JP2009038773A - 弾性表面波デバイスの製造方法、弾性表面波デバイスおよび電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】すだれ状電極が外方に向いていなくても周波数調整を行える弾性表面波デバイスの製造方法、弾性表面波デバイスおよび電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の製造方法は、圧電基板12の一方の主面12aにすだれ状電極14を形成した弾性表面波(SAW)チップ10を備えた弾性表面波デバイスに係るものである。そして弾性表面波デバイスの製造方法は、一方の主面12aとは反対側の他方の主面12bにおけるすだれ状電極(IDT)14に対向する位置に周波数調整膜30を形成し、この形成により生じる応力によって前記圧電基板を歪ませて、周波数を調整している。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性表面波デバイスの製造方法、弾性表面波デバイスおよび電子機器に関するものである。
弾性表面波(SAW)チップは、圧電基板の一方の主面にすだれ状電極(IDT)等を設けている。このようなSAWチップの周波数調整は、従来、圧電基板の一方の主面上に誘電体膜を形成して、SAWの伝搬速度を変えることにより行われていた(特許文献1)。また、これとは別な周波数調整方法としては、IDTをエッチングする方法(特許文献1,2)や、圧電基板の一方の主面を削る方法(特許文献1,2)、圧電基板に漏洩SAWを励起するSAWチップの場合に圧電基板の厚さを薄くする方法がある(特許文献2)。
特開平9−148879号公報(段落0004) 特開2006−25393号公報(5−8頁)
前述したSAWチップの周波数調整を行うには、IDTを設けた圧電基板の一方の主面を成膜装置の蒸発源やターゲットに向けなければならず、またはエッチング装置内に生成されるプラズマに向けなければならない。したがってIDTと保持器とを対向させてSAWチップを保持した場合や、IDTが気密封止されるようにSAWチップを保持した場合では、SAWチップの周波数調整を行うことができなかった。
また圧電基板の厚さを変えて周波数調整する形態もあるが、これは漏洩SAWを励起するSAWチップに対して有効である。すなわち特許文献2の段落0024に記載されるように、漏洩SAWは、圧電基板の深さ方向にエネルギーを放射しながら伝搬するので、圧電基板の厚みを調整する事により周波数を変化させることができる。しかしながら、圧電基板の表面を伝搬するSAW、例えばレイリー波や表面横波を励起するSAWチップでは、圧電基板の厚さを変えても周波数調整を行うことができない。
本発明は、IDTが外方に向いていなくても周波数調整を行える弾性表面波デバイスの製造方法、弾性表面波デバイスおよび電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]圧電基板の一方の主面にすだれ状電極を形成した弾性表面波チップを備えた弾性表面波デバイスの製造方法であって、前記一方の主面とは反対側の他方の主面における前記すだれ状電極に対向する位置に周波数調整膜を形成し、この形成により生じる応力によって前記圧電基板を歪ませて、周波数を調整する、ことを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方法。
圧電基板の他方の主面上に周波数調整膜を形成しているので、周波数調整膜に起因する応力によって圧電基板が歪む。この歪みによって圧電基板の一方の主面が伸びたり縮んだりする。そして一方の主面にはすだれ状電極が形成してあるので、この一方の主面の伸び縮みによって、すだれ状電極の間隔が変動する。すなわち、すだれ状電極を構成している電極指の間隔が伸びまたは縮むことになる。このすだれ状電極の間隔の変動によって、圧電基板に励起される弾性表面波の周波数が変わる。したがって、すだれ状電極が設けられていない他方の主面に周波数調整膜を形成することによって、弾性表面波デバイスの周波数を調整できる。
[適用例2]前記周波数調整膜は、前記圧電基板の前記他方の主面に形成した後、表面をエッチングして厚さを調整することを特徴とする適用例1に記載の弾性表面波デバイスの製造方法。
周波数調整膜に起因する応力は、この周波数調整膜を形成する条件によって変動する。このため、既に形成してある周波数調整膜の応力を調整するには、この厚さを調整すればよい。したがって周波数調整膜を薄くすることにより、圧電基板に加わる応力を調整できるので、弾性表面波デバイスの周波数を調整できる。
