JP2009036970A - カバーガラス、スライドガラス、プレパラート、観察方法、及び顕微鏡装置 - Google Patents

カバーガラス、スライドガラス、プレパラート、観察方法、及び顕微鏡装置 Download PDF

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Abstract

【課題】顕微鏡装置によって取得された二次元画像同士の位置関係を良好に調整できるプレパラートを提供する。
【解決手段】プレパラートは、異なるタイミングで取得される第1の画像と第2の画像との位置関係を調整するためのマークを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、顕微鏡装置によって画像を取得するためのカバーガラス、スライドガラス、プレパラート、顕微鏡装置を用いる観察方法、及び顕微鏡装置に関する。
顕微鏡装置は、対物レンズ等を含む光学系を備えており、カバーガラスとスライドガラスとを有するプレパラートは、光学系を介して観察される。例えばプレパラートの試料の三次元画像を構築するために、光学系の光軸方向に関して光学系の焦点位置とプレパラートとの位置関係を変化させつつ、プレパラートの二次元画像を複数回取得し、それら取得した二次元画像を合成することによって、三次元画像を構築することが行われている。下記特許文献1には、顕微鏡装置を用いてプレパラートの三次元画像を構築する技術の一例が開示されている。
特開2006−308709号公報
二次元画像同士を合成する際、それら二次元画像同士の位置関係が所望状態にないと、三次元画像を良好に構築することができなくなる可能性がある。また、二次元画像を合成することによって、動画を構築する場合においても、それら二次元画像同士の位置関係が所望状態にないと、動画を良好に構築することができなくなる可能性がある。そのため、二次元画像同士の位置関係を良好に調整できる技術の案出が望まれる。
本発明は、顕微鏡装置によって取得された二次元画像同士の位置関係を良好に調整できるカバーガラスを提供することを目的とする。また本発明は、顕微鏡装置によって取得された二次元画像同士の位置関係を良好に調整できるスライドガラスを提供することを目的とする。また本発明は、顕微鏡装置によって取得された二次元画像同士の位置関係を良好に調整できるプレパラートを提供することを目的とする。また本発明は、二次元画像同士の位置関係を良好に調整できる顕微鏡装置を用いた観察方法を提供することを目的とする。また本発明は、二次元画像同士の位置関係を良好に調整できる顕微鏡装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明を例示する各態様として実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明を例示する第1の態様に従えば、二次元の画像を取得する顕微鏡装置(21)に使用されるカバーガラスであって、異なるタイミングで取得される第1の画像と第2の画像との位置関係を調整するためのマーク(10)を備えたカバーガラス(3)が提供される。
本発明を例示する第1の態様によれば、二次元画像同士の位置関係を良好に調整できる。
本発明を例示する第2の態様に従えば、二次元の画像を取得する顕微鏡装置(21)に使用されるスライドガラスであって、異なるタイミングで取得される第1の画像と第2の画像との位置関係を調整するためのマーク(10)を備えたスライドガラス(2)が提供される。
本発明を例示する第2の態様によれば、二次元画像同士の位置関係を良好に調整できる。
本発明を例示する第3の態様に従えば、顕微鏡装置によって二次元の画像が取得されるプレパラートであって、異なるタイミングで取得される第1の画像と第2の画像との位置関係を調整するためのマーク(10)を備えたプレパラート(1)が提供される。
本発明を例示する第3の態様によれば、二次元画像同士の位置関係を良好に調整できる。
本発明を例示する第4の態様に従えば、プレパラートを顕微鏡装置(21)を用いて観察する観察方法であって、上記態様のプレパラート(1)を観察する観察方法が提供される。
本発明を例示する第4の態様によれば、二次元画像同士の位置関係を良好に調整できる。
