JP2009036028A - 車両用エンジンのプリイグニッション検出装置 - Google Patents
車両用エンジンのプリイグニッション検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009036028A JP2009036028A JP2007198531A JP2007198531A JP2009036028A JP 2009036028 A JP2009036028 A JP 2009036028A JP 2007198531 A JP2007198531 A JP 2007198531A JP 2007198531 A JP2007198531 A JP 2007198531A JP 2009036028 A JP2009036028 A JP 2009036028A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ignition
- ion current
- discharge
- plug
- spark plug
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
- Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【解決手段】点火プラグ7と、点火回路8と、点火プラグの点火放電時期を制御するPCM30と、イオン電流を検出するイオン電流検出回路8dと、イオン電流に基づいてプリイグニッションの発生を検出するPCM30と、を備え、PCM30は、点火プラグ7による点火放電前にイオン電流検出回路8dがイオン電流を検出したとき、点火回路8による点火プラグ7の点火放電を中止又は遅延させるように構成され、PCM30は、点火プラグ7による点火放電の中止又は遅延期間中に、イオン電流に基づいて、プリイグニッション強度を検出する。
【選択図】図5
Description
特許文献1に記載の内燃機関の点火回路では、点火コイルの二次巻線の一端側に点火プラグが接続され、二次巻線の他端側にコンデンサとイオン電流検出回路が接続されている。この構成により、点火回路のイオン電流検出回路は、気筒内のイオン状態に応じて、コンデンサから放電される電荷によるイオン電流を検出することができる。
特に、プリイグニッションが発生し易い環境にある高圧縮比タイプのエンジンにおいて、点火放電時期が上死点以降に設定されるような場合、プリイグニッションの発生又はその前兆状態に起因してイオン電流のピーク発生時期が進角すると、点火放電期間に接近又は重なってしまい、イオン電流のピーク発生時期の検出精度が低下してしまう。
すなわち、点火プラグの点火放電前にイオン電流が検出されることは、プリイグニッションが発生して燃焼室内のイオン濃度が上昇したことを意味する。そして、プリイグニッションの発生を検出した場合には、点火放電を中止又は遅延させることにより、イオン電流検出ウインドウを拡大することができる。これにより、プリイグニッションによるイオン電流の検出を確実に行うことができ、プリイグニッションが例えばシリンダ内圧力の上昇や衝撃音の発生等によってエンジンに及ぼす悪影響の程度を精度よく判定することが可能となる。
このように構成された本発明によれば、排気行程で点火放電させることにより、イオン電流検出ウインドウを通常の点火放電時期から排気行程までの長期間にわたって確保することができる。
このように構成された本発明によれば、イオン電流のピーク発生時期又はピーク値に応じて容易にプリイグニッションの作用の大きさを検出することができる。
図1は車両用エンジンの構成を表す図、図2は点火回路の構成図、図3,図4はエンジン気筒内圧力及びイオン電流の変化を表すグラフ、図5はプリイグニッション検出処理のフローチャート、図6はプリイグニッション判定領域を表すグラフ、図7は点火放電前のイオン電流検出処理のフローチャート、図8はイオン電流の発生評価時期の算出処理のフローチャート、図9はイオン電流の変化を表す図、図10はイオン電流の発生評価時期とプリイグニッション強度との関係を示すグラフ、図11はプリイグニッション抑制制御処理のフローチャートである。
エンジン1は、直列多気筒型の火花点火式直墳ガソリンエンジンである。エンジン1は、シリンダブロック2及びその上部に固定されたシリンダヘッド3からなるエンジン本体を有する。シリンダブロック2の上端面に開口するシリンダ4の上端は、シリンダヘッド3の下面により閉塞されている。
シリンダ4内にはピストン5が往復動可能に嵌挿されており、このピストン5の上面とシリンダヘッド3のペントルーフ型の下面(天井面)との間に燃焼室6が区画されている。一方、ピストン5の下方のクランクケース内には、クランク軸(図示せず)が配設され、コネクティングロッドによってピストン5と連結されている。