[適用例3]前記圧電基板の前記他方の主面に前記周波数調整膜を形成した後、前記弾性表面波チップを保持部に搭載し、その後、前記周波数調整膜の表面をエッチングすることを特徴とする適用例2に記載の弾性表面波デバイスの製造方法。
これにより周波数調整膜を形成することにより周波数を粗く調整でき、周波数調整膜を薄くすることにより周波数を正確に調整できる。そして周波数を正確に調整する段階では、弾性表面波チップを保持部に搭載した後なので、周波数がずれてしまう等の不具合が生じるのを防止できる。また圧電基板の他方の主面に周波数調整膜を形成するので、弾性表面波チップを保持部に搭載した後であっても他方の主面が弾性表面波デバイスの外側に向いているので、弾性表面波デバイスの周波数調整を行える。
[適用例4]前記周波数調整膜は、第1周波数調整膜を形成した後、前記第1周波数調整膜の上に第2周波数調整膜を形成することによって厚さを調整することを特徴とする適用例1に記載の弾性表面波デバイスの製造方法。
周波数調整膜に起因する応力は、この周波数調整膜を形成する条件によって変動する。このため、既に形成してある周波数調整膜の応力を調整するには、この厚さを調整すればよい。したがって周波数調整膜の厚くすることにより、圧電基板に加わる応力を調整できるので、弾性表面波デバイスの周波数を調整できる。
[適用例5]圧電基板の一方の主面にすだれ状電極を設けた弾性表面波チップを有し、前記圧電基板の前記一方の主面とは反対側の他方の主面における前記すだれ状電極に対向した位置に、応力を生じる周波数調整膜を設けたことを特徴とする弾性表面波デバイス。
周波数調整膜を形成すると熱応力や真応力が生じる。この周波数調整膜に起因する応力によって圧電基板が歪む。この歪みによって圧電基板の一方の主面が伸びまたは縮む。そして一方の主面にはすだれ状電極が設けてあるので、この一方の主面の伸び縮みによって、すだれ状電極を構成する電極指の間隔が変動する。この間隔の変動によって、圧電基板に励起される弾性表面波の周波数が変わる。したがって、すだれ状電極が設けられていない他方の主面に周波数調整膜を設けることによって、弾性表面波デバイスの周波数を調整できる。
[適用例6]前記弾性表面波チップは、前記一方の主面を保持部に向けて、前記すだれ状電極と保持部の間に隙間を設けつつ前記保持部に接合したことを特徴とする適用例5に記載の弾性表面波デバイス。
圧電基板の他方の主面に周波数調整膜を設けたので、すだれ状電極を設けた一方の主面が弾性表面波デバイスの外側に向いていなくても、弾性表面波デバイスの周波数調整を行える。
[適用例7]前記弾性表面波チップは、前記一方の主面側を伝搬する弾性表面波が励起してなることを特徴とする適用例5または6に記載の弾性表面波デバイス。
これにより周波数調整膜を圧電基板に形成することによって生じる応力により、弾性表面波の周波数を変えることができる。
[適用例8]適用例5ないし7のいずれかに記載の弾性表面波デバイスを備えたことを特徴とする電子機器。
これにより前述した特徴を有する弾性表面波デバイスを用いた電子機器を得ることができる。そして前述した弾性表面波デバイスは、これの製造工程において周波数調整後に周波数がずれることを防止できるので、信頼性が高くなっている。したがって、電子機器の信頼性も高くできる。
以下に、本発明に係る弾性表面波デバイスの製造方法、弾性表面波デバイスおよび電子機器に関するものである。まず弾性表面波(SAW)チップについて説明する。図1はSAWチップの説明図である。ここで図1(A)はSAWチップの平面図、図1(B)はSAWチップの一部を示す断面図である。SAWチップ10は、圧電基板12を有している。この圧電基板12には、その一方の主面12aにすだれ状電極(IDT)14、パッド電極22および反射器24の電極パターン28が設けてある。IDT14は、複数の電極指18の一端をバスバー20で接続した櫛部16を2つ有している。そしてIDT14は、一方の櫛部16を構成する電極指18の間に、他方の櫛部16を構成する電極指18を配設した構成となっている。またパッド電極22は、SAWチップ10の外部とIDT14を導通するように、櫛部16から引き出されて形成してある。
