JP2009034169A - シートリクライニング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1本の巻きバネでシートバックを後傾時に前傾方向へ付勢し、シートバックを前傾時に制動するシートリクライニング装置を提供する。
【解決手段】シートクッションとシートバックのいずれかが結合されるベース部材2、およびアーム部材3と、アーム部材3を前傾方向へ付勢可能に配設されたバネ部材4とを備えたシートリクライニング装置1に、ベース部材2に係合片8,9と、アーム部材3に係合突起10とを備え、シートバックが所定角度位置にある際に、バネ部材4の両端部が係合片8,9に係合し、シートバックが前傾する際に、バネ部材4の一端を係合突起10の前端部に係合させつつ、バネ部材4の他端を係合片9の後端部に係合させ、シートバックが後傾する際に、バネ部材4の他端を係合片8の前端部に係合させつつ、バネ部材4の一端をアーム部材3の係合突起10に係合させる。
【選択図】図1
【解決手段】シートクッションとシートバックのいずれかが結合されるベース部材2、およびアーム部材3と、アーム部材3を前傾方向へ付勢可能に配設されたバネ部材4とを備えたシートリクライニング装置1に、ベース部材2に係合片8,9と、アーム部材3に係合突起10とを備え、シートバックが所定角度位置にある際に、バネ部材4の両端部が係合片8,9に係合し、シートバックが前傾する際に、バネ部材4の一端を係合突起10の前端部に係合させつつ、バネ部材4の他端を係合片9の後端部に係合させ、シートバックが後傾する際に、バネ部材4の他端を係合片8の前端部に係合させつつ、バネ部材4の一端をアーム部材3の係合突起10に係合させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、前傾方向および後傾方向へ回動可能なシートバックを有する車両用シートのシートリクライニング装置に関する。
この種の従来のシートリクライニング装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された従来例は、シートクッションに結合されたベース部材に、渦巻きバネの中心部の固定端が取付けられ、前記ベース部材に回動可能に支持されたアーム部材に、該アーム部材の後傾時に渦巻きバネの外周側の自由端と係合する係合突起が設けられている。この従来例では、アーム部材の後傾時にアーム部材の係合突起が渦巻きバネの外周側の自由端と係合すると、該自由端が後傾方向へ押圧されるとともに、渦巻きバネの弾性力でアーム部材が前傾方向に付勢される。一方、アーム部材の前傾端部での衝突を抑制するため、アーム部材の前傾時に所定の角度位置で渦巻きバネの外周側の自由端とアーム部材の係合突起との係合状態が解除されるので、アーム部材が渦巻きバネの弾性力で前傾方向へ付勢されずにフリー状態に保たれる。
また、特許文献2に開示された従来例は、アーム部材を前傾方向へ付勢する渦巻きバネと隣接して、該渦巻きバネとは逆の後傾方向へアーム部材を付勢するブレーキバネを備えるとともに、アーム部材に、該アーム部材の前傾時に前記ブレーキバネの外端部に係合する係合突起を備えている。この従来例では、アーム部材の前傾時にアーム部材の係合突起がブレーキバネの外端部と係合すると、該ブレーキバネの外端部が前傾方向に押圧されるとともに、ブレーキバネの弾性力でアーム部材が後傾方向へ付勢されるので、アーム部材の前傾速度を抑制することができる。
また、特許文献3に開示された従来例は、ブース部材に、アーム部材を前傾方向へ付勢する渦巻きバネと隣接して、アーム部材を制動するブレーキ部材を備えている。この従来例では、アーム部材の前傾時にブレーキ部材が渦巻きバネの外周部に当接することによりアーム部材が制動されるので、アーム部材の前傾速度を抑制することができる。
特開平10−99157号公報
実公平5−9862号公報
実公平4−11546号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来例では、アーム部材の前傾時にアーム部材がフリー状態に保たれているので、アーム部材が自重あるいは慣性力により勢いよく前傾方向へ回動した場合、アーム部材が前傾端部で衝突して衝撃が生じるという問題があった。
また、特許文献2に開示された従来例では、アーム部材を前傾方向へ付勢する渦巻きバネの他に、アーム部材を前傾時に制動するブレーキバネを設ける必要があることから、部品点数が増えるとともに構造が複雑であった。
また、特許文献3に開示された従来例では、ベース部材にアーム部材を前傾方向へ付勢する渦巻きバネと隣接してブレーキ部材を設ける必要があることから、この場合も部品点数が増えるとともに構造が複雑であった。