本実施形態では、点火回路8は、各点火プラグ7にそれぞれ対応して複数設けられているが、これに限らず、複数の点火プラグ7に対応して1つ又は複数設ける構成としてもよい。
各シリンダ4に対応する点火回路8は、PCM30から、点火プラグ7を点火放電させるための制御信号を受けている間、イグナイタ8aをONにし、これにより点火コイル8bに通電する。そして、点火回路8は、所定の通電時間経過後、制御信号を受けなくなるとイグナイタ8aがOFFとなり、これにより点火コイル8bの二次巻線から点火放電電流が流れ、点火プラグ7を点火放電させる。
カム軸は、吸気側及び排気側に1本ずつ設けられており、共通のカムチェーンによりクランク軸に駆動連結されている。吸気側及び排気側のカム軸は、クランク軸の回転に同期してそれぞれ回転し、これにより吸気弁11及び排気弁12がそれぞれ所定のタイミングで開閉動作される。
また、吸気通路15には、その上流端とTSCV弁14との間に、上流側からエアクリーナ16と、吸気流量を検出するエアフローセンサ17と、電動モータ18aにより駆動されて吸気通路15を絞るスロットル弁18とが配設されている。また、吸気通路15には、エアクリーナ16付近に吸気温度センサ23が設けられている。
さらに、シリンダヘッド3には、各シリンダ4に対応して、燃料を各燃焼室6内に直接噴射供給する複数のインジェクタ19が設けられている。
この排気通路20には、上流側から排気ガス中の酸素濃度を基に混合気の空燃比を検出するための酸素濃度センサ(以下「O2センサ」という)21と、排気ガスを浄化するための触媒コンバータ22とが配設されている。
まず、図3に基づいて、本実施形態のプリイグニッション検出処理を行わない場合について説明する。図3は、一般的な圧縮行程及び膨張行程における筒内圧力及びイオン電流の変化を示している。
図3及び以降の同様のグラフでは、一点鎖線が通常燃焼時の変化、実線がプリイグニッション発生時の変化を表す。
なお、本実施形態の構成では、点火プラグ7を用いてイオン電流を検出しており、点火放電中はイオン電流に非常に大きな点火放電電流が載るのでイオン電流のみを検出することはできない。すなわち、クランク角A2−A3間は、イオン電流を検出することができない。しかしながら、図3を含めて以降のイオン電流の変化を表すグラフでは、理解の容易のため、イオン電流のみを図示している。
また、図3(B)の実線で示すように、プリイグニッション発生時には、イオン電流は、点火放電開始前のクランク角A5でゼロ値から徐々に上昇し始め、点火放電中(クランク角A2−A3間)に第1のピークをとり、筒内圧力がピークとなるクランク角A6にほぼ対応して再び第2のピークとなり、その後減少する。この第2のピークは、通常燃焼時のイオン電流の第1のピークと第2のピークとの間のクランク角位置で生じている。
図4(A),(B)に示すように、点火放電以前のクランク角A5でプリイグニッションが発生すると、筒内圧力が上昇し始めると共に、イオン電流がゼロ値から上昇し始める。本実施形態では、点火放電前にイオン電流が上昇したことを検出したとき、設定されていたクランク角A2−A3における点火放電を中止又は遅延する。図4(B)では、点火放電期間が、イオン電流検出に影響を及ぼさない膨張行程後の排気行程におけるクランク角A7−A8まで遅延されている。
そして、本実施形態では、点火放電時期を排気行程まで遅延させることにより、イオン電流検出ウインドウがクランク角A2−A3間にも拡大される。すなわち、従来は、プリイグニッションによってイオン電流の急激な上昇が起こる点火放電時期にはイオン電流を検出することができなかったが、本実施形態のように、点火放電時期を遅延させることにより、プリイグニッションによるイオン電流の急激な上昇を検出することが可能となる。
図5は、PCM30のプリイグニッション検出処理のメインフローであり、エンジンサイクル毎に実行される。
まず、PCM30は、前回のエンジンサイクルデータを用いて、内部メモリに記憶している設定サイクル数の点火放電開始遅延データを更新する(ステップS11)。点火放電開始遅延データは、過去の各エンジンサイクルにおいて、点火放電開始時期を遅延させたか否かを表すデータである。この点火放電開始遅延データは、エンジン始動時に遅延無のデータに初期化されるが、エンジンサイクル毎に更新される。なお、設定サイクル数は、点火コイル8bの性能に基づいて設定される。
そして、PCM30は、遅延回数割合が破損許容設定値よりも大きいときは点火遅延禁止フラグを「1」にセットし、そうでないときは「0」にセットする(ステップS14)。破損許容設定値は、遅延回数を制限して点火コイル8bを保護するために設定されており、点火コイル8bの性能に基づいて決定されている。点火遅延禁止フラグは、「1」が点火放電開始の遅延禁止を意味し、「0」が点火放電開始の遅延許容を意味する。
一方、現在のエンジン1の作動状態がプリイグニッション判定領域にある場合(ステップS15;Yes)、PCM30は、点火遅延禁止フラグが「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。
