JP2009037791A - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料傾斜時の像を試料水平時の像に歪み無く補正する。
【解決手段】電子線の照射中心から見た一方の偏向角度αともう一方の偏向角度βを異なる角度で偏向できるようにするとともに、台形補正、湾曲歪補正、傾斜焦点補正と組合せることにより、試料傾斜時の像を試料水平時の像に歪み無く補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、走査電子顕微鏡に関し、特に傾斜した試料を観察できる走査電子顕微鏡に関する。
走査電子顕微鏡において、電子線源から放出された電子線は偏向コイルにより偏向され、対物レンズによって収束されて試料に照射される。偏向コイルは観察エリアを走査し、対物レンズは試料面で焦点を合わせるように制御されている。水平に置かれている試料に焦点を合わせ、その後試料を傾斜する場合、傾斜回転軸では焦点が合っているが、それ以外は試料面が傾斜することで焦点距離と試料面が異なる位置にくることから焦点が合わなくなる。この焦点ずれは、試料面の傾斜角度に応じて対物レンズの励磁電流を変化させることで補正することができる(傾斜焦点補正)。
しかし、対物レンズは電子線の収束作用の他に電子線の像面を回転させる作用を持っている。そのため、対物レンズの励磁電流を変化させて、傾斜した試料の焦点補正を行った場合、像の湾曲歪が発生する。この湾曲歪みは、電子線の走査方向を、焦点補正に伴って発生する像面の回転方向と逆方向に回転させることにより補正することができる(湾曲歪補正)。
特開2002−343293号公報
低倍率観察において、試料面が水平の場合には電子線走査領域は長方形になるが、傾斜試料面では電子線走査領域が台形になり、さらに傾斜方向に伸び倍率が変化する。これに対しては、電子線の偏向を水平面上で台形になるように補正し、傾斜試料面では長方形の走査領域となるように補正できる(台形補正)。また、傾斜方向の偏向角度を小さくさせることで、試料が水平時と同じ倍率になるように偏向範囲を変化させることで補正ができる(傾斜倍率補正)。
傾斜焦点補正、湾曲歪補正、台形補正、傾斜倍率補正を合わせることによって、補正しない場合と比べて歪を改善することができる。しかし、従来の傾斜倍率補正では、偏向角度0°のときの電子線の位置からみて傾斜方向に沿った一方の偏向角度αとその反対側の偏向角度βが等しい。このため、補正が十分でなく、円形のものは楕円となり、正方形は長方形として観察される。そのため次のような問題がある。
一般に2次電子像については、試料を傾斜した方が試料水平時に比べてコントラストを得やすくなる場合が多い。このため、試料水平での試料観察が望ましい場合でもコントラストを得るために試料を傾斜する場合がある。このように傾斜した試料の像上で寸法を測定する場合、上記のように従来の補正方法では十分ではなく、像の中心部と周辺部では測定結果が異なってしまうという問題がある。この問題は試料傾斜角度が高角度であるほど顕著となる。
また、極低倍率像を得る手法の一つとして、低倍率像を複数枚取得し、つなぎ合わせる方法がある。この方法では像の周辺部に歪みがある隣り同士の画像にずれが生じ、つなぎ合わせることが困難である。試料を傾斜した場合、従来の補正方法では十分ではなく、像の周辺で歪みが発生するため、極低倍率像を取得することが困難である。
また、試料ステージの操作方法としてモニタに表示される像上で移動先の点を指定し、指定された点と現状のステージ位置から移動距離を割り出し、その距離だけステージを移動させて指定点を中心に表示させる方法がある。従来の補正方法で表示された像上で移動先を指定する場合を考えると、補正が十分でなく像が歪むため、ステージ移動量が不正確となる。この問題は試料傾斜角度が高角度であるほど、また指定点が像の周辺部であるほど顕著となる。
さらに、EBSP(Electron Backscattered Diffraction Pattern)あるいはEBSD(Electron Backscattered Diffraction)とよばれる分析方法は結晶方位解析に有効であるが、この方法では電子の回折パターンを得るために試料を60°ないし70°の高傾斜状態にする必要がある。一方、試料上の分析位置を特定するためには、反射電子像が用いられる。これはEBSPではほとんどの場合、表面研磨された凹凸のない試料が対象であり、反射電子検出器がこのような試料に適しているためである。しかし、試料を高傾斜状態にすると反射電子検出器で検出される反射電子の検出効率は低下する。そのため、EBSPにより分析する場合には、まず試料水平状態で反射電子像により分析位置を特定し、その後試料を高傾斜状態にしてEBSP分析を行う方法が一般的である。また分析後には、試料上の分析位置を示す反射電子像とEBSPによるマッピング像を対で記録しておくことが望ましいが、上記のように従来の補正方法では十分ではなく、2者の像間の形状差より対比が困難であるという問題があった。
