[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、たとえば、遊技盤面全体が画像で表示されてパチンコ玉を打ち込む操作に従って画像のパチンコ玉が画像遊技盤面上に表示されて画像遊技盤面上を落下する状態が画像表示される画像式の遊技機、コインを投入して所定数のパチンコ玉を遊技領域内に打ち込んで遊技を行うコイン遊技機(たとえば雀球遊技機)等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、
打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域91がある。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、打球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(たとえば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く)。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器(第1可変表示部)9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器(第2可変表示部)9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置15が閉状態である場合には、第2始動入賞口14はパチンコ玉が入賞不可能となっているため、第2始動入賞口14よりも第1始動入賞口13の方が始動入賞しやすい。一方、可変入賞球装置15が開状態となると、第1始動入賞口13におけるパチンコ玉が入賞可能となる入賞可能領域よりも第2始動入賞口14における入賞可能領域の方が大きくなるため、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14の方が始動入賞しやすくなる。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、第2始動入賞口14は、第1始動入賞口13よりも入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
この実施の形態では、演出図柄4が演出表示装置9により表示されて大当り遊技が発生してその大当り遊技を終了すると、遊技球が第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなる(すなわち、第2特別図柄表示装置8bや可変表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。そして、高ベース状態である場合には、高ベース状態でない場合(以下、低ベース状態ともいう)と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなる。従って、この実施の形態では、低ベース状態では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞する確率の方が、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する確率よりも高くなる。また、高ベース状態では、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する確率の方が、第1始動入賞口13に遊技球が入賞する確率よりも高くなる。
また、高ベース状態では、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮される時短状態に移行される。時短状態に制御することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として、所定時間当たりの大当り発生の可能性が高まる。
なお、高ベース状態に制御する場合に、可変入賞球装置15が開状態となる頻度を高めたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長したりするだけで、時短状態に移行しないようにしてもよい。また、高ベース状態に制御する場合に、時短状態に移行するだけで、可変入賞球装置15が開状態となる頻度を高めたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長したりしないようにしてもよい。
第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。また、高ベース状態では第2始動入賞口14の入賞率は高くなる。その場合には、第2始動入賞口14の入賞率は、第1始動入賞口13の入賞率よりも高い。よって、遊技領域6に打ち込まれた所定数の遊技球数に対する景品遊技球の払出数の割合(ベース)は高い。つまり、高ベース状態である。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)がある。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29、30、33、39も設けられている。入賞口29、30、33、39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、たとえば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行うとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(S8)。S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(第1特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理を行う(S93)。遊技状態復旧処理では、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンドを送信するために、停電復旧コマンド送信要求フラグをセットする。そして、S15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信するために、初期化コマンド送信要求フラグをセットする(S13)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32、S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:S24、S25)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1始動入賞口への遊技球の入賞(第1始動入賞)にもとづく第1特別図柄の可変表示に対応して(または、第2始動入賞口への遊技球の入賞(第2始動入賞)にもとづく第2特別図柄の可変表示に対応して)、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2: 第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:遊技状態(高ベース状態/低ベース状態、高確率状態/低確率状態)および大当りの種類(突然確変大当り、15R大当り)を決定する(遊技状態決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(8)の遊技状態決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図6に示された乱数(特に、ランダム2、3、4)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(S26A)。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。また、第2特別図柄プロセス処理を行う(S26B)。第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄および第2特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU56は、たとえば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄や第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、たとえば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7(A)は、この実施の形態における高確率状態(確変状態)および高ベース状態に関わる遊技状態を説明するための説明図である。そのような遊技状態として、高確率・高ベース状態(高確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、低確率・高ベース状態(低確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、高確率・低ベース状態(高確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)、および低確率・低ベース状態(低確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)がある。
高確率状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りの決定される確率が高くなっている。たとえば、10倍になっている。具体的には、高確率状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、高ベース状態では、低ベース状態に比べて普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、高ベース状態にするときには、後述するS144により高ベース状態フラグがセットされ、S27の普通図柄プロセス処理によりその高ベース状態フラグがセットされていると判定されることにより、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い状態に制御される。普通図柄について当りに決定されると、上述したように、普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当り図柄とされ、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間(開放時間)だけ開状態になり、ベースが上がる。一方、後述するS146により高ベース状態フラグがリセットされた場合には、S27の普通図柄プロセス処理により高ベース状態フラグがセットされていないと判定されることにより、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数を、通常状態に復帰する制御が行われ、高ベース状態が終了する。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
図7(B)は、この実施の形態における背景モードを説明するための説明図である。背景モードとは、演出表示装置9の表示画面における背景(図柄およびキャラクタ画像以外の地の画面)のモード(具体的には種類)を表している。背景モードとして、通常モード、通常時高確可能性モード、高確高ベースモード、および低確高ベースモードがある。
通常モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態である可能性が低いこと、または高確率状態の可能性がないことを遊技者に認識させることができるようなモードである。通常時高確可能性モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態の可能性が高いことを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確高ベースモードは、高確率・高ベース状態で使用されるモードである。低確高ベースモードは、低確率・高ベース状態で使用されるモードである。
図8は、遊技状態の遷移の仕方の一例を示す状態遷移図である。図8に示すように、この実施の形態では、高確率・高ベース状態へは、他の3つの遊技状態から遷移しうる。低確率・高ベース状態へは、高確率・高ベース状態のみから遷移しうる。高確率・低ベース状態へは、高確率・高ベース状態以外の2つの遊技状態から遷移しうる。低確率・低ベース状態へは、高確率・低ベース状態から遷移しうる。なお、図8では、低確率・高ベース状態から低確率・低ベース状態への矢印が記載されているが、遷移する割合は0%である。以下、「遷移」を「移行」ということがある。
遊技状態の遷移は、大当りが発生した場合に遷移しうる。なお、大当りが発生しても、遊技状態が遷移しないこともある。また、図8には明示されていないが、低確率・高ベース状態において表示結果を大当り図柄としない特別図柄の可変表示が所定回連続して行われると、遊技状態が、低確率・低ベース状態に遷移するように制御してもよい。
図8に示す「%」の数値は、どのような種類の大当りに伴って遊技状態が遷移するのか、または同じ遊技状態を維持するのかの割合を示している。たとえば、低確率・低ベース状態において、大当りが発生すると、10(3+7)%の割合で遊技状態が高確率・高ベース状態に遷移するが、そのうちで3%の割合で、2R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移し、7%の割合で、15R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移する。2R大当りとは、大入賞口が2回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、15R大当りとは、大入賞口が最大で15回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りである。
なお、2Rの大当りを突然確変大当りともいう。2Rの大当り遊技では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(たとえば、0.5秒)。また、大当り遊技後の遊技状態は高確率状態に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態(確変状態)になったかのように感ずる。
大当りにすることに決定されると、遊技状態をどのように遷移させるのかを決定するために乱数(遊技状態決定用乱数)を用いた抽選が行われる。遊技状態決定用乱数は0〜599のいずれかの値になるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選において、遊技状態決定用乱数の値が、遊技状態(その状態に遷移させる遊技状態、すなわち遷移後の遊技状態)および大当りの種類に対応して決められている判定値に一致すると、その遊技状態に遷移させることに決定する。判定値は、4つの遊技状態(そのときの遊技状態)のそれぞれに応じて決められている。また、4つの遊技状態のそれぞれについて、判定値は、大当りの種類毎に決められている。
図9は、一例として、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの遊技状態(遷移後の遊技状態)および大当りの種類と、判定値数との関係を示す説明図である。それぞれの判定値数は、図8に示す各割合と整合するように定められている。具体的には、判定値数分の判定値がテーブルとしてROM54に設定されている。なお、図9には、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの判定値数が例示されているが、他の遊技状態についても、図8に示す各割合と整合するように判定値数が定められている。
図10は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図10において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図10に示すように、低ベース状態時すなわち短縮変動が行われないときには変動パターン#1〜#4が用いられ、高ベース状態時すなわち短縮変動が行われるときには変動パターン#5〜#8が用いられる。この実施の形態では、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときに短縮変動の変動パターン#5〜#8が用いられる。
なお、変動パターン#2〜#4および変動パターン#6〜#8は、停止図柄が大当り図柄になる場合と、停止図柄ははずれ図柄であるが演出表示装置9においてリーチ演出が実行される場合に用いられる変動パターンである。変動パターン#1および変動パターン#5は、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる変動パターンである。また、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が行われるときにも第2特別図柄の可変表示が行われるときにも同じ変動パターン(変動パターン#1〜#8のいずれか)が用いられるが、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。その場合、たとえば、変動パターン#9〜#16を定義し、第1特別図柄については変動パターン#1〜#8のいずれかを使用し、第2特別図柄については変動パターン#9〜#16のいずれかを使用する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、飾り図柄表示器で飾り図柄の可変表示を行い演出表示装置9で演出図柄の可変表示を行うとともに、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行う。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行う。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図11は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図12に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、たとえば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図12に示された極性と逆極性であってもよい。
