JP2009039253A - 集塵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水を供給して塵埃を捕集する集塵装置において、サブミクロンサイズの微細塵を捕集することができ、かつ、ユーザへの負担を増大させることなく、供給される水の後処理を容易に行うことが可能な集塵装置を提供する。
【解決手段】電気掃除機100は、本体部5と、塵埃を含む空気を本体部5の外から内部に流入させるための流通路と、流通路に接続するように本体部5内に配置され、流通路に吸気を発生させるブラシモータ部530と、流通路に配置され、ブラシモータ部530によって発生した吸気から塵埃を分離して捕集するサイクロン集塵部550と、水を霧状にして、サイクロン集塵部550が配置される位置よりも上流側の流通路に、平均粒子径が50μm以下の水粒子を供給する水分供給部560とを備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、一般的には集塵装置に関し、特定的には、たとえば、湿式電気掃除機に応用されるように、水を供給して塵埃を捕集する集塵装置に関するものである。
従来から、電気掃除機は乾式電気掃除機と湿式電気掃除機とに分類され、サイクロン式電気掃除機では、乾式サイクロン電気掃除機と湿式サイクロン電気掃除機とがある。
サイクロン式電気掃除機においては、塵埃を含む吸気を円筒形のサイクロン集塵室の円周接線方向に送り込み、その遠心力によって気体である空気と固体である塵埃とを分離し、吸気中から塵埃を除去する。
たとえば、特許第3158044号公報(特許文献1)に記載の湿式サイクロン電気掃除機は、超音波振動手段によって水を霧化する霧化部を備えており、霧化部で霧化された霧化水を吸引用モータの吸引力によってサイクロン集塵室の吸気管側に導入するように構成されている。このように構成されているので、霧化水をサイクロン集塵室内上方より螺旋状に降下するように供給して、塵埃を含む空気と霧化水とが混じり合い、塵埃に霧化水が吸着し、塵埃の凝集性を高め、微細塵を効率よく捕集することができる、と上記の公報には記載されている。
特許第3158044号公報
近年、アスベストなどに挙げられるサブミクロンサイズの微細塵に対する関心が高まっており、微細塵を捕集することが要望されている。このような背景により、電気掃除機によってサブミクロンサイズの微細な塵埃を捕集することが期待されている。
従来の湿式サイクロン電気掃除機では、サブミクロンサイズの粒子を主にHEPAフィルタ(High Efficiency Particle Air Filter)で捕集している。HEPAフィルタ等の別のフィルタを用いてサブミクロンサイズの微細塵を捕集するためには、フィルタの目を細かくしなければならない。しかし、フィルタの目を細かくすれば、吸気において圧力損失が増加することに伴って電力消費量が増加し、またHEPAフィルタの掃除などのユーザに対するメンテナンスの負担が増加するとともに、電気掃除機本来の吸引力の効率が悪くなるという問題がある。
また、従来の湿式サイクロン電気掃除機では、超音波振動手段によって水を霧化する。超音波振動手段による水の霧化では、霧化された水の粒子径が5μm〜70μmの範囲でばらつくので、現在求められているレベルのサブミクロンサイズの微細な塵埃を凝集して捕集することが困難である。
さらに、従来の湿式サイクロン電気掃除機における超音波振動手段を用いた水の霧化では、霧化された水の粒子径が5μm〜70μmの範囲でばらつくので、相対的に大きな粒子径の水粒子が、サイクロン集塵室の内壁に吸着し、サイクロン集塵室内に水分が残留する。このため、サイクロン集塵室内で菌の繁殖やカビの発生、異臭が発生するなどの問題がある。この問題に対処するために、ユーザは掃除後にサイクロン集塵室内に残留した水分を取り除かなければならない。また、ユーザにとっては外部からではサイクロン集塵室内に水が残留しているか、塵埃がまだ湿っているかがわからないので、掃除を行うタイミングがわかりづらい。このため、菌の繁殖やカビの発生、異臭が発生してしまうこと、必要以上にサイクロン集塵室を掃除することによるユーザーへの負担の増加、メンテナンス時間の増加という問題がある。
この問題を解決するために、電子加熱等の加熱方法を用いて乾燥させるという対策が考えられる。
しかしながら、この対策では、電子加熱等の加熱手段を用いるため、電力消費量が増加し、電気代の増加などのユーザへの負担、ひいては地球環境の悪化にもつながる。
また、従来の電気掃除機は、吸引用送風機によって吸引された塵埃を含む空気は、モータを冷却するために、モータの回転部とブラシ部を通過し、熱を掃除機本体の外部へ排出するように構成されている。このため、上述のように電子加熱等で加熱を行う場合、加熱された気流がモータ部分を通過するため、モータの十分な冷却が行われず、モータ性能の低下によって吸い込み仕事率が低下し、これに伴って掃除効率が低下し、電気代の増加などのユーザへの負担、さらにモータ寿命の短縮を引き起こす等の問題がある。
なお、従来の湿式サイクロン電気掃除機では、水分を供給するために水分供給部としての給水タンクに常に貯水しておかなければならない。このため、掃除後に給水タンク内の水を使い切っていない場合、余った水は菌の繁殖やカビの発生、異臭の発生を引き起こしてしまう。これにより、掃除をするたびに給水タンクに水を入れ、掃除後に水を捨てるという手間がかかり、ユーザへの負担が大きくなる。また、必要以上の水を給水タンクに貯水した状態で掃除を行うため、電気掃除機本体の重量は重くなり、掃除を行う際に、取り回しがしづらくなるなどの操作性の悪化により、ユーザへの負担が大きくなる。さらに、掃除に使用しなかった水は無駄になり、水道代の増加、ひいては地球環境の悪化にもつながるという問題がある。