本発明の走査電子顕微鏡は、傾斜焦点補正、湾曲歪補正、台形補正ができる手段を備え、電子線偏向角度0゜の電子線の位置から正負の試料傾斜方向への電子線の偏向角度α,βをそれぞれ異なる角度とすることで、試料傾斜時の像を試料水平時の像に補正して表示させる。
本発明の走査電子顕微鏡は、一例として、電子線源と、電子線源から発生された電子線を試料上に収束させるための対物レンズと、電子線を試料上で走査させるための電子線偏向手段と、試料を電子線照射方向に対して傾斜させる試料傾斜手段と、傾斜した試料上における試料傾斜方向の電子線偏向範囲が試料水平時の試料上における電子線偏向範囲と同じになるように、試料傾斜方向の電子線偏向角度を、電子線偏向角度0°の電子線の位置からみて一方の偏向角度とその反対側の偏向角度を単位時間当たり異なる角度で変化させる手段と、傾斜した試料上における電子線走査領域が矩形となるように、試料傾斜方向と垂直方向の電子線偏向量を、試料傾斜角度及び試料傾斜方向の偏向量に応じて変化させる手段とを備え、試料傾斜時の像を試料水平時の像に補正して表示させる。試料傾斜角度を検知する手段又は試料の傾斜軸に対する電気的な駆動装置を備えることで、試料傾斜角度を自動的に検知し、上記の傾斜補正を自動化することができる。
また、電子線の偏向を試料傾斜角度に合わせて制御することなく、試料傾斜時にも試料水平時と同様の電子線偏向を行い、試料の傾斜角度及び偏向支点と試料傾斜中心間の距離に基づいて、画像処理によって試料傾斜時の像を試料水平時の像に補正して表示させることもできる。ある倍率で使用する場合、倍率から試料上の偏向量が決まる。例えば倍率20倍で使用する場合、偏向支点から試料までの距離L=10mm、画像の大きさを100mmとすると、その倍率から偏向角度は0゜〜10゜と計算できる。
試料の傾斜角度及び偏向支点と試料傾斜中心間の距離を、保存した画像に付帯情報として記録することで、保存した画像についても同様の画像処理を可能にすることができる。
本発明によると、試料傾斜時の像を試料水平時の像に歪み無く補正することができ、傾斜試料像による寸法測定精度を向上することができる。また、傾斜試料の低倍率像のつなぎ合わせによる極低倍率像の取得が可能となる。また、試料傾斜時のステージ移動精度を向上できる。さらに、EBSP分析時の分析位置特定の際の操作性を向上させることができるとともにマッピング像との対比が容易になる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による走査電子顕微鏡の構成例を示す説明図である。電子線源1から放出された電子線2は偏向コイル3により偏向され、対物レンズ4によって収束され、試料5に照射される。電子線2は、偏向コイル3によって観察エリアを走査され、対物レンズ4によって試料面で焦点が合わされる。Lは偏向支点6と試料傾斜中心との距離であり、装置の電子光学系の構成と試料から対物レンズまで距離(ワーキングディスタンス)に依存する。θは試料の傾斜角度である。偏向角度α,βはこれらに加えて倍率にも依存する。
偏向コイル3は偏向回路31によって駆動され、対物レンズ4は対物レンズ電源32によって駆動される。試料5は図示しないステージ上に保持されている。ステージはモーター等のステージ駆動部33によって駆動され、試料を電子線2に対して平行移動させたり傾斜させることができる。電子線の照射によって試料5から放出された2次電子等の試料信号は検出器34によって検出され、試料信号を電子線の走査と同期して表示部35に輝度信号として入力することにより、表示部35に試料像が表示される。検出器34によって検出された試料信号を一旦画像処理部36に送り、画像処理部36で画像処理した結果を表示部35に表示することもできる。取得した画像は、必要に応じて記録部37に記録することができる。偏向回路31、対物レンズ電源32、ステージ駆動部33、検出器34、表示部35、画像処理部36、記録部37の動作は制御部38によって統括制御される。
試料面が電子線に対する垂直面から傾斜している場合、試料水平時の偏向範囲(a+b)に対して傾斜方向に偏向範囲(a’+b’)が伸びる。このため、中心からの傾斜方向の偏向角度αと中心からその逆側の偏向角度βをそれぞれ試料の傾斜角度θに応じて変化させることで、中心から左右に振られる偏向量を水平時と等しくする。すなわちa=a’及びb=b’にする。