図13は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド8001(H)〜8008(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8008(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、大当りの種類(2R大当り、15R大当り)、および遊技状態を示す演出制御コマンド(演出図柄指定コマンド)である。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C00(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C00(H)〜8C07(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、遊技状態を低ベース状態にすることまたは低ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(低ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態を高ベース状態にすることまたは高ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(高ベース状態背景指定コマンド)である。低ベース状態背景指定コマンドと高ベース状態背景指定コマンドとを、背景指定コマンドまたは遊技状態指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態指定コマンド(背景指定コマンド)の受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景を、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態に対応する背景にする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。A001(H)は、突然確変用画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド:突然確変指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。なお、第1始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この合算保留記憶数指定コマンド中には、第1保留記憶または第2保留記憶のいずれを減算するのかを指定する減算対象指定データが含まれている。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図13に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図13に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1可変表示部(第1飾り図柄表示器9a)での識別情報の可変表示と第2可変表示部(第2飾り図柄表示器9b)での識別情報の可変表示とで共通に使用でき、第1可変表示部と第2可変表示部とを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図14〜図16は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図14(A)は、客待ちデモコマンドが送信される場合の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモコマンドを送信する場合には、その前に、背景指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理(図5参照)で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で客待ちデモコマンドを送信する。
図14(B)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
図14(C)は、特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、図柄変動指定コマンド、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信する。さらに次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信する。さらに次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
図15(A)は、合算保留記憶数が0から1になったときに開始される特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。そして、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理から、図14(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。なお、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信し、次のタイマ割込(2ms後のタイマ割込)にもとづく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)にもとづく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)にもとづく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図15(B)は、電力供給が開始されたとき(電源投入時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信した後、客待ちデモ指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で客待ちデモコマンドを送信する。
図15(C)は、電力供給が再開されたとき(停電復旧時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。
図16(A)は、15R大当り遊技における例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の開始時に、大当り開始1指定コマンドを送信し、各ラウンドの開始時に大入賞口開放中指定コマンドを送信し、各ラウンドの終了時に大入賞口開放後指定コマンドを送信し、大当り遊技の終了時に、大当り終了指定コマンドを送信する。
図17および図18は、S28の演出制御コマンド制御処理を示すフローチャートである。演出制御コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、初期化コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する(S351)。初期化コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS356に移行する。初期化コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、初期化コマンド送信要求フラグをリセットし(S352)、電源投入指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S353)。
具体的には、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの1バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1を出力し、さらに、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの2バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1を出力する。コマンドデータを出力するための出力ポートおよび演出制御INT信号を出力するための出力ポートの出力は、演出制御基板80に接続されている。なお、このような演出制御コマンドの送信の仕方は、電源投入指定コマンド以外の他の演出制御コマンドについても同じである。
次いで、CPU56は、背景指定コマンドを送信し(S354)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする(S355)。
S356では、CPU56は、停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS361に移行する。停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、停電復旧コマンド送信要求フラグをリセットし(S357)、停電復旧指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S358)。次いで、演出図柄指定コマンドを送信する(S359)。さらに、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(S360)。なお、CPU56は、S359において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。また、S360において、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。なお、合算保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
S361では、CPU56は、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。この第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグは、後述するS57aでセットされる。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS365に移行する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S362)、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S363)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(S364)。なお、S364において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。
S365では、CPU56は、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS371に移行する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S366)、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S367)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(S368)。なお、S368において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。
S371では、CPU56は、背景指定コマンド送信要求フラグ(低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグまたは高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグ)がセットされているか否か確認する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS374に移行する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S372)、背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S373)。なお、背景指定コマンド送信要求フラグとして低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、低ベース状態背景指定コマンドを送信し、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、高ベース状態背景指定コマンドを送信する。
S374では、CPU56は、変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS381に移行する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド送信要求フラグをリセットし(S375)、図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S376)。次いで、変動パターンコマンドを送信する(S377)。なお、CPU56は、S376において、第1変動中フラグがセットされていたら第1図柄変動指定コマンドを送信し、そうでなければ、または第2変動中フラグがセットされていたら第2図柄変動指定コマンドを送信する。また、S377において、変動パターン記憶領域に記憶されているデータに対応する変動パターンコマンドを送信する。
S381では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS384に移行する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S382)、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S383)。なお、CPU56は、S383において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。
S384では、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS387に移行する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S385)、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S386)。この合算保留記憶数減算指定コマンド中には、前述の減算対象データが含まれている。後述のS109でセットされる合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグは、第1保留記憶または第2保留記憶のいずれを減算するかも指定するフラグであり(S109の場合には第1保留記憶を減算対象と指定)、これに従ってS386の処理では、減算対象データを含めた合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。
S387では、CPU56は、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS391に移行する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S388)、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S389)。
S391では、CPU56は、他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされているか否か確認し、セットされていれば、そのフラグをリセットし、フラグで要求された演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S391)。なお、他の演出制御コマンドの代表例として、図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされたことにもとづいて送信される図柄確定指定コマンドや大当り開始指定コマンド送信要求フラグがセットされたことにもとづいて送信される大当り開始1指定コマンドや大当り開始2指定コマンドがある。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは、全て、既に説明したメイン処理(図4参照)や以下に説明する第1特別図柄プロセス処理(図19、図21、図23〜図25、図27、図29、図30参照)および第2特別図柄プロセス処理等においてコマンドの送信を要求するフラグ(初期化コマンド送信要求フラグ、変動パターンコマンド送信要求フラグ、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグ等)がセットされたことにもとづいて、演出制御コマンド制御処理で送信される。しかし、第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理において、コマンドの送信を要求するフラグをセットすることに代えて、各演出制御コマンドを直接送信するようにしてもよい。そのように構成する場合には、1回の遊技制御処理において複数の演出制御コマンドを送信する場合には、続けて送信すればよい。たとえば、図4に示されたS13の処理に代えて、S353〜S355の処理を実行すればよい。また、図21に示すS116の処理に代えて、図17に示すS363、S364の処理を実行すればよい。また、図24に示すS80の処理に代えて、図18に示すS376、S377の処理を実行すればよい。
図19および図20は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(S26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、第2特別図柄プロセス処理(S26B)のプログラムで、後述の第2特別図柄通常処理(図31参照)以外のものは、第1特別図柄プロセス処理と同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
第1特別図柄プロセス処理を行う際に、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされているか否か確認する(S41)。デモコマンド送信フラグは、客待ちデモ指定コマンドが送信される直前に送信される背景指定コマンドが送信された(具体的には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットした。)ことを示すフラグである。従って、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされている場合には、デモコマンド送信フラグをリセットして(S42)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする(S43)。そして、S314に移行する。
デモコマンド送信フラグがセットされていない場合には、CPU56は、第1特別図柄の変動中または大当り遊技中(たとえば、第1特別図柄プロセスフラグの値により判定される)であるか否か確認し(S44A)、第1特別図柄の変動中または大当り遊技中であれば監視タイマの値を0にクリアして(S46)、S311に移行する。また、CPU56は、第1保留記憶数が0であるか否か確認し(S44B)、0であれば、S45に移行する。0でない場合には、監視タイマの値を0にクリアして(S46)、S311に移行する。監視タイマとは、RAM55に形成されているソフトウェアタイマであり、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態の継続時間を計測するためのタイマである。
S45では、監視タイマの値を+1する。そして、監視タイマの値が所定値になっているか否か確認する(S46)。すなわち、監視タイマがタイムアウトしているか否か確認する。監視タイマがタイムアウトしていない場合には、S311に移行する。監視タイマがタイムアウトしている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(S48)、さらに、デモコマンド送信フラグをセットして(S49)、S314に移行する。なお、S48において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
