JP2009033339A - ファクシミリ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】音声応答の不快感を解消することができ、近傍の別のFAX装置の存在に基づく誤動作を解消することができるようにする。
【解決手段】本発明のファクシミリ装置は、応答メッセージ再生手段から再生出力される応答メッセージ信号に対して所定の周波数帯域成分を阻止する帯域阻止フィルタ手段と、応答メッセージ再生手段から再生出力される応答メッセージ信号を透過する透過フィルタ手段と、帯域阻止出力信号及び透過出力信号のそれぞれの振幅を調整し、調整後の帯域阻止出力信号及び透過出力信号を加算して出力する重み調整手段と、着信信号からファクシミリ制御信号を検出するファクシミリ制御信号検出手段と、応答メッセージ再生手段の応答メッセージ信号の再生出力後、ファクシミリ制御信号検出手段のファクシミリ制御信号検出結果に応じて、ファクシミリ処理制御手段と受信メッセージ録音手段との切替制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のファクシミリ装置は、応答メッセージ再生手段から再生出力される応答メッセージ信号に対して所定の周波数帯域成分を阻止する帯域阻止フィルタ手段と、応答メッセージ再生手段から再生出力される応答メッセージ信号を透過する透過フィルタ手段と、帯域阻止出力信号及び透過出力信号のそれぞれの振幅を調整し、調整後の帯域阻止出力信号及び透過出力信号を加算して出力する重み調整手段と、着信信号からファクシミリ制御信号を検出するファクシミリ制御信号検出手段と、応答メッセージ再生手段の応答メッセージ信号の再生出力後、ファクシミリ制御信号検出手段のファクシミリ制御信号検出結果に応じて、ファクシミリ処理制御手段と受信メッセージ録音手段との切替制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ファクシミリ装置に関し、特に、電話機能を備えたファクシミリ装置に適用し得るものである。
近年、ファクシミリ装置(以後、FAX装置ともいう)、特に、家庭用ファクシミリ装置は、留守番電話機能を備えたものがほとんどである。留守番電話機能を備えたファクシミリ装置は、通信の冒頭に呼出信号であるCNG(コーリングトーン)信号を検出することで、音声通信ではなく、FAX通信であることを判断している。
従来、留守番電話機能を備えたFAX装置において、応答メッセージの回り込みで生じたエコー信号が、受信したCNG信号に混じりこんでしまうことがある。この場合、従来の留守番電話機能を備えたFAX装置は、この応答メッセージのエコーを完全に分離することができず、CNG信号を正しく検出することができないことがある。これは、CNG信号の検出を図るために、受信信号を増幅しても、応答メッセージのエコー信号も増幅することとなるからである。
このとき、応答メッセージを送出完了するまでCNG信号の検出ができないので、応答メッセージがCNG信号の送出時間より長い場合では、留守番電話機能を作動させている間は、ファクシミリが着信できない事態が発生する。また、応答メッセージがCNG信号の送出時間より短い場合では、応答メッセージが送出し終えるまで待ってからやっとCNG信号の検出が可能になり、それからファクシミリ間のデータ通信が始まるので、発信先である相手側は、本来望まない余計な課金が発生してしまう。
特許文献1は、上記のような問題を解決するファクシミリ装置の技術が開示されている。具体的には、応答メッセージの発生中のときには、エコーキャンセラからの音声信号の増幅度を低下させる増幅器を備え、増幅された信号のうち所定レベル以上の信号を検出したとき、これをCNG信号の検出とする技術が記載されている。その結果、応答メッセージのエコー信号が残留していても、応答メッセージ発生中のCNG信号を検出することができ、通信相手に余計な可能な限り費用負担をかけないことができる。
ところで、上記のような従来のファクシミリ装置を用いても、以下に示すように、応答メッセージを再生している間、応答メッセージのエコー信号が、依然としてFAX受信を妨害してしまう問題がある。
応答メッセージのエコーは電話回線の2線4線変換ハイブリッド回路(以後ハイブリッド回路ともいう)で発生し、この応答メッセージのエコー信号が、ファクシミリ装置に戻ってくる。このとき、最悪の場合、エコー信号の信号レベルは、応答メッセージの信号レベルの半分(例えば、6dB)しか減衰せずに回り込んでくる。
このような電話回線の状態において、信号レベルが非常に低いCNG信号が遠方から到来すると、信号レベルの低いCNG信号が、信号レベルの高いエコー信号に埋もれてしまい、ファクシミリ装置においてCNG信号を検出することができないことがある。これは、CNG信号とエコー信号(雑音とみなす)のS/Nが小さいからである。
この問題に対して、特許文献1に記載の技術を採用し、エコーキャンセラ部の出力レベルを増幅器で増減しても、CNG信号とエコー信号とのS/Nは改善されないから、依然としてCNG信号の検出が困難となり、結局FAXの受信ができないという問題点があった。
また、エコーキャンセラ(以後ECともいう)は収束に時間が必要であることが原因でCNG信号が受信できないという問題点もあった。
つまり、エコーキャンセラは、エコー信号を精密に除去できるようになるまでに学習時間(または収束時間ともいう)を必要とする。学習時間はエコーキャンセラの学習アルゴリズムに依存するが、実現コストが現実的であることから、最もよく使われている公知のNLMS法では音声信号を入力にした場合、収束時間は数秒間かかることもある。
都合の悪いことに、CNG信号がFAX装置に入力されるのは通話開始から1秒以内である。つまり、FAX装置は、電話機がオフフック(受話器をはずしたと同じ受信状態)するとすぐに、通信相手がFAX装置なのかそうでないか(例えば、人間)なのかを区別をする必要がある。これは、CNG信号の検出を開始して相手側FAX装置と通信プロトコルを実行しようとするからである。
このとき、エコーキャンセラには、打ち消すべきエコー信号と透過すべきCNG信号の両方が混在しているにもかかわらず、エコーキャンセラ自体は、「収束途上」の状態にある。そのため、エコーキャンセラは、混在しているCNG信号を、消去対象のエコー信号と一緒に消去しようと学習を進行させるため、CNG信号は大きく変形されてしまう。
そのため、エコーキャンセラから出力される段階で、すでに、CNG信号は検出困難な形状に変形されてしまうことがあり、FAX受信が失敗してしまうという問題が生じ得る。
この問題に対して、特許文献2に記載の技術を適用することができる。特許文献2には、音声応答マシンの出力信号、例えば留守番電話の応答メッセージに対して、予め帯域阻止フィルタをかけて、CNG信号の周波数成分を除去し、音声信号がエコー発生源で反射されても、CNG信号の周波数成分だけはエコーが反射してこないようにして、遠方から到来するCNG信号を妨害しないようにする技術である。
そこで、特許文献2の技術を特許文献1の技術とあわせて用いれば、エコーキャンセラの収束によらずにFAXを受信できる受信機を構成し得る。
しかしながら、上述した従来技術を用いたとしても、以下に示すような問題が生じ得る。
(1)問題点1;音声応答の違和感の解消
まず、応答メッセージの音質が低いために、遠端者に不快感を与えていることがある。そこで、遠端者に与え得る違和感を解消することが求められている。
まず、応答メッセージの音質が低いために、遠端者に不快感を与えていることがある。そこで、遠端者に与え得る違和感を解消することが求められている。
近年、IP電話技術の普及に伴い、従来の電話の音質を凌駕する音質の良い通話が実用に供されている。近年のIP電話装置は、従来の電話装置よりも、2倍又はそれ以上の周波数帯域で音声信号をやり取りできるようになっているからである。このような電話に慣れ親しんだ利用者は高い音質に慣れているから、わずかな音質の違和感にも敏感に反応し、不快感を持つ場合がある。
ところが、特許文献1の記載技術に特許文献2の記載技術をそのまま導入すると、応答メッセージに帯域阻止フィルタ処理を施すことになるので、遠端から電話を掛けてきた利用者には違和感が生じる。