本発明を例示する第5の態様に従えば、マーク(10)が形成されたプレパラート(1)を顕微鏡装置(21)を用いて観察する観察方法であって、顕微鏡装置(21)を用いて、マーク(10)を含むプレパラート(1)の二次元の画像を異なるタイミングで少なくとも2回取得することと、取得されたプレパラート(1)の第1の画像と第2の画像との位置関係をマーク(10)を用いて調整することと、を含む観察方法が提供される。
本発明を例示する第5の態様によれば、二次元画像同士の位置関係を良好に調整できる。
本発明を例示する第6の態様に従えば、マーク(10)が形成されたプレパラート(1)を観察する顕微鏡装置であって、マーク(10)を含むプレパラート(1)の二次元の画像を異なるタイミングで少なくとも2回取得する撮像装置(29)と、取得されたプレパラート(1)の第1の画像と第2の画像との位置関係をマーク(10)を用いて調整し、第1の画像と第2の画像とを合成する画像処理装置(22)と、を備えた顕微鏡装置(20)が提供される。
本発明を例示する第6の態様によれば、二次元画像同士の位置関係を良好に調整できる。
本発明によれば、二次元画像同士を合成する際、二次元画像同士の位置関係を良好に調整できる。したがって、プレパラートの画像情報を良好に取得することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら例示的に説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るプレパラート1の一例を示す斜視図である。プレパラート1は、顕微鏡装置で観察するための試料Sを含む。図1において、プレパラート1は、試料Sが載せられたスライドガラス2と、スライドガラス2上の試料Sを覆うカバーガラス3とを含む。
スライドガラス2は、プレート状の部材であり、表面4及び裏面5を有する。カバーガラス3は、プレート状の部材であり、表面6及び裏面7を有する。本実施形態においては、試料Sは、スライドガラス2の表面4に載せられており、スライドガラス2の表面4とカバーガラス3の裏面7とが対向するように配置されている。すなわち、試料Sは、スライドガラス2の表面4とカバーガラス3の裏面7との間に配置されている。
以下の説明において、スライドガラス2の表面4及びカバーガラス3の表面6を合わせて適宜、プレパラート1の表面8、と称する。本実施形態においては、プレパラート1の表面8が、XY平面と平行である場合を例にして説明する。また、本実施形態においては、カバーガラス3がスライドガラス2の+Z側(上側)に配置されている場合を例にして説明する。また、本実施形態においては、スライドガラス2の表面4及びカバーガラス3の表面6を含むプレパラート1の表面8は、+Z側を向いている。
プレパラート1は、所定間隔で配置された複数のマーク10を有する。マーク10は、プレパラート1の表面8と平行なXY平面内において、所定間隔でプレパラート1上に複数配置されている。本実施形態においては、マーク10は、カバーガラス3の表面6に配置されている。
本実施形態においては、顕微鏡装置によって、プレパラート1の二次元画像が取得される。本実施形態において、二次元画像は、XY平面と平行な画像である。また、本実施形態においては、顕微鏡装置は、異なるタイミングで、少なくとも2回、プレパラート1の画像情報を取得する。プレパラート1に形成されているマーク10は、異なるタイミングで取得される第1の画像と第2の画像との位置関係を調整するためのマークである。具体的には、マーク10は、XY平面内における第1の画像と第2の画像との位置関係を調整するためのマークである。本実施形態においては、マーク10を用いて、X軸、Y軸、及びθZ方向に関する第1の画像と第2の画像との位置関係が調整される。
本実施形態においては、マーク10は、プレパラート1の表面8と平行なXY平面内において、4ヵ所に配置されている。本実施形態においては、マーク10のそれぞれは、XY平面内において十字状である。なお、マーク10の形状は、例えば三角形、四角形等の多角形でもよい。あるいは、マーク10が、バーコードパターンのようなラインアンドスペースパターンでもよい。
また、本実施形態においては、マーク10は、試料Sの周囲に配置されている。プレパラート1の表面8と平行なXY平面内において、試料Sとマーク10とが重ならないように配置されている。
