以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図のプリンタは、トナー像形成手段たるプロセスユニットとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つのプロセスユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1Yを例にすると、これは図2に示すように、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。これら感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yは、図3に示すようにプロセスユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱される。但し、プリンタ本体から取り外した状態では、図4に示すように現像ユニット7Yを図示しない感光体ユニットに対して着脱することができる。
先に示した図2において、感光体ユニット2Yは、ドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、図示しない除電装置、帯電装置5Yなどを有している。
帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体3Yの表面を一様帯電せしめる。同図においては、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電ローラ6Yを感光体3Yに近接させることで、感光体3Yを一様帯電せしめる方式の帯電装置5Yを示した。帯電ローラ6Yの代わりに、帯電ブラシを当接させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体3Yを一様帯電せしめるものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電せしめられた感光体3Yの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザー光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像手段たる現像ユニット7Yは、第1搬送スクリュウ8Yが配設された第1剤収容部9Yを有している。また、透磁率センサからなるトナー濃度センサ(以下、トナー濃度センサという)10Y、第2搬送スクリュウ11Y、現像ロール12Y、ドクターブレード13Yなどが配設された第2剤収容部14Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部9Y内のY現像剤を図紙面に直交する方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、第1剤収容部9Yと第2剤収容部14Yとの間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部14Y内に進入する。
第2剤収容部14Y内の第2搬送スクリュウ11Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、Y現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1剤収容部14Yの底部に固定されたトナー濃度センサ10Yによってそのトナー濃度が検知される。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ11Yの図中上方には、現像ロール11Yが第2搬送スクリュウ11Yと平行な姿勢で配設されている。この現像ロール11Yは、図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる非磁性パイプからなる現像スリーブ15Y内にマグネットローラ16Yを内包している。第2搬送スクリュウ11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ16Yの発する磁力によって現像スリーブ15Y表面に汲み上げられる。そして、現像部材たる現像スリーブ15Yと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード13Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール12Yの現像スリーブ15Yの回転に伴って第2搬送スクリュウ11Y上に戻される。そして、図中手前端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第1剤収容部9Y内に戻る。
トナー濃度センサ10YによるY現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として後述する制御部に送られる。Y現像剤の透磁率は、Y現像剤のYトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサ10YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記制御部はRAMを備えており、この中にトナー濃度センサ10Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像ユニットに搭載されたC,M,K用のトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータを格納している。Y用の現像ユニット7Yについては、トナー濃度センサ10Yからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、図示しないY用のトナー供給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴うYトナー消費によってYトナー濃度を低下させたY現像剤に対し、第1剤収容部9Yで適量のYトナーが供給される。このため、第2剤収容部14Y内のY現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用のプロセスユニット(1C,M,K)内における現像剤についても、同様のトナー供給制御が実施される。
像担持体であり且つ潜像担持体である感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写ベルトに中間転写される。感光体ユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Y表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。先に示した図1において、他色用のプロセスユニット1C,M,Kにおいても、同様にして感光体3C,M,K上にC,M,Kトナー像が形成されて、無端移動体たる中間転写ベルト上に中間転写される。
プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中下方には、光書込ユニット20が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、各プロセスユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザー光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット20の下方には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録部材たる記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ31a、第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが、給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、記録紙Pを搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
各プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット40が配設されている。転写手段たる転写ユニット40は、中間転写ベルト41の他、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y,C,M,K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これら8つのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ45Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト41を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録紙Pに一括2次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
なお、転写ユニット40の第1ブラケット43は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ48の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。本画像形成システムのプリンタは、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット43を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ48の回転軸線を中心にしてY,C,M用の1次転写ローラ45Y,C,Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト41をY,C,M用の感光体3Y,C,Mから離間させる。そして、4つのプロセスユニット1Y,C,M,Kのうち、K用のプロセスユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用のプロセスユニットを無駄に駆動させることによるそれらプロセスユニットの消耗を回避することができる。
2次転写ニップの図中上方には、定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。定着ベルトユニット62は、定着部材たる定着ベルト64、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65及び駆動ローラ66によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト64のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140[°]に維持される。
先に示した図1において、2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
転写ユニット40の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、プロセスユニット1Y,C,M,Kの現像ユニット7Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,C,M,Kは、プロセスユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
図5は、プリンタの筺体内に固定された駆動伝達系である本体側駆動伝達部を示す斜視図である。また、図6は、この本体側駆動伝達部を上方から示す平面図である。プリンタの筺体内には、支持板が立設せしめられており、これには4つのプロセス駆動モータ120Y,C,M,Kが固定されている。駆動源たるプロセス駆動モータ120Y,C,M,Kの回転軸には、原動ギヤ121Y,C,M,Kが回転軸と同一軸線上で回転するように接続されている。
プロセス駆動モータ120Y,C,M,Kの回転軸の下方には、上記支持板に突設せしめられた図示しない固定軸に係合しながら摺動回転可能な現像ギヤ122Y,C,M,Kが配設されている。この現像ギヤ122Y,C,M,Kは、互いに同じ回転軸線上で回転する第1ギヤ部123Y,C,M,Kと第2ギヤ部124Y,C,M,Kとを有している。第2ギヤ部124Y,C,M,Kの方が、第1ギヤ部123Y,C,M,Kよりもプロセス駆動モータ120Y,C,M,Kの回転軸の先端側に位置している。現像ギヤ122Y,M,C,Kは、その第1ギヤ部123Y,M,C,Kをプロセス駆動モータ120Y,C,M,Kの原動ギヤ121Y,C,M,Kに噛み合わせながら、プロセス駆動モータ120Y,C,M,Kの回転によって固定軸上で摺動回転する。
駆動源たるプロセス駆動モータ120Y,C,M,Kは、DCブラシレスモータの一種であるDCサーボモータや、ステッピングモータなどからなる。原動ギヤ121Y,C,M,Kと駆動伝達部材たる感光体ギヤ133Y,C,M,Kとの減速比は、例えば1:20になっている。原動ギヤから感光体ギヤに至るまでの減速段数を1段としたのは、部品点数を少なくし低コストにするための他、ギヤを2つにして噛み合い誤差や偏心による伝達誤差の要因を少なくする狙いからである。1段減速にしたことで、1:20という比較的大きい減速比では、感光体ギヤが感光体よりも大径となる。このような大径の感光体ギヤを用いることで、ギヤ1歯噛み合いに対応する感光体表面上でのピッチ誤差を小さくして、副走査方向の印字濃度むら(バンディング)の影響を少なくするという狙いもある。減速比は、感光体の目標速度とモータ特性との関係から、高効率、高回転精度が得られる速度領域に基づいて決定される。