さらに、近年では、留守番電話機に応答メッセージのほかに、予め伝言メッセージなどを入れておき、相手側に暗証番号などを入力させてから、伝言メッセージを聞かせる伝言機能などを持つ電話機も多い。この場合、伝言メッセージまでもが帯域阻止フィルタで処理された音声になるため、遠端の利用者は相当の長時間にわたって違和感のある音声を聞くことになり、不快であった。伝言機能以外であっても、電話機の高機能化にともなって、留守番電話モード中にさまざまなボタン操作を要求する場合があり、これらのメッセージもやはり帯域阻止フィルタの影響を受けるものであるから遠端の利用者は相当の長時間にわたって違和感のある音声を聞くことになり、不快であった。
(2)問題点2;近傍の別装置の存在に基づく誤動作の解消
次に、近傍に別のFAX装置が存在する場合に、その別のFAX装置のFAX通信音(CNG通信音)により誤作動し、FAX通信が開始したり、会話が強制的に打ち切られたり、FAX信号の不快な音を聞かされたりする場合がある。そこで、このような近傍の別装置の存在に基づく誤作動を解消することが求められている。
次に、近傍に別のFAX装置が存在する場合に、その別のFAX装置のFAX通信音(CNG通信音)により誤作動し、FAX通信が開始したり、会話が強制的に打ち切られたり、FAX信号の不快な音を聞かされたりする場合がある。そこで、このような近傍の別装置の存在に基づく誤作動を解消することが求められている。
この問題点の理解については、詳しい説明が必要であるので、図2を参照しながら説明する。図2は、従来の留守番電話機能を備えたファクシミリ装置の内部構成を示す構成図である。
図2において、スイッチ51は、初期状態で端子bに接続されているものとする。また、近傍の別のFAX装置48が存在しており、このFAX装置48はFAX通信音を発生するよう設定されているものとする。また、マイクロホン47は、図示しないアナログ−ディジタル変換器を内蔵しているものとする。
(a)FAX通信が着信した場合
この場合、問題は発生しない。
この場合、問題は発生しない。
図2において、FAX通信の着信があった場合、遠端からCNG信号が到来すると、CNG信号は、ハイブリッド回路42及びA/D56を介して、エコーキャンセラ45に入力する。
このとき、制御部50は、留守番モードに設定されており、かつ、一定時間オフフックがない場合には、回線をつなぎ、応答メッセージを再生する。
そうすると、応答メッセージは、D/A44によりアナログ信号になり、ハイブリッド回路42で一部信号が反射されて、エコーとしてA/D56に回り込み、エコーとCNG信号はCNG検出部53に出力される。
しかし、CNG検出部53では、CNG信号にエコーが混在していても、既存の技術を用いてCNG信号を検出することができるので、従来と同様に、FAX通信を開始させることができる。
(b)通常の話者から着信した場合
この場合、後述する条件に応じて、問題が発生する場合と発生しない場合がある。
この場合、後述する条件に応じて、問題が発生する場合と発生しない場合がある。
(b−1)留守モードが「留守番電話モード」のとき
このとき、問題は発生しない。
このとき、問題は発生しない。
遠端から着信があった場合でも、留守番電話モードのときには、マイクロホン47が音声を捕捉することはないので、別のFAX装置のFAX通信音を捕捉することはない。従って、このときには、問題は発生しない。
(b−2)留守モードが「在席モード(すなわち留守モード解除)」のとき
このとき、問題が発生する。
このとき、問題が発生する。
留守モードが解除されているとき、近端話者が会話を行なうので、マイクロホン47は、近端話者の音声を捕捉する。このとき、マイクロホン47は、近傍の別のFAX装置48のスピーカからFAX通信音(CNG信号音)を発生させている場合、このFAX通信音が、マイクロホン47に捕捉され、D/A44及びハイブリッド回路42を経由して、A/D56に与えられる。
A/D56の出力はエコーキャンセラ45に与えられるが、エコーキャンセラ45の収束が十分に進んでいない「通話初期」のときには、別のFAX装置48のFAX通信音(CNG信号)がそのままBPF54を経由してCNG検出部53に到達してしまう。
その結果、別のFAX装置48のCNG信号又はCNG信号を含む信号は、CNG検出部53により検出されてしまう。このとき、CNG検出部53の精度が高い場合にはなおさらである。
また、近年のFAX装置は、電話機と一体となっているものも多く、手動によるFAX受信を可能にするため、留守モードの設定状態に関わりなく、CNG信号の検出後は、FAX動作が強制的に開始するようになっているものが多い。つまり、近端話者が通話をしているにも拘らず、別のFAX装置48の出した音に基づいて、間違ってCNG信号検出を行なってしまい、FAX受信シーケンスモードに変わり、話者同士の会話が寸断され、強制的にFAX送受信シーケンスが始まってしまう。
さらに、遠端側のFAX装置の付近に別のFAX装置が存在している場合には、遠端の別のFAX装置と相互にFAX送受信プロトコルのやり取りが発生してしまうので、受話器で音を聞いている話者に対して、遠端側のFAX装置はプロトコルに準じたFAXプロトコル信号を送りつけてくる。実際は話者同士が音声で会話をしようとしていたのだから、FAX装置がお互いに送受信を成功させることはなく、最終的には一定時間の送受信手順のやり取りを失敗したあと、電話回線を開放(呼を切断)してしまうことも稀ではない。
以上より、本発明は、音声応答の不快感を解消することができ、近傍の別のFAX装置の存在に基づく誤動作を解消することができるファクシミリ装置を提供するものである。
かかる課題を解決するために、第1の本発明のファクシミリ装置は、(1)予め設定された応答メッセージ信号を再生出力する応答メッセージ再生手段と、(2)応答メッセージ再生手段から再生出力される応答メッセージ信号に対して、所定の周波数帯域成分を阻止する帯域阻止フィルタ手段と、(3)応答メッセージ再生手段から再生出力される応答メッセージ信号を透過する透過フィルタ手段と、(4)帯域阻止フィルタ手段からの帯域阻止出力信号及び透過フィルタ手段からの透過出力信号のそれぞれの振幅を調整し、調整後の帯域阻止出力信号及び透過出力信号を加算して出力する重み調整手段と、(5)着信信号からファクシミリ制御信号を検出するファクシミリ制御信号検出手段と、(6)所定のファクシミリ処理を制御するファクシミリ処理制御手段と、(7)受信音声メッセージを録音する受信メッセージ録音手段と、(8)応答メッセージ再生手段の応答メッセージ信号の再生出力後、ファクシミリ制御信号検出手段のファクシミリ制御信号検出結果に応じて、ファクシミリ処理制御手段と受信メッセージ録音手段との切替制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
第2の本発明のファクシミリ装置は、(1)音を捕捉して音信号として出力する音捕捉手段と、(2)音捕捉手段から出力される音信号に対して、所定の周波数帯域成分を阻止する帯域阻止フィルタ手段と、(3)音捕捉手段から出力される音信号及び帯域阻止フィルタ手段から出力される帯域阻止出力信号に基づいて、音捕捉手段からの音信号の中にファクシミリ制御信号が背景的に含まれていることを検出する信号検出手段と、(4)着信信号からファクシミリ制御信号を検出するファクシミリ制御信号検出手段と、(5)信号検出手段の検出結果に応じて、ファクシミリ制御信号検出手段の動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、音声応答の不快感を解消することができ、近傍の別のFAX装置の存在に基づく誤動作を解消することができる。
(A)第1の実施形態
以下、本発明のファクシミリ装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明のファクシミリ装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態は、留守番電話機能を備えたファクシミリ装置に、本発明を適用した場合を例示して説明する。
第1の実施形態は、遠端から着信があったときに、遠端話者が聞くことになる音声応答(留守録促しメッセージ音声)を自然な聴感にして送信する場合の適用である。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態のファクシミリ装置の内部構成を示す構成図である。図1において、第1の実施形態のファクシミリ装置1Aは、2線4線変換ハイブリッド回路(以後ハイブリッド回路ともいう)2、FAX部3、ディジタル−アナログ変換器(以後、D/Aともいう)4、帯域阻止フィルタ部(以後BEFともいう)5、応答メッセージ再生部6、エコーキャンセラ7、制御部8、受信メッセージ録音部9、スイッチ10、CNG検出部11、帯域通過フィルタ部(以後BPFともいう)12、エコー打消し加算器13、アナログ−ディジタル変換器(以後単にA/Dともいう)14、重み調整部15、透過信号振幅調整器16、BEF出力信号振幅調整器17、透過フィルタ部20である。
