り図柄表示器を設けた例を示した。しかし、これに限らず、飾り図柄表示器は、1つだけ設けるように構成してもよい。そのように構成した場合には、第1特別図柄の変動表示時における飾り図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示時における飾り図柄の変動表示とを1つの飾り図柄表示器で行なうようにし、これら2種類の変動表示において1つの飾り図柄表示器を共用するようにしてもよい。なお、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを設けずに、演出表示装置9のみを設けるようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞(進入)した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞(進入)可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。つまり、可変入賞球装置15の閉状態は、遊技球が進入しにくいまたは進入しない状態であればよい。
第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球が第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。また、後述するように、高ベース状態では第2始動入賞口14の入賞率は高くなる。その場合には、第2始動入賞口14の入賞率は、第1始動入賞口13の入賞率よりも高い。よって、遊技領域6に打込まれた所定数の遊技球数に対する景品遊技球の払出数の割合(ベース)は高い。つまり、高ベース状態である。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)がある。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。ここで、同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せ(大当り表示結果)が停止表示される。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときとに生起する遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な第1の状態である開状態と、該第1の状態に比べて遊技球を受入れない遊技者にとって不利な第2の状態である閉状態とに変化可能であり、大当り遊技状態以外のときには閉状態とされており、大当り遊技状態に制御されたときに閉状態から開状態に制御される可変入賞球装置である。特別可変入賞球装置20は、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。なお、特別可変入賞球装置20としては、遊技者にとって有利な第2の状態が遊技球を受入れない状態である例を示したが、これに限らず、当該第2の状態が、第1の状態に比べて遊技球を受入れにくい状態(受入れることも可能な状態)であってもよい。
具体的に、大当り遊技状態においては、大入賞口の開成条件(開放条件)が成立し、たとえば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい状態に制御される。そして、大当り遊技状態において大入賞口が開放される各開放回の開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞がカウントスイッチ23で検出されると、大入賞口の閉成条件が成立して大入賞口が閉成する。また、入賞数が所定個に達しなくても各開放回について設定された開放時間(たとえば、29.5秒)が経過すると、大入賞口の閉成条件が成立して大入賞口が閉成する。大入賞口の開放回数は、大当りの種類に応じて、上限値が所定回数(たとえば、15ラウンドまたは2ラウンド)に設定される。また、各開放回における大入賞口の開放時間は、大当りの種類に応じて、所定時間(たとえば、15ラウンドの大当りのときは29.5秒、2ラウンドの大当りのときは0.5秒)に設定される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらもが実行されていないことを条件に第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらもが実行されていないことを条件に第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、制御用のプログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を変動表示する演出表示装置9とのそれぞれの表示制御を行なう。
主基板31には、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれにおいて、特別図柄の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムにしたがい駆動信号を第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれに出力させることにより、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれの表示制御を行なう。このような構成により、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと、演出表示装置9とは、並列に遊技制御用マイクロコンピュータ560が設けられた主基板31と接続されている。このような構成に基づいて、主基板31と第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bとの間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの表示制御を行なう場合、たとえば、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bが演出制御基板80(演出制御用マイクロコンピュータ100が設けられている)を介して直列の態様で主基板31に接続された場合のような並列以外の接続態様で接続されていると比較して、大当り判定の結果を正しく表示する信頼度が高い。
また、主基板31は、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれにおいて、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムにしたがい、保留記憶数に応じた駆動信号を第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれに出力し第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの制御を行なう。
また、主基板31は、普通図柄表示器10において、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムにしたがい、駆動信号を普通図柄表示器10に出力し普通図柄表示器10の表示制御を行なう。これにより、主基板31と普通図柄表示器10との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した普通図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により普通図柄表示器10の表示制御を行なう場合と比較して、普通図柄の当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31には、普通図柄保留記憶表示器41において、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を普通図柄保留記憶表示器41に出力し普通図柄保留記憶表示器41の制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行なうとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)の画像のデータを予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路74は、中継基板77を通過する信号線それぞれに設けられる。さらに、主基板31においては、演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が、図2に示されたI/Oポート部57の一部である出力ポート571を介して出力される。この出力ポート571は、信号を出力方向にしか通過させない単方向性回路である。これにより、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入込まない。なお、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する制御用プログラム全体の進行を管理する処理を行なう処理ルーチンとしてのメインルーチンである。メイン処理が実行されると、メイン処理の進行に応じて、メインルーチンを含む他のルーチンから呼出される処理ルーチンとしての各種のサブルーチン処理が実行されることにより各種の制御が行なわれる。ここで、処理ルーチンとは、コンピュータによる特定の情報処理を実行する機能を持った、プログラムコードの集合体をいい、前述のメインルーチンおよびサブルーチンの両方を含み、そのサブルーチンとしては、サブルーチンの実行時にさらに他のサブルーチンを呼出して実行させるルーチンと、サブルーチンの実行時にさらに他のサブルーチンを呼出さないルーチンとの両方を含む。
パチンコ遊技機1に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定をするための初期設定処理を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときに、RAM55に設けられたバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。このようなバックアップRAM領域のデータは、バックアップ電源によって電源バックアップされている。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S8)。S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信するために、停電復旧指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS93)。そして、ステップS15に移行する。なお、この実施の形態では、停電復旧指定コマンドは、遊技制御処理が開始されてから、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において送信されるが、ステップS93の処理で、直接送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信するために、初期化コマンド送信要求フラグをセットする(S13)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、演出パターンとしての変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのランダムカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ遊技機1に設けられている変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用のランダムカウンタ等のランダムカウンタにおけるカウント値が1周(ランダムカウンタの取り得る値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのランダムカウンタに、初期値決定用乱数に基づいて得られる初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、パチンコ遊技機1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、大当り遊技状態に制御されていないときにおいて、特別可変入賞球装置20における大入賞口への遊技球の入賞が検出されたというような大入賞口への入賞に関する異常が生じたか否かを判定し、異常が生じたときに、異常が生じた旨を報知する異常入賞処理を行なう(S23)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S25,S26)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、RAM55に形成された各ランダムカウンタにより更新される数値データを抽出することにより生成され、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1始動入賞口13への遊技球の入賞(第1始動入賞)に基づく第1特別図柄の変動表示に対応して(または、第2始動入賞口14への遊技球の入賞(第2始動入賞)に基づく第2特別図柄の変動表示に対応して)、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2: 第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成するハードウェア乱数を用いてもよい。また、ランダム1(大当り判定用乱数)以外のランダム2〜7等についても、前述したようなソフトウェア乱数とハードウェア乱数とのどちらを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらに関しても図6に示された乱数(特に、ランダム1,2,3,4)を用いるが、第1特別図柄の変動表示に関する乱数と第2特別図柄の変動表示に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび第2別図柄表示器8bと、大入賞口とを所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。このような特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いられる処理ルーチンである。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S28)。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S29)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。たとえば、カウントスイッチ23により検出される大入賞口への1個の入賞球に対して払出される賞球個数が15個、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aへの1個の入賞球に対して払出される賞球個数が10個、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aへの1個の入賞球に対して払出される賞球個数が4個というように、賞球個数を示す払出制御コマンドが出力される。払出制御用マイクロコンピュータ370においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの払出制御コマンドに基づく賞球個数を未払出数(遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAMに記憶される未払出数のデータ)に加算し、球払出装置97を駆動して未払出数分の賞球を払出す制御を行なう。また、図示を省略するが球払出装置97から払出した遊技球の個数を検出する払出個数カウントスイッチが設けられており、その払出個数カウントスイッチからの払出検出信号に基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出した数を前述の未払出数から減算することにより、未払出数を管理する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄および第2特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S33)。具体的に、CPU56は、後述するような開始フラグがセットされているか否かを参照し、その開始フラグがセットされているときに、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、その開始フラグが示す特別図柄の変動表示を開始させるために特別図柄表示制御データを設定する。より具体的に、CPU56は、たとえば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を実行する。また、CPU56は、後述するような終了フラグがセットされているか否かを参照し、その終了フラグがセットされているときに、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、その終了フラグが示す特別図柄の変動表示を終了させるために特別図柄表示制御データを設定する。このように、S33では、開始フラグの状態を確認することに基づいて特別図柄の変動表示を開始させるための表示制御データを設定する処理を行なった後、変動速度に応じて変動表示を行なうための表示制御データを設定する処理を行ない、終了フラグの状態を確認することに基づいて特別図柄の変動表示を終了させるための処理を行なう。なお、特別図柄プロセスフラグの値を確認することに基づいて、特別図柄の変動表示の開始時、変動中、および、終了時を判断して特別図柄表示制御データを設定することにより、特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよい。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S34)。CPU56は、たとえば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S34(S30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、この実施の形態における高確率状態(確変状態)および高ベース状態に関わる遊技状態を説明する。図7は、大当り図柄の種類、大当りの種類、大当り遊技状態後の制御状態、演出図柄の指定、および、大当り遊技状態後(大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間)の背景についての関係を表形式で示す図である。
遊技状態としては、高確率・高ベース状態(高確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、低確率・高ベース状態(低確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、高確率・低ベース状態(高確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)、および、低確率・低ベース状態(低確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)がある。
高確率状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りの決定される確率が高くなっている。たとえば、10倍になっている。具体的には、高確率状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、高ベース状態では、低ベース状態に比べて普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、高ベース状態では、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。普通図柄について当りに決定されると、上述したように、普通図柄の変動表示の表示結果(停止図柄)が当り図柄とされ、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間(開放時間)だけ開状態になり、ベースが上がる。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。本実施の形態では、後述する図33に示すように、高ベース状態では、低ベース状態と比べて、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間が多くなるように制御される。このように可変入賞球装置15の開放回数および開放時間が多くなるように制御されることによっても、本実施の形態ではベースが上がる。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、普通図柄表示器10の変動表示時間を、低ベース状態よりも短くする時短状態に制御することにより高ベース状態となるようにしてもよい。時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮されることに基づいて、普通図柄の保留記憶の消化が促進されるので、通常遊技状態と比べて一定期間中に可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が増加する。したがって、時短状態では、第2始動入賞口14への入賞が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。また、高ベース状態としては、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くする制御と、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御と、普通図柄表示器10を時短状態にする制御とのいずれか1つ、いずれか2つ、または、これら3つすべてを組合せた制御をすることにより高ベース状態となるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、大当りの種類として、15ラウンド大当り(以下、15R大当りという)と2ラウンド大当り(以下、2R大当りという)とを含む。15R大当りは、大入賞口が最大で15回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、複数種類設けられている。2R大当りは、大入賞口が2回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、1種類設けられている。
15R大当りのうち、大当り遊技状態後に高確高ベース状態に制御されるものが、15R第1確変大当りと呼ばれる。15R大当りのうち、大当り遊技状態後に高確低ベース状態に制御されるものが、15R第2確変大当りと呼ばれる。15R大当りのうち、大当り遊技状態後に低確高ベース状態に制御されるものが、15R高ベース大当りと呼ばれる。15R大当りのうち、大当り遊技状態後に低確低ベース態に制御されるものが、15R通常大当りと呼ばれる。
また、2R大当りでは、大入賞口が2回の開放状態となった後に高確高ベース状態に制御される。このような2Rの大当りは、突然確変大当りとも呼ばれる。2R大当りの大当り遊技状態では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(たとえば、0.5秒)。また、大当り遊技後の遊技状態は高確率状態に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態(確変状態)になったかのように感じる。
次に、この実施の形態における背景モードを説明する。背景モードとは、演出表示装置9の表示画面における背景(図柄およびキャラクタ画像以外の地の画面)のモード(具体的には種類)をいう。背景モードとしては、低ベース状態モード、高ベース状態モード、低確低ベースモード、低確高ベースモード、高確低ベースモード、および、高確高ベースモードがある。
低ベース状態モードは、遊技状態が低ベース状態(低確低ベース状態または高確低ベース状態)であるときにおいて、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときおよび変動表示が行なわれるときに使用されるモードであり、低ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。または、高ベース状態モードは、遊技状態が高ベース状態(低確高ベース状態または高確高ベース状態)であるときにおいて、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときおよび変動表示が行なわれるときに使用されるモードであり、高ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。
図7に示すように、低確低ベースモードは、遊技状態が低確低ベース状態であるときにおいて、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用されるモードであり、低確低ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。低確高ベースモードは、遊技状態が低確高ベース状態であるときにおいて、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用されるモードであり、低確高ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確低ベースモードは、遊技状態が高確低ベース状態であるときにおいて、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用されるモードであり、高確低ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確高ベースモードは、遊技状態が高確高ベース状態であるときにおいて、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用されるモードであり、高確高ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。
この実施の形態では、演出制御コマンドとして、大当りとするか否か、大当りの種類、および遊技状態を示す演出図柄指定コマンドが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
図示を省略するが、演出図柄1指定コマンドは、変動表示結果がはずれとなるときに選択されて送信される。図7に示すように、演出図柄2指定コマンドは、変動表示結果に基づいて大当り遊技状態後に低確低ベース状態となる15R通常大当りとなるときに選択されて送信される。演出図柄3指定コマンドは、変動表示結果に基づいて大当り遊技状態後に高確低ベース状態となる15R第2確変大当りとなるときに選択されて送信される。演出図柄4指定コマンドは、変動表示結果に基づいて大当り遊技状態後に低確高ベース状態となる15R高ベース大当りとなるときに選択されて送信される。演出図柄5指定コマンドは、変動表示結果に基づいて大当り遊技状態後に高確高ベース状態となる15R第1確変大当りとなるときに選択されて送信される。
また、この実施の形態の場合は、図7に示すように、特別図柄の大当り図柄の種類と、大当りの種類とが1対1の対応で関係付けられている。前述のランダム1に基づいて大当りとすることが決定されたときには、前述のランダム3に基づいて大当り図柄の種類を選択決定する。たとえば、大当り図柄を選択決定するときに抽出(読出)したランダム3(「0」〜「11」の範囲)の値が「0」、「1」のいずれかであるときには、特別図柄の大当り図柄が「1」に選択決定される。また、そのランダム3の値が「2」、「3」のいずれかであるときには、特別図柄の大当り図柄が「3」に選択決定される。また、そのランダム3の値が「4」、「5」のいずれかであるときには、特別図柄の大当り図柄が「5」に選択決定される。また、そのランダム3の値が「6」、「7」、「8」のいずれかであるときには、特別図柄の大当り図柄が「7」に選択決定される。また、そのランダム3の値が「9」、「10」、「11」のいずれかであるときには、特別図柄の大当り図柄が「9」に選択決定される。ランダム3の大当り図柄の種類が選択決定されると、その選択された大当り図柄の種類に基づいて、図7に示すような対応関係で、大当り遊技状態後の制御状態、演出図柄指定コマンド、および、大当り遊技状態後の背景が決定される。
特別図柄の大当り図柄が「1」のときには、15R第2確変大当りが選択され、高確低ベース状態の遊技状態、演出図柄3指定コマンド、および、高確低ベースモードの背景とすることが選択される。特別図柄の大当り図柄が「3」のときには、2R大当りが選択され、高確高ベース状態の遊技状態、演出図柄6指定コマンド、および、高確高ベースモードの背景とすることが選択される。特別図柄の大当り図柄が「5」のときには、15R高ベース大当りが選択され、低確高ベース状態の遊技状態、演出図柄4指定コマンド、および、低確高ベースモードの背景とすることが選択される。特別図柄の大当り図柄が「7」のときには、15R第1確変大当りが選択され、高確高ベース状態の遊技状態、演出図柄5指定コマンド、および、高確高ベースモードの背景とすることが選択される。特別図柄の大当り図柄が「9」のときには、15R通常大当りが選択され、低確低ベース状態の遊技状態、演出図柄2指定コマンド、および、低確低ベースモードの背景とすることが選択される。
この実施の形態では、低確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態、および、高確高ベース状態のそれぞれの遊技状態相互間で遊技状態が遷移し得る。しかし、これに限らず、たとえば、次に示すように、遊技状態相互間での遊技状態の遷移について、制限が設けられてもよい。高確率・高ベース状態へは、他の3つの遊技状態から遷移し得る。低確率・高ベース状態へは、高確率・高ベース状態のみから遷移し得る。高確率・低ベース状態へは、高確率・高ベース状態以外の2つの遊技状態から遷移し得る。低確率・低ベース状態へは、高確率・低ベース状態から遷移し得る。また、低確率・高ベース状態において表示結果を大当り図柄としない特別図柄の変動表示が所定回連続して行なわれると、遊技状態が、低確率・低ベース状態に遷移するように制御してもよい。また、遊技状態の遷移については、遷移元の遊技状態から遷移先の遊技状態へ遷移する割合が予め定められていてもよい。
図8は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の変動表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図8を参照して、この実施の形態では、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)未満のときには、変動時間が短縮されていない通常の変動パターン(以下において、非短縮変動パターンと呼ぶ場合がある)#1〜#4のいずれかが用いられる。一方、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときには、変動時間が通常の変動パターンよりも短縮される短縮変動の変動パターン(以下において、短縮変動パターンと呼ぶ場合がある)#5〜#8のいずれかが用いられる。変動表示に用いる非短縮変動パターン(#1〜#4)は、所定のタイミングで抽出された前述のランダム4の値に基づいて、複数種類の変動パターン(#1〜#4)のうちからランダムに選択決定される。同様に、変動表示に用いる非短縮変動パターン(#5〜#8)は、所定のタイミングで抽出された前述のランダム4の値に基づいて、複数種類の変動パターン(#5〜#8)のうちからランダムに選択決定される。
合算保留記憶数カウンタの値が4(上限値は8である場合)以上であるときに第2変動パターンテーブルを使用したい理由は以下のとおりである。つまり、第1保留記憶数が4(上限数)である場合に第1特別図柄の変動時間を短縮し、かつ、第2保留記憶数が4(上限数)である場合に第2特別図柄の変動時間を短縮するようにした場合に、たとえば、第1保留記憶数が2であり、第2保留記憶数が3であるときには、変動時間は短縮されない。しかし、合算保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数は5になっている。そのときに、変動時間は短縮されないので、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれか一方については合計保留記憶数が所定値(4)以上のときに短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるが、他方については合計保留記憶数が所定値以上であっても短縮変動パターンでの変動表示が行なわれない事態が発生するときがある。たとえば、次に具体例を示すように、合計保留記憶数が所定値(4)以上のときに、非短縮変動パターン(短縮されていない通常の変動パターン)での変動表示が実行された後、短縮変動パターンでの変動表示が実行され、その後、さらに非短縮変動パターンでの変動表示が実行されるという状態が生じる等、合計保留記憶数が所定値以上のときであっても、非短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときと、短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときとが生じるおそれがある。具体的に、本実施の形態では、第2保留記憶数が優先的に変動表示に用いられるので、たとえば、第1保留記憶数が4であり、第2保留記憶数が2であるときには、非短縮変動パターン→非短縮変動パターン→短縮変動パターン→というように変動パターンが選択されていく。これにより、合計保留記憶数が「4」以上のときであっても、非短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときと、短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときとが生じる場合がある。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを始動入賞が発生した順番通りに変動表示に用いる制御を行なう場合には、たとえば、第1保留記憶数が4であり、第2保留記憶数が2であるときにおいて、第2保留記憶→第1保留記憶→第2保留記憶の順番で保留記憶を消化して変動表示をしていくときには、非短縮変動パターン→短縮変動パターン→非短縮変動パターン→というように変動パターンが選択されていく。これにより、合計保留記憶数が「4」以上のときであっても、非短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときと、短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときとが生じる場合がある。したがって、このような変動表示の状況に対し、違和感を抱く遊技者が出る可能性がある。そこで、この実施の形態では、このような違和感を遊技者に持たせないようにするために、合計保留記憶数に基づいて変動時間を短縮するか否かを判断するようにし、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるときに開始される特別図柄の変動については、変動時間を短縮する。
(a)のようなランダム4の値と選択決定される非短縮変動パターン(#1〜#4)との関係を示すデータテーブルが、第1変動パターンテーブルとして、ROM54に記憶されている。また、(b)のようなランダム4の値と選択決定される短縮変動パターン(#5〜#8)との関係を示すデータテーブルが、第2変動パターンテーブルとして、ROM54に記憶されている。変動表示が行なわれるときには、合算保留記憶数に応じて、第1変動パターンテーブルと第1変動パターンテーブルとのうちのいずれかが選択され、その選択された変動パターンテーブルを用い、ランダム4の値に基づいて、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。