現像ギヤ122Y,C,M,Kの左側方には、図示しない固定軸に係合しながら摺動回転する第1中継ギヤ125Y,C,M,Kが配設されている。これらは、現像ギヤ122Y,C,M,Kの第2ギヤ部124Y,C,M,Kに噛み合うことで、現像ギヤ122Y,C,M,Kから回転駆動力を受けて、固定軸上で摺動回転する。第1中継ギヤ125Y,C,M,Kには、駆動伝達方向上流側で第2ギヤ部124Y,C,M,Kが噛み合っている他に、駆動伝達方向下流側でクラッチ入力ギヤ126Y,C,M,Kが噛み合っている。これらクラッチ入力ギヤ126Y,C,M,Kは、現像クラッチ127Y,C,M,Kに支持されている。現像クラッチ127Y,C,M,Kは、図示しない制御部によって電源供給がオンオフ制御されるのに伴って、クラッチ入力ギヤ126Y,C,M,Kの回転駆動力をクラッチ軸に繋いだり、クラッチ入力ギヤ126Y,C,M,Kを空転させたりする。現像クラッチ127Y,C,M,Kのクラッチ軸の先端側には、クラッチ出力ギヤ128Y,C,M,Kが固定されている。現像クラッチ127Y,C,M,Kに電源が供給されると、クラッチ入力ギヤ126Y,C,M,Kの回転駆動力がクラッチ軸に繋がれて、クラッチ出力ギヤ128Y,C,M,Kが回転する。これに対し、現像クラッチ127Y,C,M,Kへの電源供給が切られると、たとえプロセス駆動モータ120Y,C,M,Kが回転していても、クラッチ入力ギヤ126Y,C,M,Kがクラッチ軸上で空転するため、クラッチ出力ギヤ128Y,C,M,Kの回転が停止する。
クラッチ出力ギヤ128Y,C,M,Kの図中左側方には、図示しない固定軸に係合しながら摺動回転可能な第2中継ギヤ129Y,C,M,Kが配設されており、クラッチ出力ギヤ128Y,C,M,Kに噛み合いながら回転する。
図7は、Y用のプロセスユニット1Yの一端部を示す部分斜視図である。現像ユニット7Yのケーシング内の現像スリーブ15Yは、その軸部材をケーシング側面に貫通させて外部に突出させている。このように突出した軸部材箇所には、スリーブ上流ギヤ131Yが固定されている。また、ケーシング側面には固定軸132Yが突設せしめられており、これに対して第3中継ギヤ130Yが摺動回転可能に係合しながら、スリーブ上流ギヤ131Yに噛み合っている。
Y用のプロセスユニット1Yがプリンタ本体にセットされた状態では、第3中継ギヤ130Yに対し、スリーブ上流ギヤ131Yの他、先に図5や図6に示した第2中継ギヤ129Yが噛み合う。そして、第2中継ギヤ129Yの回転駆動力が、第3中継ギヤ130Y、スリーブ上流ギヤ131Yに順次伝達されて、現像スリーブ15Yが回転駆動される。
なお、Y用のプロセスユニット1Yについてだけ、図を示して説明したが、他色用のプロセスユニットにおいても、同様にして現像スリーブに回転駆動力が伝達される。
また、図7では、Y用のプロセスユニット1Yの一端部だけを示したが、現像スリーブ15Yの他端側の軸部材は、ケーシングの他端側の側面に貫通して外部に突出しており、その突出箇所には図示しないスリーブ下流ギヤが固定されている。また、先に図2に示した第1搬送スクリュウ7Y、第2搬送スクリュウ10Yも、その軸部材をケーシング他端側の側面に貫通させており、その突出箇所には図示しない第1スクリュウギヤ、第2スクリュウギヤが固定されている。現像スリーブ15Yがスリーブ上流ギヤ131Yによる駆動伝達によって回転すると、それに伴い、他端側においてスリーブ下流ギヤが回転する。そして、スリーブ下流ギヤに噛み合っている第2スクリュウギヤで駆動力を受ける第2搬送スクリュウ11Yが回転するとともに、第2スクリュウギヤに噛み合っている第1スクリュウギヤで駆動力を受ける第1搬送スクリュウ8Yが回転する。他色用のプロセスユニットも同様の構成である。
図8は、Y用の感光体ギヤ133Yと、その周囲構成とを示す斜視図である。同図において、プロセス駆動モータ120Yのモータ軸に固定された原動ギヤ121Yには、現像ギヤ122Yの第1ギヤ部123Yの他、従動ギヤたる感光体ギヤ133Yが噛み合っている。感光体ギヤ133Yは、円盤状のギヤ部133aYと、係合部たる筒状のギヤ側カップリング部133bと有し、ギヤ部133aYと、ギヤ側カップリング部133bとは、それぞれ同じ材料(例えば樹脂材料)からなる一体物である。このように、ギヤ部とギヤ側カップリング部とが一体物の感光ギヤとすることで、ギヤ部とギヤ側カップリング部との間にガタツキが発生することがない。これにより、ギヤ部とギヤ側カップリング部との間のガタツキに起因する感光体の速度変動をなくすことができる。感光体ギヤ133Yは、本体側駆動伝達部に回動自在に支持されている。感光体ギヤ133Yの直径は、感光体の直径よりも大きくなっている。また、図9に示すように、ギヤ側カップリング部133bYの円筒状の凹部の内周面に複数の歯を有する内歯車133cYが形成されている。感光体3Yの回転軸には、ギヤ側カップリング部133bYの内歯車133cYと噛み合うギヤを有する不図示の被係合部たる感光体側カップリングが設けられている。そして、被係合部たる感光体側カップリングを係合部たるギヤ側カップリング部133cYの円筒状の凹部に挿入して、感光体側カップリングのギヤとギヤ側カップリング部133cYのギヤとを噛み合わすことで、感光体側カップリングとギヤ側カップリング部133cYとが係合し、プロセス駆動モータ120Yの回転駆動力が感光体3Yに伝達される。なお、各感光体の回転軸に取り付けられる感光体側カップリングを円筒状のカップリングとして、感光体ギヤ133Yのギヤ部と一体物のギヤ側カップリングを感光体側カップリングに挿入する構成としてもよい。また、他色用のプロセスユニットも同様の構成である。
以上の構成の本プリンタにおいて、プロセス駆動モータ120Yによって感光体ギヤ133Yを回転駆動すると、感光体ギヤ133Yの偏心や感光体の偏心などに起因してY用の感光体が感光体の一回転を1周期とする速度変動を引き起こす。
先に示した図1において、感光体3Y,C,M,Kに速度変動が起こると、光書込ユニット20による光照射位置で感光体3Y,C,M,K上に形成した潜像を、形成直後から1次転写ニップに移動させるまでに要する時間が変化してしまう。これにより、1次転写ニップにおいて、各色のドットの微妙な重ね合わせズレが引き起こされる。K色とM色の2色に着目して具体的説明すると、図10(a)に示すように、K色の感光体3Kの速度変動成分の振幅および位相と、M色の感光体3Mの速度変動成分の振幅および位相が異なったとする。このとき、K色の速度成分からM色の速度変動成分を減算すると、図10(b)に示すように、K色とM色との間で振幅残差が生じる。この振幅差Aが、2色の相対的な位置ずれを生じ、色ずれが生じる。
図11は、Y用の感光体ギヤ133Yとその周囲構成とを、プロセス駆動モータ側から示す斜視図である。同図において、感光体ギヤ133Yのギヤ部の回転方向における所定の位置には、マーキング用の羽根部材134Yが突設せしめられている。また、感光体ギヤ133Yの側方には、ポジションセンサ135Yが配設されている。ポジションセンサ135Yはこの羽根部材134Yが読み取り範囲内に存在する場合に信号がHIGHとなり、羽根部材134Yが読み取り範囲内に存在しない場合に信号がLOWとなる構成となっている。この信号がHIGHからLOW、または、LOWからHIGHに切り替わりを検知することで、感光体が所定の回転角度になったことが検知される。