図1は、第1の実施形態のファクシミリ装置の内部構成を示す構成図である。図1において、第1の実施形態のファクシミリ装置1Aは、2線4線変換ハイブリッド回路(以後ハイブリッド回路ともいう)2、FAX部3、ディジタル−アナログ変換器(以後、D/Aともいう)4、帯域阻止フィルタ部(以後BEFともいう)5、応答メッセージ再生部6、エコーキャンセラ7、制御部8、受信メッセージ録音部9、スイッチ10、CNG検出部11、帯域通過フィルタ部(以後BPFともいう)12、エコー打消し加算器13、アナログ−ディジタル変換器(以後単にA/Dともいう)14、重み調整部15、透過信号振幅調整器16、BEF出力信号振幅調整器17、透過フィルタ部20である。
CNG検出部11の検出出力信号は、図示しない信号線によって制御部8に出力されている。スイッチ10は初期状態では開放されている。
ハイブリッド回路2は、2線と4線を変換する回路である。ハイブリッド回路2は、送信時には、D/A4からの出力を取り込み、2線4線変換処理をした信号を電話回線に出力し、また受信時には、電話回線からの信号を取り込み、2線4線変換処理をした信号をA/D14に出力するものである。さらに、2線4線ハイブリッド回路2は、FAX通信の場合には、FAX部3と接続し、電話回線とFAX部3との間でFAX信号の送受信を行なうものである。
FAX部3は、FAX通信処理を行なう装置である。FAX部3としては、既存のFAX通信処理を行なう装置を広く適用することができる。
D/A4は、入力されたディジタル信号をアナログ信号に変換してハイブリッド回路2に出力するものである。A/D14は、ハイブリッド回路2から入力されたアナログ信号をディジタル信号に変換してエコーキャンセラ7に出力するものである。
エコーキャンセラ7は、制御部8の制御の下、送信信号及び受信信号を取り込み、所定の生成方法により擬似エコー信号を生成し、エコー打消し加算器13が受信信号から擬似エコー信号を減算して、エコー成分を除去するものである。エコーキャンセラ7としては、既存のエコーキャンセル技術を広く適用することができる。
制御部8は、留守番電話機能を備えたファクシミリ装置1Aの機能を司るものである。制御部8は、CNG検出部11がCNG信号を検出した場合には、当該通信がFAX通信であるものと判断し、FAX部3に対してFAX処理の開始を指示するものである。
また、制御部8は、CNG検出部11がCNG信号を検出しない場合には、当該通信が音声通信であると判断し、応答メッセージ再生部6の再生制御を行なうと共に、重み調整部15を制御するものである。なお、この制御部8による重み調整制御処理については、動作の項において詳細に説明する。
受信メッセージ録音部9は、制御部8による留守番電話機能の制御の下、遠端からの音声メッセージを録音するものである。
スイッチ10は、制御部8の制御の下、FAX通信である場合には開放し、音声通信である場合には閉じるスイッチである。これにより、音声通信の場合に、受信メッセージ録音部9との接続を可能にすることができる。
CNG検出部11は、受信信号からCNG信号を検出するものである。CNG信号は、日本の場合、1100Hzの断続トーン信号であり、CNG検出部11は、帯域通過フィルタ部12からの出力に基づいて、1100Hzの周波数成分の信号を監視することで、CNG信号を検出するものである。また、CNG信号を検出すると、CNG検出部11はCNG信号を検出した旨を制御部8に通知するものである。
帯域通過フィルタ部(BPF)12は、エコーキャンセラ7からの出力を取り込み、所定の周波数帯域成分の信号を通過させるフィルタである。帯域通過フィルタ部12は、例えば、IIR形式(無限インパルス応答形式)フィルタや、FIR形式(有限インパルス形式)フィルタなど既存フィルタを適用することができ、通過させる帯域としては、1100Hzを中心に上下100Hz(すなわち、1000Hz〜1200Hz)の周波数成分を通過させるものとする。勿論、帯域通過フィルタ部12の種類や、通過周波数帯域は、これに限定されるものではない。
透過フィルタ部20は、応答メッセージ再生部6から出力される応答メッセージ信号を透過するフィルタである。これにより、透過フィルタ部20を通過する信号に遅延を与えることができ、帯域阻止フィルタ部5を通過する信号とのタイミングを調整することができる。
帯域阻止フィルタ部(BEF)5は、応答メッセージ再生部6からの出力を取り込み、所定の周波数帯域成分の信号を阻止させるフィルタである。帯域阻止フィルタ部5は、例えば、IIR形式(無限インパルス応答形式)フィルタや、FIR形式(有限インパルス形式)フィルタなど既存フィルタを適用することができ、阻止する周波数帯域としては、1100Hzを中心に上下100Hz(すなわち、1000Hz〜1200Hz)の周波数成分を阻止するものとする。勿論、帯域阻止フィルタ部5の種類や、阻止する周波数帯域は、これに限定されるものではない。
重み調整部15は、制御部8の制御の下、透過フィルタ部20から出力された信号と、帯域阻止フィルタ部5から出力された信号とのそれぞれの信号レベルに後述するような重みを与え、重み付けした後に、それぞれを合算した信号を出力するものである。この重み調整部15の処理については動作の項で詳細に説明する。
重み調整部15は、透過信号振幅調整器16とBEF出力信号振幅調整器17とを有する。透過信号振幅調整器16及びBEF出力信号振幅調整器17は、例えば、減衰器や増幅器等から構成されているものであり、制御部8からの制御信号に基づいて、透過フィルタ部20からの出力信号及び帯域阻止フィルタ部5からの出力信号の振幅を調整するものである。
(A−2)第1の実施形態の動作
第1の実施形態では、遠端からの着信が、FAX通信に係るものでなく、通話に係るものであったとき、従来技術よりも、遠方話者が聞くことになる留守録促しメッセージ音声を自然な聴感にするための実施形態である。
第1の実施形態では、遠端からの着信が、FAX通信に係るものでなく、通話に係るものであったとき、従来技術よりも、遠方話者が聞くことになる留守録促しメッセージ音声を自然な聴感にするための実施形態である。
以下、図1を用いて第1の実施形態の動作を説明する。なお、スイッチ10は初期状態では開放であるとする。
第1の実施形態では、遠端からの着信が、FAX通信に係るものであるか又は通話に係るものであるのかにより動作が異なるので以下では場合を分けて説明する。
(a)FAX通信が着信した場合
遠端からの信号が電話回線を通じて到来すると、ファクシミリ装置1Aでは、制御部8が、図示しない受話器を上げない状態であっても、留守番電話モードに設定されており、かつ、所定時間オフセットがない場合、回線をつなぐ。例えば、第1の実施形態では、10秒間のオフフックがない場合に、制御部8がファクシミリ装置1Aを回線につなぐようにする。勿論、この時間は特に限定されるものではない。
遠端からの信号が電話回線を通じて到来すると、ファクシミリ装置1Aでは、制御部8が、図示しない受話器を上げない状態であっても、留守番電話モードに設定されており、かつ、所定時間オフセットがない場合、回線をつなぐ。例えば、第1の実施形態では、10秒間のオフフックがない場合に、制御部8がファクシミリ装置1Aを回線につなぐようにする。勿論、この時間は特に限定されるものではない。
次に、制御部8は、応答メッセージの再生を開始する旨を示す再生指示信号を、応答メッセージ再生部6に与える。応答メッセージ再生部6は、制御部8からの再生指示信号を受けて、応答メッセージを再生出力する。このとき、スイッチ10は開放のままである。
また、制御部8は、エコーキャンセラ7に対して打消中止信号を与える。エコーキャンセラ7は、制御部8から打消中止信号を受けている間、エコーの打消し動作及び学習動作を停止する。
遠端からの着信がFAX通信であった場合、最初にハイブリッド回路2に入力される信号はCNG信号である。ここで、CNG信号は、一般に断続のあるトーン信号であり、例えば、日本の場合1100Hzの断続トーン信号である。