変動パターン#2〜#4および変動パターン#6〜#8は、停止図柄が大当り図柄になる場合と、停止図柄ははずれ図柄であるが演出表示装置9において後述するようなリーチ態様となるときのリーチ演出が実行される場合とに用いられる変動パターンである。このようなリーチ態様となるときの変動パターンは、変動パターンの一部または全部にリーチ態様を含む変動パターンである。変動パターン#1および変動パターン#5は、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる変動パターンである。
図8の(a),(b)のそれぞれにおいては、変動表示の結果をはずれ図柄にする決定がされたときの変動パターンとランダム4の抽出値との関係が示されているとともに変動表示の結果を大当り図柄にする決定がされたときの変動パターンとランダム4の抽出値との関係が示されている。図8の(a)に示すように、リーチ演出が実行される変動パターンについては、はずれとなるときに、変動パターン#2>変動パターン#3>変動パターン#4というような関係で選択される確率が高い。また、図8の(a)に示すように、リーチ演出が実行される変動パターンについては、大当りとなるときに、変動パターン#4>変動パターン#3>変動パターン#2というような関係で選択される確率が高い。
また、図8の(b)に示すように、リーチ演出が実行される変動パターンについては、はずれとなるときに、変動パターン#6>変動パターン#7>変動パターン#8というような関係で選択される確率が高い。また、図8の(a)に示すように、リーチ演出が実行される変動パターンについては、大当りとなるときに、変動パターン#8>変動パターン#7>変動パターン#6というような関係で選択される確率が高い。
また、図8の(a),(b)に示すように、はずれとなるときには、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときにリーチ演出が実行される変動パターン#2〜#4が選択される確率(6/150)の方が、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)未満になっているときにリーチ演出が実行される変動パターン#2〜#4が選択される確率(18/150)よりも低くなるように設定されている。したがって、はずれとなるときには、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときには、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)未満になっているときに対して、リーチ演出が実行される確率が減少させられる制御が行なわれることとなる。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示が行なわれるときにも第2特別図柄の変動表示が行なわれるときにも同じ変動パターン(変動パターン#1〜#8のいずれか)が用いられる。しかし、これに限らず、第1特別図柄の変動表示が行なわれるときと第2特別図柄の変動表示が行なわれるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。その場合、たとえば、変動パターン#1〜#8と異なる変動パターン#9〜#16を新たに設ける。変動パターン#9〜#16については、短縮変動が行なわれないときには変動パターン#9〜#12を用い、短縮変動が行なわれるときには変動パターン#13〜#16を用いることとする。変動パターン#9および変動パターン#13は、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる変動パターンである。変動パターン#10〜#12および変動パターン#14〜#16は、停止図柄が大当り図柄になる場合と、停止図柄ははずれ図柄であるが演出表示装置9において後述するようなリーチ態様となるときのリーチ演出が実行される場合とに用いられる変動パターンとする。そして、たとえば、第1特別図柄については変動パターン#1〜#8のいずれかを使用し、第2特別図柄については変動パターン#9〜#16のいずれかを使用する。このように第1特別図柄の変動表示が行なわれるときと第2特別図柄の変動表示が行なわれるときとで異なる変動パターンを用いる場合にも、前述したように、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときには、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)未満になっているときに対して、リーチ演出が実行される確率が減少させられる制御が行なわれるように、ランダム4の値と選択決定される変動パターンとの関係を設定すればよい。
次に、リーチ態様(リーチ表示態様)について説明する。本実施形態におけるリーチ態様(リーチ表示態様)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態を含み、大当り表示結果になる直前の変動表示態様である。
たとえば、演出表示装置9において、複数の図柄が停止することで当りとなる有効ラインが予め定められ、その有効ライン上の複数の表示領域のうち一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態、および、有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態をリーチ態様(リーチ表示態様)またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりする演出をすることがある。このような演出をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間に亘り、いずれかの飾り図柄表示器9a,9bで飾り図柄の変動表示を行なうとともに、演出表示装置9で演出図柄の変動表示と、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出とを行なう。また、同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行なう。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図9は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表わす。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、たとえば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号はこのような極性と逆極性であってもよい。演出制御コマンドは、2msの1回のタイマ割込期間内で1コマンドだけ送信されるときと、複数コマンド送信されるときとがある。1回のタイマ割込期間内で複数のコマンドが送信されるときのコマンドの送信間隔は、所定時間(たとえば、100μs)に予め定められている。また、1の演出制御コマンドは1バイト目と2バイト目との2回に分けて送信されるが、その送信間隔は、前述したようなコマンドの送信間隔が可能となるような予め定められた時間に設定されている。
図10は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド8001(H)〜8008(H)は、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に対応して飾り図柄表示器9a,9bおよび演出表示装置9において変動表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。このような変動パターンコマンドは、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いられる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8008(H)のいずれかを受信すると、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に対応して、飾り図柄表示器9a,9bおよび演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、大当りの種類(2R大当り、15R通常大当り、15R第1大当り、15R第2大当り、15R高ベース大当り)、および遊技状態を示す演出制御コマンド(演出図柄指定コマンド)である。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C00(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C00(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、背景を低ベース状態モードの背景にすることを示す演出制御コマンド(低ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、背景を高ベース状態モードの背景にすることを示す演出制御コマンド(高ベース状態背景指定コマンド)である。このような低ベース状態背景指定コマンドと高ベース状態背景指定コマンドとを、背景指定コマンドまたは遊技状態指定コマンドという。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、たとえば、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときおよび変動表示が行なわれるときの背景モードを指定するために、このような低ベース状態背景指定コマンドまたは高ベース状態背景指定コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンド(遊技状態指定コマンド)の受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景を、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態に対応する背景にする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ表示指定コマンド)である。以下、デモンストレーション表示は、デモ表示という略称で示す。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。A001(H)は、突然確変用画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド:突然確変指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD000(H)は、前述した大入賞口への入賞に関する異常が生じたときに、その旨を示すメッセージを含む画像により報知する異常入賞報知画面を演出表示装置9に表示することを指定する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1変動表示部(第1飾り図柄表示器9a)での識別情報の変動表示と第2変動表示部(第2飾り図柄表示器9b)での識別情報の変動表示とで共通に使用でき、第1変動表示部と第2変動表示部とを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11〜図13は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図11(A)は、客待ちデモコマンドが送信される場合の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモ指定コマンドを送信する場合には、その前に、背景指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理(図5参照)で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で客待ちデモ指定コマンドを送信する。
図11(B)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(1タイマ割込処理内)。
図11(C)は、特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、図柄変動指定コマンド、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信する。さらに次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信する。さらに次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、変動表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
図12(A)は、合算保留記憶数が0から1になったときに開始される特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(1タイマ割込処理内)。そして、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理から、図11(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。なお、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信し、次のタイマ割込(2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図12(B)は、電力供給が開始されたとき(電源投入時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込に基づく遊技制御処理で電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信した後、客待ちデモ指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で電源投入指定コマンドを送信し、次いで、背景指定コマンドを送信する(1タイマ割込処理内)。その後、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で客待ちデモ指定コマンドを送信する。
図12(C)は、電力供給が再開されたとき(停電復旧時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源復旧指定コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で電源復旧指定コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信する(1タイマ割込処理内)。
図13(A)は、15R大当り遊技における例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の開始時に、大当り開始1指定コマンドを送信し、各ラウンドの開始時に大入賞口開放中指定コマンドを送信し、各ラウンドの終了時に大入賞口開放後指定コマンドを送信し、大当り遊技の終了時に、大当り終了指定コマンドを送信する。
図14は、S23の異常入賞処理を示すフローチャートである。異常入賞処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、後述する特別図柄プロセス処理で管理しているプロセスデータを取得する(S191)。具体的に、S191で取得するプロセスデータは、特別図柄プロセスフラグのデータであり、特別プロセス処理が、どのプロセスにあるかを示すデータである。したがって、このプロセスデータを取得すると、プロセスデータに基づいて、現在においてどのプロセスが実行中であるかを把握することができる。
S191で取得したプロセスデータに基づいて、特別図柄プロセスが後述する大入賞口開放前処理よりも前の処理であるか否か、すなわち、特別図柄プロセスが大入賞口が開放する前のプロセスにあるか否かを判断する(S192)。具体的に、S192では、S191で取得したプロセスフラグのデータの値が大入賞口開放前処理(特別図柄プロセス処理の値は「6」)よりも前の処理においてセットされる「5」以下の値であるか否かを判断することにより、特別図柄プロセスが大入賞口が開放する前のプロセスにあるか否かを判断する。なお、プロセスフラグのデータの値が「6」以上であれば、大入賞口が開放していると判断してもよい。大入賞口開放前処理よりも前の処理ではないときは、大入賞口が開放した状態にあり、遊技球の入賞が検出されても異常な状態ではないので、異常監視を行なわずに処理を終了する。一方、大入賞口開放前処理よりも前の処理であるときは、大入賞口が開放していない状態にあり、遊技球の入賞が検出されると異常な状態であるので、異常監視を行なうために、カウントスイッチ23が遊技球の入賞を検出したか否かを判断する(S193)。なお、S191およびS192のような処理を行なわずに、特別図柄プロセス処理で管理しているプロセスデータとしてのプロセスフラグのデータを取得せずに参照し、プロセスフラグの値が「5」以下の値であるか否かを判断することにより、特別図柄プロセスが大入賞口が開放する前のプロセスにあるか否かを判断するようにしてもよい。そのようにすれば、取得したデータを保持する必要がなくなるので、特別図柄プロセスが大入賞口開放前処理よりも前の処理であるかを判断する処理を簡単化することができる。
カウントスイッチ23が遊技球の入賞を検出していないと判断したときは、異常な状態ではないので、処理を終了する。一方、カウントスイッチ23が遊技球の入賞を検出したと判断したときは、大入賞口が開放していない制御状態であるにも関わらず大入賞口への入賞が検出された異常な状態であり、異常入賞報知コマンドの送信を要求するフラグである異常入賞報知コマンド送信要求フラグをセットする(S194)。ここで、異常入賞報知コマンドは、大入賞口への異常な入賞が生じた旨を報知することを指示する演出制御コマンドであり、演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知コマンドを受信すると、大入賞口への異常な入賞が生じた旨を報知する演出制御を行なう。そのような報知が行なわれることにより、大入賞口への異常な入賞が生じたことを容易に認識することができる。
そして、このような異常入賞に対する払出制御コマンドの出力を禁止し(S195)、処理を終了する。このように払出制御コマンドの出力を禁止することは、S195において払出制御コマンドの出力を禁止するフラグ(払出制御コマンド出力禁止フラグ)をセットし、そのフラグがセットされているときにS31の賞球処理においてカウントスイッチ23による遊技球の入賞検出があったことを認識しても払出制御コマンドを出力しないように制御する。そして、払出制御コマンド出力禁止フラグがセットされたことによりカウントスイッチ23による遊技球の入賞検出に対して払出制御コマンドを出力させない制御が行なわれると、その時点で払出制御コマンド禁止フラグをリセットする。これにより、S195による異常入賞に対する払出制御コマンドの出力が禁止のための処理と、S31による払出制御コマンドの出力禁止制御の処理とは、このような異常入賞の遊技球が1個生じるごとに実行される。このように、異常入賞に対する払出制御コマンドの出力が禁止されると、カウントスイッチ23により遊技球の入賞が検出されても、その検出に応じた賞球の払出しが行なわれなくなる。これにより、大入賞口への異常な入賞が検出されたときには、大入賞口へ遊技球が入賞しても賞球が払出されなくなるので、不正行為者が不正行為により不正な賞球を得るのを防ぐことができる。ここで、より具体的に、払出制御コマンドの出力を禁止する制御について、図15を用いて説明する。
図15は、異常入賞に対して払出制御コマンドの出力を禁止する制御の概念を示すタイミングチャートである。
1個の入賞球に対して払出す賞球個数は、入賞領域(入賞口)の種類に応じて予め定められている。たとえば、カウントスイッチ23により検出される大入賞口への1個の入賞球に対して払出される賞球個数が15個、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aへの1個の入賞球に対して払出される賞球個数が10個、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aへの1個の入賞球に対して払出される賞球個数が4個というように、入賞領域(入賞口)の種類に応じて、1個の入賞球に対して払出す賞球個数が予め定められている。RAM55では、賞球個数の種類ごとに、賞球を払出すべき入賞個数を計数するための賞球個数カウンタが設けられている。
前述したスイッチ処理(S21)では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのそれぞれの入賞検出状態をチェックし、入賞が検出されたものについては、対応する賞球個数カウンタを加算更新(+1)する。これにより、図15において、(a)のようにカウントスイッチ23により入賞が検出されたときには、(b)のように、対応する賞球個数カウンタが加算更新される。前述した賞球処理(S31)では、基本的に、賞球個数を示す払出制御コマンドを送信するか否かを判定するために、複数種類の賞球個数カウンタのそれぞれについて、値が「0」でないかどうかが判断され、「0」でないものについては、対応する個数の賞球個数を示す払出制御コマンドを送信する処理が行なわれる。なお、(b)において、2つ目の入賞検出については、(c)のように入賞検出後の異常入賞処理(S23)で払出制御コマンド出力禁止フラグがセットされた異常な入賞であるために、対応する賞球個数カウンタの状態を破線により示している。また、賞球処理(S31)では、カウントスイッチ23に対応する賞球個数カウンタについては、払出制御コマンド出力禁止フラグがセットされているときに、異常な入賞に対する賞球の払出を禁止するために、賞球個数を示す払出制御コマンドを送信するか否かを判定する前に、賞球個数カウンタを減算更新(−1)する。これにより、前述したような異常な入賞があったときには、その入賞に対する賞球の払出が禁止される。
図15において、1つ目の入賞検出については正常な入賞であって、(c)に示すように払出制御コマンド出力禁止フラグがセットされていないので、賞球処理(S31)時においては賞球個数カウンタの値が保持される。賞球処理(S31)時において、賞球個数カウンタの値が「0」でないときには、(e)のように、賞球個数を示す払出制御コマンドが出力され、その出力後に賞球個数カウンタの値を減算更新(−1)する。一方、2つ目の入賞検出については異常な入賞であって、(c)に示すように払出制御コマンド出力禁止フラグがセットされているので、賞球処理(S31)時においては、払出制御コマンド出力禁止フラグがセットされているときに、払出制御コマンドを出力するか否かを判断する前に賞球個数カウンタの値が減算更新(−1)される。これにより、賞球個数カウンタの値は、たとえば「0」となり、賞球処理(S31)時に、(e)において破線で示すように、当該入賞に対応する賞球個数を示す払出制御コマンドの出力が禁止される。つまり、前述したような異常な入賞検出があったときには、入賞検出に応じて一旦加算更新された賞球個数カウンタの値が、賞球処理において払出制御コマンドを送信するか否かを判断する前に減算更新されることにより、入賞に対応する賞球個数を示す払出制御コマンドの出力が禁止される。
なお、図15においては、前述したような異常な入賞検出があったときにおいて、入賞検出時に賞球個数カウンタを一旦加算更新する例を示した。しかし、これに限らず、前述したような異常な入賞検出であるとき(入賞検出があったときの特別図柄プロセス処理のプロセスフラグのデータが大入賞口開放前処理以降を示すものでないとき)においては、スイッチ処理において入賞検出があっても賞球個数カウンタを加算更新しないようにしてもよい。そのようにするときには、賞球処理(S31)時において、払出制御コマンド出力禁止フラグがセットされているときに、賞球個数カウンタの値を減算更新する必要はない。
また、図15においては、前述したような異常な入賞検出があったときにおいて、S195により賞球個数を示す払出制御コマンドの出力を禁止する例を示した。しかし、これに限らず、前述したような異常な入賞検出があったときにおいて、S195を実行せずに払出制御コマンドの出力を許容するようにしてもよい。そのようにしたときには、遊技場の店員が遊技者に対するサービス等を目的として遊技球の入賞を保証したいときにおいて、大当り遊技状態でないときに大入賞口に遊技球を入れても払出制御コマンドの出力が禁止されないので、保証のための賞球の払出しを行なうことができる等、パチンコ遊技機1の機能を必要以上に停止させないようにすることができる。
また、異常入賞処理においては、S193によりカウントスイッチ23が遊技球の入賞を検出したと判断したときに、遊技の進行を停止するようにしてもよい。また、S193によりカウントスイッチ23が遊技球の入賞を検出したと判断したときに、たとえば30秒程度の所定期間に亘り、カウントスイッチ23以外のスイッチによる遊技球の入賞に対する賞球の払出を禁止するようにしてもよい。
また、異常入賞処理においては、大入賞口への入賞に関する異常に加えて、可変入賞球装置15の第2始動入賞口14への入賞に関する異常を判定し、異常入賞報知および賞球の払出禁止をするようにしてもよい。たとえば、普通図柄プロセス処理(S28)で管理しているプロセスデータ(普通図柄プロセスフラグのデータ)の値が第2始動入賞口14が開放していないプロセスを示すか否かを判断する。たとえば、普通図柄プロセス処理が、普通図柄通常処理、普通図柄変動中処理、普通図柄停止処理、および、普通電動役物作動処理(普通電動役物とは、普通図柄の表示結果に応じて動作される役物である可変入賞球装置15を示す)よりなり、普通電動役物作動処理が実行されるときに可変入賞球装置15を開放する場合にプロセスデータが普通電動役物作動処理を示す値であるか否かを判定する。そして、開放していないプロセスを示すときには、第2始動口スイッチ14aが遊技球(少なくとも1個)の入賞を検出したか否かを判断し、入賞を検出したと判断したときに、第2始動入賞口14への異常な入賞が生じた旨を報知することを要求する第2始動入賞口異常入賞報知コマンド送信要求フラグをセットし、第2始動入賞口異常入賞報知コマンドを送信する。これにより、第2始動入賞口14への入賞に関する異常が生じた旨をその旨を示すメッセージを含む画像により報知する異常入賞報知画面を演出表示装置9に表示する制御を演出制御用CPU101に実行させる。このようにすれば、第2始動入賞口14への異常な入賞が生じた旨を報知する演出制御が行なわれることにより、第2始動入賞口14への異常な入賞が生じたことを容易に認識することができ、さらに、不正に変動表示を開始させることを防ぐことができる。そして、さらに、異常入賞に対する払出制御コマンドの出力を禁止する。このようにすれば、第2始動入賞口14への異常な入賞が検出されたときには、第2始動入賞口14へ遊技球が入賞しても賞球が払出されなくなるので、不正行為者が不正行為により不正な賞球を得るのを防ぐことができる。
図16および図17は、S29の演出制御コマンド制御処理を示すフローチャートである。演出制御コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、初期化コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する(S351)。初期化コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS356に移行する。初期化コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、初期化コマンド送信要求フラグをリセットし(S352)、電源投入指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S353)。
具体的には、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの1バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1(オン状態を示す値)を出力し、さらに、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの2バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1(オン状態を示す値)を出力する。コマンドデータを出力するための出力ポートおよび演出制御INT信号を出力するための出力ポートの出力は、演出制御基板80に接続されている。なお、このような演出制御コマンドの送信の仕方は、電源投入指定コマンド以外の他の演出制御コマンドについても同じである。
次いで、CPU56は、低ベース状態背景指定コマンドを送信する(S354)。このような処理を行なうことにより、1回のタイマ割込処理内で電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信することができる。そして、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットし(S355)、処理を終了する。これにより、次回のタイマ割込処理において客待ちデモ指定コマンドが送信される。
S356では、CPU56は、停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS360aに移行する。停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、停電復旧コマンド送信要求フラグをリセットし(S357)、停電復旧指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S358)。次いで、演出図柄指定コマンドを送信する(S359)。さらに、合算保留記憶数指定コマンドを送信し(S360)、処理を終了する。停電復旧時このような処理を行なうことにより、1回のタイマ割込処理内で、停電復旧コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信することができる。なお、CPU56は、S359において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。また、S360において、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。なお、合算保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
S360aでは、CPU56は、異常入賞報知コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。異常入賞報知コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS361に移行する。異常入賞報知コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、異常入賞報知コマンド送信要求フラグをリセットし(S360b)、異常入賞報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S360c)、処理を終了する。
S361では、CPU56は、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS365に移行する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S362)、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S363)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信し(S364)、処理を終了する。なお、S364において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。このような処理を行なうことにより、1回のタイマ割込処理内で第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信することができる。
S365では、CPU56は、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS371に移行する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S366)、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S367)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信し(S368)、処理を終了する。なお、S368において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。このような処理を行なうことにより、1回のタイマ割込処理内で第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信することができる。
S371では、CPU56は、背景指定コマンド送信要求フラグ(低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグまたは高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグ)がセットされているか否か確認する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS374に移行する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S372)、背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S373)、処理を終了する。なお、背景指定コマンド送信要求フラグとして低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、低ベース状態背景指定コマンドを送信し、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、高ベース状態背景指定コマンドを送信する。
S374では、CPU56は、変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS381に移行する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド送信要求フラグをリセットし(S375)、図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S376)。次いで、変動パターンコマンドを送信し(S377)、処理を終了する。このような処理を行なうことにより、1回のタイマ割込処理内で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信することができる。なお、CPU56は、S376において、第1変動中フラグがセットされていたら第1図柄変動指定コマンドを送信し、そうでなければ、または第2変動中フラグがセットされていたら第2図柄変動指定コマンドを送信する。また、S377においては、変動パターン記憶領域に記憶されているデータに対応する変動パターンコマンドを送信する。