そこで、この発明の目的は、水を供給して塵埃を捕集する集塵装置において、サブミクロンサイズの微細塵を捕集することができ、かつ、ユーザへの負担を増大させることなく、供給される水の後処理を容易に行うことが可能な集塵装置を提供することである。
この発明に従った集塵装置は、本体と、塵埃を含む空気を本体の外から内部に流入させるための流通路と、この流通路に接続するように本体内に配置され、流通路に吸気を発生させる送風機と、流通路に配置され、送風機によって発生した吸気から塵埃を分離して捕集する集塵部と、水を霧状にして、集塵部が配置される位置よりも上流側の流通路に、平均粒子径が50μm以下の水粒子を供給する水粒子供給部とを備える。
このように、集塵部が配置される位置よりも上流側の流通路に、平均粒子径が50μm以下の水粒子を供給することにより、少なくとも外径が0.5μm以上1.0μm以下の微粒子からなる塵を捕集することができる。また、供給される水は平均粒子径が50μm以下の水粒子からなるので、運転中に供給された水は蒸発または乾燥によって除去されやすいので、水の後処理を容易に行うことができる。
この発明の集塵装置においては、水粒子供給部は、平均粒子径が10μm以下の水粒子を供給することが好ましい。
このように、集塵部が配置される位置よりも上流側の流通路に、平均粒子径が10μm以下の水粒子を供給することにより、少なくとも外径が0.5μm以上1.0μm以下の微粒子からなる塵だけでなく、外径が0.5μm以下の微粒子からなる塵も捕集することができる。また、供給される水は平均粒子径が10μm以下の水粒子からなるので、運転中に供給された水は蒸発または乾燥によって除去されやすいので、水の後処理をより容易に行うことができる。
また、この発明の集塵装置において、水粒子供給部は、平均粒子径が10μm以下で、かつ、最大粒子径が50μm以下の水粒子を供給することが好ましい。
このように、集塵部が配置される位置よりも上流側の流通路に、平均粒子径が10μm以下で、かつ、最大粒子径が50μm以下の水粒子を供給することにより、塵埃が通過する流通路や集塵部の内壁等の経路内を濡らすことがないので、塵埃のみに効率よく水粒子を付加することができる。このため、微細塵の凝集効果を高めることができ、サブミクロンサイズの微粒子からなる塵の捕集効率をさらに高めることができる。
この発明の集塵装置は、集塵部に配置され、塵埃の量を検知する塵埃量検知部をさらに備え、塵埃量検知部は、検知された塵埃の量に基づいて、水粒子供給部が供給する水の量を決定することが好ましい。
このように、塵埃量検知部が、検知された塵埃の量に基づいて、水粒子供給部が供給する水の量を決定することによって、塵埃の量に応じて水粒子供給部が供給する水の量を最適化することができるので、必要以上の水を水粒子供給部に貯水する必要がない。これにより、塵埃から水を蒸発または乾燥によってより短い期間で除去することができるので、水の後処理をより容易に行うことができる。また、貯水によって集塵装置本体の重量は重くなることがなく、たとえば、本発明の集塵装置を電気掃除機に適用した場合、掃除を行う際に、取り回しがしづらくなるなどの操作性が悪化することがないので、ユーザへの負担が少なくなる。また、水粒子供給部に不要な水が余ることがないので、水を無駄にすることがなく、水道代の増加によるユーザへの経済的負担が少なくなり、ひいては地球環境の悪化を防ぐことができる。
また、この発明の集塵装置は、集塵部が配置される位置よりも上流側の流通路に配置され、塵埃の量を検知する塵埃量検知部をさらに備え、塵埃量検知部は、検知された塵埃の量に基づいて、水粒子供給部が供給する水の量を決定することが好ましい。
このように構成することにより、塵埃量検知部を集塵部に配置する場合と同様の上述した作用効果を達成することができるだけでなく、たとえば、集塵部がサイクロン集塵室で構成され、塵埃量検知部を集塵部に配置する場合に比べて、複雑に流れていない気流中に含まれる塵埃を検出することができるので、塵埃推定量の精度の低下、誤差の拡大を防ぐことができる。
この発明の集塵装置は、集塵部が配置される位置よりも下流側に配置され、気流に含まれる水分の量を検出することにより乾燥状態を検知する乾燥状態検知部をさらに備え、水粒子供給部が水粒子を供給した後、乾燥状態検知部が乾燥状態を検知するまでの間、水粒子供給部による水粒子の供給を停止することが好ましい。
このように構成することにより、集塵部内に水分が残留するのを防止することができる。このため、塵埃と、塵埃が通過する流通路や集塵部の内壁等の経路内を乾燥することができるので、集塵部内で菌の繁殖やカビの発生、異臭の発生等を防止することができる。
この発明の集塵装置において、水粒子供給部は、空気を冷却し、空気中の水蒸気を凝結させることによって得られた水を用いて、水粒子を供給することが好ましい。
このように構成することによって、ユーザが給水することなく、集塵部が配置される位置よりも上流側の流通路に水を供給することができる。このため、水を水粒子供給部に貯水する必要がない。これにより、貯水によって集塵装置本体の重量は重くなることがなく、たとえば、本発明の集塵装置を電気掃除機に適用した場合、掃除を行う際に、取り回しがしづらくなるなどの操作性が悪化することがないので、ユーザへの負担が少なくなる。また、ユーザが水を供給する必要がないので、掃除をするたびに給水タンクに水を入れ、掃除後に水を捨てるという手間がなくなり、ユーザへの負担が小さくなる。さらに、ユーザが給水することがないので、水を無駄にすることがなく、水道代の増加によるユーザへの経済的負担が少なくなり、ひいては地球環境の悪化を防ぐことができる。