なお、第2特別図柄プロセス処理でも、第2保留記憶数が0でない場合には監視タイマの値を0にクリアし、第2保留記憶数が0である場合には、監視タイマの値を+1する。たとえば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0であればS45の処理で監視タイマの値は+1されるが、第2特別図柄プロセス処理で監視タイマの値が0にクリアされるので、S47の処理での判定値(所定値)を2以上の値にしておけば、S47の処理で「Y」と判定されることはない。つまり、第1保留記憶数が0であっても、第2保留記憶数が0でなければ、監視タイマがタイムアウトすることはない。
以上のような制御によって、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態(第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との双方が0である状態)が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。なお、客待ちデモ指定コマンドが送信されるのは、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続したことが検出されたときだけであって、その状態がそれ以上継続しても、以後、客待ちデモ指定コマンドは送信されない。そして、再び、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを用いて客待ちデモコマンドを送信するように制御したが、合算保留記憶数カウンタの値が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると客待ちデモ指定コマンドを送信するようにしたが、特別図柄の変動が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であることを条件として、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0になったときに、直ちに客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、S43、S49の処理が実行される場合にはS311、S312の処理は実行されず、遊技球が第1始動入賞口13に入賞して第1始動口スイッチ13aがオンしたことのチェックはなされないが、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が見逃されることはない。一般に、第1始動口スイッチ13aとして近接スイッチや接点押下型のスイッチが用いられるが、いずれのスイッチを用いても遊技球が第1始動入賞口13に入賞したときには、スイッチの出力のオン状態が数10ms継続する。この実施の形態では、第1特別図柄プロセス処理は2ms毎に実行されるが、S43、S49の処理が実行される場合には数ms(たとえば4ms)間S311、S312の処理が実行されない期間が継続するだけであって、そのような期間が存在しても、スイッチの出力のオン状態が数10ms継続していることから、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が見逃されることはない。
S311では、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、合算保留記憶数カウンタの値が1である場合には処理を終了する(S313)。合算保留記憶数カウンタの値が1でない場合に、および、S311で第1始動口スイッチ13aがオンしていないことを検出した場合には、第2特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを条件に(S314)、S300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、第2特別図柄が変動中でないことは、たとえば、第2変動中フラグがセットされているか否かによって判定される。大当り遊技中でないことは、たとえば、大当りフラグがセットされているか否かによって判定される。また、第2特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを、第2特別図柄プロセスフラグの値によって判定してもよい。
第1始動口スイッチ通過処理を実行したときに合算保留記憶数カウンタの値が1である場合にはS300〜S309の処理を実行しないのは、合算保留記憶数カウンタの値が0から1になったときに、始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとを送信した後、次のタイマ割込処理で背景指定コマンドを送信したいためである(図15(A)参照)。合算保留記憶数カウンタの値が1である場合に続けてS300の処理を実行すると、同じタイマ割込処理で始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドと背景指定コマンドとが送信されてしまうからである。なお、図14(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。また、図15(A)に示された演出制御コマンドの送信タイミングの変形例として、タイマ割込にもとづく遊技制御処理(すなわち、2ms以内に)で第1始動入賞指定コマンド、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信する場合には、S313の判断を行わない。
S300〜S309の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(S300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数を確認する。第1保留記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、合算保留記憶のうちで次に変動を開始すべき記憶が第1保留記憶に対応したものか否か確認し、第1保留記憶に対応したものであれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、遊技状態指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、コマンド送信する制御を行うとは、具体的には、演出制御コマンド制御処理で実際にコマンドが送信されるように、コマンドの送信を要求するためのフラグ(この場合には、背景指定コマンド送信要求フラグ)をセットすることである。
第1変動パターン設定処理(S301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。大当りとするか否か決定する。また、第1特別図柄の可変表示の変動パターン(変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、第1特別図柄の変動を開始し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド等)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS302に応じた値(この例では2)に更新する。
第1遊技状態決定処理(S302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類と、大当り遊技後の遊技状態を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS303に応じた値(この例では3)に更新する。
第1保留記憶数送信処理(S303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS304に応じた値(この例では4)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(S304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S302でセットされる第1変動時間タイマがタイムアウトすなわち第1変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS305(この例では5)に応じた値(この例では5)に更新する。
第1特別図柄停止処理(S305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS306に応じた値(この例では6)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に応じた値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
第1大当り表示処理(S306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り表示時間タイマによって所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS307に応じた値(この例では7)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、演出表示装置9に、15R大当りの発生を報知するための表示を行う。なお、突然確変大当りの場合には、突然確変大当りの発生を報知するための演出を行う。
第1大入賞口開放前処理(S307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS308に応じた値(この例では8)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(S308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS309に応じた値(この例では9)に更新する。
第1大当り終了処理(S309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグをセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図21は、S312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(S111)。第1保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S112)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S113)。また、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に「第1始動入賞」であることを示すデータをセットする(S114)。
図22は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図22には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合が例示されている。図22に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。保留特定領域は、RAM55に形成されている。
さらに、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S115)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。なお、ステップ115では、ランダム1〜4、8(図6参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、第1始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットする(S116)。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技中でもない場合で、さらに、第1特別図柄プロセスフラグの値がS300を示す値(第1特別図柄通常処理の値)となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。なお、たとえば、第1保留記憶バッファにおける保存領域に乱数等のデータが格納されているか否かを確認する等、第1保留記憶数の有無が確認できれば、他の方法を用いてもよい。
第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(S51a)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0であれば、S53に移行する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(S51b)。そして、高ベースフラグがセットされていれば、CPU56は、そのまま処理を終了する。
S51aで第2保留記憶数が0でない(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない)ということは、第1始動条件と第2始動条件とがともに同時に成立していることを意味する。この場合、CPU56は、遊技状態が高ベース状態である場合には、S53以降の処理を実行しないようにし、第1特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、遊技状態が高ベース状態である場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。
S51aで第2保留記憶数が0である場合、CPU56は、S53以降の処理を行う。
S53では、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、保留特定領域中の最も古い第1保留記憶特定情報を削除して、それよりも新しい保留記憶特定情報を1つづつ古い記憶エリアにシフトする。図22に示された例では、合算保留記憶数カウンタ「1」に記憶されている第1保留記憶特定情報を削除して合算保留記憶数カウンタ「2」以降に記憶されている保留記憶特定情報を1つづつ左にシフトする(S54)。
次いで、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S55)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1、2、3、4の順番と一致するようになっている。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S56)、第1変動中フラグをセットする(S57)。さらに、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをセットする(S57a)。
さらに、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(S58)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S59)。なお、S58において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
図24は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(S61)、大当り判定モジュールを実行する(S62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(S63)、S71に移行する。なお、S63では、CPU56は、具体的には、大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(S64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいてはずれ図柄(たとえば、偶数図柄のいずれか)を決定する(S65)。CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する(S66)。そして、S75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(S72)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて大当り図柄(たとえば、奇数図柄のいずれか)を決定する(S73)。CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する(S74)。そして、S75に移行する。
S75では、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す。そして、変動パターンを決定する。そのときに、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(たとえば、3以上)であれば(S76)、短縮変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(S77)。短縮変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#5〜#8を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、短縮変動パターンテーブルから変動パターン#5を選択しない。
なお、S76の判断において、たとえば3以上か否か判断するのは、S56の処理で既に合算保留記憶数カウンタの値が−1されているからである。つまり、合算保留記憶数カウンタの値が4(第1保留記憶数および第2保留記憶数の上限数はそれぞれ4である場合。つまり合算保留記憶数カウンタの上限値が8である場合。)以上であるときに開始される可変表示について短縮変動パターンテーブルを使用したいからである。合算保留記憶数カウンタの値が4(上限値は8である場合)以上であるときに短縮変動パターンテーブルを使用したい理由は以下のようである。つまり、第1保留記憶数が4(上限数)である場合に第1特別図柄の変動時間を短縮し、かつ、第2保留記憶数が4(上限数)である場合に第2特別図柄の変動時間を短縮するようにした場合に、たとえば、第1保留記憶数が2であり、第2保留記憶数が3であるときには、変動時間は短縮されない。しかし、合算保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数は5になっている。そのときに、変動時間は短縮されないので、不審感を抱く遊技者が出る可能性がある。そこで、この実施の形態では、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるときに開始される特別図柄の変動については、変動時間を短縮する。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であれば(S76)、非短縮変動パターンテーブルから変動パターンを選択する。非短縮変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#1〜#4を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、非短縮変動パターンテーブルから変動パターン#1を選択しない。CPU56は、決定した変動パターンを示すデータをRAM55における変動パターン記憶領域に記憶する(S79)。そして、変動パターンコマンド送信要求フラグをセットする(S80)。