S381では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS384に移行する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S382)、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S383)処理を終了する。なお、CPU56は、S383において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。図24を用いて後述するように、変動パターンコマンド送信要求フラグおよび演出図柄指定コマンド送信要求フラグは、同じタイマ割込処理内でセットされるが、このように、変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされているか否かの判断に基づく変動パターンの送信処理が実行されると、その回のタイマ割込処理内での演出制御コマンド処理は終了するので、その次の回のタイマ割込処理における演出制御コマンド処理において、演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否かの判断に基づく演出図柄指定コマンドの送信処理が実行されるので、変動パターン指定コマンドが送信されたタイマ割込処理の次のタイマ割込処理において、演出図柄指定コマンドが送信されることとなる。
なお、図24に示すように、変動パターンコマンド設定処理において演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットせずに、前述のS377の次の処理において演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットし、その次の回のタイマ割込処理において、当該演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされていることに基づいて、演出図柄指定コマンドを送信するようにしてもよい。
S384では、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS386aに移行する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S385)、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S386)、処理を終了する。
S386aでは、CPU56は、図柄確定指定コマンド送信要求フラグ(後述するS132でセットされる)がセットされているか否か確認する。図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS387に移行する。図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、図柄確定指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S386b)、図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S386c)処理を終了する。
S387では、CPU56は、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS391に移行する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S388)、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S389)、処理を終了する。
S391では、CPU56は、他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされているか否か確認する。他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされていれば、そのフラグをリセットし、フラグで要求された演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S391)。なお、他の演出制御コマンドの代表例として、図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされたことに基づいて送信される図柄確定指定コマンドや大当り開始指定コマンド送信要求フラグがセットされたことに基づいて送信される大当り開始1指定コマンドや大当り開始2指定コマンドがある。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは、全て、既に説明したメイン処理(図4参照)や以下に説明する特別図柄プロセス処理(図18、図19、図22〜図25、図27、図28参照)等においてコマンドの送信を要求するフラグ(初期化コマンド送信要求フラグ、変動パターンコマンド送信要求フラグ、始動入賞指定コマンド送信要求フラグ等)がセットされたことに基づいて、演出制御コマンド制御処理で送信される。しかし、特別図柄プロセス処理において、コマンドの送信を要求するフラグをセットすることに代えて、各演出制御コマンドを直接送信するようにしてもよい。そのように構成する場合には、1回の遊技制御処理において複数の演出制御コマンドを送信する場合には、続けて送信すればよい。たとえば、図4に示されたS13の処理に代えて、S353〜S355の処理を実行すればよい。図4に示されたS93の処理に代えて、S358〜S360の処理を実行すればよい。また、図19に示すS128の処理に代えて、図16に示すS363,S364の処理を実行すればよい。また、図19に示すS129の処理に代えて、図16に示すS367,S368の処理を実行すればよい。また、図22に示すS70bの処理に代えて、図17に示すS373の処理を実行すればよい。また、図23に示すS43の処理に代えて、図17に示すS389の処理を実行すればよい。また、図24に示すS76の処理に代えて、図17に示すS376,S377の処理を実行すればよい。また、図24に示すS79の処理に代えて、図17に示すS383の処理を、変動パターン設定処理の次のプロセスの処理において実行すればよい。
また、演出制御コマンド制御処理においては、演出制御コマンドのうち、特別図柄の変動開始時に送信するべきコマンド(たとえば、背景指定コマンド、図柄変動指定コマンド、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンド等のコマンドのうち、いずか1つまたはいずれか複数のコマンド)だけを送信し、その他のコマンドについては各コマンドの送信要求フラグをセットする処理において、当該フラグをセットせずにコマンドを直接的に送信するようにしてもよい。
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を制御するための処理が実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしているか否か、すなわち第1始動入賞または第2始動入賞が発生しているか否かを判断する(S311)。
具体的に、S311において第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしているか否かは、次のように判断する。CPU56は、まず、入力ポートにおける各スイッチのデータを入力し、ポートバッファにセットする。次いで、RAM55に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する。ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポートの各スイッチのデータを入力し、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする。このように時間間隔を置いて入力ポートから入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。なお、このようにウェイトカウンタを用いて時間間隔を置いてスイッチの検出信号のオン状態が継続したか否かを判断せずに、次のような判定を行なってもよい。たとえば、入力ポートの各スイッチのデータと、所定の判定用データ(クリアデータ)とを比較し、これらのデータの排他的論理和の結果、オンと判定されるスイッチがあったときに、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていると判断するようにしてもよい。
さらに、CPU56は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる。排他的論理和の演算結果において、前回のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。CPU56は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。そして、CPU56は、論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし、演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットすることにより、次回の処理に用いる。
以上の処理によって、CPU56は、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっており、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aの各スイッチのいずれかがオンしていると判断する。
なお、ウェイトカウンタを用いて時間間隔を置いてスイッチの検出信号のオン状態が継続したときにスイッチがオン状態に変化したと判断せずに、1回だけポートバッファにおける対応するビットの値を確認して「1」であればスイッチがオン状態に変化したと判断するようにしてもよい。そのようにする場合は、たとえノイズによりオン状態であると判断されたときでも、後述するS110およびS113により、オン状態となっていないと判断されて、始動入賞に基づく処理が行なわれないので、誤って始動入賞に基づく処理が行なわれることが防がれる。
また、前述したような第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれの発生を確認するための論理演算処理は、前述したような種類の論理演算に限られず、ポートバッファのビットの値に基づいてスイッチのオン/オフを判断できる論理演算であればどのような種類の論理演算を用いるようにしてもよい。
そして、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていると判断した場合には、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、S312の実行後、および、S311で第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aがともにオンしていないと判断した場合には、S300〜S308のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S308の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶があるか否かを判断するために、第1保留記憶数および第2保留記憶数を確認する。第1保留記憶数は後述するように第1保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認でき、第2保留記憶数は後述するように第2保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。なお、保留記憶があるか否かの判断は、合計保留記憶数カウンタのカウント値で確認するようにしてもよい。このようにすれば、保留記憶があるか否かを判断するための処理を簡略化(判断が1回で済む)することができる。
第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタのうちいずれかのカウント値が0でなければ、合算保留記憶のうちで次に変動を開始すべき記憶が第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらに対応したものか否かを確認する。そして、始動入賞発生時に抽出した大当り判定用乱数の値に基づいて、大当りとするか否かを決定する。また、大当りとすることに決定された場合には、始動入賞発生時に抽出した大当り図柄決定用乱数の値に基づいて、大当り図柄の種類を決定する(このように、大当り図柄が決定されると、前述のように、大当りの種類と、大当り遊技後の遊技状態とが定まる)。また、決定した停止図柄に基づいて、演出図柄指定コマンドを決定し、そのコマンドを示すデータを記憶する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、現時点での遊技状態に応じて、背景指定コマンド(遊技状態指定コマンド)を送信するための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、コマンド送信するための制御を行なうとは、具体的には、演出制御コマンド制御処理で実際にコマンドが送信されるように、コマンドの送信を要求するためのフラグ(この場合には、背景指定コマンド送信要求フラグ)をセットすることである。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。第1特別図柄と第2特別図柄とのうち変動表示を行なう特別図柄についての変動表示の変動パターン(変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、特別図柄の変動を開始し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、選択した変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド等)を送信するための制御を行なう。さらに、特別図柄通常処理で記憶された演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信するための制御を行なう。そして、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち変動表示を行なう特別図柄についての変動表示を開始させるための処理を行なうとともに、RAM55に形成されている変動時間タイマ(特別図柄プロセス処理において用いるタイマであるプロセスタイマを変動時間タイマとして用いる)に、変動パターンの変動時間に応じた値を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に応じた値(この例では2)に更新する。ここで、変動時間タイマとは、特別図柄の変動開始時から変動終了時(表示結果の導出表示時)までの変動時間を設定して計時する計時手段であり、変動開始時に、変動パターンに応じた変動時間に相当する値に設定され、時間経過に応じて減算更新されていき、設定された変動時間が経過するとタイマの値が0になってタイムアップする。
保留記憶数送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に応じた値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアップすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に応じた値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。変動表示中の第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に応じた値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に応じた値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると、変動表示中の第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて第1飾り図柄または第2飾り図柄が停止されるように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大当り表示処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大当り表示時間タイマによって所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に応じた値(この例では6)に更新する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、演出表示装置9に、15R大当りの発生を報知するための表示を行なう。2R大当り(突然確変大当り)の場合には、突然確変大当りの発生を報知するための演出を行なう。なお、2R大当りの場合には、大入賞口が開放する前ではなく、大入賞口の開放して閉鎖した後に、突然確変大当りの発生を報知するための演出を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、突然確変大当りとなったような感覚を遊技者に与えることができる。
大入賞口開放前処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に応じた値(この例では7)に更新する。大入賞口開放中処理の実行時間を設定するタイマとしては、たとえば、前述したような変動時間タイマと同じプロセスタイマを使用する。つまり、変動時間タイマとして用いられるプロセスタイマは、大入賞口開放中処理の実行時間を設定するタイマとして兼用される。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中処理の実行時間を設定するタイマとしては、変動時間タイマとは別のタイマを用いてもよい。
大入賞口開放中処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に応じた値(この例では8)に更新する。
大当り終了処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグをセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に応じた値(この例では0)に更新する。
また、前述の特別図柄プロセス処理では、大当り表示処理を1つの単位のプロセスとして用いる例を示した。しかし、これに限らず、大当り表示処理を1つの単位のプロセスとして実行せずに、大入賞口開放前処理(S306)の中で大当りの発生を報知するための表示を行なうようにしてもよい。たとえば、プロセスが大入賞口開放前処理(S306)に移行したときに大当り表示時間タイマをセットし、所定期間の計測を開始し、その所定期間が経過するまで、大当りの発生を報知するための表示を実行させた後、前述したような大入賞口開放前処理に相当する処理を実行させるようにしてもよい。そのようにすれば、特別図柄プロセス処理で実行するプロセス数を減らすことができる。
図19は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを対象とする処理ルーチンに関し、個別に用いられる処理ルーチン(S111,S112,S114,S115,S124,S125,S128,S129)と、共通に用いられる処理ルーチン(S117,S118,S122,S126)とを含んでいる。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aからの検出信号に基づいて、第1始動口スイッチ13aがオン状態になっているか否かを判断する(S110)。オン状態になっていると判断したときは、後述するS111に進む。一方、オン状態になっていないと判断したときは、第2始動口スイッチ14aからの検出信号に基づいて、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっているか否かを判断する(S113)。オン状態になっていると判断したときは、後述するS114に進む。一方、オン状態になっていないと判断したとき、どちらの始動口スイッチもオン状態となっていないと判断したときは、始動口への入賞に応じた処理を行なう必要がないので、処理を終了する。
前述のS110により第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていると判断したときには、第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていることを示す第1検出フラグをセットする(S111)。そして、RAM55の記憶領域に設けられた第1保留記憶数カウンタのアドレスをポインタにセットし(S112)、後述するS116に進む。また、前述のS113により第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていると判断したときには、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていることを示す第2検出フラグをセットする(S114)。そして、RAM55の記憶領域に設けられた第2保留記憶数カウンタのアドレスをポインタにセットし(S115)、後述するS116に進む。
ここで、RAM55の記憶領域に設けられた保留記憶領域の一例を説明する。図20は、保留記憶領域の一例を説明する図である。図20においては、(a)に、第1特別図柄の保留記憶に関する情報を記憶する第1保留記憶領域を示し、(b)に、第2特別図柄の保留記憶に関する情報を記憶する第2保留記憶領域を示す。
図20の(a)を参照して、第1保留記憶領域は、一連の連続したアドレスに設けられており、第1保留記憶数カウンタとして設けられる第1保留記憶数記憶数カウンタ領域と、第1特別図柄の保留記憶データ(前述した前述のランダム1〜ランダム4等の乱数値)を記憶する4つの乱数値保存領域とを含む。4つの乱数値保存領域は、最も古い始動入賞により抽出された大当り判定用乱数等の乱数値を記憶する乱数値の保存領域(1)、その次に古い始動入賞により抽出された乱数値を記憶する乱数値の保存領域(2)、その次に古い始動入賞により抽出された乱数値を記憶する乱数値の保存領域(3)、および、最も新しい始動入賞により抽出された乱数値を記憶する乱数値の保存領域(4)により構成される。第1特別図柄の変動表示が行なわれるときには、乱数値の保存領域(1)の記憶データが変動表示のために読出されるとともに消去され、その他の乱数値保存領域に記憶されていたデータは、1つずつ領域間でシフトされる。これにより、乱数値の保存領域(1)〜乱数値の保存領域(4)には、常に始動入賞が発生した順番でデータが記憶される。
図20の(b)を参照して、第2保留記憶領域は、一連の連続したアドレスに設けられており、第2保留記憶数カウンタとして設けられる第2保留記憶数記憶数カウンタ領域と、保留記憶データ(前述した前述のランダム1〜ランダム4等の乱数値)を記憶する4つの乱数値の保存領域とを含む。第2保留記憶領域の機能は、前述した第1保留記憶領域の機能を第2特別図柄の保留記憶に置換えたものであるので、重複した説明は繰返さない。
このような第1保留記憶領域における第1保留記憶数記憶数カウンタ領域のカウンタのアドレスおよび保存領域のアドレスは、後述するように各種制御処理においてポインタ等により特定される。
このように、第1特別図柄の保留記憶に関する情報と、第2特別図柄の保留記憶に関する情報とは、別個の記憶領域に記憶される。第1保留記憶領域と第2保留記憶領域との間では、アドレスが連続していなくてもよく、アドレスが連続していてもよい。また、合算保留記憶数を記憶する領域は、別の記憶領域に設けられている。なお、合算保留記憶数を記憶する領域は、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域と隣接したアドレスに設けられてもよい。また、第1保留記憶数カウンタ領域および第2保留記憶数カウンタ領域のそれぞれは、保留記憶バッファの領域として用いられてもよい。また、第1保留記憶数カウンタ領域および第2保留記憶数カウンタ領域のそれぞれは、保留記憶バッファとは離れたアドレスに設けられてもよい。
S116では、第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタとのうち、ポインタが示す保留記憶数カウンタの値(保留記憶数)が上限値である4になっているか否かを確認する。ポインタが示す保留記憶数カウンタの値が4になっている場合には、処理を終了する。一方、ポインタが示す保留記憶数カウンタの値が4になっていない場合には、ポインタが示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(S117)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S118)。
なお、図19の始動口スイッチ通過処理においては、S110において第1始動口スイッチ13aがオン状態になっているときに、第1始動入賞に関する一連の処理のみを行なう例を示した。しかし、これに限らず、S110において第1始動口スイッチ13aがオン状態になっているときに、第1始動入賞に関する処理のみを行なった後、S128からS113に進み、S113において第2始動口スイッチ14aがオン状態になっているときに、第2始動入賞に関する一連の処理を行なうようにしてもよい。このような処理を行なえば、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとが同時にオン状態になったときに、同じ割込み処理内で第1始動入賞および第2始動入賞に関して、ソフトウェア乱数値の抽出等の始動入賞に関する一連の処理を行なうことができるので、第1始動入賞に関する一連の処理に対して、第2始動入賞に関する一連の処理が1割込み分だけずれて実行されることを防ぐことができ、その結果として、1割込み内という正確なタイミングで乱数値を抽出することができる。
また、前述の始動口スイッチ通過処理では、S110において第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていないと判断されたときにおいて、S113により第2始動口スイッチ14aがオン状態になっているか否かを判断し、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていると判断したときに、第2始動入賞に関する一連の処理を行なう例を示した。しかし、これに限らず、図18の特別図柄プロセス処理に示すように、始動口スイッチ通過処理は、S311により第1始動入賞または第2始動入賞が発生していると判断されたとき実行されるので、S110において第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていないと判断されたときにおいては、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっているものと見なし、第2始動入賞に関する一連の処理を行なうようにしてもよい。
図21は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図21に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数カウンタのカウント値に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。この丸印の数により合算保留記憶数が示される。図中では、最も左下の丸印が最も古い始動入賞に対応する表示であって次回の変動表示に用いられる保留記憶を示しており、最も右上の丸印が最も新しい始動入賞に対応する表示である。保留記憶に基づく変動表示が実行されるときには、その変動表示に用いられる保留記憶を示す最も左下の丸印が消去されることにより、保留記憶が変動表示に用いられたことが示される。このような合算保留記憶表示部18cの表示状態は、後述する図52に示す保留記憶表示制御処理により制御される。
さらに、S122において、CPU56は、ソフトウェア乱数(前述のランダム1〜ランダム4等の乱数を生成するためのカウンタの値等)を抽出する。そして、前述の第1検出フラグがセットされているか否かを判断する(S123)。第1検出フラグがセットされているときには、第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていることに応じて、抽出した乱数値をRAM55の記憶領域に設けられた第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける乱数値の保存領域に格納するために、その保存領域のアドレスをポインタにセットし(S124)、後述するS126に進む。一方、第1検出フラグがセットされていないとき、すなわち、第2検出フラグがセットされているときには、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていることに応じて、抽出した乱数値を、RAM55の記憶領域に設けられた第2保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける乱数値の保存領域に保存(格納)するために、その保存領域のアドレスをポインタにセットし(S125)、後述するS126に進む。各保留記憶バッファにおける保存領域は、対応する保留記憶数(第1保留記憶数、第2保留記憶数)の上限値と同数確保されている。
S126では、第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける乱数値の保存領域と第2保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける乱数値の保存領域とのうち、ポインタが示す保存領域に、抽出した乱数値を保存する。具体的に、S126では、ランダム1〜4(図6参照)の値が保存領域に保存される。そして、前述の第1検出フラグがセットされているか否かを判断する(S127)。第1検出フラグがセットされているときには、第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていることに応じて、第1始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットし(S128)、処理を終了する。一方、第1検出フラグがセットされていないとき、すなわち、第2検出フラグがセットされているときには、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていることに応じて、第2始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットし(S129)、処理を終了する。
前述した始動口スイッチ通過処理においては、S122により抽出した乱数値を、S123によりどちらの始動口スイッチがオン状態になっているかを判断して、S124またはS125により保存領域のアドレスを特定し、第1保留記憶数に応じた保存領域または第2保留記憶数に応じた保存領域に保存する例を示した。しかし、これに限らず、S123等のような判断を行なわず、次のような処理を行なうようにしてもよい。RAM55において、合算保留記憶数を記憶する領域と、第1保留記憶数を記憶する領域と、第1保留記憶数の1〜4の各保留記憶数に対応する乱数値を保存する領域と、第2保留記憶数を記憶する領域と、第2保留記憶数の1〜4の各保留記憶数に対応する乱数値を保存する領域とを連続したアドレス領域に設ける。つまり、前述した合算保留記憶数を記憶する領域から第2保留記憶数の4の各保留記憶数に対応する乱数値までを記憶する領域が一連の連続したアドレスの領域に設けられるものとし、アドレスを加算更新していくことにより、合算保留記憶数を記憶する領域から第2保留記憶数の4の各保留記憶数に対応する乱数値までを記憶する領域が指定できるものとする。なお、合算保留記憶数を記憶する領域は、連続したアドレスの領域に設けなくてもよい。始動口スイッチがオン状態となったときには、第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらであるかを判断し、第1始動入賞であるときには第1保留記憶数を記憶する領域のアドレスにポインタをセットし、一方、第2始動入賞であるときには、第2保留記憶数を記憶する領域のアドレスにポインタをセットする。そして、ポインタが示すアドレスの領域に記憶された保留記憶数を「1」加算更新する。そして、ポインタが示すアドレスを、加算更新後の保留記憶数が示す保留記憶数分だけ更新(加算更新)し(実際の加算更新値(オフセット値)は、乱数値数(大当り判定用乱数値、はずれ図柄決定用乱数値、大当り図柄決定用乱数値)×保留記憶数となる)、加算更新後の保留記憶数が示す保留記憶数に対応する乱数値を記憶する領域(たとえば、第1保留記憶数について、加算更新後の保留記憶数が「3」のときには、その保留記憶数に対応する乱数値を記憶する領域として保留記憶数3に対応する乱数値を記憶する領域)のアドレスがポインタに示されるようにする。そして、そのポインタが示すアドレスに、抽出した乱数値を保存する。このようにすれば、始動口スイッチがオン状態になるごとに、保存領域のアドレスを加算するだけで保存するアドレスが得られるので、前述のS123等のような判断を行なう必要がなくなる。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを対象とする処理ルーチンに関し、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで個別に用いられる処理ルーチン(S53〜S58)と、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示で共通に用いられる処理ルーチン(S60〜S70b)とを含んでいる。
特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、デモ表示処理を実行する(S50)。デモ表示処理は、前述の客待ちデモ表示を実行する条件が成立したか否かを判断し、当該条件が成立したときに客待ちデモ表示を実行させるための処理である。デモ表示処理の内容については、図23を用いて後述する。そして、CPU56は、第1保留記憶数の値および第2保留記憶数の値を確認し、第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上であるか否かを判断する(S51)。具体的にS51では、第1保留記憶数カウンタのカウント値により第1保留記憶数の値を確認し、第2保留記憶数カウンタのカウント値により第2保留記憶数の値を確認する。また、S51では、合算保留記憶数カウンタの値が0か否かを確認することにより、第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上であるか否かを判断するようにしてもよい。
第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上ではないと判断したときは、処理を終了する。一方、第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上であると判断したときに、CPU56は、第2保留記憶数カウンタのカウント値により第2保留記憶数があるか否か、すなわち、第2保留記憶数が1以上であるかどうかを確認する(S52)。S52で第2保留記憶数があると判断したときは、第1保留記憶に基づく変動表示を実行させるためのS53〜S55の処理を行なう。一方、第2保留記憶数がないと判断したときは、第2保留記憶に基づく変動表示を実行させるためのS56〜S58の処理を行なう。
S53に進んだ場合は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S54)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、第1特別図柄による変動表示が行なわれていることを示すフラグである第1変動中フラグをセットし(S55)、後述するS60に進む。
一方、S56に進んだ場合は、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S57)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、第2特別図柄による変動表示が行なわれていることを示すフラグである第2変動中フラグをセットし(S58)、S60に進む。S60では、合算保留記憶数カウンタの値を−1する(S60)。