ハイブリッド回路2に入力したCNG信号は、A/D14により、アナログ信号からディジタル信号に変換された後、エコーキャンセラ7に入力する。
一方、このとき、既に応答メッセージ再生部6は、留守番電話の応答メッセージを再生している。例えば、メッセージの内容の例としては、録音された人間の音声で、「ただいま、留守にしております。発信音の後に、メッセージを残してください。」があるが、勿論これに限定されるものではない。
応答メッセージ再生部6からの出力は、帯域阻止フィルタ部5及び通過フィルタ20に与えられる。
帯域阻止フィルタ部5に与えられた信号は、帯域阻止フィルタ部5により1000Hz〜1200Hzの周波数成分が阻止されて重み調整部15に与えられ、また、通過フィルタ20に与えられた信号は、通過フィルタ20により遅延が与えられ、そのまま重み調整部15に与えられる。
ここで、透過フィルタ部20は、帯域阻止フィルタ部5から出力される信号とのタイミングを調整するために、入力信号に遅延を加えるものである。従って、通過フィルタ20が与える遅延は、帯域阻止フィルタ20に適用するフィルタ種類に応じて適宜調整することができる。
例えば、第1の実施形態では、帯域阻止フィルタ部5としてFIR形フィルタを適用する場合、透過フィルタ部20は、帯域阻止フィルタ20のタップ遅延分サンプリング時間(又はその半分の時間)の遅延を与えるようにする。
なお、透過フィルタ部20は、タイミング調整に寄与することができればよいので、帯域阻止フィルタ部5としてIIR形フィルタを適用した場合や、FIR形フィルタとした場合でも、タップ数が短く、音声遅延が気にならない程度の次数であれば、透過フィルタ部20を設けなくてもよい。
透過フィルタ部20からの出力及び帯域阻止フィルタ部5からの出力は、重み調整部15に与えられる。
重み調整部15には、制御部8から後述する重み調整開始信号ST_Wが入力される。この重み調整開始信号ST_Wは、透過フィルタ部20からの出力と帯域阻止フィルタ部5からの出力とを合算する際に、透過フィルタ部20からの出力と帯域阻止フィルタ部5からの出力とのそれぞれの出力レベルに対して重み付けを加える開始信号である。
この詳しくは後述するが、重み調整開始信号ST_Wは、応答メッセージ再生部6が再生出力する時点を開始時点とし、その後CNG検出部11によるCNG信号の検出に十分な時間だけ、帯域阻止フィルタ部5の出力が優先されるような重み付けがなされるような制御信号である。
重み調整部15において、透過フィルタ部20からの出力は透過信号振幅調整器16に与えられ、帯域阻止フィルタ部5からの出力はBEF出力信号振幅調整器17に与えられる。そして、それぞれの信号は、透過信号振幅調整器16及びBEF出力信号調整器17により振幅レベルが調整され合算されて、D/A4に出力される。
D/A4に与えられた信号は、D/A4によりアナログ変換されてアナログ信号になり、ハイブリッド回路2で一部信号が反射されて、エコーとして回り込み、A/D14に入力される。つまり、A/D14には、CNG信号とエコー信号が入力する。
A/D14に与えられた信号は、A/D14によりディジタル変換されてディジタル信号になり、スイッチ10及び帯域通過フィルタ部12に与えられる。このとき、スイッチ10は開放である。
また、A/D14からの出力が帯域通過フィルタ部12に与えられると、所定の周波数成分が通過して、所定の周波数成分がCNG検出部11に与えられる。
ここで、帯域通過フィルタ部12は、具体的には、帯域阻止フィルタ部5で除去した周波数成分に相当する周波数成分を通過させる特性を持つディジタルフィルタであり、FIR圭フィルタやIIR形フィルタを適用することができる。これにより、1100Hzを中心に上下100Hzの周波数成分(すなわち1000Hz〜1200Hzの周波数成分)を通過させることができる。
帯域通過フィルタ部12からの出力がCNG検出部11に与えられると、CNG検出部11は、帯域通過フィルタ部12からの出力に基づいてCNG信号を検出することができる。
つまり、帯域通過フィルタ部12に入力する信号はエコー信号及びCNG信号であるが、このエコー信号は、応答メッセージのうち帯域阻止フィルタ部5により所定の周波数成分、すなわちCNG信号と合致する周波数成分(1000Hz〜1200Hz)を除去された信号である。また、帯域通過フィルタ部12では、所定の周波数成分(1000Hz〜1200Hz)のみが通過する。従って、CNG検出部11に入力する信号は、応答メッセージの信号成分が含まれておらず、遠端から到来したCNG信号の信号成分だけである。
ここで、CNG検出部11によるCNG検出方法として、例えば、単純に帯域通過フィルタ部12からの出力レベルについて、例えば20ms毎の出力レベル変化を計算する。そして、その出力レベル差が、例えば6dB以上の増幅が発生するたびに検出レベル計算処理を開始し、例えば5dBの減衰があると検出レベル計算処理を停止する。以後、検出時間が一定累積時間まで検出レベルの変動がなく(例えば、累積時間として2秒に達するまでの間で±2dB以上の検出レベルの変動がなく)、かつ、各々の単独検出時のレベル及び処理期間中のレベルが所定のレベル(例えば、−20dBm0)を超える値であれば、CNG検出部11は「CNG信号あり」と判定する。勿論、CNG信号の検出方法は、特に限定されるものではなく、他の既存技術を広く適用するようにしてもよい。また、日本国内の場合、CNG信号は0.5秒のイネーブル期間と3秒のディセーブル期間が交互に繰り返されるので、4周期分のCNGが到来すれば、イネーブル期間の累積として2秒分のCNGレベル計算(ぶれ判定)とCNG検出が完了することになる。
CNG検出部11がCNG信号を検出すると、CNG検出部11は、「CNG信号あり」を示す旨を制御部8に通知する。そして、応答メッセージ再生部6が再生出力している間に、CNG検出部11から「CNG信号あり」が通知されると、制御部8は、FAX部3に対してFAX受信動作を開始させる信号を出力する。
このとき、制御部8は、スイッチ10を開放のままにし、図示しない信号線を介して、FAX部3に対してFAX受信動作を開始させる。また、制御部8は、エコーキャンセラ7に対して、エコー打消し動作を指示してもよいし、又エコー打消し動作を指示しないようにしてもよい。
一方、応答メッセージ再生部6が再生出力している間に、CNG検出部11から「CNG信号あり」が通知されないとき、制御部8は、遠端からの信号は音声信号であるとみなし、スイッチを閉じて、受信メッセージ録音部9に信号を通過させる。これにより、受信メッセージ録音部9は信号が入力されたときには録音を開始する。
以上のように、第1の実施形態では、CNG信号の周波数帯域成分を除去する帯域阻止フィルタを応答メッセージ再生部とD/Aとの間に設けることで、エコー源信号からCNG信号成分である1100Hzを除去することができるので、CNG検出部11は純粋に遠端からのCNG信号だけに反応できるようになり、音声メッセージのエコーによってCNG検出器が誤動作してしまい、FAX受信ができなくなることがないのである。
(b)通常の話者からの着信があった場合
次に、図示しない遠端からの着信が、遠端話者の音声信号である場合の動作を説明する。
次に、図示しない遠端からの着信が、遠端話者の音声信号である場合の動作を説明する。
遠端からの信号が電話回線を通じて到来すると、ファクシミリ装置1Aでは、制御部8が、図示しない受話器を上げない状態であっても、留守番電話モードに設定されており、かつ、所定時間オフセットがない場合、回線をつなぐ。例えば、第1の実施形態では、10秒間のオフフックがない場合に、制御部8がファクシミリ装置1Aを回線につなぐようにする。勿論、この時間は特に限定されるものではない。次に、制御部8は、応答メッセージの再生を開始する旨を示す再生指示信号を、応答メッセージ再生部6に与える。応答メッセージ再生部6は、制御部8からの再生指示信号を受けて、応答メッセージを再生出力する。このとき、スイッチ10は開放のままである。また、制御部8は、エコーキャンセラ7に対して打消中止信号を与える。エコーキャンセラ7は、制御部8から打消中止信号を受けている間、エコーの打消し動作及び学習動作を停止する。
遠端からの着信が音声であるとき、遠端話者の音声信号が、A/D14を経由し、帯域通過フィルタ部12に入力される。そして、帯域通過フィルタ1を通過することにより、所定の周波数成分(1000Hz〜1200Hz)が除去された信号が、CNG検出部11に与えられる。