図1より試料水平時の偏向量a,bは
a=Ltanα、b=Ltanβ=Ltanα …(1)
であり、試料傾斜時の偏向量a’,b’は、幾何学的計算から
a’=Ltanα/(cosθ−sinθ・tanα) …(2)
b’=Ltanβ/(cosθ+sinθ・tanβ) …(3)
となる。試料傾斜角θと偏向角度α,βから偏向量a’ ,b’を算出することができ、水平時の偏向量と傾斜時の偏向量をa=a’ ,b=b’とすると、補正後の偏向角度α’とβ’は
α’=tan-1(tanα・cosθ/(1−tanα・sinθ)) …(4)
β’=tan-1(tanα・cosθ/(1+tanα・sinθ)) …(5)
となりα’,β’を決めることができる。
図2は、従来の傾斜倍率補正で補正した走査時間に対する偏向量のグラフである。例として、水平時の偏向点から試料までの距離L=10mmとする。試料水平時の偏向角度はα,βとも0°〜10°の範囲とする。走査時間0秒のときαが最大(10°)、走査時間10秒のとき偏向角度0°、走査時間20秒のときβが最大(10°)となるように電子線を走査する。この水平試料上での電子線偏向量は破線で示すようになる。
次に、試料の傾斜角度θ=70°の場合を考える。従来の補正ではα及びβを制限し、傾斜試料上での偏向量を水平試料上での偏向量に近づける。従来の方式での補正結果を実線で示す。この例では、α及びβを0°〜3.5に制限している。すなわち、走査時間0秒のときαが最大(3.5°)、走査時間10秒のとき偏向角度0°、走査時間20秒のときβが最大(3.5°)となるように電子線を走査している。破線と実線を比較すると、αが最大のときには、傾斜試料上での偏向量が水平試料上での偏向量を大きく上回り、βが最大の時にはこの関係が逆転する。このため、上端と下端で大きく歪んでいる画像になる。αとβの偏向角度範囲が等しい限り、これ以上の補正はできない。
図3は、本発明での傾斜倍率補正で補正した走査時間に対する偏向量のグラフである。この例では、式(4)(5)からα’,β’を算出し、α’を0°〜4.14°、βを0°〜2.96°に制限している。すなわち、走査時間0秒のときαが最大(4.14°)、走査時間10秒のとき偏向角度0°、走査時間20秒のときβが最大(2.96°)となるように電子線を走査している。その結果、傾斜試料上での偏向量が水平試料上での偏向量と一致する。このように、α,βの偏向角度範囲に独立に制限を加えることにより、傾斜試料上での偏向量と水平試料上での偏向量を一致させることが出来る。
図4に従来の補正に用いられる偏向回路構成図を、図5に従来の補正のY偏向波形を示す。従来の補正はα=βなので、特に傾斜補正回路を設けずに、Y偏向(傾斜方向の偏向)の振り幅を小さくするだけで補正を行っている。このため。Y偏向波形は図5に示すような、のこぎり波形になる。
図6に本発明の補正を可能にした偏向回路構成図を示し、図7に本発明の補正によるY偏向波形を示す。本発明の補正では偏向角度α,βを異なる値にするため、Y偏向波形を従来ののこぎり波ではなく、図7に実線で示すような曲線の波形とする。試料傾斜角θと試料水平時の偏向角度α,β(α=β)から、式(4)(5)により補正後の偏向角度α’,β’を求める。このため、偏向回路内にステージ11の傾斜角を検出するステージ傾斜角検出センサー12と傾斜補正回路13を追加する。ステージ傾斜角検出センサー12としては、例えばエンコーダやポテンショメータを用いることができる。補正前のY偏向コイル波形を傾斜補正回路13の演算回路14に入れ、ここでtanαの形に変換する。またステージの傾斜角を傾斜角検出センサー12で検出し、CPU16を経由して傾斜補正回路13に入力し、演算回路15で先に算出したtanαと合わせ、式(4)及び式(5)によって補正後のα’及びβ’を算出する。α’はY偏向コイル電流と比例関係にあるのでその値に係数を掛け、Y偏向コイルに電流を流す。このようにして、図7の補正後の波形を得ることが出来る。
図8は電子線走査領域に関して補正なしの偏向状態を示す説明図、図9は電子線走査領域に対して台形補正をした後の偏向状態を示す説明図である。図8に示すように、低倍率観察において試料面が水平の場合には試料上の電子線走査領域17は長方形になるが、傾斜試料上では傾斜方向に垂直なX方向に走査範囲が伸び、試料上の電子線走査領域18は台形になる。これは、図9に示すように試料傾斜角θ及び傾斜試料方向の偏向量に応じてX偏向量を変化させて傾斜試料上で電子線走査領域19が長方形になるようにすることで補正できる。その結果、図9に示すように、傾斜試料上での走査領域19が長方形のとき、水平面での走査領域20は台形となる。