以上のようにこの発明によれば、水を供給して塵埃を捕集する集塵装置において、サブミクロンサイズの微細塵を捕集することができ、かつ、ユーザへの負担を増大させることなく、供給される水の後処理を容易に行うことが可能になる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の集塵装置の一例として電気掃除機の概略的な構成を示す図である。
図1に示すように、電気掃除機100の吸込口1は床面F上の塵埃を吸気とともに吸い込む。吸込口1の出口側には真直な円筒状の吸引パイプ2の一端が接続されている。吸引パイプ2の他端には、取手を有し、中途にて若干折れ曲がった接続パイプ3の一端が接続されている。接続パイプ3の他端には、折り曲げ自在のサクションホース4の一端が接続されている。さらに、サクションホース4の他端には、電気掃除機100の本体部5が接続されている。
本体部5は、略直方体をなす筐体510と、筐体510の側面に回転自在に設けられ、筐体510を床面F上にて移動自在に支持する車輪520を備えており、筐体510内には後述の集塵部、吸引用送風機、電気集塵機、コードリール、吸引用送風機の通電を制御する制御回路等が収容されている。
なお、図1においては、塵埃を含んだ気流の流れが矢印で示されている。矢印Pで示すように吸込口1から流入した気流は、吸引パイプ2を通じて、矢印Qで示すように接続パイプ3、サクションホース4の順に吸引経路を流れた後、矢印Rで示すように本体部5内に吸引されて塵埃を除去され、モータを冷却した後に矢印Sで示すように本体部5の外部へ排気される。吸込口1、吸引パイプ2、接続パイプ3およびサクションホース4は、塵埃を含む空気を本体部5の外から内部に流入するための流通路の一部を構成する。
集塵部としては、集塵袋方式とサイクロン方式が知られている。
集塵部としてサイクロン集塵部を備えた電気掃除機においては、掃除機本体内のサイクロン集塵部による遠心分離によって塵埃を分離捕集し、塵埃が捕集され、清浄になった空気を掃除機本体外部へ排気する。また、サイクロン集塵部は、外径が数μm未満の塵埃に対しては原理的に集塵効率が低下するため、微細な塵埃は捕集されずに排出される。そのため、吸引用送風機の一例であるブラシモータに塵埃が入り込むのを防止するための高性能集塵フィルタをブラシモータの上流に配置している。
図2は、図1に示す電気掃除機がサイクロン式電気掃除機である場合の本体部の構成を模式的に示す図である。
図2に示すように、サイクロン式電気掃除機では、筐体510内には、吸引用送風機の一例であるブラシモータ部530と、ブラシモータ部530の上流側に配置されたHEPAフィルタ540と、集塵部の一例であるサイクロン集塵部550とが配置されている。ブラシモータ部530は、流通路の一部を構成するサクションホース4に連通するように接続され、筐体内510内に配置されて、サクションホース4を通じる流通路に吸気を発生させる。サイクロン集塵部550は、流通路に配置され、ブラシモータ部530によって発生した吸気から塵埃を分離して捕集する。
サイクロン集塵部550は、集積室551と、集積室551の上流側に配置された入口筒552と、集積室551の下流側に配置された外筒553と、外筒553の下流側に接続された連絡筒554とから構成される。吸引経路としての流通路の一部を構成するサクションホース4は入口筒552に接続されている。外筒553と集積室551の内部の空間は連通するように形成されている。流通路の一部を構成する連絡筒554は、HEPAフィルタ540を介してブラシモータ部530に接続されている。
サイクロン集塵部550に流入した塵埃を含む吸気は、入口筒552から集積室551へ流入する。集積室551へ流入した吸気は、集積室551が円筒形状であるため旋回気流となり、中心軸近傍の強制渦領域とその外周側の準自由渦領域とを形成しながら、その経路構造と重力とにより下向きに流れていく。このとき、遠心力が塵埃に作用するため、例えば外径が3μm以上の塵埃は集積室551の内壁に押し付けられて吸気から分離され、下降する気流に沿って集積室551に集められる。その後、気流は上昇に転じ、外筒553、連絡筒554を通じて、HEPAフィルタ540へ流入する。
サイクロン集塵部550は、数μm以上の塵埃に対しては高い捕集効率を有しているが、これ以下の大きさの塵埃の捕集についてはあまり効果的ではない。そのため、HEPAフィルタ540によってサイクロン集塵部550で捕集できない微細な塵埃を捕集する。
この発明の実施の形態では、図2に示すように、サイクロン集塵部550が配置される位置よりも上流側の流通路に、この例では、入口筒552に連通するように水粒子供給部としての水分供給部560が配置されている。この水分供給部560により、サイクロン集塵部550に捕集された塵埃に水分が付加される。水分供給部560は、水を霧状にして平均粒径が50μm以下の水粒子を供給する。この発明の実施の形態の電気掃除機100では、このように限定された粒径の水粒子が水分供給部560により塵埃に付加されることは、発明者が鋭意検討し、以下の実験の結果による知見に基づいてなされるものである。
図10は、本発明の集塵装置の構成の基礎となる実験結果として、図2に示される電気掃除機の本体部において同量の水分が水分供給部560から供給された場合の供給される水分の平均粒子径[μm]と、外径が0.1〜0.2μm、0.2〜0.3μm、0.3〜0.5μm、0.5〜1.0μmのそれぞれの範囲の微細な塵の粒子がサイクロン集塵部550で捕集される割合との関係を示す図である。横軸は供給する水粒子の平均粒子径を対数表記したものであり、縦軸はサイクロン集塵部550における塵埃の捕集率を無次元化したものである。この実験結果を得るための測定は、JIS C 9802に規定された家庭用電気掃除機の性能測定法に基づいてなされたものである。微細な塵の粒子の数を測定するパーティクルカウンタは、外径が0.1μm以上の粒子の数を測定可能なRION社製の型番KC-18を用いた。