このとき、CNG検出部11では、帯域通過フィルタ部12からの出力信号に基づいて、音声信号であることを認識する。これは、帯域通過フィルタ部12に入力するエコー信号と遠端からの到来信号とは共に音声信号であるから、帯域通過フィルタ部12を通過する信号のパワーは時間と伴って大きく揺らぐものである。従って、CNG検出部11は、一定時間信号レベルがぶれないCNG信号(1100Hzトーン信号)と容易に区別することができる。
CNG検出部11により当該着信が音声信号であると認識されると、CNG検出部11では、CNG信号であるとの検出を行なわない。そうすると、応答メッセージ再生部6の再生出力の間に、「CNG信号あり」の旨の通知はされないので、制御部8は、スイッチ10を閉じ、受信メッセージ録音部9に信号を通過させる。そして、受信メッセージ録音部9は、音声信号が入力されたときに、留守番メッセージを録音する。
以上は、全体的な動作である。続いて、制御部8の詳細な動作について説明する。
制御部8は、着呼の後、留守番メッセージの再生制御を行なうと共に、重み調整部15に重み調整開始信号ST_Wを出力する。
重み調整部15では、制御部8からの重み調整開始信号ST_Wに基づいて、透過フィルタ部20からの出力及び帯域阻止フィルタ部5からの出力に対して重み付けをする。
ここで、図3は、重み調整部15の内部構成を説明する構成図である。図3に示すように、重み調整部15は、透過フィルタ部20からの出力を取り入れる透過信号振幅調整器16、帯域阻止フィルタ部5からの出力を取り入れるBEF出力信号振幅調整器17、透過信号振幅調整器16からの出力とBEF出力信号振幅調整器17からの出力とを合算する加算部18と、制御部8からの重み調整開始信号ST_Wに基づいて、透過信号振幅調整器16及びBEF出力信号振幅調整器17に対して重み係数を生成する係数発生部19とを有して構成される。
図3において、透過信号振幅調整器16及びBEF出力信号振幅調整器17は、乗算器を表現しているが、両者とも後述するように、乗算係数と一体で可変減衰器を適用することができる。
重み調整部15において、制御部8からの重み調整開始信号ST_Wが係数発生部19に与えられると、係数発生部19は、BEF出力信号振幅調整器17に対する第1の係数δを発生すると共に、透過信号振幅調整器16に対する第2の係数δ2を発生する。なお、δ2=1.0−δとする。
係数発生部19は、重み係数δ及びδ2の変化関係が予め設定されており、重み調整開始信号ST_Wを受け取ると、この重み係数δ及びδ2の変化関係に従って、重み係数δ及びδ2を変化させながら発生させるものである。
ここで、係数発生部19が生成する第1の係数δと第2の係数δ2との間の関係を図4に示す。
第1の実施形態では、係数発生部19は、図4(A)に示す関係の係数δ及びδ2を正整する。すなわち、係数発生部19は、重み調整開始信号ST_Wが入力されてから、一定時間の間(例えば、2秒間)、δ(=1.0)及びδ2(=0.0)の値を固定する。係数δを固定する時間は、CNG検出部11がCNG信号を検出するのに、十分な時間を設定できれば、特に制限されるものではない。
そうすると、BEF出力信号振幅調整器17では、一定時間の間(例えば、2秒間)、帯域阻止フィルタ部5からの出力信号に対して第1の係数δを乗算して加算器18に出力し、また、透過信号振幅調整器16では、一定時間の間(例えば、2秒間)、透過フィルタ部20からの出力信号に対して第2の係数δ2を乗算して加算器18に出力する。これにより、一定時間の間(例えば、2秒間)は、重み調整部15からの出力は、帯域阻止フィルタ部5からの出力信号だけとなる。
また、一定時間を経過すると、係数発生部19が生成する係数δ及びδ2の値が変化していき、帯域阻止フィルタ部5からの出力信号の割合が減っていき、透過フィルタ部20からの出力信号の割合が増していき、最終的に、透過フィルタ部20からの出力信号だけが重み調整部15の出力となる。なお、図4(A)では、重み調整開始信号ST_Wを受けてからの固定時間を2秒間としたが、この時間は限定されるものではない。
また、図4(A)は、重み係数δ及びδ2の値を時間に比例して増減する場合を例示したが、図4(B)のように、所定の固定時間経過後、重み係数δ及びδ2の値について一定関係を保ちながら曲線的に変化させるようにしてもよい。このとき、重み係数δとδ2との加算結果が式(1)のように合計すると常に1.0となるように配分することが望ましい。
δ+δ2=δ+(1.0−δ)=1.0 …(1)
図4(B)のように、重み係数δ及びδ2を曲線的に滑らかに変化させることができるので、所定の固定時間が経過しても、帯域阻止フィルタ部5からの出力を多くすることができる、その結果、この期間のCNG信号の検出を可能とすることができ、留守番メッセージを自然な音質に回復することができる。
図4(B)のように、重み係数δ及びδ2を曲線的に滑らかに変化させることができるので、所定の固定時間が経過しても、帯域阻止フィルタ部5からの出力を多くすることができる、その結果、この期間のCNG信号の検出を可能とすることができ、留守番メッセージを自然な音質に回復することができる。
例えば、遠端から人間が留守番応答メッセージに従い、留守番電話を吹き込む場合のケースであれば、留守番応答メッセージは速やかに自然な音質に回復するのが望ましい。また、近年、ファクシミリ装置が電話機との複合機であることが多い。そのため、応答メッセージの内容が、電話機のボタン押下の説明であったり、FAXの送信手順の説明であったり、ある程度長いメッセージであることも珍しくない。従来技術では、メッセージ内容を聞き取ること自体はできても、帯域阻止フィルタ部5により帯域阻止された長いメッセージを聞くうちに違和感が生じる場合がある。このような場合に、第1の実施形態では、重み調整部15が、上記のように重みを変化させることで、冒頭ではCNG信号を検出しやすいことを優先的にし、時間の進行とともにメッセージの聞きやすさを優先するようにすることができる。
図5は、係数発生部19が発生する重み係数の変化関係の変形例を示す図である。図5(A)に示すように、所定の固定時間(図5ではT1秒)が経過してからT2秒までの間に、重み係数δ及びδ2を直線的に変化させて重み係数δ=0、δ2=1.0にする。その後、T2秒からT3秒までの間に、重み係数δ及びδ2を再度直線的に変化させて重み係数を元の状態δ=1.0、δ2=0に戻すようにしてもよい。このように、重み係数を再度変化させ、帯域阻止フィルタ部5の出力の割合を多くさせて、CNG信号の検出を優先できるようにしてもよい。
また、図5(B)に示すように、重み係数δ及びδ2を曲線的に再変化させるようにしてもよい。
さらに、図示しないが、重み係数δ及びδ2の変化関係について、直線的な変化と曲線的な変化とを組み合わせるようにしてもよい。
図5(A)、(B)のように再変化させて、重み係数δ及びδ2を元の状態に戻すことで、例えば、応答メッセージの最後のほうで、「FAXを手動で送る方は送信ボタンを押してください」など、メッセージの終わりに近い部分でFAX信号の送信を促す内容の場合でも、CNG信号の検出を優先することができる。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、応答メッセージからCNG信号の周波数帯域成分を除去する帯域阻止フィルタを設けることにより、CNG信号の周波数帯域成分を有するエコー信号の発生を回避できる。
以上のように、第1の実施形態によれば、応答メッセージからCNG信号の周波数帯域成分を除去する帯域阻止フィルタを設けることにより、CNG信号の周波数帯域成分を有するエコー信号の発生を回避できる。
また、第1の実施形態によれば、CNG検出部の前段に受信信号からCNG信号の周波数帯域成分を通過させる帯域通過フィルタを更に設けることにより、発生したエコー信号を除去し、遠端から受信したCNG信号だけをCNG検出部に通過させることができるので、CNG信号の適切な検出ができる。
さらに、第1の実施形態によれば、重み調整部が、制御部からの制御信号に基づいて、透過フィルタの出力と帯域阻止フィルタの出力との間の重みを調整することができるので、CNG信号の適切な検出を可能としながらも、音質のよい自然な音感の応答メッセージを遠端側に送信することができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明のファクシミリ装置の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