なお、本実施形態では、イオン信号プリイグニッション判定値として、イオン電流値を採用しているが、これ以外にも、イオン電流検出信号の積分値や、イオン電流のクランク角に対する変化率を採用してもよい。これにより、イオン電流の発生を確実に検出することができる。また、特定期間を点火コイル8bのドエル期間としてもよい。
一方、イオン電流が発生していると判定された場合(ステップS19;Yes)、PCM30は、点火放電開始時期を排気行程まで遅延させる処理を行い、イオン電流検出ウインドウを拡大する(ステップS20)。この処理の結果、点火回路8に出力している制御信号は、遮断されることなくそのまま排気行程まで継続される。そして、排気行程で制御信号の出力が遮断され、点火放電電流が開放される。
なお、この遅延処理で点火コイル8bに長期間継続して通電されると、点火コイル8bが破損するおそれがあるので、本実施形態では、ステップS11−S14及びS16,S17において、遅延回数を制限するようになっている。
このイオン電流検出に基づいて、PCM30は、イオン電流の実質的な発生時期と評価することができるイオン電流発生評価時期を算出する(ステップS22)。この処理では、イオン電流検出ウインドウが拡大されずに、点火放電が本来の膨張行程中に行われた場合には、点火放電時期を除いてイオン電流の発生評価時期が算出される。図8に、ステップS22の処理フローを示す。
なお、本実施形態では、イオン電流の発生評価時期を、イオン電流がピークとなるクランク角に対応させていたが、これに限らず、図9に示す例のようにイオン電流の発生評価時期を設定してもよい。
図9(A)は、イオン電流の発生評価時期を、イオン電流検出ウインドウ(又はそのうちのある区間)のイオン電流の積算値の一定割合に相当するクランク角に設定する例を示している。図9(A)の例では、積算値の50%の相当するクランク角がイオン電流の発生評価時期に設定され、クランク角C1(実線),C2(二点鎖線)がイオン電流の発生評価時期となる。
また、図9(B)の例では、イオン電流の立ち上がり位置に設定していたが、立ち下がり位置に設定してもよい。さらに、本実施形態では、イオン電流の発生評価時期をクランク角としているが、これに限らず、イオン電流の発生評価時期を時間(例えば上死点からの時間)としてもよい。
プリイグニッション強度は、エンジン1に悪影響を及ぼしたり、ダメージを与えたりする度合を表しており、例えば、筒内の最高燃焼圧力の大きさや、シリンダ4に発生する音の大きさである。筒内の最高燃焼圧力が大きいとエンジン1が破損するおそれがあり、音の発生は、商品性の低下につながる。
図10は、イオン電流の発生評価時期とプリイグニッション強度との関係を示す実験データである。図10は、プリイグニッション強度が、イオン電流の発生評価時期が通常燃焼時よりも進角しているほど影響度合が大きいことを示している。具体的には、プリイグニッションが早い時期に発生するほど、筒内の最高燃焼圧力が上昇し、ノックが発生してノック音が大きくなる。
図11に示すように、まず、PCM30は、プリイグニッション強度を読み込む(ステップS25−1)。そして、PCM30は、このプリイグニッション強度が所定の許容限界値を超えているか否かを判定する(ステップS25−2)。なお、この許容限界値は、エンジン1による実験によって商品性等を考慮して決定された値である。
そして、本実施形態では、遅延処理において、点火放電時期を排気行程まで遅延させることにより、燃焼が点火放電により影響を受けないようにすることができる。
さらに、本実施形態では、遅延処理により点火コイル8bへの通電時間が長くなるので、遅延処理を頻繁に行うと点火コイル8bが破損するおそれがある。このため、本実施形態では、遅延処理回数を制限することにより、点火コイル8bの破損を防止している。
第1実施形態では、プリイグニッションが検出された場合に、点火放電を遅延する処理を行っていたが、本実施形態は、プリイグニッションが検出された場合に、点火放電を中止する処理を行うものである。なお、以下の実施形態では、上記実施形態と異なる部分を主に説明し、重複する説明は省略する。
プリイグニッション検出処理が始まると、PCM30は、上記実施形態のステップS15,S18,S19と同様の処理であるステップS31,S32,S33を行う。
ステップS33で、イオン電流が発生していると判定された場合(ステップS33;Yes)、PCM30は、点火放電を中止する処理を行う(ステップS34)。これにより、イオン電流検出ウインドウを拡大することができる。
以降の処理ステップS35−S39は、上記実施形態のステップS21−S25と同様である。