なお、大当りとすることに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(大当り時短縮変動パターンテーブルおよび大当り時非短縮変動パターンテーブル)と、大当りとしないことに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(はずれ時短縮変動パターンテーブルおよびはずれ時非短縮変動パターンテーブル)とを別にして、CPU56は、大当りとすることに決定しているか否かによって、異なるテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、CPU56は、第1特別図柄の変動を開始する(S81)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値を設定する(S82)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1遊技状態決定処理(S302)に対応した値に更新する(S83)。
図25は、第1特別図柄プロセス処理における第1遊技状態決定処理(S302)を示すフローチャートである。第1遊技状態決定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S101)。大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ指定の演出図柄指定コマンド(図13に示す演出図柄1指定コマンド)を示すデータを演出図柄種類格納領域に格納し(S106)、S107に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には、乱数バッファ領域から遊技状態決定用乱数(ランダム8)を読み出し(S102)、ランダム8の値にもとづいて、大当りの種類(突然確変またはそうではない大当り)と大当り遊技後の遊技状態とを決定する(S103)。そして、突然確変にするか否かと大当り遊技後の遊技状態とに応じた演出図柄指定コマンドを決定し(S104)、決定した演出図柄指定コマンドを示すデータを演出図柄種類格納領域に格納し(S105)、S107に移行する。
なお、この実施の形態では、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値にもとづいて停止図柄とする大当り図柄を決定し(図24のS72、S73参照)、その後、S103で遊技状態決定用乱数(ランダム8)に値にもとづいて大当りの種類や遊技状態を決定するが、1つの乱数を用いて、大当りの種類や遊技状態と大当り図柄とを決定するようにしてもよい。
図26は、突然確変にするか否かおよび大当り遊技後の遊技状態と、演出図柄指定コマンドとの対応を示す説明図である。CPU56は、そのときの遊技状態(図26の最左欄に対応)に応じて、また、ランダム8の値に応じて、「ランダム8に基づく判定結果」として記載されているように、大当りの種類と大当り遊技後の遊技状態とを決定し、図26に示されているような決定結果に対応する演出図柄指定コマンドを決定する。
なお、図26において、「大当り遊技終了後の背景」として記載されていることは、演出図柄指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100が、制御する背景モードを示す。また。(*)が付されている背景モードについては、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9における背景をそのように制御するが、実は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御では、遊技状態は、高確率・高ベースモードであることを示す。つまり、実際の遊技状態と、遊技者に把握させたい遊技状態が異なっている。このような制御は、遊技のバリエーションを増やすために行われている。
また、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)である。遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である。それぞれの背景モードでは、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景が演出表示装置9に表示される。たとえば、活躍モードでは、演出表示装置9における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。なお、このような区分けは一例であり、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景演出であれば、どのような背景演出を行ってもよい。さらに、各背景モードにおいて、異なるキャラクタを演出表示装置9に表示するようにしてもよい。また、復活モードであるときに、高確率状態であることを示唆するような演出を行ってもよい。たとえば、図26において(*)が付されている背景モードにおいて、高確率状態であることを示唆する所定の予告キャラクタを演出表示装置9に表示する。
遊技状態が高確率高ベース状態であるときに、ランダム8に基づく判定結果が、15R大当り(大当り遊技後、高確率・高ベース状態)であったときと、15R大当り(大当り遊技後、低確率・高ベース状態)であったときとで、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出図柄指定コマンドを別にしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、高確率低ベース状態であるときと低確率低ベース状態であるときとで、演出(たとえば、演出表示装置9における背景画面)を同じにしてもよい。たとえば、大当り遊技後に潜伏モードに移行し、所定条件(たとえば、可変表示毎に演出上の転落抽選(たとえば、乱数を用いた抽選により背景モードを遊技者にとってより有利でないモードに移行させるか否かの抽選)を行う場合で転落することに決定したしたときや、所定の変動パターンコマンドを受信したとき等)が成立したときに、所定の確率で通常モードに移行する。演出制御用マイクロコンピュータ100は受信した演出図柄指定コマンドを記憶しているが、大当り遊技となるときに受信した演出図柄指定コマンドが低確率状態を示しているときには、高確率状態を示している場合に比べて、高い割合で通常モードに移行する。
S107では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1保留記憶数送信処理(S303)に対応した値に更新する(S108)。
図27は、第1特別図柄プロセス処理における第1保留記憶数送信処理(S303)を示すフローチャートである。第1保留記憶数送信処理において、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをセットする(S109)。この合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグは、合算保留記憶数減算指定コマンド中に含める減算対象データとして、第1保留記憶を指定するものである。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(S304)に対応した値に更新する(S110)。
図28は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(S304)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(S121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(S122)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S305)に対応した値に更新する(S123)。
図29は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S305)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、たとえばS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄(表示結果)を導出表示する制御を行う(S131)。また、図柄確定指定コマンド送信要求フラグをセットする(S132)。そして、第1変動中フラグをリセットする(S133)。
さらに、大当りフラグがセットされていたら(S134)、大当り開始指定コマンド送信要求フラグをセットする(S135)。S135では、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、大当り開始2指定コマンド送信要求フラグをセットし、突然確変大当りとすることに決定されていない場合には、大当り開始1指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(15R大当りが発生したことをたとえば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S136)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(S306)に対応した値に更新する(S137)。なお、第1大当り表示処理では、CPU56は、第1大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S307)に対応した値に更新する。
ここで、大当り遊技中の遊技状態を低確率低ベース状態に制御する場合には、大当り遊技が開始される前(たとえば、S137の処理を実行する前)に、高ベース状態フラグをリセットしたり、確変フラグをリセットするように制御してもよい。そのように制御すれば、高ベース状態および高確率状態において可変入賞球装置15の開放回数が増やされたり開放時間が延長される場合に、大当り遊技中に出玉率が極端に高くなってしまうことが防止される。なお、そのように制御する場合には、S143、S144の処理(図30参照)で、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄6指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをセットする。また、大当り遊技が開始される前に、常に、高ベース状態フラグや確変フラグをリセットするように制御してもよい。
大当りフラグがセットされていない場合には(S134)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S138)。
図30は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S309)の処理を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当りフラグをリセットし(S141)、大当り終了指定コマンド送信要求フラグをセットする(S142)。そして、変動開始時に、演出図柄4指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットする(S143、S144、図13、図26参照)。なお、高ベース状態フラグがセットされていないときには、遊技状態は低ベース状態である。また、どの演出図柄指定コマンドを送信したのかは、演出図柄種類格納領域に格納されているデータで判別される。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄7指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをリセットする(S145、S146)。
さらに、CPU56は、変動開始時に、演出図柄2指定コマンド、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄7指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグをセットする(S147、S148)。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄3指定コマンドまたは演出図柄6指定コマンドを送信していたら、確変フラグをリセットする(S149、S150)。なお、確変フラグがセットされていないときには、遊技状態は低確率状態である。
その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S151)。
なお、CPU56は、遊技状態が低確率・高ベース状態であるときには、表示結果がはずれとなる可変表示の開始時に所定のカウンタの値を+1し、そのカウンタのカウント値が所定値(たとえば、100)になったら、高ベース状態フラグをリセットして、遊技状態を低確率・低ベース状態に移行させるようにしてもよい(図58、図59参照)。そのように制御する場合には、高ベース終了・低確指定の演出図柄コマンド(図13では図示せず)が演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、次の可変表示開始時に、低ベース状態背景指定コマンドを送信してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が可変表示回数をカウントして独自に背景モードを切り替えてもよい。
図31は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技中でもない場合で、さらに、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄通常処理(図20のS300に相当する第2特別図柄プロセス処理側の処理ステップ部分)を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄通常処理を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(SB51)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(SB51a)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第1保留記憶数が0であれば、SB53に移行する。第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(SB51b)。そして、高ベース状態フラグがセットされていなければ、CPU56は、そのまま処理を終了する。
SB51aで第1保留記憶数が0でない(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない)ということは、第1始動条件と第2始動条件とがともに同時に成立していることを意味する。この場合、CPU56は、遊技状態が高ベース状態でない場合には、SB53以降の処理を実行しないようにし、第2特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、遊技状態が低ベース状態である場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。
SB51aで第1保留記憶数が0である場合、CPU56は、SB53以降の処理を実行する。このSB53以降の処理は、図23の第1特別図柄通常処理と同様に構成される。すなわち、図23の第1特別図柄通常処理において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えた内容となっている。たとえば、SB54の処理では、保留特定領域中の最も古い第2保留記憶を削除して、それよりも新しい保留記憶特定情報を1つづつ古い記憶エリアにシフトする。図22に示された例では、合算保留記憶数カウンタ「3」に記憶されている第2保留記憶特定情報を削除して、合算保留記憶数カウンタ「4」以降の記憶エリアの保留記憶特定情報を1つづつ左にシフトする。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図32は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(S706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(S707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(S708)。また、予告決定用乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する予告用乱数更新処理を実行する(S709)。その後、S702に移行する。
図33は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13参照)であるのか解析する。
図34〜図36は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが背景指定コマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その背景指定コマンドを、RAMに形成されている背景指定コマンド格納領域に格納する(S617)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S618)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S619)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S622、S623)。また、第1図柄変動要求フラグをセットする(S624)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、S623の処理を実行せず、第1図柄変動要求フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S626)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S627、S628)。また、第2図柄変動要求フラグをセットする(S629)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、S628の処理を実行せず、第2図柄変動要求フラグをセットする(S629)。
飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)は、第1飾り図柄の変動中および第2飾り図柄の変動中にセットされている。また、飾り図柄停止要求フラグは演出図柄および飾り図柄の変動停止を要求するためのフラグであり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述する演出制御プロセス処理において、飾り図柄停止要求フラグがセットされていたら演出図柄および飾り図柄の変動を停止させる制御を行う。