本実施形態のマーク10は、所定波長領域の光(励起光)が照射されたときに、蛍光を発する蛍光物質で形成されている。蛍光物質とは、所定波長領域の光(励起光)を吸収し、それにより励起された状態(励起状態)から元の状態(基底状態)に戻る際に光(蛍光)としてエネルギーを放出する特性を有する物質である。一般に、蛍光物質が発する蛍光の波長は、励起光の波長よりも長い。
なお、蛍光物質としては、例えば、GFP(Green Fluorescent Protein)と呼ばれる蛍光タンパク質等、従来のものを用いることができる。
次に、本実施形態に係る顕微鏡システム20について説明する。図2は、本実施形態に係る顕微鏡システム20の一例を示す図である。図2において、顕微鏡システム20は、プレパラート1の試料Sを観察する顕微鏡装置21と、顕微鏡装置21の動作を制御する制御装置22と、制御装置22に接続された表示装置23と、制御装置22に接続された入力装置24とを備えている。制御装置22は、コンピュータシステムを含む。表示装置23は、例えば液晶ディスプレイのようなフラットパネルディスプレイを含む。入力装置24は、例えばキーボード、マウス等を含む。
顕微鏡装置21は、光源装置25と、対物レンズ26等を含む光学システム27と、プレパラート1を支持しながら移動可能なステージ28と、プレパラート1から発生する光を受光する受光素子29とを備えている。
本実施形態において、光源装置25は、レーザ装置を含み、所定波長のレーザ光を射出する。本実施形態において、受光素子29は、例えば光電子増倍管(PMT:フォトマルチプライヤ)を含む。なお、受光素子29が、CCD(charge coupled device)等の撮像素子を含んでいてもよい。
ステージ28は、対物レンズ26と対向する位置を含む所定領域内をプレパラート1を支持しながら移動可能である。プレパラート1は、そのプレパラート1の表面8が対物レンズ26と対向するように、ステージ28に支持される。本実施形態においては、ステージ28は、プレパラート1を支持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
光学システム27は、光源装置25から射出された光を集光する第1集光光学系31と、プレパラート1からの光を集光する第2集光光学系32とを備えている。第1集光光学系31は、光源装置25から射出された光を、プレパラート1上に集光可能である。第2集光光学系32は、プレパラート1からの光を、受光素子29の近傍に配置されているプレート部材33の開口34に集光可能である。ここで、以下の説明において、開口34を適宜、ピンホール34、と称し、プレート部材33を適宜、ピンホール部材33、と称する。
本実施形態の顕微鏡装置21は、プレパラート1を所定波長領域の励起光で照明して、プレパラート1から発生する蛍光を観察する蛍光顕微鏡を含む。本実施形態においては、プレパラート1の試料Sには、蛍光観察用の処理が予め施されており、プレパラート1の蛍光物質に励起光が照射されることによって、その蛍光物質から蛍光が発生する。
また、上述したように、本実施形態においては、マーク10も蛍光物質で形成されており、マーク10に励起光が照射されることによって、そのマーク10から蛍光が発生する。
本実施形態において、第1集光光学系31は、光源装置25から射出された光を用いて、所定波長領域の励起光で、ステージ28に支持されているプレパラート1を照明する。励起光が照射されることによって、プレパラート1から発生した光(蛍光)は、第2集光光学系32によって、受光素子29に導かれる。
第1集光光学系31は、光源装置25から射出された光を集光する第1集光レンズ35と、第1集光レンズ35で集光された光が入射する第1フィルタ36と、第1フィルタ36を透過した光を反射する分離光学素子37と、分離光学素子37で反射された光が入射する走査光学系38と、走査光学系38からの光が入射する対物レンズ26とを含む。
第1集光光学系31の第1集光レンズ35は、光源装置25から射出された光を集光する。第1集光レンズ35で集光された光は、第1フィルタ36に入射する。