また、第2実施形態では、点火放電を中止するように構成することで、点火コイル8bの通電時間が長くなってしまうことを回避することができる。これにより、点火コイル8bを保護することができると共に、遅延処理回数の制限処理(ステップS11−S14等)を行う必要がないので、処理を簡単化することができる。
第3実施形態は、各シリンダ4に独立に点火放電時期を制御することができる点火プラグ7が2つ配設された例である。
図13は点火プラグの配置を示す図、図14,図15はエンジン気筒内圧力及びイオン電流の変化を表すグラフ、図16はプリイグニッション検出処理のフローチャートである。
まず、図14に基づいて、本実施形態のプリイグニッション検出処理を行わない場合の一般的な筒内圧力及びイオン電流の変化について、図3と異なる部分を説明する。図14の一点鎖線は通常燃焼時の変化、実線はプリイグニッション発生時の変化を表している。
図14(A)に示すシリンダ4内の圧力変化は、通常燃焼時及びプリイグニッション発生時共に、図3(A)とほぼ同様の変化を示している。また、図14(B),(C)は、それぞれ主点火プラグ7a,副点火プラグ7bを介して検出されたイオン電流の変化を示している。これらのイオン電流の変化も、通常燃焼時及びプリイグニッション発生時共に、図3(B)とほぼ同様の変化を示している。
図15(A),(B)は、それぞれ図14(A),(B)と同じである。図15(B)に示すように、主点火プラグ7aは通常通りの点火放電時期(クランク角A2−A3)に点火放電が行われるが、同図(C)に示すように、副点火プラグ7bは点火放電が中止又は点火放電時期がクランク角A7−A8に遅延される。
図15(C)に示すように、通常燃焼時にはイオン電流のピークが膨張行程中のクランク角A10に現れるが、プリイグニッション発生時にはクランク角A10よりも進角したクランク角A9に現れる。
一方、プリイグニッション発生時には、主点火プラグ7aによる着火よりも早期に自着火すると共に、火炎の伝播速度が通常燃焼時よりも速いため、クランク角A10よりも進角したクランク角A9で火炎が副点火プラグ7b付近に伝播する。
このように、プリイグニッション発生時には、通常時よりも進角したイオン電流のピークを検出することができる。そして、PCM30は、プリイグニッション発生時のイオン電流の発生評価時期と、予めデータとして有している通常燃焼時のイオン電流の発生評価時期とを比較して、プリイグニッション強度を判定することができる。
まず、PCM30は、上記実施形態のステップS15の処理と同様のステップS51を行う。
次いで、PCM30は、現在のエンジン1の作動状態がプリイグニッション判定領域にある場合(ステップS51;Yes)、副点火プラグ7bの点火放電を中止又は点火放電時期を遅延する処理を行う(ステップS52)。これにより、副点火プラグ7bを介したイオン電流検出の検出ウインドウを拡大することができる。
このように、第3実施形態では、プリイグニッションが発生し易い作動条件において、副点火プラグ7bをイオン電流検出に特化させている。これにより、確実にプリイグニッションに起因するイオン電流を検出することができる。
なお、第3実施形態では、プリイグニッションが発生し易い作動条件では、副点火プラグ7bが混合気の着火に寄与しなくなるので、プリイグニッションが発生せず且つ主点火プラグ7aのみによる着火が行われる場合が発生する。このため、第3実施形態は、主点火プラグ7aのみによる着火に起因する性能劣化を許容できるエンジン1に適用することが望ましい。
第4実施形態は、第3実施形態と同様に、各シリンダ4に独立に点火放電時期を制御することができる点火プラグ7が2つ配設された例である。ただし、第4実施形態では、通常燃焼持において、予め主点火プラグ7aよりも副点火プラグ7bの点火放電時期が所定量だけ遅角するように設定された位相差点火方式が採用されている。そして、第4実施形態では、第1実施形態と同様に、点火放電前にイオン電流が検出された場合に、副点火プラグ7bの点火放電を中止又は点火放電時期を遅延させるように構成されている。
図17,図18はエンジン気筒内圧力及びイオン電流の変化を表すグラフ、図19はプリイグニッション検出処理のフローチャートである。
まず、図17に基づいて、本実施形態のプリイグニッション検出処理を行わない場合の一般的な筒内圧力及びイオン電流の変化について、図14と異なる部分を説明する。図17の一点鎖線は通常燃焼時の変化、実線はプリイグニッション発生時の変化を表している。
図17(A)に示すシリンダ4内の圧力変化は、通常燃焼時及びプリイグニッション発生時共に、図3(A)と同様の変化を示している。また、図17(B)は、主点火プラグ7aを介して検出されたイオン電流の変化を示しており、このイオン電流の変化は通常燃焼時及びプリイグニッション発生時共に、図3(B)とほぼ同様の変化を示している。
図17(B),(C)から分かるように、主点火プラグ7aの点火放電時期(クランク角A2−A3)よりも、副点火プラグ7bの点火放電時期(クランク角A11−A12)の方が遅角方向にシフトされている。
