JP2009034023A - 食鳥屠体の冷却方法及び装置 - Google Patents

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茂樹 木下
Tadayuki Tsunoda
忠幸 角田
Akira Ishikura
公 石倉
Taiji Shinoda
泰司 篠田
Katsumi Fujima
克己 藤間
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Abstract

【課題】鶏肉加工工程における中抜き後の冷却工程において、冷却効果を向上させて冷却時間を短縮するとともに、食鳥の屠体の各部位の冷却速度のバラツキをなくし、これによって含水率を抑え、かつ肉質の劣化を防止する。
【解決手段】中抜き後の食鳥屠体1を搬送装置2に装着した状態で移送しながら食鳥屠体1に冷却媒体を接触させて複数の食鳥屠体を連続的に冷却処理する食鳥屠体の冷却方法において、冷却処理前に予め食鳥屠体1の内部に氷を充填し、冷却処理領域で食鳥屠体1に冷却媒体iを噴霧するか又は食鳥屠体1を冷却水42に浸漬して食鳥屠体1を内外から同時冷却することによって、冷却効果を飛躍的に向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鶏肉加工工程の中抜き後の食鳥屠体(以下「ワーク」という)を鮮度保持と除菌を目的とした冷却工程において、ワークの内部に氷スラリーを充填することによりワークを内外から冷却して冷却効果を格段に向上させ、これによってこれまで冷却速度にバラツキがあったワークの各部位の温度差の均一化を図るとともに、冷却時間を従来より大幅に短縮することを可能にした冷却方法及び装置に関する。
従来鶏肉加工工程においては、屠殺後放血、脱毛等を行なった後、内臓を取り除く中抜き工程を行い、その後、鮮度保持及び除菌を目的として冷却工程を実施する。冷却処理後ワークは各部位を切り分けされ、市場に出荷される。
従来の冷却方法は、通常チラータンク内に冷却水を注入し、要すれば氷塊を投入し、その冷却水中にワークを投入し、速やかに肉の温度を低下させる。
冷却工程で使用される具体的な装置構成は、例えば特許文献1(特開昭60−210941号公報)、特許文献2(特公平1−48726号公報)及び特許文献3(特開平9−23810号公報)等に開示されている。
特許文献1には、チェーンホィールに取り付けられたレーキ(櫛状搬送具)からなる搬送装置を備えたチラータンクが開示されている。冷却水を満たしたチラータンク内に投入されたワークは、各レーキ間でまとまった状態でレーキの櫛状歯により冷却水中を搬送されながら冷却される。
また特許文献2には、冷却水で満たされた直円筒形状のタンク内にスクリュー羽根が回転可能に配設され、そのスクリュー羽根の間に投入されたワークをスクリュー羽根の回転により冷却水中を搬送しながら冷却する手段が開示されている。
また特許文献3には、トランスファチェーンに間隔を置いて装着されたハンガにワークを吊り下げた状態で移送し、ワークを徐々に下降させてチラータンク内の冷却水に浸漬し、ワークを冷却水中に浸漬しながら移送した後、徐々に上昇して冷却水から引き上げ、次の処理工程に向かって移送する手段が開示されている。
特開昭60−210941号公報 特公平1−48726号公報 特開平9−23810号公報
従来の冷却方法では、ワークの「胸部」の厚みが厚いために、冷却速度の遅い胸部の肉温度を基軸に冷却時間が設定される。そのためにもも肉、手羽、胸肉等の部位で温度差が大きくなり、冷えすぎる部位も発生してくる。また長時間冷却水中で冷却されていると、水が肉に入り込み、その結果ドリップの発生原因となり、また肉質の劣化を招くという問題が生じる。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、鶏肉加工工程における中抜き後の食鳥屠体の冷却工程において、ワークの冷却工程中に生じる各部位の温度差をなくすことにより、冷却時間を短縮し、これによって、食鳥屠体の含水量を抑え、かつ肉質の劣化を防止する冷却方法及びその冷却方法を実施するための装置を実現することを目的とする。