第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドは、特別図柄および飾り図柄の可変表示(変動)を開始するときに送信される演出制御コマンドである。また、この実施の形態では、可変表示が行われていないことを条件として新たな可変表示が開始される。従って、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄の可変表示は行われていないはずであり、飾り図柄変動中フラグはセットされていないはずである。第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときに飾り図柄変動中フラグがセットされているということは、前回の可変表示について、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100において図柄確定指定コマンドが正常に受信されなかったために可変表示を終了させる制御が実行されていないことが考えられる。なお、他の要因によって可変表示を終了させる制御が実行されていないことも考えられる。何らかの要因によって可変表示を終了させる制御が実行されていない場合でも、S622、S623およびS627、S628の処理によって、確実に可変表示を終了させることができる。また、基板間でのノイズ等に起因して図柄確定指定コマンドが演出制御手段に正しく伝達されなかったときには図柄の可変表示を終了させることができないため、そのときに保留記憶数が0でない場合には、保留記憶にもとづいて新たな可変表示を開始すべきであるにも関わらず可変表示が開始されないことになり、遊技者に不利益がもたらされる可能性があるが、この実施の形態では、そのような可能性を低減することができる。
受信した演出制御コマンドが演出図柄指定コマンドであれば(S631)、演出制御用CPU101は、その演出図柄指定コマンドを、RAMに形成されている演出図柄指定コマンド格納領域に格納する(S632)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(S635)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(S636)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S637)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(S638)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S639)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(S640)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(S654)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行い、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行う(S655)。低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している)には、演出表示装置9における背景色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行い、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行う(S656)。なお、高ベース状態モードの背景色は、たとえば、低ベース状態モードの背景色に比べて目立つ色調(たとえば、明るいとか原色が多い)である。また、客待ちデモンストレーション演出が実行されていないときには、上記のように、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)であり、遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)であるが、たとえば、活躍モードでは、演出表示装置9における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。
また、演出表示装置9の表示状態はVDP109によって制御されるので、演出制御用CPU101が演出表示装置9の表示に関して「制御を行う」とは、具体的には、演出制御用CPU101が、VDP109に対して、演出表示装置9の表示状態をそのようにすることの指令を出力することである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に初期画面を表示する制御を行う(S662)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S663)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(S664)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S665)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S666)。受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドであれば(S671)、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグをセットする(S674)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S675)。
図37は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図37に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図37(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図37(B)参照)。
図38は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図38(A)、(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数カウンタのカウント値に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。たとえば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。
図39は、図32に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(S801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(S801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S802):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したら、特別図柄および飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S805):変動時間の終了後、演出制御装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S806):大当り遊技中の制御を行う。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、演出制御装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(S807):演出制御装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図40は、図39に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。
また、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(S813)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行う(S814)。また、低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している場合)には、演出表示装置9における背景の色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行う(S815)。
そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(S801)に対応した値に更新する(S816)。
図41は、図39に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(S801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータにもとづいて、受信した変動パターンコマンドが、変動パターン#2、#3、#4、#6、#7、#8(リーチ演出を伴う変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(S821)。変動パターン#2、#3、#4、#6、#7、#8のいずれかであれば、予告選択用乱数を抽出し(S822)、抽出した予告選択用乱数にもとづいて予告演出を行うか否か決定する(S823)。
予告演出を行うことに決定した場合には、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S824、S825)。第1図柄変動要求フラグは、第1図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされるフラグである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動を開始するときに第1図柄変動指定コマンドを送信する。また、第2特別図柄の変動を開始するときに第2図柄変動指定コマンドを送信する。
演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、予告演出Aまたは予告演出Bを実行することに決定する(S826)。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(すなわち、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合)には、予告演出Cまたは予告演出Dを実行することに決定する(S827)。
予告演出A、予告演出B、予告演出Cおよび予告演出Dの演出態様はそれぞれ異なる。たとえば、予告演出を開始する時期が異なっていたり、予告演出において演出表示装置9に表示されるキャラクタが異なっていたりする。演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合とで、予告演出の態様を異ならせる。つまり、演出制御用CPU101は、演出用部品としての演出表示装置9において、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄の可変表示を行う可変表示手段(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することになる。第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで予告演出態様が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握しやすくなる。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S802)に対応した値に更新する(S828)。
図42は、図39に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S831)。次いで、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S832)。第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1図柄変動要求フラグをリセットし(S833)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(S834)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を設定する(S835)。その後、S841に移行する。
第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている場合に相当)には、第2図柄変動要求フラグをリセットし(S837)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(S838)。そして、飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を設定する(S839)。その後、S841に移行する。
S841では、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した演出図柄指定コマンド)に応じて演出図柄および飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S841)。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納し、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド(図13参照)であれば、演出制御用CPU101は、表示結果をはずれを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、はずれを想起させるような表示結果とは、いずれの方向のライン(3図柄の並び、図1参照)においても3つの図柄が揃った状態にならないような表示結果である。
受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド以外の演出図柄指定コマンド(図13参照)であれば、表示結果を大当りを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、大当りを想起させるような表示結果とは、いずれかの方向の1つ以上のラインにおいて3つの図柄が揃った状態である。演出図柄が0〜9の数字であるとすると、演出制御用CPU101は、0〜9のいずれで揃った状態にするのかを、たとえば、乱数を用いた抽選によって決定する。ここで、演出図柄指定コマンドが高ベース継続指定や高確指定を示している場合には、表示結果を、複数ラインにおいて3つの図柄が揃った状態にすることが好ましい。演出図柄指定コマンドが高ベース突入指定を示している場合には、表示結果を、さらに多くのラインにおいて3つの図柄が揃った状態にすることが好ましい。
なお、この実施の形態では、変動パターンコマンドは変動パターンのみを指定する演出制御コマンドであるが、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドと、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果としないことを指定する変動パターンコマンドとを別にしてもよい。その場合、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できず、かつ、表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドを受信した場合には、演出図柄の表示結果を、大当りを想起させるような表示結果のうち低ベース状態を想起させるような表示結果(たとえば、1ラインにおいてのみ3つの図柄が揃った状態)にするように制御してもよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(S842)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(S843)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S844)。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S845)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S803)に対応した値にする(S846)。
以上のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのコマンドにもとづいて、演出用部品(演出表示装置9、第1飾り図柄表示器9a、第2飾り図柄表示器9b等)で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段(第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することができる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄の可変表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の可変表示を開始させるとともに、第1飾り図柄表示器9aで第1飾り図柄の可変表示を開始させる。また、第2特別図柄の可変表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の可変表示を開始させるとともに、第2飾り図柄表示器9bで第2飾り図柄の可変表示を開始させる。よって、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握しやすくなる。
図43は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく演出表示装置9の制御に同期して、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。すなわち、各種ランプおよびスピーカ27は、演出表示装置9の制御に同期して制御される。
図43に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。すなわち、この実施の形態では、予告演出の演出態様は、選択されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにもとづいて実現される。つまり、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するときに、予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルの内容に従って演出制御を行う。