第1フィルタ36は、光源装置25からの光のうち、一部の波長領域の光をカットして、蛍光物質の励起に必要な所定波長領域の光(励起光)を抽出する波長選択光学素子である。すなわち、第1フィルタ36は、所定波長領域の光(励起光)のみを透過させ、他の波長領域の光を透過させないバンドパスフィルタを含む。第1集光レンズ35で集光され、第1フィルタ36を透過した所定波長領域の光(励起光)は、分離光学素子37に入射する。
本実施形態において、分離光学素子37は、ダイクロイックミラーを含む。ダイクロイックミラー(分離光学素子)37は、励起光と蛍光とを分離可能である。本実施形態において、ダイクロイックミラー37は、第1フィルタ36を透過した所定波長領域の光(励起光)を反射し、所定波長領域以外の光(蛍光)を透過する。第1フィルタ36を透過した所定波長領域の光(励起光)は、ダイクロイックミラー37で反射する。
ダイクロイックミラー37で反射した光は、走査光学系38を介して、対物レンズ26に入射する。対物レンズ26は、ステージ28に支持されているプレパラート1の表面8と対向可能である。本実施形態において、対物レンズ26の光軸AXは、Z軸と平行である。
対物レンズ26は、走査光学系38からの光を集光して、プレパラート1に照射する。本実施形態においては、対物レンズ26は、プレパラート1の+Z側(上方)に配置されている。ダイクロイックミラー37からの励起光は、走査光学系38及び対物レンズ26を介して、プレパラート1の上方より、プレパラート1に照射される。
対物レンズ26を含む第1集光光学系31は、光源装置25から射出された光を集光可能である。第1集光光学系31は、光源装置25から射出された光を用いて、集光点(スポット)C1を形成可能である。本実施形態において、第1集光光学系31は、集光点C1をプレパラート1上に形成可能である。
第1集光光学系31は、励起光によって、プレパラート1上に集光点C1を形成する。励起光が照射されることによって、第1集光光学系31によって形成されたプレパラート1上の集光点C1から、蛍光が発生する。
第2集光光学系32は、プレパラート1からの光(蛍光)を集光する対物レンズ26と、対物レンズ26を透過した光が入射する走査光学系38と、走査光学系38からの光を透過する分離光学素子37と、分離光学素子37を透過した光が入射する第2フィルタ39と、第2フィルタ39を透過した光を集光する第2集光レンズ40とを含む。ピンホール部材33のピンホール34は、第2集光レンズ40から射出される光が入射可能な位置に配置されている。ピンホール部材33は、第2集光レンズ40と受光素子29との間に配置されている。第2集光レンズ40から射出され、ピンホール部材33のピンホール34を通過した光は、受光素子29に入射可能である。
プレパラート1から発生した蛍光は、対物レンズ26及び走査光学系38を介して、ダイクロイックミラー37に入射する。ダイクロイックミラー37に入射した蛍光は、ダイクロイックミラー37を透過する。ダイクロイックミラー37を透過した蛍光は、第2フィルタ39に入射する。
第2フィルタ39は、プレパラート1からの蛍光と、蛍光以外の波長の不要な光(散乱光等)とを分離して、蛍光のみを抽出する波長選択光学素子である。すなわち、第2フィルタ39は、蛍光のみを透過させ、他の波長領域の光を透過させないバンドパスフィルタを含む。第2フィルタ39を透過した蛍光は、第2集光レンズ40に入射する。
第2集光レンズ40を含む第2集光光学系32は、プレパラート1から発生した光を集光可能である。第2集光光学系32は、プレパラート1から発生した光を用いて、集光点(スポット)C2を形成可能である。本実施形態において、第2集光光学系32は、集光点C2をピンホール部材33のピンホール34に形成可能である。
すなわち、本実施形態においては、第2集光光学系32の集光点C2には、ピンホール部材33のピンホール34が配置されており、第2集光光学系32は、蛍光によって、ピンホール34に集光点C2を形成する。
ピンホール34を通過した光は、受光素子29に入射する。受光素子29は、入射する光(蛍光)の強度に応じた信号を出力する。受光素子29と制御装置22とは、ケーブルを介して接続されており、受光素子29から出力される信号は、ケーブルを介して、制御装置22に出力される。