また反射器24は、IDT14を構成する電極指18の長さ方向に対して交差する方向、すなわちSAWの伝搬方向における、IDT14を挟み込む位置に設けてある。反射器24は、IDT14の電極指18に対して平行に配置した導体ストリップ26を複数有しており、その各端部が互いに接続している。これによりパッド電極22を介してIDT14に電気信号を加えることにより、圧電基板12にSAWが励起されて、伝搬してきたSAWが反射器24で反射することになる。したがってIDT14と反射器24でSAWの伝搬路を形成することになる。
ここで前述したSAWチップ10は1ポート型であるが、本発明に用いられるSAWチップは2ポート型であってもよい。また前述したSAWチップ10は反射器24を備えた形態であるが、本発明に用いられるSAWチップは反射器24を備えていない形態であってもよい。
このようなSAWチップ10に励起するSAWの周波数は、電極指18の間隔に影響される。このため圧電基板12が応力を受けて歪むと、電極指18の間隔が変動して、SAWの周波数も変動することになる。そして圧電基板12の一方の主面12a側をSAWが伝搬すれば、圧電基板12が歪んだときにSAWの周波数により大きな影響を与えることになる。この圧電基板12の表面を伝搬する(バルク放射しない)SAWの具体的な一例としては、レイリー波や表面横波がある。このレイリー波や表面横波は、圧電基板12の材料やカット角、SAWの伝搬方向を適宜調整することにより得ることができる。このようなSAWを励起する圧電基板12の具体的な一例としては、STカット水晶基板を挙げることができる。
したがって本実施形態に係るSAWチップ10は、圧電基板12に応力を加えてSAWの周波数を調整するために、圧電基板12の他方の主面12b(一方の主面12aに対して反対側の主面)に周波数調整膜30を設けている。この周波数調整膜30は、圧電基板12の他方の主面12bに形成されると、圧電基板12に応力を加えることのできる物質からなる膜であればよく、無機材料や有機材料の膜であればよい。そして無機材料膜としては、例えば金属膜や半導体膜、誘電体膜であればよい。さらに金属膜や半導体膜、誘電体膜の具体的な例としては、金やニッケル、チタン、クロム、酸化亜鉛、酸化チタン、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム等の膜であればよい。このような周波数調整膜30によって圧電基板12に応力を加えることにより電極指18の間隔を調整して、目的とする周波数を得ている。
次に、SAWデバイスについて説明する。図2はCSP構造のSAWデバイスの概略断面図である。SAWデバイス40は、前述しSAWチップ10を保持部42に搭載した構成である。すなわち、図2に示すSAWデバイス40は、SAWチップ10の平面方向の大きさと同じなったチップサイズ(スケール)パッケージ(CSP)構造になっている。そしてSAWデバイス40は、保持部42として平板状の基板(保持基板42a)を有しており、圧電基板12の一方の主面12aと保持基板42aを向かい合わせつつ、SAWチップ10を保持基板42aに搭載している。このとき圧電基板12の一方の主面12aにおける周囲および保持基板42aの周囲の少なくともいずれか一方に設けた接合部46によって、SAWチップ10と保持基板42aが接合している。このため電極パターン28は、保持基板42aに接触することなく、気密封止されている。またパッド電極22(図2では図示せず)は、保持基板42aの上面や内部等に設けた導通手段(図示せず)を介して、保持基板42aの下面に設けた外部端子44と導通している。そして周波数調整膜30は、SAWデバイス40の外側部分に設けてある。
次に、SAWデバイス40の製造方法について説明する。まずSAWチップ10の製造工程について説明する。圧電基板12の一方の主面12aに電極パターン28を形成するための金属膜を形成しておく。この後、リソグラフィ技術を用いて金属膜上にレジストのマスクを形成する。そしてレジストのマスクに覆われていない部分の金属膜をエッチングすることにより、電極パターン28を形成する。この後、金属膜上からレジストを除去して、SAWチップ10を得る。なおSAWチップ10は、まず圧電基板12がウエハの状態の時に電極パターン28を形成し、その後ウエハを切断することにより形成すればよい。
次に、SAWデバイス40の製造工程について説明する。前述した工程によって得たSAWチップ10は、接合部46を介して保持基板42aと接合する。この接合の具体例としては、接合部46を金属で形成しておき、プラズマ接合や加熱加圧接合を行って、SAWチップ10と保持基板42aを接合すればよい。またSAWチップ10と保持基板42aは、直接接合や陽極接合によっても接合でき、さらに接合部46としてロウ材を用いても接合できる。
なお保持基板42aには、様々な材料を利用できる。具体例としては、保持基板42aは、SAWチップ10を形成する圧電基板12と同じ材料からなるものであってもよく、ガラス基板からなるものであってもよい。これらの保持基板42aを構成する材料は、熱膨張係数をSAWチップ10と同じにしたり、SAWチップ10と保持基板42aの接合する方法によったり等の様々な条件を考慮することにより決定すればよい。
この後、次のようにして周波数調整を行う。まず第1の周波数調整方法について説明する。この第1の周波数調整方法は、圧電基板12の他方の主面12bに周波数調整膜30を形成し、この形成により周波数調整膜30および圧電基板12に応力を発生させ、圧電基板12の一方の主面12aを歪ませて周波数調整を行う方法である。周波数調整膜30は、真空蒸着、スパッタ、イオンプレーティングまたはイオンやプラズマのアシストを行える蒸着等の成膜方法を用いて圧電基板12に形成すればよい。
そして周波数調整膜30は、圧電基板12の他方の主面12bにおける少なくともIDT14に対向する位置に形成すればよい。これにより周波数調整膜30から圧電基板12に応力を受けたときに、この応力が一方の主面12aに作用する。すなわち周波数調整膜30を形成することにより生じる応力によって、圧電基板12の側が凸になるようにSAWチップ10が湾曲した場合は、圧電基板12の一方の主面12aが伸びるので、IDT14の電極指18の間隔が広がり、SAWの周波数が低くなる。これに対し、周波数調整膜30を形成することにより生じる応力によって、周波数調整膜30の側が凸になるようにSAWチップ10が湾曲した場合は、圧電基板12の一方の主面12aが縮むので、IDT14の電極指18の間隔が狭まり、SAWの周波数が高くなる。
なお周波数調整膜30は、図3に示すように、圧電基板12の他方の主面12bにおけるIDT14に対向する位置に形成するとともに、圧電基板12に励起されたSAWが伝搬する方向に沿って形成してもよい。すなわち周波数調整膜30は、SAWの伝搬路に合わせて形成してもよい。また周波数調整膜30は、圧電基板12の他方の主面12bの全面に形成してもよい。このように周波数調整膜30を設ける面積を大きくすると、圧電基板12により大きな応力が加わり、周波数を調整できる範囲が広くなる。なお圧電基板12の一部分に周波数調整膜30を形成する場合は、マスクを用いて成膜を行えばよい。
そして圧電基板12に加える応力は、周波数調整膜30の条件、例えば、成膜材料や膜厚、膜の形成位置、成膜装置、成膜時におけるSAWチップ10の加熱の状況、成膜レート等を変えることによって調整でき、また成膜装置内に生成するプラズマやイオンの生成条件を変えることによっても調整できる。
したがってSAWチップ10の周波数を調整するには、まず圧電基板12に加わる応力、すなわちSAWの周波数の変化と、周波数調整膜30の条件との関係を予め求めておく。そして製造されたSAWチップ10にSAWを励起して、このSAWの周波数を測定した後、目標とする周波数と測定した周波数との差を求め、この差に合った周波数調整膜30の条件を前記関係から選択する。この後、この選択した条件で圧電基板12の他方の主面12bに成膜を行って、周波数調整膜30を形成すればよい。
また周波数調整の別な方法としては、SAWチップ10にSAWを励起して、このSAWの周波数を測定しながら圧電基板12の他方の主面12bに周波数調整膜30を形成し、測定している周波数が目標とする周波数に到達したら周波数調整膜30の形成を停止する方法であってもよい。
これにより周波数調整されたSAWデバイス40を得る。
なお前述した周波数調整膜30は、図4に示すような積層構造であってもよい。すなわち圧電基板12の他方の主面12bに第1周波数調整膜30aを設けた後、この第1周波数調整膜30aの上に第2周波数調整膜30bを設ける形態であってもよい。この場合、第1周波数調整膜30aと第2周波数調整膜30bとのそれぞれを、別の材料によって形成することができ、また成膜条件等を変えて形成することもできる。これにより圧電基板12に加わる応力を調整できる。
そして第1周波数調整膜30aに腐食しやすい材料を用いた場合は、この第1周波数調整膜30aに比べて腐食し難い材料を第2周波数調整膜30bに用いることができる。これにより圧電基板12に加わる応力を調整するとともに、周波数調整膜30が経年変化して応力が変わり、周波数が変動することを防止できる。なお第2周波数調整膜30bを第1周波数調整膜30aの上に設けるばかりでなく、第1周波数調整膜30aの側面にも設けて、第1周波数調整膜30aを覆うようにすれば、第1周波数調整膜30aをより腐食し難くできる。
また第1周波数調整膜30aを形成するときに、SAWチップ10を加熱しながら行い、第2周波数調整膜30bを形成するときにSAWチップ10を加熱しないで行ってもよい。これにより第1周波数調整膜30aで圧電基板12に加わる応力を粗く調整でき、第2周波数調整膜30bで圧電基板12に加わる応力を正確に調整できる。さらに第1周波数調整膜30aは、SAWチップ10を形成する段階、特に圧電基板12がウエハ状態になっている段階で形成しておき、第2周波数調整膜30bは、SAWチップ10と保持基板42aを接合した後に形成してもよい。これにより第1周波数調整膜30aで圧電基板12に加わる応力を粗く調整でき、第2周波数調整膜30bで圧電基板12に加わる応力を正確に調整できるとともに、調整後の周波数がずれるのを防止できる。
また第2の周波数調整方法は、次のようになっている。この第2の周波数調整方法は、SAWチップ10の圧電基板12における他方の主面12bに周波数調整膜30を形成した後、この周波数調整膜30を適宜エッチングして、この周波数調整膜30の厚さを調整し、この調整後の周波数調整膜30および圧電基板12に生じる応力によって、圧電基板12の一方の主面12aの歪を調整することにより周波数調整を行う方法である。具体的には、まず第1の周波数調整方法で説明したように周波数調整膜30を形成しておく。このとき周波数調整膜30は、目標とするSAWチップ10の周波数が得られるときよりも、厚く形成しておく。この場合、圧電基板12に加わる応力を大きくするために、SAWチップ10を加熱して周波数調整膜30を形成することもできる。
この後、周波数調整膜30の表面をドライエッチングして、この周波数調整膜30の厚さを調整する。この厚さの調整は、SAWチップ10が室温程度になっているとき、または周波数温度特性の基準となる温度になっているとき等に行えばよい。そしてSAWの周波数の変化と周波数調整膜30の厚さとの関係を予め求めておき、周波数調整膜30が設けられただけのSAWチップ10の周波数を測定した後、目標とする周波数と測定した周波数との差を求め、この差に合った周波数調整膜30のエッチング量を前記関係から求め、この求めた条件にあわせてエッチングを行えばよい。
また周波数調整の別な方法としては、SAWチップ10にSAWを励起して、このSAWの周波数を測定しながら周波数調整膜30のドライエッチングを行い、測定している周波数が目標とする周波数に到達したらドライエッチングを停止する方法であってもよい。
これにより周波数調整されたSAWデバイス40を得る。
なお第2の周波数調整方法では、SAWチップ10を形成する段階、特に圧電基板12がウエハ状態になっている段階で周波数調整膜30を設けておき、SAWチップ10と保持基板42aを接合した後にエッチングを行って目標とする周波数に合わせ込んでもよい。このようにすると圧電基板12に加わる応力を正確に調整できる。
このようなSAWデバイス40の製造方法およびSAWデバイス40によれば、周波数調整膜30により圧電基板12に応力を加えて、一方の主面12aに設けたIDT14の電極指18の間隔を変えることができるので、SAWの周波数を調整できる。すなわち圧電基板12におけるIDT14を設けた一方の主面12aとは反対側の主面12bを利用することによって、一方の主面12aが成膜装置の蒸発源やターゲットに向いてなく、またエッチング装置内に生成されるプラズマに曝されないようになっていても、SAWの周波数を調整できる。
そしてSAWチップ10を保持部42に接合した後に周波数調整を行えば、調整後の周波数が変動するのを防止できる。すなわちSAWチップ10を保持部42に接合する前段階で周波数調整を行うと、SAWチップ10を保持部42に接合することによって周波数がずれることがある。具体的な一例としては、IDT14が気密封止されている構造なので、接合部46からのアウトガスの影響を受けて、周波数がずれてしまう。したがってSAWチップ10を保持部42に接合した後に周波数調整を行えば、このような周波数ズレが発生するのを防止でき、高信頼性のSAWデバイス40を得る。
またSAWデバイス40は、電極パターン28を気密封止しているので、エッチングを用いて周波数調整膜30の厚さを調整する場合であっても、エッチングガスが電極パターン28に付くことを防止できる。このため残留ガスが影響して、SAWデバイス40が経年変化等することを防止でき、長期信頼性を向上できる。
そして本実施形態で説明したSAWデバイス40の製造方法およびSAWデバイス40では、圧電基板12に加わる応力を利用して周波数調整を行っているので、特にレイリー波や表面横波等のバルク放射のないSAWを励起するものに対して有効になる。すなわち、単に圧電基板12の厚さを調整しただけでは、レイリー波や表面横波等のバルク放射のないSAWを励起するSAWデバイス40の周波数調整を行うことができないが、本実施形態では、圧電基板12に応力を加えて歪ませ、IDT14の間隔を調整しているので、周波数調整を行える。
なお前述したSAWデバイス40はCSP構造であるが、本発明に係るSAWデバイスはCSP構造に限定されることはない。すなわちSAWデバイスは、SAWチップ10を構成する圧電基板12の他方の主面12bが外方に向いているものであればよい。
図5は第1変形例に係るSAWデバイスの概略断面図である。第1変形例に係るSAWデバイス50は、保持部42として保持基板42aとパッケージ42bを有している。SAWチップ10は、接合部64を用いて保持基板42aに片持ち状に搭載してある。このSAWチップ10は、平面サイズが保持基板42aよりも小さくなっており、接合部64の一部が露出している。そして接合部64は、SAWチップ10に設けたパッド電極22(図5では図示せず)と導通している。
またパッケージ42bは、上方に向けて開口した凹陥部52を有している。この凹陥部52の側面は階段状になっており、この階段部54の上面にボンディング電極56が設けてある。このボンディング電極56は、パッケージ42bの下面に設けた外部端子58と導通している。そして凹陥部52の底面に設けた接合材62の上に保持基板42aを配設することにより、SAWチップ10を保持部42に搭載している。またSAWチップ10と保持基板42aとを接合する接合部64にワイヤ60の一端が接続している。このワイヤ60の他端は、ボンディング電極56に接続している。これにより外部端子58とパッド電極22は1対1に導通している。
このようなSAWデバイス50であっても、圧電基板12の他方の主面12bがSAWデバイス50の外方に向いているので、前述した実施形態と同様な周波数調整を行うことができる。したがって周波数調整膜30よって圧電基板12に応力を加えて、SAWデバイス50の周波数調整ができる。
また本変形例に係るSAWデバイス50は、SAWチップ10を片持ち状に支持しているので、SAWチップ10が保持部42や接合部64から受ける応力の影響を小さくできる。すなわちSAWチップ10は、支持されている基端側に対して反対側、すなわち先端側が自由端になっているので、保持部42が湾曲したり、接合部64が収縮等しても、これに伴って湾曲することがなく、保持部42や接合部64から受ける応力を小さくできる。この場合、SAWチップ10の基端側により近い部分に接合部64を設けることにより、SAWチップ10が保持部42や接合部64から受ける応力の影響をより小さくできる。これにより周波数調整膜30によってSAWデバイス50の周波数を調整でき、その後にSAWデバイス50を電子機器等に搭載しても周波数が変動するのを防止できる。すなわち周波数調整膜30によって高精度の周波数調整を行える。
図6は第2変形例に係るSAWデバイスの概略断面図である。第2変形例に係るSAWデバイス70は、第1の変形例に係るSAWデバイス50と同様の構成であるが、SAWチップ10と保持基板42aとの接合方法が異なっている。すなわち第2変形例に係るSAWデバイス70は、SAWチップ10の周囲に接合部72を設けるようになっているが、SAWチップ10の周縁部を完全に囲むようになっているのではなく、各パッド電極22(図6では図示せず)同士が導通しないようになっている。このようなSAWデバイス70であっても、圧電基板12の他方の主面12bがSAWデバイス70の外方に向いているので、前述した実施形態と同様の周波数調整を行える。したがって周波数調整膜30によって圧電基板12に応力を加えることにより、SAWデバイス70の周波数調整ができる。
なおSAWデバイス40,50,70に求められる精度等によっては、圧電基板12の他方の主面12bに周波数調整膜30を設けてSAWチップ10の周波数を正確に調整した後、このSAWチップ10を保持部42に搭載してもよい。この場合、SAWチップ10を保持部42に搭載した後に、周波数調整膜30を新たに加える工程や、エッチングを行う工程を必要としない。
