JP2009036517A - ヘッドモーショントラッカ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 3個以上の光学マーカー4と、第一カメラ2aと第二カメラ2bとを有するカメラ装置2と、第一画像及び第二画像に基づいて、カメラ装置2に対する少なくとも3個の光学マーカー4の現在位置である光学マーカー位置情報を算出する光学マーカー位置情報算出部23と、搭乗者3が搭乗する移動体30に対する搭乗者3の頭部の現在位置及び現在角度を含む相対頭部情報を算出する相対頭部情報算出部22とを備えるヘッドモーショントラッカ装置1であって、3個以上の光学マーカー4は、移動体30の内面上に取り付けられ、カメラ装置2は、搭乗者3の頭部に装着されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
しかしながら、救難飛行艇等の飛行体30では、第一カメラ2a及び第二カメラを設置することができる位置に制限があり、その結果、第一カメラ2aにより撮影される撮影領域と第二カメラにより撮影される撮影領域とが重なった撮影領域も広範囲に設定することができず制限されることになっていた。
そこで、本発明は、カメラ装置の設置に制限がある飛行体等の移動体に対して、搭乗者の頭部に装着される頭部装着型表示装置付ヘルメット等の移動範囲が大きくても、移動体に対する搭乗者の頭部の現在位置や現在角度を広範囲で特定することができるヘッドモーショントラッカ装置を提供することを目的とする。
本発明のMT装置によれば、3個以上の光学マーカーは、移動体に取り付けられる。このとき、光学マーカーは、小型でありかつ取り付けが容易であるため、設置することができる位置に制限もなく、移動体の内面上のあらゆる所に取り付けられる。一方、第一カメラと第二カメラとを有するカメラ装置は、搭乗者の頭部に装着される。そして、搭乗者の頭部に装着された第一カメラは、光学マーカーを撮影することにより第一画像を作成する。また、搭乗者の頭部に装着された第二カメラは、第一カメラが撮影すると同時に第一カメラと異なる方向から光学マーカーを撮影することにより第二画像を作成する。これにより、光学マーカー位置情報算出部は、第一画像と第二画像とに基づいて三角測量の原理を用いて、カメラ装置に対する少なくとも3個の光学マーカーの現在位置である光学マーカー位置情報を算出する。このとき、3個以上の光学マーカーは、移動体の内面上のあらゆる所に取り付けられているので、第一カメラにより撮影される撮影領域と、第二カメラにより撮影される撮影領域とが重なった撮影領域に、少なくとも3個の同一の光学マーカーが必ず存在することになる。そして、相対頭部情報算出部は、光学マーカー位置情報を用いて、搭乗者が搭乗する移動体に対する搭乗者の頭部の現在位置及び現在角度を含む相対頭部情報を算出する。
また、上記の発明において、前記3個以上の光学マーカーは、前記移動体の内面上に、前記カメラ装置に設定されている撮影領域より広い範囲となるように取り付けられているようにしてもよい。
本発明のHMT装置によれば、光学マーカーは、制限を受けることなくあらゆる所に設置することができるため、移動体の内面上の広範囲にわたって設置されることができる。これにより、搭乗者の頭部に装着される頭部装着型表示装置付ヘルメット等の移動範囲が大きくても、第一カメラにより撮影される撮影領域と、第二カメラにより撮影される撮影領域とが重なった撮影領域に、少なくとも3個の同一の光学マーカーが存在するように確実にできる。
さらに、上記の発明において、前記第一カメラ及び第二カメラは、CCDカメラであるようにしてもよい。
本発明のHMT装置によれば、CCDカメラは軽量であるため、搭乗者の頭部に負担をかけることがないようにすることができる。
HMT装置1は、パイロット3の頭部に装着される頭部装着型表示装置付ヘルメット10と、搭乗体30の内面上に取り付けられたLED群(光学マーカー群)4と、コンピュータにより構成される制御部20とから構成される。
搭乗体30は、パイロット3が搭乗する飛行体のコックピットであり、パイロット3が着席する座席30aを備える。