かかる目的を達成するもので、本発明の食鳥の冷却方法は、
中抜き後の食鳥屠体を搬送装置に装着した状態で移送しながら食鳥屠体に冷却媒体を接触させて複数の食鳥屠体を連続的に冷却処理する食鳥屠体の冷却方法において、
冷却処理前に予め食鳥屠体の内部に氷を充填し、冷却処理領域で食鳥屠体に冷却媒体を噴霧するか又は食鳥屠体を冷却水に浸漬して食鳥屠体を内外から同時冷却するようにしたものである。
本発明は、胸部の冷却を速やかに行なうことができれば、各部位の温度差をなくし、冷却時間を短縮化できる点に着眼してなされたもので、本発明方法においては、内臓が摘出された中抜き後のワークに予め氷を詰め込み、その後、ワークに外部から冷却媒体を噴霧するか又は食鳥屠体を冷却水に浸漬することにより、ワークを内と外から同時に冷却する。ワークの内部に氷を入れることにより、冷却すべき胸部の肉厚を半分とすることができ、その結果、胸部の冷却時間が画期的に短縮されることとなる。
ワークを搬送装置で移送しながら、ワークに外部から吹き付ける冷却媒体として、好ましくは、冷却水、冷却空気又は氷スラリーを用いる。この場合、冷却媒体として冷却空気を用いると、冷却効果が高く、また水を使用しないため、細菌混入のおそれが少なく、かつ後工程として乾燥工程を省略することができる。また、冷却媒体として氷スラリーを用いると、氷の融解潜熱を利用できるため、冷却水のみの場合と比べて冷却効果が高まる。
また、別な冷却手段として、ワークを移送しながら冷却槽に貯留された冷却水に浸漬するようにする。
本発明においてワークの内部に充填する氷は、小粒形の氷、好ましくは、ブロックアイス、フレークアイス又は氷スラリーを使用する。ブロックアイスを使用した場合、ブロックアイスの径が大きいので、融解潜熱が大であるため、冷却効果が高いが、氷充填ノズルはその内径が大きいものを使用することが望ましい。
ワークの内部に充填する氷の量は、冷却工程の終了時に完全に溶かし切るように調節するのが望ましい。そのほうが経済的であるし、食鳥屠体の内部に氷が残っていないほうが後工程の切断工程で切断刃に損傷を与えない。
従って本発明方法において、好ましくは、屠体の内部に充填した氷が冷却処理中に融解する量を予め計算し、該計算値分だけ氷を充填するようにする。
次に前記冷却方法を実施するための第1の本発明の食鳥屠体の冷却装置は、
中抜き後の食鳥屠体を搬送装置に装着した状態で移送しながら食鳥屠体に冷却媒体を接触させて複数の食鳥屠体を連続的に冷却する食鳥屠体の冷却装置において、
食鳥屠体の冷却処理領域で前記搬送装置に沿って配設され食鳥屠体に冷却媒体を吹き付ける複数の噴霧ノズルと、
該冷却処理領域の上流側に配設され食鳥屠体の内部に氷を充填するノズルと、を備え、食鳥屠体の内部に該ノズルで氷を充填した状態で食鳥屠体を冷却処理するように構成したものである。
前記構成の第1の本発明装置においては、冷却処理前に前記氷充填ノズルによってワークの内部に氷を充填し、冷却処理時に前記噴霧ノズルによって冷却媒体をワークに吹き付ける。これによってワークの内外から同時に冷却することが可能となる。
第1の本発明装置は、冷却水を貯留する冷却槽を不要とするので、装置構成を簡素化できる。
次に、第2の本発明の食鳥屠体の冷却装置は、
中抜き後の食鳥屠体を搬送装置に装着した状態で移送しながら食鳥屠体に冷却媒体を接触させて複数の食鳥屠体を連続的に冷却する食鳥屠体の冷却装置において、
前記搬送装置の下方に配置され冷却水を貯留した冷却槽と、
