JP2009036144A - 2サイクル内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 掃気ポートや排気可変動弁機構を必要としない比較的簡素な構造の2サイクル内燃機関でありながら、吸気弁の閉時期の可変制御によるスロットルレス化等を図る。
【解決手段】 ピストン下死点近傍の掃気期間に、吸気通路を開閉する吸気弁と排気通路を開閉する排気弁の双方を開くことによりシリンダ内の掃気が行われる(2)→(3)。部分負荷時には、吸気弁の閉時期を排気弁の閉時期以降に遅角させて、吸気弁のみが開く吹き戻し期間を設け、吸気の吹き戻しにより吸気量を抑制するとともに、幾何学的な圧縮比を高めて、燃焼安定性を確保する(3)→(4)。
【選択図】 図9

Description

本発明は、2ストローク1サイクルの、いわゆる2サイクル内燃機関(2ストローク内燃機関とも呼ぶ)の改良に関する。
4サイクルの内燃機関においては、吸気弁閉時期(IVC)を制御する技術は良く知られている。例えば特許文献1には、吸気弁開時期をほぼ一定としつつ、吸気弁閉時期を負荷によって変化させ、ポンプ損失の低減を図る技術が記載されている。また、非特許文献1には、吸気弁閉時期の可変制御として、吸入行程の後半に行う第一の方式と、吸入行程終了後の圧縮行程の前半で行う第二の方式とが記載されている。しかしながら、2サイクル内燃機関の場合、ピストンやクランクシャフトによって掃気ポートを開閉する形式のものが多く、吸気弁を有する構成そのものがあまり存在しない。
2サイクル内燃機関における部分負荷域の燃焼安定性と燃費向上を図る技術として、本出願人は以前に特許文献2を提案している。このものでは、シリンダブロックに掃気ポートが形成されるとともにシリンダヘッドに排気弁が設けられたユニフロー式の2サイクル内燃機関において、開閉時期を可変制御可能な吸気制御弁を追加するとともに、排気弁のリフト特性を変更可能な排気可変動弁機構を設け、部分負荷域では排気弁を閉じるタイミングで吸気制御弁を開くようにしている。
特開昭55−87835号公報 特開2006−183481号公報 自動車技術会 学術講演会前刷集 942 1994−5 No.9433515
しかしながら、上記特許文献2のものでは、吸気系に掃気ポートに加えて吸気制御弁を追加するとともに、排気可変動弁機構を設けるなど、燃焼室周りの構造が複雑化するという課題があった。本発明は、掃気ポートや排気可変動弁機構を必要としない比較的簡素な構造の2サイクル内燃機関でありながら、吸気弁の可変動弁手段によって吸気量を制御することで、スロットルレス化を図り、ポンプ損失を軽減することを主たる目的としている。
ピストン下死点近傍の掃気期間に、吸気通路を開閉する吸気弁と排気通路を開閉する排気弁の双方を開くことによりシリンダ内の掃気が行われ、かつ、上記排気弁のバルブリフト特性が固定された2サイクル内燃機関であって、吸気弁の閉時期を可変とする可変動弁手段を有し、少なくとも部分負荷時には、吸気弁の閉時期を排気弁の閉時期以降に遅角させることを特徴としている。
本発明によれば、掃気ポートや排気可変動弁機構を必要としない比較的簡素な構造の2サイクル内燃機関でありながら、吸気弁の可変動弁手段により部分負荷域では吸気弁閉時期を排気弁閉時期よりも遅角することにより、掃気期間の後に吸気弁のみが開く吹き戻し期間を設けることで、残留ガスの増加を招くことなく吸入空気量を適切に抑制し、スロットルレス化によるポンプ損失の低減化を図ることができる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る2ストローク1サイクルの内燃機関の吸気系のシステム構成を示している。なお、図1は、一つの気筒に着目してその概略を模式的に示したものである。
シリンダブロック18に形成されたシリンダ19内にはピストン8が昇降可能に配置されており、シリンダブロック18上に固定されるシリンダヘッド20には、吸気弁21によって開閉される吸気通路25の一部をなす吸気ポート22と、排気弁23によって開閉される排気通路の一部をなす排気ポート24と、が各シリンダ19毎に形成されている。なお、この2サイクル内燃機関では、シリンダブロック18にピストン8によって開閉される掃気ポートは形成されておらず、上記の吸気弁21が一般的な2サイクル機関の掃気弁として機能する。吸気ポート22に接続された吸気通路25には、吸気コレクタ26の上流側に機械式の過給機27が配置されている。この過給機27は、周知の2葉式のルーツブロアであり、簡単に説明すると、回転駆動される2つのロータ27A,27Bとケーシング27Cの間の空間に封じ込めた吸気を移動させながら圧縮して燃焼室28へ送り込むものである。また、この内燃機関は、筒内直接噴射式の火花点火ガソリンエンジンであり、燃焼室28内には混合気の火花点火を行う点火プラグ(図示省略)の他に、燃焼室28内へ直接燃料を噴射する燃料噴射弁29が設けられている。