この場合、図18(A),(B),(C)共に、図15(A),(B),(C)とほぼ同じとなる。
このように第4実施形態では、副点火プラグ7bの点火放電前にイオン電流が検出された場合には、第3実施形態と同様に、副点火プラグ7bの点火放電が中止又は遅延されるので、副点火プラグ7bを介したイオン電流検出の検出ウインドウを拡大することができる。
まず、PCM30は、上記実施形態のステップS15の処理と同様のステップS51を行う。次いで、PCM30は、現在のエンジン1の作動状態がプリイグニッション判定領域にある場合(ステップS61;Yes)、副点火プラグ7bの点火位相をさらに遅角方向にずらす(シフト)する処理を行う(ステップS62)。これにより、副点火プラグ7bを介したイオン電流検出の検出ウインドウを拡大し、プリイグニッションの検出感度を向上させている。この場合、副点火プラグ7bの点火位相を遅角させると共に、点火放電期間を短縮してもよい。
このように、第4実施形態では、通常状態において副点火プラグ7bの方が主点火プラグ7aよりも点火放電時期が遅れて設定されているので、第1実施形態の放電点火前の検出ウインドウと比較して、副点火プラグ7bの点火放電前の検出ウインドウを広く確保することができる。これにより、点火放電前におけるプリイグニッションに起因したイオン電流の検出感度を向上させることができる。すなわち、第4実施形態では、プリイグニッションが弱く、遅い時期に発生する場合でも、このようなプリイグニッションを検出可能となる。
これに対して、第4実施形態では、副点火プラグ7bの点火放電前の特定期間にイオン電流が検出された場合にのみ、副点火プラグ7bの点火を中止又は点火放電時期の遅延処理が行われるので、エンジン性能低下を抑制することができる。
上記実施形態では、イオン電流の発生評価時期が進角しているほど、プリイグニッション強度が大きいと判定していたが、これに限らず、イオン電流の大きいほどプリイグニッション強度が大きいと判定してもよく、また、これらの組み合わせによって判定してもよい。
また、上記第3及び第4実施形態において、副点火プラグ7bの点火放電時期の遅延処理が頻繁に行われ、遅延処理が設定回数によって制限されるような場合には、第1実施形態と同様に、副点火プラグ7bの点火遅延処理を中止し、且つ、通電時間を短縮化するように構成してもよい。この場合、プリイグニッション抑制制御によってプリイグニッションの発生が検出されなくなった後、所定期間経過後に、副点火プラグ7bの点火を再開するように構成することができる。
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 シリンダ
6 燃焼室
7 点火プラグ
8 点火回路
8a イグナイタ
8b 点火コイル
8c コンデンサ
8d イオン電流検出回路
9 吸気ポート
10 排気ポート
11 吸気弁
12 排気弁
13 可変バルブタイミング(VVT)
14 TSCV弁
15 吸気通路
17 エアフローセンサ
18 スロットル弁
19 インジェクタ
20 排気通路
21 O2センサ
23 吸気温度センサ
24 排気還流通路(EGR通路)
25 流量制御弁(EGR弁)
26 クランク角センサ
28 水温センサ
29 エンジンオイル温度センサ
30 PCM
31 カム角センサ
32 アクセル開度センサ
33 エンジン回転数センサ
Claims (5)
- エンジンの燃焼室内に配設される点火プラグと、
この点火プラグを点火放電させる点火回路と、
この点火回路を制御して前記点火プラグの点火放電時期を制御する点火制御手段と、
前記点火プラグを経由して流れるイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、
このイオン電流検出手段によって検出されたイオン電流に基づいてプリイグニッションの発生を検出するプリイグニッション検出手段と、を備え、
前記点火制御手段は、前記点火プラグによる点火放電前に前記イオン電流検出手段がイオン電流を検出したことに基づいて、前記点火回路による前記点火プラグの点火放電を中止又は遅延させるように構成され、
前記プリイグニッション検出手段は、前記点火プラグによる点火放電の中止又は遅延期間中に、前記イオン電流検出手段によって検出されたイオン電流に基づいて、プリイグニッションがエンジンに及ぼす作用の大きさであるプリイグニッション強度を検出することを特徴とする車両用エンジンのプリイグニッション検出装置。 - 前記点火制御手段は、前記イオン電流検出手段が前記点火プラグによる点火放電前にイオン電流を検出したことに基づいて、前記点火プラグの点火放電時期を排気行程まで遅延させることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジンのプリイグニッション検出装置。
- 前記点火回路は、前記点火プラグに接続された点火コイルを有し、