該冷却槽の前端側で食鳥屠体が該冷却水に浸漬するように下降配置するとともに、該冷却槽の他端側で食鳥屠体を冷却水から浮上させるように該搬送装置を上昇配置し、
該冷却槽の上流側に食鳥屠体の内部に氷を充填するノズルを設けたものである。
第2の本発明装置においては、冷却処理前に前記氷充填ノズルを用いてワークの内部に氷を充填し、その後冷却処理時にワークを冷却槽内の冷却水に浸漬する。これによってワークの内外からの冷却を同時に行なうことができる。
なお前記第1及び第2の本発明装置において、好ましくは、氷充填ノズルに、ワークの内部に充填した氷が冷却処理中に融解する量を予め計算し該融解量だけ氷を充填する制御装置を設け、ワークの内部に充填した氷を冷却工程の終了時に完全に溶かし切るように調節する。この場合具体的な手段としては、氷充填ノズル内又は氷充填ノズルに氷を供給する管路に電磁弁等の制御弁を設け、かつ同制御弁を制御する演算装置を設けるようにしてもよい。
また前記第1及び第2の本発明装置において、好ましくは、ワークを搬送装置で移送中に、冷却領域の途中に回転手段を設け、該回転手段でワークを回転させ姿勢変更させるように構成するとよい。これによって、冷却処理の途中で、ワークを所望の姿勢にすることができる。そのため、第1の本発明装置においては、噴霧ノズルによりワークに均一に冷却媒体を吹き付けやすくなり、ワーク各部位の均一冷却を可能とする。
本発明方法によれば、冷却処理前に予め食鳥屠体の内部に氷を充填し、冷却処理領域で食鳥屠体に冷却媒体を噴霧するか又は食鳥屠体を冷却水に浸漬して食鳥屠体を内外から同時冷却するようにしたので、ワークを内外から同時に冷却することが可能となり、その結果、冷却対象であるワーク胸部の肉厚を半減できることとなり、ワーク胸部の冷却時間が画期的に短縮できる。これによって胸部の冷却速度が増大するため、ワークの各部位の冷却効果が均一化され、温度差が解消される。
その結果、ワークの各部位の含水率の増加が抑えられ、肉質の劣化を防止することができる。
また、第1の本発明装置によれば、食鳥屠体の冷却処理領域で前記搬送装置に沿って配設され食鳥屠体に冷却媒体を吹き付ける複数の噴霧ノズルと、該冷却処理領域の上流側に配設され食鳥屠体の内部に氷を充填するノズルと、を備え、食鳥屠体の内部に該ノズルで氷を充填した状態で食鳥屠体を冷却処理するように構成したので、冷却工程前に予めワーク内に氷を充填するとともに、冷却媒体を外部からワークに接触させることにより、ワークを内外から同時に冷却することが可能となり、前述のように画期的な冷却効果が得られる。また、冷却水を貯留する冷却槽を不要とするので、装置構成を簡素化できる。
また、第2の本発明装置によれば、搬送装置の下方に配置され冷却水を貯留した冷却槽と、該冷却槽の前端側で食鳥屠体が該冷却水に浸漬するように下降配置するとともに、該冷却槽の他端側で食鳥屠体を冷却水から浮上させるように該搬送装置を上昇配置し、該冷却槽の上流側に食鳥屠体の内部に氷を充填するノズルを設けたことにより、前記第1の本発明装置と同様に、ワークを内外から同時に冷却することが可能となり、画期的な冷却効果が得られる。
第2の本発明装置においては、ワークを冷却水中に浸漬するようにしているので、冷却効果を向上させることができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
図1は、本発明装置の第1実施形態を示す縦断立面図、図2は、本実施形態のワーク吊り下げ装置を示す立面図、図3は、該ワーク吊り下げ機構の一部を示す、図2中のIII−III線に沿う断面図である。
図1及び図2において、ワーク1は、鶏肉加工工程における中抜き工程後の中抜き屠体であり、チェーンコンベア2に取り付けられたシャックル3に吊り下げられて冷却工程まで搬送されてくる。受水槽4の一端まで搬送されてきたワーク1は、氷充填ノズル5によって内部に氷スラリを充填される。