図2は、この内燃機関の制御システムを示している。この内燃機関は、吸気弁の開閉時期を可変制御するための可変動弁装置(可変動弁手段)31と、内燃機関の幾何学的な圧縮比(ピストン上死点と下死点のシリンダ内の容積比)を可変制御する可変圧縮比機構(可変圧縮比手段)32と、点火時期を制御する点火進角制御装置33と、を備えている。
図3は、上記可変動弁装置31の構成を示す構成説明図であり、この可変動弁装置31は、吸気弁21のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可変機構34と、そのリフトの中心角の位相(クランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構35と、が組み合わされて構成されている。
まず、リフト・作動角可変機構34を説明する。なお、このリフト・作動角可変機構34は、本出願人が先に提案したものであるが、位相可変機構35とともに特開2002−89303号公報や特開2002−89341号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。リフト・作動角可変機構34は、シリンダヘッド上部の図示せぬカムブラケットに回転自在に支持された中空状の駆動軸36と、この駆動軸36に、圧入等により固定された偏心カム37と、上記駆動軸36の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されるとともに駆動軸36と平行に配置された制御軸38と、この制御軸38の偏心カム部39に揺動自在に支持されたロッカアーム40と、各吸気弁21の上端部に配置されたタペット42に当接し、自身の揺動動作に応じて吸気弁21を開閉する揺動カム43と、を備えている。上記偏心カム37とロッカアーム40とはリング状リンク44によって連係されており、ロッカアーム40と揺動カム43とは、ロッド状リンク45によって連係されている。
上記駆動軸36は、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動される。上記偏心カム37は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸36の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、リング状リンク44の環状部44aが回転可能に嵌合している。上記ロッカアーム40は、略中央部が上記偏心カム部39によって支持されており、その一端部に、上記リング状リンク44の延長部44bが連結されているとともに、他端部に、上記ロッド状リンク45の上端部が連結されている。上記偏心カム部39は、制御軸38の軸心から偏心しており、従って、制御軸38の角度位置に応じてロッカアーム40の揺動中心は変化する。
上記揺動カム43は、駆動軸36の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部に、上記ロッド状リンク45の下端部が連結されている。この揺動カム43の下面には、駆動軸36と同心状の円弧をなす基円面と、該基円面から上記端部へと所定の曲線を描いて延びるカム面と、が連続して形成されており、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム43の揺動位置に応じてタペット42の上面に当接するようになっている。すなわち、上記基円面はベースサークル区間として、リフト量が0となる区間であり、揺動カム43が揺動してカム面がタペット42に接触すると、徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
上記制御軸38は、図2や図3に示すように、一端部に設けられた油圧式のリフト・作動角可変アクチュエータ46によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角可変アクチュエータ46への供給油圧は、エンジンコントロールユニット30からの制御信号に基づき、第1油圧制御部47によって制御されている。
このリフト・作動角可変機構34の作用を説明すると、駆動軸36が回転すると、偏心カム37のカム作用によってリング状リンク44がほぼ上下動し、これに伴ってロッカアーム40が揺動する。このロッカアーム40の揺動は、ロッド状リンク45を介して揺動カム43へ伝達され、該揺動カム43が揺動する。この揺動カム43のカム作用によって、タペット42が押圧され、吸気弁21がリフトする。ここで、リフト・作動角可変アクチュエータ46を介して制御軸38の角度が変化すると、ロッカアーム40の初期位置が変化し、ひいては揺動カム43の初期揺動位置が変化する。上記の偏心カム部39の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性は、図4に示すように、連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させることができる。なお、この実施例では、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁21の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。