そして前述したSAWデバイス40,50,70は、様々な電子機器に搭載できる。この電子機器の一例としては、図7に示す受信機を挙げることができる。受信機80は、受信アンテナ82、低雑音増幅器(LNA)84、混合器86、局部発振器88、中間周波(IF)増幅器90および検波器92を備えている。具体的には、受信アンテナ82は、LNA84を介して混合器86の入力に接続している。また局部発振器88も混合器86の入力に接続している。この局部発振器88は、SAWデバイス40,50,70と、このSAWデバイス40,50,70に接続した発振回路を備えている。これにより局部発振器88は、周波数信号を混合器86に確実に出力できる。そして混合器86の出力には、IF増幅器90と検波器92が直列に接続している。
そして相手方となる送信機から送信された信号は、受信アンテナ82を介してLNA84に入力し、LNA84で増幅された後に混合器86に入力する。混合器86は、局部発振器88から周波数信号を入力して、LNA84から入力した信号をダウンコンバートして出力する。ダウンコンバートされた信号は、IF増幅器90で増幅された後、検波器92に入力して検波される。このような構成にすることにより、受信機80は、前記送信機から送られた信号を受信することができる。また受信機80は、局部発振器88にSAWデバイス40,50,70を備えているので、一定の周波数を出力できる。
SAWチップの説明図である。 CSP構造のSAWデバイスの概略断面図である。 周波数調整膜の変形例を説明するSAWチップの底面図である。 積層構造の周波数調整膜の断面図である。 第1変形例に係るSAWデバイスの概略断面図である。 第2変形例に係るSAWデバイスの概略断面図である。 電子機器の一例である受信機の構成を説明するブロック図である。
符号の説明
10………弾性表面波(SAW)チップ、12………圧電基板、12a………一方の主面、12b………他方の主面、14………すだれ状電極(IDT)、18………電極指、24………反射器、30………周波数調整膜、30a………第1周波数調整膜、30b………第2周波数調整膜、40,50,70………SAWデバイス、42………保持部、80………受信機。

Claims (8)

  1. 圧電基板の一方の主面にすだれ状電極を形成した弾性表面波チップを備えた弾性表面波デバイスの製造方法であって、
    前記一方の主面とは反対側の他方の主面における前記すだれ状電極に対向する位置に周波数調整膜を形成し、
    この形成により生じる応力によって前記圧電基板を歪ませて、周波数を調整する、
    ことを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方法。
  2. 前記周波数調整膜は、前記圧電基板の前記他方の主面に形成した後、表面をエッチングして厚さを調整することを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波デバイスの製造方法。
  3. 前記圧電基板の前記他方の主面に前記周波数調整膜を形成した後、前記弾性表面波チップを保持部に搭載し、その後、前記周波数調整膜の表面をエッチングすることを特徴とする請求項2に記載の弾性表面波デバイスの製造方法。
  4. 前記周波数調整膜は、第1周波数調整膜を形成した後、前記第1周波数調整膜の上に第2周波数調整膜を形成することによって厚さを調整することを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波デバイスの製造方法。
  5. 圧電基板の一方の主面にすだれ状電極を設けた弾性表面波チップを有し、
    前記圧電基板の前記一方の主面とは反対側の他方の主面における前記すだれ状電極に対向した位置に、応力を生じる周波数調整膜を設けたことを特徴とする弾性表面波デバイス。
  6. 前記弾性表面波チップは、前記一方の主面を保持部に向けて、前記すだれ状電極と保持部の間に隙間を設けつつ前記保持部に接合したことを特徴とする請求項5に記載の弾性表面波デバイス。
  7. 前記弾性表面波チップは、前記一方の主面側を伝搬する弾性表面波が励起してなることを特徴とする請求項5または6に記載の弾性表面波デバイス。
  8. 請求項5ないし7のいずれかに記載の弾性表面波デバイスを備えたことを特徴とする電子機器。
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