次に、本発明のファクシミリ装置の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図6は、第2の実施形態のファクシミリ装置の内部構成を示す構成図である。図6において、第2の実施形態のファクシミリ装置1Bは、2線4線ハイブリッド回路2、FAX部3、D/A4、帯域阻止フィルタ部5、応答メッセージ再生部6、エコーキャンセラ7、受信メッセージ録音部9、CNG検出部11、帯域通過フィルタ部12、加算部13、A/D14、制御部21、スイッチ22、スイッチ23、信号検出部24、加算部25、マイクロホン27、を有する。
図6は、第2の実施形態のファクシミリ装置の内部構成を示す構成図である。図6において、第2の実施形態のファクシミリ装置1Bは、2線4線ハイブリッド回路2、FAX部3、D/A4、帯域阻止フィルタ部5、応答メッセージ再生部6、エコーキャンセラ7、受信メッセージ録音部9、CNG検出部11、帯域通過フィルタ部12、加算部13、A/D14、制御部21、スイッチ22、スイッチ23、信号検出部24、加算部25、マイクロホン27、を有する。
図6に示すファクシミリ装置1Bの構成要素のうち、図1に示すファクシミリ装置1Aと対応する構成要素については同一符号を付している。また、第2の実施形態のファクシミリ装置1Bは、近傍に別のFAX装置6が存在しているものとする。
マイクロホン27は、通常の電話機能を有するファクシミリ装置が備えるものであり、この実施形態では、特に、図示しないアナログ−ディジタル変換器を内蔵しており、別のFAX装置26が発するFAX通信音を捕捉し得るものである。マイクロホン27は、D/A4と加算部25に接続しており、出力信号をD/A4及び加算部25に与えるものである。
加算部25は、入力側として応答メッセージ再生部6及びマイクロホン27と接続し、出力側として帯域阻止フィルタ部5及び信号検出部24に接続するものである。
帯域阻止フィルタ部5は、加算部25からの出力信号を取り込み、所定の周波数帯域成分の通過を阻止した信号を、スイッチ23及び信号検出部24に与えるものである。帯域阻止フィルタ部5が阻止する周波数帯域については、第1の実施形態と同じであるので、ここでの説明を省略する。
信号検出部24は、加算部25からの出力信号を取り込み、CNG信号が含まれているか否かを検出するものである。また、信号検出部24は、帯域阻止フィルタ部5に入力する入力信号レベルと、帯域阻止フィルタ部5から出力する出力信号レベルとに基づいて、帯域阻止フィルタ部5の入出力レベル比を計測するものである。さらに、信号検出部24は、CNG信号が含まれているか否かの検出結果を制御部21に与えるものである。
制御部21は、第2の実施形態のファクシミリ装置1Bの機能を司るものである。制御部21の制御機能については、動作の項で詳細に説明する。
スイッチ22は、エコーキャンセラ7からの出力信号を取り込み、制御部21の制御の下、入力信号をスピーカ28又は受信メッセージ録音部9に与えるものである。スイッチ23は、3個の出力端子として端子a、端子b及び端子cを有している。端子aは、スピーカ28に接続するものであり、端子bは受信メッセージ録音部9に接続するものであり、端子cはOFF端子である。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態のファクシミリ装置1Bにおける動作を説明する。
次に、第2の実施形態のファクシミリ装置1Bにおける動作を説明する。
(a)FAX通信が着信した場合
まず、遠端からFAX通信が着信した場合の動作を説明するが、この場合の動作は、第1の実施形態で説明したので簡単に説明する。
まず、遠端からFAX通信が着信した場合の動作を説明するが、この場合の動作は、第1の実施形態で説明したので簡単に説明する。
図6において、スイッチ22の初期状態は端子bに接続しているものとし、スイッチ23の初期状態は短絡しているものとする。
遠端から着信があると、制御部21は、図示しない受話器を上げないオンフック状態であっても、もし電話機が留守番モードに設定されており、かつ、一定時間(例えば、10秒間)オフフックがない場合、回線をつなぐ。
次に、制御部21は、応答メッセージ再生部6に対して応答メッセージの再生開始指示し、これを受けて、応答メッセージ再生部6が応答メッセージを再生出力する。このとき、スイッチ22は端子bに接続のままであり、スイッチ23は短絡である。
また、制御部21は、エコーキャンセラ7に対して打消中止信号を出力する。エコーキャンセラ7は、制御部21から打消中止信号を受けている間、エコー打消し処理及び学習動作を停止する。
遠端からFAX着信があると、CNG信号は、ハイブリッド回路2を介してA/D14に入力する。A/D14において、CNG信号は、ディジタル信号に変換されて、エコーキャンセラ7に入力する。
一方、このとき、応答メッセージ再生部6からの応答メッセージは、加算部25を介して、帯域阻止フィルタ部5に入力し、所定の周波数帯域成分(例えば、1000Hz〜1200Hz)が除去され、さらにスイッチ23を介して、ハイブリッド回路2に入力される。
ハイブリッド回路2において、応答メッセージは反射して、エコー信号がA/Dに回り込むが、第1の実施形態と同様に、このエコー信号はCNG信号の周波数成分が取り除かれている。
そのため、A/D14にはCNG信号及びエコー信号が入力し、CNG信号及びエコー信号がエコーキャンセラ7から出力されるが、帯域通過フィルタ部12によりエコー信号は除去されるので、CNG検出部11はCNG信号を検出することができる。
(b)通常の話者からの着信があった場合
次に、遠端話者からの音声信号が着信する場合の動作を説明する。
次に、遠端話者からの音声信号が着信する場合の動作を説明する。
この場合も、制御部21は、図示しない受話器を上げないオンフック状態であっても、もし電話機が留守番モードに設定されており、かつ、一定時間(例えば、10秒間)オフフックがない場合、回線をつなぐ。次に、制御部21は、応答メッセージの再生指示信号を出力し、応答メッセージ再生部6が応答メッセージを再生出力する。このとき、スイッチ22は端子bに接続し、スイッチ23は短絡のままである。
(b−1)留守モードが設定されている場合
制御部21は、エコーキャンセラ7に対して打消中止信号を出力する。エコーキャンセラ7は、制御部21から打消中止信号を受けている間、エコー打消し処理及び学習動作を停止する。
制御部21は、エコーキャンセラ7に対して打消中止信号を出力する。エコーキャンセラ7は、制御部21から打消中止信号を受けている間、エコー打消し処理及び学習動作を停止する。
遠端からの音声信号は、A/D4及びエコーキャンセラ7を介して、CNG検出部11及びスイッチ22に与えられる。しかし、CNG検出部11はCNG信号の検出をしない。
また、音声信号は、スイッチ22の端子bから出力されて、受信メッセージ録音部9に与えられ、遠端話者の音声が留守番メッセージとして録音される。
なお、この実施形態では、スイッチ22が端子bに接続する場合を示したが、他の接続状態としてもよい。例えば、スイッチ22が、端子a及び端子bに接続するものとすることで、遠端話者の音声を録音すると共に、スピーカ28から話者音声を同時に出力させるようにしてもよい。
(b−2)留守モードが解除されている場合
次に、留守モードが解除されている場合のファクシミリ装置1Bの動作を説明する。
次に、留守モードが解除されている場合のファクシミリ装置1Bの動作を説明する。
この場合、制御部21は、エコーキャンセラ7に対して打消停止信号を出力しない。従って、エコーキャンセラ7は、制御部21から打消中止信号を受けていないので、エコー打消し処理及び学習動作を実行する。なお、ここでは、制御部21が、エコー打消し処理及び学習動作の双方を実行させるようにしたが、他の例として、学習が既に終了している場合や、一旦学習したフィルタ特性をその後何度も利用する場合は、学習動作をせず、エコー打消しだけを実行するようにしてもよい。
なお、留守モードが解除されている場合に、遠端からFAX通信の着信があったときは、CNG検出部11がCNG信号を検出して制御部21に通知する。そうすると、制御部21は、スイッチ22の出力端子を端子Cにする切替指示を行うと共に、FAX部3に対してFAX通信を指示する。このようにすることで、遠端からのFAX通信音はスピーカ28から出力されないので、留守モードが解除されている場合でも、利用者に不快感を与えずに済む。