再び図3を参照して、位相可変機構35は、上記駆動軸36の前端部に設けられたスプロケット48と、このスプロケット48と上記駆動軸36とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる油圧式の位相可変アクチュエータ49と、から構成されている。上記スプロケット48は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動している。上記位相可変アクチュエータ49への供給油圧は、エンジンコントロールユニット30からの制御信号に基づき、第2油圧制御部50によって制御されている。この位相可変アクチュエータ49への油圧制御によって、スプロケット48と駆動軸36とが相対的に回転し、リフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続的に得ることができる。位相可変機構35としては、油圧式のものに限られず、電磁式アクチュエータを利用したものなど、種々の構成が可能である。
このようにリフト・作動角可変機構34と位相可変機構35とを組み合わせた可変動弁装置31によれば、吸気弁開時期および吸気弁閉時期の双方をそれぞれ独立して任意に制御することが可能であり、つまり後述するように吸気弁開時期を略一定としつつ吸気弁閉時期を遅角・進角させることができる。なお、リフト・作動角可変機構34ならびに位相可変機構35の制御としては、実際のリフト・作動角あるいは位相を検出するセンサを設けて、クローズドループ制御するようにしても良く、あるいは運転条件に応じて単にオープンループ制御するようにしても良い。
図5は、上記可変圧縮比機構32の構成を示す構成説明図である。この機構32は、ロアリンク4とアッパリンク5とコントロールリンク10とを主体とした複リンク式ピストン−クランク機構から構成されている。クランクシャフト1は、複数のジャーナル部2とクランクピン3とを備えており、シリンダブロック18の主軸受に、ジャーナル部2が回転自在に支持されている。上記クランクピン3は、ジャーナル部2から所定量偏心しており、ここにロアリンク4が回転自在に取り付けられている。カウンタウェイト15は、ジャーナル部2とクランクピン3とを接続するクランクウェブ16からクランクピン3とは反対側へ延びている。このカウンタウェイト15は、クランクピン3を挟んで両側に互いに対向するように設けられており、その外周部は、ジャーナル部2を中心とした円弧形に形成されている。
上記ロアリンク4は、左右の2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央の連結孔に上記クランクピン3が嵌合している。アッパリンク5は、下端側が第1連結ピン6によりロアリンク4の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン7によりピストン8に回動可能に連結されている。上記ピストン8は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック18のシリンダ19内を往復動する。ロアリンク4の運動を拘束するコントロールリンク10は、上端側が第2連結ピン11によりロアリンク4の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸12を介して機関本体の一部となるシリンダブロック18の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸12は、回転可能に機関本体に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部12aを有し、この偏心カム部12aに上記コントロールリンク10下端部が回転可能に嵌合している。
上記制御軸12は、上記のエンジンコントロールユニット30からの制御信号に基づいて作動する圧縮比可変アクチュエータ51によって回動位置が制御される。上記のような複リンク式ピストン−クランク機構を用いた可変圧縮比機構32においては、上記制御軸12が圧縮比可変アクチュエータ51によって回動されると、偏心カム部12aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク10の下端の揺動支持位置が変化する。そして、上記コントロールリンク10の揺動支持位置が変化すると、ピストン8の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン8の位置が高くなったり低くなったりする。これにより、幾何学的な圧縮比を変えることが可能となる。