前記点火制御手段は、前記点火コイルへの通電時間を設定時間よりも延長することにより、前記点火プラグの点火放電時期を遅延させ、前記点火プラグの点火放電時期の遅延が所定回数以上になったとき、前記点火コイルへの通電時間を前記設定時間よりも短縮することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用エンジンのプリイグニッション検出装置。 - 前記点火プラグは、少なくとも第1及び第2の点火プラグを含んで複数設けられ、
前記点火回路は、前記各点火プラグに接続され、点火放電時に電荷が充電されるように設けられた複数のコンデンサを有し、
前記イオン電流検出手段は、前記各コンデンサに充電された電荷が放電されることによるイオン電流をそれぞれ検出するように構成され、
前記点火制御手段は、前記第2の点火プラグの点火放電時期が前記第1の点火プラグの点火放電時期に対して遅角するように点火放電時期を位相差制御し、前記イオン電流検出手段が前記第2の点火プラグによる点火放電前に第2の点火プラグを経由して流れるイオン電流を検出したことに基づいて、前記点火回路による前記第2の点火プラグの点火放電を中止又は遅延させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用エンジンのプリイグニッション検出装置。 - 前記プリイグニッション検出手段は、前記イオン電流検出手段によって検出されたイオン電流の発生時期又はピーク値に基づいてプリイグニッション強度を検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用エンジンのプリイグニッション検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007198531A JP4873250B2 (ja) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | 車両用エンジンのプリイグニッション検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007198531A JP4873250B2 (ja) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | 車両用エンジンのプリイグニッション検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009036028A true JP2009036028A (ja) | 2009-02-19 |
JP4873250B2 JP4873250B2 (ja) | 2012-02-08 |
Family
ID=40438174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007198531A Expired - Fee Related JP4873250B2 (ja) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | 車両用エンジンのプリイグニッション検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4873250B2 (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010209728A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Nissan Motor Co Ltd | 筒内直接噴射式エンジンの制御装置 |
JP2010242701A (ja) * | 2009-04-09 | 2010-10-28 | Mitsubishi Electric Corp | 内燃機関の点火診断装置 |
JP2011012608A (ja) * | 2009-07-02 | 2011-01-20 | Mitsubishi Electric Corp | 内燃機関の異常着火制御装置 |
JP2011252390A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-15 | Mazda Motor Corp | ディーゼルエンジンの燃焼制御装置 |
JP2012082728A (ja) * | 2010-10-08 | 2012-04-26 | Mitsubishi Electric Corp | 内燃機関のプリイグニッション推定制御装置 |
JP2012225247A (ja) * | 2011-04-19 | 2012-11-15 | Mazda Motor Corp | 火花点火式エンジンの制御方法および火花点火式エンジン |