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、1本のバネ部材でシートバックを後傾時に前傾方向へ付勢するとともに、シートバックを前傾時に制動することができるシートリクライニング装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、シートクッションとシートバックのいずれか一方に結合されたベース部材と、該ベース部材に回動可能に支持され、前記シートクッションと前記シートバックのいずれか他方に結合されたアーム部材と、該シートバックを前傾方向へ付勢可能に配設されたバネ部材とを備えたシートリクライニング装置において、前記ベース部材には前記バネ部材の両端部がそれぞれ係合可能に形成された係合片を、前記アーム部材には前記バネ部材の両端部の間に配置された係合突起をそれぞれ備え、前記シートバックが所定角度位置に位置する際には、前記バネ部材の両端部が前記係合片にそれぞれ係合し、前記シートバックが前記所定角度位置よりも前傾する際には、前記バネ部材の一端が前記係合突起の前端部に係合しつつ、前記バネ部材の他端が前記係合片の後端部に係合し、前記シートバックが前記所定角度位置よりも後傾する際には、前記バネ部材の一端が前記係合突起の後端部に係合しつつ、前記バネ部材の他端が前記係合片の前端部に係合することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、シートバックが所定の角度位置より前傾方向へ回動する際には、バネ部材の一端がアーム部材の係合突起の前端部に係合しつつ、バネ部材の他端がベース部材の係合片の後端部に係合する。すると、バネ部材の一端が前傾方向へ押圧されてバネ部材が撓み、バネ部材の弾性力でアーム部材が後傾方向へ付勢されるので、アーム部材が前傾する速度が抑制される。
一方、シートバックが所定の角度位置より後傾方向へ回動する際には、バネ部材の他端がベース部材の係合片の前端部に係合しつつ、バネ部材の一端がアーム部材の係合突起が係合する。すると、バネ部材の他端が後傾方向へ押圧されてバネ部材が撓み、バネ部材の弾性力でアーム部材が前傾方向へ付勢される。
これによって、1本のバネ部材でシートバックを後傾時に前傾方向へ付勢するとともに、シートバックを前傾時に制動することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は本発明の一実施形態を示し、図1はシートリクライニング装置の側面図、図2はシートリクライニング装置の要部を拡大して示す側面図、図3は係合突起の平面図、図4はアーム部材を前傾方向へ回動させた状態を示す側面図である。
図1〜図4に示すように、本実施形態のシートリクライニング装置1は、シートクッション(図示せず)に結合されるベース部材2と、ベース部材2に前傾方向(図1の矢印A方向)および後傾方向(図1の矢印B方向)へ回動可能に支持され、シートバック(図示せず)が結合されるアーム部材3と、このアーム部材3を前傾方向へ付勢可能なバネ部材、例えば軸方向にコイル状に巻回した巻きバネ4と、ベース部材2およびアーム部材3間に設けられ、アーム部材3および前記シートバックを所定の回動角度でロック可能なロック機構とから構成されている。なお、当該ロック機構は、従来から一般に利用されている構成の物を使用しているため、図示および説明を省略する。
巻きバネ4は、断面が丸、または四角状のバネ材から形成されるとともに、軸方向にコイル状に巻回されたバネ本体4aと、このバネ本体4aの両端よりそれぞれ外径方向へ延びる一端4bおよび他端4cとからなっている。
ベース部材2には、巻きバネ4のバネ本体4aの内周面の径よりわずかに小さい外径を有する円筒状のガイド部材20が溶接等により突設されており、このガイド部材20の外周に巻きバネ4のバネ本体4aが配設されるとともに、ベース部材2の上端に、ベース部材2のシャフト5の軸心を中心としてアーム部材3の回動方向に沿って延びる円弧状部2aが形成されている。この円弧状部2aの前端には、アーム部材3が前傾端部まで到達したときに停止させる前傾ストッパ6が設けられ、一方、円弧状部2aの後端には、アーム部材3が後傾端部まで到達したときに停止させる後傾ストッパ7が設けられている。また、円弧状部2aには、ベース部材2の面に対して略直角に折曲げるようにして、巻きバネ4の一端4bが係合可能な第1係合片8と、巻きバネ4の他端4cが係合可能な第2係合片9とが設けられ、これら第1係合片8と第2係合片9によってベース部材2の係合片が構成されている。第1係合片8は、第2係合片9より前傾ストッパ6側に配置され、第2係合片9は、第1係合片8より後傾ストッパ7側に配置されている。そして、一対の係合片8,9に巻きバネ4の両端部4b、4cが互いに近接する方向に付勢された状態で係合するように配置される。
アーム部材3には、シートバックが所定の角度位置、例えば起立位置から少し前傾側に傾斜した位置にあるときに、巻きバネ4の両端部4b、4cの間に配置される係合突起10が設けられている。この係合突起10は、図2に示すアーム部材3の後傾時に巻きバネ4の他端4cと係合するとともに、図4に示すアーム部材3の前傾時に巻きバネ4の一端4bと係合する。
係合突起10は、ベース部材2の円弧状部2aに沿ってアーム部材3の回動方向へ延びる湾曲板から構成されている。また、図3に示すように、係合突起10の後端側には、アーム部材3の後傾時に巻きバネ4の他端4cを受け入れる後傾側フック部10aと、このフック部10aよりアーム部材3側に位置し、アーム部材3が後傾端部まで到達したときに後傾ストッパ7に当接する段部10bとが形成され、一方、係合突起10の前端側には、アーム部材3の前傾時に巻きバネ4の一端4bを受け入れる前傾側フック部10cと、アーム部材3が前傾端部まで到達したときに前傾ストッパ6に当接する当接部10dが形成されている。