また、上記の複リンク式可変圧縮比機構においては、リンクディメンジョンを適切に選定することにより、単振動に近いピストンストローク特性が得られる。これによりピストン加速度が平滑化され、ピストン上死点付近での最大慣性力を大幅に低減することができる。
なお、ガソリンエンジンにおいては、ノッキングの発生を防止するために、燃焼室のノッキングの発生を検出するノックセンサを設け、ノッキングの検出頻度または検出レベルが所定値以上になった条件では、点火時期の遅角制御とあわせて、幾何学的な圧縮比を低下させることにより、ノッキングの発生を効果的に抑制することができる。
図6は、高負荷時と部分負荷域である低負荷時とにおける吸・排気弁のリフト特性を示している。排気弁23には可変動弁機構は設けられておらず、排気弁の開閉時期は機関運転条件にかかわらず常に一定である。つまり、排気弁開時期はピストン下死点(BDC)前に設定され、排気弁閉時期はピストン下死点後に設定されている。また、機関負荷状況にかかわらず、ピストン下死点の近傍に吸気弁と排気弁の双方が開弁する掃気期間T1が設けられており、この掃気期間T1にシリンダ内(燃焼室内)の掃気が行われる。
そして図6に示すように、低負荷時には吸気弁の作動角を大幅に拡大するとともに中心位相を下死点後に遅角することで、吸気弁閉時期を排気弁閉時期よりも大幅に遅角させている。具体的には、ピストン上昇行程である圧縮行程の半ばまで吸気弁を開いており、上記の掃気期間T1の後に所定の吐き戻し期間T2を設けている。図7は、この低負荷(部分負荷)時における吸・排気弁の作動を示している。掃気期間(2)では、吸気ポート22から供給される新気により燃焼ガスが排気ポート24へ掃気され、続く吐き戻し期間(3)では、ピストン8の上昇に伴って掃気後にシリンダ19内の吸気を吸気ポート22へ吐き戻すことにより、残留ガスの増加を招くことなく、またスロットル弁等により吸気を絞ることなく、負荷の低下に応じて吸気量を抑制することができ、スロットルレス化によるポンプ損失(スロットル損失)の低減を図ることができる。
図8〜10は吸気弁の開閉時期と筒内圧特性を示す説明図である。図8は低負荷等の部分負荷域で高圧縮比化を行わない比較例の特性を示し、図9は部分負荷域で高圧縮比化を行う本実施例の特性を示している。また、図10は本実施例に係る高負荷域での特性を示している。
図8を参照して、ピストン下降行程(膨張行程)の末期に先ず排気弁が開弁し、ブローダウンによる排気の排出が開始する(1)→(2)。その後、吸気弁が開き、過給機27により加圧された新気がシリンダ内へ入り、掃気が行なわれる(2)→(3)。排気弁が閉じた後も吸気弁は開きつづけ、圧縮行程の半ばで閉じるまで、シリンダ内の吸気が吸気ポートへ吹き戻される(3)→(4)。その後、燃料が噴射されてシリンダ内に混合気が形成され(5)→(6)、上死点近傍で火花点火することで燃焼が開始し、ピストンが下降する膨張行程において膨張仕事が取り出される(6)→(1)。
但し、上述したように吸気弁の閉時期を下死点よりも大幅に遅角すると、実際に有効な圧縮ストロークが短くなって実圧縮比が非常に低いものとなるために、圧縮後の圧力が低く、図8の比較例のように高圧縮比化を行わないものでは着火・燃焼安定性を確保することが困難である。そこで本実施例のような可変圧縮比機構との組み合わせが有効となる。すなわち本実施例では、図11に示すように、吸気弁閉時期に応じて幾何学的な圧縮比を制御しており、具体的には吸気弁閉時期を遅角するほど幾何学的な圧縮比を高くしている。つまり、機関負荷が低くなるほど、吸気弁閉時期を遅角するとともに、幾何学的な圧縮比を高くしている。
図9は、低負荷域に可変圧縮比制御により高圧縮比化を行なった本実施例の筒内圧力特性を示す。同図に示すように本実施例では、図8の比較例に比して、圧縮後の圧力が十分に高くなり、良好な燃焼安定性を確保することができるとともに、燃焼後の膨張比が拡大することから、有効に膨張仕事を取り出すことができる。
図10は本実施例における高負荷時の特性を示している。図9の低負荷時(部分負荷時)に比して、幾何学的な圧縮比は低く設定され、かつ、吸気弁の閉時期を排気弁閉時期の直後に大幅に進角させており、掃気が終わる時期に合わせて速やか吸気弁が閉じるようになっている。但し、筒内の新気が排気側に流出することのないように、排気弁よりは後に吸気弁を閉じるようにしている。