氷スラリは、以下に説明する装置によって製造される。
即ち、氷蓄熱槽11が設けられ、別に設けられた冷凍装置12の氷製造用の蒸発器13が氷蓄熱槽11の内部に設置されている。冷凍装置12が稼動すると、蒸発器13の製氷作用によって氷14が製造される。冷凍装置12は、蒸発器13に付着した氷14を蒸発器13に温冷媒を導入することにより蒸発器13から剥離させる機能をも有している。この脱氷作用により隔離した氷14は、氷蓄熱槽11の水面上部に浮上する。
こうして、氷蓄熱槽11の水面上部には氷スラリが製造される。そして、氷蓄熱槽11内の氷スラリをポンプ17によって氷充填ノズル5に供給する管路15が設けられ、管路15を通って氷スラリを氷充填ノズル5に供給する。氷充填ノズル5はチェーンコンベア2に吊り下げられたワーク1の内部に0℃の氷スラリを充填する。なお、管路15には三方弁16が設けられ、三方弁16によって氷蓄熱槽11に接続された管路15の取氷口16a及び16bを通る氷スラリの流量を調節することによって、氷充填ノズル5に供給する氷スラリーの氷充填率を調整可能としている。
また氷蓄熱槽11には、ポンプ19によって受水槽4の上方に設置された噴霧ノズル8に氷スラリiを送る管路18が接続され、噴霧ノズル8に0℃の氷スラリiを供給している。
受水槽4の上方には、受水槽4に沿って受水槽4の入口部から出口部に向かって、即ち、矢印a方向に走行するチェーンコンベア2が配置されている。チェーンコンベア2には略等間隔でシャックル3が装着され、シャックル3にワーク1が吊り下げられる。シャックル3の構造を図2に基づいて説明する。
図2において、シャックル3は、ワーク1の足を引っ掛ける2股に分かれたシャックル部21とシャックル軸22とからなる。シャックル軸22は、シャックルキャリア23に装着されたブッシュ28に回動可能に嵌挿されるとともに、先端にボルト24が固着されて、シャックルキャリア23に懸垂されている。シャックルキャリア23は、ボルト25及び26によってチェーンコンベア2を構成するチェーン片27に取り付けられている。なお、29及び30は、シャックル軸22又はボルト25、26の周囲に設けられたブッシュである。
またシャックル軸22は、シャックルキャリア23の下方に並設された一対のガイドレール31間に挿通されている。図3に示すように、シャックル軸22にはガイドレール31の内部に当る位置に歯車32が固定され、歯車32に対向する位置の一方のガイドレール31の内側には、ラック33が固着されている。歯車32とラック33とが噛み合ってワーク1を回転させることにより姿勢変更させる。
本実施形態では、ワーク1の搬送路に沿って複数並設された噴霧ノズル8のうちの中央部に配置された噴霧ノズル付近に到達したときに、シャックル3を90度回転させるようにラック33が配置されている。なおシャックル3の回転角度は、ラック33のワーク1の搬送方向の長さを調節することにより任意に設定することができる。
受水槽4の一端まで搬送されてきたワーク1は、図2に示すように、その場所に配置された氷充填ノズル5によってワーク1の内部に氷スラリを充填される。なお塊径が大きいブロックアイスを充填する場合は、氷充填ノズル5の内径を大きくする必要がある。
かかる構成の本実施形態において、まずチェーンコンベア2によって搬送されてくるワーク1の内部に、氷充填ノズル5によって氷スラリを充填する。これによって、ワーク1は内部から冷却される。この氷スラリは氷蓄熱槽11で製造され、三方弁16によって氷充填率が調整されたものである。ワーク1は、内部に氷スラリを充填された後、冷却領域を構成する氷スラリ噴霧ノズル8の下方に到達して、噴霧ノズル8から0℃の氷スラリiを噴霧されて外部から冷却される。なお受水槽4に溜まった氷スラリの融解水は、2〜3℃の温度となっており、排水口6からオーバーフロー水7として系外に排出されるが、浄化した後循環使用が可能である。