一方、留守モードが解除されている場合に、遠端話者からの音声信号が着信したとき、CNG検出部11によりCNG信号は検出されない。また、応答メッセージ再生部6から応答メッセージの再生出力がなされていないから、制御部21は、スイッチ22の出力端子を端子aにする切替指示を行なう。これにより、遠端話者の音声をスピーカ28から放出することができる。このとき、制御部21は、スイッチ23の接続を開放するよう指示する。これは、応答メッセージ再生部6から留守録メッセージを送信する必要がないからである。
このようにして、遠端者と近端者との間で通話が開始される。すなわち、マイクロホン27は、近端者の音声を捕捉し、その近端者の音声信号を出力する。このとき、マイクロホン27は、近傍に存在する別のFAX装置26のFAX通信音も捕捉し得る。
マイクロホン27からの出力信号は、D/A4及びハイブリッド回路2を介して、電話回線を通じて遠端側に送信される。また、マイクロホン27からの出力信号は、加算器25を介して、帯域阻止フィルタ部5及び信号検出部24に与えられる。
信号検出部24では、加算器25からの出力信号を入力し、この加算器25からの出力信号にCNG信号が含まれているか否かを判断する。この信号検出部24におけるCNG信号の検出方法としては、既存のCNG信号検出方法を適用することができる。例えば、CNG信号は断続的なトーン信号であるから、信号検出部24は、閾値を用いた信号レベルの変動幅に基づいてCNG信号を検出することができる。
また、信号検出部24は、帯域阻止フィルタ部5を通過した出力信号を入力する。そして、信号検出部24は、帯域阻止フィルタ部5に入力する入力信号の信号レベルと、帯域阻止フィルタ部5から出力する出力信号の信号レベルを計測して、その入出力レベル比を求める。
そして、信号検出部24は、CNG信号の検出結果及び入出力レベル比の計算結果が、以下の条件を満たしている場合に、マイクロホン27からCNG信号音又はこれに類似する信号音が入力されているものと判断し、その旨を制御部21に通知する。
条件1:信号検出部24で「CNG信号検出あり」と判断される
条件2:帯域阻止フィルタ部5の入出力レベル比が、入力信号レベル/出力信号レベル≧12dBである。
条件2:帯域阻止フィルタ部5の入出力レベル比が、入力信号レベル/出力信号レベル≧12dBである。
つまり、条件1は、別のFAX装置26が発したFAX通信音(CNG信号)そのものを捕捉し、このCNG信号を検出できた場合を条件とするものである。また、条件2は、帯域阻止フィルタ部5がCNG信号の周波数帯域成分を除去するものであるから、除去の程度を表すものであり、その周波数帯域成分を除去する前と除去した後の信号レベル比が所定以上であれば、マイクロホン出力の中には相当量の割合でCNG信号が含まれている成分が多かったことを表している条件である。
なお、第2の実施形態では、条件2の入出力信号レベル比を判断するために、12dBとしたが、これに限定されるものでない。信号検出部24から条件1及び条件2が成立したことを入力された制御部21は、条件1及び条件2が成立している間、CNG検出部11のCNG信号検出を無視する。
また、信号検出部24において条件1及び条件2を充足するまでの期間、この出力信号がエコー信号として受信側に回り込み、CNG検出部11が誤ってCNG信号を検出してしまうおそれがある。
そこで、このCNG検出部11の誤動作を回避するために、信号検出部24において条件1及び条件2の検出に要するまでの初期期間、制御部21は、CNG検出部11によるCNG信号を検出しても無視するよう指示するようにしてもよい。
これにより、制御部21から指示されている期間、CNG検出部11はCNG信号の検出を無視するので、近くに別のFAX装置26があり、この別のFAX装置26からのCNG信号音を捕捉してしまっても誤動作を防ぐことができる。
なお、遠端話者と近端話者との間の通話後、遠端からFAX通信を希望するときには、例えば手動でFAX送信を実行することができる。このとき、信号検出部24では当然CNG信号の検出はなされないが、CNG検出部11でCNG信号が検出される。その結果、CNG信号の検出後、FAX通信を開始することができる。
その際、送話話者と受話話者でFAXの手動送受信の申し合わせの後、受信側話者がマイクロホン27を手でふさいだり、マイクロホン27入力を遮断する図示しないスイッチを開放してマイクロホン27からの入力を遮断すればより確実にFAXの受信ができるようになるのはいうまでもないことである。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、信号検出部が、マイクロホンからの入力信号と、CNG信号の周波数帯域成分を阻止する帯域阻止フィルタ部の出力信号とを監視することで、マイクロホンから別のFAX装置のFAX通信音が入力されているか否かを判断することができる。その結果、留守モード解除の場合でも、受信側のCNG検出部の検出処理を無視することができるので、別のFAX装置のFAX通信音による誤作動を防止することができる。
以上のように、第2の実施形態によれば、信号検出部が、マイクロホンからの入力信号と、CNG信号の周波数帯域成分を阻止する帯域阻止フィルタ部の出力信号とを監視することで、マイクロホンから別のFAX装置のFAX通信音が入力されているか否かを判断することができる。その結果、留守モード解除の場合でも、受信側のCNG検出部の検出処理を無視することができるので、別のFAX装置のFAX通信音による誤作動を防止することができる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明のファクシミリ装置の第3の実施形態を図面を参照して説明する。
次に、本発明のファクシミリ装置の第3の実施形態を図面を参照して説明する。
図7は、第3の実施形態のファクシミリ装置1Cの内部構成を示す構成図である。
図7において、第3の実施形態のファクシミリ装置1Cは、2線4線ハイブリッド回路2、FAX部3、D/A4、帯域阻止フィルタ部5、応答メッセージ再生部6、エコーキャンセラ7、受信メッセージ録音部9、CNG検出部11、帯域通過フィルタ部12、加算器13、A/D14、重み調整部15、透過フィルタ部20、スイッチ22、スイッチ23、信号検出部24、マイクロホン27、制御部30、加算器42、を有する。
第3の実施形態のファクシミリ装置1Cは、第1の実施形態の構成と第2の実施形態の構成とを併せ持った構成である。
第3の実施形態のファクシミリ装置1Cでは、制御部30の機能だけが第1及び第2の実施形態のものと異なる。そこで、制御部30の機能を中心に説明する。
制御部30は、第1の実施形態の制御部8の機能と、第2の実施形態の制御部21の機能とを併せ持つものであるが、第3の実施形態では、第1の実施形態でいうスイッチ10が存在せず、代わりにスイッチ22を制御する点が異なる。すなわち、制御部30は、第1の実施形態の制御部8がスイッチ10を開放する動作の代わりに、スイッチ22を端子cに接続する(実質は開放と同じである)。そのほかに関しては、第1の実施形態の制御部8、第2の実施形態の制御部21と同じである。
そのほかの動作に関しては、重み調整部15に対しては第1の実施形態と同様に動作し、スイッチ22、スイッチ23、メッセージ再生部6、エコーキャンセラ7に対しては第2の実施形態と同様に動作するのでここで改めて詳しくは説明しない。
以上のように、第3の実施形態によれば、第1及び第2の実施形態の構成を備えることで、第1及び第2の実施形態の効果を得ることができる。
(D)他の実施形態
以上、本発明の第1〜第3の実施形態ではファクシミリ制御信号としてCNG信号を代表例として説明してきたが、必要に応じてCNG信号以外の制御信号を検出するようにしてもよい。
以上、本発明の第1〜第3の実施形態ではファクシミリ制御信号としてCNG信号を代表例として説明してきたが、必要に応じてCNG信号以外の制御信号を検出するようにしてもよい。
たとえば、FAX通信におけるプロトコル手順のなかの信号を検出するようにしてもよい。
また、本発明では音声以外の信号としてファクシミリ制御信号とFAX装置での音声応答不具合の改善を説明してきたが、音声と音声以外の制御信号の混入による同様の検出不具合を改善するためであれば、たとえばFAX以外にも遠端話者が遠方から行うプッシュボタン式音声応答ガイダンス装置、たとえば音声ガイダンス自動チケット予約装置などにも用いることができるのはもちろんことである。