本発明の一実施例に係る2ストローク内燃機関の吸気系システムを簡略的に示す構成図。 本実施例の可変圧縮比機構と吸気系の可変動弁装置を示す構成図。 本実施例のリフト・作動角可変機構を示す斜視図。 上記リフト・作動角可変機構によるリフト・作動角の特性変化を示す特性図。 上記可変圧縮比機構を示す断面図。 低負荷(部分負荷)時と高負荷時の吸・排気弁の開閉特性を示す特性図。 低負荷(部分負荷)時における吸・排気弁の作動状況を示す説明図。 低負荷(部分負荷)時に高圧縮比化を行わない比較例に係る吸・排気弁の作動特性と筒内圧特性とを示す説明図。 低負荷(部分負荷)時に高圧縮比化を行う本実施例に係る吸・排気弁の作動特性と筒内圧特性とを示す説明図。 本実施例に係る高負荷時の吸・排気弁の作動特性と筒内圧特性とを示す説明図。 本実施例に係る吸気弁閉時期に対応した幾何学的な圧縮比の設定を示す特性図。
符号の説明
8…ピストン
19…シリンダ
21…吸気弁
22…吸気ポート
23…排気弁
24…排気ポート(排気通路)
28…燃焼室
31…可変動弁装置(可変動弁手段)
32…可変圧縮比機構(可変圧縮比手段)
34…リフト・作動角可変機構
35…位相可変機構

Claims (11)

  1. ピストン下死点近傍の掃気期間に、吸気通路を開閉する吸気弁と排気通路を開閉する排気弁の双方を開くことによりシリンダ内の掃気が行われ、かつ、上記排気弁のバルブリフト特性が固定された2サイクル内燃機関であって、
    吸気弁の閉時期を可変とする可変動弁手段を有し、少なくとも部分負荷時には、吸気弁の閉時期を排気弁の閉時期以降に遅角させることを特徴とする2サイクル内燃機関。
  2. 機関負荷が低くなるほど吸気弁閉時期を遅角させることを特徴とする請求項1に記載の2サイクル内燃機関。
  3. 幾何学的な圧縮比を可変とする可変圧縮比手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の2サイクル内燃機関。
  4. 低負荷時には高圧縮比,高負荷時には低圧縮比となるように、機関負荷条件に応じて幾何学的な圧縮比を可変制御することを特徴とする請求項3に記載の2サイクル内燃機関。
  5. 吸気弁の閉時期を遅角するほど幾何学的な圧縮比が高くなるように、吸気弁閉時期に応じて幾何学的な圧縮比を可変制御することを特徴とする請求項3又は4に記載の2サイクル内燃機関。
  6. 上記可変圧縮比手段が、ピストンピンを介してピストンに連結される第1リンクと、第1リンクに揺動可能に連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に装着された第2リンクと、一端が第2リンクに連結され、他端がシリンダブロックに揺動可能に支持される第3リンクと、この第3リンクの他端の支持位置を変更することによって、幾何学的な圧縮比を可変とする圧縮比可変アクチュエータと、を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の2サイクル内燃機関。
  7. 燃焼室内に点火プラグと燃料噴射弁とを備えた筒内直接噴射型の火花点火内燃機関であって、上記吸気弁閉時期以降に燃料を燃焼室内へ噴射することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の2サイクル内燃機関。
  8. 吸気弁開時期を排気弁開時期後でかつピストン下死点前としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の2サイクル内燃機関。
  9. 高負荷域では吸気弁閉時期を排気弁閉時期の直後としたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の2サイクル内燃機関。
  10. 吸気を過給する過給機を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の2サイクル内燃機関。
  11. 上記可変動弁手段が、吸気弁のリフト・作動角を可変とするリフト・作動角可変機構と、吸気弁の作動角の中心位相を可変とする位相可変機構と、を有し、
    上記リフト・作動角可変機構が、揺動動作に応じて吸気弁を開閉する揺動カムと、クランクシャフトにより回転駆動される駆動軸と、この駆動軸に偏心して設けられた偏心カムと、制御軸と、この制御軸に偏心して設けられた制御カムと、この制御カムに回転可能に取り付けられるロッカアームと、このロッカアームの一端と偏心カムとを連結するリング状リンクと、上記ロッカアームの他端と揺動カムとを連結するロッド状リンクと、上記制御軸の回転位置を変更・保持することにより、吸気弁のリフト・作動角を可変とするリフト・作動角可変アクチュエータと、を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の2サイクル内燃機関。
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