なおワーク1は、噴霧ノズル群8の中央部付近で、氷スラリiに接しない箇所がなくなるように前述のシャックル回転機構により90度回転される。
氷スラリiの噴霧を受けたワーク1は、そのまま次の工程に搬送される。この場合ワーク1の表面に水分が付着しているので、減圧室に搬送し、水分を蒸発させ、その蒸発潜熱を利用してさらに冷却すると同時に乾燥する。
かかる本実施形態によれば、ワーク1を冷却処理する前に予めワーク1の内部に氷スラリを充填するので、外部からの氷スラリiの噴霧と相まって、ワーク1の内部及び外部から同時に冷却することができる。この結果、冷却速度が遅いワークの胸部の肉厚を半減させることとなり、これによって、冷却時間を画期的に短縮できるとともに、ワークの各部位の冷却速度を均一化できるので、胸部以外の冷却されやすい部分の含水率を抑え、肉質の劣化を防止することができる。
なおワーク1の内部に充填する氷スラリーは、冷却工程の終りに氷を完全に融解させることにより、氷の融解潜熱を有効に利用できるようにするのが望ましい。
なお噴霧ノズル8から氷スラリーを噴霧する代わりに冷却空気を噴霧してもよい。この場合は、図示しない冷凍ユニットにて冷却空気をつくり、噴霧ノズル8からその冷却空気をワーク1に吹き付ける。冷却空気は冷却能力が高く、後工程として乾燥工程を省略できる利点がある。
(実施形態2)
次に本発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。本実施形態は、チラータンク内に貯留した冷却水にワークを浸漬する冷却方式を採用した実施形態である。なお、図4において、前記第1実施形態と同一符号を付した部材又は機器は前記第1実施形態と同一の部材又は機器であり、これら同一部材又は機器の説明は省略する。
図4において、チラータンク41には冷却水42が貯められている。また、チラータンク41には、管路15から分岐した管路43によって氷スラリが供給される。さらに、充填ノズル5に氷スラリを供給する管路15に電磁弁44を介装するとともに、チラータンク41に浸漬して冷却している間にワーク1内に充填した氷が融解する量を予め演算し、該演算量だけワーク1に氷スラリを充填するように電磁弁44を制御する演算装置45を設けている。
その他の構成は、図1に示す前記第1実施形態と同一である。
本実施形態では、前記第1実施形態と比べて、噴霧ノズル8をなくし、チラータンク41に貯留した冷却水42の中にワーク1を浸漬することによりワーク1を冷却する。即ちチェーンコンベア2を、チラータンク41の入口部で下降勾配で配置し、その後、チェーンコンベア2を水平配置としてワーク1を冷却水42中に浸漬させた後、チラータンク41の出口部で浮上するように上昇勾配で配置している。
本実施形態においては、まずワーク1を冷却水42に浸漬する前に、前記第1実施形態と同様に、氷充填ノズル5によってワーク1の内部に氷スラリを充填する。その後、ワーク1をチラータンク41の入口部から冷却水42に浸漬し、チラータンク41の出口部から浮上して冷却工程を終え、次の切断工程に移送される。
本実施形態によれば、ワーク1をその内部及び外部から同時に冷却するため、冷却効果を飛躍的に向上できる点は前記第1実施形態と同様であるが、第1実施形態のように噴霧ノズル8を配設しないで済む点で設備を簡素化できる利点がある。また、ワーク1を氷スラリ中に浸漬するので、冷却効果を高めることができる。
また電磁弁44及び演算装置45を設けたことにより、ワーク1の内部に充填した氷スラリをチラータンク41で冷却する冷却工程の終了時に完全に溶かし切るように調節することができ、効率の良い冷却処理を行なうことができるとともに、屠体内に氷が残らないため、次の切断工程に支障をきたすことがないという利点がある。