このように、S53〜S55の処理によって、第1始動入賞に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。また、S56〜S58の処理によって、第2始動入賞に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。S52において、第2保留記憶数があるときには、第1保留記憶数がある否かを問わずS56に進むことにより、第2保留記憶に基づく変動表示の方が、第1保留記憶に基づく変動表示よりも優先的に行なわれる。高ベース状態により第2始動入賞口14の入賞率が高くなったときには、第2始動入賞の方の保留記憶数が上限値を超えて無効となりやすいが、このように第2始動入賞の方を優先して変動表示が開始される制御が行なわれると、そのような状況において、保留記憶数を消化しやすくなり、無効な始動入賞の発生を低減することができる。
次に、CPU56は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通の処理ルーチンであるS61〜S68の処理により、第1特別図柄の変動表示についての大当り判定および表示結果の決定、または、第2特別図柄の変動表示についての大当り判定および表示結果の決定を行なう。
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、これから実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いられる乱数値として、前述のS53により読出されてRAM55の乱数バッファ領域に格納された複数種類の乱数値のうちの大当り判定用乱数(ランダム1)を、乱数バッファ領域から読出す(S61)。RAM55の乱数バッファ領域は、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いる乱数値を格納するために第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に用いられる領域である。したがって、S61により大当り判定用乱数を読出すことにより、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行する方の特別図柄の大当り判定用乱数が読出されることとなる。そして、大当り判定モジュールを実行する(S62)。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値と、読出した大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(S63)、S66に移行する。S63では、具体的に、CPU56は、大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄の停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数(ランダム2)を読出す(S64)。第1特別図柄および第2特別図柄のうち、これから実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いられる乱数値として、前述のS53により読出されてRAM55の乱数バッファ領域に格納された複数種類の乱数値のうちのはずれ図柄決定用乱数(ランダム2)を、乱数バッファ領域から読出す(S67)。RAM55の乱数バッファ領域は、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いる乱数値を格納するために第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に用いられる領域である。したがって、S64によりはずれ図柄決定用乱数を読出すことにより、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行する方の特別図柄のはずれ図柄決定用乱数が読出されることとなる。そして、そして、読出したはずれ図柄決定用乱数に基づいてはずれ図柄(たとえば、偶数図柄のいずれか)をランダムに決定し(S65)、後述するS69へ進む。一方、大当りとすることに決定した場合には(S63)、大当りフラグをセットする(S66)。さらに、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、これから実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いられる乱数値として、前述のS53により読出されてRAM55の乱数バッファ領域に格納された複数種類の乱数値のうちの大当り図柄決定用乱数(ランダム3)を、乱数バッファ領域から読出す(S67)。RAM55の乱数バッファ領域は、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いる乱数値を格納するために第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に用いられる領域である。したがって、S67により大当り図柄決定用乱数を読出すことにより、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行する方の特別図柄の大当り図柄決定用乱数が読出されることとなる。そして、読出した大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄(たとえば、奇数図柄のいずれか)をランダムに決定し(S68)、後述するS69へ進む。
このようなS61〜S68は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とについて、大当り判定および表示結果の決定を行なうために共通に用いられる処理ルーチンである。
S69では、CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する。そして、決定した停止図柄に基づいて、演出図柄指定コマンドを決定する(S70)。具体的に、S70では、図7に示したような大当り図柄と演出図柄指定コマンドとの関係を示すデータテーブルとしてROM54に記憶されている演出図柄指定データテーブルに基づいて、決定された大当り図柄に対応する演出図柄指定コマンドを決定する。そして、決定した演出図柄指定コマンドを示すデータをRAM55に設けられた記憶領域である演出図柄種類格納領域に格納する(S70a)。演出図柄種類格納領域には、演出図柄指定コマンドを示すデータが格納されるが、格納される演出図柄指定コマンドが、演出図柄指定データテーブルに基づいて決定された大当り図柄に対応するので、演出図柄種類格納領域は、演出図柄種類の対応するデータを格納する領域であると言える。したがって、演出図柄指定コマンドを示すデータが格納される領域が、演出図柄種類格納領域と呼ばれる。
さらに、背景指定コマンド送信要求フラグをセットする(S70b)。具体的に、S70bにおいては、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。この場合の遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新し(S70c)、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞と第2始動入賞とのうち一方、すなわち、第2始動入賞の方を常に優先して変動表示を開始する例を示した。しかし、これに限らず、第1始動入賞と第2始動入賞との保留記憶数が多い方を選択的に優先して変動表示を開始するようにしてもよい。このようにすれば、どちらか一方の保留記憶数が上限値を超えて無効となりにくいようにすることができる。また、所定条件が成立したときに普通図柄表示器10の変動表示時間を短縮する制御が行なわれる場合(この制御が行なわれるときには、前述のように一定期間中に可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が増加することにより高ベース状態となる)において、第1始動入賞と第2始動入賞とのうち可変入賞球装置15において入賞口が開閉制御される方の始動入賞である第2始動入賞を優先して変動表示を開始するようにしてもよい。このようにすれば、普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が一定であっても、普通図柄表示器10の変動表示時間を短縮する制御が行なわれているときにおいては変動表示時間が短いことに起因して一定期間中に表示結果が当りとなる頻度が増加するので、第2始動入賞の方の保留記憶数が上限値を超えて無効となりやすいが、このようなときに第2始動入賞の方を優先して変動表示が開始されると、保留記憶数を消化しやすくなり、無効な始動入賞の発生を低減することができる。
また、前述したS50の処理をなくし、S51により第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上ではないと判断したときに客待ちデモ指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、前述したS50のデモ表示処理は、第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上ではないと判断したときに実行するようにしてもよい。このようにすれば、後述する図23において、第1保留記憶数および第2保留記憶数が0であるか否かを判断するS44を実行する必要がなくなるとともに、デモ表示を行なうか否かを毎回判定しなくても済むようになるので、特別図柄通常処理における処理の実行数を減らすことができ、その結果として、遊技制御用マイクロコンピュータ560における制御の処理負担を軽減することができる。
また、前述したS62〜S69の処理は、特別図柄通常処理のルーチンとは別のサブーチンとして設け、特別図柄通常処理が実行されるときに呼出して実行するように構成してもよい。このように構成した場合には、遊技制御用のプログラムを設計するときの設計の自由度を向上させることができる。
図23は、S50のデモ表示処理を示すフローチャートである。デモ表示処理において、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされているか否か確認する(S41)。デモコマンド送信フラグは、客待ちデモ指定コマンドが送信される直前に送信される背景指定コマンドが送信された(具体的には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットした。)ことを示すフラグである。したがって、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされている場合には、デモコマンド送信フラグをリセットして(S42)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットし(S43)、処理を終了する。
デモコマンド送信フラグがセットされていない場合には、CPU56は、第1保留記憶数および第2保留記憶数がともに0であるか否か確認し(S44)、0であれば、S45に移行する。0でない場合には、監視タイマの値を0にクリアして(S49)、処理を終了する。監視タイマとは、RAM55に形成されているソフトウェアタイマであり、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態の継続時間を計測することにより、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらも実行されていない時間を計測するためのタイマである。監視タイマは、0から計数を開始し、所定時間(たとえば、30秒)に相当する値になったときにタイムアップする。なお、監視タイマの値は、特別図柄停止処理により特別図柄の変動表示が停止されるときにも、変動表示終了後において、デモ表示を実行する条件が成立したか否かを判断するために、0にクリアされる。
S45では、監視タイマの値を+1する。そして、監視タイマの値が所定値になっているか否か確認する(S46)。すなわち、監視タイマがタイムアップしているか否か確認する。監視タイマがタイムアップしていない場合には、処理を終了する。一方、監視タイマがタイムアップしている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(S47)、さらに、デモコマンド送信フラグをセットする(S48)。そして、監視タイマの値を0にクリアして(S49)、処理を終了する。なお、S47において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
以上のような制御によって、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態(第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との双方が0である状態)が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。なお、客待ちデモ指定コマンドが送信されるのは、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続したことが検出されたときだけであって、その状態がそれ以上継続しても、以後、客待ちデモ指定コマンドは送信されない。そして、再び、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。
なお、デモ表示処理が実行されるのは、特別図柄通常処理が実行されているときであり、特別図柄の変動中または大当り遊技中ではないので、特別図柄の変動中および大当り遊技中にデモ表示が実行されることはない。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを用いて客待ちデモコマンドを送信するように制御したが、合算保留記憶数カウンタの値が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらも実行されていない時間を計測することにより客待ちデモ表示の実行条件が成立したか否かを判定する例を示した。しかし、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらも実行されていない時間を計測することにより客待ちデモ表示の実行条件が成立したか否かを判定するようにしてもよい。その場合には、図22のS50を設けずに、S51で第1保留記憶数または第2保留記憶数が1以上ではないと判断されたときに(特別図柄通常処理が実行されているときには、第1特別図柄および第2特別図柄のどちらも変動表示中ではない)、客待ちデモ表示判定の開始タイミングであることを示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信させるための処理を実行する。具体的には、特別図柄の変動が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であることを条件として、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0になったときに、客待ちデモ表示判定の開始タイミングであることを示す演出制御コマンドを送信する制御を行なう。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100側においては、客待ちデモ表示判定の開始タイミングであることを示す演出制御コマンドを受信したときに、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらも実行されていない時間の計測を開始し、その計測された時間が所定時間(たとえば、30秒間)となったときに、客待ちデモ表示を実行することを決定し、客待ちデモ表示を開始するようにしてもよい。
図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを対象とする処理ルーチンに関し、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いられる処理ルーチン(S71〜S79)を含んでいる。なお、変動パターン設定処理は、すべてのステップが第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いられる処理ルーチンであってもよく、一部のステップがそのような共通に用いられる処理ルーチンであってよい。
変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通の処理ルーチンであるS71〜S74の処理により、第1特別図柄の変動表示についての変動パターンの選択決定、または、第2特別図柄の変動表示についての変動パターンの選択決定を行なう。
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、これから実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いられる乱数値として、前述のS53により読出されてRAM55の乱数バッファ領域に格納された複数種類の乱数値のうちの変動パターン決定用乱数(ランダム4)を、乱数バッファ領域から読出す(S71)。RAM55の乱数バッファ領域は、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いる乱数値を格納するために第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に用いられる領域である。したがって、S71により変動パターン決定用乱数を読出すことにより、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行する方の特別図柄の変動パターン決定用乱数が読出されることとなる。そして、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(たとえば、3以上)であるか否かを判断する(S72)。S72の判断において、たとえば3以上か否か判断するのは、S60の処理で既に合算保留記憶数カウンタの値が−1されているからである。つまり、合算保留記憶数カウンタの値が4未満であるときに開始される変動表示について第1変動パターンテーブルを使用し、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるときに開始される変動表示について第2変動パターンテーブルを使用したいからである。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であれば(S72)、図8(a)の第1変動パターンテーブルから変動パターン決定用乱数の値に基づいて変動パターンを選択し(S73)、後述するS75に進む。第1変動パターンテーブルでは、図8(a)に示すように、変動パターン#1〜#4を示すデータが判定値に対応して設定されている。S74において、大当りフラグがセットされている場合には、非短縮変動パターンテーブルから変動パターン#1を選択しない。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であれば(S72)、図8(b)の第2変動パターンテーブルから変動パターン決定用乱数の値に基づいて変動パターンを選択し(S74)、後述するS75に進む。第2変動パターンテーブルでは、図8(b)に示すように、変動パターン#5〜#8を示すデータが判定値に対応して設定されている。S74では、大当りフラグがセットされている場合には、短縮変動パターンテーブルから変動パターン#5を選択しない。
このようなS71〜S74は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とについて、変動パターンの選択決定を行なうために共通に用いられる処理ルーチンである。
S75において、CPU56は、決定した変動パターンを示すデータをRAM55に設けられた変動パターン記憶領域に記憶する。そして、変動パターンコマンド送信要求フラグをセットする(S76)。
なお、大当りとすることに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(大当り時短縮変動パターンテーブルおよび大当り時非短縮変動パターンテーブル)と、大当りとしないことに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(はずれ時短縮変動パターンテーブルおよびはずれ時非短縮変動パターンテーブル)とを別にして、CPU56は、大当りとすることに決定しているか否かによって、異なるテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、高ベース状態であるときに使用する変動パターンテーブル(高ベース時第1変動パターンテーブルおよび高ベース時第2変動パターンテーブル)と、低ベース状態であるときに使用する変動パターンテーブル(低ベース時第1変動パターンテーブルおよび低ベース時第2変動パターンテーブル)とを別にして設け、CPU56が、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断し、その判断に基づいて、これら異なるテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。その場合においては、たとえば、高ベース時の方が低ベース時よりも短縮変動パターンが選択されやすいようにテーブルのデータを設定しておく。
次に、CPU56は、図22のS55によりセットされる第1変動中フラグまたはS58によりセットされる第2変動中フラグのどちらがセットされているか確認し、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、変動中フラグがセットされている方の特別図柄の変動を開始する(S77)。S77では、たとえば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。開始フラグとしては、第1特別図柄の変動表示を開始させるときにセットする第1開始フラグと、第2特別図柄の変動表示を開始させるときにセットする第2開始フラグとを含む。開始フラグは、第1変動中フラグがセットされているときには第1開始フラグがセットされ、第2変動中フラグがセットされているときには第2開始フラグがセットされる。これにより、前述のS33では、第1開始フラグがセットされているときには第1特別図柄の変動表示を開始させるための特別図柄表示制御データを設定し、第2開始フラグがセットされているときには第2特別図柄の変動表示を開始させるための特別図柄表示制御データを設定する。このように、S77では、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、変動表示を開始させる特別図柄について、S33において、変動表示を開始させるための表示制御データを設定することができるように、開始フラグをセットするのである。なお、第1特別図柄についてはS55で第1変動中フラグがセットされたときに変動表示を開始させるようにしてもよく、第2特別図柄についてはS58で第2変動中フラグがセットされたときに変動表示を開始させるようにしてもよい。そのようにする場合には、次に示すように、後述するような終了フラグを用いないで済むようにできる。たとえば、第1特別図柄の変動表示の終了時において、第1終了フラグをセットする代わりに第1変動中フラグをリセットすることにより、第1特別図柄の変動表示が終了したことを示せばよい。また、第2特別図柄の変動表示の終了時において、第2終了フラグをセットする代わりに第2変動中フラグをリセットすることにより、第2特別図柄の変動表示が終了したことを示せばよい。これにより、終了フラグのセット状態を変動中フラグのリセット状態により代用することができ、終了フラグのリセット状態を変動中フラグのセット状態により代用することができる。このようにすれば、制御に用いるフラグの数を削減することができる。
次に、RAM55に形成されている変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値を設定する(S78)。このような変動時間タイマは、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とについて共通に使用するように設けられたタイマであり、RAM55における所定の記憶領域を用いて計数(この実施の形態ではダウンカウント)を行なうことにより時間を計測する計時手段である。第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とについては、RAM55における共通の記憶領域において変動時間タイマのデータが記憶されることとなる。次に、前述したS70により決定され、S70aにより格納された演出図柄指定コマンドを送信するために、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットする(S79)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を保留記憶数送信処理(S302)に対応した値に更新し(S80)、処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理における保留記憶数送信処理(S302)を示すフローチャートである。保留記憶数送信処理において、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをセットする(S409)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S410)。
図26は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)の処理を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S421)、変動時間タイマがタイムアップしたら(S422)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S423)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)の処理を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、たとえばS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄(表示結果)を導出表示する制御を行なう(S131)。終了フラグとしては、第1特別図柄の変動表示を終了させるときにセットする第1終了フラグと、第2特別図柄の変動表示を終了させるときにセットする第2終了フラグとを含む。終了フラグは、第1変動中フラグがセットされているときには第1終了フラグがセットされ、第2変動中フラグがセットされているときには第2終了フラグがセットされる。特別図柄表示制御処理では、このような終了フラグがセットされていることを確認すると、変動表示中の特別図柄の変動を終了させるための処理が行なわれる。なお、終了フラグは、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのそれぞれについて、第1終了フラグと第2終了フラグとに分けて用いずに、1つの終了フラグを共通使用するようにしてもよい。また、図柄確定指定コマンド送信要求フラグをセットする(S132)。そして、第1変動中フラグまたは第2変動中フラグのうちセットされている変動中フラグをリセットする(S133)。
さらに、大当りフラグがセットされていたら(S134)、大当り開始指定コマンド送信要求フラグをセットする(S135)。S135では、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、大当り開始2指定コマンド送信要求フラグをセットし、突然確変大当りとすることに決定されていない場合には、大当り開始1指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(15R大当りが発生したことをたとえば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S136)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(S305)に対応した値に更新する(S137)。なお、大当り表示処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマがタイムアップしたら、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S306)に対応した値に更新する。なお、大入賞口開放中処理の実行時間を設定するタイマは、大入賞口開放前処理(S306)においてセットすることを前述したが、大当りフラグがセットされているときには、大当り表示処理の実行時間および大入賞口開放中処理の実行時間の合計時間を設定するタイマを、この特別図柄停止処理において設定し、そのタイマを用いて時間管理をすることにより、大当り表示処理および大入賞口開放中処理を実行してもよい。その場合においては、このような時間を管理するタイマとして、前述したような変動時間タイマとして用いるプロセスタイマを使用すればよい。
ここで、大当り遊技中の遊技状態を低確率低ベース状態に制御する場合には、大当り遊技が開始される前(たとえば、S137の処理を実行する前)に、高ベース状態フラグをリセットしたり、確変フラグをリセットしたりするように制御してもよい。そのように制御すれば、高ベース状態および高確率状態において可変入賞球装置15の開放回数が増やされたり開放時間が延長されたりする場合に、大当り遊技中に出玉率が極端に高くなってしまうことが防止される。なお、そのように制御する場合には、S143,S144の処理(図28参照)で、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄6指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをセットする。また、大当り遊技が開始される前に、常に、高ベース状態フラグや確変フラグをリセットするように制御してもよい。また、確変フラグがセットされたときに確変状態に制御するとともに時短状態に制御するパチンコ遊技機では、大当り遊技が開始される前に、確変フラグをリセットすることにより、大当り遊技中の遊技状態を低確率低ベース状態に制御すればよい。
一方、大当りフラグがセットされていない場合には(S134)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S138)。
図28は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S308)の処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当りフラグをリセットし(S141)、大当り終了指定コマンド送信要求フラグをセットする(S142)。そして、変動開始時に、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、または、演出図柄6指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセット状態にする(S143,S144、図10参照)。ここで、セット状態にするとは、リセット状態からセット状態とすること、および、セット状態を維持することによりセット状態にすることの両方を含み、以下に示す確変フラグについても同様である。なお、高ベース状態フラグがセットされていないときには、遊技状態は低ベース状態である。また、どの演出図柄指定コマンドを送信したのかは、演出図柄種類格納領域に格納されているデータで判別される。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをリセット状態にする(S145,S146)。ここで、リセット状態にするとは、セット状態からリセット状態とすること、および、リセット状態を維持することによりリセット状態にすることの両方を含み、以下に示す確変フラグについても同様である。
さらに、CPU56は、変動開始時に、演出図柄3指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、または、演出図柄6指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグをセット状態にする(S147,S148)。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄4指定コマンドを送信していたら、確変フラグをリセット状態にする(S149,S150)。確変フラグがリセット状態にされているときには、遊技状態は低確率状態である。
その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S151)。
なお、CPU56は、遊技状態が低確高ベース状態であるときには、表示結果がはずれとなる変動表示の開始時に所定のカウンタの値を+1し、そのカウンタのカウント値が所定値(たとえば、100)になったら、高ベース状態フラグをリセットして、遊技状態を低確低ベース状態に移行させるようにしてもよい。そのように制御する場合には、高ベース終了・低確指定の演出図柄コマンド(図10では図示せず)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信すればよい。また、そのように制御する場合には、次の変動表示開始時に、低ベース状態背景指定コマンドを送信してもよく、また、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動表示回数をカウントして独自に背景モードを切替えてもよい。
なお、図28の大当り終了処理においては、S145,S146およびS149,S150に示すように、高ベース状態フラグおよび確変フラグのそれぞれについて、フラグをリセット状態する条件が成立したときに、大当り終了処理においてフラグをリセット状態にする例を説明した。しかし、これに限らず、図27に示す特別図柄停止処理においてS145,S146およびS149,S150と同様の処理を実行することにより、高ベース状態フラグおよび確変フラグのそれぞれについて、特別図柄停止処理において、これらフラグをリセット状態する条件が成立したか否かを判断し、当該フラグをリセット状態する条件が成立したかと判断したときに、特別図柄停止処理においてフラグをリセット状態にするようにしてもよい。
また、演出図柄2指定コマンド〜演出図柄6指定コマンドのそれぞれにより大当りの種類が特定可能であることにより、S143〜S150においては、これら演出図柄指定コマンドのうちどのコマンドを送信したかを判断することに基づいて、大当り遊技状態後の大当り確率の状態およびベースの状態を判断し、確変フラグおよび高ベース状態フラグのそれぞれを設定(セットまたはリセット)する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、特別図柄通常処理において大当り図柄を決定したときに、大当り図柄の種類に応じて、大当りの種類を示すデータを記憶しておき、そのデータに基づいて、大当り終了処理において、大当り遊技状態後の大当り確率の状態およびベースの状態を判断し、確変フラグおよび高ベース状態フラグのそれぞれを設定(セットまたはリセット)するようにしてもよい。特別図柄の種類に基づいて、大当り終了処理において、大当り遊技状態後の大当り確率の状態およびベースの状態を判断し、確変フラグおよび高ベース状態フラグのそれぞれを設定(セットまたはリセット)するようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(S28)について説明する。図29は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(S211)、ゲートスイッチ通過処理(S212)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてS200〜S203に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(S212):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行なう。