図10に示す実験結果から、同量の水分を供給する場合、水分の平均粒子径が小さいほど、サイクロン捕集率が高くなる傾向が得られることがわかる。サブミクロンサイズの塵埃の捕集率は、供給する水分の平均粒子径が小さくなるほど顕著に高まる傾向が得られている。
供給する水分の平均粒子径が50〜10μmの場合、特に0.5μm以上のサブミクロン粒子のサイクロン捕集率が向上しており、サブミクロン粒子のサイクロン捕集率が大きく高まる。
供給する水分の平均粒子径が10μm以下の場合、0.5μm以上の微粒子はもちろんのこと、捕集することが非常に困難な0.5μm以下のサブミクロン粒子のサイクロン捕集率も著しく向上しており、サブミクロン粒子のサイクロン捕集率が著しく高まる。
上記の実験結果は次のように推定される。
供給する水分の平均粒子径がサブミクロンサイズの塵埃に近づくほど、水粒子の質量の大きさも塵埃に近づくため、水粒子に作用する遠心力の大きさも塵埃に近づく。このため、サイクロン集塵部550内において、供給する水分が通る軌道と塵埃が通る軌道が近くなり、塵埃との接触確率が高くなるため、水分による凝集の効果も高くなり、サイクロン捕集率が向上する。
また、供給する水分の平均粒子径が小さいほど、水分量に対する水の表面積の割合が高くなり、塵埃と水表面との接触確率が高くなるため、水分による凝集の効果も高くなり、サイクロン捕集率が向上する。
さらに、粉体や微粒子では粒径が小さくなるほど、内部の分子・原子に対する表面の分子・原子の割合が増えてくるため、濡れ・吸着・凝集に表面エネルギーの影響が大きくなる。このため、供給する水分の粒子径が小さいほど、表面エネルギーの影響が大きくなり、サブミクロンサイズの塵埃への濡れ・吸着・凝集効果が高まり、サイクロン捕集率が向上するものと考えられる。
さらにまた、微細な塵埃は、付加した水分による液架橋力により凝集が促進される。微細な塵埃は、元々、分子間力やファンデルワールス力等により凝集しやすい性質を有しており、一度水分の助力によって凝集すると、水分が乾燥したとしても分散することはないものと考えられる。
なお、上記の実験結果は、サイクロン式電気掃除機を用いた場合の結果であるが、遠心力を利用しない、たとえば、集塵袋方式のダイレクト集塵式電気掃除機を用いた場合においても、上記と同様の結果が得られるものと考えられる。
以上の実験結果に基づいて、この発明の集塵装置の一例である電気掃除機の各実施形態を説明する。
(実施形態1)
本実施形態においては、図2に示される電気掃除機の本体部において水分供給部560から供給される水分は、平均粒子径10μm以下に霧化された水である。
平均粒子径10μm以下の水を噴霧するための方法としては、たとえば、遠心式加湿、ブロア2流体ノズル方式、圧搾空気汎用2流体方式、圧搾空気ドライフォグ用2流体方式などの霧化能力(噴霧量)が2000ミリリットル/時間程度の市販の水噴霧装置を採用すればよい。たとえば、圧搾空気汎用2流体方式で、空気圧が0.3MPa程度の圧縮空気を用いて加圧した水をノズルの小さな穴から空気中に噴霧することによって、水を平均粒子径10μm以下に霧化する。
本発明の集塵装置の一例である実施形態1の電気掃除機によれば、サブミクロン粒子のサイクロン捕集率が著しく高まる。0.5μm以上の微粒子はもちろんのこと、捕集することが非常に困難な0.5μm以下のサブミクロン粒子のサイクロン捕集率も著しく向上する。これにより、人体に悪影響を及ぼすといわれる幅広い範囲のサブミクロン粒子(特により微細なサブミクロン粒子)の排出量を大幅に抑制でき、さらに健康によいサイクロン式電気掃除機が得られる。
また、サブミクロン粒子をサイクロン集塵部において捕集できるため、HEPAフィルタへの負担が軽減され、圧力損失の増加に伴う電力消費量の増加がなく、HEPAフィルタの掃除を行う頻度が低下するため、ユーザへの負担が軽減するとともに、メンテナンスの効率を高めることができる。
さらに、供給された水分は平均粒子径10μm以下であるので、運転中に供給された水分は蒸発しやすく、乾燥しやすい。このため、蒸発しやすく乾燥しやすいサイクロン式電気掃除機が得られる。
さらにまた、塵埃中の水分は、一定時間の運転の内にある程度乾燥によって除去されていくため、サイクロン集塵部に水分が残留し難く、サイクロン集塵部内で菌の繁殖やカビの発生、異臭が発生するなどの問題を起こし難い湿式サイクロン電気掃除機が得られる。また、塵埃中の水分は、一定時間の運転の内にある程度乾燥によって除去されていくため、サイクロン集塵部に水分が残留し難いので、掃除後に水分を取り除くというメンテナンスを軽減することが可能なサイクロン電気掃除機が得られる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2では、図2に示される電気掃除機の本体部の構成において、供給される水を平均粒子径10μm以下で、かつ、最大粒子径50μm以下に霧化し、いわゆるドライフォグといわれるサイズの水を供給する。
平均粒子径10μm以下で、かつ、最大粒子径50μm以下の水を噴霧するための方法としては、たとえば、圧搾空気ドライフォグ用2流体方式などの霧化能力(噴霧量)が2000ミリリットル/時間程度の市販の水噴霧装置を採用すればよい。たとえば、圧搾空気ドライフォグ用2流体方式で、空気圧が0.3MPa程度の圧縮空気を用いて加圧した水をノズルの小さな穴から空気中に噴霧することによって、水を平均粒子径10μm以下で、かつ、最大粒子径50μm以下に霧化する。その他の構成は、実施形態1と同様である。
この場合、平均粒子径10μm以下かつ最大粒子径50μm以下に霧化した水を供給することにより、水粒子はサイクロン集塵部550の内壁等の塵埃が通過する経路内を濡らさない。