ここで、相対座標系(XYZ座標系)は、原点及び各座標軸の方向を任意に定めることができるが、本実施形態では図2に示すように、原点をLED4aの位置とし、前方方向をX’軸方向とし、前方方向に垂直方向をY’軸方向とし、X’軸方向及びY’軸方向に垂直方向をZ’軸方向とするように定義するように、後述するデータ記憶部42に設定されている。また、相対座標系(XYZ座標系)上での複数個のLED4a〜4mの位置関係(初期データ)も、データ記憶部42に記憶されている。
カメラ装置2は、第一カメラ2aと第二カメラ2bとからなる。第一カメラ2aと第二カメラ2bとは、撮影方向が異なるとともに、立体視が可能な一定の距離(d1)を隔てるように頭部装着型表示装置付ヘルメット10に固定されている。なお、第一カメラ2aと第二カメラ2bとしては、例えば、CCDカメラ等が挙げられる。
ここで、図3に示すように、カメラ装置2に対するLED4aの位置は、第一カメラ2aと第二カメラ2bとに撮影された第一画像と第二画像中に映し出されているLED4aの位置を抽出し、さらに第一カメラ2aからの方向角度(α)と第二カメラ2bからの方向角度(β)とを抽出し、第一カメラ2aと第二カメラ2bとの間の距離(d1)を用いることにより、三角測量の手法で算出することができる。他の光学マーカーであるLED4b〜4mのカメラ装置2に対する位置についても、同様に算出される。
よって、上述したように三角測量の手法で算出することにより、LED4a〜4mの位置座標は、ヘルメット座標系(X’Y’Z’座標系)を用いて表現する。そして、カメラ装置2に対する少なくとも3個のLEDの位置座標が特定されれば、初期データを参照することで、LED4a〜4mが位置決めされて取り付けられている相対座標系(XYZ座標系)に対するヘルメット座標系(X’Y’Z’座標系)の位置(Xh、Yh、Zh)及び角度(Θh、Φh、Ψh)が表現できるようになる。なお、角度(Θh)は、ロール方向(X軸に対する回転)の角度であり、角度(Φh)は、エレベーション方向(Y軸に対する回転)の角度であり、角度(Ψh)は、アジマス方向(Z軸に対する回転)の角度である。また、頭部装着型表示装置付ヘルメット10の位置(Xh、Yh、Zh)は、ヘルメット座標系(X’Y’Z’座標系)の原点の現在の位置座標で表現することとする。
第一カメラ2aには、使用されている低歪レンズや広角レンズ等により撮影できる撮影領域の大きさと形状とが定められる。例えば、第一カメラ2aの撮影領域の形状は、第一カメラ2aを頂点とする円錐となっている。また、第二カメラ2bにも、第一カメラ2aと同様に、使用されている低歪レンズや広角レンズ等により撮影できる撮影領域の大きさと形状とが定められる。そして、第二カメラ2bの撮影領域の形状も第二カメラ2bを頂点とする円錐となっている。
ヘルメット座標系(X’Y’Z’座標系)におけるLED4aの位置座標を表現するためには、三角測量の原理を用いるので、第一カメラ2aにより撮影される撮影領域と、第二カメラ2bにより撮影される撮影領域とが重なった領域に、LED4aが存在していなければならない。つまり、ヘルメット座標系(X’Y’Z’座標系)に対するLED4aの位置座標を表現することができるのは、第一カメラ2aにより撮影される撮影領域と第二カメラ2bにより撮影される撮影領域とが重なった撮影領域となるヘルメット座標系(X’Y’Z’座標系)の特定範囲Sとなる。
したがって、LED4aが特定範囲S内に存在しなければ、第一カメラ2aや第二カメラ2bに撮影されずに、カメラ座標系(X’’Y’’Z’’座標系)に対するLED4aの位置座標を表現することができなくなる。他の光学マーカーであるLED4b〜4mのヘルメット座標系(X’Y’Z’座標系)に対する位置座標を表現する場合についても、同様となる。
そこで、本実施形態では、LEDは、設置することができる位置に制限もなく、搭乗体30の内面上のあらゆる所に取り付けられているので、特定範囲Sに少なくとも3個の同一のLEDが存在することになるようになっている。すなわち、搭乗体30に対して頭部装着型表示装置付ヘルメット10の移動範囲が大きくても、特定範囲Sに少なくとも3個の同一のLEDが存在するので、搭乗体30に対するパイロット3の頭部の現在位置や現在角度を広範囲で特定することができるようになっている。
また、メモリ41には、制御部20が処理を実行するために必要な種々のデータを蓄積する領域が形成してあり、ヘルメット座標系(X’Y’Z’座標系)を記憶するヘルメット座標記憶部43と、相対座標系(XYZ座標系)を記憶するデータ記憶部42とを有する。