例えば、αxを試料水平時のX方向の偏向角度、偏向量をX0(=2Ltanαx)とすると、試料をθだけ傾斜したときのX方向の偏向量Xは、X=2(L+a’sinθ)tanαxとなる(a’はY方向の傾斜時の偏向量、(2)式参照)。補正後のX方向の変更角度をα’xとすると、2(L+a’sinθ)tanα’x=X0より、α’x=tan-1(X0/2(L+a’sinθ))となり、試料傾斜角度θ及びY偏向量α’に対するX方向の補正後の変更角度が求まり、台形補正ができる。
試料水平時に焦点を合わせ、その後試料を傾斜する場合、傾斜する回転軸では焦点が合っているが、それ以外は試料面が傾斜することで焦点距離と試料面が異なる位置にくることから焦点が合わなくなる。これは試料面の傾斜角度によって対物レンズの励磁電流を変化させ補正することができる。傾斜試料面において対物レンズの励磁電流を変化させることで発生する湾曲した歪は電子線の走査方向を、偏向コイルにより焦点補正に伴って発生する回転歪と逆に回転させることにより補正することができる。これらすべての方法により補正することで、試料傾斜時の像を試料水平時の像に補正して表示させることができる。
試料傾斜角度を検知する手段及び試料の傾斜軸に対する電気的な駆動装置を備えると、試料傾斜角度を自動的に検知し、上記の方法を適用して傾斜補正を自動的に行うことができる。
次に、別の実施例として、図10を参照して画像処理による補正方法について説明する。ここでは、試料傾斜方向と同一方向の補正を例に説明する。
例えばL=10mm、θ=45°、偏向角度αを0°から10°で偏向させる場合を計算すると、(1)式より試料水平時の最大偏向量aは約1.8mmであるが、(2)式より試料傾斜時の最大偏向量a’は約3mmである。同様に偏向角度βを0°から10°で偏向させるとき、試料水平時の最大偏向量bは約1.8mmであるが、(3)式より試料傾斜時の最大偏向量b’は約2.1mmである。このように試料傾斜時には試料水平時に比べ電子線偏向量が大きくなるため、像の倍率は低くなる。これを画像処理部36において、以下のような処理で補正する。
上記のように試料水平時の最大偏向量は1.8mmであるが、試料傾斜時には最大偏向量が3mm及び2.1mmであるから、図10(a)に示すように、試料傾斜時の像21は試料水平時に比べ広い範囲が表示される。補正を行うには、図10(b)に示すように、まず試料傾斜時の像21から最大偏向量a’=1.8mm、b’=1.8mmに相当する範囲を切り取る。切り取る範囲は、偏向量を画像上の座標に換算することで容易に決定することができる。例えば、本例の場合には、1画面20秒とすると、(2)式にθ=45゜、a’=1.8mmを代入し、αを算出すると、α=6.5゜となる。α=6.5゜となる時間は走査開始から3.5秒である。画素数を480とすると、480×(3.5/20)から切り取る座標を得ることができる。
切り取った試料傾斜時の像22は試料水平時の像と視野範囲が等しくなる。しかし像の縦横比は異なったままであり、縦に縮んだ像となっているため、次に像の縦横比を補正する。切り取った試料傾斜時の像22は、偏向角度αに換算すると0°〜6.5°、βに換算すると0°〜8.3°に相当する範囲である。α=0°〜6.5°の範囲の偏向量比(a’/a)を算出するとおよそ1.4〜1.6であるから、この範囲の画像を1.4〜1.6倍に縦に引き伸ばすように処理する。この処理は例えばαの範囲によって、0°≦α<2°の範囲を1.4倍、2°≦α<5°の範囲を1.5倍、5°<αの範囲を1.6倍にそれぞれ引き伸ばす方法を採ることができる。精度を向上させるためαの範囲と引き伸ばし倍率をさらに細かく区切っても良い。
偏向角度βに相当する範囲についても同様の処理を実施することにより、図10(c)に示すように、縦横比を補正した試料傾斜時の像23を得ることができる。
上記例は、試料傾斜方向についての補正例であり、本発明中の台形補正と組み合わせて用いれば試料傾斜方向と垂直な方向についても補正できるので、試料傾斜状態の像を試料水平状態の像に補正することができる。
また、試料傾斜方向と垂直な方向に対しても同様に幾何学的な関係から試料水平時及び試料傾斜時の偏向量を算出し、画像処理によって補正することができる。必要に応じて指定された任意の傾斜角度に補正することも可能である。
例えば、上記台形補正の方法によって、補正後のX方向の偏向角度α’x及び偏向量Xが求まる。α’xは、1画面の画素数と走査時間、走査開始してから偏向角度がα’xになるまでの時間から、上述のようにして画面上の座標に換算できる。また、偏向量XとX0の比から、X/X0だけ画像をX方向に引き伸ばす処理を行うことによって補正できる。