ここで、「濡れ」とは固体表面上に接触した液体の広がりを意味する。「濡れる」過程では、固体の表面が液体に接触し、固液の界面を生成するので、これらの接触面積と付着エネルギー、表・界面自由エネルギーや接触角等様々な要因が「濡れ」に関わってくる。水の場合、弾性率を一定とすると、粒子径が小さくなるほど、接触面積と付着エネルギーが小さくなり、濡れ難くなる。
ドライフォグ領域の水の場合、水の粒子径が非常に小さいため、接触面積と付着エネルギーが非常に小さく、水粒子は固体表面に付着しないため、固体表面を濡らさない。このため、水粒子はサイクロン集塵部550の内壁等の塵埃が通過する経路内を濡らさない。
しかしながら、粉体や微粒子では粒径が小さくなるほど、内部の分子・原子に対する表面の分子・原子の割合が増えてくるため、濡れ・吸着・凝集に表面エネルギーの影響が大きくなる。このため、ドライフォグ領域の水とサブミクロン領域の塵の粒子との接触の場合、接触面積と付着エネルギー、表・界面自由エネルギーや接触角等よりも、表面エネルギーの影響が支配的となり、濡れ・吸着・凝集が起こる。
本発明の実施形態2の電気掃除機によれば、水粒子はサイクロン集塵部550の内壁等の塵埃が通過する経路内を濡らさないため、塵埃のみに効率よく水分を付加することができ、実施形態1よりもさらに凝集効果が高まり、サブミクロンサイズの粒子の捕集効率がさらに高まる。
また、供給した水分によってサイクロン集塵部の内壁等の塵埃が通過する経路内が濡れることがないため、塵埃が壁面等へ付着してスラリー状になる等の問題が発生しない。そのため、非常に清潔な湿式サイクロン電気掃除機が得られる。
さらに、供給した水分によってサイクロン集塵部の内壁等の塵埃が通過する経路内が濡れることがないので、無駄なく塵埃を凝集させるための水分を供給できる。このため、供給水分量を節約することができる。これにより、水の入れ替え等の回数が減るなど、メンテナンスに必要な時間を節約することが可能な湿式サイクロン電気掃除機が得られる。
さらにまた、供給した水分によってサイクロン集塵部550の内壁等の塵埃が通過する経路内が濡れることがないので、塵埃の水分は一定時間の運転の内にさらに乾燥しやすくなり、サイクロン集塵部550に水分がさらに残留し難く、サイクロン集塵部550内で菌の繁殖やカビの発生、異臭が発生するなどの問題をさらに起こし難い湿式サイクロン電気掃除機が得られる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3では、図2に示される電気掃除機の本体部5において水分供給部560から平均粒子径50μm以下の水を供給する。
平均粒子径50μm以下の水を噴霧するための方法としては、たとえば、遠心式加湿、ブロア2流体ノズル方式、圧搾空気汎用2流体方式、圧搾空気ドライフォグ用2流体方式などの霧化能力(噴霧量)が2000ミリリットル/時間程度の市販の噴霧装置を採用すればよい。たとえば、圧搾空気汎用2流体方式で、空気圧が0.3MPa程度の圧縮空気を用いて加圧した水をノズルの小さな穴から空気中に噴霧することによって、水を平均粒子径50μm以下に霧化する。その他の構成は、実施形態1と同様である。
この場合、実施形態1よりも、霧化する水分の平均粒子径が大きいため、噴霧装置は、その構成が簡単なものになり、かつ安価になる。
本発明の実施形態3の電気掃除機によれば、サブミクロン粒子のサイクロン捕集率が高まり、特に0.5μm以上のサブミクロン粒子のサイクロン捕集率が向上する。
また、安価で実施が容易な構成で実施形態1に近い効果を得ることができる。外径が0.5μm以上のサブミクロン粒子のサイクロン捕集率において実施形態1とほぼ同等の効果を達成できる。
(実施形態4)
図3は、本発明の実施形態4に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。
図3に示すように、本実施形態は、水分供給部560により、サイクロン集塵部550に捕集された塵埃に水分が付加される。塵埃量検知部570が、集塵部としてのサイクロン集塵部550に配置され、塵埃の量を検知する。サイクロン集塵部550に付加される水分量は、塵埃量検知部570により推定された塵埃量から算出される水分量である。その他の構成は、実施形態1と同様である。
塵埃量検知部570は、サイクロン集塵部550内に捕集されたゴミ容積を検出し、ゴミ容積から塵埃量を推定する。具体的には、一例として、サイクロン集塵部550においてダストカップの底面から集積された塵埃の高さを、赤外線発光素子と受光部とからなるセンサによって検出し、その検出された塵埃の高さと、ダストカップの容積とに基づいて塵埃量(重量)を算出する。
水分量は、以下の実験結果に基づいて算出する。
塵埃1g当たり1ミリリットルの水分を付加した場合、流量1.5m/minの空気を7分間、集塵部に流すこと、すなわち、10.5mの空気で十分に乾燥させること(乾燥率[%]=(水分付加前の塵埃重量)/(水分付加後の塵埃重量)=90[%]の場合に相当する)ができた。この結果に基づいて、上記で算出された塵埃量に対して、十分に乾燥可能な水分の付加量を算出する。
このようにして塵埃量から算出される水分量は、付加した水分を電気掃除機内を流れる気流により一定時間(一回の掃除あたりの電気掃除機使用時間である7分以内)で乾燥することができ、また塵埃を水分により凝集することができる最適な水分量である。
この実施形態によれば、水分供給部560より供給される水分が塵埃量に応じた最適な水分量であるので、より短い乾燥期間で塵埃の乾燥を行うことができる。
また、水分供給部560より供給される水分が塵埃量に応じた最適な水分量であるため、必要以上の水分を貯水する必要がない。このため、電気掃除機本体の重量が重くなることはなく、掃除を行う際に、取り回しがし難くなるなどの操作性の悪化がなく、ユーザへの負担も少ない湿式サイクロン電気掃除機が得られる。