なお、データ記憶部42は、相対座標系(XYZ座標系)を記憶し、さらに、XYZ座標系上での複数個のLED4a〜4mの位置関係(初期データ)も記憶している。
光学マーカー位置情報算出部23は、第一画像と第二画像とに基づいて、カメラ装置2(ヘルメット座標系)に対する少なくとも3個のLEDの現在位置である光学マーカー位置情報を算出する制御を行うものである。
具体的には、特定範囲SにLED4aが存在していれば、LED4aのカメラ装置2に対する位置は、第一カメラ2aと第二カメラ2bとに撮影された第一画像と第二画像中に映し出されているLED7aの位置を抽出し、さらに第一カメラ2aからの方向角度(α)と第二カメラ2bからの方向角度(β)とを抽出し、第一カメラ2aと第二カメラ2bとの間の距離(d1)を用いることにより、三角測量の手法で算出する。このように、特定範囲Sに存在している少なくとも3個のLEDのカメラ装置2に対する位置について算出する。
具体的には、カメラ装置2に対する少なくとも3個のLEDの位置座標である光学マーカー位置情報と、データ記憶部44に記憶されている初期データとを比較することにより、LED4a〜4mが位置決めされて取り付けられている相対座標系(XYZ座標系)に対するヘルメット座標系(X’Y’Z’座標系)の位置(Xh、Yh、Zh)及び角度(Θh、Φh、Ψh)を算出する。
以上のように、HMT装置1によれば、カメラ装置2の設置に制限がある搭乗体30に対して、パイロット3の頭部に装着される頭部装着型表示装置付ヘルメット10の移動範囲が大きくても、第一カメラ2aにより撮影される撮影領域と、第二カメラ2bにより撮影される撮影領域とが重なった特定範囲Sに、少なくとも3個の同一のLEDが存在するので、パイロット3が搭乗する搭乗体30に対するパイロット3の頭部の現在位置(Xh、Yh、Zh)及び現在角度(Θh、Φh、Ψh)を広範囲で特定することができる。
(1)上述したHMT装置1では、LED群4は互いに異なる波長の赤外光を出射する構成としたが、LED群は互いに同じ波長の赤外光を出射するような構成としてもよい。
このときには、例えば、時間t1のLEDのそれぞれの位置として記憶するとともに、記憶された各LEDの位置を中心とする一定の大きさの球状である予想移動範囲をそれぞれ設定することにより、時間t2に、予想移動範囲に存在するLEDを、時間t1に設定された予想移動範囲に対応するLEDと同一のものであると識別するようにすればよい。
2 カメラ装置
2a 第一カメラ
2b 第二カメラ
3 パイロット(搭乗者)
4、7 LED(光学マーカー)
10 頭部装着型表示装置付ヘルメット
22 相対頭部情報算出部
23 光学マーカー位置情報算出部
30 搭乗体(移動体)
Claims (3)
- 3個以上の光学マーカーと、
前記光学マーカーを撮影することにより第一画像を作成する第一カメラと、前記第一カメラが撮影すると同時に第一カメラと異なる方向から光学マーカーを撮影することにより第二画像を作成する第二カメラとを有するカメラ装置と、
前記第一画像及び第二画像に基づいて、前記カメラ装置に対する少なくとも3個の光学マーカーの現在位置である光学マーカー位置情報を算出する光学マーカー位置情報算出部と、
前記光学マーカー位置情報に基づいて、搭乗者が搭乗する移動体に対する搭乗者の頭部の現在位置及び現在角度を含む相対頭部情報を算出する相対頭部情報算出部とを備えるヘッドモーショントラッカ装置であって、
前記3個以上の光学マーカーは、前記移動体の内面上に取り付けられるとともに、
前記カメラ装置は、前記搭乗者の頭部に装着されることを特徴とするヘッドモーショントラッカ装置。 - 前記3個以上の光学マーカーは、前記移動体の内面上に、前記カメラ装置に設定されている撮影領域より広い範囲となるように取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドモーショントラッカ装置。
- 前記第一カメラ及び第二カメラは、CCDカメラであることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドモーショントラッカ装置。
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