上記いずれの方法によっても、偏向支点から試料までの距離L、及び試料傾斜角度θ、倍率から偏向量を算出し、補正が可能である。このため、試料傾斜時の像とともにこれらの情報を記録しておけば、記録した画像に対しても必要なときに随時補正することができる。
本発明による走査電子顕微鏡の構成例を示す説明図。 従来の傾斜倍率補正で補正した走査時間に対する偏向量のグラフ。 本発明での傾斜倍率補正で補正した走査時間に対する偏向量のグラフ。 従来の偏向回路構成図。 従来の補正によるY偏向波形図。 本発明の偏向回路構成図。 本発明の補正によるY偏向波形図。 補正無しの偏向状態の説明図。 台形補正時の偏向状態の説明図。 画像処理による補正方法の説明図。
符号の説明
1…電子線源
2…電子線
3…偏向レンズ
4…対物レンズ
5…試料
6…偏向支点
31…偏向回路
32…対物レンズ電源
33…ステージ駆動部
34…検出器
35…表示部
36…画像処理部
37…記録部
38…制御部

Claims (7)

  1. 電子線源と、
    前記電子線源から発生された電子線を試料上に収束させるための対物レンズと、
    前記電子線を試料上で走査させるための電子線偏向手段と、
    試料を電子線照射方向に対して傾斜させる試料傾斜手段と、
    傾斜した試料上における試料傾斜方向の電子線偏向範囲が試料水平時の試料上における電子線偏向範囲と同じになるように、試料傾斜方向の電子線偏向角度を、電子線偏向角度0°の電子線の位置からみて一方の偏向角度とその反対側の偏向角度を単位時間当たり異なる角度で変化させる手段と、
    傾斜した試料上における電子線走査領域が矩形となるように、試料傾斜方向と垂直方向の電子線偏向量を、試料傾斜角度及び試料傾斜方向の偏向量に応じて変化させる手段とを備え、
    試料傾斜時の像を試料水平時の像に補正して表示させることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  2. 請求項1記載の走査電子顕微鏡において、試料傾斜時の傾斜方向に発生する焦点ズレを補正する手段と、前記焦点ズレに補正に伴って生じる湾曲歪を補正する手段を備え、試料傾斜時に試料面の全体に焦点が合っている像を表示させることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  3. 請求項1又は2記載の走査電子顕微鏡において、試料傾斜角度を検知する手段を備え、検知した試料傾斜角度に応じて試料傾斜時の像を試料水平時の像に補正して表示させることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の走査電子顕微鏡において、前記試料傾斜手段は電気的な駆動手段を備えることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  5. 電子線源と、
    前記電子線源から発生された電子線を試料上に収束させるための対物レンズと、
    前記電子線を試料上で走査させるための電子線偏向手段と、
    試料を電子線照射方向に対して傾斜させる試料傾斜手段と、
    画像処理手段とを備え、
    前記画像処理手段は、試料の傾斜角度及び偏向支点と試料傾斜中心間の距離に基づいて、試料傾斜時の像を試料水平時の像に補正して表示させることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  6. 請求項5記載の走査電子顕微鏡において、試料傾斜角度を検知する手段を備え、前記画像処理手段は、前記試料の傾斜角度として前記手段によって検知した試料傾斜角度を用いることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  7. 請求項5又は6記載の走査電子顕微鏡において、試料像を記録する記録手段を有し、前記記録手段に試料像を記録する際に、試料の傾斜角度及び電子線の偏向支点と試料傾斜中心間の距離を像の付帯情報として記録することを特徴とする走査電子顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013217898A (ja) * 2012-03-16 2013-10-24 Hitachi High-Tech Science Corp 試料作製装置及び試料作製方法

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