図44は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(S851)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、S857に移行する。
この実施の形態では、飾り図柄停止要求フラグは、飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされる(図34のS622、S623、S627、S628参照)。飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したということは、本来演出図柄および飾り図柄の変動を終了して表示結果を導出表示すべきであったのに何らかの要因(たとえば、主基板31と演出制御基板80との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定コマンドを受信できなかった。)で演出図柄および飾り図柄の変動が継続してしまっていることを意味する。
そこで、飾り図柄停止要求フラグがセットされた場合には、直ちに演出図柄および飾り図柄の変動を停止させるために、S857に移行する。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S852)、変動時間タイマの値を1減算する(S853)。プロセスタイマがタイムアップしたら、プロセスデータの切替を行う(S854、S855)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S856)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に応じた値に更新する(S857)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S858)、S857に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄および飾り図柄の変動を終了させることができる。
図45は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(S860)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、飾り図柄停止要求フラグをリセットして(S861)、S864に移行する。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S862)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S863)、S864に移行する。
なお、S862の判定処理で確定コマンド受信フラグがセットされていないと確認される場合は、演出制御用CPU101が計時した変動時間が経過したが図柄確定指定コマンドを受信していない場合であって図柄確定指定コマンドを受信するまで演出図柄の変動は継続するが、そのような場合に、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動態様を、揺れ変動(各演出図柄を上下や左右に細かく変動するような態様)にしたり、演出図柄を拡大表示と縮小表示の繰り返しにしたりすることによって、変動時間は経過したがまだ確定していないことを認識可能に表示することが好ましい。
S864では、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(S865)。そして、大当りとする場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S805)に応じた値に更新し(S866、867)。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S868)。
以上の制御よって、演出制御用CPU101は、図柄確定コマンドが受信されていないと認識している状態で、飾り図柄停止要求フラグがセットされたら、図柄確定コマンドの受信/非受信に関わらず、演出図柄の可変表示(変動)を終了させ、飾り図柄変動終了フラグをセットする。後述するように、飾り図柄変動終了フラグがセットされた場合には、飾り図柄の可変表示(変動)は強制的に終了される。
図46は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示すファンファーレフラグがセットされているか否か確認する(S870)。ファンファーレフラグがセットされていた場合には、ファンファーレフラグをリセットし(S871)、演出表示装置9に大当り遊技開始画面を表示する制御を行う(S872)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S806)に応じた値に更新する(S873)。
なお、突然確変大当りにすることに決定されている場合には遊技制御用マイクロコンピュータ560は大当り開始2指定コマンドを送信するが、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信した場合には、突然確変大当りであることを報知する突然確変用画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。
図47は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S875)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(S876)、演出表示装置9に大当り終了画面を表示する制御を行う(S877)。
そして、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータに従って、演出表示装置9の背景画面を切り替える制御を行う(S878)。背景モードは、通常モード、高確低ベースモード(潜伏モード)、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である(図26参照)。演出制御用CPU101は、受信している演出図柄指定コマンド格納領域に保存されているデータにもとづいて、いずれの背景モードにするのかを決定する。たとえば、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄4指定コマンド(図13参照)が格納されている場合には、高確高ベースモード(活躍モード)にする。なお、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄指定コマンドが格納されていないとき(演出図柄指定コマンドが1回も送信されていないとき)には、背景モードは通常モードにされている。また、切替前の背景モードと切替後の背景モードとが同じである場合には、切替前の背景モードが維持されることになる。
なお、この実施の形態では、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できなかった場合には、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータ(前回の変動開始時に受信した演出表示指定コマンド)に従って、演出表示装置9の背景画面の制御が行われる。しかし、変動パターンコマンドを受信したときに、演出表示指定コマンド格納領域の内容を初期化する(演出図柄指定コマンドが格納されていない状態にする。)ように制御してもよい。
また、図47に例示する制御では、大当り終了画面は短時間しか表示されないことになるが、実際には、所定期間、大当り終了処理を実行する状態に維持される。その間、大当り終了画面の表示は継続される。
図48は、演出制御メイン処理における第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(S881)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、S885に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S882)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(S883)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(S884)。
S885では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグは、S865(図45参照)でセットされている。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(S886)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータに従って第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(S891)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(S892)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(S887)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(S888)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切り替え(S889)、飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を再設定する(S890)。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDがたとえば0.5秒ごとに切り替えられ、第1飾り図柄の可変表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(S707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
図49は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(S901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、S911に移行する。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。そこで、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(S902)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(S903)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(S904)。また、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(S905)。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合(第2始動入賞フラグがセットされていることになる)には、第2始動入賞フラグをリセットし(S905)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(S907)。また、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(S908)。
S911では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(S912)、記憶表示部18cに表示されている赤丸印(第1保留記憶)または緑丸印(第2保留記憶)のうち、合算保留記憶数減算指定コマンドに含まれている減算対象データで指定される保留記憶の方で最も前に表示された丸印を消去し、それ以降の各丸印を、消去された丸印の側にシフトして表示するように制御する(S913)。そして、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S914)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(S915)。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、変動表示に用いられた保留記憶に相当する丸印(合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印)が1減る。
なお、図15(C)に例示されているように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給復旧時にも、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は合算保留記憶数を認識できるが、内訳(合算保留記憶数のうち第1保留記憶数が幾つであるのか)を認識できない。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとを受信した場合には、合算保留記憶数指定コマンドで指定される数の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するがその色を赤色および緑色以外の色にしたり、丸印でない態様で表示したりする。
図50および図51は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいて、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bで特別図柄の変動表示が実行されるタイミングを示すタイミング図である。図50は、遊技状態が高ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を示す。また、図51は、遊技状態が低ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を示す。
まず、遊技状態が高ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を説明する。前提として、まだ、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも遊技球が入賞しておらず、第1保留記憶数カウンタおよび第2記憶数カウンタのカウント値はいずれも0であるとする。
図50に示すように、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると(図50に示す始動入賞A)、上限値に達していないことを条件に(S111に対応する第2始動口スイッチ通過処理のステップ)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(S112に対応する第2始動口スイッチ通過処理のステップ)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される(S114、S363、S637、S638、S902、S904の各ステップに対応する第2始動側の処理のステップ)。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが1つ緑色に点灯する。
また、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(SB51)、第1保留記憶数カウンタの値が0であると判定する(SB51a)。この場合、CPU56は、第2変動中フラグをセットして(SB57)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示を行う。さらに、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをセットする(SB57a)。なお、第2特別図柄の変動表示を行う際に、第2変動パターン設定処理において、第2保留記憶数カウンタの値は1減算され、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される。この場合、第2特別図柄の変動表示を行う際に、第2保留記憶数カウンタの値が0に戻り、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDの緑色の点灯が全て消灯する。
次に、第2特別図柄の変動中に、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると(図50に示す始動入賞B)、上限値に達していないことを条件に(S111)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(S112)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(S114、S363、S637、S638、S902、S904)。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、たとえば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。続いて第2特別図柄の変動が終わらないうちに第2始動入賞口14に再び遊技球が入賞すると(図50に示す始動入賞C)、上限値に達していないことを条件に(S111に対応する第2始動口スイッチ通過処理のステップ)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(S112に対応する第2始動口スイッチ通過処理のステップ)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが1つ赤色に点灯する。
第2特別図柄の変動表示が終了すると、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(S51)、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(S51a)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(S51b)。図50では、遊技状態が高ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていると判定し(S51bのY)、そのまま処理を終了する。すなわち、第1特別図柄の変動表示を開始することなく、第2特別図柄プロセス処理(S26B)に移行する。
また、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(SB51)、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(SB51a)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(SB51b)。図50では、遊技状態が高ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていると判定し(SB51bのY)、第2変動中フラグをセットして(SB57)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示を行う。