普通図柄通常処理(S200):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(たとえば普通図柄プロセスフラグの値がS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことに基づく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S201)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(S201):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S202)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(S202):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S203)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(S203):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行なう(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図30は、普通図柄通常処理(S200)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(S221)。ゲート通過記憶数が0であれば(S221のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(S221のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S222)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S223)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読出し(S224)、読出した乱数値に基づいて当りとするかはずれとするかを決定する(S225)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。たとえば、高ベース状態フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(S226)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(S227)。なお、この実施の形態では、図33に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S201)を示す値(具体的には「1」)に更新する(S228)。
図31は、普通図柄変動処理(S201)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S231)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S231のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S235)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(S231のY)、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(S232)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(S233)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S202)を示す値(具体的には「2」)に更新する(S234)。
図32は、普通図柄停止処理(S202)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S241)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S241のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S242)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(S241のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(S225で当りと判定されたかどうか)を確認する(S243)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、たとえば、S225で当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(S243のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(S244)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(S245)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットされているかどうかによって判断する。
高ベース状態であるときは(S245のY)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図33に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S246)。一方、低ベース状態であるときは(S245のN)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図33に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S247)。図33に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、CPU56は、S246またはS247で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(S248)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行なわれる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S203)を示す値(具体的には「3」)に更新する(S249)。
S243において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(S243のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S250)。
図34は、普通電動役物作動処理(S203)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S261)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S261のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S262)。
そして、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S263)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(S264)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(S264のN)、S268の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(S264のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(S265)。そして、CPU56は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(S266)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(S266のN)、つまり8以上である場合は、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(S267)。このS267では、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)することにともなって、普通電動役物(可変入賞球装置15)を閉鎖する。このような処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(S261のY、S272参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了して可変入賞球装置15を閉鎖するようにしている。なお、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、S267により普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)するとともに、普通電動役物(可変入賞球装置15)を閉鎖した後、普通電動役物作動処理を終了させてから次回のS261を経てS272に進む処理を行なわず、S267から直接的にS272に進むようにしてもよい。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(S268)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S269)。タイムアウトしていなければ(S269のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(S269のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(S270)。そして、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(S271)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のS268〜S271の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
S261において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(S261のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S272)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図35は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S708)。また、予告決定用乱数および予告種類決定用乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する予告用乱数更新処理を実行する(S709)。その後、S702に移行する。
図36は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、コマンド受信バッファは、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10参照)であるのか解析する。
図37〜図39は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが背景指定コマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その背景指定コマンドを、RAMに形成されている背景指定コマンド格納領域に格納する(S617)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S618)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S619)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S622,S623)。また、第1図柄変動要求フラグをセットする(S624)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、S623の処理を実行せず、第1図柄変動要求フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S626)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S627,S628)。また、第2図柄変動要求フラグをセットする(S629)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、S628の処理を実行せず、第2図柄変動要求フラグをセットする(S629)。
飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)は、第1飾り図柄の変動中および第2飾り図柄の変動中にセットされている。また、飾り図柄停止要求フラグは演出図柄および飾り図柄の変動停止を要求するためのフラグであり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄停止要求フラグがセットされていたら、後述する演出制御プロセス処理(特に演出図柄変動停止処理)および飾り図柄表示制御処理(第1飾り図柄表示制御処理、第2飾り図柄表示制御処理)において、演出図柄および飾り図柄の変動を停止させる制御を行なう。
第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドは、特別図柄および飾り図柄の変動表示(変動)を開始するときに送信される演出制御コマンドである。また、この実施の形態では、変動表示が行なわれていないことを条件として新たな変動表示が開始される。したがって、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄の変動表示は行なわれていないはずであり、飾り図柄変動中フラグはセットされていないはずである。第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときに飾り図柄変動中フラグがセットされているということは、前回の変動表示について、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100において図柄確定指定コマンドが正常に受信されなかったために変動表示を終了させる制御が実行されていないことが考えられる。なお、他の要因によって変動表示を終了させる制御が実行されていないことも考えられる。何らかの要因によって変動表示を終了させる制御が実行されていない場合でも、S622,S623およびS627,S628の処理によって、確実に変動表示を終了させることができる。また、基板間でのノイズ等に起因して図柄確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に正しく伝達されなかったときには図柄の変動表示を終了させることができないため、そのときに保留記憶数が0でない場合には、保留記憶に基づいて新たな変動表示を開始すべきであるにも関わらず変動表示が開始されないことになり、遊技者に不利益がもたらされる可能性があるが、この実施の形態では、そのような可能性を低減することができる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを取りこぼしたときには、次回の変動表示の開始時に送信される変動パターン等の変動開始を指定するコマンドを受信したときに、変動表示を停止させる等、図柄確定指定コマンド以外のコマンドに基づいて変動表示を終了させる制御を行なうようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが演出図柄指定コマンドであれば(S631)、演出制御用CPU101は、その演出図柄指定コマンドを、RAMに形成されている演出図柄指定コマンド格納領域に格納する(S632)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(S635)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(S636)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S637)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(S638)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S639)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(S640)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(S654)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行ない、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行なう(S655)。低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している)には、演出表示装置9における背景色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行ない、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行なう(S656)。なお、高ベース状態モードの背景色は、たとえば、低ベース状態モードの背景色に比べて目立つ色調(たとえば、明るいとか原色が多い)である。このように、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときにおいて、演出表示装置9における背景色は、高ベース状態背景指定コマンドと低ベース状態背景指定コマンドとのどちらを受信したかに応じて、高確率状態であるか否かを区別せず、高ベース状態と低ベース状態とのどちらであるかを区別することが可能となる高ベース状態モードと低ベース状態モードとのどちらかの背景色に制御される。また、図42の変動パターンコマンド受信待ち処理において後述するように、変動表示が行なわれるときには、受信した背景指定コマンド(高ベース状態背景指定コマンド、低ベース状態背景指定コマンド)に応じて、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときと同様に、高確率状態であるか否かを区別せず、高ベース状態と低ベース状態とのどちらであるかを区別することが可能となる高ベース状態モードと低ベース状態モードとのどちらかの背景色に制御される。
また、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間は、高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを区別することが可能となる背景モードとして、受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、低確低ベースモード、高確低ベースモード、低確高ベースモード、および、高確高ベースモードのうちのいずれかに制御される。たとえば、低確低ベースモードは、演出表示装置9における背景が最も暗い色調の背景であり、高確低ベースモードは、低確低ベースよりは明るい色調の背景である。また、高確高ベースモードは、演出表示装置9における背景が最も明るい色調の背景であり、低確高ベースモードは、高確高ベースモードよりは暗いが高確低ベースモードよりは明るい色調の背景である。このように、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間は、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときおよび変動表示が実行されるときと異なり、高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを区別することが可能となる背景色となる。
このように、背景の色は、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間と、変動表示が行なわれるときと、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときとで個別に制御される。
また、演出表示装置9の表示状態はVDP109によって制御されるので、演出制御用CPU101が演出表示装置9の表示に関して「制御を行なう」とは、具体的には、演出制御用CPU101が、VDP109に対して、演出表示装置9の表示状態をそのようにすることの指令を出力することである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンドであれば(S660)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に初期画面を表示する制御を行なう(S661)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S662)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S663)。そして、停電復旧フラグをセットし(S664)、S611に戻る。
また、受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S665)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットし(S666)、S611に戻る。受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドであれば(S667)、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグをセットし(S668)、S611に戻る。
また、受信した演出制御コマンドが異常報知コマンドであれば(S669)、演出制御用CPU101は、大入賞口への入賞に関する異常が生じた旨をその旨を示すメッセージを含む画像により報知する異常入賞報知画面を演出表示装置9に表示し(S670)、S611に戻る。このような異常入賞報知画面の表示は、たとえば、30秒程度の所定期間に亘り行なわれる。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S671)。
なお、コマンド解析処理においては、S669,S670のように、異常入賞報知コマンドを1回受信したときに異常入賞報知画面を表示する制御を実行する例を示した。しかし、これに限らず、異常入賞報知コマンドを予め定められた複数回受信したときに異常入賞報知画面を表示する制御を実行するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で、前述のような異常入賞があったと複数回(たとえば5回)判定したときに、異常入賞報知コマンドを送信するように、その異常入賞報知コマンドを受信したことに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常入賞報知画面を表示するための制御を実行するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で、所定のエラー解除条件(たとえば、所定のエラー解除スイッチが操作されたこと、または、エラー発生から所定時間が経過したこと等のエラー解除条件)が成立したときに、演出制御コマンドとして異常入賞エラー解除コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、その異常入賞エラー解除コマンドを受信したときに異常入賞報知画面の表示を終了させる制御を行なうようにしてもよい。
図40は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の変動表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図40に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図40(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図40(B)参照)。
図41は、図35に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(S801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(S801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S802):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したら、演出図柄および飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S806):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図42は、図41に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ、処理を終了する。一方、変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。
また、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(S813)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行なう(S814)。また、低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している場合)には、演出表示装置9における背景の色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行なう(S815)。このように、変動表示が行なわれるときには、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときと同様に、背景の色が低ベース状態モードの背景色または高ベース状態モードの背景色に制御される。
そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(S801)に対応した値に更新する(S816)。
図43は、演出制御用マイクロコンピュータ100において予告演出を行なうか否かを選択決定するときに用いられるデータテーブルである予告決定テーブルを示す図である。予告決定テーブルは、合算保留記憶数が所定数(たとえば、4)未満であるときに用いる第1予告決定テーブルと合算保留記憶数が所定数(たとえば、4)以上であるときに用いる第2予告決定テーブルとを含む。図43においては、(a)に第1予告決定テーブルが示され、(b)に第2予告決定テーブルが示される。
図43においては、決定される予告有および予告無のそれぞれと予告決定用乱数との関係が示されている。図43の(a),(b)に示すように、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときに予告演出を実行すると決定される確率(20/100)の方が、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)未満になっているときに予告演出を実行すると決定される確率(50/100)よりも低くなるように設定されている。したがって、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときには、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)未満になっているときに対して、予告演出が実行される確率が減少させられる制御が行なわれることとなる。この実施の形態では、図44を用いて後述するように、このような予告演出が、変動表示結果が大当りとなるときに所定確率で行なわれる例を示す。しかし、これに限らず、このような予告演出は、変動表示結果が大当りとなるときに限らず、変動表示結果がはずれとなるときにも、予め定められた確率で行なわれるようにしてもよい(たとえば、所定のランダムカウンタを用いて実行するか否かを決定すればよい)。
図44は、図41に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(S801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータにもとづいて、受信した変動パターンコマンドが、変動パターン#2,#3,#4,#6,#7,#8(リーチ演出を伴う変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(ステップS821)。変動パターン#2,#3,#4,#6,#7,#8のいずれかであれば、予告決定用乱数を抽出する(ステップS822)。そして、合算保留記憶数を計数するために演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに形成されている合算保留記憶数カウンタの値が所定数(たとえば、4)以上であるか否かか否かを判断する(S823)。S823の判断において、たとえば4以上か否か判断するのは、合算保留記憶数カウンタの値が4未満であるときに開始される変動表示については第1予告決定テーブルを使用し、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるときに開始される変動表示については第2予告決定テーブルを使用したいからである。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であれば、図43(a)の第1予告決定テーブルから予告決定用乱数の値に基づいて予告演出をするか否かを判定し(S823a)、後述するS824に進む。一方、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であれば、図43(b)の第2予告決定テーブルから予告決定用乱数の値に基づいて予告演出をするか否かを判定し(S823b)、後述する824に進む。これにより、合算保留記憶数が所定値以上のときには、合算保留記憶数が所定値未満のときと比べて、予告演出をすることに決定される確率が低くなるように制御される。なお、大当りとなるか否かに基づいて変動パターンの選択方法を異ならせる制御を行なう場合において、変動パターンを選択するときに、予告演出を行なうか否かを決定するときには、たとえば、変動パターンコマンドの種類に基づいて大当りとするか否かを判別し、その判別結果に基づいて、大当りとなるときと大当りとならないときとで予告演出を行なうと決定する割合を異ならせる(たとえば、大当りとなるときに大当りとならないときよりも予告演出を行なうと決定する割合を高く設定する)ようにしてもよい。また、予告演出の種類を複数種類設け、大当りとならないときとで予告演出を行なうときの予告演出の種類の振分け割合を異ならせる(たとえば、予告演出Aと予告演出Bとのような複数種類の予告演出があるときに、大当りとなるときに大当りとならないときよりも予告演出Aを行なうと決定する割合を高く設定する等)ようにしてもよい。
S824では、予告演出を行なうことに決定したか否かが判断される。予告演出を行なうことに決定した場合には、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S825)。第1図柄変動要求フラグは、第1図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされるフラグである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動を開始するときに第1図柄変動指定コマンドを送信する。また、第2特別図柄の変動を開始するときに第2図柄変動指定コマンドを送信する。
演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、予告演出Aまたは予告演出Bを実行することに決定する(ステップS826)。具体的に、演出制御用マイクロコンピュータ100では、ROMに予告種類決定用乱数値と予告演出の種類との関係を示す予告種類選択テーブルが記憶されている。予告種類選択テーブルは、第1特別図柄の変動表示時に表示する予告演出(予告演出A、予告演出B)に関する予告種類選択テーブルである第1予告種類選択テーブルと、第2特別図柄の変動表示時に表示する予告演出(予告演出C、予告演出D)に関する予告種類選択テーブルである第2予告種類選択テーブルとを含んでいる。S826においては、予告種類決定用乱数を抽出し、第1特別図柄の変動表示時であるので、第1予告種類選択テーブルから予告種類決定用乱数の抽出値に基づいて、予告演出Aと予告演出Bとのどちらかを選択決定する。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(すなわち、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合)には、予告演出Cまたは予告演出Dを実行することに決定する(ステップS827)。具体的に、S827においては、予告種類決定用乱数を抽出し、第2特別図柄の変動表示時であるので、第2予告種類選択テーブルから予告種類決定用乱数の抽出値に基づいて、予告演出Cと予告演出Dとのどちらかを選択決定する。
予告演出A、予告演出B、予告演出Cおよび予告演出Dの演出態様はそれぞれ異なる。例えば、予告演出を開始する時期が異なっていたり、予告演出において演出表示装置9に表示されるキャラクタが異なっていたりする。演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合とで、予告演出の態様を異ならせる。つまり、演出制御用CPU101は、演出用部品としての演出表示装置9において、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄の変動表示を行なう変動表示手段(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することになる。第1特別図柄の変動表示が行なわれるときと第2特別図柄の変動表示が行なわれるときとで予告演出態様が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行われているのか等)を把握しやすくなる。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS828)。なお、前述した予告選択処理においては、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合とで、異なる種類の予告演出を選択する例を示した。しかし、これに限らず、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合とで共通の予告演出を選択するようにしてもよい。
図45は、図41に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読出す(S831)。次いで、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S832)。第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1図柄変動要求フラグをリセットし(S833)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(S834)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を設定する(S835)。その後、S841に移行する。
