以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、予め定められた変動表示の実行条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第1変動表示手段および第2変動表示手段を有し、前記第1変動表示手段または前記第2変動表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示部である演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(各々が識別可能な識別情報)の変動表示(可変表示、または、更新表示ともいう)を行なう演出図柄表示領域91がある。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、打球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、予め定められた変動表示時間(変動表示の開始時から変動表示の終了時までの時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などの予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
演出表示装置9の演出図柄表示領域91においては、0たとえば、縦方向の1ライン、横方向の1ライン、および、斜め方向の6ラインよりなる有効ラインに設けられた9つの表示領域のそれぞれにおいて、0〜9の数字よりなる演出図柄が変動表示を行なう。演出図柄表示領域91演出図柄の変動表示は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中と、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中とに行なわれる。演出図柄表示領域91における変動表示では、すべての表示領域において演出図柄が変動表示を開始した後、予め定められた順序にしたがって、それぞれの表示領域において演出図柄が停止表示されていき、すべての表示領域において演出図柄が停止表示されたときに表示結果が確定する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、各々が識別可能な識別情報である装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器(第1変動表示部)9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、各々が識別可能な識別情報である装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器(第2変動表示部)9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄(大当り表示結果)が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球が第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。また、後述するように、高ベース状態では第2始動入賞口14の入賞率は高くなる。その場合には、第2始動入賞口14の入賞率は、第1始動入賞口13の入賞率よりも高い。よって、遊技領域6に打込まれた所定数の遊技球数に対する景品遊技球の払出数の割合(ベース)は高い。つまり、高ベース状態である。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)がある。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。ここで、同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せ(大当り表示結果)が停止表示される。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときとに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を変動表示する演出表示装置9とのそれぞれの表示制御を行なう。
主基板31には、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれにおいて、特別図柄の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムにしたがい駆動信号を第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれに出力させることにより、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの表示制御を行なう。このような構成により、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと、演出表示装置9とは、並列に遊技制御用マイクロコンピュータ560が設けられた主基板31と接続されている。このような構成に基づいて、主基板31と第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bとの間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器9bの表示制御を行なう場合、たとえば、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器9bが演出制御基板80(演出制御マイクロコンピュータ100が設けられている)を介して直列の態様で主基板31に接続された場合のような並列以外の接続態様で接続されていると比較して、大当り判定の結果を正しく表示する信頼度が高い。
また、主基板31は、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれにおいて、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムにしたがい、保留記憶数に応じた駆動信号を第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれに出力し第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの制御を行なう。
また、主基板31は、普通図柄表示器10において、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムにしたがい、駆動信号を普通図柄表示器10に出力し普通図柄表示器10の表示制御を行なう。これにより、主基板31と普通図柄表示器10との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した普通図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により普通図柄表示器12の表示制御を行なう場合と比較して、普通図柄の当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31には、普通図柄保留記憶表示器41において、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を普通図柄保留記憶表示器41に出力し普通図柄保留記憶表示器41の制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行なうとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路74は、中継基板77を通過する信号線それぞれに設けられる。さらに、主基板31においては、演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が、図2に示されたI/Oポート部57の一部である出力ポート571を介して出力される。この出力ポート571は、信号を出力方向にしか通過させない単方向性回路である。これにより、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入込まない。なお、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S8)。S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(第1特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理を行なう(S93)。遊技状態復旧処理では、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンドを送信するために、停電復旧コマンド送信要求フラグをセットする。そして、S15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信するために、初期化コマンド送信要求フラグをセットする(S13)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ遊技機1に設けられている変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、パチンコ遊技機1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1始動入賞口13への遊技球の入賞(第1始動入賞)に基づく第1特別図柄の変動表示に対応して(または、第2始動入賞口14への遊技球の入賞(第2始動入賞)に基づく第2特別図柄の変動表示に対応して)、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2: 第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:遊技状態(高ベース状態/低ベース状態、高確率状態/低確率状態)および大当りの種類(突然確変大当り、15R大当り)を決定する(遊技状態決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(8)の遊技状態決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図6に示された乱数(特に、ランダム2,3,4)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S26A)。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。また、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S26B)。第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄および第2特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7(A)は、この実施の形態における高確率状態(確変状態)および高ベース状態に関わる遊技状態を説明するための説明図である。そのような遊技状態として、高確率・高ベース状態(高確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、低確率・高ベース状態(低確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、高確率・低ベース状態(高確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)、および低確率・低ベース状態(低確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)がある。
高確率状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りの決定される確率が高くなっている。たとえば、10倍になっている。具体的には、高確率状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、高ベース状態では、低ベース状態に比べて普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、高ベース状態では、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。普通図柄について当りに決定されると、上述したように、普通図柄の変動表示の表示結果(停止図柄)が当り図柄とされ、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間(開放時間)だけ開状態になり、ベースが上がる。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
図7(B)は、この実施の形態における背景モードを説明するための説明図である。背景モードとは、演出表示装置9の表示画面における背景(図柄およびキャラクタ画像以外の地の画面)のモード(具体的には種類)を表している。背景モードとして、通常モード、通常時高確可能性モード、高確高ベースモード、および低確高ベースモードがある。
通常モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態である可能性が低いこと、または高確率状態の可能性がないことを遊技者に認識させることができるようなモードである。通常時高確可能性モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態の可能性が高いことを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確高ベースモードは、高確率・高ベース状態で使用されるモードである。低確高ベースモードは、低確率・高ベース状態で使用されるモードである。
図8は、遊技状態の遷移の仕方の一例を示す状態遷移図である。図8に示すように、この実施の形態では、高確率・高ベース状態へは、他の3つの遊技状態から遷移しうる。低確率・高ベース状態へは、高確率・高ベース状態のみから遷移しうる。高確率・低ベース状態へは、高確率・高ベース状態以外の2つの遊技状態から遷移しうる。低確率・低ベース状態へは、高確率・低ベース状態から遷移しうる。なお、図8では、低確率・高ベース状態から低確率・低ベース状態への矢印が記載されているが、遷移する割合は0%である。以下、「遷移」を「移行」ということがある。
遊技状態の遷移は、大当りが発生した場合に遷移しうる。なお、大当りが発生しても、遊技状態が遷移しないこともある。また、図8には明示されていないが、低確率・高ベース状態において表示結果を大当り図柄としない特別図柄の変動表示が所定回連続して行なわれると、遊技状態が、低確率・低ベース状態に遷移するように制御してもよい。
図8に示す「%」の数値は、どのような種類の大当りに伴って遊技状態が遷移するのか、または同じ遊技状態を維持するのかの割合を示している。たとえば、低確率・低ベース状態において、大当りが発生すると、10%(3%+7%)の割合で遊技状態が高確率・高ベース状態に遷移するが、そのうちで3%の割合で、2R大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移し、7%の割合で、15R大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移する。2R大当りとは、大入賞口が2回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、15R大当りとは、大入賞口が最大で15回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りである。
なお、2Rの大当りを突然確変大当りともいう。2Rの大当り遊技では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(たとえば、0.5秒)。また、大当り遊技後の遊技状態は高確率状態に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態(確変状態)になったかのように感じる。
大当りにすることに決定されると、遊技状態をどのように遷移させるのかを決定するために乱数(遊技状態決定用乱数)を用いた抽選が行なわれる。遊技状態決定用乱数は0〜599のいずれかの値になるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選において、遊技状態決定用乱数の値が、遊技状態(その状態に遷移させる遊技状態、すなわち遷移後の遊技状態)および大当りの種類に対応して決められている判定値に一致すると、その遊技状態に遷移させることに決定する。判定値は、4つの遊技状態(そのときの遊技状態)のそれぞれに応じて決められている。また、4つの遊技状態のそれぞれについて、判定値は、大当りの種類毎に決められている。
図9は、一例として、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの遊技状態(遷移後の遊技状態)および大当りの種類と、ランダム8の判定値数との関係を示す説明図である。それぞれの判定値数は、図8に示す各割合と整合するように定められている。具体的には、判定値数分のランダム8の判定値がテーブルとしてROM54に設定されている。なお、図9には、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときのランダム8の判定値数が例示されているが、他の遊技状態についても、図8に示す各割合と整合するようにランダム8の判定値数が定められている。
図10は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図10において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の変動表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図10に示すように、短縮変動が行なわれないときには変動パターン#1〜#4が用いられ、短縮変動が行なわれるときには変動パターン#5〜#8が用いられる。この実施の形態では、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときに短縮変動の変動パターン#5〜#8が用いられる。
なお、変動パターン#2〜#4および変動パターン#6〜#8は、停止図柄が大当り図柄になる場合と、停止図柄ははずれ図柄であるが演出表示装置9において後述するようなリーチ態様となるときのリーチ演出が実行される場合とに用いられる変動パターンである。このようなリーチ態様となるときの変動パターンは、変動パターンの一部または全部にリーチ態様を含む変動パターンである。変動パターン#1および変動パターン#5は、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる変動パターンである。また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示が行なわれるときにも第2特別図柄の変動表示が行なわれるときにも同じ変動パターン(変動パターン#1〜#8のいずれか)が用いられるが、第1特別図柄の変動表示が行なわれるときと第2特別図柄の変動表示が行なわれるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。その場合、たとえば、変動パターン#1〜#8と異なる変動パターン#9〜#16を新たに設ける。変動パターン#9〜#16については、短縮変動が行なわれないときには変動パターン#9〜#12を用い、短縮変動が行なわれるときには変動パターン#13〜#16を用いることとする。変動パターン#9および変動パターン#13は、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる変動パターンである。変動パターン#10〜#12および変動パターン#14〜#16は、停止図柄が大当り図柄になる場合と、停止図柄ははずれ図柄であるが演出表示装置9において後述するようなリーチ態様となるときのリーチ演出が実行される場合とに用いられる変動パターンとする。そして、たとえば、第1特別図柄については変動パターン#1〜#8のいずれかを使用し、第2特別図柄については変動パターン#9〜#16のいずれかを使用する。
次に、リーチ態様(リーチ表示態様)について説明する。本実施形態におけるリーチ態様(リーチ表示態様)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態を含み、大当り表示結果になる直前の変動表示態様である。
たとえば、演出表示装置9において、複数の図柄が停止することで当りとなる有効ラインが予め定められ、その有効ライン上の複数の表示領域のうち一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態、および、有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態をリーチ態様(リーチ表示態様)またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりする演出をすることがある。このような演出をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、飾り図柄表示器で飾り図柄の変動表示を行ない演出表示装置9で演出図柄の変動表示を行なうとともに、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行なう。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行なう。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
図11は、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる判定値を記憶した変動パターン選択用のデータテーブルを説明するための図である。変動パターン選択用のデータテーブルとしては、第1特別図柄の変動表示が行なわれるときの変動パターンを複数の変動パターンのうちから選択するための第1変動パターンデータテーブルと、第2特別図柄の変動表示が行なわれるときの変動パターンを複数の変動パターンのうちから選択するための第2変動パターンデータテーブルとが設けられており、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらで変動表示が行なわれるかに応じて、これら変動パターンデータテーブルが使い分けられる。
第1変動パターンデータテーブルは、短縮変動時において用いられる変動パターンを選択決定するために用いられる第1短縮変動パターンデータテーブルと、変動時間が短縮されない非短縮変動時において用いられる変動パターンを選択決定するために用いられる第1非短縮変動パターンデータテーブルとを含み、前述したROM54に予め記憶されている。また、第2変動パターンデータテーブルは、短縮変動時において用いられる変動パターンを選択決定するために用いられる第2短縮変動パターンデータテーブルと、変動時間が短縮されない非短縮変動時において用いられる変動パターンを選択決定するために用いられる第2非短縮変動パターンデータテーブルとを含み、前述したROM54に予め記憶されている。
図11(a)は、第1特別図柄の非短縮変動時にルックアップされる第1非短縮変動パターンデータテーブルである。第1非短縮変動パターンデータテーブルでは、前述のランダム1を用いた大当り判定の結果に基づき、はずれ決定時データテーブルと、大当り決定時データテーブルとが使い分けられる。
ランダム1を用いた大当り判定結果によりはずれとすることが決定されたときには、ランダム4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたはずれ決定時データテーブルが用いられる。ランダム4の抽出値が「0〜131」の範囲内の場合には、変動パターン♯1が選択決定される。ランダム4の抽出値が「132〜140」の範囲内の場合には、変動パターン♯2が選択決定される。ランダム4の抽出値が「141〜146」の範囲内の場合には、変動パターン♯3が選択決定される。ランダム4の抽出値が「147〜149」の範囲内の場合には、変動パターン♯4が選択決定される。このように、はずれとすることが決定されたときには、リーチとならない変動パターンおよびリーチとなる変動パターンのうちから変動パターンが選択決定される。
また、ランダム1を用いた大当り判定結果により大当りとすることが決定されたときには、ランダム4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた大当り決定時データテーブルが用いられる。ランダム4の抽出値が「0〜29」の範囲内の場合には、変動パターン♯2が選択決定される。ランダム4の抽出値が「30〜74」の範囲内の場合には、変動パターン♯3が選択決定される。ランダム4の抽出値が「75〜149」の範囲内の場合には、変動パターン♯4が選択決定される。このように、大当りとすることが決定されたときには、リーチとなる変動パターンのうちから変動パターンが選択決定される。
図11(b)は、第1特別図柄の短縮変動時にルックアップされる第1短縮変動パターンデータテーブルである。第1短縮変動パターンデータテーブルでは、前述のランダム1を用いた大当り判定の結果に基づき、はずれ決定時データテーブルと、大当り決定時データテーブルとが使い分けられる。
ランダム1を用いた大当り判定結果によりはずれとすることが決定されたときには、ランダム4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたはずれ決定時データテーブルが用いられる。ランダム4の抽出値が「0〜131」の範囲内の場合には、変動パターン♯5が選択決定される。ランダム4の抽出値が「132〜140」の範囲内の場合には、変動パターン♯6が選択決定される。ランダム4の抽出値が「141〜146」の範囲内の場合には、変動パターン♯7が選択決定される。ランダム4の抽出値が「147〜149」の範囲内の場合には、変動パターン♯8が選択決定される。このように、はずれとすることが決定されたときには、リーチとならない変動パターンおよびリーチとなる変動パターンのうちから変動パターンが選択決定される。
また、ランダム1を用いた大当り判定結果により大当りとすることが決定されたときには、ランダム4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた大当り決定時データテーブルが用いられる。ランダム4の抽出値が「0〜29」の範囲内の場合には、変動パターン♯6が選択決定される。ランダム4の抽出値が「30〜74」の範囲内の場合には、変動パターン♯7が選択決定される。ランダム4の抽出値が「75〜149」の範囲内の場合には、変動パターン♯8が選択決定される。このように、大当りとすることが決定されたときには、リーチとなる変動パターンのうちから変動パターンが選択決定される。
図11(c)は、第2特別図柄の非短縮変動時にルックアップされる第2非短縮変動パターンデータテーブルである。第2非短縮変動パターンデータテーブルでは、前述のランダム1を用いた大当り判定の結果に基づき、はずれ決定時データテーブルと、大当り決定時データテーブルとが使い分けられる。
ランダム1を用いた大当り判定結果によりはずれとすることが決定されたときには、ランダム4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたはずれ決定時データテーブルが用いられる。ランダム4の抽出値が「0〜143」の範囲内の場合には、変動パターン♯1が選択決定される。ランダム4の抽出値が「144〜146」の範囲内の場合には、変動パターン♯2が選択決定される。ランダム4の抽出値が「147,148」のいずれかの場合には、変動パターン♯3が選択決定される。ランダム4の抽出値が「149」の場合には、変動パターン♯4が選択決定される。このように、はずれとすることが決定されたときには、リーチとならない変動パターンおよびリーチとなる変動パターンのうちから変動パターンが選択決定される。第2非短縮変動パターンデータテーブルでは、第1非短縮変動パターンデータテーブルと比べて、リーチとなる変動パターン♯2〜♯4が選択決定される割合が少なくなるようにデータが設定されている。具体的には、第2非短縮変動パターンデータテーブルでは、第1非短縮変動パターンデータテーブルと比べて、リーチとなる変動パターン♯2〜♯4が選択決定される割合が1/3である。
また、ランダム1を用いた大当り判定結果により大当りとすることが決定されたときには、ランダム4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた大当り決定時データテーブルが用いられる。この大当り決定時データテーブルにおいては、第1非短縮変動パターンテーブルと同様の割合で、ランダム4の抽出値と、選択決定される変動パターン♯2〜♯4のそれぞれとの関係が定められている。なお、第2非短縮変動パターンデータテーブルでの大当り決定時データテーブルにおけるランダム4の抽出値と選択決定される変動パターン♯2〜♯4との関係は、第1非短縮変動パターンテーブルと同様でなくてもよい。
図11(d)は、第2特別図柄の短縮変動時にルックアップされる第2短縮変動パターンデータテーブルである。第2短縮変動パターンデータテーブルでは、前述のランダム1を用いた大当り判定の結果に基づき、はずれ決定時データテーブルと、大当り決定時データテーブルとが使い分けられる。
ランダム1を用いた大当り判定結果によりはずれとすることが決定されたときには、ランダム4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたはずれ決定時データテーブルが用いられる。ランダム4の抽出値が「0〜143」の範囲内の場合には、変動パターン♯5が選択決定される。ランダム4の抽出値が「144〜146」の範囲内の場合には、変動パターン♯6が選択決定される。「147,148」のいずれかの場合には、変動パターン♯7が選択決定される。ランダム4の抽出値が「149」の範囲内の場合には、変動パターン♯8が選択決定される。このように、はずれとすることが決定されたときには、リーチとならない変動パターンおよびリーチとなる変動パターンのうちから変動パターンが選択決定される。第2短縮変動パターンデータテーブルでは、第1短縮変動パターンデータテーブルと比べて、リーチとなる変動パターン♯6〜♯8が選択決定される割合が少なくなるようにデータが設定されている。具体的には、第2短縮変動パターンデータテーブルでは、第1短縮変動パターンデータテーブルと比べて、リーチとなる変動パターン♯6〜♯8が選択決定される割合が1/3である。
また、ランダム1を用いた大当り判定結果により大当りとすることが決定されたときには、ランダム4の抽出値と、選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた大当り決定時データテーブルが用いられる。この大当り決定時データテーブルにおいては、第1短縮変動パターンテーブルと同様の割合で、ランダム4の抽出値と、選択決定される変動パターン♯6〜♯8のそれぞれとの関係が定められている。なお、第2短縮変動パターンデータテーブルでの大当り決定時データテーブルにおけるランダム4の抽出値と選択決定される変動パターン♯6〜♯8との関係は、第1短縮変動パターンテーブルと同様でなくてもよい。
このように、第2変動パターンデータテーブルでは、第1変動パターンデータテーブルと比べて、短縮変動時と非短縮変動時とのどちの場合にも、表示結果がはずれとなるときにリーチとなる変動パターンが選択決定される割合が少なくなるようにデータが設定されている。これにより、第2特別図柄の変動表示が行なわれるときには、第1特別図柄の変動表示が行なわれるときと比べて、表示結果がはずれとなるときにリーチとなる変動パターンが生じにくい。そして、表示結果が大当りとなるときには、第1変動パターンデータテーブルと第2変動パターンデータテーブルとのどちらも、短縮変動時と非短縮変動時との区別なく、リーチとなる変動パターンが必ず選択される。これにより、第2特別図柄の変動表示においてリーチとなったときには、第1特別図柄の変動表示においてリーチとなったときと比べて、大当りとなる信頼度が高い。第2特別図柄の変動表示においてリーチとなることが、大当りとなることを予告報知する大当り予告と同様に、大当りとなる信頼度が高いという印象を遊技者に与えることができる。したがって、このパチンコ遊技機1では、第2特別図柄の変動表示においてリーチとする演出が、大当り予告の演出としての意味も持つようになる。
なお、この実施の形態においては、表示結果がはずれとなるときにリーチとなる変動パターンが選択される割合が、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで異なる例を示した。表示結果がはずれとなるときにリーチとなる変動パターンが選択される割合としては、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらか一方について、リーチとなる変動パターンが選択される割合が100%に設定されていてもよく、また、リーチとなる変動パターンが選択される割合が0%に選択されるものであってもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図12は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表わす。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図13に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、たとえば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図13に示された極性と逆極性であってもよい。
図14は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14に示す例において、コマンド8001(H)〜8008(H)は、特別図柄の変動表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において変動表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8008(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器9a,9bおよび演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、大当りの種類(2R大当り、15R大当り)、および遊技状態を示す演出制御コマンド(演出図柄指定コマンド)である。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C00(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C00(H)〜8C07(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、遊技状態を低ベース状態にすることまたは低ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(低ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態を高ベース状態にすることまたは高ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(高ベース状態背景指定コマンド)である。低ベース状態背景指定コマンドと高ベース状態背景指定コマンドとを、背景指定コマンドまたは遊技状態指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態指定コマンド(背景指定コマンド)の受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景を、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態に対応する背景にする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。A001(H)は、突然確変用画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド:突然確変指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図14に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1変動表示部(第1飾り図柄表示器9a)での識別情報の変動表示と第2変動表示部(第2飾り図柄表示器9b)での識別情報の変動表示とで共通に使用でき、第1変動表示部と第2変動表示部とを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図15〜図17は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図15(A)は、客待ちデモコマンドが送信される場合の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモコマンドを送信する場合には、その前に、背景指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理(図5参照)で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で客待ちデモコマンドを送信する。
図15(B)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
図15(C)は、特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、図柄変動指定コマンド、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信する。さらに次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信する。さらに次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、変動表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
図16(A)は、合算保留記憶数が0から1になったときに開始される特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。そして、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理から、図15(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。なお、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信し、次のタイマ割込(2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図16(B)は、電力供給が開始されたとき(電源投入時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信した後、客待ちデモ指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で客待ちデモコマンドを送信する。
図16(C)は、電力供給が再開されたとき(停電復旧時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源復旧指定コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。
図17(A)は、15R大当り遊技における例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の開始時に、大当り開始1指定コマンドを送信し、各ラウンドの開始時に大入賞口開放中指定コマンドを送信し、各ラウンドの終了時に大入賞口開放後指定コマンドを送信し、大当り遊技の終了時に、大当り終了指定コマンドを送信する。
図18および図19は、S28の演出制御コマンド制御処理を示すフローチャートである。演出制御コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、初期化コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する(S351)。初期化コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS356に移行する。初期化コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、初期化コマンド送信要求フラグをリセットし(S352)、電源投入指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S353)。
具体的には、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの1バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1を出力し、さらに、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの2バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1を出力する。コマンドデータを出力するための出力ポートおよび演出制御INT信号を出力するための出力ポートの出力は、演出制御基板80に接続されている。なお、このような演出制御コマンドの送信の仕方は、電源投入指定コマンド以外の他の演出制御コマンドについても同じである。
次いで、CPU56は、低ベース状態背景指定コマンドを送信し(S354)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする(S355)。
S356では、CPU56は、停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS361に移行する。停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、停電復旧コマンド送信要求フラグをリセットし(S357)、停電復旧指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S358)。次いで、演出図柄指定コマンドを送信する(S359)。さらに、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(S360)。なお、CPU56は、S359において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。また、S360において、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。なお、合算保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
S361では、CPU56は、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS365に移行する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S362)、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S363)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(S364)。なお、S364において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。
S365では、CPU56は、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS371に移行する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S366)、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S367)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(S368)。なお、S368において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。
S371では、CPU56は、背景指定コマンド送信要求フラグ(低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグまたは高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグ)がセットされているか否か確認する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS374に移行する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S372)、背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S373)。なお、背景指定コマンド送信要求フラグとして低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、低ベース状態背景指定コマンドを送信し、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、高ベース状態背景指定コマンドを送信する。
S374では、CPU56は、変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS381に移行する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド送信要求フラグをリセットし(S375)、図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S376)。次いで、変動パターンコマンドを送信する(S377)。なお、CPU56は、S376において、第1変動中フラグがセットされていたら第1図柄変動指定コマンドを送信し、そうでなければ、または第2変動中フラグがセットされていたら第2図柄変動指定コマンドを送信する。また、S377において、変動パターン記憶領域に記憶されているデータに対応する変動パターンコマンドを送信する。
S381では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS384に移行する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S382)、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S383)。なお、CPU56は、S383において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。
S384では、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS387に移行する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S385)、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S386)。
S387では、CPU56は、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS391に移行する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S388)、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S389)。
S391では、CPU56は、他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされているか否か確認する。他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされていれば、そのフラグをリセットし、フラグで要求された演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S391)。なお、他の演出制御コマンドの代表例として、図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされたことに基づいて送信される図柄確定指定コマンドや大当り開始指定コマンド送信要求フラグがセットされたことに基づいて送信される大当り開始1指定コマンドや大当り開始2指定コマンドがある。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは、全て、既に説明したメイン処理(図4参照)や以下に説明する第1特別図柄プロセス処理(図20、図22、図24〜図26、図28、図30、図31参照)および第2特別図柄プロセス処理等においてコマンドの送信を要求するフラグ(初期化コマンド送信要求フラグ、変動パターンコマンド送信要求フラグ、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグ等)がセットされたことに基づいて、演出制御コマンド制御処理で送信される。しかし、第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理において、コマンドの送信を要求するフラグをセットすることに代えて、各演出制御コマンドを直接送信するようにしてもよい。そのように構成する場合には、1回の遊技制御処理において複数の演出制御コマンドを送信する場合には、続けて送信すればよい。たとえば、図4に示されたS13の処理に代えて、S353〜S355の処理を実行すればよい。また、図22に示すS116の処理に代えて、図18に示すS363,S364の処理を実行すればよい。また、図25に示すS80の処理に代えて、図19に示すS376,S377の処理を実行すればよい。
図20および図21は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(S26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、第2特別図柄プロセス処理(S26B)のプログラムも第1特別図柄プロセス処理と同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
第1特別図柄プロセス処理を行なう際に、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされているか否か確認する(S41)。デモコマンド送信フラグは、客待ちデモ指定コマンドが送信される直前に送信される背景指定コマンドが送信された(具体的には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットした。)ことを示すフラグである。したがって、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされている場合には、デモコマンド送信フラグをリセットして(S42)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする(S43)。そして、S314に移行する。
デモコマンド送信フラグがセットされていない場合には、CPU56は、第1特別図柄の変動中または大当り遊技中(たとえば、第1特別図柄プロセスフラグの値により判定される)であるか否か確認し(S44A)、第1特別図柄の変動中または大当り遊技中であれば監視タイマの値を0にクリアして(S46)、S311に移行する。また、CPU56は、第1保留記憶数が0であるか否か確認し(S44B)、0であれば、S45に移行する。0でない場合には、監視タイマの値を0にクリアして(S46)、S311に移行する。監視タイマとは、RAM55に形成されているソフトウェアタイマであり、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態の継続時間を計測するためのタイマである。
S45では、監視タイマの値を+1する。そして、監視タイマの値が所定値になっているか否か確認する(S47)。すなわち、監視タイマがタイムアウトしているか否か確認する。監視タイマがタイムアウトしていない場合には、S311に移行する。監視タイマがタイムアウトしている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(S48)、さらに、デモコマンド送信フラグをセットして(S49)、S314に移行する。なお、S48において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
なお、第2特別図柄プロセス処理でも、第2保留記憶数が0でない場合には監視タイマの値を0にクリアし、第2保留記憶数が0である場合には、監視タイマの値を+1する。たとえば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0であればS45の処理で監視タイマの値は+1されるが、第2特別図柄プロセス処理で監視タイマの値が0にクリアされるので、S47の処理での判定値(所定値)を2以上の値にしておけば、S47の処理で「Y」と判定されることはない。つまり、第1保留記憶数が0であっても、第2保留記憶数が0でなければ、監視タイマがタイムアウトすることはない。
以上のような制御によって、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態(第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との双方が0である状態)が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。なお、客待ちデモ指定コマンドが送信されるのは、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続したことが検出されたときだけであって、その状態がそれ以上継続しても、以後、客待ちデモ指定コマンドは送信されない。そして、再び、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを用いて客待ちデモコマンドを送信するように制御したが、合算保留記憶数カウンタの値が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると客待ちデモ指定コマンドを送信するようにしたが、特別図柄の変動が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であることを条件として、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0になったときに、直ちに客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、S43,S49の処理が実行される場合にはS311,S312の処理は実行されず、遊技球が第1始動入賞口13に入賞して第1始動口スイッチ13aがオンしたことのチェックはなされないが、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が見逃されることはない。一般に、第1始動口スイッチ13aとして近接スイッチや接点押下型のスイッチが用いられるが、いずれのスイッチを用いても遊技球が第1始動入賞口13に入賞したときには、スイッチの出力のオン状態が数10ms継続する。この実施の形態では、第1特別図柄プロセス処理は2ms毎に実行されるが、S43,S49の処理が実行される場合には数ms(たとえば4ms)間S311,S312の処理が実行されない期間が継続するだけであって、そのような期間が存在しても、スイッチの出力のオン状態が数10ms継続していることから、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が見逃されることはない。
S311では、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、合算保留記憶数カウンタの値が1である場合には処理を終了する(S313)。合算保留記憶数カウンタの値が1でない場合に、および、S311で第1始動口スイッチ13aがオンしていないことを検出した場合には、第2特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを条件に(S314)、S300〜S309のうちのいずれかの処理を行なう。なお、第2特別図柄が変動中でないことは、たとえば、第2変動中フラグがセットされているか否かによって判定される。大当り遊技中でないことは、たとえば、大当りフラグがセットされているか否かによって判定される。また、第2特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを、第2特別図柄プロセスフラグの値によって判定してもよい。
第1始動口スイッチ通過処理を実行したときに合算保留記憶数カウンタの値が1である場合にはS300〜S309の処理を実行しないのは、合算保留記憶数カウンタの値が0から1になったときに、始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとを送信した後、次のタイマ割込処理で背景指定コマンドを送信したいためである(図16(A)参照)。合算保留記憶数カウンタの値が1である場合に続けてS300の処理を実行すると、同じタイマ割込処理で始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドと背景指定コマンドとが送信されてしまうからである。なお、図15(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。また、図16(A)に示された演出制御コマンドの送信タイミングの変形例として、タイマ割込に基づく遊技制御処理(すなわち、2ms以内に)で第1始動入賞指定コマンド、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信する場合には、S313の判断を行なわない。
S300〜S309の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(S300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数を確認する。第1保留記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、合算保留記憶のうちで次に変動を開始すべき記憶が第1保留記憶に対応したものか否か確認し、第1保留記憶に対応したものであれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、遊技状態指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、コマンド送信する制御を行なうとは、具体的には、演出制御コマンド制御処理で実際にコマンドが送信されるように、コマンドの送信を要求するためのフラグ(この場合には、背景指定コマンド送信要求フラグ)をセットすることである。
第1変動パターン設定処理(S301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。大当りとするか否か決定する。また、第1特別図柄の変動表示の変動パターン(変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、第1特別図柄の変動を開始し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド等)を送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS302に応じた値(この例では2)に更新する。
第1遊技状態決定処理(S302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類と、大当り遊技後の遊技状態とを決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、表示結果特定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS303に応じた値(この例では3)に更新する。
第1保留記憶数送信処理(S303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS304に応じた値(この例では4)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(S304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S302でセットされる第1変動時間タイマがタイムアウトすなわち第1変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS305に応じた値(この例では5)に更新する。
第1特別図柄停止処理(S305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける変動表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS306に応じた値(この例では6)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に応じた値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
第1大当り表示処理(S306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り表示時間タイマによって所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS307に応じた値(この例では7)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、演出表示装置9に、15R大当りの発生を報知するための表示を行なう。なお、突然確変大当りの場合には、突然確変大当りの発生を報知するための演出を行なう。
第1大入賞口開放前処理(S307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS308に応じた値(この例では8)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(S308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS309に応じた値(この例では9)に更新する。
第1大当り終了処理(S309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグをセットする処理を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図22は、S312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(S111)。第1保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S112)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S113)。また、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に「第1始動入賞」であることを示すデータをセットする(S114)。
図23は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図23には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合が例示されている。図23に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。保留特定領域は、RAM55に形成されている。このような保留特定領域においては、前述のS114により、始動入賞が生じた順番(図中1〜8の順番)を特定可能に、「第1始動入賞」であることを示すデータ(図中「第1」)と「第2始動入賞」であることを示すデータ(図中「第2」)とのどちらかが記憶されていく。保留特定領域のデータは、最も過去に発生した始動入賞のデータから古い順に読出されて第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらであるかが確認される(後述する図24のS52参照)。そして、確認された最も古いデータは削除され、残りのデータは、1つずつ領域がシフトされる(図23に示された例では、左にシフトされる)。S52,S54の処理によって、第1始動入賞と第2始動入賞との中で、最も過去に発生した始動入賞について特別図柄の変動が開始されることになる。つまり、始動入賞順に特別図柄の変動が開始される。
さらに、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S115)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。なお、ステップ115では、ランダム1〜4,8(図6参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、第1始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットする(S116)。
図24は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図23参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1始動入賞」であるか否か確認する(S52)。「第1始動入賞」であれば、S53以降の処理を行なう。
S53では、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、保留特定領域の内容を1つシフトする。図23に示された例では、左にシフトする(S54)。S52,S54の処理によって、第1始動入賞と第2始動入賞との中で、最も過去に発生した始動入賞について特別図柄の変動が開始されることになる。つまり、始動入賞順に特別図柄の変動が開始される。
次いで、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S55)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S56)、第1変動中フラグをセットする(S57)。
さらに、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(S58)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S59)。なお、S58において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
なお、この実施の形態では、S52の判断処理を行なうことによって、第1始動入賞および第2始動入賞に関わらず始動入賞が生じた順に特別図柄の変動表示が開始されるが、一方の始動入賞を優先して変動表示を開始するようにしてもよい。たとえば、S52の判断処理をなくすと、第2特別図柄通常処理を含む第2特別図柄プロセス処理よりも先に第1特別図柄通常処理を含む第1特別図柄プロセス処理が実行されるので(図5参照)、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない場合に、第1保留記憶数が0になるまで、第1保留記憶数に基づく第1特別図柄の変動表示が優先して実行される。
図25は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダム1)を読出し(S61)、大当り判定モジュールを実行する(S62)。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(S63)、S71に移行する。なお、S63では、CPU56は、具体的には、大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読出し(S64)、はずれ図柄決定用乱数に基づいてはずれ図柄(たとえば、偶数図柄のいずれか)を決定する(S65)。CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する(S66)。そして、S75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読出し(S72)、大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄(たとえば、奇数図柄のいずれか)を決定する(S73)。CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する(S74)。そして、S75に移行する。
S75では、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読出す。そして、変動パターンを決定する。そのときに、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(たとえば、3以上)であれば(S76)、短縮変動パターンテーブル(図11の(b)の第1短縮変動パターンテーブル)から変動パターンを選択する(S77)。短縮変動パターンテーブルでは、図11(b)に示すように、変動パターン#5〜#8を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、短縮変動パターンテーブルから変動パターン#5を選択しない。
なお、S76の判断において、たとえば3以上か否か判断するのは、S56の処理で既に合算保留記憶数カウンタの値が−1されているからである。つまり、合算保留記憶数カウンタの値が4(第1保留記憶数および第2保留記憶数の上限数はそれぞれ4である場合。つまり合算保留記憶数カウンタの上限値が8である場合。)以上であるときに開始される変動表示について短縮変動パターンテーブルを使用したいからである。合算保留記憶数カウンタの値が4(上限値は8である場合)以上であるときに短縮変動パターンテーブルを使用したい理由は以下のようである。つまり、第1保留記憶数が4(上限数)である場合に第1特別図柄の変動時間を短縮し、かつ、第2保留記憶数が4(上限数)である場合に第2特別図柄の変動時間を短縮するようにした場合に、たとえば、第1保留記憶数が2であり、第2保留記憶数が3であるときには、変動時間は短縮されない。しかし、合算保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数は5になっている。そのときに、変動時間は短縮されないので、不審感を抱く遊技者が出る可能性がある。そこで、この実施の形態では、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるときに開始される特別図柄の変動については、変動時間を短縮する。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であれば(S76)、非短縮変動パターンテーブル(図11の(a)の第1非短縮変動パターンテーブル)から変動パターンを選択する(S78)。非短縮変動パターンテーブルでは、図11(a)に示すように、変動パターン#1〜#4を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、非短縮変動パターンテーブルから変動パターン#1を選択しない。CPU56は、決定した変動パターンを示すデータをRAM55における変動パターン記憶領域に記憶する(S79)。そして、変動パターンコマンド送信要求フラグをセットする(S80)。
なお、大当りとすることに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(大当り時短縮変動パターンテーブルおよび大当り時非短縮変動パターンテーブル)と、大当りとしないことに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(はずれ時短縮変動パターンテーブルおよびはずれ時非短縮変動パターンテーブル)とを別にして、CPU56は、大当りとすることに決定しているか否かによって、異なるテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、CPU56は、第1特別図柄の変動を開始する(S81)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値を設定する(S82)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1遊技状態決定処理(S302)に対応した値に更新する(S83)。
図26は、第1特別図柄プロセス処理における第1遊技状態決定処理(S302)を示すフローチャートである。第1遊技状態決定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S101)。大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ指定の演出図柄指定コマンド(図14に示す演出図柄1指定コマンド)を示すデータを演出図柄種類格納領域に格納し(S106)、S107に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には、乱数バッファ領域から遊技状態決定用乱数(ランダム8)を読出し(S102)、ランダム8の値に基づいて、大当りの種類(突然確変またはそうではない大当り)と大当り遊技後の遊技状態とを決定する(S103)。そして、突然確変にするか否かと大当り遊技後の遊技状態とに応じた演出図柄指定コマンドを決定し(S104)、決定した演出図柄指定コマンドを示すデータを演出図柄種類格納領域に格納し(S105)、S107に移行する。
なお、この実施の形態では、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に基づいて停止図柄とする大当り図柄を決定し(図25のS72,S73参照)、その後、S103で遊技状態決定用乱数(ランダム8)に値に基づいて大当りの種類や遊技状態を決定するが、1つの乱数を用いて、大当りの種類や遊技状態と大当り図柄とを決定するようにしてもよい。
図27は、突然確変にするか否かおよび大当り遊技後の遊技状態と、演出図柄指定コマンドとの対応を示す説明図である。CPU56は、そのときの遊技状態(図27の最左欄に対応)に応じて、また、ランダム8の値に応じて、「ランダム8に基づく判定結果」として記載されているように、大当りの種類と大当り遊技後の遊技状態とを決定し、図27に示されているような決定結果に対応する演出図柄指定コマンドを決定する。
なお、図27において、「大当り遊技終了後の背景」として記載されていることは、演出図柄指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100が、制御する背景モードを示す。また。(*)が付されている背景モードについては、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9における背景をそのように制御するが、実は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御では、遊技状態は、高確率・高ベースモードであることを示す。つまり、実際の遊技状態と、遊技者に把握させたい遊技状態が異なっている。このような制御は、遊技のバリエーションを増やすために行なわれている。
また、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)である。遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である。それぞれの背景モードでは、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景が演出表示装置9に表示される。たとえば、活躍モードでは、演出表示装置9における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。なお、このような区分けは一例であり、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景演出であれば、どのような背景演出を行なってもよい。さらに、各背景モードにおいて、異なるキャラクタを演出表示装置9に表示するようにしてもよい。また、復活モードであるときに、高確率状態であることを示唆するような演出を行なってもよい。たとえば、図27において(*)が付されている背景モードにおいて、高確率状態であることを示唆する所定の予告キャラクタを演出表示装置9に表示する。
遊技状態が高確率高ベース状態であるときに、ランダム8に基づく判定結果が、15R大当り(大当り遊技後、高確率・高ベース状態)であったときと、15R大当り(大当り遊技後、低確率・高ベース状態)であったときとで、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出図柄指定コマンドを別にしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、高確率低ベース状態であるときと低確率低ベース状態であるときとで、演出(たとえば、演出表示装置9における背景画面)を同じにしてもよい。たとえば、大当り遊技後に潜伏モードに移行し、所定条件(たとえば、変動表示毎に演出上の転落抽選(たとえば、乱数を用いた抽選により背景モードを遊技者にとってより有利でないモードに移行させるか否かの抽選)を行なう場合で転落することに決定したしたときや、所定の変動パターンコマンドを受信したとき等)が成立したときに、所定の確率で通常モードに移行する。演出制御用マイクロコンピュータ100は受信した演出図柄指定コマンドを記憶しているが、大当り遊技となるときに受信した演出図柄指定コマンドが低確率状態を示しているときには、高確率状態を示している場合に比べて、高い割合で通常モードに移行する。
S107では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1保留記憶数送信処理(S303)に対応した値に更新する(S108)。
図28は、第1特別図柄プロセス処理における第1保留記憶数送信処理(S303)を示すフローチャートである。第1保留記憶数送信処理において、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをセットする(S109)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(S304)に対応した値に更新する(S110)。
図29は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(S304)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(S121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(S122)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S305)に対応した値に更新する(S123)。
図30は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S305)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、たとえばS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄(表示結果)を導出表示する制御を行なう(S131)。また、図柄確定指定コマンド送信要求フラグをセットする(S132)。そして、第1変動中フラグをリセットする(S133)。
さらに、大当りフラグがセットされていたら(S134)、大当り開始指定コマンド送信要求フラグをセットする(S135)。S135では、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、大当り開始2指定コマンド送信要求フラグをセットし、突然確変大当りとすることに決定されていない場合には、大当り開始1指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(15R大当りが発生したことをたとえば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S136)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(S306)に対応した値に更新する(S137)。なお、第1大当り表示処理では、CPU56は、第1大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S307)に対応した値に更新する。
ここで、大当り遊技中の遊技状態を低確率低ベース状態に制御する場合には、大当り遊技が開始される前(たとえば、S137の処理を実行する前)に、高ベース状態フラグをリセットしたり、確変フラグをリセットするように制御してもよい。そのように制御すれば、高ベース状態および高確率状態において可変入賞球装置15の開放回数が増やされたり開放時間が延長される場合に、大当り遊技中に出玉率が極端に高くなってしまうことが防止される。なお、そのように制御する場合には、S143,S144の処理(図31参照)で、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄6指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをセットする。また、大当り遊技が開始される前に、常に、高ベース状態フラグや確変フラグをリセットするように制御してもよい。
大当りフラグがセットされていない場合には(S134)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S138)。
図31は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S309)の処理を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当りフラグをリセットし(S141)、大当り終了指定コマンド送信要求フラグをセットする(S142)。そして、変動開始時に、演出図柄4指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットする(S143,S144、図14,図27参照)。なお、高ベース状態フラグがセットされていないときには、遊技状態は低ベース状態である。また、どの演出図柄指定コマンドを送信したのかは、演出図柄種類格納領域に格納されているデータで判別される。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄7指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをリセットする(S145,S146)。
さらに、CPU56は、変動開始時に、演出図柄2指定コマンド、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄7指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグをセットする(S147,S148)。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄3指定コマンドまたは演出図柄6指定コマンドを送信していたら、確変フラグをリセットする(S149,S150)。なお、確変フラグがセットされていないときには、遊技状態は低確率状態である。
その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S151)。
なお、CPU56は、遊技状態が低確率・高ベース状態であるときには、表示結果がはずれとなる変動表示の開始時に所定のカウンタの値を+1し、そのカウンタのカウント値が所定値(たとえば、100)になったら、高ベース状態フラグをリセットして、遊技状態を低確率・低ベース状態に移行させるようにしてもよい。そのように制御する場合には、高ベース終了・低確指定の演出図柄コマンド(図14では図示せず)が演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、次の変動表示開始時に、低ベース状態背景指定コマンドを送信してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動表示回数をカウントして独自に背景モードを切替えてもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図32は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S708)。また、予告決定用乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する予告用乱数更新処理を実行する(S709)。その後、S702に移行する。
図33は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、コマンド受信バッファは、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14参照)であるのか解析する。
図34〜図36は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが背景指定コマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その背景指定コマンドを、RAMに形成されている背景指定コマンド格納領域に格納する(S617)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S618)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S619)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S622,S623)。また、第1図柄変動要求フラグをセットする(S624)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、S623の処理を実行せず、第1図柄変動要求フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S626)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S627,S628)。また、第2図柄変動要求フラグをセットする(S629)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、S628の処理を実行せず、第2図柄変動要求フラグをセットする(S629)。
飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)は、第1飾り図柄の変動中および第2飾り図柄の変動中にセットされている。また、飾り図柄停止要求フラグは演出図柄および飾り図柄の変動停止を要求するためのフラグであり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述する演出制御プロセス処理において、飾り図柄停止要求フラグがセットされていたら演出図柄および飾り図柄の変動を停止させる制御を行なう。
第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドは、特別図柄および飾り図柄の変動表示(変動)を開始するときに送信される演出制御コマンドである。また、この実施の形態では、変動表示が行なわれていないことを条件として新たな変動表示が開始される。したがって、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄の変動表示は行なわれていないはずであり、飾り図柄変動中フラグはセットされていないはずである。第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときに飾り図柄変動中フラグがセットされているということは、前回の変動表示について、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100において図柄確定指定コマンドが正常に受信されなかったために変動表示を終了させる制御が実行されていないことが考えられる。なお、他の要因によって変動表示を終了させる制御が実行されていないことも考えられる。何らかの要因によって変動表示を終了させる制御が実行されていない場合でも、S622,S623およびS627,S628の処理によって、確実に変動表示を終了させることができる。また、基板間でのノイズ等に起因して図柄確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に正しく伝達されなかったときには図柄の変動表示を終了させることができないため、そのときに保留記憶数が0でない場合には、保留記憶に基づいて新たな変動表示を開始すべきであるにも関わらず変動表示が開始されないことになり、遊技者に不利益がもたらされる可能性があるが、この実施の形態では、そのような可能性を低減することができる。
受信した演出制御コマンドが演出図柄指定コマンドであれば(S631)、演出制御用CPU101は、その演出図柄指定コマンドを、RAMに形成されている演出図柄指定コマンド格納領域に格納する(S632)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(S635)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(S636)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S637)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(S638)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S639)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(S640)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(S654)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行ない、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行なう(S655)。低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している)には、演出表示装置9における背景色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行ない、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行なう(S656)。なお、高ベース状態モードの背景色は、たとえば、低ベース状態モードの背景色に比べて目立つ色調(たとえば、明るいとか原色が多い)である。また、客待ちデモンストレーション演出が実行されていないときには、上記のように、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)であり、遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)であるが、たとえば、活躍モードでは、演出表示装置9における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。
また、演出表示装置9の表示状態はVDP109によって制御されるので、演出制御用CPU101が演出表示装置9の表示に関して「制御を行なう」とは、具体的には、演出制御用CPU101が、VDP109に対して、演出表示装置9の表示状態をそのようにすることの指令を出力することである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に初期画面を表示する制御を行なう(S662)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S663)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S664)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S665)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S666)。受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドであれば(S671)、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグをセットする(S674)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S675)。
図37は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の変動表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図37に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図37(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図37(B)参照)。
図38は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図38(A),(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数カウンタのカウント値に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。たとえば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。合算保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶に対応する赤色の表示および第2保留記憶に対応する緑色の表示は、図23に示す保留特定領域でのデータの順番と同じ順番に並んで表示される。図中では、最も左下の丸印が最も古い始動入賞に対応する表示であって次回の変動表示に用いられる保留記憶を示しており、最も右上の丸印が最も新しい始動入賞に対応する表示である。保留記憶に基づく変動表示が実行されるときには、その変動表示に用いられる保留記憶を示す最も左下の丸印が消去されることにより、第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらが変動表示に用いられたかが示される。これにより、遊技者は第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらが変動表示に用いられたかを識別することができる。変動表示に用いられた保留記憶を示す丸印(最も左下の丸印)が消去されたときには、残りの保留記憶についての丸印は、表示される領域が1つずつ左下方へシフトされる。これにより、次回の変動表示に用いられる保留記憶が第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらであるかが順次示される。このような合算保留記憶表示部1
8cの表示状態は、後述する図49に示す保留記憶表示制御処理により制御される。
図39は、図32に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(S801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(S801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S802):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したら、演出図柄および飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S806):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図40は、図39に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ、リターンする。一方、変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。
また、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(S813)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行なう(S814)。また、低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している場合)には、演出表示装置9における背景の色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行なう(S815)。
そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(S801)に対応した値に更新する(S816)。
図41は、図39に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(S801)を示すフローチャートである。予告選択処理は、前述したような第2特別図柄の変動表示時においてリーチ変動パターンが選択されることが第2特別図柄についての大当り予告となることとは異なり、第1特別図柄の変動表示において、意図的に行なう大当り予告に関する選択をするための処理である。
予告選択処理において、演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S821)。第1図柄変動要求フラグは、第1図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされるフラグである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動を開始するときに第1図柄変動指定コマンドを送信する。また、第2特別図柄の変動を開始するときに第2図柄変動指定コマンドを送信する。
演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータに基づいて、受信した変動パターンコマンドが、変動パターン#2,#3,#4,#6,#7,#8(リーチ演出を伴う変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(S822)。変動パターン#2,#3,#4,#6,#7,#8のいずれかであれば、予告選択用乱数を抽出し(S823)、抽出した予告選択用乱数に基づいて予告演出を行なうか否か決定する(S824)。
予告演出を行なうことに決定した場合(S825)に、演出制御用CPU101は、予告演出Aまたは予告演出Bを実行することに選択決定する(S826)。予告演出Aおよび予告演出Bの演出態様はそれぞれ異なる。たとえば、予告演出を開始する時期が異なっていたり、予告演出において演出表示装置9に表示されるキャラクタが異なっていたりする。演出制御用CPU101は、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合には、前述のようにリーチとなる変動パターンで変動表示が行なわれることが大当り予告の効果を生じるので、第1特別図柄の変動表示について行なわれるような意図的な大当り予告は行なわない。なお、演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と同様の手順での処理を行なうことにより、第1特別図柄の変動表示において行なわれる大当り予告と同様の大当り予告を意図的に行なうようにしてもよい。その場合における第2特別図柄の変動表示における大当り予告は、第1特別図柄の変動表示における大当り予告と同様の態様で行なうようにしてもよく、第1特別図柄の変動表示における大当り予告と異なる態様で行なうようにしてもよい。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S802)に対応した値に更新する(S827)。また、前述のS821で第1図柄変動要求フラグがセットされていないと判断したとき、前述のS822でリーチ演出を伴う変動パターンのいずれかではないと判断したとき、および、前述のS825で予告演出を行なわないと判断したときのそれぞれのときは、S826のような予告演出をすることに決定せずに、S827で演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S802)に対応した値に更新する。これにより、このような場合には、予告演出が行なわれない。
図42は、図39に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読出す(S831)。次いで、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S832)。第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1図柄変動要求フラグをリセットし(S833)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(S834)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を設定する(S835)。その後、S841に移行する。
第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている場合に相当)には、第2図柄変動要求フラグをリセットし(S837)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(S838)。そして、飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を設定する(S839)。その後、S841に移行する。
S841では、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した演出図柄指定コマンド)に応じて演出図柄および飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S841)。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納し、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
S841において、受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド(図14参照)であれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の表示結果をはずれを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、はずれを想起させるような表示結果とは、いずれの方向のライン(3図柄の並び、図1参照)においても3つの図柄が揃った状態にならないような表示結果である。そのようにはずれを想起させるような表示結果に決定するときにおいて、前述のようなリーチとなる変動パターンを受信しているときには、変動表示中においてリーチ態様を想起させるような変動表示態様となる表示結果に決定する。リーチ態様を想起させるような表示結果とは、変動表示中において、いずれかの方向のラインにおいて、2つの図柄が揃った状態になる表示結果である。そのときに、演出制御用CPU101は、リーチ態様とするライン、リーチ態様とする表示領域の図柄の停止表示結果、および、リーチ態様としない表示領域の図柄の停止表示結果のそれぞれを、たとえば、図6を用いて説明したものと同様の乱数を用いた抽選によってランダムに決定する。一方、リーチとならない変動パターンを受信しているときには、変動表示中においてリーチ態様を想起させないような変動表示態様となる表示結果に決定する。そのときに、演出制御用CPU101は、各表示領域の図柄の停止表示結果を、たとえば、図6を用いて説明したものと同様の乱数を用いた抽選によってランダムに決定する。
S841において、受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド以外の演出図柄指定コマンド(図14参照)であれば、演出図柄の表示結果を大当りを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、大当りを想起させるような表示結果とは、いずれかの方向の1つ以上のラインにおいてすべての図柄(この例では3つの図柄)が揃った状態(大当り態様ともいう)である。そのときに、演出制御用CPU101は、大当り態様とするライン、大当り態様とする表示領域の図柄の停止表示結果、および、大当り態様としない表示領域の図柄の停止表示結果のそれぞれを、たとえば、図6を用いて説明したものと同様の乱数を用いた抽選によってランダムに決定する。ここで、演出図柄指定コマンドが高ベース継続指定や高確指定を示している場合には、表示結果を、複数ラインにおいて3つの図柄が揃った大当り態様にすることが好ましい。演出図柄指定コマンドが高ベース突入指定を示している場合には、表示結果を、さらに多くのラインにおいて3つの図柄が揃った大当り態様にすることが好ましい。
なお、この実施の形態では、変動パターンコマンドは変動パターンのみを指定する演出制御コマンドであるが、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドと、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果としないことを指定する変動パターンコマンドとを別にしてもよい。その場合、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できず、かつ、表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドを受信した場合には、演出図柄の表示結果を、大当りを想起させるような表示結果のうち低ベース状態を想起させるような表示結果(たとえば、1ラインにおいてのみ3つの図柄が揃った状態)にするように制御してもよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセスデータが設定されたプロセステーブルを選択する(S842)。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せとが複数集まったデータで構成されているデータテーブルであり、図43を用いて後述する。そして、選択したプロセステーブルにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(S843)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S844)。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S845)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S803)に対応した値にする(S846)。
以上のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのコマンドに基づいて、演出用部品(演出表示装置9、第1飾り図柄表示器9a、第2飾り図柄表示器9b等)で、変動表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される変動表示手段(第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することができる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄の変動表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の変動表示を開始させるとともに、第1飾り図柄表示器9aで第1飾り図柄の変動表示を開始させる。また、第2特別図柄の変動表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の変動表示を開始させるとともに、第2飾り図柄表示器9bで第2飾り図柄の変動表示を開始させる。よって、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握しやすくなる。
図43は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されている
データにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を変動表示させる制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データに基づく演出表示装置9の制御に同期して、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データに基づいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。すなわち、各種ランプおよびスピーカ27は、演出表示装置9の制御に同期して制御される。
図43に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、演出制御基板80におけるROMにおいては、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。すなわち、この実施の形態では、予告演出の演出態様は、選択されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに基づいて実現される。つまり、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するときに、予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルの内容にしたがって演出制御を行なう。
図44は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(S851)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、S857に移行する。
この実施の形態では、飾り図柄停止要求フラグは、飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされる(図34のS622,S623,S627,S628参照)。飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したということは、本来演出図柄および飾り図柄の変動を終了して表示結果を導出表示すべきであったのに何らかの要因(たとえば、主基板31と演出制御基板80との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを受信できなかった。)で演出図柄および飾り図柄の変動が継続してしまっていることを意味する。
そこで、飾り図柄停止要求フラグがセットされた場合には、直ちに演出図柄および飾り図柄の変動を停止させるために、S857に移行する。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S852)、変動時間タイマの値を1減算する(S853)。プロセスタイマがタイムアップしたら、プロセスデータの切替えを行なう(S854,S855)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S856)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に応じた値に更新する(S857)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S858)、S857に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄および飾り図柄の変動を終了させることができる。
図45は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(S860)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、飾り図柄停止要求フラグをリセットして(S861)、S864に移行する。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S862)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S863)、S864に移行する。
なお、S862の判定処理で確定コマンド受信フラグがセットされていないと確認される場合は、演出制御用CPU101が計時した変動時間が経過したが図柄確定指定コマンドを受信していない場合であって図柄確定指定コマンドを受信するまで演出図柄の変動は継続するが、そのような場合に、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動態様を、揺れ変動(各演出図柄を上下や左右に細かく変動するような態様)にしたり、演出図柄を拡大表示と縮小表示との繰り返しにしたりすることによって、変動時間は経過したがまだ確定していないことを認識可能に表示することが好ましい。
S864では、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)にしたがって停止図柄を導出表示する制御を行なう。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(S865)。そして、大当りとする場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S805)に応じた値に更新し(S866,867)。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S868)。
以上の制御によって、演出制御用CPU101は、図柄確定指定コマンドが受信されていないと認識している状態で、飾り図柄停止要求フラグがセットされたら、図柄確定指定コマンドの受信/非受信に関わらず、演出図柄の変動表示(変動)を終了させ、飾り図柄変動終了フラグをセットする。後述するように、飾り図柄変動終了フラグがセットされた場合には、飾り図柄の変動表示(変動)は強制的に終了される。
図46は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示すファンファーレフラグがセットされているか否か確認する(S870)。ファンファーレフラグがセットされていた場合には、ファンファーレフラグをリセットし(S871)、演出表示装置9に大当り遊技開始画面を表示する制御を行なう(S872)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S806)に応じた値に更新する(S873)。
なお、突然確変大当りにすることに決定されている場合には遊技制御用マイクロコンピュータ560は大当り開始2指定コマンドを送信するが、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信した場合には、突然確変大当りであることを報知する突然確変用画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう。
図47は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S875)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(S876)、演出表示装置9に大当り終了画面を表示する制御を行なう(S877)。
そして、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータにしたがって、演出表示装置9の背景画面を切替える制御を行なう(S878)。背景モードは、通常モード、高確低ベースモード(潜伏モード)、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である(図27参照)。演出制御用CPU101は、受信している演出図柄指定コマンド格納領域に保存されているデータに基づいて、いずれの背景モードにするのかを決定する。たとえば、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄4指定コマンド(図14参照)が格納されている場合には、高確高ベースモード(活躍モード)にする。なお、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄指定コマンドが格納されていないとき(演出図柄指定コマンドが1回も送信されていないとき)には、背景モードは通常モードにされている。また、切替前の背景モードと切替後の背景モードとが同じである場合には、切替前の背景モードが維持されることになる。
なお、この実施の形態では、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できなかった場合には、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータ(前回の変動開始時に受信した演出表示指定コマンド)にしたがって、演出表示装置9の背景画面の制御が行なわれる。しかし、変動パターンコマンドを受信したときに、演出表示指定コマンド格納領域の内容を初期化する(演出図柄指定コマンドが格納されていない状態にする。)ように制御してもよい。
また、図47に例示する制御では、大当り終了画面は短時間しか表示されないことになるが、実際には、所定期間、大当り終了処理を実行する状態に維持される。その間、大当り終了画面の表示は継続される。
図48は、演出制御メイン処理における第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(S881)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、S885に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S882)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(S883)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(S884)。
S885では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグは、S865(図45参照)でセットされている。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(S886)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータにしたがって第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(S891)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(S892)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(S887)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(S888)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切替え(S889)、飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を再設定する(S890)。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDがたとえば0.5秒ごとに切替えられ、第1飾り図柄の変動表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(S707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
図49は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(S901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、S911に移行する。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。そこで、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(S902)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(S903)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(S904)。また、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(S905)。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合(第2始動入賞フラグがセットされていることになる)には、第2始動入賞フラグをリセットし(S905)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(S907)。また、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(S908)。
S911では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(S912)、図38に示すような合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸印を消去し、各丸印を、消去された丸印の側にシフトして表示するように制御する(S913)。このように、保留記憶に基づく変動表示が実行されるときには、変動表示に用いられる保留記憶を示す丸印を消去する制御が行なわれることにより、次回の変動表示が第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに基づく変動表示であるかが示される。これにより、遊技者は第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらが次回の変動表示に用いられるかを識別することができる。そして、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S914)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(S915)。
なお、S911により合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされていると判断したときに、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された(最も左下に表示された)丸印を点滅表示させ、点滅表示された保留記憶に対応する変動表示の終了後に、その点滅させていた丸印を消去する表示制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、現在の変動表示が第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに基づく変動表示であるかが示される。これにより、遊技者は第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらが現在の変動表示に用いられているかを識別することができる。
また、S913では、図38に示すような合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸(最も左下に表示された)印を消去する際において、その丸印を点滅表示させた後に消去する制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、遊技者が第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらが変動表示に用いられたかをより明確に識別することができる。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印が1減る。
なお、図16(C)に例示されているように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給復旧時にも、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は合算保留記憶数を認識できるが、内訳(合算保留記憶数のうち第1保留記憶数が幾つであるのか)を認識できない。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとを受信した場合には、合算保留記憶数指定コマンドで指定される数の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するがその色を赤色および緑色以外の色にしたり、丸印でない態様で表示したりする。
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、主基板31と演出制御基板80との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを受信できなかったこと等に起因して演出図柄および飾り図柄の変動表示が継続してしまった場合に、次回の変動表示の開始時に送信される第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄および飾り図柄の変動表示を終了させるようにした。しかし、他の演出制御コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の変動表示を終了させるようにしてもよい。
この第2実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の変動表示を終了させる。背景指定コマンドも、次回の変動表示の開始時に送信される演出制御コマンドである(図15(C)参照)。
図50は、第2実施形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理の一部を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、背景指定コマンドを受信したときに(S614)、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S615,S616)。また、第1実施形態の場合とは異なり、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき(S621)、および第2図柄変動指定コマンドを受信したとき(S626)には、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行なわない。
その他の演出制御用マイクロコンピュータ100の制御は、第1実施形態の場合と同じである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御は、第1実施形態の場合と同じである。
なお、この実施の形態では、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき、および第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行なわなかったが、それらの場合にも、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行なうようにしてもよい。制御の仕方は、第1実施形態の場合と同様である。
〔第3実施形態〕
この第3実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、客待ちデモ指定コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の変動表示を終了させる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドを送信する。
図51〜図53は、第3実施形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンドを受信したときに(S651)、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S652,S653)。また、大当り開始1指定コマンドを受信したときに(S671)、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S672,S673)。なお、大当り開始2指定コマンドを受信したときにも、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットすることが好ましい。また、第1実施形態の場合とは異なり、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき(S621)、および第2図柄変動指定コマンドを受信したとき(S626)には、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行なわない。
その他の演出制御用マイクロコンピュータ100の制御は、第1実施形態の場合と同じである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御は、第1実施形態の場合と同じである。
なお、この実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信した場合、および大当り開始1指定コマンドを受信した場合に、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行なうようにしたが、いずれか一方の場合にのみ、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行なうようにしてもよい。
また、図51〜図53には、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき、および第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行なわない制御が例示されているが、それらの場合にも、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行なうようにしてもよい。制御の仕方は、第1実施形態の場合と同様である。
また、第2実施形態の場合と同様に、背景指定コマンドを受信したときにも、演出図柄および飾り図柄の変動表示を終了させるようにしてもよい。制御の仕方は、第2実施形態の場合と同様である。
〔第4実施形態〕
上記の各実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンの選択制御を実行していなかった。たとえば、変動パターン#2を示す変動パターンコマンドを受信したら、予め決められている変動パターン#2の変動態様で、演出図柄の変動制御を行なっていた。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、変動パターンコマンドを受信した場合に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図54は、演出制御用マイクロコンピュータ100が複数種類の変動パターンから使用する変動パターンを選択するように構成されている場合の制御例を示すフローチャートである。この第4実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄変動開始処理において、第1図柄変動要求フラグがセットされているか第2図柄変動要求フラグがセットされているかによって(第1図柄変動指定コマンドを受信したか第2図柄変動指定コマンドを受信したかによって)、変動態様を別にする。第1特別図柄の変動表示が行なわれているときと第2特別図柄の変動表示が行なわれているときとで演出図柄の変動態様(変動表示態様)が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)をより把握しやすくなる。
図55には、一例として、変動パターン#2の変動態様が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン#2を示す変動パターンコマンドを受信した場合に、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときには図55(A)に例示するような変動態様に変動パターンを使用し、第2図柄変動指定コマンドを受信しているときには図55(B)に例示するような変動態様に変動パターンを使用する。なお、図55には、変動パターン#2の変動態様が例示されているが、他の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合にも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動態様を別にする。
図54に示すように、演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、図55(A)に例示するような第1特別図柄対応変動パターンを使用することに決定する(S833A)。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている)には、図55(B)に例示するような第2特別図柄対応変動パターンを使用することに決定する(S837A)。その他の制御は、上記の各実施の形態の場合と同様である。
この第4実施形態では、演出制御用CPU101は、演出用部品としての演出表示装置9において、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄の変動表示を行なう変動表示手段(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)に対応した演出(この例では、演出図柄の変動による異演出)を開始することになる。
なお、この第4実施形態では、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときと第2図柄変動指定コマンドを受信しているときとで、同じ変動パターンを受信しても変動態様を変えたが、変動時間は同じである。しかし、変動時間を変えるようにしてもよい。たとえば、変動パターン#2の変動パターンコマンドを受信した場合に、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときには変動時間を10秒にし、第2図柄変動指定コマンドを受信しているときには変動時間を15秒にする。このような制御を行なってもよいことは、他の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合でも同様である。
また、ここでは、受信した図柄変動指定コマンドに応じて変動パターンを選択するようにしたが、受信した図柄変動指定コマンドに関係なく、変動パターンコマンドを受信した場合に、常に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図11に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行されるときの変動パターンと、第2特別図柄の変動表示が実行されるときの変動パターンとでは、表示結果をはずれ表示結果とすると決定されたときにおいて、変動表示の変動パターンを、リーチとなる変動パターン#2〜#4または#6〜#8に選択する割合が異なる。具体的に、第2特別図柄の変動表示の方がリーチとなる変動パターンを選択する割合が低い。これにより、リーチとなる変動パターンが選択される割合が低い方の特別図柄の変動表示については、リーチとなる変動パターンが選択される割合が高い方の変動表示手段による変動表示と比べて、リーチとなる変動パターンとなったときに大当りとなる信頼度が高い。このため、リーチとなる変動パターンが選択される割合が低い方の特別図柄の変動表示については、リーチとなる変動パターンで変動表示が行なわれることが、変動表示の結果が特定表示結果となることを予告している演出であるかのような印象を遊技者に与えることができ、遊技者の期待感を高めることができる。そして、図38に示すように、合算保留記憶表示部18cには、第1保留記憶が赤色で表示され、第2保留記憶が緑色で表示されることにより、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とがそれぞれ特定可能に表示されるとともに、保留記憶に基づく変動表示が実行されるときに当該保留記憶が消去されることによって第1変動表示手段または第2変動表示手段のいずれに基づく変動表示かが表示される。これにより、リーチとなる変動パターンが選択される割合が低い方の特別図柄の変動表示と、その割合が高い方の特別図柄の変動表示とについて、どちらの変動表示の実行条件が成立したかが明確に区別できる。したがって、リーチとなる変動パターンが選択される割合が低い方の変動表示手段でリーチ態様を含む変動パターンが実行されたときに、変動表示の結果が大当り表示結果となることを予告している演出であるかのような印象を遊技者に与えることができる。また、変動表示を実行するときに、実行条件の成立数の表示と、その実行条件の成立に基づいて行なわれる制御との対応関係について、遊技者に違和感を持たせないようにすることができる。
(2) 図15の(b)に示すように、特別図柄、演出図柄、および、飾り図柄の変動表示を開始するときに、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちいずれで変動表示を開始するのかを第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドにより特定可能である。これにより、変動パターンコマンドおよび演出図柄指定コマンドを、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とで共通に使用することができる。このように、図柄の変動表示を開始するときに使用するコマンドを第1特別図柄等の変動表示と第2特別図柄等の変動表示とで共通化できることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出表示装置9等の演出用部品で、第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドで特定される方の特別図柄に対応した演出を開始する場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
(3) 図2および図3に示すように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと、演出制御用マイクロコンピュータ100とが遊技制御用マイクロコンピュータ560に並列に接続され、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと、演出制御用マイクロコンピュータ100とをそれぞれ制御する。これにより、直列接続等の並列以外の接続態様で接続されている場合と比べて、制御方法を簡素化することができるので、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれを正確に制御することができる。
(4) 図39のS802〜S804に示すように、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、変動パターンコマンドに基づき変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、変動パターンコマンドに基づき変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行されるので、このような演出表示装置9での演出表示に基づいて、遊技者が遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
(5) 図16の(A)に示すように、第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドにより、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とのいずれの保留記憶数が増加したのかが示され、合算保留記憶数指定コマンドにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)が特定される。これにより、合算保留記憶表示部18cにおいて、合算保留記憶数を表示させるとともに、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのそれぞれを特定可能に表示させる制御を行なうときにおいて、合算保留記憶数指定コマンドを、第1保留記憶数の増加時と、第2保留記憶数の増加時とで共通に使用することができる。このため、2つの特別図柄表示器において特別図柄の変動表示を実行させる場合であっても、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増やすことなく、いずれの特別図柄表示器での特別図柄の変動表示についての保留記憶数が増加したのかを演出制御用マイクロコンピュータ100が把握できるようになる。そして、コマンドの種類を増加させないことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560における制御負担を軽減することができる。
(6) 第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数としての合算保留記憶数が所定数(たとえば、4)以上のときに、合算保留記憶数が所定数未満であるときに比べて変動表示時間が短い短縮変動の変動パターンが選択されるので、合算保留記憶数が所定値以上であるときに、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれか一方についてはそのような短縮変動の変動パターンでの変動表示が行なわれるが、他方についてはそのような短縮変動の変動パターンでの変動表示が行なわれない事態が発生することを防止できる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができる。
(4) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した変動態様による変動表示演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
(5) 上記の各実施の形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
(6) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 前述した実施の形態においては、次のような構成も含んでいる。遊技領域(遊技領域7)に設けられた領域であって、遊技媒体(遊技球)が進入したときに前記第1変動表示手段(特別図柄表示器8a)における変動表示の実行条件が成立する第1始動領域(第1始動入賞口13)と、遊技領域に設けられた領域であって、遊技媒体(遊技球)が進入したときに前記第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8b)における変動表示の実行条件が成立する第2始動領域(第2始動入賞口14)と、前記第1始動領域(または前記第2始動領域)を有し、遊技媒体が遊技者にとって有利な第1状態(開状態)と該第1状態よりも不利な第2状態(閉状態)とのいずれかの状態に変化可能であり、予め定められた条件が成立したとき(普通図柄の変動表示結果が当りとなったとき)に前記第1状態に変化させられる可変入賞手段(可変入賞球装置15)とをさらに備え、前記第1変動パターン決定手段と前記第2変動パターン決定手段とは、変動表示の結果を前記特定表示結果としないと決定されたときにおいては、前記第1始動領域または前記第2始動領域のうち、前記可変入賞手段が有する方の始動領域への遊技媒体の進入に基づく変動表示の実行条件の成立に基づいて決定する変動パターンをリーチ態様を含む変動パターンに選択する割合を、前記可変入賞手段が有しない方の始動領域への遊技媒体の進入に基づいて成立した変動表示の実行条件の成立に基づいて決定する変動パターンをリーチ態様を含む変動パターンに選択する割合よりも低くした(図11)。このような構成によれば、第1始動領域または第2始動領域のうち、可変入賞手段が有する方の始動領域については、可変入賞手段が有しない方の始動領域と比べて、遊技媒体の進入による変動表示の実行条件の成立に基づいて決定する変動パターンをリーチ態様を含む変動パターンに選択する割合が低いので、変動表示の結果が特定表示結果となることを予告している演出であるかのような印象を遊技者に与えるリーチ態様を含む変動パターンを生じさせるために、可変入賞手段を第1の状態にすることについて遊技者の関心を集めることができ、遊技の面白みを向上させることができる。
(9) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。