走査光学系38は、例えばガルバノミラーを含む。ガルバノミラーは、駆動装置41によって駆動される。ガルバノミラーが駆動されることによって、第1集光光学系31によって形成されるプレパラート1上の集光点C1が、二次元方向(XY方向)に移動する。プレパラート1上の集光点C1から発生する光(蛍光)は、第2集光光学系32を介して、受光素子29に入射する。受光素子29は、入射される光の強度に応じた信号を、制御装置22に出力する。
制御装置22は、駆動装置41を用いて走査光学系38を駆動して、第1集光光学系31の集光点C1をプレパラート1に対してXY方向に関して移動しつつ、そのプレパラート1から発生する光(蛍光)を受光素子29で検出する。制御装置22は、受光素子29が出力する信号の変化に基づいて、XY平面内におけるプレパラート1の各点から発生した蛍光の強度分布を求め、その求めた結果に基づいて、プレパラート1の二次元画像を構築する。また、制御装置22は、受光素子29を用いて取得したプレパラート1の二次元画像を、表示装置23を用いて表示する。表示装置23は、受光素子29を用いて取得したプレパラート1の二次元画像を拡大して表示することができる。
本実施形態においては、光源装置25の射出部25Aは、点光源を形成し、その光源装置25の射出部25Aとプレパラート1(集光点C1)とは、第1集光光学系31に関して光学的に共役な位置関係にある。これにより、光源装置25の射出部25Aから射出された光(励起光)は、プレパラート1上に集光される。
また、本実施形態においては、プレパラート1(集光点C1)とピンホール34とは、第2集光光学系32に関して光学的に共役な位置関係にある。これにより、プレパラート1の集光点C1から発生した光(蛍光)は、ピンホール34に集光される。
このように、本実施形態の顕微鏡装置21は、光源装置25の射出部25Aとピンホール34とが第1、第2集光光学系31、32に関して光学的に共役な位置関係にある共焦点顕微鏡(共焦点レーザ顕微鏡)を含む。これにより、光源装置25の射出部25Aから射出された光は、ピンホール34に集光される。
共焦点顕微鏡によれば、プレパラート1上の集光点C1から発生する光(蛍光)が受光素子29に入射し、不要な散乱光等が受光素子29に入射することが抑制される。これにより、プレパラート1からの蛍光(あるいは反射光)を良好に検出することができ、高いコントラストの画像を取得することができる。
次に、上述の構成を有する顕微鏡システム20を用いて、プレパラート1の試料Sを観察する方法について説明する。本実施形態の観察方法は、図3のフローチャートに示すように、マーク10を含むプレパラート1の二次元画像を第1のタイミングで取得する処理(ステップSA1)と、マーク10を含むプレパラート1の二次元画像を第2のタイミングで取得する処理(ステップSA2)と、ステップSA1で取得されたプレパラート1の二次元画像と、ステップSA2で取得されたプレパラート1の二次元画像とを合成する処理(ステップSA3)とを含む。
なお、図1を参照して説明したように、本実施形態においては、試料Sとマーク10とが重ならないように、プレパラート1が作成される。また、プレパラート1の試料Sには、蛍光観察用の処理が予め施される。
ここで、以下の説明においては、ステップSA1で取得されたプレパラート1の二次元画像を適宜、第1の画像、と称し、ステップSA2で取得されたプレパラート1の二次元画像を適宜、第2の画像、と称する。
本実施形態においては、一例として、試料Sは、液体とその液体中を移動する微生物等の移動体Mとを含み、第1の画像と第2の画像とを合成することによって、移動体Mが動く様子を示す動画を構築する場合を例にして説明する。
まず、プレパラート1がステージ28に支持される。プレパラート1がステージ28に支持されると、制御装置22は、第1の画像を取得するために、駆動装置41を用いて走査光学系38を駆動して、第1集光光学系31の集光点C1をプレパラート1に対してXY方向に関して移動しつつ、そのプレパラート1から発生する光(蛍光)を受光素子29で検出する。制御装置22は、受光素子29が出力する信号の変化に基づいて、XY平面内におけるプレパラート1の各点から発生した蛍光の強度分布を求め、その求めた結果に基づいて、プレパラート1の第1の画像を構築する(ステップSA1)。制御装置22は、取得した第1の画像を、所定の記憶装置に記憶する。