さらに、水分供給部560より供給される水分が塵埃量に応じた最適な水分量であるため、水分を供給する水分供給部560に常に貯水しておく必要がない。このため、多量の水が水分供給部560に余ることがなく、水を無駄にすることなく、水道代の増加によるユーザの経済的負担、ひいては地球環境の悪化を防ぐことができる。
(実施形態5)
図4は、本発明の実施形態5に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。
図4に示すように、本実施形態では、塵埃量検知部570が集塵部としてのサイクロン集塵部550よりも上流側の流通路である吸引経路、この例ではサクションホース4に配置されている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
塵埃量検知部570は、例えば、赤外線発光素子と受光部からなり、サイクロン集塵部550より上流の吸引経路を通過する気流に含まれる塵埃を検出する。サンプリング時間ごとの塵埃検出の出力を積算することによって、吸引した塵埃の量を推定する。サイクロン集塵部550に付加される水分量は、塵埃量検知部570により推定された塵埃量から算出される水分量である。塵埃の量と水分量の算出方法は、実施形態4と同様である。
なお、上述した塵埃量検知部570は赤外線発光素子と受光部とからなる構成に限定されることなく、例えば、赤外線レーザなどを用いた構成を採用してもよい。
この実施形態によれば、吸引経路を通過する気流に含まれる塵埃を検出することにより、吸引した塵埃量を推定することができる。実施形態4と同様の効果が得られる。また、塵埃量検知部570は、サイクロン集塵部550内に配置されていないので、サイクロン集塵部550内に塵埃検知部570を配置する実施形態4の場合に比べて、気流が複雑に流れていないので、塵埃量検知部570にゴミが詰まる等による精度低下や、塵埃推定量の誤差の拡大、ゴミが詰まった場合のメンテナンス等を行う必要がない。
(実施形態6)
図5は、本発明の実施形態6に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。
図5に示すように、この実施形態では、乾燥状態検知部580は、集塵部としてのサイクロン集塵部550が配置される位置よりも下流側に配置され、気流に含まれる水分量を検出することにより、乾燥状態を検知する。その他の構成は、実施形態1と同様である。
この実施形態によれば、水分供給部560から供給される水分は、塵埃の量に基づいて算出する必要はないので、塵埃量検知部が不要である。
乾燥状態検知部580は、例えば、湿度センサを用いて構成され、外部の湿度とサイクロン集塵部550の下流側の気流の湿度とを比較することによって、乾燥状態を検知する。そして、水分供給部560が水をサイクロン集塵部550に集積した塵埃に供給した後、乾燥状態検知部580が乾燥状態を検知するまでの間、水分供給部560による水の供給を停止する。
これにより、サイクロン集塵部550内に水分が残留しないとともに、塵埃と、サイクロン集塵部550等の塵埃が通過する経路内とを乾燥することができる。また、乾燥状態検知部580の出力により、乾燥時間を制御することができる。
なお、乾燥状態検知部580は、湿度センサを用いた構成に限定されず、サーミスタや、気流中の水分量を検出することが可能なその他の装置で構成されてもよい。
乾燥状態検知部580は、本実施形態のように配置される場合に限定されるものではなく、サイクロン集塵部550よりも下流側であれば、モータよりも上流側に配置されてもよい。
この実施形態によれば、塵埃と、サイクロン集塵部550等の塵埃が通過する経路内を確実に乾燥することができるため、サイクロン集塵部550に水分が残留せず、サイクロン集塵部550内で菌の繁殖やカビの発生、異臭が発生するなどの問題を起こさない湿式サイクロン電気掃除機が得られる。
また、掃除後にサイクロン集塵部550に水が残留しないため、掃除後に水分を取り除くというメンテナンスを必要としないサイクロン電気掃除機が得られる。
さらに、塵埃量検知部を構成する赤外線発光デバイスなどよりも、乾燥状態検知部を構成する湿度センサなどの方が安価であり、本実施形態では塵埃量検知部が必要でないため、製造コストを抑えることができる。
さらにまた、乾燥状態検知部の出力により、乾燥時間を制御することができるため、より効率的に、より精度よく、水分供給後の乾燥を行うことができる。
(実施形態7)
図6は、本発明の実施形態7に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。
図6に示すように、この実施形態では、塵埃量検知部570をサイクロン集塵部550内に配置し、乾燥状態検知部580をサイクロン集塵部550が配置される位置よりも下流側に配置する。その他の構成は、実施形態1と同様である。塵埃量検知部570の機能は実施形態4で説明したものと同様であり、乾燥状態検知部580の機能は実施形態6で説明したものと同様である。
この実施形態によれば、供給された水分は、塵埃量から算出された最適水分量がサイクロン集塵部550に供給され、乾燥状態検知部580により、水分供給後に気流の乾燥状態を検知することができるため、より効率的に、より精度よく、水分供給後の乾燥を行うことができる。すなわち、実施形態6で達成される作用効果をさらに効果的に達成することができる。
(実施形態8)
図7は、本発明の実施形態8に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。
図7に示すように、塵埃量検知部570をサイクロン集塵部550が配置される位置よりも上流側の流通路に配置し、乾燥状態検知部580をサイクロン集塵部550が配置される位置よりも下流側に配置する。その他の構成は、実施形態1と同様である。塵埃量検知部570の機能は実施形態4で説明したものと同様であり、乾燥状態検知部580の機能は実施形態6で説明したものと同様である。
この実施形態によれば、塵埃量から算出された最適水分量がサイクロン集塵部550に供給され、乾燥状態検知部580により、水分供給後に気流の乾燥状態を検知することができるため、より効率的に、より精度よく、水分供給後の乾燥を行うことができる。
また、実施形態7の場合のようにサイクロン集塵部550内に塵埃検知部570を配置する場合は、気流が複雑に流れているため、塵埃量検知部570にゴミが詰まる等による精度の低下や、塵埃推定量の誤差の拡大、ゴミが詰まった場合のメンテナンス等を行う必要があるが、実施形態8によれば、これらの問題を解消することができ、実施形態7よりも乾燥効果をさらに高めることができる。
(実施形態9)
図8は、本発明の実施形態9に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。
図8に示すように、サイクロン集塵部550に加えて、HEPAフィルタ591を含む集塵部590がモータの下流側に配置される。また、乾燥状態検知部580をサイクロン集塵部550が配置される位置よりも下流側に配置する。その他の構成は、実施形態8と同様である。
この実施形態においては、集塵部590が、モータの下流にあるため、モータの熱によって温められた気流によって乾燥される。また、乾燥状態検知部580は、サイクロン集塵部550を流通する空気の乾燥状態も合わせて検知を行う。
この実施形態によれば、モータの熱によって温められた気流によって乾燥を行うため、乾燥の効率が飛躍的に高まる。
(実施形態10)
図9は、本発明の一つの実施形態として電気掃除機の本体部に適用される水分供給部の構成を模式的に示す図である。
図9に示すように、水分供給部560は、水分結露部561と、水分結露部561で得られた水分を流通させる水分流通路562と、水分を計量する水分計量部563と、水分供給管565と、水分供給管565の内部に配置された弁564と、水分を霧化する霧化部566とから構成される。
水分結露部561は、電子冷却、例えばペルチェ素子等を用いることにより、空気を冷却し、空気中の水分を結露し、水分を取得する。水分結露部561によって得られた水分は、水分計量部563によって計量され、弁564が開くことにより、供給される水分量を制御し、霧化部566へ水分を供給する。霧化部566は、図2に示すように入口筒552に連通するように接続される。
水分計量部563は、例えば、赤外線発光素子と受光部からなるセンサによって水の高さを検出し、水分容積を算出する。
水分計量部563で算出された水分量が、実施形態4にて算出した最適水分量に達すると、弁564を開放するように構成されている。
なお、水分供給の手段としては、モータの吸気圧力を利用してもよく、あるいは、例えば、マイクロポンプ等によって構成された、少量の水分を供給するための装置を用いて、実施形態4にて算出された最適水分量を供給してもよい。
上記のように構成された水分供給部560を用いることにより、ユーザが給水することなく、サイクロン集塵部に供給する水分を得ることができる。
また、水分を供給する水分供給部に常に貯水しておく必要がないため、多量の水が水分供給部に余ることがなく、菌の繁殖やカビの発生、異臭の発生を引き起こすことがない湿式サイクロン電気掃除機が得られる。
さらに、水分を供給する水分供給部に常に貯水しておく必要がないことにより、貯水部分を取り付ける必要がないため、電気掃除機本体の重量が重くなることはなく、掃除を行う際に、取り回しがし難くなるなどの操作性の悪化がなく、ユーザへの負担も少ない湿式サイクロン電気掃除機が得られる。また、製造コストを抑えることができる。
さらにまた、ユーザが水を供給する必要がないため、掃除をするたびに、水分供給部に水を入れ、掃除後に水を捨てるという手間のかからない湿式サイクロン電気掃除機が得られる。水を給水する必要がないため、水を無駄にすることなく、水道代の増加によるユーザの経済負担、ひいては地球環境の悪化を防ぐことができる。
(実施形態11)
実施形態11は、本発明の構成が、集塵装置の一例として空気清浄機に適用された場合の作用効果について説明する。
最大粒子径50μm以下かつ平均粒子径10μm以下に霧化された水を供給することにより、高性能集塵フィルタにおいても完全には捕集できないサブミクロン粒子のサイクロン捕集率が著しく高まる。特に捕集が非常に困難な0.5μm以下の領域のサブミクロン粒子の捕集率が著しく向上する。これにより、人体に悪影響を及ぼすといわれるサブミクロン粒子を大幅に捕集でき、さらに健康によい空気清浄機が得られる。
微細な塵埃は、付加した水分による液架橋力により凝集が促進される。微細な塵埃は、元々、分子間力やファンデルワールス力等により凝集しやすい性質を有しており、一度水分の助力によって凝集すると、水分が乾燥したとしても分散することはないと考えられる。これにより、高性能集塵フィルタにおいても完全には捕集できない微細な塵埃の捕集率の高い空気清浄機が得られる。
また、上記の効果により、集塵部に捕集された塵埃を取り除く場合に起こる再飛散を抑制することができる。
綿ゴミのような比較的比重の軽いゴミの場合、水分の付加により圧縮が促進されるため、より多くの綿ゴミを集塵部に捕集することができる。一度、水分の助力によって圧縮された綿ゴミは、水分が乾燥しても、圧縮された状態がある程度保持されると考えられる。これにより、集塵部により多くの塵埃を捕集することができる空気清浄機が得られる。