第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている場合に相当)には、第2図柄変動要求フラグをリセットし(S837)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(S838)。そして、飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を設定する(S839)。その後、S841に移行する。
S841では、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した演出図柄指定コマンド)に応じて演出図柄および飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S841)。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納し、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
S841において、受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド(図10参照)であれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の表示結果をはずれを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、はずれを想起させるような表示結果とは、いずれの方向のライン(3図柄の並び、図1参照)においても3つの図柄が揃った状態にならないような表示結果である。そのようにはずれを想起させるような表示結果に決定するときにおいて、前述のようなリーチとなる変動パターンを受信しているときには、変動表示中においてリーチ態様を想起させるような変動表示態様となる表示結果に決定する。リーチ態様を想起させるような表示結果とは、変動表示中において、いずれかの方向のラインにおいて、2つの図柄が揃った状態になる表示結果である。そのときに、演出制御用CPU101は、リーチ態様とするライン、リーチ態様とする表示領域の図柄の停止表示結果、および、リーチ態様としない表示領域の図柄の停止表示結果のそれぞれを、たとえば、図6を用いて説明したものと同様の乱数を用いた抽選によってランダムに決定する。一方、リーチとならない変動パターンを受信しているときには、変動表示中においてリーチ態様を想起させないような変動表示態様となる表示結果に決定する。そのときに、演出制御用CPU101は、各表示領域の図柄の停止表示結果を、たとえば、図6を用いて説明したものと同様の乱数を用いた抽選によってランダムに決定する。
S841において、受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド以外の演出図柄指定コマンド(図10参照)であれば、演出図柄の表示結果を大当りを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、大当りを想起させるような表示結果とは、いずれかの方向の1つ以上のラインにおいてすべての図柄(この例では3つの図柄)が揃った状態(大当り態様ともいう)である。そのときに、演出制御用CPU101は、大当り態様とするライン、大当り態様とする表示領域の図柄の停止表示結果、および、大当り態様としない表示領域の図柄の停止表示結果のそれぞれを、たとえば、図6を用いて説明したものと同様の乱数を用いた抽選によってランダムに決定する。ここで、演出図柄指定コマンドが高ベース状態や高確率状態を示している場合には、表示結果を、複数ラインにおいて3つの図柄が揃った大当り態様にすることが好ましい。特に、図柄指定コマンドが高確高ベース状態を示している場合には、表示結果を、さらに多くのラインにおいて3つの図柄が揃った大当り態様にすることが好ましい。
なお、この実施の形態では、変動パターンコマンドは変動パターンのみを指定する演出制御コマンドであるが、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドと、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果としないことを指定する変動パターンコマンドとを別にしてもよい。その場合、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できず、かつ、表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドを受信した場合には、演出図柄の表示結果を、大当りを想起させるような表示結果のうち低ベース状態を想起させるような表示結果(たとえば、1ラインにおいてのみ3つの図柄が揃った状態)にするように制御してもよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセスデータが設定されたプロセステーブルを選択する(S842)。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せとが複数集まったデータで構成されているデータテーブルであり、図46を用いて後述する。そして、選択したプロセステーブルにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(S843)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S844)。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間を計時するタイマとしての変動タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S845)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S803)に対応した値にする(S846)。
以上のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのコマンドに基づいて、演出用部品(演出表示装置9、第1飾り図柄表示器9a、第2飾り図柄表示器9b等)で、変動表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される変動表示手段(第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することができる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄の変動表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の変動表示を開始させるとともに、第1飾り図柄表示器9aで第1飾り図柄の変動表示を開始させる。また、第2特別図柄の変動表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の変動表示を開始させるとともに、第2飾り図柄表示器9bで第2飾り図柄の変動表示を開始させる。よって、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握しやすくなる。
図46は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を変動表示させる制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データに基づく演出表示装置9の制御に同期して、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データに基づいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。すなわち、各種ランプおよびスピーカ27は、演出表示装置9の制御に同期して制御される。
図46に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、演出制御基板80におけるROMにおいては、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。すなわち、この実施の形態では、予告演出の演出態様は、選択されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに基づいて実現される。つまり、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するときに、予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルの内容にしたがって演出制御を行なう。
図47は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(S851)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、S857に移行する。
この実施の形態では、飾り図柄停止要求フラグは、飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされる(図37のS622,S623,S627,S628参照)。飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したということは、本来演出図柄および飾り図柄の変動を終了して表示結果を導出表示すべきであったのに何らかの要因(たとえば、主基板31と演出制御基板80との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを受信できなかった。)で演出図柄および飾り図柄の変動が継続してしまっていることを意味する。
そこで、飾り図柄停止要求フラグがセットされた場合には、直ちに演出図柄および飾り図柄の変動を停止させるために、S857に移行する。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S852)、変動タイマの値を1減算する(S853)。プロセスタイマがタイムアップしたら、プロセスデータの切替えを行なう(S854,S855)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する。
また、変動タイマがタイムアップしていれば(S856)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に応じた値に更新する(S857)。変動タイマがタイムアップしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S858)、S857に移行する。変動タイマがタイムアップしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄および飾り図柄の変動を終了させることができる。
図48は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(S860)。飾り図柄停止要求フラグがセットされているときは、前述したように、前回の変動表示について、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100において図柄確定指定コマンドが正常に受信されなかったため等の何らかの原因で変動表示を終了させる制御が実行されていないときであり、図37のS623によりその飾り図柄停止要求フラグがセットされている状況である。その飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、飾り図柄停止要求フラグをリセットして(S861)、飾り図柄を停止表示するために、S864に移行する。これにより、何らかの要因によって変動表示を終了させる制御が実行されていない場合でも確実に変動表示を終了させることができる等、前述したような効果を得ることができる。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S862)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S863)、飾り図柄を停止表示するために、S864に移行する。
なお、S862の判定処理で確定コマンド受信フラグがセットされていないと確認される場合は、演出制御用CPU101が計時した変動時間が経過したが図柄確定指定コマンドを受信していない場合であって図柄確定指定コマンドを受信するまで演出図柄の変動は継続するが、そのような場合に、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動態様を、揺れ変動(各演出図柄を上下や左右に細かく変動するような態様)にしたり、演出図柄を拡大表示と縮小表示との繰り返しにしたりすることによって、変動時間は経過したがまだ確定していないことを認識可能に表示することが好ましい。
S864では、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)にしたがって停止図柄を導出表示する制御を行なう。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(S865)。そして、大当りとする場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S805)に応じた値に更新し(S866,867)。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S868)。
以上の制御によって、演出制御用CPU101は、図柄確定指定コマンドが受信されていないと認識している状態で、飾り図柄停止要求フラグがセットされたら、図柄確定指定コマンドの受信/非受信に関わらず、演出図柄の変動表示(変動)を終了させ、飾り図柄変動終了フラグをセットする。後述するように、飾り図柄変動終了フラグがセットされた場合には、飾り図柄の変動表示(変動)は強制的に終了される。
図49は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示すファンファーレフラグがセットされているか否か確認する(S870)。ファンファーレフラグがセットされていた場合には、ファンファーレフラグをリセットし(S871)、演出表示装置9に大当り遊技開始画面を表示する制御を行なう(S872)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S806)に応じた値に更新する(S873)。
なお、突然確変大当りにすることに決定されている場合には遊技制御用マイクロコンピュータ560は大当り開始2指定コマンドを送信するが、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信した場合には、突然確変大当りであることを報知する突然確変用画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう。
図50は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S875)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(S876)、演出表示装置9に大当り終了画面を表示する制御を行なう(S877)。
そして、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータにしたがって、演出表示装置9の背景画面を切替える制御を行なう(S878)。この場合における背景モードは、低確低ベースモード、高確低ベースモード、高確高ベースモード、または、低確高ベースモードである。演出制御用CPU101は、受信している演出図柄指定コマンド格納領域に保存されているデータに基づいて、いずれの背景モードにするのかを決定する。たとえば、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄5指定コマンド(図10参照)が格納されている場合には、高確高ベースモードにする。なお、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄指定コマンドが格納されていないとき(演出図柄指定コマンドが1回も送信されていないとき)には、背景モードは低確低ベースモードにされている。なお、この実施の形態においては、背景画像を変更する制御を、前述したように、背景指定コマンドに加えて、演出図柄指定コマンドを用いて行なうようにした。しかし、これに限らず、背景画像を変更する制御は、専ら、背景指定コマンドを用いて行なうようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できなかった場合には、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータ(前回の変動開始時に受信した演出表示指定コマンド)にしたがって、演出表示装置9の背景画面の制御が行なわれる。しかし、変動パターンコマンドを受信したときに、演出表示指定コマンド格納領域の内容を初期化する(演出図柄指定コマンドが格納されていない状態にする。)ように制御してもよい。
また、図50に例示する制御では、大当り終了画面は短時間しか表示されないことになるが、実際には、所定期間、大当り終了処理を実行する状態に維持される。その間、大当り終了画面の表示は継続される。
図51は、演出制御メイン処理における第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(S881)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、S885に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S882)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(S883)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(S884)。
S885では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグは、S865(図48参照)でセットされている。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(S886)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータにしたがって第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(S891)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(S892)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(S887)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(S888)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切替え(S889)、飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を再設定する(S890)。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDがたとえば0.5秒ごとに切替えられ、第1飾り図柄の変動表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(S707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
また、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とは、前述した特別図柄プロセス処理において第1特別図柄の変動表示に関する処理と第2特別図柄の変動表示に関する処理とで実行する処理を共通化した場合のように、1つの飾り図柄表示制御処理として処理を共通化するようにしてもよい。そのような共通化した飾り図柄表示制御処理においては、第1飾り図柄と第2飾り図柄とのどちらを対象として飾り図柄の表示に関する処理を実行するかを区別しながら共通化した処理を実行すればよい。たとえば、図19に示した第1検出フラグおよび第2検出フラグ、図22に示した第1変動中フラグおよび第2変動中フラグのようなフラグを用いて、第1始動入賞と第2始動入賞とを区別することにより、第1飾り図柄と第2飾り図柄とのどちらを対象として飾り図柄の表示に関する処理を実行するかを区別し、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bを構成するLEDのうち、対応するLEDに駆動信号を出力することにより、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動表示を行なうようにしてもよい。このように、飾り図柄表示制御処理を共通化すれば、変動表示を実行するために必要となる処理ルーチン数を削減することができ、そのような変動表示を実行するために必要となるプログラム容量(プログラムを構成するデータのデータ量)を削減することができる。
図52は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに形成されている合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(S901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、S907に移行する。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。なお、電源投入時には、S701の初期化処理によって、合算保留記憶数カウンタの値は0になっている。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっている場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンドを受信したことを示す停電復旧フラグがセットされているか否か確認する(S902)。停電復旧フラグがセットされている場合には、停電復旧フラグをリセットし(S903)、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の丸印を、合算保留記憶表示部18cに表示させる(S904)。すなわち、合算保留記憶数保存領域に保存されている個数の丸印の画像を表示させる。
そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットし(S906)、処理を終了する。
一方、S902で停電復旧フラグがセットされていないと判断したとき、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やすように制御する(S905)。そして、合算保留記憶数カウンタにセットし(S906)、処理を終了する。
S907では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。一方、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(S908)、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸印を消去し、各丸印を、消去された丸印の側にシフトして表示するように制御する(S909)。そして、合算保留記憶数カウンタの値を−1する(S910)。その後、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットし(S911)、処理を終了する。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドと、合算保留記憶数指定コマンドとを受信したときに合算保留記憶数を示す丸印を1増加させる制御が行なわれる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印を1減少させる制御が行なわれる。
また、第1実施形態では、受信した図柄変動指定コマンドに応じて変動パターンを選択するようにしたが、受信した図柄変動指定コマンドに関係なく、変動パターンコマンドを受信した場合に、常に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bで特別図柄の変動表示を開始するときに、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとのうちいずれで特別図柄の変動表示を開始するのかを特定可能な情報(第1情報とする。)が第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドで送信され、変動表示時間を特定する情報(第2情報とする。)が変動パターンコマンドで送信され、表示結果を特定可能な情報(第3情報とする。)が演出図柄指定コマンドで送信されたが、第1〜第3の情報を1つのコマンドで送信するようにしてもよい。たとえば、第1特別図柄表示器8aで特別図柄の変動表示を開始するときと、第2特別図柄表示器8bで特別図柄の変動表示を開始するときとで、別々のコマンド群から、送信するコマンドを選択するようにする。それぞれのコマンド群に、変動パターンに応じたコマンドを設定する。さらに、コマンド群において、変動パターンが同じでも、表示結果の別に応じて、異なるコマンドを設定する。たとえば、大当りとするか否かの別に応じて異なるコマンドを設定してもよく、大当りとするときに確変大当りとするか否かの別に応じて異なるコマンドを設定してもよい。また、演出図柄指定コマンドを送信せずに、図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)と、変動パターンコマンドとを送信することにより変動表示を実行させるようにしてもよい。
また、第1実施形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、第1実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。また、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載した構成においては、前述したような予告演出を行なうか否かを当該マイクロコンピュータにより選択決定し、その予告演出をすることを決定したときに、予告演出の内容を特定可能なコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、そのコマンドに応じて演出制御用マイクロコンピュータ100が予告演出を実行するようにしてもよい。なお、予告演出の内容を特定可能なコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するときには、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドとして2バイトの80H00Hというコマンドを受信したときに、予告を実行するときは87H00Hというコマンドを送信し、予告を実行しないときは80H00Hのコマンドを送信する等、変動パターンコマンド等のその他の送信するコマンドのデータの一部を変更することにより送信するようにしてもよい。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄変動指定コマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される変動表示手段(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの変動表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行われているのか等)を把握させやすくすることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄変動指定コマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される変動表示手段(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)に対応した変動態様による変動表示演出を実行するように構成されているので、2つの変動表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行われているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
なお、第1実施形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
また、前述の実施の形態では、異常入賞の判定タイミング(特別図柄プロセスフラグの値が6以上)のときに1個の遊技球が大入賞口に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定していたが、このような構成に限られず、異常入賞の判定タイミングのときに予め定められた複数個の遊技球が大入賞口に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。このようにすれば、複数個の遊技球が異常入賞したしたことに基づいて異常な入賞かどうかを判定することができるので、異常入賞の判定を確実に行なうことができる。
また、前述の実施の形態では、異常入賞の判定タイミング(可変入賞球装置15が開放していないプロセスを示すとき)に1個の遊技球が第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定する制御を行なうようにしてもよい旨を説明した。しかし、このような構成に限られず、異常入賞の判定タイミングのときに予め定められた複数個の遊技球が第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。このようにすれば、複数個の遊技球が異常入賞したしたことに基づいて異常な入賞かどうかを判定することができるので、異常入賞の判定を確実に行なうことができる。
また、前述の異常入賞処理では、異常入賞が生じたと判定されても、異常入賞に対応する処理(たとえば、S194,S195)を行なった後、処理を終了(リターン)して次の処理(判定用乱数更新処理)に進む例を示した。しかし、これに限らず、前述の異常入賞処理(第2始動入賞口14の異常を判定する処理を行なう場合も含む)においては、異常入賞が生じたと判定されたときに、所定時間が経過するまで異常入賞処理を終了させずにループさせ、当該所定時間が経過したときに、処理を終了して次の処理(判定用乱数更新処理)に進むようにしてもよい。このようにすれば、前述のような異常入賞が発生したときに、異常入賞報知の実行および遊技球の払出禁止等の異常入賞に対応する処理を確実に実行させることができる。
従来技術としての特許文献1(特開20007−322号公報)では、2つの変動表示手段を用いて変動表示をするときに、その合算保留記憶数に基づいて変動時間を短縮する制御が行なわれる。変動表示中にリーチとなるときには、派手な演出を行なう等、変動表示時間が標準的な時間よりも長い変動パターンとして選択されるのが一般的である。したがって、前述のように変動時間を短縮する制御を行なうときであっても、リーチとなる変動表示が選択されると、必然的に変動表示時間が長くなる。これにより、リーチとなると、そのような状態で生じるリーチに対して遊技者が特定の表示結果となることを期待して表示結果が導出表示されるまで遊技球の発射を止めて遊技を休止してしまう状況となる傾向が強い。したがって、このような場合には、遊技機の稼働率が低下してしまうという問題があった。これに対し、本実施形態のように合算記憶数が所定数以上のときに、合計数が所定数未満であるときに比べて低い確率で、リーチとなる変動パターンが選択される制御を行なうと、リーチとなる確率が低下するので、リーチに対して遊技者が特定の表示結果となることを期待して表示結果が導出表示されるまで遊技を休止してしまう状況となるのを抑制することができ、遊技者による遊技を促進させて遊技機の稼働率を向上させることができる。また、このような制御を行なうときには、リーチとなる確率が低下することにより、比較的変動表示時間が短い変動パターンが選択されるので、保留記憶数の消化効率を高めることができ、遊技機の稼動効率を飛躍的に向上させることができる。また、合算記憶数が所定数以上のときに選択されるリーチとなる変動パターンは、合計数が所定数未満であるときに選択されるリーチとなる変動パターンと比べて変動時間が短いため、保留記憶数の消化効率をより一層高めることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、特別図柄通常処理において一部の処理ルーチンを第1特別図柄用の処理ルーチンと第2特別図柄用の処理ルーチンとに分けて設けた例を説明する。第2実施形態においては、前述した第1実施形態と異なる部分を主に説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、特別図柄通常処理である。
図53は、第2実施形態による特別図柄通常処理を示すフローチャートである。第2実施形態による特別図柄通常処理では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とについて、共通に用いられる処理ルーチンを用いて大当り判定および表示結果の決定を行なうその他の例を説明する。第2実施形態による特別図柄通常処理が第1実施形態による特別図柄通常処理と異なるのは、図22に示すS53〜S69の代わりに、S52aおよびS52bが設けられたことである。
図53の特別図柄通常処理においては、S50〜S52により、図22に示すS50〜S52と同様の処理が行なわれる。そして、S52で第2保留記憶数がないと判断したときは、S52aにより第1特別図柄に関する大当り判定等の判定処理を行なう第1判定処理を実行した後、S70に進む。一方、S52で第2保留記憶数があると判断したときは、S52bにより第2特別図柄に関する大当り判定等の判定処理を実行した後、S70に進む。そして、S70〜S70cにより、図22に示すS70〜S70cと同様の処理が行なわれる。
図54は、S52aによる第1判定処理を示すフローチャートである。第1判定処理において、CPU56は、まず、図22のS53と同様の処理により、各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S53a)。そして、図22のS54と同様の処理により、各保存領域の内容をシフトする(S54a)。次に、図22のS55と同様の処理により、第1変動中フラグをセットする(S55a)。次に、図22のS60と同様の処理により、合算保留記憶数カウンタの値を−1する(S60a)。
次に、第1特別図柄を、大当り判定等の判定の処理を行なうときの処理対象図柄として指定する(S60c)。具体的に、S60cにおいては、処理対象図柄が第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらであるかを示す処理対象図柄指定フラグを設けておき、そのフラグをセット状態またはリセット状態にすることにより、処理対象図柄を指定する。
次に、大当りの判定および図柄の判定(決定)を行なうためのサブルーチン処理である大当り・図柄判定処理を実行する(S610)。この大当り・図柄判定処理は、第2判定処理(S52b)においても共通の処理ルーチンとして使用されるものであり、図56を用いて後述する。その後、図22のS69と同様の処理により、S610により決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶し(S69a)、処理を終了する。