本発明の第1〜第3の実施形態ではフィルタによって周波数の阻止や、通過を選択するようにしたが、公知のFFT(フーリエ変換)、逆FFTを用いて周波数の阻止や、通過を選択するようにしてもよい。
第1の実施形態では、重み調整部15の内部には透過信号振幅調整器16とBPF出力信号振幅調整器17(両方とも実際には減衰器または増幅器で構成される)が設けられて、おのおのの重みによって周波数阻止の強さが変わるようにしたが、重み調整部15をただ1つの可変係数式ディジタルフィルタ(図示しない)で構成し、当該フィルタ係数の特性を図1のBEF5の係数(帯域阻止フィルタ)から初めて、透過フィルタ部20のフィルタ係数(順遅延)に変化していくように構成してもよい。
第2、第3の実施形態では通常電話機で通話の切断が発生する例を述べたが、ハンズフリー通話ができるスピーカフォンやソフトフォンであってもよい。
第1〜第3の実施形態で、設計の都合で支障なければ必ずしもスイッチ22、43の初期状態は実施形態で示したどおりでなく、広く適用できる。
第2の実施形態で、留守番モードのとき、スイッチ23を閉じるようにしたが、遠端からCNG信号を検出したあとは、スイッチ22を開放して信号を完全に遮断し、エコーが戻ってくるのを防止するようにしてもよい。
1A、1B、1C・・・ファクシミリ装置、2…2線4線ハイブリッド回路、3…FAX部、4…D/A(ディジタル−アナログ変換器)、5…帯域阻止フィルタ部、6…応答メッセージ再生部、7…エコーキャンセラ部(EC)、8、21、30…制御部、9…受信メッセージ録音部、10…スイッチ、11…CNG検出部、12…帯域通過フィルタ部、14…A/D(アナログ−ディジタル変換器)、15…重み調整部、16…透過信号振幅調整器、17…BEF出力信号振幅調整器、18…加算器、19…係数発生部、20…透過フィルタ部、22…スイッチ、23…スイッチ、24…信号検出部、25…加算器、27…マイクロホン、28…スピーカ、42…加算器。
Claims (10)
- 予め設定された応答メッセージ信号を再生出力する応答メッセージ再生手段と、
上記応答メッセージ再生手段から再生出力される上記応答メッセージ信号に対して、所定の周波数帯域成分を阻止する帯域阻止フィルタ手段と、
上記応答メッセージ再生手段から再生出力される上記応答メッセージ信号を透過する透過フィルタ手段と、
上記帯域阻止フィルタ手段からの帯域阻止出力信号及び上記透過フィルタ手段からの透過出力信号のそれぞれの振幅を調整し、調整後の上記帯域阻止出力信号及び上記透過出力信号を加算して出力する重み調整手段と、
着信信号からファクシミリ制御信号を検出するファクシミリ制御信号検出手段と、
所定のファクシミリ処理を制御するファクシミリ処理制御手段と、
受信音声メッセージを録音する受信メッセージ録音手段と、
上記応答メッセージ再生手段の上記応答メッセージ信号の再生出力後、上記ファクシミリ制御信号検出手段のファクシミリ制御信号検出結果に応じて、上記ファクシミリ処理制御手段と上記受信メッセージ録音手段との切替制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とするファクシミリ装置。 - 上記帯域阻止フィルタ手段が阻止する周波数帯域成分が、ファクシミリ制御信号が占める周波数帯域成分付近の周波数帯域成分であることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
- 上記重み調整手段は、制御手段が上記受信メッセージ録音手段への切替制御を行う場合、上記帯域阻止出力信号及び上記透過出力信号のそれぞれの振幅に乗算する重みを時間的に変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載のファクシミリ装置。
- 上記重み調整手段は、所定の初期時間では上記帯域阻止出力信号の割合が多くなるように調整し、上記所定の初期時間経過後では上記透過出力信号の割合が多くなるように調整することを特徴とする請求項3に記載のファクシミリ装置。
- 音を捕捉して音信号として出力する音捕捉手段と、
上記音捕捉手段から出力される上記音信号及び上記帯域阻止フィルタ手段からの上記帯域阻止出力信号に基づいて、所定の検出方法により、上記音捕捉手段からの上記音信号の中にファクシミリ制御信号が背景的に含まれていることを検出する信号検出手段と
を備え、
上記制御手段が、上記信号検出手段の検出結果に応じて、上記ファクシミリ制御信号検出手段の動作を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のファクシミリ装置。 - 上記信号検出手段が、上記音捕捉手段からの上記音信号に上記ファクシミリ制御信号を検出し、かつ、上記帯域阻止フィルタ手段の入力信号レベル及び出力信号レベルに基づく入出力信号レベル比が閾値を超えている場合、上記音信号の中に上記ファクシミリ制御信号が含まれていると判断することを特徴とする請求項5に記載のファクシミリ装置。
- 上記制御手段が、上記音信号の中に上記ファクシミリ制御信号が含まれている場合、上記ファクシミリ制御信号検出手段の検出結果を一時的に廃棄ことを特徴とする請求項5又は6に記載のファクシミリ装置。
- 音を捕捉して音信号として出力する音捕捉手段と、
上記音捕捉手段から出力される上記音信号に対して、所定の周波数帯域成分を阻止する帯域阻止フィルタ手段と、
上記音捕捉手段から出力される上記音信号及び上記帯域阻止フィルタ手段から出力される帯域阻止出力信号に基づいて、上記音捕捉手段からの上記音信号の中にファクシミリ制御信号が背景的に含まれていることを検出する信号検出手段と、
着信信号からファクシミリ制御信号を検出するファクシミリ制御信号検出手段と、
上記信号検出手段の検出結果に応じて、上記ファクシミリ制御信号検出手段の動作を制御する制御手段と
を備えることを特徴とするファクシミリ装置。 - 上記信号検出手段が、上記音捕捉手段からの上記音信号に上記ファクシミリ制御信号を検出し、かつ、上記帯域阻止フィルタ手段の入力信号レベル及び出力信号レベルに基づく入出力信号レベル比が閾値を超えている場合、上記音信号の中に上記ファクシミリ制御信号が含まれていると判断することを特徴とする請求項8に記載のファクシミリ装置。
- 上記制御手段が、上記音信号の中に上記ファクシミリ制御信号が含まれている場合、上記ファクシミリ制御信号検出手段の検出結果を一時的に廃棄することを特徴とする請求項8又は9に記載のファクシミリ装置。
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JP2007193595A JP2009033339A (ja) | 2007-07-25 | 2007-07-25 | ファクシミリ装置 |
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JP2007193595A Pending JP2009033339A (ja) | 2007-07-25 | 2007-07-25 | ファクシミリ装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010212864A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Oki Semiconductor Co Ltd | エコーキャンセラ装置 |
WO2023050581A1 (zh) * | 2021-09-29 | 2023-04-06 | 新疆金风科技股份有限公司 | 风力发电机组的网侧变流器的控制方法及装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH07283881A (ja) * | 1994-04-13 | 1995-10-27 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 自動応答通信装置 |
-
2007
- 2007-07-25 JP JP2007193595A patent/JP2009033339A/ja active Pending
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