JP2013060900A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-04 | Diamond Electric Mfg Co Ltd | 内燃機関の燃焼制御装置 |
JP2014092109A (ja) * | 2012-11-06 | 2014-05-19 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の制御装置および制御方法 |
JP2014118817A (ja) * | 2012-12-13 | 2014-06-30 | Diamond Electric Mfg Co Ltd | 内燃機関の燃焼状態判定装置 |
WO2014192325A1 (ja) * | 2013-05-30 | 2014-12-04 | 日産自動車株式会社 | 内燃機関の点火装置および点火方法 |
JP2015190338A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-02 | 大阪瓦斯株式会社 | エンジン |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02136566A (ja) * | 1988-07-01 | 1990-05-25 | Honda Motor Co Ltd | 内燃エンジンの異常燃焼検知装置及び燃焼制御装置 |
JPH08261129A (ja) * | 1995-03-20 | 1996-10-08 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のプレイグニッション検出装置 |
JPH1150878A (ja) * | 1997-07-31 | 1999-02-23 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
-
2007
- 2007-07-31 JP JP2007198531A patent/JP4873250B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02136566A (ja) * | 1988-07-01 | 1990-05-25 | Honda Motor Co Ltd | 内燃エンジンの異常燃焼検知装置及び燃焼制御装置 |
JPH08261129A (ja) * | 1995-03-20 | 1996-10-08 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のプレイグニッション検出装置 |
JPH1150878A (ja) * | 1997-07-31 | 1999-02-23 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010209728A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Nissan Motor Co Ltd | 筒内直接噴射式エンジンの制御装置 |
JP2010242701A (ja) * | 2009-04-09 | 2010-10-28 | Mitsubishi Electric Corp | 内燃機関の点火診断装置 |
JP2011012608A (ja) * | 2009-07-02 | 2011-01-20 | Mitsubishi Electric Corp | 内燃機関の異常着火制御装置 |
JP2011252390A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-15 | Mazda Motor Corp | ディーゼルエンジンの燃焼制御装置 |
JP2012082728A (ja) * | 2010-10-08 | 2012-04-26 | Mitsubishi Electric Corp | 内燃機関のプリイグニッション推定制御装置 |
JP2012225247A (ja) * | 2011-04-19 | 2012-11-15 | Mazda Motor Corp | 火花点火式エンジンの制御方法および火花点火式エンジン |
JP2013060900A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-04 | Diamond Electric Mfg Co Ltd | 内燃機関の燃焼制御装置 |
JP2014092109A (ja) * | 2012-11-06 | 2014-05-19 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の制御装置および制御方法 |
JP2014118817A (ja) * | 2012-12-13 | 2014-06-30 | Diamond Electric Mfg Co Ltd | 内燃機関の燃焼状態判定装置 |