なお、前述したS60cの処理を行なわずに、S69aにおいて、RAM55における停止図柄記憶領域に記憶するときに、第1特別図柄であることを指定するようにしてもよい。
図55は、S52bによる第2判定処理を示すフローチャートである。第2判定処理において、CPU56は、まず、図22のS56と同様の処理により、各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S56a)。そして、図22のS57と同様の処理により、各保存領域の内容をシフトする(S57a)。次に、図22のS58と同様の処理により、第2変動中フラグをセットする(S58a)。次に、図22のS60と同様の処理により、合算保留記憶数カウンタの値を−1する(S60b)。
次に、第2特別図柄を、大当り判定等の判定の処理を行なうときの処理対象図柄として指定する(S60d)。具体的に、S60dにおいては、前述の処理対象図柄指定フラグをセット状態またはリセット状態にすることにより、処理対象図柄を指定する。
次に、第1判定処理で使用される大当り・図柄判定処理と共通の処理ルーチンである大当り・図柄判定処理を実行する(S610)。その後、図22のS69と同様の処理により、S610により決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶し(S69b)、処理を終了する。
図56は、S610による大当り・図柄判定処理を示すフローチャートである。大当り・図柄判定処理は、前述した第1判定処理と第2判定処理とで共通に用いられる処理ルーチンである。
大当り・図柄判定処理において、CPU56は、まず、図22のS61と同様の処理により、大当り判定用乱数を読出す(S611)。次に、図22のS62と同様の処理により、処理対象図柄について大当り判定モジュールを実行し大当り判定を行なう(S612)。そして、大当りとしないことに決定した場合には(S613)、CPU56は、図22のS64と同様の処理により、はずれ図柄決定用乱数を読出す(S614)。そして、図22のS65と同様の処理により、はずれ図柄決定用乱数に基づいて処理対象図柄についてはずれ図柄をランダムに決定し(S615)、処理を終了する。一方、大当りとすることに決定した場合には(S613)、CPU56は、図22のS66と同様の処理により、大当りフラグをセットする(S616)。そして、図22のS67と同様の処理により、大当り図柄決定用乱数を読出す(S617)。そして、図22のS68と同様の処理により、大当り図柄決定用乱数に基づいて処理対象図柄について大当り図柄をランダムに決定し(S618)、処理を終了する。
図53の特別図柄通常処理では、このような大当り・図柄判定処理において決定された停止図柄に基づいて、S70において演出図柄指定コマンドを決定する。
このような第2実施形態による特別図柄通常処理では、図54および図55に示すように、第1始動入賞に基づく変動表示を行なうときの大当り判定および変動結果決定に関するサブルーチンである第1判定処理と、第2始動入賞に基づく変動表示を行なうときの大当り判定および変動結果決定に関するサブルーチンである第2判定処理とが別個に設けられているが、図56に示すように、大当り判定および変動結果決定を行なう処理ルーチン自体は、共通の処理ルーチンとして設けられ、第1判定処理および第2判定処理で呼出されて実行される。したがって、大当り判定および変動結果決定を行なう処理ルーチンが、第1特別図柄表示器8aでの変動表示と、第2特別図柄表示器8bでの変動表示とで共通化されることにより、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bで変動表示を実行するために必要となる処理ルーチン数を削減することができ、そのような変動表示を実行するために必要となるプログラム容量(プログラムを構成するデータのデータ量)を削減することができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、特別図柄プロセス処理において始動口スイッチ通過処理を第1特別図柄用の処理と第2特別図柄用の処理とに分けて設けた例を説明する。第3実施形態においては、前述した第1実施形態と異なる部分を主に説明する。第3実施形態が第1実施形態と異なるのは、特別図柄プロセス処理である。
図57は、第3実施形態による特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。第3実施形態による特別図柄プロセス処理が第1実施形態による特別図柄プロセス処理と異なるのは、図18に示すS311,S312の代わりに、S311a〜S311d,S312a,S312bが設けられていることである。
図57の特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオンしているか否か、すなわち第1始動入賞が発生しているか否かを判断する(S311a)。第1始動口スイッチ13aがオンしていると判断した場合には、後述するS311cに進む。一方、第1始動口スイッチ13aがオンしていないと判断した場合には、第2始動口スイッチ14aがオンしているか否か、すなわち第2始動入賞が発生しているか否かを判断する(S311b)。第2始動口スイッチ14aがオンしていると判断した場合には、後述するS311dに進む。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていないと判断した場合には、S300〜S308のうちのいずれかの処理を行なう。
第1始動口スイッチ13aがオンしていると判断した場合には、前述の第1検出フラグをセットし(S311c)、第1始動入賞口13に関する始動口スイッチ通過処理としての第1始動口スイッチ通過処理(S312a)を実行した後、S300〜S308のうちのいずれかの処理を行なう。また、第2始動口スイッチ14aがオンしていると判断した場合には、前述の第2検出フラグをセットし(S311d)、第2始動入賞口14に関する始動口スイッチ通過処理としての第2始動口スイッチ通過処理(S312b)を実行した後、S300〜S308のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S308においては、図18のS300〜S308と同様の処理が実行される。
図58は、S312aによる第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU6は、まず、第1保留記憶数カウンタの値(保留記憶数)が上限値である4になっているか否かを確認する(S116a)。第1保留記憶数カウンタの値が4になっている場合には、処理を終了する。一方、第1保留記憶数カウンタの値が4になっていない場合には、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S117a)。そして、第1始動口スイッチ通過処理と第2始動口スイッチ通過処理とで共通のサブルーチン処理である始動口スイッチ共通処理を実行する(S1180)。この始動口スイッチ共通処理については、図60を用いて後述する。その後、第1始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットし(S128a)、処理を終了する。
図59は、S312bによる第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第2始動口スイッチ通過処理において、CPU6は、まず、第2保留記憶数カウンタの値(保留記憶数)が上限値である4になっているか否かを確認する(S116b)。第2保留記憶数カウンタの値が4になっている場合には、処理を終了する。一方、第2保留記憶数カウンタの値が4になっていない場合には、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S117b)。そして、第1始動口スイッチ通過処理と第2始動口スイッチ通過処理とで共通のサブルーチン処理である始動口スイッチ共通処理を実行する(S1180)。その後、第2始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットし(S129a)、処理を終了する。
図60は、S1180による始動口スイッチ共通処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ共通処理において、CPU6は、まず、図19のS118と同様の処理により、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1181)。
そして、S1185において、CPU56は、図19のS122と同様の処理により、ソフトウェア乱数を抽出する。なお、大当り判定用の乱数としてハードウェア乱数値を用いるときには、この時点でハードウェア乱数値を抽出する。そして、図19のS123と同様の処理により、前述の第1検出フラグがセットされているか否かを判断する(S1186)。第1検出フラグがセットされているときには、図19のS124と同様の処理により、抽出した乱数値を第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納するために、その保存領域のアドレスをポインタにセットし(S1187)、後述するS126に進む。一方、第1検出フラグがセットされていないとき、すなわち、第2検出フラグがセットされているときには、図19のS125と同様の処理により、抽出した乱数値を第2保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)するために、その保存領域のアドレスをポインタにセットし(S1188)、後述するS1189に進む。
S1189では、図19のS126と同様の処理により、第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域と第2保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域とのうち、ポインタが示す保存領域に、抽出した乱数値を保存し、処理を終了する。
このような第3実施形態による特別図柄通常処理では、図58および図59に示すように、第1始動入賞に基づく変動表示を行なうときの始動口スイッチ通過処理と、第2始動入賞に基づく変動表示を行なうときの始動口スイッチ通過処理とが別個に設けられているが、図60に示すように、合計保留記憶数カウンタの更新、ソフトウェア乱数の抽出、および、保存領域への当該ソフトウェア乱数の保存等に関しては、共通の処理ルーチンである始動口スイッチ共通処理が設けられ、第1判定処理および第2判定処理で呼出されて実行される。
なお、前述の図58の第1始動口スイッチ通過処理および図59の第1始動口スイッチ通過処理のそれぞれの処理において、S1183またはS1184によりデータをセットするアドレスおよびセットするデータを予め特定しておき(ポインタ等で特定)、始動口スイッチ共通処理において、その特定しておいたアドレスに特定しておいたデータをセットするようにしてもよい。そのようにすれば、S1182での判断に関する処理を省くことができる。また、前述の図58の第1始動口スイッチ通過処理および図59の第1始動口スイッチ通過処理のそれぞれの処理において、S1187またはS1188によりセットするアドレスを予め特定しておき(ポインタ等で特定)、始動口スイッチ共通処理において、その特定しておいたアドレスをセットするようにしてもよい。そのようにすれば、S1186での判断に関する処理を省くことができる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、特別図柄通常処理において変動パターン設定処理を実行する例を説明する。図24に示したような第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いられる変動パターン設定処理は、図18に示した特別図柄プロセス処理および図56に示した特別図柄プロセス処理のように、独立したプロセスとして設けずに、図22に示した特別図柄通常処理および図56に示した特別図柄通常処理のそれぞれにおいて、共通のサブルーチンプログラムとして実行されるようにしてもよい。このような構成を用いれば、特別図柄通常処理において、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを対象とする共通の処理ルーチンとして、第1特別図柄の変動表示についての大当り判定および表示結果の決定、または、第2特別図柄の変動表示についての大当り判定および表示結果の決定を行なう処理ルーチンと、第1特別図柄の変動表示についての変動パターンの決定、または、第2特別図柄の変動表示についての変動パターンの決定を行なう処理ルーチンとを1つのプロセス処理(特別図柄通常処理)においてまとめて実行することができる。また、このように構成した場合には、前述した各実施の形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態においては、表示結果がはずれとなるときにおいて、リーチとするか否かを先に選択決定し、リーチとすることが決定されたときにはリーチとなる複数種類の変動パターンから実行する変動パターン(リーチ変動パターン)を選択決定し、リーチとしないことが決定されたときにはリーチとならない複数種類の変動パターンから実行する変動パターン(非リーチ変動パターン)を選択決定するように制御する第1の例を説明する。この第5実施形態では、大当りの種類として、大当り後に低確率・低ベース状態に制御される通常大当りと、大当り後に高確率・低ベース状態(確変状態)に制御される確変大当りと、大当り後に特別図柄の変動表示時間が短縮されるとともに高ベース状態となる低確率・高ベース状態(時短状態)に制御される時短大当りとを含む例を説明する。なお、確変大当りとしては、大当り後に高確率・低ベース状態に制御されるものに限らず、大当り後に高確率・高ベース状態に制御されるものであってもよい。
図61は、第5実施形態による保留記憶数別のリーチ選択確率を表形式で示す図である。第5実施形態では、表示結果がはずれとなるときにおいて、リーチとするか否かを選択決定する。通常状態(時短状態および確変状態以外の状態)では、合算保留記憶数が0または1のときに1/4.6の確率でリーチとすることが決定され、合算保留記憶数が2または3のときに1/9.6の確率でリーチとすることが決定され、合算保留記憶数が4〜8のいずれかのときに1/17.9の確率でリーチとすることが決定される。したがって、合算保留記憶数が所定値(2または4)以上となると、リーチとする確率が低くなる。このような確率でリーチとする判定を行なうためのデータテーブルとして、通常時リーチ判定テーブルがROM84に記憶されている。また、確変状態では、合算保留記憶数に関わらず、1/27.0の確率でリーチとすることが決定される。このような確率でリーチとする判定を行なうためのデータテーブルとして、確変時リーチ判定テーブルがROM84に記憶されている。また、時短状態では、合算保留記憶数が0〜2のいずれかのときに1/12.8の確率でリーチとすることが決定され、合算保留記憶数3〜8のいずれかのときに1/12.0の確率でリーチとすることが決定される。このような確率でリーチとする判定を行なうためのデータテーブルとして、時短時リーチ判定テーブルがROM84に記憶されている。これらリーチ判定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100により抽出される乱数値としてのリーチ判定用乱数の抽出値と、リーチとすることを決定するリーチ判定値との関係を定めたデータテーブルであり、保留記憶数に応じて、図61に示すような確率でリーチとすることを決定するようにデータが設定されている。
また、第5実施形態の場合は、変動パターンを選択するためのデータテーブルとして、リーチとなる変動パターン(リーチ変動パターン)を予め定められた複数種類のリーチとなる変動パターンのうちから選択するリーチ変動パターンテーブルと、リーチとならない変動パターン(非リーチ変動パターン)を予め定められた複数種類のリーチとならない変動パターンのうちから選択する非リーチ変動パターンテーブルとがROM84に記憶されている。また、リーチ変動パターンテーブルは、変動表示時間が短縮されるときに用いられる短縮時リーチ変動パターンテーブルと、変動表示時間が短縮されないときに用いられる非短縮時リーチ変動パターンテーブルとを含む。また、非リーチ変動パターンテーブルは、変動表示時間が短縮されるときに用いられる短縮時非リーチ変動パターンテーブルと、変動表示時間が短縮されないときに用いられる非短縮時非リーチ変動パターンテーブルとを含む。
図62は、第5実施形態による変動パターン設定処理を示すフローチャートである。図62については、第1実施形態による図24の変動パターン設定処理と共通する部分には共通のステップ番号を付し、重複した説明を繰返さない。図62の変動パターン設定処理が図24の処理と異なるのは、S72〜S74の代わりに、S71a,S72a,S73a,S74a〜S74dが設けられていることである。
S71の後、変動表示結果を大当りとする決定がされたか否かを判断する(S71a)。大当りとする決定がされたときには、後述するS74cに進む。一方、大当りとしない(はずれとする)決定がされたときには、遊技状態に応じたリーチ判定テーブルを選択する(S72a)。つまり、通常状態においては通常時リーチ判定テーブルを選択し、確変状態においては確変時リーチ判定テーブルを選択し、時短状態においては時短時リーチ判定テーブルを選択する。そして、前述のリーチ判定用乱数を読出し(始動入賞時短に予め抽出した後読出してもよく、この時点で抽出してもよい)、その値と、S72aで選択したリーチ判定テーブルとに基づいて、リーチとするか否かを判定する(S74a)。そして、リーチとすることが決定されたか否かを判定する(S74b)。リーチとすることが決定されたときには、S74cに進む。S74cでは、S71で読出した変動パターン決定用乱数値に基づいて、前述のように選択されるリーチ変動パターンテーブルから変動パターンを決定し(S74c)、S75に進む。S74cにおいては、遊技状態に応じて、短縮時リーチ変動パターンテーブルと、非短縮時リーチ変動パターンテーブルとのいずれかを選択して変動パターンを決定する。また、非リーチ変動パターンテーブルは、変動表示時間が短縮されるときに用いられる短縮時非リーチ変動パターン一方、リーチとしないことが決定されたときには、S71で読出した変動パターン決定用乱数値に基づいて、前述のように選択される非リーチ変動パターンテーブルから変動パターンを決定し(S74d)、S75に進む。S74dにおいては、遊技状態に応じて、短縮時非リーチ変動パターンテーブルと、非短縮時非リーチ変動パターンテーブルとのいずれかを選択して変動パターンを決定する。
このような処理が行なわれることにより、表示結果がはずれとなるときにおいて、リーチとするか否かを先に選択決定し、リーチとすることが決定されたときにはリーチとなる複数種類の変動パターンから実行する変動パターン(リーチ変動パターン)を選択決定し、リーチとしないことが決定されたときにはリーチとならない複数種類の変動パターンから実行する変動パターン(非リーチ変動パターン)を選択決定するように制御を行なうことができる。
なお、本実施の形態においては、変動表示においてリーチとなるときにも短縮変動パターンが選択される例を示した。しかし、これに限らず、変動表示においてリーチとなるときには、短縮変動パターンが選択されないようにしてもよい。
〔第6実施形態〕
次に、第6実施形態を説明する。第6実施形態においては、表示結果がはずれとなるときにおいて、リーチとするか否かを先に選択決定し、リーチとすることが決定されたときにはリーチとなる複数種類の変動パターンから実行する変動パターン(リーチ変動パターン)を選択決定し、リーチとしないことが決定されたときにはリーチとならない複数種類の変動パターンから実行する変動パターン(非リーチ変動パターン)を選択決定するように制御する第2の例を説明する。第6実施形態の場合は、遊技状態にかかわらず、第1特別図柄で変動表示が行なわれるときと、第2特別図柄で変動表示が行なわれるときとで、リーチとする確率が異なる例を示す。
図63は、第6実施形態による保留記憶数別のリーチ選択確率を表形式で示す図である。第6実施形態では、表示結果がはずれとなるときにおいて、リーチとするか否かを選択決定する。第1特別図柄で変動表示が行なわれるときには、合算保留記憶数が0または1のときに1/6.9の確率でリーチとすることが決定され、合算保留記憶数が2または3のときに1/9.4の確率でリーチとすることが決定され、合算保留記憶数が4〜8のいずれかのときに1/11.7の確率でリーチとすることが決定される。したがって、合算保留記憶数が所定値(1または3)以上となると、リーチとする確率が低くなる。このような確率でリーチとする判定を行なうためのデータテーブルとして、第1リーチ判定テーブルがROM84に記憶されている。また、第2特別図柄で変動表示が行なわれるときには、合算保留記憶数が0または1のときに1/9.4の確率でリーチとすることが決定され、合算保留記憶数が2または3のときに1/11.7の確率でリーチとすることが決定され、合算保留記憶数が4〜8のいずれかのときに1/12.9の確率でリーチとすることが決定される。したがって、合算保留記憶数が所定値(2または4)以上となると、リーチとする確率が低くなる。また、第1特別図柄で変動表示が行なわれるときよりも、第2特別図柄で変動表示が行なわれるときの方がリーチとする決定がされる確率が低くなるように設定されている。このような確率でリーチとする判定を行なうためのデータテーブルとして、第2リーチ判定テーブルがROM84に記憶されている。これらリーチ判定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100により抽出される乱数値としてのリーチ判定用乱数の抽出値と、リーチとすることを決定するリーチ判定値との関係を定めたデータテーブルであり、保留記憶数に応じて、図63に示すような確率でリーチとすることを決定するようにデータが設定されている。
また、第6実施形態の場合は、第5施形態の場合と同様に、変動パターンを選択するためのデータテーブルとして、リーチとなる変動パターン(リーチ変動パターン)を予め定められた複数種類のリーチとなる変動パターンのうちから選択するリーチ変動パターンテーブルと、リーチとならない変動パターン(非リーチ変動パターン)を予め定められた複数種類のリーチとならない変動パターンのうちから選択する非リーチ変動パターンテーブルとがROM84に記憶されている。また、リーチ変動パターンテーブルは、変動表示時間が短縮されるときに用いられる短縮時リーチ変動パターンテーブルと、変動表示時間が短縮されないときに用いられる非短縮時リーチ変動パターンテーブルとを含む。また、非リーチ変動パターンテーブルは、変動表示時間が短縮されるときに用いられる短縮時非リーチ変動パターンテーブルと、変動表示時間が短縮されないときに用いられる非短縮時非リーチ変動パターンテーブルとを含む。
図64は、第6実施形態による変動パターン設定処理を示すフローチャートである。図64については、第5実施形態による図62の変動パターン設定処理と共通する部分には共通のステップ番号を付し、重複した説明を繰返さない。図64の変動パターン設定処理が図24の処理と異なるのは、S72〜S74の代わりに、S71a,S72b,S73a,S74a〜S74dが設けられていることである。
S71の後、変動表示結果を大当りとする決定がされたか否かを判断する(S71a)。大当りとする決定がされたときには、後述するS74cに進む。一方、大当りとしない(はずれとする)決定がされたときには、変動表示する方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に応じたリーチ判定テーブルを選択する(S72b)。つまり、特別図柄通常処理(図22)においてS55,S58により設定される第1変動中フラグと第2変動中フラグとのどちらがセットされているか確認することに基づいて、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらが行なわれるか判断する。そして、第1特別図柄の変動表示をするときには、第1リーチ判定テーブルを選択し、第2特別図柄の変動表示をするときには、第2リーチ判定テーブルを選択する。そして、前述のリーチ判定用乱数を読出し(始動入賞時短に予め抽出した後読出してもよく、この時点で抽出してもよい)、その値と、S72bで選択したリーチ判定テーブルとに基づいて、リーチとするか否かを判定する(S74a)。そして、リーチとすることが決定されたか否かを判定する(S74b)。リーチとすることが決定されたときには、S74cに進む。S74cでは、S71で読出した変動パターン決定用乱数値に基づいて、前述のように選択されるリーチ変動パターンテーブルから変動パターンを決定し(S74c)、S75に進む。S74cにおいては、遊技状態に応じて、短縮時リーチ変動パターンテーブルと、非短縮時リーチ変動パターンテーブルとのいずれかを選択して変動パターンを決定する。また、非リーチ変動パターンテーブルは、変動表示時間が短縮されるときに用いられる短縮時非リーチ変動パターン一方、リーチとしないことが決定されたときには、S71で読出した変動パターン決定用乱数値に基づいて、前述のように選択される非リーチ変動パターンテーブルから変動パターンを決定し(S74d)、S75に進む。S74dにおいては、遊技状態に応じて、短縮時非リーチ変動パターンテーブルと、非短縮時非リーチ変動パターンテーブルとのいずれかを選択して変動パターンを決定する。
このような処理が行なわれることにより、表示結果がはずれとなるときにおいて、リーチとするか否かを先に選択決定し、リーチとすることが決定されたときにはリーチとなる複数種類の変動パターンから実行する変動パターン(リーチ変動パターン)を選択決定し、リーチとしないことが決定されたときにはリーチとならない複数種類の変動パターンから実行する変動パターン(非リーチ変動パターン)を選択決定するように制御を行なうことができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図22のS61〜S68に示すように、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれで実行される変動表示について、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのうち、開始条件が成立した特別図柄表示器における変動表示の表示結果を決定するための処理を共通の処理ルーチンにより実行することにより、特別図柄の表示結果が決定されるので、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bで変動表示を実行するために必要となる処理ルーチン数を削減することができ、そのような変動表示を実行するために必要となるプログラム容量(プログラムを構成するデータのデータ量)を削減することができる。
また、図24のS72,S74に示すように、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれでの変動表示について、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数が所定数(たとえば、「4」であり、処理の進行の都合上、S72の段階での合算保留記憶数カウンタの値は「3」)以上のときに、リーチとなる変動パターンを選択する確率が低い第2変動パターンテーブルから変動パターンを選択することにより、合算保留記憶数が所定数未満であるときに比べて、低い確率で、リーチとなる変動パターンが選択される。これにより、合算保留記憶数がある程度多くなった状態でリーチとなる確率が低下するため、そのような状態で生じるリーチに対して遊技者が大当りの表示結果となることを期待して表示結果が導出表示されるまで遊技を休止してしまう状況となるのを抑制することができ、遊技者による遊技を促進させてパチンコ遊技機1の稼働率を向上させることができる。
(2) 図24のS71〜S74に示すように、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれで実行される変動表示について、開始条件が成立した特別図柄表示器8aにおける変動パターンを選択するための処理を共通の処理ルーチンにより実行することにより、変動パターンが選択されるので、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bで変動表示を実行するために必要となる処理ルーチン数を削減することができ、そのような変動表示を実行するために必要となるプログラム容量を削減することができる。また、図24のS78により、選択された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのうち開始条件が成立した特別図柄表示器において実行される変動表示の変動表示時間を示すデータが特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのいずれの開始条件が成立したときでも共通の変動時間タイマに設定することによりRAM55における共通の記憶領域において記憶されるので、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bで変動表示を実行するために用いるRAM55の記憶領域を削減することができる。
(3) 図24のS72,S74に示すように、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれでの変動表示について、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数が所定数(たとえば、「4」であり、処理の進行の都合上、S72の段階での合算保留記憶数カウンタの値は「3」)以上のときに、合算保留記憶数が所定数未満であるときに比べて変動表示時間が短い変動パターンである短縮変動パターンが選択されるので、合計数がある程度多くなった状態で、第1保留記憶数および第2保留記憶数の消化効率を向上させることができる。これにより、遊技者による遊技を促進させることができるので、遊技機の稼働率をより向上させることがさせることができる。また、合算保留記憶数に基づいて短縮変動パターンが選択されるので、合算保留記憶数が所定値以上であるときに、特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとのうちのいずれか一方の特別図柄表示器についてはそのような短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるが、他方の特別図柄表示器についてはそのような短縮変動パターンでの変動表示が行なわれない事態が発生することを防止でき、そのような事態の発生により遊技者に違和感を与えないようにすることができる。
(4) 図28のS143,S144、図30のS225、図32のS245〜S247に示すように、2R大当り、15R高ベース大当り、または、15R第1確変大当りとなったときに制御される高ベース状態のような特別遊技状態となったときに、低ベース状態である通常状態のときよりも、普通図柄の変動表示結果が当り図柄となる確率が高確率とするとともに、可変入賞球装置15の1回の開放時間を長くする制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15により第2始動入賞口1に遊技球を進入させやすくする制御が行なわれるので、特別遊技状態における遊技者による遊技を促進させることができるため、パチンコ遊技機1の稼働率をより向上させることがさせることができる。
(5) 図27のS132および図17のS386cに示すように、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのうち、変動表示を行なっている特別図柄に対応する変動表示の表示結果を確定させることを特定する図柄確定指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるので、その図柄確定指定コマンドに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間での変動表示の時間管理にずれが生じるのを防ぐことができる。さらに、図柄確定指定コマンドを第1変動表示および第2変動表示の共通のコマンドとして用いることにより、変動表示を行なうために用いるコマンド数を削減することができるとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ560および演出制御用マイクロコンピュータ100において第1特別図柄に対応する変動表示と第2特別図柄に対応する変動表示との両方の変動表示に関して制御を行なうために用いる処理を共通化することができる。
(6) 図10および図11の(C)に示すように、特別図柄、演出図柄、および、飾り図柄の変動表示を開始するときに、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとのうちいずれで変動表示を開始するのかを第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドにより特定可能である。これにより、変動パターンコマンドを第1特別図柄表示器8aでの変動表示と、第2特別図柄表示器8bでの変動表示とで共通に使用することができる。このように、図柄の変動表示を開始するときに使用するコマンドを第1特別図柄表示器8aでの変動表示と第2特別図柄表示器8bとで共通化できることにより、演出表示装置9が、第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドで特定される方の特別図柄表示器に対応した演出表示を開始する場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されるコマンドの種類を削減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
(7) 図14のS191〜S193により、大当り遊技状態に制御されていないときにおいて、特別可変入賞球装置20への遊技球の入賞が検出されたというような特別可変入賞球装置20への入賞に関する異常が生じたと判定されたときに、図16のS360a〜S360c、図39のS669,S670に示すように、異常入賞報知コマンドに基づいて、異常が乗じた旨が報知される。これにより、特別可変入賞球装置20への入賞に関する異常が生じたことを容易に認識させることができ、特別可変入賞球装置20への入賞に関する不正行為を抑止することができるようになる。
(8) 大当り遊技状態に制御されていないときにおいて、特別可変入賞球装置20への遊技球の入賞が検出されたというような特別可変入賞球装置20への入賞に関する異常が生じたと判定されたときに、図14のS195により払出制御コマンド出力禁止フラグが禁止される等の処理が行なわれることにより、賞球を払出させるために図5のS31の賞球処理において遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ370に送信される払出制御コマンドの送信が図15のタイミングチャートに示すように禁止されるので、可変入賞球装置への入賞に関する不正行為があったときに、不正行為者が利益を得ることを防ぐことができる。
(9) 図2および図3に示すように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと、演出制御用マイクロコンピュータ100とが遊技制御用マイクロコンピュータ560に並列に接続され、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと、演出制御用マイクロコンピュータ100とをそれぞれ制御する。これにより、直列接続等の並列以外の接続態様で接続されている場合と比べて、制御方法を簡素化することができるので、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれを正確に制御することができる。