図12は、4つの感光体3Y,C,M,Kと、転写ユニット40と、光書込ユニット20とを示す側面図である。感光体3Y,C,M,Kと同一軸線上で回転する感光体ギヤ133Y,C,M,Kに設けられた羽根部材134Y,C,M,Kは、感光体ギヤ133Y,C,M,Kが1回転する毎に、フォトセンサ等からなるポジションセンサ135Y,C,M,Kによって検知される。
転写ユニット40には、中間転写ベルト41の幅方向に所定の間隔で並ぶ2つの図示しない反射型フォトセンサからなる光学センサユニット136が、中間転写ベルト41の張架面と所定の間隙を介して対向するように配設されている。
各プロセス駆動モータ120Y,C,M,Kは、速度制御手段としての制御部140によって、その回転速度や、回転の開始タイミングや停止タイミングが制御される。この制御部140は、プリンタ全体のプロセス制御を行っており、CPU、ROM、RAM等によって構成されている。制御部140には、各感光体3Y,C,M,Kの回転位置を検知するために設けられたポジションセンサ135Y,C,M,Kから出力される検知信号が入力される。制御部140は、この検知信号に基づいて、各プロセス駆動モータ120Y,C,M,Kを制御し、各感光体3Y,C,M,Kの速度制御を行う。
本プリンタの速度変動検出手段たる制御部140は、各感光体についてそれぞれ、感光体ギヤの偏心や感光体の偏心などに起因する感光体1回転あたりにおける速度変動パターンを検出するための変動パターン検出制御を、所定のタイミングで行うようになっている。所定のタイミングとしては、プロセスユニット交換時などといった速度変動パターンを変化させる操作がなされたとき、高画質プリントモードが選択されている状態でプリント命令がなされたとき、などが挙げられる。
変動パターン検出制御では、各駆動モータ120Y,C,M,Kを一定速度で回転駆動させ、感光体3Y,C,M,Kに対してそれぞれ速度変動検知用画像を形成してそれらを中間転写ベルト41上に重ね合わせないで転写する。この速度変動検知用画像は、K用の速度変動検知用画像を例にすると、図13に示すように、tk01、tk02、tk03、tk04、tk05、tk06・・・という複数のKトナー像がベルト移動方向(副走査方向)に沿って所定ピッチで並ぶようにベルト上に転写される。但し、理論的には所定ピッチで並ぶようにしているが、K用の感光体(3K)の速度変動により、これらKトナー像の実際の配設ピッチはその速度変動に応じた誤差が出てくる。
先に示した図1において、中間転写ベルト41上に形成された速度変動検知用画像内の各トナー像は、ベルトの無端移動に伴って光学センサユニット136との対向位置まで搬送される途中で、2次転写ローラ50との対向位置を通過する。この通過に先立って、図示しないローラ接離機構が駆動して、2次転写ローラ50を中間転写ベルト50から離間させる。これにより、速度変動検知用画像の2次転写ローラ50への転移を回避する。
このようにして2次転写ローラ50への転移が回避された速度変動検知用画像内の各トナー像は、ベルトの移動に伴って光学センサユニット136の直下を通過する際に、光学センサユニット136によってそれぞれ検知される。これにより、各色の速度変動検知用画像における各トナー像の検知時間ピッチ誤差が検知される。
また、本プリンタにおいては、変動パターン検出制御の実施時間の短縮化を図る目的で、図14に示すように、K用の速度変動検知用画像PVkと、M用の速度変動検知用画像PVmとを中間転写ベルト41に対してベルト幅方向に並べて形成する。そして、ベルト幅方向の一端部に形成されたK用の速度変動検知用画像PVkを光学センサユニット136の第1光学センサ137で検知するとともに、ベルト幅方向の他端部に形成されたM用の速度変動検知用画像PVmを光学センサユニット136の第2光学センサ138で検知する。これにより、K用の速度変動検知用画像PVkにおける各Kトナー像の検知時間ピッチ誤差と、M用の速度変動検知用画像PVmにおける各Mトナー像の検知時間ピッチ誤差とを同時に検出して、変動パターン検出制御の実施時間の短縮化を図ることができる。また、YとCとについても、同様にして、それぞれの検知時間ピッチ誤差を同時に検出するようになっている。
この検知時間ピッチ誤差は、それぞれ各色の感光体の偏心や感光体の偏心に起因する速度変動に対応しているが、この検知時間ピッチ誤差は、感光体の実際の速度変動とは異なっている。このことについて、より詳しい図を用いて説明する。図15において、Y用の感光体3Yには光書込ユニット20からの書込光の照射によってY用の静電潜像が形成される。感光体3Yの回転軌道上において、光書込ユニット20からの書込光による潜像書込位置は、図中でSaという符号を付した位置となる。また、中間転写ベルト41へのY用のトナー像の転写位置は、図中でSbという符号を付した位置となる。
Y用の速度変動検知用画像内における各Yトナー像については、感光体3Yに対して周方向にできるだけ等間隔で形成する必要があるため、各Yトナー像の前駆体となる各Y潜像を形成するための書込光は、それぞれ等しい間隔で発せられる。但し、このとき、感光体3Yが速度変動を起こすと、その速度変動に応じてY潜像の間隔(距離)が変動する。具体的には、潜像書込位置Saにおいて、感光体3Yが標準速度よりも速く表面移動しているときには、Y潜像の間隔が本来よりも大きくなる。これに対し、感光体3Yが標準速度よりも遅く表面移動しているときには、Y潜像の間隔が本来よりも小さくなる。このため、潜像書込位置Saにおいて、感光体3Yの表面が例えば図16に示すような変動特性で速度変動を起こしていると、Y潜像の形成間隔は図17に示すような特性で変動する。両特性の位相は完全に一致していることがわかる。
一方、Y潜像の現像によって得られたYトナー像が中間転写ベルト41に1次転写される際に、感光体3Yが速度変動を起こすと、たとえ複数のYトナー像が感光体3Yで等間隔で並んでいたとしても、中間転写ベルト41に対しては不均一な間隔で転写される。このとき、転写位置Sbにおいて、感光体3Yが標準速度よりも速く表面移動しているときには、ベルト上におけるYトナー像の間隔が本来よりも小さくなる。これに対し、感光体3Yが標準速度よりも遅く表面移動しているときには、ベルト上におけるYトナー像の間隔が本来よりも大きくなる。このため、転写位置Sbにおいて、感光体3Yの表面が例えば図18に示すような変動特性で速度変動を起こしていると、ベルト上のYトナー像の間隔は図19に示すような特性で変動する。両特性の位相は完全に逆転していることがわかる。
これらの結果、中間転写ベルト41上のY用の速度変動検知用画像内におけるYトナー像間隔は、潜像書込位置Saにおける感光体表面速度変動に起因する変動と、転写位置Sbにおける感光体表面速度変動に起因する変動とが重畳されたものになる。より詳しくは、先に示した図15において、潜像書込位置Saと転写位置Sbとのなす角度がα[°]であると仮定する。すると、図20に示すように、潜像書込位置Saにおける感光体表面速度変動の特性と、転写位置Sbにおける感光体表面速度変動の特性とは、互いの位相がα[°]だけずれた関係になる。但し、潜像書込時と転写時とにおいては、感光体速度の高低関係と、像間隔の大小関係とが逆転するため、ベルト上におけるトナー像の間隔に着目すると、両特性の関係は図21に示すようにα+180[°]ずれたものとみなすことができる。