図4(A)は、取得された第1の画像の一例を示す模式図である。本実施形態において、第1の画像は、マーク10を含む。すなわち、本実施形態においては、複数のマーク10のそれぞれが含まれるように、第1集光光学系31の集光点C1とプレパラート1とを相対的に移動して、マーク10及び試料Sのそれぞれを含むように、プレパラート1の第1の画像を取得する。
第1の画像を取得した後、制御装置22は、第2の画像を取得するために、駆動装置41を用いて走査光学系38を駆動して、第1集光光学系31の集光点C1をプレパラート1に対してXY方向に関して移動しつつ、そのプレパラート1から発生する光(蛍光)を受光素子29で検出する。制御装置22は、受光素子29が出力する信号の変化に基づいて、XY平面内におけるプレパラート1の各点から発生した蛍光の強度分布を求め、その求めた結果に基づいて、プレパラート1の第2の画像を構築する(ステップSA2)。制御装置22は、取得した第2の画像を、所定の記憶装置に記憶する。
ステップSA1における画像取得対象のプレパラート1と、ステップSA2における画像取得対象のプレパラート1とは同じであり、制御装置22は、ステップSA2において、ステップSA1と同様の処理を実行して、プレパラート1の第2の画像を取得する。
図4(B)は、取得された第2の画像の一例を示す模式図である。第1の画像と同様、第2の画像は、マーク10を含む。制御装置22は、複数のマーク10のそれぞれが含まれるように、第1集光光学系31の集光点C1とプレパラート1とを相対的に移動して、マーク10及び試料Sのそれぞれを含むように、プレパラート1の第2の画像を取得する。
第1の画像を取得する処理、及び第2の画像を取得する処理を実行した後、制御装置22は、第1の画像と第2の画像とを合成する処理を実行する(ステップSA3)。本実施形態においては、制御装置22は、第1の画像と第2の画像とを重ね合わせる。
制御装置22は、第1の画像と第2の画像とを重ね合わせる際、第1の画像と第2の画像との位置関係を、マーク10を用いて調整する。本実施形態においては、第1の画像に含まれるマーク10と、第2の画像に含まれるマーク10とが一致するように、第1の画像と第2の画像とが位置合わせされる。これにより、図5に示すような、第1の画像と第2の画像とを合成したプレパラート1の合成画像が構築される。合成画像により、試料S中の移動体(微生物)Mが動く様子を把握することができる。
なお、ここでは、説明を簡単にするために、プレパラート1の画像を取得する処理が2回実行される場合を例にして説明したが、もちろん、プレパラート1の画像を取得する処理は、2回に限られず、3回以上の所定回数実行可能である。すなわち、顕微鏡装置21は、異なるタイミングで複数回、プレパラート1の画像情報を取得可能である。異なるタイミングで取得された複数の画像を合成する際、制御装置22は、各画像に含まれるマーク10を用いて、各画像同士を合成する。
以上説明したように、本実施形態によれば、プレパラート1に、異なるタイミングで取得される第1の画像と第2の画像との位置関係を調整するためのマーク(アライメントマーク)10を設けたので、第1の画像と第2の画像とを合成する際、それら画像同士の位置関係を所望状態にすることができる。したがって、動画(例えば、時間経過とともに試料S中の移動体(微生物)Mが動く様子)等の合成画像を良好に構築することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上述の第1実施形態においては、異なるタイミングで取得した複数の画像を合成して、動画を構築する場合を例にして説明したが、第2実施形態の特徴的な部分は、異なるタイミングで取得した複数の画像を合成して、三次元画像を構築する点にある。本実施形態においては、プレパラート1の第1の画像と第2の画像とは、対物レンズ26の光軸AXと平行なZ軸方向において異なる位置で取得された二次元画像である。