(10) 図41のS802〜S804に示すように、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、変動パターンコマンドに基づき変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、変動パターンコマンドに基づき変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行されるので、このような演出表示装置9での演出表示に基づいて、遊技者が遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
(11) 図12の(A)に示すように、第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドにより、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とのいずれの保留記憶数が増加したのかが示され、合算保留記憶数指定コマンドにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)が特定される。これにより、合算保留記憶表示部18cにおいて、合算保留記憶数を表示させるとともに、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのそれぞれを特定可能に表示させる制御を行なうときにおいて、合算保留記憶数指定コマンドを、第1保留記憶数の増加時と、第2保留記憶数の増加時とで共通に使用することができる。このため、2つの特別図柄表示器において特別図柄の変動表示を実行させる場合であっても、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増やすことなく、いずれの特別図柄表示器での特別図柄の変動表示についての保留記憶数が増加したのかを演出制御用マイクロコンピュータ100が把握できるようになる。そして、コマンドの種類を増加させないことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560における制御負担を軽減することができる。
(12) 前述したような遊技機のその他の例としては、第1種タイプのパチンコ遊技機の機能と、第2種タイプのパチンコ遊技機の機能とを1台の遊技機で組合せて用いる遊技機がある。具体的に、第1種タイプは、遊技領域に遊技球を打込むことにより遊技が行なわれ、図柄等の各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、変動表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、第1種大入賞口を開放する遊技者に有利な特定遊技状態に制御する遊技機である。第2種タイプは、遊技領域に遊技球を打込むことにより遊技が行なわれ、第2種大入賞口を、遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な第1の状態(開状態)と該第1の状態に比べて遊技球を受入れにくい遊技者にとって不利な第2の状態(閉状態)とに変化させる可変入賞球装置を備え、遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が進入したことを条件として、所定の始動態様で前記可変入賞球装置を第2の状態から第1の状態に制御し、可変入賞球装置に進入した遊技球が特定進入領域に進入(V入賞)したことに基づいて、始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で可変入賞球装置を第1の状態に制御する遊技機である。このような遊技機では、たとえば、遊技機内部での抽選処理により大当り図柄を導出表示するか否かを決定し、変動表示装置で大当り図柄が表示されたときに大当り状態となり、第1種大入賞口を開放状態とした後、閉鎖状態とする第1大入賞口開放制御を行ない、変動表示装置で小当り図柄が表示されたときに小当り状態となり、第2種大入賞口を開放状態とした後、閉鎖状態とする第2大入賞口開放制御を行なう。そして、大当り遊技状態において遊技球が特定領域を通過したとき、または、遊技球が第1種大入賞口に所定数入賞したときに、再度、大入賞口開放制御をする制御が所定の上限数まで繰返される。また、小当り遊技状態において遊技球が特定領域を通過したときに、大当り遊技状態となり、第2大入賞口開放制御が所定の上限数まで繰返される(ただし、繰返しは、所定時間が経過する前または所定数の遊技球が入賞するまでの間に遊技球が特定領域を通過することが条件とされる)。このような2種類の機能を組合せた遊技機では、2種類の機能を組合せた制御を行なうことにより、制御用のプログラム量が増大するので、プログラム量を削減することが課題となっている。これに対し、前述した実施の形態のように遊技制御および変動表示制御等の制御を実行するための処理に用いる処理ルーチンを共通化することを、このような2種類の機能を組合せた制御を行なう遊技機に適用すれば、処理ルーチンを共通化することによりプログラム量を削減することができるので、処理ルーチンを共通化することにより得られる効果が、より一層効果的に働くこととなる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができる。
(4) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した変動態様による変動表示演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
(5) 上記の各実施の形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
(6) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 前述した実施の形態においては、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときに短縮変動の変動パターンを選択する例を示した。短縮変動の変動パターンを選択するときには、第1始動入賞の保留記憶数と第2始動入賞の保留記憶数との合算保留記憶数の値に基づいて、短縮変動をするか否か、および、短縮変動の種類を選択する方法を用いてもよい。たとえば、合算保留記憶数が0または1のときには短縮変動を実行しないことを選択する。また、合算保留記憶数が2〜8のときには短縮変動を実行することを選択するとともに、合算保留記憶数が2のときには複数種類設けられた短縮変動のうちから第1の種類の短縮変動を選択し、合算保留記憶数が3〜8のときには第2の種類の短縮変動を選択する。また、所定条件が成立したときに特別遊技状態としての普通図柄の変動時間を短縮する変動時間短縮制御(変動時間短縮制御に限らず、変動時間短縮制御、可変入賞球装置15の開放回数を増やす制御、可変入賞球装置15の1回の開放時間を増やす制御、および、普通図柄の表示結果が当りとなる確率を増加させる制御のうちいずれか1つ、または、いずれか複数の組合せによる制御でもよい)を行なう遊技機においては、その変動時間短縮制御が行なわれているときに、変動時間短縮制御が行なわれていないときと比べて、前述のような短縮変動を実行することを選択する割合を高くするように制御してもよい。また、このようなこのように、所定条件が成立したときに特別遊技状態としての制御を行なう遊技機においては、その特別遊技状態としての制御が行なわれているときに、特別遊技状態としての制御が行なわれていないときと比べて、と前述のような短縮変動を実行することを選択する割合を高くするように制御してもよい。また、その変動時間短縮制御が行なわれているときに、変動時間短縮制御が行なわれていないときと比べて、特定の種類の短縮変動を実行することを選択する割合を高くするように制御してもよい。たとえば、変動時間短縮制御が行なわれているときにおいては、合算保留記憶数が0のときには短縮変動を実行しないことを選択する。また、合算保留記憶数が1〜8のときには第1の種類の短縮変動を選択し、第2の種類の短縮変動を選択しないようにしてもよい。また、合算保留記憶数の値に基づいて、短縮変動をするか否か、および、短縮変動の種類を選択する方法を用いる場合においては、第1始動入賞の保留記憶数と第2始動入賞の保留記憶数との関係に基づいて、短縮変動をすることを選択する割合、および、特定の短縮変動の種類を選択する割合を異ならせるようにしてもよい。たとえば、第1始動入賞の保留記憶数と第2始動入賞の保留記憶数とのうち、一方の保留記憶数の方が多いときと、他方の保留記憶数の方が多いときとで、両方の保留記憶数が同じときとで、短縮変動をすることを選択する割合、および、特定の短縮変動の種類を選択する割合を異ならせるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、背景モードとしては、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときおよび変動表示が行なわれるときに使用される背景モードである低ベース状態モードおよび高ベース状態モードに加えて、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用される背景モードである低確低ベースモード、低確高ベースモード、高確低ベースモード、および、高確高ベースモードが設けられている。しかし、これに限らず、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用される背景モードとしても、前述の低ベース状態モードおよび高ベース状態モードを使用するようにしてもよい。
(10) なお、前述したように特別図柄プロセス処理において始動口スイッチ通過処理を第1特別図柄用の処理と第2特別図柄用の処理とに分けて設けるときには、たとえば大当り判定をする処理等の一部の処理については、共通の処理ルーチンを実行することにより共通化するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを同じ種類の表示器(7セグメントLED)で構成する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、異なる種類の表示器で構成するようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方をドットマトリックス表示器で構成してもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方を前述の飾り図柄表示器9a,9bのようなLED表示器で構成してもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、表示可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、合算保留記憶表示部18cにおいて保留記憶数を表示するときに、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別せずに共通の丸印で表示する例を示した。しかし、これに限らず、合算保留記憶表示部18cにおいて保留記憶数を表示するときに、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別して、表示するようにしてもよい。たとえば、第1保留記憶数を示す印と第2保留記憶数を示す印とについて、色を異ならせることにより区別して表示してもよく、形状を異ならせることにより区別して表示してもよい。そのように第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別して表示するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時に受信したコマンドについて、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとのどちらを受信したかを判断することにより、保留記憶を第1保留記憶数と第2保留記憶数とで区別して管理すればよい。このように、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別して表示するときにおいては、第1始動入賞指定コマンドと、第2始動入賞指定コマンドとのどちらを受信したかに基づいて、新たに生じた保留記憶が、第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらであるかを判断することができる。そのような場合において、演出制御用マイクロコンピュータ100が始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったときには、当該保留記憶については、第1保留記憶数および第2保留記憶数の表示と色または形状を異ならせることにより区別して表示してもよい。また、始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったときには、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのうち、その時点で保留記憶数が多い方の保留記憶として表示してもよい。また、始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったときには、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのうち、一方の保留記憶数が上限値となっているときには、他方の保留記憶として表示してもよい。また、始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったときには、時短状態では、第2始動入賞口14への入賞が生じやすくなるため、第2始動入賞口14側の第2保留記憶として表示し、時短状態ではない通常状態では第1始動入賞口13への入賞が生じやすくなるため、第1始動入賞口13側の第1保留記憶として表示してもよい。また、始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったときには、常に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのうち、一方の保留記憶として表示してもよい。また、停電復旧時に、保留記憶数がバックアップ記憶されているときにおいて、保留記憶数の合計値が遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されてくるときには、第1保留記憶数および第2保留記憶数の表示と色または形状を異ならせることにより区別して表示してもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、保留記憶について、第2特別図柄の変動表示を優先的に実行させる例を示した。しかし、これに限らず、次に示すように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらも優先せずに、始動入賞順による順番を用いるようにしてもよい。この場合には、図65に示すように、RAM55において、第1特別図柄および第2特別図柄の共通保留記憶領域として、前述のような第1保留記憶数カウンタ領域および第2保留記憶数カウンタ領域を設けるとともに、第1始動入賞および第2始動入賞で共通に保留記憶に関する情報を記憶する共通保留記憶バッファを設ける。図65は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを始動入賞順による順番を用いて変動表示させるときに用いる共通保留記憶領域を説明する図である。共通保留記憶バッファは、一連の連続したアドレスに設けられており、第1特別図柄と第2特別図柄との保留記憶について共通に用いる領域であって、最大8つ(合算保留記憶数カウンタの値の最大値)の保留記憶の情報について、始動入賞が生じた順番(1〜8の順番)で、「第1始動入賞」,「第2始動入賞」のどちらの始動入賞であるかを特定する第1,第2始動入賞特定領域(1)〜(8)と、第1,第2始動入賞特定領域(1)〜(8)のそれぞれに対応して、始動入賞時に抽出した大当り乱数値等の前述したソフトウェア乱数値を保存する乱数値の保存領域(1)〜(8)とが関連付けられて設けられた記憶領域である。第1,第2始動入賞特定領域(1)〜(8)と、第1,第2始動入賞特定領域(1)〜(8)とは、始動入賞が生じた順番(1〜8の順番)で1対のデータとして記憶されるように、アドレスが割振られている。つまり、第1,第2始動入賞特定領域(1)、乱数値の保存領域(1)、第1,第2始動入賞特定領域(2)、乱数値の保存領域(2)・・・というように、共通保留記憶バッファのどの領域に記憶されているかに基づいて始動入賞が生じた順番が特定可能なように記憶領域が設けられている。このような共通保留記憶領域においては、始動入賞がオン状態になったときに第1検出フラグと第2検出フラグとのどちらがセットされるかを判断することに基づいて、「第1始動入賞」,「第2始動入賞」のどちらの始動入賞であるかを判別し、始動入賞が生じた順番(図中(1)〜(8)の順番)で、「第1始動入賞」,「第2始動入賞」のどちらの始動入賞であるかを示すデータが第1,第2始動入賞特定領域(1)〜(8)に記憶され、抽出したソフトウェア乱数値を示すデータが乱数値の保存領域(1)〜(8)に記憶されていく。なお、始動入賞が生じた順番(図中1〜8の順番)を示す情報については、前述した「第1始動入賞」,「第2始動入賞」のどちらの始動入賞であるかを示す情報と、抽出したソフトウェア乱数値を示す情報とのそれぞれと対応付けて、始動入賞が生じた順番(図中(1)〜(8)の順番)で共通保留記憶バッファに記憶させるようにしてもよい。そして、共通記憶バッファの記憶データは、最も過去に発生した始動入賞のデータから古い順に読出されて第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらであるかを確認する。そして、確認された最も古いデータは削除し、残りのデータは、1つずつ領域をシフトする。第1始動入賞と第2始動入賞との中で、最も過去に発生した始動入賞について記憶されたソフトウェア乱数値に基づいて大当り判定を行ない、特別図柄の変動表示を開始させる。このようにして、始動入賞順に特別図柄の変動表示を開始させる。このように保留記憶領域を構成することにより、保留記憶領域を第1始動入賞と第2始動入賞とで共通化することができる。このような構成を採用した場合には、保留記憶領域を第1始動入賞と第2始動入賞とで共通化することができるので、たとえば、図19のS123〜S125および図60のS1186〜S1188のように第1保留記憶と第2保留記憶とで異なる処理を共通化することができる。また、このような構成においては、各バッファ領域において、「第1始動入賞」,「第2始動入賞」のどちらの始動入賞であるかを示す情報として、「第1始動入賞あり」を示す第1データ、「第2始動入賞あり」を示す第2データ、および、「始動入賞なし」を示す第3データのいずれかを記憶する。そのような場合においては、各バッファ領域において、「第1始動入賞あり」を示す第1データ、および、「第2始動入賞あり」を示す第2データが記憶されているか否かを確認し、そのようなデータが記憶されているバッファの数に基づいて、合算保留記憶数が所定数あるか否かを判定するようにしてもよい。また、各バッファ領域において前記の第1データ〜第3データのような始動入賞の有無および種類を示すデータを確認せずに、単に、データが記憶されているバッファの数の合計値を計数することにより、合算保留記憶数が所定数あるか否かを判定するようにしてもよい。また、短縮変動パターンを選択するか否かを確認するために合算保留記憶数が所定数以上あるか否かを判定するときには、その所定数に対応する保存領域にどちらの始動入賞であるかを示すデータやソフトウェア乱数値等の記憶データが存在するか否かに基づいて判定をするようにしてもよい。また、合算保留記憶数は、合算保留記憶数を確認する処理が行なわれるごとに毎回演算を行なって得るようにしてもよい。このように毎回演算を行なって合算保留記憶数を得るようにすれば、合算保留記憶数をカウントするためのカウンタが不要となるので、RAMで必要となる容量を削減することができる。得るようまた、合算保留記憶数は、合算保留記憶数を確認する処理が行なわれるごとにデータが記憶されているバッファの数の合計値を計数する演算を毎回行なって得るようにしてもよい。また、合算保留記憶数を計数するカウンタを設け、始動入賞が生じたことを特定するコマンドを受信したときにカウントアップし、保留記憶が変動表示の実行のために消化されたときにカウントダウンするようにしてもよい。なお、このように始動入賞順による変動表示を行なう場合には、前述の特別図柄通常処理(図22)のS51では、共通保留記憶バッファに始動入賞に基づくデータが記憶されているか否かを確認することにより、第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上であるか否かを判断するようにしてもよい。また、前述のS51では、共通保留記憶バッファにおける一番先(一番過去)の始動入賞順番のデータを記憶するアドレスにデータが記憶されているか否かを確認することにより、第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上であるか否かを判断するようにしてもよい。また、合算保留記憶数を記憶する領域は、別の記憶領域に設けられている。なお、合算保留記憶数を記憶する領域は、共通保留記憶領域と隣接したアドレスに設けられてもよい。また、第1保留記憶数カウンタ領域および第2保留記憶数カウンタ領域のそれぞれは、共通保留記憶バッファの領域として用いられてもよい。また、第1保留記憶数カウンタ領域および第2保留記憶数カウンタ領域のそれぞれは、共通保留記憶バッファとは離れたアドレスに設けられてもよい。
(15) また、前述のように第1特別図柄と第2特別図柄とで始動入賞順に特別図柄の変動表示を開始させる構成については、図20に示した第1保留記憶領域および第2保留記憶領域を用いて、抽出したソフトウェア乱数値を示す情報を記憶させるとともに、図66に示すように、これらの記憶領域とは別の保留記憶情報特定領域(保留特定領域)において、始動入賞が生じた順番(図中1〜8の順番)を示す情報と、「第1始動入賞」,「第2始動入賞」のどちらの始動入賞であるかを示す情報を記憶させる構成を用いてもよい。図66は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図66には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合が例示されている。図66に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。保留特定領域は、RAM55に形成されている。このような保留特定領域においては、始動入賞が生じた順番(図中1〜8の順番)を特定可能に、「第1始動入賞」であることを示すデータ(図中「第1」)と「第2始動入賞」であることを示すデータ(図中「第2」)とのどちらかが記憶されていく。保留特定領域のデータは、最も過去に発生した始動入賞のデータから古い順に読出されて第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらであるかが確認される。そして、確認された最も古いデータは削除され、残りのデータは、1つずつ領域がシフトされる。第1始動入賞と第2始動入賞との中で、最も過去に発生した始動入賞(保留特定領域のデータにより確認された方の始動入賞)に対応して、図20に示した第1保留記憶領域および第2保留記憶領域のいずれかの保留記憶バッファから大当り判定用乱数値が読出されて大当り判定が行なわれ、特別図柄の変動表示が開始されることになる。つまり、始動入賞順に特別図柄の変動表示が開始される。
(16) 前述の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて飾り図柄(第1飾り図柄、第2飾り図柄)および演出図柄の変動表示を停止させる例を示した。このような場合において、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを取りこぼした(正常に受信できなった)ときには、飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止させる必要があるときに、変動表示を停止させることができない。このような場合には、図柄確定指定コマンドを取りこぼしたときであると判断できるので、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動表示の開始を指定する変動パターンコマンドのようなコマンドを受信した時点で変動表示が実行中であれば、実行中の変動表示を停止させ、新たに受信したコマンドに応じた変動表示を開始させる制御を行なうようにしてもよい。このような制御には、第1,第2特別図柄のどちらか一方に対応する変動表示の開始を指定するコマンドを受信した時点で、他方の図柄の変動表示が実行中であるときに、当該他方の図柄に対応する実行中の変動表示を停止させ、受信したコマンドに基づいて、当該一方の図柄に対応する変動表示を開始させる制御を行なうようにしてもよい。このような制御を行なうことにより、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを取りこぼしたときにも、新たに受信したコマンドに応じた変動表示を開始させることができるので、図柄確定指定コマンド制御の取りこぼしに起因して変動表示を開始することができなくなる等、演出制御プロセスの移行に関する不具合が生じるのを防ぐことができる。
(17) 前述の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて飾り図柄(第1飾り図柄、第2飾り図柄)および演出図柄の変動表示を停止させる例を示した。このような場合において、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを取りこぼした(正常に受信できなった)ときには、飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止させる必要があるときに、変動表示を停止させることができない。このような場合には、図柄確定指定コマンドを取りこぼしたときであると判断できるので、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動表示の開始を指定する変動パターンコマンドのようなコマンドを受信した時点で変動表示が実行中であれば、実行中の変動表示を停止させ、新たに受信したコマンドに応じた変動表示を開始させる制御を行なうようにしてもよい。
(18) 前述の実施の形態に示したパチンコ遊技機1では、合算保留記憶数が所定数(たとえば、4)未満であるときに、合算保留記憶数が所定数(たとえば、4)以上であるときに用いられる普通図柄の変動表示時間(標準的な変動表示時間)よりも短くなる制御を行なうようにしてもよい。このようにすれば、合算保留記憶数が所定数未満であるときには始動入賞数を増加させることができる。また、合算保留記憶数が所定数(たとえば、4)以上であるときに用いられる普通図柄の変動表示時間(標準的な変動表示時間)よりも長くする制御を行なうようにしてもよい。このようにすれば、合算保留記憶数が所定数以上であるときには無効となる始動入賞数を低減することができる。また、このようにすれば、合算保留記憶数が所定数以上であるときに、異常にベースが高くなることを防止することができる。
(19) 前述の実施の形態では、変動表示の停止時に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される図柄確定指定コマンドを、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いる例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで異なる図柄確定指定コマンド(たとえば、第1特別図柄の変動表示用に第1図柄確定指定コマンドを設け、第2特別図柄の変動表示用に第2図柄確定指定コマンドを設ける)を用いるようにしてもよい。
(20) 前述の実施の形態では、変動パターン設定処理において、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とについて、変動パターンの選択決定を行なうために共通に用いられる処理ルーチンとして、S71〜S74が該当する旨説明した。しかし、変動パターンの選択決定を行なうために共通に用いられる処理ルーチンとしては、S71〜S75が該当してもよい。
(21) 図16のS360は、停電復旧時において、合算保留記憶数指定コマンドを送信する合算保留記憶数指定コマンドを送信する合算保留記憶数指定コマンド手段である。このように、停電復旧時において、合算保留記憶数指定コマンドが送信されることにより、停電の前後で合算保留記憶表示部18cにより示される保留記憶数が変化しないので、遊技者と遊技場との間で保留記憶数に関するトラブルが生じないようにすることができる。
(22) 前述した実施の形態では、図8に示すように、変動表示の表示結果が大当りとなるときと、はずれとなるときで一部共通の変動パターンを用いる例を示した。そのような変動パターンを用いるときにおいて、変動パターンコマンドにより変動表示結果を大当りとするかはずれとするかを指定するコマンドを用いて変動表示を実行させる制御を行なう場合には、共通の変動パターンコマンドにより変動パターンの種類を指定しても、大当りとするかはずれとするかを指定できないので、変動パターンコマンドを、表示結果を大当りとするときと、はずれにするときとで別に用意して用いるようにすればよい。
(23) 前述した実施の形態では、合算保留記憶数が所定値以上であるときに変動時間を短縮する制御を行なう例を示した。変動時間を短縮しないときに用いられる非短縮変動パターンに対して、変動時間を短縮するときに用いられる短縮変動パターンは、具体的に次のようなものであってもよい。一般的に、変動パターンは、変動表示の開始時から変動表示の終了時までの間に、第1低速変動期間、高速変動期間、および、第2低速変動期間を経て変動表示が実行される。ここで、第1低速変動期間は、変動表示の開始時から高速変動期間に至るまでの加速を行なう期間である。高速変動期間は、変動表示中に最高速度で変動表示が行なわれる期間である。第2低速変動期間は、高速変動期間から変動表示の終了時に至るまでの減速を行なう期間である。短縮変動パターンは、非短縮変動パターンに対して、前述の第1低速変動期間、高速変動期間、および、第2低速変動期間のうちいずれの期間を短くした変動パターンであってもよい。また、短縮変動パターンとして、非短縮変動パターンに対して、第2低速変動期間を短くした変動パターンを用いるときには、第2低速変動期間において、変動表示している複数の図柄(たとえば、演出図柄)を一斉に停止させる制御を行なうようにしてもよい。
(24) 前述した実施の形態では、常に第2保留記憶を優先して、第2特別図柄の方を優先的に変動表示させる優先制御を行なう例を示した。しかし、このような優先制御は、前述の高ベース状態のような特別遊技状態になったときに限り実行するようにしてもよい。このような制御を行なえば、特別遊技状態になっているときに、特別遊技状態になっていないときよりも遊技球の入賞が生じる頻度が高くなる第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示を優先して実行させることができるので、特別遊技状態において第2保留記憶数を効率的に消化することができ、第2始動入賞口14への始動入賞が無効になることを低減することができる。
(25) 前述した実施の形態では、常に第2保留記憶を優先して、第2特別図柄の方を優先的に変動表示させる優先制御を、特別遊技状態になったときに限り実行する場合には、特別遊技状態以外のときにおいて、第1保留記憶を優先して、第1別図柄の方を優先的に変動表示させる制御を行なうようにしてもよい。このような制御を行なえば、特別遊技状態になっていないときに遊技球の入賞が生じる頻度が低い第2始動入賞口14よりも遊技球の入賞が生じる頻度が高い第1始動入賞口13への入賞に基づく変動表示を優先して実行させることができるので、第1保留記憶数を効率的に消化することができ、第1始動入賞口13への入賞が無効になることを低減することができる。
(26) 前述した実施の形態では、常に第2保留記憶を優先して、第2特別図柄の方を優先的に変動表示させる優先制御を、特別遊技状態になったときに限り実行する場合には、特別遊技状態以外のときにおいて、前述のような入賞順番に基づいて変動表示を実行するようにしてもよい。このような制御を行なえば、特別遊技状態になっていないときに遊技球の入賞が生じる頻度が高い第1始動入賞口13への入賞に基づく変動表示を効率的に実行させることができるので、第1保留記憶数を効率的に消化することができ、第1始動入賞口13への入賞が無効になることを低減することができる。
(27) 前述した実施の形態では、図30の普通図柄通常処理において、S225での当り判定が、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとなるようにする例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、高ベース状態で、低ベース状態と比べて、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間が多くなるように制御される等、高ベース状態と低ベース状態とで普通図柄の当り確率を変化させなくても高ベース状態と低ベース状態との切替え制御を行なうことが確保できるのであれば、S225での当り判定当りと判定する確率を、高ベース状態と低ベース状態とで同じとなるようにしてもよい。
(28) 図30の普通図柄通常処理においては、S225での当り判定において当り判定をすることなく、普通図柄の変動表示のすべてを当りとし、その変動表示の終了後に、前述したような普通図柄の当りに基づいて可変入賞球装置15を開放状態にする制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、当り判定用のプログラムが不要になるので、プログラム量を削減することができる。このような制御は、前述した高ベース状態においてのみ実行するようにしてもよい。
(29) 図30の普通図柄通常処理においては、S225での当り判定をするが、判定結果をすべて当りとする処理を行ない、その変動表示の終了後に、前述したような普通図柄の当りに基づいて可変入賞球装置15を開放状態にする制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、普通図柄の変動表示結果をはずれとするときに用いるプログラムが不要になるので、プログラム量を削減することができる。このような制御は、前述した高ベース状態においてのみ実行するようにしてもよい。
(30) 普通図柄の変動表示については、遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄当り判定値の抽出等の乱数に関する処理および当り判定の処理を行ない、当り判定の判定結果に基づいて、可変入賞球装置15を開放状態にする制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄当り判定値の抽出等の処理および当り判定の処理を行なわずに変動表示を実行させ、変動表示終了後に、必ず可変入賞球装置15を開放状態にする制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、普通図柄当り判定値の抽出等の乱数に関する処理および当り判定の処理に用いるプログラムが不要になるので、プログラム量を削減することができる。このような制御は、前述した高ベース状態においてのみ実行するようにしてもよい。
(31) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
13 第1始動入賞口、8a 第1特別図柄表示器、14 第2始動入賞口、8b 第2特別図柄表示器、1 パチンコ遊技機、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、100 演出制御用マイクロコンピュータ、7 遊技領域、32 ゲート、15 可変入賞球装置、9a 第1飾り図柄表示器、9b 第2飾り図柄表示器。