この実施形態のシートリクライニング装置1にあっては、使用者がシートクッション上に着座する際にシートバックで背中を支えるため、アーム部材3およびシートバックを鉛直方向より少し後傾させた回動角度で起立させるようになっている。なお、アーム部材3の前記起立位置では、アーム部材3が前方向へ付勢された状態に設定されており、この起立位置よりもアーム部材3を所定角度前傾させた場合に、巻きバネ4の付勢力が作用しない中立領域が所定角度として設定されている。
次いで、アーム部材3の回動ロック状態を解除して、図2に示すようにアーム部材3を中立領域から後傾方向(図1の矢印B方向)へ回動させると、係合突起10の後端側フック部10aが巻きバネ4の他端4cと係合するとともに、ベース部材2の第1係合片8は巻きバネ4の一端4bと係合している。その結果、巻きバネ4の他端4cが後傾方向に押圧されて巻きバネ4が撓むとともに、巻きバネ4の弾性力でアーム部材3が前傾方向へ付勢される。さらに、アーム部材3が後傾方向へ回動して後傾端部まで達すると、係合突起10の段部10bが後傾ストッパ7に当接するのでアーム部材3が停止する。
また、図4に示すようにアーム部材3を中立領域から前傾方向(図1の矢印A方向)へ回動させると、係合突起10の前端側フック部10cが巻きバネ4の一端4bと係合するとともに、ベース部材2の第2係合片9は巻きバネ4の他端4cと係合している。その結果、巻きバネ4の一端4bが前傾方向に押圧されて巻きバネ4が撓むことにより、巻きバネ4の弾性力でアーム部材3が後傾方向へ付勢されるので、アーム部材3の前傾速度が抑制される。さらに、アーム部材3が前傾方向へ回動して前傾端部まで達すると、係合突起10の当接部10dが前傾ストッパ6に当接するのでアーム部材3が停止する。
このように構成した実施形態によれば、1本の巻きバネ4でアーム部材3を後傾時に前傾方向へ付勢するとともに、アーム部材3を前傾時に制動することができる。したがって、アーム部材3が前傾端部にて衝突して衝撃が生じることをより確実に抑制できる。また、2つの渦巻きバネを設けた従来例やブレーキ部材を設けた従来例と比べて、部品点数が少なく、かつ構造が簡素であるので、コンパクト化および費用低減を図ることができる。
1 シートリクライニング装置
2 ベース部材
3 アーム部材
4 巻きバネ(バネ部材)
4a バネ本体
4b 一端
4c 他端
8 第1係合片
9 第2係合片
10 係合突起
2 ベース部材
3 アーム部材
4 巻きバネ(バネ部材)
4a バネ本体
4b 一端
4c 他端
8 第1係合片
9 第2係合片
10 係合突起
Claims (1)
- シートクッションとシートバックのいずれか一方に結合されたベース部材と、該ベース部材に回動可能に支持され、前記シートクッションと前記シートバックのいずれか他方に結合されたアーム部材と、該シートバックを前傾方向へ付勢可能に配設されたバネ部材とを備えたシートリクライニング装置において、
前記ベース部材には前記バネ部材の両端部がそれぞれ係合可能に形成された係合片を、
前記アーム部材には前記バネ部材の両端部の間に配置された係合突起をそれぞれ備え、
前記シートバックが所定角度位置に位置する際には、前記バネ部材の両端部が前記係合片にそれぞれ係合し、
前記シートバックが前記所定角度位置よりも前傾する際には、前記バネ部材の一端が前記係合突起の前端部に係合しつつ、前記バネ部材の他端が前記係合片の後端部に係合し、
前記シートバックが前記所定角度位置よりも後傾する際には、前記バネ部材の一端が前記係合突起の後端部に係合しつつ、前記バネ部材の他端が前記係合片の前端部に係合することを特徴とするシートリクライニング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007198925A JP2009034169A (ja) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | シートリクライニング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007198925A JP2009034169A (ja) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | シートリクライニング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009034169A true JP2009034169A (ja) | 2009-02-19 |
Family
ID=40436671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007198925A Pending JP2009034169A (ja) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | シートリクライニング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009034169A (ja) |
-
2007
- 2007-07-31 JP JP2007198925A patent/JP2009034169A/ja active Pending
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