図6の模式図に示すように、制御装置22は、ステージ28のZ軸方向の位置を調整して、第1集光光学系31の集光点C1(焦点面)と、Z軸方向に関するプレパラート1(試料S)の第1高さ部分H1とを一致させる。そして、制御装置22は、プレパラート1のZ軸方向の位置を維持した状態で、第1の画像を取得するために、駆動装置41を用いて走査光学系38を駆動して、第1集光光学系31の集光点C1をプレパラート1に対してXY方向に関して移動しつつ、そのプレパラート1から発生する光(蛍光)を受光素子29で検出する。制御装置22は、受光素子29が出力する信号の変化に基づいて、XY平面内におけるプレパラート1の各点から発生した蛍光の強度分布を求め、その求めた結果に基づいて、プレパラート1の第1の画像を構築する。制御装置22は、複数のマーク10のそれぞれが含まれるように、第1集光光学系31の集光点C1とプレパラート1とをXY方向に相対的に移動して、マーク10及び試料Sのそれぞれを含むように、プレパラート1の第1の画像を取得する。制御装置22は、取得した第1の画像を、所定の記憶装置に記憶する。
第1の画像を取得した後、制御装置22は、ステージ28のZ軸方向の位置を変化させ、第1集光光学系31の集光点C1(焦点面)と、Z軸方向に関するプレパラート1の第2高さ部分H2とを一致させる。そして、制御装置22は、プレパラート1のZ軸方向の位置を維持した状態で、第2の画像を取得するために、駆動装置41を用いて走査光学系38を駆動して、第1集光光学系31の集光点C1をプレパラート1に対してXY方向に関して移動しつつ、そのプレパラート1から発生する光(蛍光)を受光素子29で検出する。制御装置22は、受光素子29が出力する信号の変化に基づいて、XY平面内におけるプレパラート1の各点から発生した蛍光の強度分布を求め、その求めた結果に基づいて、プレパラート1の第2の画像を構築する。制御装置22は、複数のマーク10のそれぞれが含まれるように、第1集光光学系31の集光点C1とプレパラート1とをXY方向に相対的に移動して、マーク10及び試料Sのそれぞれを含むように、プレパラート1の第2の画像を取得する。制御装置22は、取得した第2の画像を、所定の記憶装置に記憶する。
第1の画像を取得する処理、及び第2の画像を取得する処理を実行した後、制御装置22は、第1の画像と第2の画像とを合成する処理を実行する。制御装置22は、第1の画像と第2の画像との位置関係を、マーク10を用いて調整しつつ、第1の画像と第2の画像とを重ね合わせる。制御装置22は、第1の画像に含まれるマーク10と、第2の画像に含まれるマーク10とが一致するように、第1の画像と第2の画像とを位置合わせする。これにより、第1の画像と第2の画像とを合成したプレパラート1の三次元画像が構築される。
なお、本実施形態においては、第1の画像及び第2の画像を取得するためにステージ28(プレパラート1)をZ軸方向に移動した場合でも、集光光学系の焦点深度内にマーク10が配置されるように、集光光学系の光学特性が調整されており、第1の画像と第2の画像とを、マーク10を用いて良好に位置合わせすることができる。
なお、本実施形態においては、説明を簡単にするために、プレパラート1の画像を取得する処理が2回実行される場合を例にして説明したが、もちろん、プレパラート1の画像を取得する処理は、2回に限られず、3回以上の所定回数実行可能である。合成する画像の数を多くすることによって、試料Sの三次元画像を良好に構築することができる。
なお、上述の第1、第2実施形態においては、マーク10がカバーガラス3の表面6に形成されている場合を例にして説明したが、カバーガラス3の裏面7に形成されていてもよい。また、マーク10は、スライドガラス2の表面4に形成されていてもよいし、スライドガラス2の裏面5に形成されていてもよい。なお、集光光学系の焦点深度が浅い場合等、Z軸方向に関してマーク10と試料Sとが近い位置に配置されているほうが望ましい場合には、マーク10は、カバーガラス3の裏面7、あるいはスライドガラス2の表面4に配置されていることが望ましい。
また、上述の第1、第2実施形態においては、マーク10が蛍光物質で形成されている場合を例にして説明したが、蛍光物質以外の材料(例えばクロム等)で形成されていてもよい。
また、マーク10が、カバーガラス3あるいはスライドガラス2に形成された凹部(刻印)等であってもよい。
なお、上述の第1、第2実施形態においては、マーク10が4ヵ所に配置されている場合を例にして説明したが、少なくとも2ヵ所に配置されることによって、そのマークを用いて、X軸、Y軸、及びθZ方向に関して画像同士を良好に位置合わせすることができる。