以上のように、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態に制御されていれば、第2始動入賞口14よりも先に第1始動入賞口13に遊技球が入賞している場合であっても、第1始動入賞口13への始動入賞に優先して、第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、遊技状態が低ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を説明する。前提として、まだ、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも遊技球が入賞しておらず、第1保留記憶数カウンタおよび第2記憶数カウンタのカウント値はいずれも0であるとする。
図51に示すように、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると(図51に示す始動入賞D)、上限値に達していないことを条件に(S111)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(S112)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(S114、S363、S637、S638、S902、S904)。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが1つ赤色に点灯する。
また、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(S51)、第2保留記憶数カウンタの値が0であると判定する(S51a)。この場合、CPU56は、第1変動中フラグをセットして(S57)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示を行う。なお、第1特別図柄の変動表示を行う際に、第1変動パターン設定処理において、第1保留記憶数カウンタの値は1減算され(S55)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(S114、S363、S637、S638、S902、S904)。この場合、第1特別図柄の変動表示を行う際に、第1保留記憶数カウンタの値が0に戻り、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDの赤色の点灯が全て消灯する。
次に、第1特別図柄の変動中に、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると(図51に示す始動入賞E)、上限値に達していないことを条件に(S111に対応する第2始動口スイッチ通過処理のステップ)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(S112に対応する第2始動口スイッチ通過処理のステップ)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される(S114、S363、S637、S638、S902、S904の各ステップに対応する第2始動側の処理のステップ)。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが1つ緑色に点灯する。続いて第1特別図柄の変動が終わらないうちに第1始動入賞口13に再び遊技球が入賞すると(図51に示す始動入賞F)、上限値に達していないことを条件に(S111)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(S112)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(S114、S363、S637、S638、S902、S904)。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが1つ赤色に点灯する。
第1特別図柄の変動表示が終了すると、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(SB51)、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(SB51a)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(SB51b)。図51では、遊技状態が低ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていないと判定し(SB51bのN)、そのまま処理を終了する。すなわち、第2特別図柄の変動表示を開始することなく、次のタイマ割込がかかったことにもとづいて、第1特別図柄プロセス処理(S26A)に移行する。
また、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(S51)、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(S51a)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(S51b)。図51では、遊技状態が低ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていないと判定し(S51bのN)、第1変動中フラグをセットして(S57)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示を行う。
以上のように、この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態に制御されていれば、第1始動入賞口13よりも先に第2始動入賞口14に遊技球が入賞している場合であっても、第2始動入賞口14への始動入賞に優先して、第1始動入賞口13への始動入賞にもとづく第1特別図柄の変動表示が実行される。
[実施の形態2]
第1の実施の形態では、主基板31と演出制御基板80との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定コマンドを受信できなかったこと等に起因して演出図柄および飾り図柄の可変表示が継続してしまった場合に、次回の可変表示の開始時に送信される第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させるようにした。しかし、他の演出制御コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させるようにしてもよい。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させる。背景指定コマンドも、次回の可変表示の開始時に送信される演出制御コマンドである(図14(C)参照)。
図52は、この実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理の一部を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、背景指定コマンドを受信したときに(S614)、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S615、S616)。また、第1の実施の形態の場合とは異なり、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき(S621)、および第2図柄変動指定コマンドを受信したとき(S626)には、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行わない。
その他の演出制御用マイクロコンピュータ100の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。
なお、この実施の形態では、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき、および第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行わなかったが、それらの場合にも、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行うようにしてもよい。制御の仕方は、第1の実施の形態の場合と同様である。
[実施の形態3]
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、客待ちデモ指定コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドを送信する。
図53〜図55は、この実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンドを受信したときに(S651)、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S652、S653)。また、大当り開始1指定コマンドを受信したときに(S671)、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S672、S673)。なお、大当り開始2指定コマンドを受信したときにも、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットすることが好ましい。また、第1の実施の形態の場合とは異なり、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき(S621)、および第2図柄変動指定コマンドを受信したとき(S626)には、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行わない。
その他の演出制御用マイクロコンピュータ100の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。
なお、この実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信した場合、および大当り開始1指定コマンドを受信した場合に、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行うようにしたが、いずれか一方の場合にのみ、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行うようにしてもよい。
また、図53〜図55には、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき、および第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行なわない制御が例示されているが、それらの場合にも、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行うようにしてもよい。制御の仕方は、第1の実施の形態の場合と同様である。
また、第2の実施の形態の場合と同様に、背景指定コマンドを受信したときにも、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させるようにしてもよい。制御の仕方は、第2の実施の形態の場合と同様である。
[実施の形態4]
上記の各実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンの選択制御を実行していなかった。たとえば、変動パターン#2を示す変動パターンコマンドを受信したら、あらかじめ決められている変動パターン#2の変動態様で、演出図柄の変動制御を行っていた。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、変動パターンコマンドを受信した場合に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図56は、演出制御用マイクロコンピュータ100が複数種類の変動パターンから使用する変動パターンを選択するように構成されている場合の制御例を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄変動開始処理において、第1図柄変動要求フラグがセットされているか第2図柄変動要求フラグがセットされているかによって(第1図柄変動指定コマンドを受信したか第2図柄変動指定コマンドを受信したかによって)、変動態様を別にする。第1特別図柄の可変表示が行われているときと第2特別図柄の可変表示が行われているときとで演出図柄の変動態様(可変表示態様)が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)をより把握しやすくなる。
図57には、一例として、変動パターン#2の変動態様が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン#2を示す変動パターンコマンドを受信した場合に、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときには図57(A)に例示するような変動態様に変動パターンを使用し、第2図柄変動指定コマンドを受信しているときには図57(B)に例示するような変動態様に変動パターンを使用する。なお、図57には、変動パターン#2の変動態様が例示されているが、他の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合にも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動態様を別にする。
図56に示すように、演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、図57(A)に例示するような第1特別図柄対応変動パターンを使用することに決定する(S833A)。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている)には、図57(B)に例示するような第2特別図柄対応変動パターンを使用することに決定する(S837A)。その他の制御は、上記の各実施の形態の場合と同様である。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、演出用部品としての演出表示装置9において、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄の可変表示を行う可変表示手段(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)に対応した演出(この例では、演出図柄の変動による異演出)を開始することになる。
なお、この実施の形態では、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときと第2図柄変動指定コマンドを受信しているときとで、同じ変動パターンを受信しても変動態様を変えたが、変動時間は同じである。しかし、変動時間を変えるようにしてもよい。たとえば、変動パターン#2の変動パターンコマンドを受信した場合に、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときには変動時間を10秒にし、第2図柄変動指定コマンドを受信しているときには変動時間を15秒にする。このような制御を行ってもよいことは、他の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合でも同様である。
また、ここでは、受信した図柄変動指定コマンドに応じて変動パターンを選択するようにしたが、受信した図柄変動指定コマンドに関係なく、変動パターンコマンドを受信した場合に、常に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
[実施の形態5]
次に、高ベース状態(時短状態)が、所定回数の変動により終了する実施の形態を、図58、図59に基づいて説明する。
図58は、図29を一部変更したものであり、図59は、図30を一部変更したものである。共通ステップ部分については、ステップ番号を同じにしている。主に変更点について説明する。
先ず、図59を参照して、CPU56は、S144の次に、変動回数カウンタの値を100にセットする制御を行う(S144a)。この変動回数カウンタとは、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとの両者に兼用されるカウンタであり、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bが変動表示される毎に「1」減算されて第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの変動回数の合計を計数するものである。
そして、図58を参照して、S133の次に、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを判断する(S133a)。セットされていなければS134へ移行するが、セットされている場合には、変動回数カウンタを「1」減算する(S133b)。次に、変動回数カウンタが「0」になったか否かの判断を行う(S133c)。「0」でない場合にはS134へ移行するが、「0」の場合には、高ベースフラグをリセットし(S133d)、高ベース状態(時短状態)を終了させる。
これにより、高ベース状態(時短状態)となった後、100回変動した場合に、その高ベース状態(時短状態)が終了する。
次に、以上説明した実施の形態における効果を記載する。
低ベース状態である場合、第1始動入賞口13に遊技球が入賞する確率が、第2始動入賞口14に遊技媒体が入賞する確率よりも高くなる。この場合、第1保留記憶数が0でないと判定するとともに第2保留記憶数が0でないと判定すると、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示を実行する。また、高ベース状態である場合、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する確率が、第1始動入賞口13に遊技媒体が入賞する確率よりも高くなる。この場合、第1保留記憶数が0でないと判定するとともに第2保留記憶数が0でないと判定すると、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を実行する。そのため、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14のうち入賞確率が高い方の始動入賞口に対応する特別図柄表示器8a、8bにおける特別図柄の変動表示を優先して実行することができる。従って、入賞確率が高い方の始動入賞口への入賞にもとづく変動を優先的に開始できるので、遊技球の入賞確率が高い側の始動入賞口への無効始動入賞の発生を低減することができる。