よって、速度変動検知用画像内の各トナー像の検知時間ピッチ誤差に基づいて検知される各トナー像のピッチ誤差は、図22に示すように、潜像書込位置Saで生ずる潜像の間隔変動特性と、転写位置で生ずるトナー像の間隔変動特性とが重畳されたものになる(2つの特性波の合成波となる)。周知の解析法により、この合成波の位相及び振幅と、先に説明したα+180[°]との関係から、検知時間ピッチ誤差に基づいて感光体の速度変動パターンを検出することが可能である。例えば、潜像書込位置Saと転写位置Sbとのなす角度α[°]を180°の場合は、各トナー像のピッチ誤差に(1/2)を乗算することで、感光体の速度変動パターンを検出することができる。そして、検出した感光体の速度変動パターンと逆位相の関係になるような駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動すれば、感光体の速度変動を殆どなくすことができる。
但し、駆動速度パターンに基づく制御にあたって、感光体速度変動の波形の始期(速度変動検知用画像の先端に対応する潜像が形成され始めた時点)について、感光体ギヤがどのような回転姿勢(回転角度)になったタイミングであるのかを把握する必要がある。そこで、本プリンタの制御部140は、各色の速度変動検知用画像の潜像形成開始タイミングをそれぞれ、対応する色の感光体ギヤ133の羽根部材134がポジションセンサ135によって検知されたタイミング(以下、ギヤ所定角度タイミングという)に基づいて決定する。
潜像形成開始タイミングの決定法についてより詳しく説明すると、制御部140は、各色の速度変動検知用画像の潜像を、ギヤ所定角度タイミングから所定時間t1だけずれたタイミング(潜像形成開始タイミング)で形成し始める。この潜像形成開始タイミングは、ギヤ所定角度タイミングに所定時間t1を加算した時点である。つまり、ポジションセンサ135が感光体ギヤ133の羽根部材134を検知した瞬間から所定時間t1が経過した時点が、潜像書込位置Saにおける潜像間隔変動特性の波形(感光体ギヤ133の実際の速度変動パターン)の始期となるのである。この始期を基準として、速度制御手段たる制御部140で、図23(a)に示すように、感光体速度変動の波形とは逆位相の関係になる駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動すれば、感光体ギヤの偏心などに起因する感光体1回転周期の感光体の速度変動を、駆動速度の変動によって打ち消して、感光体の速度変動をほぼ無くすことができる(図23(b)参照)。
しかしながら、例えば、潜像書込位置Saと転写位置Sbとのなす角度α[°]に誤差があると、検出した感光体の速度変動パターンと、実際の感光体速度変動とが異なり、駆動速度パターンに誤差が生じてしまう。例えば、図24(a)に示すように、駆動速度パターンの振幅と、実際の感光体速度変動の振幅とに誤差があると、駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動後も、図24(b)に示すように、感光体に速度変動が生じてしまう。
また、図25(a)に示すように、駆動速度パターンの振幅および位相に誤差がある場合においても、図25(b)に示すように感光体に速度変動が生じてしまう。このような駆動速度パターンの誤差は、上述の潜像書込位置Saと転写位置Sbとのなす角度α[°]の誤差などの機械要素の寸法精度や、速度変動パターンを検出するときの演算精度などによって生じる。よって、図23(b)に示すように、各色の感光体の速度変動をほぼ無くすようにするためには、機械要素の寸法精度や、演算精度を高める必要があるが、機械要素の寸法精度や、演算精度を高めると、装置のコスト上昇が避けられない。
そこで、本プリンタの制御手段たる制御部140は、機械要素の寸法精度や、演算精度を高めずに、駆動速度パターンでプロセス駆動モータ120の駆動制御によって生じる色ずれを抑制するために、次のような制御を実行している。すなわち、各色の駆動速度パターンで各プロセス駆動モータ120の駆動を制御したときの、各感光体の速度変動パターンを検出し、それら検出結果に基づいて、各感光体の速度変動の位相を調整するのである。
図26は、本実施形態における色ずれ調整の制御フローである。
まず、制御部140は、プロセス駆動モータ120を一定速度で駆動させて、変動パターン検出制御を実行して、駆動速度パターンを得る(S1〜S3)。すなわち、プロセス駆動モータ120を一定速度で駆動させて、各色ポジションセンサ135が羽根部材134を検知したタイミングに基づいて各色の速度変動検知用画像を形成する。次に、制御部140は、光学センサユニット136で各色の速度変動検知用画像内のトナー像の検知時間ピッチ誤差を検出し、その検出結果に基づいて、各感光体の速度変動パターンを検出する。そして、検出した各感光体の速度変動パターンから、各色のプロセス駆動モータを制御するための各色の駆動速度パターンを算出する(S3)。
次に、制御部140は、S3のステップで得た駆動速度パターンでプロセス駆動モータ120を駆動(速度制御)し(S4)、再び、変動パターン検出制御を実行して、駆動速度パターンでプロセス駆動モータ120を駆動したときにおける各感光体の速度変動パターンを検出する(S5)。そして、検出した各感光体の速度変動パターンから、各感光体の駆動速度パターンを算出する(S6)。次に、位相調整手段である制御部140は、S5のステップで検出した速度変動パターンに基づいて、位相調整を実施する(S7)。この位相調整により、中間転写ベルト上に各色のトナー像を重ね合わせたとき、感光体速度変動による伸び縮みの周期の位相を一致させる。本プリンタでは、各感光体の配設ピッチが感光体周長の1倍になっているので、このようにするには各感光体の速度変動パターンの位相を互いに同期させればよい。具体的には、位相調整手段である制御部140は、各感光体の駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動したときの速度変動パターンから、K−M間の位相差、K−C間の位相差、K−Y間の位相差をそれぞれ演算し、これら位相差から、各色の速度変動パターンの位相を一致させるためのC、M、Y色の感光体の目標停止時間を演算する。そして、制御部140は、各感光体停止時において、K色のポジションセンサ135Kが羽根部材134を検知したタイミングで停止するようにK色のプロセス駆動モータ120Kを制御する。C、M、Y色については、K色のポジションセンサ135Kが羽根部材134を検知してから、位相差にもとづいて算出した目標停止時間経過したタイミングで停止するように、C、M、Y色のプロセス駆動モータ120C、120M、120Yを制御する。そして、画像形成時など、各感光体を駆動するときは、制御部140は、各感光体が同時に回転するように各プロセス駆動モータを制御することで、各速度変動パターンの位相を一致させた状態で各感光体を回転駆動させることができる。これにより、中間転写ベルト上に各色のトナー像を重ね合わせたとき、感光体速度変動による伸び縮みの周期の位相を一致させることができる。
画像形成時には、各感光体を同時に回転駆動させて、ポジションセンサを検知してから所定時間t1経過したタイミングで速度制御を開始する。各感光体の速度制御が実行されたら、画像形成動作を開始する。このとき、感光体速度制御が実行されているので、感光体の速度変動が抑制されて、中間転写ベルト上の各色のトナー像の周期的な伸び縮みが抑制される。また、各感光体の速度変動の位相が一致しているので、感光体速度変動によるトナー像の伸び縮みの周期の位相を一致させて、各色のトナー像を重ね合わせすることができる。これにより、色ずれが抑制される。そして、画像形成終了後、K色のポジションセンサ135Kが羽根部材134を検知したタイミングでK色の感光体を停止させ、C、M、Y色の感光体については、K色のポジションセンサ135Kが羽根部材134を検知してから、目標停止時間経過したタイミングで停止させる。
また、次のように制御して、感光体の速度変動パターンの位相を調整してもよい。すなわち、各感光体をそれぞれのポジションセンサが羽根部材を検知したタイミングで停止させる。そして、各感光体を駆動させるときに、K色の感光体が駆動して、位相差から算出したY、M、C色それぞれに対応する目標駆動開始時間となったら、Y、M、C色それぞれ感光体を駆動する。各プロセス駆動モータを制御して、このように各感光体の駆動を制御することでも、各速度変動パターンの位相を一致させた状態で各感光体を回転駆動させることができる。
図27は、本実施形態における色ずれ調整を行ったときにおける各ステップでのK色の速度変動とM色と速度変動とを示す図である。図27(a)は、プロセス駆動モータを一定速度で駆動させたときのK色の速度変動とM色と速度変動とを示す図である。図27(b)は、算出した駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動したときのK色の速度変動とM色と速度変動とを示す図である。図27(c)は、位相制御後のK色の速度変動とM色と速度変動とを示す図である。
図27(a)、(b)に示すように、駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動することにより、速度変動の振幅が小さくなっている。これにより、中間転写ベルト上に転写されたトナー像の周期的な伸び縮みが改善され、良好な画像を得ることができる。しかし、図27(b)に示すように、駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動しても、速度変動が完全なくなっていないため、色ずれが生じることがわかる。例えば、K色の速度変動に着目すると、図27(a)と図27(b)とで位相が約半周期ずれてしまっている。これは、機械要素の寸法精度や演算精度などにより、算出した駆動パターンの振幅が、実際の振幅よりも大きかったためである。このように、機械要素の寸法精度や演算精度などにより、駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動しても、速度変動が完全なくならないのである。そこで、図27(c)に示すように、算出した駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動したときのK色の速度変動とM色と速度変動に基づいて、位相制御することによって、K色の速度変動とM色と速度変動とがほぼ重なりあい、色ずれが抑制される。
なお、図26に示した色ずれ調整は、一例であり、種々の変形が可能である。
図31は、色ずれ調整の変形の一例を示す制御フローである。
まず、制御部140は、プロセス駆動モータ120を一定速度で駆動させて、変動パターン検出制御を実行して、駆動速度パターンを得る(S31〜S33)。すなわち、プロセス駆動モータ120を一定速度で駆動させて、各色ポジションセンサ135が羽根部材134を検知したタイミングに基づいて各色の速度変動検知用画像を形成する。次に、制御部140は、光学センサユニット136で各色の速度変動検知用画像内のトナー像の検知時間ピッチ誤差を検出し、その検出結果に基づいて、各感光体の速度変動パターンを検出する。そして、検出した各感光体の速度変動パターンから、各色のプロセス駆動モータを制御するための各色の駆動速度パターンを算出する(S33)。そして、算出した駆動速度パターンに基づいて感光体速度制御を行う(S34)。また、位相調整手段である制御部140は、S32のステップで検出した速度変動パターンに基づいて、位相調整を実施する(S35)。
この図31に示す色ずれ調整においては、一度の速度変動パターン検出および算出のプロセスにより色ずれを調整することができるため、図26に示した色ずれ調整に比べて、色ずれ調整時間を短縮させることができる。しかし、図31に示す色ずれ調整においては、算出した駆動速度パターンの振幅が、実際の振幅よりも大きい場合、算出した駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動したときの速度変動パターンが、検出した速度変動パターンの位相に対して逆の位相となってしまう。その結果、位相調整を行うと、色ずれを悪化させてしまう。このため、駆動速度パターンの振幅量は、検知された速度変動パターンの振幅量より小さい値にして、算出した駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動したときの速度変動パターンが、検出した速度変動パターンの位相に対して逆の位相とならないようにしている。
これに対し、図26に示す色ずれ調整においては、速度変動パターン検出制御を行って駆動速度パターン算出後、再度、算出した駆動速度パターンでプロセス駆動モータを制御して速度変動パターン検出制御を行って、駆動速度パターンでプロセス駆動モータを制御したときの速度変動パターンに基づいて位相を調整するので、算出した駆動速度パターンの振幅が、実際の振幅よりも大きい場合でも小さい場合でも、位相調整すれば、色ずれを抑制することができる。よって、図31に示す色ずれ調整に比べて、駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動したときの速度変動パターンの振幅を小さくでき、図31に示す色ずれ調整に比べて、画像の伸縮や色ずれを抑制することができる。また、図26に示す色ずれ調整は、実際に駆動速度パターンでプロセス駆動モータを制御して、速度変動パターンを検出し、その検出した速度変動パターンに基づいて位相を調整しているので、図31に示す色ずれ調整に比べて、駆動速度パターンの算出誤差や駆動速度パターンでプロセス駆動モータを制御したときの制御誤差の影響を排除できる。
また、例えば、プロセス駆動モータを一定速度で駆動させて得られた速度変動パターンに基づいて、位相制御を行い、位相制御後の速度変動データに基づき、駆動速度パターンを算出する。そして、算出した駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動したときの各色の速度変動パターンを検知し、検知した駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動したときの各色の速度変動パターンに基づいて、位相制御を行ってもよい。駆動速度パターンを得るための速度変動パターンは、プロセス駆動モータを定速で回転させたときの速度変動パターンに基づく位相制御後、再び、プロセス駆動モータを定速で回転させて変動パターン検出制御を実行して得てもよい。また、プロセス駆動モータを定速で回転させたときの速度変動パターンに基づく位相制御後、変動パターン検出制御を実行せずに、位相調整前のプロセス駆動モータを定速で回転させたときの速度変動パターンに基づいて演算することで、駆動速度パターンを得るための速度変動パターン(位相調整後のプロセス駆動モータを定速で回転させたときの速度変動パターン)得てもよい。
上述の色ずれ調整は、(1)K、Y、CおよびMのプロセスユニットのいずれかが新品に交換されたとき、(2)手動指示手段たる操作表示部またはパソコンより色合わせ指示があったときに、色ずれ調整を実行する。
図28は、プロセスユニットの装着検出及び新品との交換があったことを検出する交換検知手段たる検出機構について説明する図である。なお、ここでは、各プロセスユニット1Y、1M、1C、1Kとも同じ検出機構であるため、Y、M、C,Kの符号を省略して説明する。
図28に示すように、装置本体の面板81には、プロセスユニット1の有無検出用の常閉マイクロスイッチ169が嵌りこんだ大径穴がある。このマイクロスイッチ169は、プリント基板82で支持されている。面板81の内面は内カバー84で覆われ、プリント基板82側の外面は外面カバー83で覆われている。
帯電ローラ6には、ユニットカバー167から突出する、マイクロスイッチ169操作用のねじ付きピン164がある。
感光体3を均一に荷電するための帯電ローラ6は感光体3に接触し、感光体3と実質上同一の周速度で回転する。帯電ローラ6の回転軸6aは、ベアリングを介してプロセスユニット1Yの支持板168で回転自在に支持されている。連結スリーブ165が回転軸6aの先端に固着されており、回転軸6aと一体で回転する。連結スリーブ165の中心には、横断面が正方形の穴があり、そこにねじ付きビン164の大略で正方形角柱状の脚164bが嵌りこんでいる。この脚164bの雄ねじ164s側の2/3程度の長さの領城が、連結スリーブ165の正方形の穴に係合する正方形角柱であるが、脚164bの先端側の残り1/3程度の長さの領城は、連結スリーブ165に対して空転できる丸棒状である。
図28の(a)に示すように、ねじ付きピン164の先頭ピン164pと脚164bの間には、大径の雄ねじ164sがある。新品(未使用)のプロセスユニット1では、ユニットカバー167の雌ねじ穴にねじ結合し、戻しばね166が圧縮されている。この状態では、ピン164の、ユニット前面からの突出長は短い。しかし、この状態で帯電ローラ6が回転駆動されると、それによってねじ付きピン164が回転し、雌ねじ穴とねじ結合する。ねじ結合していることにより、面板81に近づく方向に移動し、マイクロスイッチ169の切換え操作子に当たる。この移動によりねじ付きピン164の雄ねじ164sが雌ねじ穴を貫通してしまう直前に、常閉マイクロスイッチ169が、閉から開に切換る。
図28の(b)に示すように、雄ねじ164sが雌ねじ穴を貫通してしまうと、戻しばね166によってピン164が突き出される。これにより、ピン164の脚164bの角柱部がスリーブ165の四角穴から出てしまい、帯電ローラ6が回転しても、ピン164は回転しない。
したがって、すでに使用を開始しているプロセスユニット(例えば1Y)がプリンタにそのまま装着されている時には、マイクロスイッチ(169Y)は常に開(オフ)である。新品(未使用)のプロセスユニット(IY)が装着されても、すなわちユニットの交換があっても、その帯電ローラ(6Y)が回転駆動されるまでは、マイクロスイッチ(169Y)は閉(オン)である。プリンタ電源が入った時にマイクロスイッチ(169Y)が閉(オン)で、作像機構の駆動を開始すると開(オフ)に切換った時には、ユニット交換後最初の電源投入であったことがわかる。すなわち、電源投入の直前にユニットの交換があったことが分かる。他のプロセスユニット(1M、1C、1K)の装着検出及び新品との交換があったことの検出も同様に行われる。
図29は、本プリンタの制御フローの要部を示す図である。
制御部140は、電源がオンして動作電圧が印加されると、入出力ポートの信号レベルを待機状態のものに設定し、内部のレジスタ、タイマなども待機状態に設定する(S11)。
制御部140は、初期化(S11)を完了すると、本プリンタの機構各部および電気回路の状態を読み取って画像形成に支障がある異常があるか正常であるかをチェックし(S12、S13)、異常がある場合(S3のNO)にはマイクロスイッチ169Y〜169Kの開閉状態をチェックする(S14)。マイクロスイッチ169Y〜169Kのいずれかが閉(オン)である時(S14のYES)は、閉のマイクロスイッチに対応するプロセスユニットの装着が無いか、あるいはプロセスユニットが新品ユニットに交換された直後の電源オン時の状態である。
マイクロスイッチ169Y〜169Kのいずれかが閉(オン)である時(S14のYES)、制御部140は、作像系を一時的に駆動する(S15)。具体的には、中間転写ベルト41が駆動されると共に、感光体3Y〜3Kおよびそれに接触する各帯電ローラ6Y〜6Kならびに各現像ユニット7Y〜7Kの現像ローラを回転させる。プロセスユニットが新品ユニットに交換された直後であつた場合には、作像系の駆動によって閉であったマイクロスイッチが開(ユニット装着あり)に切換わる。一方、装置にプロセスユニットが装着されていない場合には、マイクロスイッチは閉に留まる。
制御部140は、作像系を駆動した結果、閉であったマイクロスイッチ169Y〜169Kのいずれかが開に切換ったら(S16のNO)、例えば、K(黒)色のプロセスユニット1Kの着脱を検知するマイクロスイッチ169Kが閉から開に切換ると、K(黒)色の潜像担持ユニット60dに対応したレジスタFPC(不揮発メモリ上の一領域)に、ユニット交換があったことを示す「1」を書きこむ(S17)。
一方、マイクロスイッチが開に切換わらなかったとき(S16のYES)には、ユニットの装着が無いと見なして、制御部140は、操作表示部(操作パネル)に異常報知する(S18)。そして、異常が無くなるまで、状態読取り、異常チェック、異常報知(S12〜S18)のフローを繰返す。
制御部140は、異常なしと判定した場合(S13のYES)、定着ユニット60への通電を開始し、上述のステップS7で、ユニット交換を表す情報が生成されている(FPC=1である)か否かをチェックする(S19)。ユニット交換を表す情報が生成されている(FPC=1である)場合(S19のYES)には、色ずれ調整実行中を操作表示部に表示させる(S20)。次に、制御部140は、上述の色ずれ調整(S21)を実行し、それが終わると、レジスタFPCをクリアする(S23)。
プロセスユニット1Y〜1Kの交換が無かったとき(S29のNO)、定着ユニット60の定着温度が定着可能温度となったら、図示しない操作表示部にプリント可能表示を行う(S24)。次に、制御部140は、操作表示部を介したユーザーの入力および本プリンタに接続されたパソコンPCのコマンドを待ち、その読み取りを行う(S25)。制御部140は、操作表示部またはパソコンPCを介して「色ずれ調整」指示がユーザーから与えられると(S26のYES)、色ずれ調整を実行する(S20〜S23)。
定着ユニット60の定着温度が定着可能温度で、しかも各部がレディである時に、操作表示部からコピースタート指示(プリント指示)、或いは、パソコンPCからのプリントスタート指示があると(27のYES)、制御部140は、指定枚数の画像形成を実行する(S28)。
制御部140は、上述の図28に示す制御フローにより、(1)K、Y、CおよびMのプロセスユニットのいずれかが新品に交換されたとき、(2)手動指示手段たる操作表示部またはパソコンより色合わせ指示があったときに、色ずれ調整を実行する。(1)の実行は自動実行といい、(2)の実行は手動実行という。
また、操作表示部またはパソコンより、駆動速度パターンのみを得る色ずれ調整を実行するように指示できるように構成してもよい。また、操作表示部またはパソコンより、位相制御を行うための速度変動(駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動したときの各色の速度変動)のみを得る色ずれ調整を実行するように指示できるように構成してもよい。具体的には、通常の「色ずれ調整モード」のほかに、「短縮色ずれ調整モード」を操作表示部またはパソコンに表示し、ユーザーが「短縮色ずれ調整モード」を選択した場合に、駆動速度パターンのみを得る色ずれ調整または位相制御を行うための速度変動(駆動速度パターンでプロセス駆動モータを駆動したときの各色の速度変動)のみを得る色ずれ調整を実行する。このような「短縮色ずれ調整モード」を設けることにより、色ずれ調整時間を短縮することができる。
また、図30に示すように、各感光体3Y,3M,3C,3Kの表面に形成された各単色画像を、無端移動体たる搬送ベルト上の記録材に順次重なり合うように転写する直接転写方式を採用したタンデム型画像形成装置においても、本発明を適用することができる。
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、速度制御手段であり、速度変動検出手段であり、位相調整手段であり、制御手段である制御部140は、各潜像担持体たる感光体の速度を制御したときにおける感光体の表面移動速度変動たる速度変動パターンに基づいて、各感光体の速度制御実行時におけるそれぞれの感光体の表面移動速度変動の位相を調整する。このような制御を実施することで、機械要素の寸法精度や演算精度を高めて速度制御による色ずれ抑制効果を高めなくても、速度制御実行時における色ずれを抑制することができる。これにより、機械要素の寸法精度や演算精度を高めることによるコストアップを抑えて、速度制御実行時の色ずれを抑制することができる。
また、制御部140は、各駆動源たるプロセス駆動モータの制御を行うための感光体の速度変動パターンを検出するのに続いて、これら検出した速度変動パターンに基づいて各プロセス駆動モータを制御して、位相調整制御を行うための感光体の速度変動パターンを検出する。そして、制御部140は、それら検出した位相調整制御を行うための感光体の速度変動パターンに基づいて位相調整を行う。このように、各駆動源たるプロセス駆動モータの制御を行うための感光体の速度変動パターンを検出したときは、位相調整制御を行うことで、速度制御実行時の色ずれを確実に抑制することができる。
また、各駆動源たるプロセス駆動モータの制御を行うための感光体の速度変動パターンの検出に先立って、各駆動源を一定速度で回転させたときの感光体の速度変動パターンに基づいて位相の調整をしてもよい。
また、各プロセス駆動モータの制御を行うための感光体の速度変動パターンの検出に先立って行われる各駆動源を一定速度で回転させたときの感光体の速度変動パターンに基づく位相の調整後、各駆動源を一定速度で回転させて各プロセス駆動モータの制御を行うための各感光体の速度変動パターンを検出するようにしてもよい。
また、各駆動源を一定速度で回転させて各感光体の速度変動パターンを検出するのに続いて、これら検出した各感光体の速度変動パターンに基づいて、速度制御と、速度制御実行時における各感光体の速度変動パターンの位相調整とを行うようにしてもよい。これにより、色ずれ調整の時間を短縮できる。
また、制御部140は、感光体の速度変動パターンと逆位相の駆動速度パターンで、プロセス駆動モータの駆動を制御することで、感光体の速度変動の振幅をゼロに近づけることができ、トナー像の伸縮を抑制することができる。
また、制御部140は、感光体に予め定められた複数のトナー像からなる速度変動検知用画像の形成し、感光体の表面に形成された速度変動検知用画像を中間転写ベルト41に転写し、トナー像検知手段たる光学センサ137、138による速度変動検知用画像内の各トナー像の検知時間間隔に基づいて速度変動パターンを検出する。これにより、エンコーダなどを感光体毎に設けなくても、各感光体の速度変動を検出することができる。これにより、装置を安価にすることができる。
また、手動指示手段たる操作表示部またはパソコンから変動パターン検出制御を実施することができるので、画像の色ずれが悪化したときなど、任意なタイミングで変動パターン検出制御を実施して、速度制御を行うための速度変動パターンや、位相調整を行うための速度制御実行時における速度変動パターンを得ることができる。
また、操作表示部またはパソコンから速度制御を行うための速度変動パターンのみを検出するように指示することもできるので、速度制御を行うための速度変動パターンと位相調整を行うための速度制御実行時における速度変動パターンの両方を検出するものに比べて、変動パターン検出制御の時間を短縮することができる。
また、感光体と回転中心が同一である駆動伝達部材たる感光体ギヤを用いた一段減速機構としたので、部品点数を少なくし低コストにすることができる。また、ギヤを2つにして噛み合い誤差や偏心による伝達誤差の要因を少なくすることができ、感光体の速度変動の周期が感光体の一回転周期にほぼ限定することができる。
また、感光体ギヤと、感光体の被係合部たる感光体カップリングと係合する係合部たるギヤ側カップリングとを一体物とするので感光体ギヤとギヤ側カップリングとのガタツキが発生することがない。これにより、これにより、感光体ギヤとギヤ側カップリングとのガタツキに起因する感光体の速度変動が発生することがなくなり、感光体の速度変動の要因をさらに限定することができる。
また、各感光体が、交換されたことを検知したら、速度変動パターンの検出を実施して、速度制御を行うための速度変動パターンや、位相調整を行うための速度制御実行時における速度変動パターンを検出する。これにより、感光体が交換された後の色ずれを目立ち難くすることができる。
また、感光体と、帯電装置、現像装置、クリーニング装置のうち少なくとも一つとを一体的に装置本体から着脱可能に構成されたプロセスカートリッジとすることで、感光体を容易に交換することができる。