WO2014192325A1 (ja) * | 2013-05-30 | 2014-12-04 | 日産自動車株式会社 | 内燃機関の点火装置および点火方法 |
CN105264219A (zh) * | 2013-05-30 | 2016-01-20 | 日产自动车株式会社 | 内燃机的点火装置以及点火方法 |
JP5928659B2 (ja) * | 2013-05-30 | 2016-06-01 | 日産自動車株式会社 | 内燃機関の点火装置および点火方法 |
US9835127B2 (en) | 2013-05-30 | 2017-12-05 | Nissan Motor Co., Ltd. | Internal combustion engine ignition device and ignition method |
JP2015190338A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-02 | 大阪瓦斯株式会社 | エンジン |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4873250B2 (ja) | 2012-02-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4873250B2 (ja) | 車両用エンジンのプリイグニッション検出装置 | |
JP4873249B2 (ja) | 車両用エンジンの制御装置 | |
JP5360121B2 (ja) | 火花点火式エンジンの制御方法および火花点火式エンジン | |
JP2009197740A (ja) | エンジンの吸排気制御方法および吸排気制御装置 | |
JP4780070B2 (ja) | エンジンの燃焼状態検出装置 | |
JP5802229B2 (ja) | 内燃機関の点火制御装置 | |
JP2007247522A (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
JP4784467B2 (ja) | 予混合圧縮着火内燃機関 | |
JP6307811B2 (ja) | エンジンの制御装置 | |
JP4868242B2 (ja) | 車両用エンジンの制御装置 | |
JP5565370B2 (ja) | 火花点火式エンジンの制御方法および火花点火式エンジン | |
JP2007040273A (ja) | 圧縮着火内燃機関の燃料噴射制御システム | |
JP5494557B2 (ja) | 火花点火式エンジンの制御方法および火花点火式エンジン | |
WO2020026721A1 (ja) | エンジンの制御装置 | |
US9291141B2 (en) | Control device and control method for internal combustion engine | |
JP2010025039A (ja) | 燃焼異常状態判別装置 | |
JP2005273572A (ja) | 内燃機関の燃焼制御装置 | |
JP6127488B2 (ja) | 直噴火花点火式内燃機関の制御装置 | |
JP4220736B2 (ja) | 火花点火式内燃機関の始動制御装置 | |
JP4862756B2 (ja) | エンジンのノッキング検出装置 | |
JP4911135B2 (ja) | 自着火燃焼検出装置 | |
JP2015057543A (ja) | ガソリンエンジンの燃焼制御装置 | |
JP3799930B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP4321493B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP6485137B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100315 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110602 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110811 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110928 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111027 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111109 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4873250 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |