JP2009005768A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可動部材を備えた遊技機において、演出表示装置による表示演出の効果を低下させないようにし、さらに、可動部材による演出効果を高める。
【解決手段】 透明性を有し、演出表示装置9の前面側に表示領域全体を覆うように設けられた可動可能な透明板81と、透明板81に取り付けられた第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bとを備え、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bが表示領域に重ならない位置である第1状態から、表示領域の前方の位置である第2状態になるように透明板81を移動させる制御を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】 透明性を有し、演出表示装置9の前面側に表示領域全体を覆うように設けられた可動可能な透明板81と、透明板81に取り付けられた第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bとを備え、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bが表示領域に重ならない位置である第1状態から、表示領域の前方の位置である第2状態になるように透明板81を移動させる制御を行う。
【選択図】 図2
Description
本発明は、遊技者が遊技球を遊技領域に発射することにより所定の遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
パチンコ遊技機等の遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、表示状態が変化可能な液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等の画像表示装置が設けられ、画像表示装置に所定の識別情報(例えば、図柄)を更新表示させることによって変動表示(可変表示)を行い、画像表示装置の表示結果(停止図柄)によって、所定の遊技価値が遊技者に与えられるか否か報知するように構成されたものがある。なお、可変表示を行う画像表示装置を可変表示装置ともいう。
また、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた大入賞口と呼ばれる可変入賞球装置の状態が所定回数(所定のラウンド数)打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(例えば、開放状態)になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
以下、大入賞口が開放状態になって遊技球の入賞が極めて容易になっている状態を特定遊技状態(ラウンド間の状態も含む。)という。特定遊技状態になるときには、例えば、画像表示装置に表示される表示図柄の停止図柄態様があらかじめ定められた特定表示態様になる(一般的には、停止図柄が同一図柄で揃う)。
遊技者は、可変表示中に、停止図柄の態様が特定表示態様になって「大当り」になるか否かに関心を払う。そのために、「大当り」になるか否かを判別することができる図柄の確定(最終停止)までの間に、図柄の変動態様を異ならせる等の遊技興趣を高めるための様々な演出表示が行われる。
そのような演出として、例えば、画像表示装置において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われるリーチ演出がある。なお、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。
画像表示装置の前面側に、棒状の支持部材で移動可能に支持される装飾部材を備えた遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている遊技機は、画像表示装置で行われる演出と、装飾部材の移動等による演出とによって遊技興趣を高めている。
特許文献1に記載されている遊技機は、装飾部材を移動させるために当該装飾部材を支持するための棒状の支持部材が画像表示装置の前面側を移動する。つまり、支持部材が画像表示装置と遊技者との間を移動する。従って、支持部材によって画像表示装置の視認が妨げられ、画像表示装置による表示演出の効果が低下するという問題がある。なお、棒状の支持部材に透明樹脂を用いても、当該支持部材(特に支持部材の端部)は遊技者による画像表示装置の視認を妨げる。また、装飾部材は棒状の支持部材によって支持されて移動するので、装飾部材の移動態様が限定される。
そこで、本発明は、画像表示装置による表示演出の効果を低下させないようにし、さらに、装飾部材による演出効果を高めた遊技機を提供することを目的とする。
本発明による遊技機は、遊技者が遊技球を遊技領域に発射することにより所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技の進行にあわせて所定の演出を実行し、遊技者が視認可能な表示領域を有する画像表示装置(例えば、演出表示装置9)と、透明性を有し、画像表示装置の前面側に表示領域のほぼ全体を覆うように設けられた可動可能な透明板(例えば、透明板81)と、透明板に取り付けられた装飾部材(例えば、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85b)と、透明板を可動させることにより、装飾部材を画像表示装置の前面に沿って可動させる制御を行う透明板制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100。特に、飾り図柄変動中処理(図54参照)を実行する部分)とを備え、透明板制御手段は、装飾部材が表示領域に重ならない位置である第1状態(例えば、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bが飾り部材75に設けられた穴の外側の領域にある状態)から、表示領域に重なる前方の位置である第2状態(例えば、第1の装飾部材85aまたは第2の装飾部材85bが飾り部材75に設けられた穴の内側の領域にある状態)になるように透明板を可動させる制御(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出図柄変動中処理におけるステップS855Bを実行する制御)を行うことを特徴とする。
装飾部材は、遊技領域を備える遊技盤よりも後方に配置されており、第1状態において、遊技者から視認不可能であってもよい(図5に示すように、第1の装飾部材85aが、飾り部材75の背面側に位置し、第1状態(第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bが飾り部材75に設けられた穴の外側の領域にある状態)で、遊技者から視認不可能であってもよい)。
第1状態は、装飾部材が第1の位置で停止している第1配置状態(例えば、図6に示すように、第1の装飾部材85aが演出表示装置9の中央に対して上側で停止し、第2の装飾部材85bが演出表示装置9の中央に対して左側で停止している状態)と、装飾部材が第1の位置と異なる位置である第2の位置で停止している第2配置状態(例えば、図9に示すように、第1の装飾部材85aが演出表示装置9の中央に対して右側で停止し、第2の装飾部材85bが演出表示装置9の中央に対して上側で停止している状態)とを有し、透明板制御手段は、装飾部材が第1状態を維持したまま、第1配置状態から第2配置状態になるように透明板を可動させる制御(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出図柄変動中処理におけるステップS855Bを実行する制御)を行ってもよい(図9に示すように、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bが飾り部材75に設けられた穴の外側の領域にある状態(第1状態)で、第1の装飾部材85aが演出表示装置9の中央に対して上側から右側に移動して停止し、第2の装飾部材85bが演出表示装置9の中央に対して左側から上側に移動して停止してもよい)。
装飾部材には、透明電極(例えば、透明電極81a,81b)と、透明電極を介して電力を供給されて点灯する発光手段(例えば、可動部材ランプ78e,78g)とが設けられていてもよい。
遊技者によって操作される操作手段(例えば、操作ボタン120)を備え、透明板制御手段は、操作手段になされた操作にもとづいて、透明板を可動して装飾部材を画像表示装置の前面に沿って可動させる制御(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出図柄変動開始処理におけるステップS842A,S842Bおよび演出図柄変動中処理におけるステップS855Bを実行する制御)を行ってもよい。
装飾部材は遊技演出動作を行う可動部材で構成されていてもよい(図12(b)に示すように、第2の装飾部材85bである「龍」形状のうち口の部分が、上方を向いている位置から、演出表示装置9に表示された識別情報に対応する位置に移動するように、首の部分が変形可能に構成されていてもよい。)。
装飾部材は、可動部材に遊技演出動作を行わせるために、可動部材に電力を供給する電源部(例えば、電源部85c)を備え、電源部は蓄電機能を有していてもよい。
請求項1記載の発明では、透明性を有し、画像表示装置の前面側に表示領域のほぼ全体を覆うように設けられた可動可能な透明板と、透明板に取り付けられた装飾部材と、透明板を可動させることにより装飾部材を画像表示装置の前面に沿って可動させる制御を行う透明板制御手段とを備えているので、遊技者による画像表示装置の視認を妨げることなく装飾部材を可動させ、画像表示装置による表示演出の効果が低下することを防ぐことができる。また、透明板制御手段が、装飾部材が表示領域に重ならない位置である第1状態から、表示領域に重なる前方の位置である第2状態になるように透明板を可動させる制御を行うので、装飾部材を表示領域に沿って可動させ、演出効果を高めることができる。
請求項2記載の発明では、装飾部材が、遊技領域を備える遊技盤よりも後方に配置され、第1状態において、遊技者から視認不可能であるように構成されているので、遊技者による視認不可能な領域から装飾部材を登場させて、遊技の興趣を向上させることができる。
請求項3記載の発明では、第1状態が、装飾部材が第1の位置で停止している第1配置状態と、装飾部材が第1の位置と異なる位置である第2の位置で停止している第2配置状態とを有し、透明板制御手段が、装飾部材が第1状態を維持したまま、第1配置状態から第2配置状態になるように透明板を可動させる制御を行うように構成されているので、遊技者から見えない状態で装飾部材を可動させてから登場させ、遊技の興趣を向上させることができる。
請求項4記載の発明では、装飾部材には、透明電極と、透明電極を介して電力を供給されて点灯する発光手段とが設けられているので、装飾部材を発光させて遊技の興趣を向上させることができる。また、透明電極を用いて発光手段に電力を供給するので、装飾部材が表示領域の前面の位置にある場合に、装飾部材のみを遊技者から視認可能にすることができる。
請求項5記載の発明では、遊技者によって操作される操作手段を備え、透明板制御手段が、操作手段になされた操作にもとづいて、透明板を可動させて装飾部材を画像表示装置の前面に沿って可動させる制御を行い、遊技者の操作に応じて装飾部材を可動させるので、遊技の興趣を向上させることができる。
請求項6記載の発明では、装飾部材が遊技演出動作を行う可動部材で構成されているので、装飾部材が可動するとともに、可動部材によって遊技演出動作が行われ、遊技の興趣を向上させることができる。
請求項7記載の発明では、装飾部材が、蓄電機能を有し、可動部材に電力を供給する電源部を備えるように構成されているので、透明板に回路を形成することなく可動部材に電力を供給することができる。また、遊技者から見えない状態で遊技機本体から電源部に電力を供給して蓄電させて、遊技者から見える状態で、電源部が可動部材に電力を供給することができる。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域91がある。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。なお、演出表示装置9の前面側には中央部に円形状の穴が設けられた飾り部材75が遊技盤6に設置されている。また、演出表示装置9と飾り部材75との間には、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bが設置され、透明性を有する透明板81が設けられている(図1において図示せず)。遊技者は、飾り部材75に設けられた穴と、透明板81とを介して演出表示装置9を視認する。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、ランプやLEDで構成されていてもよい。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、打球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器(第1可変表示部)9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器(第2可変表示部)9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。また、後述するように、高ベース状態では第2始動入賞口14の入賞率は高くなる。その場合には、第2始動入賞口14の入賞率は、第1始動入賞口13の入賞率よりも高い。よって、遊技領域6に打ち込まれた所定数の遊技球数に対する景品遊技球の払出数の割合(ベース)は高い。つまり、高ベース状態である。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。図1において図示せず。)がある。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、打球供給皿(上皿)3の上面に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。この操作ボタン120は、後述する予告演出の実行中に遊技者によって操作される。操作ボタン120が遊技者によって押されると、電極が接触することによりオン状態になって、オン信号(検出信号)が基板上に搭載されているマイクロコンピュータ(この実施の形態では演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100:図14参照)に出力される。なお、図1に示す例では、操作ボタン120は打球供給皿3の上面に設けられているが、他の箇所(例えば打球操作ハンドル5の真上)に設けられていてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1における演出表示装置9と透明板81と飾り部材75との取り付け構成を示す分解斜視図である。図2に示すように、透明板81は、弾性部材84a,84b,84c,84dを介して、円板形状の第1の歯車部材83によって支持される。第1の歯車部材83の中央部分には、円形状の穴が設けられている。そして、第1の歯車部材83の内縁(つまり、第1の歯車部材83の中央部分に設けられた円形状の穴の外縁)と、透明板81の外縁とは、弾性部材84a,84b,84c,84dによって接続されている。図2に示す例では、弾性部材84a,84b,84c,84dは、透明板81に接続されている位置および透明板81の中心を通る直線と、隣接する弾性部材が透明板81に接続されている位置および透明板81の中心を通る直線とのなす角度が90°であるように透明板81にそれぞれ接続されている。なお、弾性部材84a,84b,84c,84dは、例えば、ゴムやばねである。
また、第1の歯車部材83の外縁には歯が設けられ、当該歯は第2の歯車部材79aおよび第3の歯車部材79bに設けられた歯に組み合わされている。そして、第1の歯車部材83は、第2の歯車部材79aおよび第3の歯車部材79bの回転に伴って時計回り方向または反時計回り方向に回転する。図2に示す例では、遊技盤6の上部に対応する位置に第2の歯車部材79bが設けられ、遊技盤6の下部に対応する位置に第2の歯車部材79aが設けられている。なお、第2の歯車部材79aはモータ78aの動作に従って回転し、第3の歯車部材79bはモータ78bの動作に従って回転する。つまり、第1の歯車部材83は、モータ78aおよびモータ78bの動作に従って回転する。なお、この実施の形態では、第2の歯車部材79aおよび第3の歯車部材79bがそれぞれモータ78aおよびモータ78bの動作に従って回転するように、各歯車部材の駆動用にそれぞれモータが用意されているが、一方の歯車部材がモータの動作に従って回転するように構成されていれば、他方の歯車部材の駆動用のモータが用意されていなくてもよい。
第1の歯車部材83には、透明板81の外縁を押すためのソレノイド78c,78dが設置されている。ソレノイド78cの可動鉄心の一端には透明板81の外縁に接する面を有する透明板移動部材79cが設置され、ソレノイド78dの可動鉄心の一端には透明板81の外縁に接する面を有する透明板移動部材79dが設置されている。また、透明板81におけるソレノイド78cの近傍には第1の装飾部材85aが設置され、ソレノイド78dの近傍には第2の装飾部材85bが設置されている。なお、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bは、透明板81が移動していない状態(透明板81の外緑がソレノイド78c,78dによって押されていない状態。以下、初期状態という)で、遊技者が飾り部材75に設けられた穴を介して視認可能な領域81aの外側の領域に設置される。
第1の歯車部材83の内縁には、第1の歯車部材83に設けられた穴の中心に対する位置であって、ソレノイド78cが設置されている位置の反対側の位置に、溝86aが設けられいる。透明板81の一部は溝86aに覆われている。そして、当該部分は、透明板81が透明板移動部材79cに押された場合に、溝86aの内部を移動する。また、第1の歯車部材83の内縁には、第1の歯車部材83に設けられた穴の中心に対するソレノイド78dが設置されている位置の反対側の位置に、溝86bが設けられいる。透明板81の一部は溝86bに覆われている。そして、当該部分は、透明板81が透明板移動部材79dに押された場合に、溝86bの内部を移動する。
図3は、パチンコ遊技機1における透明板81と第1の歯車部材83との設置位置を示す正面図である。図3に示すように、第1の歯車部材83や、モータ78a、ソレノイド78c等の各部材は、遊技盤6の裏側に設置され、遊技者に視認されることはない。また、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bは、前述したように透明板81が移動していない状態(初期状態)で、遊技者が飾り部材75に設けられた穴を介して視認可能な領域81aの外側の領域に設置されている。つまり、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bは、透明板81が移動していない状態(初期状態)で遊技者に視認されることはない。
図4は、演出表示装置9と透明板81と飾り部材75との設置位置を示す正面図である。図4に示すように、飾り部材75は、遊技盤6に設置される。
図5は、演出表示装置9と透明板81と飾り部材75との設置位置を示す断面図である。図5には、図4における位置Aと位置A’との間の断面が示されている。そして、図5において左方が遊技機1の前面側であり、右方が背面側である。
図5に示すように、飾り部材75は、遊技盤6に設置されている。また、モータ78aは取り付け部材92aを介して遊技盤6に設置され、モータ78bは、取り付け部材92bを介して遊技盤6に設置されている。そして、第1の歯車部材83の上部に、モータ78bの動作に従って回転する第2の歯車部材79bが設けられ、下部に、モータ78aの動作に従って回転する第3の歯車部材79aが設けられている。
第1の歯車部材83の背面側には、透明板81の外縁を押すためのソレノイド78c,78dが設置されている。そして、透明板81の前面側には、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bが設けられている。また、透明板81の一部(図5に示す例では下部)は、溝86aに覆われている。従って、透明板81は、透明板移動部材79cによって外縁を押された場合に、溝86aに沿って移動する(つまり、演出表示装置9の前面に沿って移動する)。なお、図5に示すように、この実施の形態では、透明板81の端部が遊技者による視認を妨げないように、当該透明板81が、移動していない状態(初期状態)で遊技者が飾り部材75に設けられた穴を介して視認可能な領域の全体を覆うように構成されているが、透明板81は、その端部が遊技者による視認を妨げなければ、当該領域の一部を覆わないように構成されていてもよい。具体的には、例えば、当該領域のうち、上端部分および下端部分で演出表示装置9による演出が行われない場合には、透明板81は、初期状態で当該部分を覆わないように構成されていてもよい。つまり、当該領域のうち、上端部分および下端部分を除いた部分である中央部分で演出表示装置9による演出が行われる場合には、透明板81は、初期状態で中央部分を覆うように構成されていればよい(例えば、当該領域のうち80%以上の部分を覆うように構成されていればよい)。
図6は、各モータおよび各ソレノイドの動作を示す説明図である。図6に示すように、ソレノイド78cは、透明板移動部材79cを介して透明板81を移動させる。図6に示す例では、ソレノイド78cは、透明板移動部材79cを介して透明板81を下方に移動させる。また、ソレノイド78dは、透明板移動部材79dを介して透明板81を移動させる。図6に示す例では、ソレノイド78dは、透明板移動部材79dを介して透明板81を右方に移動させる。
また、図6に示すように、モータ78aが第2の歯車部材79aを反時計回り方向に回転させ、モータ78bが第3の歯車部材79bを反時計回り方向に回転させた場合に、第1の歯車部材83は時計回り方向に回転する。そして、ソレノイド78c,78dは、第1の歯車部材83の回転に伴って移動する。
図7は、ソレノイド78dの動作に従って透明板81が右方向に移動する動作を示す説明図である。図7に示すように、ソレノイド78dは、透明板移動部材79dを介して透明板81を移動させる。図7に示す例では、ソレノイド78dは、透明板移動部材79dを介して透明板81を右方に移動させる。なお、弾性部材84c,84dは、透明板81の移動に伴って伸張する。また、第2の装飾部材85bは、透明板81の移動に伴って飾り部材75に設けられた穴に対応する領域に移動する。具体的には、第2の装飾部材85bは、透明板81の移動に伴って、遊技者が視認可能な領域に移動し、当該領域に左側から登場する。
図8は、ソレノイド78cの動作に従って透明板81が下方向に移動する動作を示す説明図である。図8に示すように、ソレノイド78cは、透明板移動部材79cを介して透明板81を移動させる。図8に示す例では、ソレノイド78cは、透明板移動部材79cを介して透明板81を下方に移動させる。なお、弾性部材84a,84dは、透明板81の移動に伴って伸張する。また、第1の装飾部材85aは、透明板81の移動に伴って飾り部材75に設けられた穴に対応する領域に移動する。具体的には、第1の装飾部材85aは、透明板81の移動に伴って、遊技者が視認可能な領域に移動し、当該領域に上方から登場する。
図9は、各モータの動作に従って透明板81が回転する動作を示す説明図である。図9に示すように、モータ78aが第2の歯車部材79aを反時計回り方向に回転させ、モータ78bが第3の歯車部材79bを反時計回り方向に回転させた場合に、第1の歯車部材83は時計回り方向に回転する。なお、図9に示す例では、第1の歯車部材83は時計回り方向に90°回転している。そして、ソレノイド78c,78dは、第1の歯車部材83の回転に伴って移動する。また、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bは、第1の歯車部材83の回転に伴って移動する。なお、図9に示す例では、ソレノイド78c,78dは、駆動されていない。従って、透明板81は初期状態であるので、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bは、移動前、移動中、および移動後に、遊技者に視認されることはない。つまり、図9に示す例では、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bは、遊技者に視認されることなく移動している。
図10は、透明板81が、右方向に移動した状態で各モータの動作に従って回転する動作を示す説明図である。図9に示す例では、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bは、遊技者が視認不可能な領域で移動していたが、図10に示す例では、第2の装飾部材85bが、遊技者が視認可能な領域で移動している。つまり、図10に示す例では、遊技者は、第2の装飾部材85bが第2の装飾部材85bが演出表示装置9の中央に対して左側から上側に移動する移動態様を視認可能である。なお、図10に示す例では、ソレノイド78dを駆動した後(透明板81の外縁がソレノイド78dによって押されて移動した後)、モータ78a,78bを駆動しているが、ソレノイド78dと、モータ78a,78bとを同時に駆動してもよい。ソレノイド78dと、モータ78a,78bとを同時に駆動した場合には、モータ78a,78bの駆動中(つまり、透明板81の回転中)に、ソレノイド78dを駆動させて、第2の装飾部材85bを演出表示装置9の中央に対して左上側から登場させたり、当該登場後にソレノイド78dの駆動を停止して第2の装飾部材85bを遊技者から視認不可能な領域に移動させたりして(つまり、第2の装飾部材85bを、遊技者から視認可能な領域に短時間だけ移動させたり、遊技者から視認可能な領域を通過させたりして)、装飾部材(第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85b)の移動態様を多様化して、遊技の興趣を向上させることができる。
図11は、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bの具体例を示す説明図である。図11(A)に示す例では、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bは、「龍」形状の部材である。そして、透明板81における第1の装飾部材85aの近傍には、第1の装飾部材85aに電力を供給する透明電極81aが形成されている。また、透明板81における第2の装飾部材85bの近傍には、第2の装飾部材85bに電力を供給する透明電極81bが形成されている。そして、この実施の形態では、図11に示すように、透明電極81a,81bは、ケーブルを介して出力ポート107に接続されている。透明電極81a,81bは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜を用いて透明板81上に形成される。
なお、図11(B)に示すように、透明板81に、蓄電機能を有し、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bに電力を供給する電源部85cが設置されていてもよい。図11(B)に示す例では、電源部85cは、第2の装飾部材85bの背面側に設置されている。電源部85cは、例えば、二次電池やコンデンサである。また、電源部に電力を供給する電力供給端子85dが所定の位置(例えば、モータ78bの近傍)に設けられ、電源部85cが透明板81の移動に伴って当該所定の位置で停止した場合に、電力供給端子85dを介して電源部85cに電力を供給して蓄電させてもよい。なお、電源部は、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bにそれぞれ設けられていてもよい。
図12は、演出表示装置9における表示演出と所定の定位置で停止された第2の装飾部材85bとが共動して1つの演出が実現される例を示す説明図である。図12(a)は、リーチ状態で演出表示装置9に表示される識別情報を示す説明図である。ソレノイド78dは、リーチ状態で、透明板移動部材79dを介して透明板81を右方に移動させ、第2の装飾部材85bを遊技者が視認可能な領域に移動させる(図12(b)参照)。そして、第2の装飾部材85bは、内部に設置されたソレノイド78fの動作に従って変形する。図12(b)に示す例では、「龍」形状のうち口の部分が、上方を向いている位置から、演出表示装置9に表示された識別情報に対応する位置に移動するように、首の部分が変形している。なお、第2の装飾部材85bの筐体内において、例えば、ソレノイド78fの可動鉄心と「龍」形状のうちの口の部分とが、筒状の複数の連接部材の内部を通して糸等によって接続されている。そして、ソレノイド78fの可動鉄心が「龍」形状のうちの口の部分に近づく方向に移動した場合に、「龍」形状のうち口の部分が、上方を向いている位置から、演出表示装置9に表示された識別情報に対応する位置に移動するように、首の部分が変形する。また、ソレノイド78fの可動鉄心が「龍」形状のうちの口の部分から離れる方向に移動した場合に、「龍」形状のうち口の部分が、演出表示装置9に表示された識別情報に対応する位置から、上方を向く位置に移動するように、首の部分が変形する。
図12(b)において、「龍」形状のものが第2の装飾部材85bであり、「龍」形状のものが吐き出すように表現されている炎状のものは、演出表示装置9の表示画面に表示される画像である。また、図12(b)に示すように、第2の装飾部材85bに設置された可動部材ランプ78eを点灯させてもよい。図12(b)に示す例では、可動部材ランプ78eは「龍」形状の目の部分に設置されている。なお、第1の装飾部材85aには、ソレノイド78hおよび可動部材ランプ78gが設置され、演出表示装置9における表示演出と共動して1つの演出を行うことができるとする。
なお、第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bの一部(例えば、「龍」形状のものの目の部分)を透明にしてもよい。その場合には、演出表示装置9の表示画面において、第1の装飾部材85aまたは第2の装飾部材85bにおける透明な部分に対応する部分では、特殊な演出表示(例えば、光る目のような画像を表示)が行われる。よって、遊技者には、透明な部分で特殊な演出表示が行われているように視認される。
なお、図12に示す例では、ソレノイド78dが、リーチ状態で、透明板移動部材79dを介して透明板81を右方に移動させ、第2の装飾部材85bを遊技者が視認可能な領域に移動させているが、ソレノイド78cが、リーチ状態で、透明板移動部材79cを介して透明板81を下方に移動させ、第1の装飾部材85aを遊技者が視認可能な領域に移動させてもよい。つまり、第1の装飾部材85aを上方から遊技者が視認可能な領域に移動させてもよい。また、透明板81が各モータの動作に従って、例えば90°回転し、ソレノイド78cが、リーチ状態で、透明板移動部材79cを介して透明板81を左方に移動させ、第1の装飾部材85aを遊技者が視認可能な領域に移動させてもよい。つまり、第1の装飾部材85aを右方から遊技者が視認可能な領域に移動させてもよい。
図13は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図13には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
図14は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図14に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行うとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート107を介してモータ78a、モータ78b、ソレノイド78c、ソレノイド78d、可動部材ランプ78e、ソレノイド78f、可動部材ランプ78hおよびソレノイド78hの動作制御を行う。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図14には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図13に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図15は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(第1特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理を行う(ステップS93)。遊技状態復旧処理では、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンドを送信するために、停電復旧コマンド送信要求フラグをセットする。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信するために、初期化コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS13)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図16に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図17は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1始動入賞口への遊技球の入賞(第1始動入賞)にもとづく第1特別図柄の可変表示に対応して(または、第2始動入賞口への遊技球の入賞(第2始動入賞)にもとづく第2特別図柄の可変表示に対応して)、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2: 第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:遊技状態(高ベース状態/低ベース状態、高確率状態/低確率状態)および大当りの種類(突然確変大当り、15R大当り)を決定する(遊技状態決定用)
(1)ランダム1:第1始動入賞口への遊技球の入賞(第1始動入賞)にもとづく第1特別図柄の可変表示に対応して(または、第2始動入賞口への遊技球の入賞(第2始動入賞)にもとづく第2特別図柄の可変表示に対応して)、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2: 第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:遊技状態(高ベース状態/低ベース状態、高確率状態/低確率状態)および大当りの種類(突然確変大当り、15R大当り)を決定する(遊技状態決定用)
図16に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(8)の遊技状態決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図17に示された乱数(特に、ランダム2,3,4)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。また、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄および第2特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄や第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図18(A)は、この実施の形態における高確率状態(確変状態)および高ベース状態に関わる遊技状態を説明するための説明図である。そのような遊技状態として、高確率・高ベース状態(高確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、低確率・高ベース状態(低確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、高確率・低ベース状態(高確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)、および低確率・低ベース状態(低確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)がある。
高確率状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りの決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、高確率状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、高ベース状態では、低ベース状態に比べて普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、高ベース状態では、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。普通図柄について当りに決定されると、上述したように、普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当り図柄とされ、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間(開放時間)だけ開状態になり、ベースが上がる。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
図18(B)は、この実施の形態における背景モードを説明するための説明図である。背景モードとは、演出表示装置9の表示画面における背景(図柄およびキャラクタ画像以外の地の画面)のモード(具体的には種類)を表している。背景モードとして、通常モード、通常時高確可能性モード、高確高ベースモード、および低確高ベースモードがある。
通常モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態である可能性が低いこと、または高確率状態の可能性がないことを遊技者に認識させることができるようなモードである。通常時高確可能性モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態の可能性が高いことを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確高ベースモードは、高確率・高ベース状態で使用されるモードである。低確高ベースモードは、低確率・高ベース状態で使用されるモードである。
図19は、遊技状態の遷移の仕方の一例を示す状態遷移図である。図19に示すように、この実施の形態では、高確率・高ベース状態へは、他の3つの遊技状態から遷移しうる。低確率・高ベース状態へは、高確率・高ベース状態のみから遷移しうる。高確率・低ベース状態へは、高確率・高ベース状態以外の2つの遊技状態から遷移しうる。低確率・低ベース状態へは、高確率・低ベース状態から遷移しうる。なお、図19では、低確率・高ベース状態から低確率・低ベース状態への矢印が記載されているが、遷移する割合は0%である。以下、「遷移」を「移行」ということがある。
遊技状態の遷移は、大当りが発生した場合に遷移しうる。なお、大当りが発生しても、遊技状態が遷移しないこともある。また、図19には明示されていないが、低確率・高ベース状態において表示結果を大当り図柄としない特別図柄の可変表示が所定回連続して行われると、遊技状態が、低確率・低ベース状態に遷移するように制御してもよい。
図19に示す「%」の数値は、どのような種類の大当りに伴って遊技状態が遷移するのか、または同じ遊技状態を維持するのかの割合を示している。例えば、低確率・低ベース状態において、大当りが発生すると、10(3+7)%の割合で遊技状態が高確率・高ベース状態に遷移するが、そのうちで3%の割合で、2R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移し、7%の割合で、15R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移する。2R大当りとは、大入賞口が2回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、15R大当りとは、大入賞口が最大で15回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りである。
なお、2Rの大当りを突然確変大当りともいう。2Rの大当り遊技では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(例えば、0.5秒)。また、大当り遊技後の遊技状態は高確率状態に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態(確変状態)になったかのように感ずる。
大当りにすることに決定されると、遊技状態をどのように遷移させるのかを決定するために乱数(遊技状態決定用乱数)を用いた抽選が行われる。遊技状態決定用乱数は0〜599のいずれかの値になるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選において、遊技状態決定用乱数の値が、遊技状態(その状態に遷移させる遊技状態、すなわち遷移後の遊技状態)および大当りの種類に対応して決められている判定値に一致すると、その遊技状態に遷移させることに決定する。判定値は、4つの遊技状態(そのときの遊技状態)のそれぞれに応じて決められている。また、4つの遊技状態のそれぞれについて、判定値は、大当りの種類毎に決められている。
図20は、一例として、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの遊技状態(遷移後の遊技状態)および大当りの種類と、判定値数との関係を示す説明図である。それぞれの判定値数は、図19に示す各割合と整合するように定められている。具体的には、判定値数分の判定値がテーブルとしてROM54に設定されている。なお、図20には、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの判定値数が例示されているが、他の遊技状態についても、図19に示す各割合と整合するように判定値数が定められている。
図21は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図21において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図21に示すように、短縮変動が行われないときには変動パターン#1〜#4が用いられ、短縮変動が行われるときには変動パターン#5〜#8が用いられる。この実施の形態では、合算保留記憶数の値が所定値(例えば4)以上になっているときに短縮変動の変動パターン#5〜#8が用いられる。
なお、変動パターン#2〜#4および変動パターン#6〜#8は、停止図柄が大当り図柄になる場合と、停止図柄ははずれ図柄であるが演出表示装置9においてリーチ演出が実行される場合に用いられる変動パターンである。変動パターン#1および変動パターン#5は、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる変動パターンである。また、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が行われるときにも第2特別図柄の可変表示が行われるときにも同じ変動パターン(変動パターン#1〜#8のいずれか)が用いられるが、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。その場合、例えば、変動パターン#9〜#16を定義し、第1特別図柄については変動パターン#1〜#8のいずれかを使用し、第2特別図柄については変動パターン#9〜#16のいずれかを使用する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、飾り図柄表示器で飾り図柄の可変表示を行い演出表示装置9で演出図柄の可変表示を行うとともに、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行う。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行う。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図22は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図23に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図23に示された極性と逆極性であってもよい。
図24は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図24に示す例において、コマンド8001(H)〜8008(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8008(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、大当りの種類(2R大当り、15R大当り)、および遊技状態を示す演出制御コマンド(演出図柄指定コマンド)である。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C00(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C00(H)〜8C07(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、遊技状態を低ベース状態にすることまたは低ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(低ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態を高ベース状態にすることまたは高ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(高ベース状態背景指定コマンド)である。低ベース状態背景指定コマンドと高ベース状態背景指定コマンドとを、背景指定コマンドまたは遊技状態指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態指定コマンド(背景指定コマンド)の受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景を、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態に対応する背景にする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。A001(H)は、突然確変用画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド:突然確変指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図13に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図24に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1可変表示部(第1飾り図柄表示器9a)での識別情報の可変表示と第2可変表示部(第2飾り図柄表示器9b)での識別情報の可変表示とで共通に使用でき、第1可変表示部と第2可変表示部とを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図25〜図27は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図25(A)は、客待ちデモコマンドが送信される場合の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモコマンドを送信する場合には、その前に、背景指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理(図16参照)で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で客待ちデモコマンドを送信する。
図25(B)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
図25(C)は、特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、図柄変動指定コマンド、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信する。さらに次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信する。さらに次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
図26(A)は、合算保留記憶数が0から1になったときに開始される特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。そして、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理から、図25(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。なお、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信し、次のタイマ割込(2ms後のタイマ割込)にもとづく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)にもとづく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)にもとづく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図26(B)は、電力供給が開始されたとき(電源投入時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信した後、客待ちデモ指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で客待ちデモコマンドを送信する。
図26(C)は、電力供給が再開されたとき(停電復旧時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。
図27(A)は、15R大当り遊技における例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の開始時に、大当り開始1指定コマンドを送信し、各ラウンドの開始時に大入賞口開放中指定コマンドを送信し、各ラウンドの終了時に大入賞口開放後指定コマンドを送信し、大当り遊技の終了時に、大当り終了指定コマンドを送信する。
図28および図29は、ステップS28の演出制御コマンド制御処理を示すフローチャートである。演出制御コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、初期化コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS351)。初期化コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS356に移行する。初期化コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、初期化コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS352)、電源投入指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS353)。
具体的には、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの1バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1を出力し、さらに、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの2バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1を出力する。コマンドデータを出力するための出力ポートおよび演出制御INT信号を出力するための出力ポートの出力は、演出制御基板80に接続されている。なお、このような演出制御コマンドの送信の仕方は、電源投入指定コマンド以外の他の演出制御コマンドについても同じである。
次いで、CPU56は、背景指定コマンドを送信し(ステップS354)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS355)。
ステップS356では、CPU56は、停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS361に移行する。停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、停電復旧コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS357)、停電復旧指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS358)。次いで、演出図柄指定コマンドを送信する(ステップS359)。さらに、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS360)。なお、CPU56は、ステップS359において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。また、ステップS360において、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。なお、合算保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
ステップS361では、CPU56は、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS365に移行する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS362)、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS363)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS364)。なお、ステップS364において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。
ステップS365では、CPU56は、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS371に移行する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS366)、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS367)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS368)。なお、ステップS368において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。
ステップS371では、CPU56は、背景指定コマンド送信要求フラグ(低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグまたは高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグ)がセットされているか否か確認する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS374に移行する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS372)、背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS373)。なお、背景指定コマンド送信要求フラグとして低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、低ベース状態背景指定コマンドを送信し、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、高ベース状態背景指定コマンドを送信する。
ステップS374では、CPU56は、変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS381に移行する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS375)、図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS376)。次いで、変動パターンコマンドを送信する(ステップS377)。なお、CPU56は、ステップS376において、第1変動中フラグがセットされていたら第1図柄変動指定コマンドを送信し、そうでなければ、または第2変動中フラグがセットされていたら第2図柄変動指定コマンドを送信する。また、ステップS377において、変動パターン記憶領域に記憶されているデータに対応する変動パターンコマンドを送信する。
ステップS381では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS384に移行する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS382)、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS383)。なお、CPU56は、ステップS383において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。
ステップS384では、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS387に移行する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS385)、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS386)。
ステップS387では、CPU56は、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS391に移行する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS388)、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS389)。
ステップS391では、CPU56は、他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされているか否か確認し、セットされていれば、そのフラグをリセットし、フラグで要求された演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS391)。なお、他の演出制御コマンドの代表例として、図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされたことにもとづいて送信される図柄確定指定コマンドや大当り開始指定コマンド送信要求フラグがセットされたことにもとづいて送信される大当り開始1指定コマンドや大当り開始2指定コマンドがある。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは、全て、既に説明したメイン処理(図15参照)や以下に説明する第1特別図柄プロセス処理(図30、図32、図34〜図36、図38、図40、図41参照)および第2特別図柄プロセス処理等においてコマンドの送信を要求するフラグ(初期化コマンド送信要求フラグ、変動パターンコマンド送信要求フラグ、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグ等)がセットされたことにもとづいて、演出制御コマンド制御処理で送信される。しかし、第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理において、コマンドの送信を要求するフラグをセットすることに代えて、各演出制御コマンドを直接送信するようにしてもよい。そのように構成する場合には、1回の遊技制御処理において複数の演出制御コマンドを送信する場合には、続けて送信すればよい。例えば、図15に示されたステップS13の処理に代えて、ステップS353〜S355の処理を実行すればよい。また、図32に示すステップS116の処理に代えて、図28に示すステップS363,S364の処理を実行すればよい。また、図40に示すステップS132の処理に代えて、図柄確定指定コマンドを送信する処理を実行すればよい。
図30および図31は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムも第1特別図柄プロセス処理と同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
第1特別図柄プロセス処理を行う際に、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS41)。デモコマンド送信フラグは、客待ちデモ指定コマンドが送信される直前に送信される背景指定コマンドが送信された(具体的には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットした。)ことを示すフラグである。従って、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされている場合には、デモコマンド送信フラグをリセットして(ステップS42)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS43)。そして、ステップS314に移行する。
デモコマンド送信フラグがセットされていない場合には、CPU56は、第1特別図柄の変動中または大当り遊技中(例えば、第1特別図柄プロセスフラグの値により判定される)であるか否か確認し(ステップS44A)、第1特別図柄の変動中または大当り遊技中であれば監視タイマの値を0にクリアして(ステップS46)、ステップS311に移行する。また、CPU56は、第1保留記憶数が0であるか否か確認し(ステップS44B)、0であれば、ステップS45に移行する。0でない場合には、監視タイマの値を0にクリアして(ステップS46)、ステップS311に移行する。監視タイマとは、RAM55に形成されているソフトウェアタイマであり、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態の継続時間を計測するためのタイマである。
ステップS45では、監視タイマの値を+1する。そして、監視タイマの値が所定値になっているか否か確認する(ステップS46)。すなわち、監視タイマがタイムアウトしているか否か確認する。監視タイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS311に移行する。監視タイマがタイムアウトしている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(ステップS48)、さらに、デモコマンド送信フラグをセットして(ステップS49)、ステップS314に移行する。なお、ステップS48において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
なお、第2特別図柄プロセス処理でも、第2保留記憶数が0でない場合には監視タイマの値を0にクリアし、第2保留記憶数が0である場合には、監視タイマの値を+1する。例えば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0であればステップS45の処理で監視タイマの値は+1されるが、第2特別図柄プロセス処理で監視タイマの値が0にクリアされるので、ステップS47の処理での判定値(所定値)を2以上の値にしておけば、ステップS47の処理で「Y」と判定されることはない。つまり、第1保留記憶数が0であっても、第2保留記憶数が0でなければ、監視タイマがタイムアウトすることはない。
以上のような制御によって、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態(第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との双方が0である状態)が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。なお、客待ちデモ指定コマンドが送信されるのは、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続したことが検出されたときだけであって、その状態がそれ以上継続しても、以後、客待ちデモ指定コマンドは送信されない。そして、再び、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを用いて客待ちデモコマンドを送信するように制御したが、合算保留記憶数カウンタの値が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると客待ちデモ指定コマンドを送信するようにしたが、特別図柄の変動が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であることを条件として、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0になったときに、直ちに客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、ステップS43,S49の処理が実行される場合にはステップS311,S312の処理は実行されず、遊技球が第1始動入賞口13に入賞して第1始動口スイッチ13aがオンしたことのチェックはなされないが、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が見逃されることはない。一般に、第1始動口スイッチ13aとして近接スイッチや接点押下型のスイッチが用いられるが、いずれのスイッチを用いても遊技球が第1始動入賞口13に入賞したときには、スイッチの出力のオン状態が数10ms継続する。この実施の形態では、第1特別図柄プロセス処理は2ms毎に実行されるが、ステップS43,S49の処理が実行される場合には数ms(例えば4ms)間ステップS311,S312の処理が実行されない期間が継続するだけであって、そのような期間が存在しても、スイッチの出力のオン状態が数10ms継続していることから、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が見逃されることはない。
ステップS311では、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。そして、合算保留記憶数カウンタの値が1である場合には処理を終了する(ステップS313)。合算保留記憶数カウンタの値が1でない場合に、および、ステップS311で第1始動口スイッチ13aがオンしていないことを検出した場合には、第2特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを条件に(ステップS314)、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、第2特別図柄が変動中でないことは、例えば、第2変動中フラグがセットされているか否かによって判定される。大当り遊技中でないことは、例えば、大当りフラグがセットされているか否かによって判定される。また、第2特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを、第2特別図柄プロセスフラグの値によって判定してもよい。
第1始動口スイッチ通過処理を実行したときに合算保留記憶数カウンタの値が1である場合にはステップS300〜S309の処理を実行しないのは、合算保留記憶数カウンタの値が0から1になったときに、始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとを送信した後、次のタイマ割込処理で背景指定コマンドを送信したいためである(図26(A)参照)。合算保留記憶数カウンタの値が1である場合に続けてステップS300の処理を実行すると、同じタイマ割込処理で始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドと背景指定コマンドとが送信されてしまうからである。なお、図25(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。また、図26(A)に示された演出制御コマンドの送信タイミングの変形例として、タイマ割込にもとづく遊技制御処理(すなわち、2ms以内に)で第1始動入賞指定コマンド、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信する場合には、ステップS313の判断を行わない。
ステップS300〜S309の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数を確認する。第1保留記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、合算保留記憶のうちで次に変動を開始すべき記憶が第1保留記憶に対応したものか否か確認し、第1保留記憶に対応したものであれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、遊技状態指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、コマンド送信する制御を行うとは、具体的には、演出制御コマンド制御処理で実際にコマンドが送信されるように、コマンドの送信を要求するためのフラグ(この場合には、背景指定コマンド送信要求フラグ)をセットすることである。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。大当りとするか否か決定する。また、第1特別図柄の可変表示の変動パターン(変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、第1特別図柄の変動を開始し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド等)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
第1遊技状態決定処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類と、大当り遊技後の遊技状態を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では3)に更新する。
第1保留記憶数送信処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(この例では4)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされる第1変動時間タイマがタイムアウトすなわち第1変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305(この例では5)に応じた値(この例では5)に更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
第1大当り表示処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り表示時間タイマによって所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、演出表示装置9に、15R大当りの発生を報知するための表示を行う。なお、突然確変大当りの場合には、突然確変大当りの発生を報知するための演出を行う。
第1大入賞口開放前処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(この例では8)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグをセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図32は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS111)。第1保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS112)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS113)。また、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に「第1始動入賞」であることを示すデータをセットする(ステップS114)。
図33は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図33には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合が例示されている。図33に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。保留特定領域は、RAM55に形成されている。
さらに、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS115)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。なお、ステップ115では、ランダム1〜4,8(図17参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、第1始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS116)。
図34は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図33参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1始動入賞」であるか否か確認する(ステップS52)。「第1始動入賞」であれば、ステップS53以降の処理を行う。
ステップS53では、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、保留特定領域の内容を1つシフトする。図33に示された例では、左にシフトする(ステップS54)。ステップS52,S54の処理によって、第1始動入賞と第2始動入賞との中で、最も過去に発生した始動入賞について特別図柄の変動が開始されることになる。つまり、始動入賞順に特別図柄の変動が開始される。
次いで、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS55)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS56)、第1変動中フラグをセットする(ステップS57)。
さらに、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(ステップS58)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS59)。なお、ステップS58において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
なお、この実施の形態では、ステップS52の判断処理を行うことによって、第1始動入賞および第2始動入賞に関わらず始動入賞が生じた順に特別図柄の可変表示が開始されるが、第1始動入賞と第2始動入賞のいずれかの始動入賞を優先して可変表示を開始するようにしてもよい(いずれを優先してもよい)。例えば、ステップS52の判断処理をなくすと、第2特別図柄通常処理を含む第2特別図柄プロセス処理よりも先に第1特別図柄通常処理を含む第1特別図柄プロセス処理が実行されるので(図16参照)、第1保留記憶数と第2保留記憶数がともに0でない場合に、第1保留記憶数が0になるまで、第1保留記憶数にもとづく第1特別図柄の可変表示が優先して実行される。
図35は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、ステップS63では、CPU56は、具体的には、大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいてはずれ図柄(例えば、偶数図柄のいずれか)を決定する(ステップS65)。CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する(ステップS66)。そして、ステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS72)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて大当り図柄(例えば、奇数図柄のいずれか)を決定する(ステップS73)。CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する(ステップS74)。そして、ステップS75に移行する。
ステップS75では、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す。そして、変動パターンを決定する。そのときに、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(例えば、3以上)であれば(ステップS76)、短縮変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS77)。短縮変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#5〜#8を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、短縮変動パターンテーブルから変動パターン#5を選択しない。
なお、ステップS76の判断において、例えば3以上か否か判断するのは、ステップS56の処理で既に合算保留記憶数カウンタの値が−1されているからである。つまり、合算保留記憶数カウンタの値が4(第1保留記憶数および第2保留記憶数の上限数はそれぞれ4である場合。つまり合算保留記憶数カウンタの上限値が8である場合。)以上であるときに開始される可変表示について短縮変動パターンテーブルを使用したいからである。合算保留記憶数カウンタの値が4(上限値は8である場合)以上であるときに短縮変動パターンテーブルを使用したい理由は以下のようである。つまり、第1保留記憶数が4(上限数)である場合に第1特別図柄の変動時間を短縮し、かつ、第2保留記憶数が4(上限数)である場合に第2特別図柄の変動時間を短縮するようにした場合に、例えば、第1保留記憶数が2であり、第2保留記憶数が3であるときには、変動時間は短縮されない。しかし、合算保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数は5になっている。そのときに、変動時間は短縮されないので、不審感を抱く遊技者が出る可能性がある。そこで、この実施の形態では、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるときに開始される特別図柄の変動については、変動時間を短縮する。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であれば(ステップS76)、非短縮変動パターンテーブルから変動パターンを選択する。非短縮変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#1〜#4を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、非短縮変動パターンテーブルから変動パターン#1を選択しない。CPU56は、決定した変動パターンを示すデータをRAM55における変動パターン記憶領域に記憶する(ステップS79)。そして、変動パターンコマンド送信要求フラグをセットする(ステップS80)。
なお、大当りとすることに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(大当り時短縮変動パターンテーブルおよび大当り時非短縮変動パターンテーブル)と、大当りとしないことに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(はずれ時短縮変動パターンテーブルおよびはずれ時非短縮変動パターンテーブル)とを別にして、CPU56は、大当りとすることに決定しているか否かによって、異なるテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、CPU56は、第1特別図柄の変動を開始する(ステップS81)。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値を設定する(ステップS82)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1遊技状態決定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS83)。
図36は、第1特別図柄プロセス処理における第1遊技状態決定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1遊技状態決定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ指定の演出図柄指定コマンド(図24に示す演出図柄1指定コマンド)を示すデータを演出図柄種類格納領域に格納し(ステップS106)、ステップS107に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には、乱数バッファ領域から遊技状態決定用乱数(ランダム8)を読み出し(ステップS102)、ランダム8の値にもとづいて、大当りの種類(突然確変またはそうではない大当り)と大当り遊技後の遊技状態とを決定する(ステップS103)。そして、突然確変にするか否かと大当り遊技後の遊技状態とに応じた演出図柄指定コマンドを決定し(ステップS104)、決定した演出図柄指定コマンドを示すデータを演出図柄種類格納領域に格納し(ステップS105)、ステップS107に移行する。
なお、この実施の形態では、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値にもとづいて停止図柄とする大当り図柄を決定し(図35のステップS72,S73参照)、その後、ステップS103で遊技状態決定用乱数(ランダム8)に値にもとづいて大当りの種類や遊技状態を決定するが、1つの乱数を用いて、大当りの種類や遊技状態と大当り図柄とを決定するようにしてもよい。
図37は、突然確変にするか否かおよび大当り遊技後の遊技状態と、演出図柄指定コマンドとの対応を示す説明図である。CPU56は、そのときの遊技状態(図37の最左欄に対応)に応じて、また、ランダム8の値に応じて、「ランダム8に基づく判定結果」として記載されているように、大当りの種類と大当り遊技後の遊技状態とを決定し、図37に示されているような決定結果に対応する演出図柄指定コマンドを決定する。
なお、図37において、「大当り遊技終了後の背景」として記載されていることは、演出図柄指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100が、制御する背景モードを示す。また。(*)が付されている背景モードについては、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9における背景をそのように制御するが、実は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御では、遊技状態は、高確率・高ベースモードであることを示す。つまり、実際の遊技状態と、遊技者に把握させたい遊技状態が異なっている。このような制御は、遊技のバリエーションを増やすために行われている。
また、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)である。遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である。それぞれの背景モードでは、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景が演出表示装置9に表示される。例えば、活躍モードでは、演出表示装置9における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。なお、このような区分けは一例であり、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景演出であれば、どのような背景演出を行ってもよい。さらに、各背景モードにおいて、異なるキャラクタを演出表示装置9に表示するようにしてもよい。また、復活モードであるときに、高確率状態であることを示唆するような演出を行ってもよい。例えば、図37において(*)が付されている背景モードにおいて、高確率状態であることを示唆する所定の予告キャラクタを演出表示装置9に表示する。
遊技状態が高確率高ベース状態であるときに、ランダム8に基づく判定結果が、15R大当り(大当り遊技後、高確率・高ベース状態)であったときと、15R大当り(大当り遊技後、低確率・高ベース状態)であったときとで、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出図柄指定コマンドを別にしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、高確率低ベース状態であるときと低確率低ベース状態であるときとで、演出(例えば、演出表示装置9における背景画面)を同じにしてもよい。例えば、大当り遊技後に潜伏モードに移行し、所定条件(可変表示毎に演出上の転落抽選(例えば、乱数を用いた抽選により背景モードを遊技者にとってより有利でないモードに移行させるか否かの抽選)を行う場合で転落することに決定したしたときに、所定の変動パターンコマンドを受信)が成立したときに、所定の確率で通常モードに移行する。演出制御用マイクロコンピュータ100は受信した演出図柄指定コマンドを記憶しているが、記憶している演出図柄指定コマンドが低確率状態を示しているときには、高確率状態を示している場合に比べて、高い割合で通常モードに移行する。
ステップS107では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1保留記憶数送信処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS108)。
図38は、第1特別図柄プロセス処理における第1保留記憶数送信処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1保留記憶数送信処理において、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS109)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS110)。
図39は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS304)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS123)。
図40は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(ステップS305)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、例えばステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄(表示結果)を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、図柄確定指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS132)。そして、第1変動中フラグをリセットする(ステップS133)。
さらに、大当りフラグがセットされていたら(ステップS134)、大当り開始指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS135)。ステップS135では、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、大当り開始2指定コマンド送信要求フラグをセットし、突然確変大当りとすることに決定されていない場合には、大当り開始1指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(15R大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS136)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS137)。なお、第1大当り表示処理では、CPU56は、第1大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
ここで、大当り遊技が開始される前(例えば、ステップS137の処理を実行する前)に、大当り遊技後の遊技状態を低ベース状態に制御する場合には高ベース状態フラグをリセットしたり、大当り遊技後の遊技状態を低確率状態に制御する場合には確変フラグをリセットするように制御してもよい。そのように制御すれば、高ベース状態および高確率状態において可変入賞球装置15の開放回数が増やされたり開放時間が延長される場合に、大当り遊技中に出玉率が極端に高くなってしまうことが防止される。なお、そのように制御する場合には、ステップS143,S144の処理(図41参照)で、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄6指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをセットする。また、大当り遊技後の遊技状態に関わりなく、大当り遊技が開始される前に、常に、高ベース状態フラグや確変フラグをリセットするように制御してもよい。
大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS134)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS138)。
図41は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS309)の処理を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当りフラグをリセットし(ステップS141)、大当り終了指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS142)。そして、変動開始時に、演出図柄4指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットする(ステップS143,S144、図24,図37参照)。なお、高ベース状態フラグがセットされていないときには、遊技状態は低ベース状態である。また、どの演出図柄指定コマンドを送信したのかは、演出図柄種類格納領域に格納されているデータで判別される。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄7指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをリセットする(ステップS145,S146)。
さらに、CPU56は、変動開始時に、演出図柄2指定コマンド、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄7指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグをセットする(ステップS147,S148)。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄3指定コマンドまたは演出図柄6指定コマンドを送信していたら、確変フラグをリセットする(ステップS149,S150)。なお、確変フラグがセットされていないときには、遊技状態は低確率状態である。
その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS151)。
なお、CPU56は、遊技状態が低確率・高ベース状態であるときには、表示結果がはずれとなる可変表示の開始時に所定のカウンタの値を+1し、そのカウンタのカウント値が所定値(例えば、100)になったら、高ベース状態フラグをリセットして、遊技状態を低確率・低ベース状態に移行させるようにしてもよい。そのように制御する場合には、高ベース終了・低確指定の演出図柄コマンド(図24では図示せず)が演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、次の可変表示開始時に、低ベース状態背景指定コマンドを送信してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が可変表示回数をカウントして独自に背景モードを切り替えてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図42は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。また、予告決定用乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する予告用乱数更新処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
図43は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図24参照)であるのか解析する。
図44〜図46は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが背景指定コマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その背景指定コマンドを、RAMに形成されている背景指定コマンド格納領域に格納する(ステップS617)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS618)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS619)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(ステップS622,S623)。また、第1図柄変動要求フラグをセットする(ステップS624)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、ステップS623の処理を実行せず、第1図柄変動要求フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS626)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(ステップS627,S628)。また、第2図柄変動要求フラグをセットする(ステップS629)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、ステップS628の処理を実行せず、第2図柄変動要求フラグをセットする(ステップS629)。
飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)は、第1飾り図柄の変動中および第2飾り図柄の変動中にセットされている。また、飾り図柄停止要求フラグは演出図柄および飾り図柄の変動停止を要求するためのフラグであり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述する演出制御プロセス処理において、飾り図柄停止要求フラグがセットされていたら演出図柄および飾り図柄の変動を停止させる制御を行う。
第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドは、特別図柄および飾り図柄の可変表示(変動)を開始するときに送信される演出制御コマンドである。また、この実施の形態では、可変表示が行われていないことを条件として新たな可変表示が開始される。従って、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄の可変表示は行われていないはずであり、飾り図柄変動中フラグはセットされていないはずである。第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときに飾り図柄変動中フラグがセットされているということは、前回の可変表示について、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において図柄確定指定コマンドが正常に受信されなかったために可変表示を終了させる制御が実行されていないことが考えられる。なお、他の要因によって可変表示を終了させる制御が実行されていないことも考えられる。何らかの要因によって可変表示を終了させる制御が実行されていない場合でも、ステップS622,S623およびステップS627,S628の処理によって、確実に可変表示を終了させることができる。また、基板間でのノイズ等に起因して図柄確定指定コマンドが演出制御手段に正しく伝達されなかったときには図柄の可変表示を終了させることができないため、そのときに保留記憶数が0でない場合には、保留記憶にもとづいて新たな可変表示を開始すべきであるにも関わらず可変表示が開始されないことになり、遊技者に不利益がもたらされる可能性があるが、この実施の形態では、そのような可能性を低減することができる。
受信した演出制御コマンドが演出図柄指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、その演出図柄指定コマンドを、RAMに形成されている演出図柄指定コマンド格納領域に格納する(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS638)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS639)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS640)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(ステップS654)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行い、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行う(ステップS655)。低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している)には、演出表示装置9における背景色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行い、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行う(ステップS656)。なお、高ベース状態モードの背景色は、例えば、低ベース状態モードの背景色に比べて目立つ色調(例えば、明るいとか原色が多い)である。また、客待ちデモンストレーション演出が実行されていないときには、上記のように、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)であり、遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)であるが、例えば、活躍モードでは、演出表示装置9における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。
また、演出表示装置9の表示状態はVDP109によって制御されるので、演出制御用CPU101が演出表示装置9の表示に関して「制御を行う」とは、具体的には、演出制御用CPU101が、VDP109に対して、演出表示装置9の表示状態をそのようにすることの指令を出力することである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に初期画面を表示する制御を行う(ステップS662)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS663)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS664)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS666)。受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドであれば(ステップS671)、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグをセットする(ステップS674)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS675)。
図47は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図47に示すように、所定時間(例えば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図47(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図47(B)参照)。
図48は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図48(A),(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数カウンタのカウント値に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。
図49は、図42に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(ステップS801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS802):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したら、特別図柄および飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、演出制御装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、演出制御装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):演出制御装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図50は、図49に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。
また、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(ステップS813)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行う(ステップS814)。また、低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している場合)には、演出表示装置9における背景の色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行う(ステップS815)。
そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS816)。
図51は、図49に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータにもとづいて、受信した変動パターンコマンドが、変動パターン#2,#3,#4,#6,#7,#8(リーチ演出を伴う変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(ステップS821)。変動パターン#2,#3,#4,#6,#7,#8のいずれかであれば、予告選択用乱数を抽出し(ステップS822)、抽出した予告選択用乱数にもとづいて予告演出を行うか否か決定する(ステップS823)。
予告演出を行うことに決定した場合には、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS824,S825)。第1図柄変動要求フラグは、第1図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされるフラグである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動を開始するときに第1図柄変動指定コマンドを送信する。また、第2特別図柄の変動を開始するときに第2図柄変動指定コマンドを送信する。
演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、予告演出Aまたは予告演出Bを実行することに決定し、所定の期間内に操作ボタン120が押下等の操作がなされたときに、予告演出Aを実行することに決定する。また、所定の期間内に操作ボタン120が押下等の操作がなされなかったときに、予告演出Bを実行することに決定する(ステップS825、S826A、S827A、S827B)。
また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(すなわち、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合)には、予告演出Cまたは予告演出Dを実行することに決定し、所定の期間内に操作ボタン120が押下等の操作がなされたときに、予告演出Cを実行することに決定する。また、所定の期間内に操作ボタン120が押下等の操作がなされなかったときに、予告演出Dを実行することに決定する(ステップS825、S826B、S827C、S827D)。
予告演出A、予告演出B、予告演出Cおよび予告演出Dの演出態様はそれぞれ異なる。例えば、予告演出を開始する時期が異なっていたり、予告演出において演出表示装置9に表示されるキャラクタが異なっていたり、第1の装飾部材85aまたは第2の装飾部材85bが登場する位置が異なっていたりする。演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合とで、予告演出の態様を異ならせる。つまり、演出制御用CPU101は、演出用部品としての演出表示装置9において、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄の可変表示を行う可変表示手段(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することになる。第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで予告演出態様が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握しやすくなる。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS828)。
図52は、図49に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS831)。次いで、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS832)。第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS833)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS834)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS835)。その後、ステップS841に移行する。
第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている場合に相当)には、第2図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS837)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS838)。そして、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS839)。その後、ステップS841に移行する。
ステップS841では、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した演出図柄指定コマンド)に応じて演出図柄および飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS841)。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納し、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド(図24参照)であれば、演出制御用CPU101は、表示結果をはずれを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、はずれを想起させるような表示結果とは、3つの図柄が揃った状態にならないような表示結果である。
受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド以外の演出図柄指定コマンド(図24参照)であれば、表示結果を大当りを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、大当りを想起させるような表示結果とは、3つの図柄が揃った状態である。演出図柄が0〜9の数字であるとすると、演出制御用CPU101は、0〜9のいずれで揃った状態にするのかを、例えば、乱数を用いた抽選によって決定する。
なお、この実施の形態では、変動パターンコマンドは変動パターンのみを指定する演出制御コマンドであるが、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドと、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果としないことを指定する変動パターンコマンドとを別にしてもよい。その場合、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できず、かつ、表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドを受信した場合には、演出図柄の表示結果を、低ベース状態を想起させるような表示結果にするように制御してもよい。
そして、演出制御用CPU101は、所定の期間内に操作ボタン120に押下等の操作がなされたか否かにもとづいて、変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS842A、S842B、S842C)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS843)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、可動部材制御データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS844)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各モータ(モータ78a,78b)および各ソレノイド(ソレノイド78c,78d,78f,78h)を駆動したり、可動部材ランプ78e,78gを点灯または消灯させる。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS845)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS846)。
以上のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのコマンドにもとづいて、演出用部品(演出表示装置9、第1飾り図柄表示器9a、第2飾り図柄表示器9b等)で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段(第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することができる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄の可変表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の可変表示を開始させるとともに、第1飾り図柄表示器9aで第1飾り図柄の可変表示を開始させる。また、第2特別図柄の可変表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の可変表示を開始させるとともに、第2飾り図柄表示器9bで第2飾り図柄の可変表示を開始させる。よって、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握しやすくなる。
図53は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、可動部材制御データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。可動部材制御データには、各モータ(モータ78a,78b)および各ソレノイド(ソレノイド78c,78d,78f,78h)の動作に関わるデータが設定されている。具体的には、モータ78a,78bの回転方向、回転速度、回転時間等のデータや、ソレノイド78c,78d,78f,78hの各可動鉄心の移動方向、移動速度、移動時間等のデータがそれぞれ設定されている。例えば、図9に示すように、透明板81を時計回りの方向に回転させるためのプロセステーブルにおける可動部材制御データには、モータ78a,78bを、時計回り方向に、所定の速度で、所定の時間駆動するデータが含まれている。また、例えば、図7に示すように、透明板81を右方向に移動させるためのプロセステーブルにおける可動部材制御データには、ソレノイド78dの可動鉄心を、押し出す方向に、所定の速度で所定の時間移動させるデータが含まれている。また、例えば、図12(b)に示すように、第2の装飾部材85bである「龍」形状のうち口の部分を、上方を向いている位置から、演出表示装置9に表示された識別情報に対応する位置に移動させるためのプロセステーブルにおける可動部材制御データには、ソレノイド78fの可動鉄心を「龍」形状のうちの口の部分に近づく方向に移動させるデータが含まれている。なお、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく演出表示装置9の制御に同期して、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。すなわち、各種ランプおよびスピーカ27は、演出表示装置9の制御に同期して制御される。
図53に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。すなわち、この実施の形態では、予告演出の演出態様は、選択されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにもとづいて実現される。つまり、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するときに、予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルの内容に従って演出制御を行う。
図54は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851A)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、ステップS858に移行する。
この実施の形態では、飾り図柄停止要求フラグは、飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされる(図44のステップS622,S623,S627,S628参照)。飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したということは、本来演出図柄および飾り図柄の変動を終了して表示結果を導出表示すべきであったのに何らかの要因(例えば、主基板31と演出制御基板80との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定コマンドを受信できなかった。)で演出図柄および飾り図柄の変動が継続してしまっていることを意味する。
そこで、飾り図柄停止要求フラグがセットされた場合には、直ちに演出図柄および飾り図柄の変動を停止させるために、ステップS858に移行する(ステップS851AのN)。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851B)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852)。プロセスタイマがタイムアップしたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS853,S854)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、可動部材制御データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS855A,S855B,S855C,S855D)。具体的には、ステップS855Bでは、例えば、モータ78a,78bを、時計回り方向に、所定の速度で、所定の時間駆動するデータを含む可動部材制御データにもとづいて、図9に示すように、透明板81を時計回りの方向に回転させる。また、例えば、ソレノイド78dの可動鉄心を、押し出す方向に、所定の速度で所定の時間移動させるデータを含む可動部材制御データにもとづいて、図7に示すように、透明板81を右方向に移動させる。また、例えば、ソレノイド78fの可動鉄心を「龍」形状のうちの口の部分に近づく方向に移動させるデータを含む可動部材制御データにもとづいて、図12(b)に示すように、第2の装飾部材85bである「龍」形状のうち口の部分を、上方を向いている位置から、演出表示装置9に表示された識別情報に対応する位置に移動させる。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、ステップS858に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄および飾り図柄の変動を終了させることができる。
図55は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS860)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、飾り図柄停止要求フラグをリセットして(ステップS861)、ステップS864に移行する。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS862)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS863)、ステップS864に移行する。
なお、ステップS862の判定処理で確定コマンド受信フラグがセットされていないと確認される場合は、演出制御用CPU101が計時した変動時間が経過したが図柄確定指定コマンドを受信していない場合であって図柄確定指定コマンドを受信するまで演出図柄の変動は継続するが、そのような場合に、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動態様を、揺れ変動(各演出図柄を上下や左右に細かく変動するような態様)にしたり、演出図柄を拡大表示と縮小表示の繰り返しにしたりすることによって、変動時間は経過したがまだ完全に停止していないことを認識可能に表示することが好ましい。
ステップS864では、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(ステップS865)。そして、大当りとする場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新し(ステップS866,867)。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS868)。
以上の制御よって、演出制御用CPU101は、図柄確定コマンドが受信されていないと認識している状態で、飾り図柄停止要求フラグがセットされたら、図柄確定コマンドの受信/非受信に関わらず、演出図柄の可変表示(変動)を終了させ、飾り図柄変動終了フラグをセットする。後述するように、飾り図柄変動終了フラグがセットされた場合には、飾り図柄の可変表示(変動)は強制的に終了される。
図56は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示すファンファーレフラグがセットされているか否か確認する(ステップS870)。ファンファーレフラグがセットされていた場合には、ファンファーレフラグをリセットし(ステップS871)、演出表示装置9に大当り遊技開始画面を表示する制御を行う(ステップS872)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS873)。
なお、突然確変大当りにすることに決定されている場合には遊技制御用マイクロコンピュータ560は大当り開始2指定コマンドを送信するが、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信した場合には、突然確変大当りであることを報知する突然確変用画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。
図57は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS875)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS876)、演出表示装置9に大当り終了画面を表示する制御を行う(ステップS877)。
そして、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータに従って、演出表示装置9の背景画面を切り替える制御を行う(ステップS878)。背景モードは、通常モード、高確低ベースモード(潜伏モード)、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である(図37参照)。演出制御用CPU101は、受信している演出図柄指定コマンド格納領域に保存されているデータにもとづいて、いずれの背景モードにするのかを決定する。例えば、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄4指定コマンド(図24参照)が格納されている場合には、高確高ベースモード(活躍モード)にする。なお、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄指定コマンドが格納されていないとき(演出図柄指定コマンドが1回も送信されていないとき)には、背景モードは通常モードにされている。また、切替前の背景モードと切替後の背景モードとが同じである場合には、切替前の背景モードが維持されることになる。
なお、この実施の形態では、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できなかった場合には、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータ(前回の変動開始時に受信した演出表示指定コマンド)に従って、演出表示装置9の背景画面の制御が行われる。しかし、変動パターンコマンドを受信したときに、演出表示指定コマンド格納領域の内容を初期化する(演出図柄指定コマンドが格納されていない状態にする。)ように制御してもよい。そのように制御する場合には、演出図柄指定コマンドを受信できなかった場合には、背景モードは例えば通常モードになり、前回の変動開始時に受信した演出表示指定コマンドにもとづく背景モードによる画面表示がなされることを防止できる。また、演出図柄指定コマンドを受信できなかった場合に、前回の変動開始時に受信した演出表示指定コマンドによって大当りが特定され、今回の演出表示指定コマンドが受信できたときにはその演出表示指定コマンドによってはずれが特定される(すなわち、今回の演出表示指定コマンドははずれを示すコマンドであった。)場合に、大当りを想起させるような演出図柄の表示結果が誤って表示されることが防止される。
また、図57に例示する制御では、大当り終了画面は短時間しか表示されないことになるが、実際には、所定期間、大当り終了処理を実行する状態に維持される。その間、大当り終了画面の表示は継続される。
図58は、演出制御メイン処理における第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、ステップS885に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS882)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS883)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(ステップS884)。
ステップS885では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグは、ステップS865(図55参照)でセットされている。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(ステップS886)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータに従って第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(ステップS891)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(ステップS892)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(ステップS887)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(ステップS888)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切り替え(ステップS889)、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を再設定する(ステップS890)。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDが例えば0.5秒ごとに切り替えられ、第1飾り図柄の可変表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
図59は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(ステップS901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、ステップS911に移行する。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。そこで、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS902)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(ステップS903)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(ステップS904)。また、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(ステップS905)。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合(第2始動入賞フラグがセットされていることになる)には、第2始動入賞フラグをリセットし(ステップS905)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(ステップS907)。また、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(ステップS908)。
ステップS911では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS912)、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸印を消去し、各丸印を、消去された丸印の側にシフトして表示するように制御する(ステップS913)。そして、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS914)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(ステップS915)。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印が1減る。
なお、図26(C)に例示されているように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給復旧時にも、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は合算保留記憶数を認識できるが、内訳(合算保留記憶数のうち第1保留記憶数が幾つであるのか)を認識できない。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとを受信した場合には、合算保留記憶数指定コマンドで指定される数の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するがその色を赤色および緑色以外の色にしたり、丸印でない態様で表示したりする。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、主基板31と演出制御基板80との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定コマンドを受信できなかったこと等に起因して演出図柄および飾り図柄の可変表示が継続してしまった場合に、次回の可変表示の開始時に送信される第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させるようにした。しかし、他の演出制御コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させるようにしてもよい。
第1の実施の形態では、主基板31と演出制御基板80との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定コマンドを受信できなかったこと等に起因して演出図柄および飾り図柄の可変表示が継続してしまった場合に、次回の可変表示の開始時に送信される第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させるようにした。しかし、他の演出制御コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させるようにしてもよい。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させる。背景指定コマンドも、次回の可変表示の開始時に送信される演出制御コマンドである(図25(C)参照)。
図60は、この実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理の一部を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、背景指定コマンドを受信したときに(ステップS614)、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(ステップS615,S616)。また、第1の実施の形態の場合とは異なり、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき(ステップS621)、および第2図柄変動指定コマンドを受信したとき(ステップS626)には、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行わない。
その他の演出制御用マイクロコンピュータ100の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。
なお、この実施の形態では、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき、および第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行わなかったが、それらの場合にも、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行うようにしてもよい。制御の仕方は、第1の実施の形態の場合と同様である。
実施の形態3.
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、客待ちデモ指定コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドを送信する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、客待ちデモ指定コマンドの受信に応じて、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドを送信する。
図61〜図63は、この実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンドを受信したときに(ステップS651)、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(ステップS652,S653)。また、大当り開始1指定コマンドを受信したときに(ステップS671)、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(ステップS672,S673)。なお、大当り開始2指定コマンドを受信したときにも、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットすることが好ましい。また、第1の実施の形態の場合とは異なり、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき(ステップS621)、および第2図柄変動指定コマンドを受信したとき(ステップS626)には、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行わない。
その他の演出制御用マイクロコンピュータ100の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。
なお、この実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信した場合、および大当り開始1指定コマンドを受信した場合に、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行うようにしたが、いずれか一方の場合にのみ、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行うようにしてもよい。
また、図61〜図63には、第1図柄変動指定コマンドを受信したとき、および第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行なわない制御が例示されているが、それらの場合にも、飾り図柄停止要求フラグをセットする制御を行うようにしてもよい。制御の仕方は、第1の実施の形態の場合と同様である。
また、第2の実施の形態の場合と同様に、背景指定コマンドを受信したときにも、演出図柄および飾り図柄の可変表示を終了させるようにしてもよい。制御の仕方は、第2の実施の形態の場合と同様である。
実施の形態4.