上述した電気掃除機の実施形態のように、供給される水分を塵埃量から算出された最適水分量にすることにより、供給された水分は一定時間内に乾燥によって除去されるため、集塵部に水分が残留せず、集塵部内で菌の繁殖やカビの発生、異臭が発生するなどの問題を起こさない空気清浄機が得られる。
また、供給される水分を塵埃量から算出された最適水分量にすることにより、供給された水分は、一定時間内に空気清浄機内を流れる気流によって乾燥されるため、電子加熱等の加熱方法を必要としない。このため、電力消費量の増加がなく、電気代の増加などのユーザへの負担、ひいては地球環境の悪化を引き起こすことのない、経済的で環境にもやさしい空気清浄機が得られる。
さらに、供給された水分は、一定時間内に空気清浄機内を流れる気流によって乾燥されるため、電子加熱等の加熱方法を必要としないので、電子加熱等で加熱を行う場合に発生していた問題が解消される。すなわち、加熱された気流がモータ部分を通過するためにモータの十分な冷却が行われないことによる問題として、モータ性能の低下による吸い込み仕事率の低下に伴う掃除効率の低下、それによる電気代の増加などのユーザへの負担、さらにモータ寿命の短縮を引き起こす等の問題を引き起こさない空気清浄機が得られる。
以上の実施形態では、本発明の集塵装置が適用される例として、電気掃除機、空気清浄機について説明したが、少なくとも、送風機を用いて吸気から塵埃を分離する集塵装置を備えたものであれば、種々の機器に本発明の集塵装置を適用することができる。また、本発明の集塵装置は、サイクロン式電気掃除機だけでなく、集塵袋式電気掃除機にも適用することができ、上述した作用効果と同様の作用効果を達成することができる。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
この発明の集塵装置の一例として電気掃除機の概略的な構成を示す図である。 図1に示す電気掃除機がサイクロン式電気掃除機である場合の本体部の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態4に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態5に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態6に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態7に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態8に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態9に係る電気掃除機の本体部の構成を模式的に示す図である。 本発明の一つの実施形態として電気掃除機の本体部に適用される水分供給部の構成を模式的に示す図である。 本発明の集塵装置の構成の基礎となる実験結果として、供給される水分の平均粒子径と、サイクロン集塵部において微細な塵の粒子が捕集される割合との関係を示す図である。
符号の説明
100:電気掃除機、4:サクションホース、5:本体部、510:筐体、530:ブラシモータ部、550:サイクロン集塵部、560:水分供給部、561:水分結露部、570:塵埃量検知部、580:乾燥状態検知部。

Claims (7)

  1. 本体と、
    塵埃を含む空気を前記本体の外から内部に流入させるための流通路と、
    前記流通路に接続するように前記本体内に配置され、前記流通路に吸気を発生させる送風機と、
    前記流通路に配置され、前記送風機によって発生した吸気から塵埃を分離して捕集する集塵部と、
    水を霧状にして、前記集塵部が配置される位置よりも上流側の前記流通路に、平均粒子径が50μm以下の水粒子を供給する水粒子供給部とを備える、集塵装置。
  2. 前記水粒子供給部は、平均粒子径が10μm以下の水粒子を供給する、請求項1に記載の集塵装置。
  3. 前記水粒子供給部は、平均粒子径が10μm以下で、かつ、最大粒子径が50μm以下の水粒子を供給する、請求項2に記載の集塵装置。
  4. 前記集塵部に配置され、塵埃の量を検知する塵埃量検知部をさらに備え、
    前記塵埃量検知部は、検知された塵埃の量に基づいて、前記水粒子供給部が供給する水の量を決定する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の集塵装置。
  5. 前記集塵部が配置される位置よりも上流側の前記流通路に配置され、塵埃の量を検知する塵埃量検知部をさらに備え、
    前記塵埃量検知部は、検知された塵埃の量に基づいて、前記水粒子供給部が供給する水の量を決定する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の集塵装置。
  6. 前記集塵部が配置される位置よりも下流側に配置され、気流に含まれる水分の量を検出することにより乾燥状態を検知する乾燥状態検知部をさらに備え、
    前記水粒子供給部が水粒子を供給した後、前記乾燥状態検知部が乾燥状態を検知するまでの間、前記水粒子供給部による水粒子の供給を停止する、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の集塵装置。
  7. 前記水粒子供給部は、空気を冷却し、空気中の水蒸気を凝結させることによって得られた水を用いて、水粒子を供給する、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の集塵装置。
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