なお本実施形態のように、冷却工程で冷却水を使用した場合は、後工程として、ワークを減圧室に入れ、ワークの表面に付着した水分を蒸発させ、ワーク1から蒸発潜熱を奪うことにより、冷却を兼ねた乾燥工程を実施する。
本発明によれば、鶏肉加工工程において中抜きされた食鳥屠体の冷却工程において、冷却効果を格段に向上させて、冷却時間を大幅に短縮できるとともに、ワークの各部位の冷却速度を均一化できるため、ドリップの発生あるいは肉質の劣化を招くことがない有益な冷却方法及び装置を実現させることができる。
本発明の第1実施形態を示す縦断立面図である。 前記第1実施形態のワーク吊り下げ機構を示す一部断裁立面図である。 前記第1実施形態のワーク吊り下げ機構の一部を示す、図2中のIII−III線に沿う断面図である。 本発明の第2実施形態を示す縦断立面図である。
符号の説明
1 ワーク(食鳥屠体)
2 チェーンコンベア(搬送装置)
3 シャックル
4 受水槽
5 氷充填ノズル
8 噴霧ノズル
11 氷蓄熱槽
12 冷凍装置
13 蒸発器
14 氷
15、18 管路
31 ガイドレール
32 歯車
33 ラック
41 チラータンク(冷却槽)
42 冷却水
44 電磁弁
45 演算装置
i 氷スラリ(冷却媒体)

Claims (7)

  1. 中抜き後の食鳥屠体を搬送装置に装着した状態で移送しながら食鳥屠体に冷却媒体を接触させて複数の食鳥屠体を連続的に冷却処理する食鳥屠体の冷却方法において、
    冷却処理前に予め食鳥屠体の内部に氷を充填し、冷却処理領域で食鳥屠体に冷却媒体を噴霧するか又は食鳥屠体を冷却水に浸漬して食鳥屠体を内外から同時冷却するようにしたことを特徴とする食鳥屠体の冷却方法。
  2. 食鳥屠体に冷却媒体として冷却水、冷却空気又は氷スラリーを吹き付けることを特徴とする請求項1に記載の食鳥屠体の冷却方法。
  3. 食鳥屠体の内部に充填した氷が冷却処理中に融解する量を予め計算し、冷却処理前に食鳥屠体の内部に予め該計算値に等しい量の氷を充填することを特徴とする請求項1に記載の食鳥屠体の冷却方法。
  4. 中抜き後の食鳥屠体を搬送装置に装着した状態で移送しながら食鳥屠体に冷却媒体を接触させて複数の食鳥屠体を連続的に冷却する食鳥屠体の冷却装置において、
    食鳥屠体の冷却処理領域で前記搬送装置に沿って配設され食鳥屠体に冷却媒体を吹き付ける複数の噴霧ノズルと、
    該冷却処理領域の上流側に配設され食鳥屠体の内部に氷を充填するノズルと、を備え、食鳥屠体の内部に該ノズルで氷を充填した状態で食鳥屠体を冷却処理するように構成したことを特徴とする食鳥屠体の冷却装置。
  5. 中抜き後の食鳥屠体を搬送装置に装着した状態で移送しながら食鳥屠体に冷却媒体を接触させて複数の食鳥屠体を連続的に冷却する食鳥屠体の冷却装置において、
    前記搬送装置の下方に配置され冷却水を貯留した冷却槽と、
    該冷却槽の前端側で食鳥屠体が該冷却水に浸漬するように下降配置するとともに、該冷却槽の他端側で食鳥屠体を冷却水から浮上させるように該搬送装置を上昇配置し、
    該冷却槽の上流側に食鳥屠体の内部に氷を充填するノズルを設けたことを特徴とする食鳥屠体の冷却装置。
  6. 前記氷充填ノズルに、食鳥屠体の内部に充填した氷が冷却処理中に融解する量を予め計算し該融解量だけ氷を充填する制御装置を設けたことを特徴とする請求項4又は5に記載の食鳥屠体の冷却装置。
  7. 食鳥屠体を前記搬送装置で移送中に、冷却領域の途中で回転手段が設けられ、該回転手段で食鳥屠体を回転させ姿勢変更させるように構成したことを特徴とする請求項4又は5に記載の食鳥屠体の冷却装置。
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