また、大当り遊技を終了すると、特別図柄の変動表示を所定回数実行するまで、遊技球が第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなるように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態を高ベース状態に移行しているときに、第1保留記憶数が0でないと判定するとともに第2保留記憶数が0でないと判定すると、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を実行する。そのため、高ベース状態において入賞確率が高くなる第2始動入賞口14への入賞にもとづく変動を優先的に開始することができ、遊技状態を高ベース状態に移行している間の無効始動入賞の発生を低減することができる。また、遊技状態を高ベース状態に移行することによって、保留記憶数が上限値に達した状態となる可能性を高めることができ、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を記載する。
所定の条件が成立したときに、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示に優先して第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を実行するように制御する制御状態と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示に優先して第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示を実行するように制御する制御状態とを切り替える(優先/非優先の切り替え)ようにしてもよい。この実施の形態では、たとえば、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に変化すると、所定の条件が成立し、特別図柄の優先変動を行う制御状態が切り替えられる。また、たとえば、遊技状態が低ベース状態から高ベース状態に変化すると、所定の条件が成立し、特別図柄の優先変動を行う制御状態が切り替えられる。そのため、所定の条件が成立したことを条件に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のうちいずれの保留記憶数に対応する特別図柄表示器8a、8bの変動表示を優先して実行するかを切り替えることができる。従って、保留記憶数にもとづいて変動表示が開始される場合に、変動表示が優先して開始される特別図柄表示器8a、8bが変化するので、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述の優先/非優先の切り替えの実施の形態では、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に変化した場合、または遊技状態が低ベース状態から高ベース状態に変化した場合に、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替える例を説明したが、所定の条件の成立条件は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、高ベース状態および低ベース状態以外の遊技状態の変化を検出したときに、所定の条件が成立したとして制御状態を切り替えてもよい。この場合、たとえば、遊技状態が通常状態から確変状態に変化した場合、または遊技状態が確変状態から通常状態に変化した場合に、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、大当り終了後の特別図柄および飾り図柄の変動回数にもとづいて、所定の条件の成立の有無を判断するようにしてもよい。たとえば、大当り終了後に再び大当りとなることなく、特別図柄および飾り図柄の変動表示が1000回実行された場合、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、たとえば、特別図柄および飾り図柄が100回変動表示するまで時短状態に制御される場合に、最初の50回の変動表示が終了するまで第1始動入賞口13への始動入賞にもとづく特別図柄の変動表示を優先するように制御し、残りの50回の変動表示が終了するまで第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく特別図柄の変動表示を優先するように制御してもよい。
また、大当り終了後所定時間が経過したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、優先する制御状態を切り替えた後、特別図柄および飾り図柄の所定回数の変動表示を終了したとき、または所定回数の変動表示を開始したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。この場合、たとえば、優先する制御状態を切り替えた後に、特別図柄および飾り図柄が100回変動表示を実行するごとに、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示を優先して制御するか、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を優先して制御するかを切り替えてもよい。
また、優先する制御状態を切り替えた後、所定時間が経過したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、前述の突然確変大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出を行う大当り)が終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、たとえば、突然時短大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が時短状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出を行う大当り)や、突然通常大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、通常大当りが発生したように遊技者に見せる特別な演出を行う大当り)、短期間(たとえば7ラウンド)の大当りが終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、いわゆる小当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、大入賞口が短時間だけ開放する特別な演出を行う当り)が終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄となったことにもとづく当りが終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、大当りが所定回数連続して発生したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。この場合、たとえば、確変大当りが2回連続して発生したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、たとえば、時短状態に制御されているときに確変大当りまたは通常大当りが発生した場合に、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、第1特別図柄または第2特別図柄のうちのいずれか一方の停止図柄が大当り図柄となったことにもとづく大当り(確変大当りや突然確変大当りなどの特定の大当りを含む)が終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、保留記憶数が所定数以上になったときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。この場合、たとえば、合算保留記憶数を記憶する合算保留記憶数カウンタのカウント値が7個以上になると、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、たとえば、第1保留記憶数を記憶する第1保留記憶数カウンタのカウント値が3個以上になると、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、特定の遊技演出が実行されるときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。たとえば、特別図柄表示器8a、8bや可変表示装置9において特定の変動パターン(たとえば、リーチ態様の変動パターン)にもとづく変動表示が実行されるときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、たとえば、確変大当りや通常大当りが発生することを予告する予告演出が実行されるときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、遊技機には、所定のタイミングで可変表示装置9の画面に表示される背景や音などを変更することができるものがある。たとえば、桜の花びらが舞っている春モードと、太陽が照っている夏モードと、紅葉(もみじ)が舞っている秋モードと、雪が降っている冬モードとが所定のタイミングで切り替わるような遊技機である。このような春モード、夏モード、秋モードおよび冬モードを演出モードという。このような遊技機において、演出モードが変化したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、遊技機が遊技者によって操作可能な操作ボタンを備える場合に、遊技者が操作ボタンを操作したときに(具体的には、操作ボタンからのオン信号を検出したときに)、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、遊技球が遊技盤6の遊技領域7に設けられた特定のゲート(たとえば、ゲート32)を通過したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行う制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、所定の条件が成立したときに、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とのいずれを優先して実行するかを切り替える例を説明したが、優先制御される制御状態は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、所定の条件が成立したときに、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示に優先して第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示を実行するように制御する制御状態と、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も優先実行しないように制御する制御状態とを切り替えてもよい。なお、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も優先実行しないように制御する制御状態に切り替えた場合、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に遊技球が入賞した順に従って、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されることになる。また、たとえば、所定の条件が成立したときに、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示に優先して第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を実行するように制御する制御状態と、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も優先実行しないように制御する制御状態とを切り替えてもよい。
また、この実施の形態によれば、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数が所定数(たとえば3)以上である場合、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動時間および第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動時間を短縮する。そのため、特別図柄の変動時間を短縮することによって、特別図柄表示器8a、8bにおける特別図柄の変動表示が開始されやすくすることができ、遊技球の始動入賞口13、14への無効始動入賞の発生を低減することができる。また、優先して変動表示を実行する側の特別図柄表示器8a、8b(入賞確率が高い側の始動入賞口13、14に対応する特別図柄表示器)に対する保留記憶数が増加した場合だけでなく、優先して変動表示を実行しない側の特別図柄表示器8a、8b(入賞確率が高くない側の始動入賞口13、14に対応する特別図柄表示器)に対する保留記憶数が増加した場合であっても、優先して変動表示を実行する側の特別図柄表示器8a、8bにおける変動時間を短縮することができる。従って、優先して変動表示を実行しない側の特別図柄表示器8a、8bに対する保留記憶数にもとづく変動表示も早期に開始されやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図5に示すタイマ割込処理において、第1特別図柄プロセス処理(S26A参照)と第2特別図柄プロセス処理(S26B参照)とを別々の処理として実行する場合を説明したが、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bを1つの特別図柄プロセス処理として実行するようにしてもよい。この場合、CPU56は、大当りフラグを、第1特別図柄表示器8aの大当り表示結果後に発生する大当りを特定する第1大当りフラグと、第2特別図柄表示器8bの大当り表示結果後に発生する大当りを特定する第2大当りフラグとに、区別して記憶するようにし、たとえば、特別図柄プロセス処理において、まず、第1大当りフラグがセットされている否かを確認するとともに、第1変動中フラグがセットされているか否かを確認する。第1大当りフラグまたは第1変動中フラグがセットされていれば、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図20に示す第1特別図柄プロセス処理のS300〜S309のいずれかの処理(ただし、S51〜S51bを除く)を実行する。第1大当りフラグおよび第1変動中フラグのいずれもセットされていなければ、CPU56は、第2大当りフラグがセットされている否かを確認するとともに、第2変動中フラグがセットされているか否かを確認する。第2大当りフラグまたは第2変動中フラグがセットされていれば、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて、第2特別図柄プロセス処理のS300〜S309に相当する処理のいずれかの処理(ただし、SB51〜SB51bを除く)を実行する。
第1大当りフラグ、第2大当りフラグ、第1変動中フラグおよび第2変動中フラグのいずれもセットされていなければ、CPU56は、第1保留記憶数の値が0であるか否かを確認するとともに(S51参照)、第2保留記憶数の値が0であるか否かを確認する(S51a参照)。第1保留記憶数の値のみが0でない場合には、CPU56は、第1特別図柄通常処理(S300参照)に移行する。また、第2保留記憶数の値のみが0でない場合には、CPU56は、第2特別図柄通常処理に移行する。さらに、第1保留記憶数および第2保留記憶数の値がともに0でなければ、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(S51b参照)。そして、高ベース状態フラグがセットされていなければ、CPU56は、第1特別図柄通常処理(S300参照)に移行する。また、高ベース状態フラグがセットされていれば、CPU56は、第2特別図柄通常処理に移行する。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における開始コマンド送信手段からのコマンドにもとづいて、演出用部品としての演出表示装置9で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの可変表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの可変表示手段における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握させやすくすることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における開始コマンド送信手段からのコマンドにもとづいて、演出用部品としての演出表示装置9で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段に対応した変動態様による可変表示演出を実行するように構成されているので、2つの可変表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの可変表示手段における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
また、前述の実施の形態では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bの変動表示の開始時(正確には開始時よりも2msec前)に、第1保留記憶数、第2保留記憶数の有無を判定(S51、S51a、SB51、SB51a)するとともに、高ベース状態であるか否かを判定(S51b、SB51b)している。換言すれば、第1可変表示手段に表示結果を導出表示したときまたは第2可変表示手段に表示結果を導出表示したときに、判定を行なっている。しかし、それに限らず、これらの判定は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bの変動表示の開始時よりもかなり以前(たとえば、前回の変動表示の終了前の段階)から行い、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとの変動順番を事前に決めておいてもよい。
さらに、第1入賞部と第2入賞部との入賞率の高い方が構造上一律に定まる構成であれば、S51a、SB51aの判定(第1入賞部および第2入賞部のうち遊技媒体が入賞する確率が高い入賞部への入賞にもとづく可変表示の開始条件が成立したとの判断)は必ずしも必要ではない。たとえば、閉鎖時入賞不可能な第2始動入賞口14を高ベース状態時のみ開成可能にするとともに、第1始動入賞口(第1始動口)13よりも入賞率の低い第3始動入賞口(可変入賞球装置でない固定型入賞口)を第2始動口用として設けて、第2保留記憶としての第2始動入賞口14への入賞記憶(第2保留記憶a)と第3始動入賞口への入賞記憶(第2保留記憶b)とを区別して記憶する。また、高ベース状態時には障害物を突出させて第3始動入賞口を入賞不可能な状態にする。このような構成の場合は、第2保留記憶aが「1」以上ということは、とりもなおさず高ベース状態のため、第2保留記憶aが「1」以上という判断を行なったときには、高ベース状態か否かの判断を行うことなく、第2保留記憶に基づく可変表示の方を優先する制御に移行するようにしてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。