上記の各実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンの選択制御を実行していなかった。例えば、変動パターン#2を示す変動パターンコマンドを受信したら、あらかじめ決められている変動パターン#2の変動態様で、演出図柄の変動制御を行っていた。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、変動パターンコマンドを受信した場合に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
上記の各実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンの選択制御を実行していなかった。例えば、変動パターン#2を示す変動パターンコマンドを受信したら、あらかじめ決められている変動パターン#2の変動態様で、演出図柄の変動制御を行っていた。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、変動パターンコマンドを受信した場合に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図64は、演出制御用マイクロコンピュータ100が複数種類の変動パターンから使用する変動パターンを選択するように構成されている場合の制御例を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄変動開始処理において、第1図柄変動要求フラグがセットされているか第2図柄変動要求フラグがセットされているかによって(第1図柄変動指定コマンドを受信したか第2図柄変動指定コマンドを受信したかによって)、変動態様を別にする。第1特別図柄の可変表示が行われているときと第2特別図柄の可変表示が行われているときとで演出図柄の変動態様(可変表示態様)が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)をより把握しやすくなる。
図65には、一例として、変動パターン#2の変動態様が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン#2を示す変動パターンコマンドを受信した場合に、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときには図65(A)に例示するような変動態様に変動パターンを使用し、第2図柄変動指定コマンドを受信しているときには図65(B)に例示するような変動態様に変動パターンを使用する。なお、図65には、変動パターン#2の変動態様が例示されているが、他の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合にも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動態様を別にする。
図64に示すように、演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、図65(A)に例示するような第1特別図柄対応変動パターンを使用することに決定する(ステップS833A)。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている)には、図65(B)に例示するような第2特別図柄対応変動パターンを使用することに決定する(ステップS837A)。その他の制御は、上記の各実施の形態の場合と同様である。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、演出用部品としての演出表示装置9において、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄の可変表示を行う可変表示手段(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)に対応した演出(この例では、演出図柄の変動による異演出)を開始することになる。
なお、この実施の形態では、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときと第2図柄変動指定コマンドを受信しているときとで、同じ変動パターンを受信しても変動態様を変えたが、変動時間は同じである。しかし、変動時間を変えるようにしてもよい。例えば、変動パターン#2の変動パターンコマンドを受信した場合に、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときには変動時間を10秒にし、第2図柄変動指定コマンドを受信しているときには変動時間を15秒にする。このような制御を行ってもよいことは、他の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合でも同様である。このように、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄変動指定コマンドと変動パターンコマンドとにもとづいて変動時間を特定する場合には、図柄変動指定コマンドと変動パターンコマンドとが、可変表示時間を特定可能な可変表示パターンコマンドに相当する。なお、このように構成する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、同じ変動パターンコマンドを送信しても、第1特別図柄の可変表示時間と第2特別図柄の可変表示時間を異ならせている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ変動パターンに関して異なる可変表示時間(変動時間)が定められている場合に、このような制御は有効である。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、基本的な変動時間を示す変動パターンコマンドと、例えば、何コマずれたリーチはずれ(表示結果ははずれであるが、リーチ演出を伴うこと)であるのかを示す情報を含めた表示結果指定コマンド(例えば、突然確変大当り、確変大当り、非確変大当り、はずれを特定可能な演出制御コマンドであり、演出図柄指定コマンドに類する演出制御コマンド)とを送信するように構成されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで特定される基本的な変動時間に、ずれ数に応じた時間を加算または減算して、変動時間を特定するようにしてもよい。その場合には、表示結果指定コマンドと変動パターンコマンドとが、可変表示時間を特定可能な可変表示パターンコマンドに相当する。
また、ここでは、受信した図柄変動指定コマンドに応じて変動パターンを選択するようにしたが、受信した図柄変動指定コマンドに関係なく、変動パターンコマンドを受信した場合に、常に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図14に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における開始コマンド送信手段からのコマンドにもとづいて、演出用部品としての演出表示装置9で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの可変表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの可変表示手段における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握させやすくすることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における開始コマンド送信手段からのコマンドにもとづいて、演出用部品としての演出表示装置9で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段に対応した変動態様による可変表示演出を実行するように構成されているので、2つの可変表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの可変表示手段における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
なお、上記の各実施の形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。例えば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
なお、上記の各実施の形態では、図2に示すように、円板形状の透明板81が用いられているが、四角形の透明板が用いられてもよい。図66は、四角形の透明板が用いられたパチンコ遊技機1の分解斜視図である。図66に示すように、四角形状の透明板81aの上部には、透明板81aを左右方向に移動させるための歯車部材79bと、当該歯車部材79bを回転させるモータ78bとが設置されている。そして、歯車部材79bの歯に、透明板81aに接続された平板状の板に設けられた歯が組み合わされている。そして、図66に示す例では、歯車部材79bが時計回りの方向に回転した場合に透明板81aが左方に移動し、歯車部材79bが反時計回りの方向に回転した場合に透明板81aが右方に移動する。そして、透明板81aにおける左右の端部の近傍にそれぞれ第1の装飾部材85aおよび第2の装飾部材85bを設置する。
したがって、モータ78bを、歯車部材79bが反時計回りの方向に回転するように駆動した場合に、透明板81aが右方に移動して第1の装飾部材85aが遊技者が視認可能な領域に左側から登場する。また、モータ78bを、歯車部材79bが時計回りの方向に回転するように駆動した場合に、透明板81aが左方に移動して第2の装飾部材85bが遊技者が視認可能な領域に右側から登場する。
図66に示す構成を用いた場合には、図2に示す構成よりも簡易な構成で、遊技者が視認可能な領域に各装飾部材を登場させることができる。
なお、上記の各実施の形態では、各可動部材を演出図柄変動中処理におけるステップS855Bの処理で駆動させているが、他のタイミングで各可動部材を駆動させてもよい。具体的には、例えば、演出表示装置9に非確変大当りであることを示す停止図柄を導出表示させた後に、第2の装飾部材85bである「龍」形状のうち口の部分を、上方を向いている位置から、演出表示装置9に表示された識別情報に対応する位置に移動させ、当該識別情報に代えてまたは重畳して炎状のものを表示させてから、確変大当りであることを示す停止図柄を導出表示させてもよい。そのように構成された場合には、非確変大当りから確変大当りへの昇格演出を可動部材を用いて行うことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、例えば、演出表示装置9に非確変大当りであることを示す停止図柄を導出表示させた後の大当り遊技状態において、ラウンド中またはラウンド間(一のラウンドが終了してから、他のラウンドが開始するまでの間)に、図7に例示するように、透明板81を右方向に移動させて第2の装飾部材85bを登場させ、図12(b)に例示するように、第2の装飾部材85bである「龍」形状のうち口の部分を移動させる。そして、演出表示装置9における当該口の部分に対応する位置に、炎状のものと当該炎によって溶ける氷とを表示させてから、確変大当りに昇格したことを示す文字(例えば「確変」)を表示させて、確変大当りとしてもよい。そのように構成された場合には、非確変大当りから確変大当りへのラウンド中昇格演出を可動部材を用いて行うことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
本発明は、画像表示装置と可動部材とを備え、画像表示装置に演出のための静止画と動画とを表示可能であり、画像表示装置の演出表示と可動部材とが共動して演出を行う遊技機に好適に適用される。
1 パチンコ遊技機
8a 第1特別図柄表示器
8b 第2特別図柄表示器
9 演出表示装置
9a 第1飾り図柄表示器
9b 第2飾り図柄表示器
13 第1始動入賞口
14 第2始動入賞口
18c 合算保留記憶表示部18c
31 遊技制御基板(主基板)
56 CPU
560 遊技制御用マイクロコンピュータ
80 演出制御基板
81 透明板
100 演出制御用マイクロコンピュータ
101 演出制御用CPU
8a 第1特別図柄表示器
8b 第2特別図柄表示器
9 演出表示装置
9a 第1飾り図柄表示器
9b 第2飾り図柄表示器
13 第1始動入賞口
14 第2始動入賞口
18c 合算保留記憶表示部18c
31 遊技制御基板(主基板)
56 CPU
560 遊技制御用マイクロコンピュータ
80 演出制御基板
81 透明板
100 演出制御用マイクロコンピュータ
101 演出制御用CPU
Claims (7)
- 遊技者が遊技球を遊技領域に発射することにより所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、
遊技の進行にあわせて所定の演出を実行し、遊技者が視認可能な表示領域を有する画像表示装置と、
透明性を有し、前記画像表示装置の前面側に前記表示領域のほぼ全体を覆うように設けられた可動可能な透明板と、
前記透明板に取り付けられた装飾部材と、
前記透明板を可動させることにより、前記装飾部材を前記画像表示装置の前面に沿って可動させる制御を行う透明板制御手段とを備え、
前記透明板制御手段は、前記装飾部材が前記表示領域に重ならない位置である第1状態から、前記表示領域に重なる前方の位置である第2状態になるように前記透明板を可動させる制御を行う
ことを特徴とする遊技機。 - 装飾部材は、遊技領域を備える遊技盤よりも後方に配置されており、第1状態において、遊技者から視認不可能である
請求項1記載の遊技機。 - 第1状態は、装飾部材が第1の位置で停止している第1配置状態と、前記装飾部材が前記第1の位置と異なる位置である第2の位置で停止している第2配置状態とを有し、
透明板制御手段は、前記装飾部材が第1状態を維持したまま、前記第1配置状態から前記第2配置状態になるように透明板を可動させる制御を行う
請求項1または請求項2記載の遊技機。 - 装飾部材には、
透明電極と、前記透明電極を介して電力を供給されて点灯する発光手段とが設けられている
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の遊技機。 - 遊技者によって操作される操作手段を備え、
透明板制御手段は、前記操作手段になされた操作にもとづいて、透明板を可動させて装飾部材を画像表示装置の前面に沿って可動させる制御を行う
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載の遊技機。 - 装飾部材は遊技演出動作を行う可動部材で構成されている
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載の遊技機。 - 装飾部材は、可動部材に遊技演出動作を行わせるために、前記可動部材に電力を供給する電源部を備え、
前記電源部は蓄電機能を有する
請求項6記載の遊技機。
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JP2007167993A JP2009005768A (ja) | 2007-06-26 | 2007-06-26 | 遊技機 |
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JP (1) | JP2009005768A (ja) |
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JP2009045162A (ja) * | 2007-08-17 | 2009-03-05 | Sun Corp | 遊技機 |
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-
2007
- 2007-06-26 JP JP2007167993A patent/JP2009005768A/ja not_active Withdrawn
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