なお、上述の各実施形態においては、顕微鏡装置21が、共焦点レーザ顕微鏡である場合を例して説明したが、顕微鏡装置21が二光子顕微鏡(多光子顕微鏡)であってもよい。
なお、上述の各実施形態においては、顕微鏡装置21が、共焦点レーザ顕微鏡であり、走査光学系38を用いて、プレパラートに対して集光点C1を移動する場合を例にして説明したが、顕微鏡装置21が、光学顕微鏡であってもよい。その場合、対物レンズに対して、プレパラートを支持したステージをXY方向に移動することによって、プレパラートの二次元画像を取得することができる。また、対物レンズの視野内に、プレパラート上の複数のマークが同時に配置可能である場合には、対物レンズに対してプレパラートを移動することなく、マーク及び試料を含むプレパラートの二次元画像を取得することができる。
第1実施形態に係るプレパラートを示す斜視図である。 第1実施形態に係る顕微鏡システムの一例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る観察方法の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る観察方法の一例を説明するための模式図である。 第1実施形態に係る観察方法の一例を説明するための模式図である。 第2実施形態に係る顕微鏡システムの動作の一例を説明するための模式図である。
符号の説明
1…プレパラート、10…マーク、20…顕微鏡システム、21…顕微鏡装置、22…制御装置、28…ステージ、29…受光素子、31…第1集光光学系、32…第2集光光学系、41…駆動装置、C1…集光点、C2…集光点、S…試料

Claims (11)

  1. 二次元の画像を取得する顕微鏡装置に使用されるカバーガラスであって、
    異なるタイミングで取得される第1の画像と第2の画像との位置関係を調整するためのマークを備えたカバーガラス。
  2. 前記二次元平面内において、試料と前記マークとが重ならないように配置されている請求項1記載のカバーガラス。
  3. 前記顕微鏡装置の集光光学系の集光点に対して前記二次元方向に関して相対的に移動されつつ、前記画像が取得される請求項1又は2記載のカバーガラス。
  4. 二次元の画像を取得する顕微鏡装置に使用されるスライドガラスであって、
    異なるタイミングで取得される第1の画像と第2の画像との位置関係を調整するためのマークを備えたスライドガラス。
  5. 顕微鏡装置によって二次元の画像が取得されるプレパラートであって、
    異なるタイミングで取得される第1の画像と第2の画像との位置関係を調整するためのマークを備えたプレパラート。
  6. 顕微鏡装置を用いた試料の観察方法であって、
    請求項1〜3のいずれか一項記載のカバーガラスを用いる観察方法。
  7. 顕微鏡装置を用いた試料の観察方法であって、
    請求項4記載のスライドガラスを用いる観察方法。
  8. プレパラートを顕微鏡装置を用いて観察する観察方法であって、
    請求項5記載のプレパラートを観察する観察方法。
  9. マークが形成されたプレパラートを顕微鏡装置を用いて観察する観察方法であって、
    前記顕微鏡装置を用いて、前記マークを含む前記プレパラートの二次元の画像を異なるタイミングで少なくとも2回取得することと、
    前記取得された前記プレパラートの第1の画像と第2の画像との位置関係を前記マークを用いて調整することと、を含む観察方法。
  10. マークが形成されたプレパラートを観察する顕微鏡装置であって、
    前記マークを含む前記プレパラートの二次元の画像を異なるタイミングで少なくとも2回取得する撮像装置と、
    前記取得された前記プレパラートの第1の画像と第2の画像との位置関係を前記マークを用いて調整し、前記第1の画像と前記第2の画像とを合成する画像処理装置と、を備えた顕微鏡装置。
  11. 前記プレパラート上に集光点を形成可能な集光光学系と、
    前記集光光学系の集光点と前記プレパラートとを前記二次元方向に関して相対的に移動する移動装置を備え、
    前記集光点と前記プレパラートとを相対的に移動しつつ、前記画像を取得する請求項10記載の顕微鏡装置。
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