JP2009031366A - 帯電装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筋状のフィルミングを抑制可能な帯電装置等を提供する。
【解決手段】帯電ローラ14Yは、感光体ドラム12Yの回転に従動して回転するように設けられるとともに、金属製の回転軸14a、回転軸14aの外周面を覆うゴム層14b、ゴム層14bの外周面を覆う表面層14cを備えている。また、帯電ローラ14Yは、研磨用の砥石番手、研磨スピード、表面層14cの材料、表面層14cの膜厚などを最適化することで、その表面(外周面)が、周方向において凹凸形状となるように形成される。詳細には、周方向において、最大山高さRpが4μm≦Rp≦15μm、凹凸平均間隔RSmが150μm≦RSm≦600μmとなるように形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、感光体ドラムなどの像保持体等を帯電する帯電装置、およびプリンタやファクシミリなどの画像形成装置に関する。
ローラクリーニング部材を常に帯電ローラに圧接させるようにしても安定した帯電ができるようにするため、帯電ローラのローラクリーニング部材と接する面の表面粗さを10点平均粗さで30μm以下とした帯電装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、帯電ローラに強固に付着したトナーの除去清掃を可能とするため、清掃部材の硬度を帯電ローラの硬度よりも小さくした帯電装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−143183号公報 特開平8−95350号公報
ところで、感光体ドラムなどの像保持体等を帯電する帯電ローラに、トナーに添加される外添剤などが筋状にフィルミングする場合がある。このような場合、形成される画像に筋状の欠陥が現れる場合がある。
本発明は、筋状のフィルミングを抑制可能な帯電装置等を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、被帯電体を帯電する帯電ローラと、前記帯電ローラに接触し当該帯電ローラをクリーニングするクリーニング部材と、を備え、前記帯電ローラ外周面は、前記クリーニング部材とのニップ内、且つ当該帯電ローラ回転方向において、当該クリーニング部材との接触圧力が異なる部分が隣り合うような形状であることを特徴とする帯電装置である。
請求項2に記載の発明は、被帯電体を帯電する帯電ローラを備え、前記帯電ローラの外周面は、当該帯電ローラの周方向に測定した粗さ曲線にて、最大山高さRpが4μm≦Rp≦15μm、凹凸の平均間隔RSmが150μm≦RSm≦600μmを満たすことを特徴とする帯電装置である。
請求項3に記載の発明は、前記帯電ローラの外周面は、気温10℃、湿度15%におけるマイクロゴム硬度が70°以下であることを特徴とする請求項2記載の帯電装置である。
請求項4に記載の発明は、前記帯電ローラに接触し当該帯電ローラをクリーニングするクリーニング部材を更に備え、前記クリーニング部材は、前記帯電ローラに接触する厚みtの弾性層を備え、前記帯電ローラに対する前記弾性層の食い込み量をaとした場合に、0.1t≦a≦0.4tを満たすことを特徴とする請求項2記載の帯電装置である。
請求項5に記載の発明は、被帯電体を帯電する帯電ローラと、前記帯電ローラとの間でニップ部を形成し当該帯電ローラをクリーニングするクリーニング部材と、を備え、前記帯電ローラの外周面は、当該帯電ローラの周方向に測定した粗さ曲線にて、最大山高さRpが4μm≦Rp≦15μmを満たし、前記帯電ローラの軸方向に直交する断面にて、当該帯電ローラの外周面が前記ニップ部において有する凸部の数Aは、3≦A≦30であることを特徴とする帯電装置である。
請求項6に記載の発明は、回転可能に設けられ、トナー像を保持する像保持体と、前記像保持体に接触し当該像保持体を帯電する帯電ローラと、前記帯電ローラに接触し当該帯電ローラをクリーニングするクリーニング部材と、を備え、前記帯電ローラの外周面は、当該帯電ローラの周方向に測定した粗さ曲線にて、最大山高さRpが4μm≦Rp≦15μm、凹凸の平均間隔RSmが150μm≦RSm≦600μmを満たすことを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記像保持体は、電荷輸送層上に保護層を備えていることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記保護層は、フェノール系樹脂又は架橋構造を有する樹脂を含んでいることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、像形成に用いられるトナーは、珪素(Si)を1.3wt%以上含有していることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
本発明の請求項1によれば、本構成を有していない場合に比較して、筋状のフィルミングを抑制可能な帯電装置を提供することができる。
本発明の請求項2によれば、本構成を有していない場合に比較して、筋状のフィルミングを抑制可能な帯電装置を提供することができる。
本発明の請求項3によれば、凸部付近以外における帯電ローラと外添剤との強い接触が抑制可能となり、筋状のフィルミングを更に抑制可能となる。
本発明の請求項4によれば、例えば被帯電体への帯電を良好なものとすることができる。
本発明の請求項5によれば、本構成を有していない場合に比較して、筋状のフィルミングを抑制可能な帯電装置を提供することができる。
本発明の請求項6によれば、本構成を有していない場合に比較して、筋状のフィルミングを抑制可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明の請求項7によれば、像保持体に外添剤のすり抜けを発生させやすい保護層が設けられた場合であっても、筋状のフィルミングを効果的に抑制することができる。
本発明の請求項8によれば、例えば、像保持体に外添剤のすり抜けを発生させやすいフェノール系樹脂を含んだ保護層が設けられた場合であっても、筋状のフィルミングを効果的に抑制することができる。
本発明の請求項9によれば、像形成に用いられるトナーが珪素を1.3wt%以上含有し帯電ローラにフィルミングが生じやすい状況にあったとしても、筋状のフィルミングを効果的に抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される画像形成装置1の全体構成を示した図であり、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタを示している。図1に示す画像形成装置1は、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像プロセス系10、用紙Pを搬送する用紙搬送系40、例えば図示しないパーソナルコンピュータ(PC)や原稿読み取り装置等に接続され、受信した画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部(不図示)、各部(各装置)の動作を制御する制御部(不図示)などを備えている。
画像プロセス系10は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kを備えている。また、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト21上に多重転写させる転写ユニット20、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに対してレーザ光を照射するレーザ露光器30を備えている。さらに、転写ユニット20によって二次転写された画像を、熱および圧力を用いて用紙Pに定着させる定着器29を備えている。更に、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ16Yc,16Mc,16Cc,16Kcを備えている。
転写ユニット20は、中間転写ベルト21を駆動するドライブローラ22、中間転写ベルト21に一定のテンションを付与するテンションローラ23、重畳された各色のトナー像を用紙Pに二次転写するためのバックアップローラ24、中間転写ベルト21上に存在する残留トナー等を除去するベルトクリーナ25を備えている。中間転写ベルト21は、ドライブローラ22、テンションローラ23およびバックアップローラ24との間に一定のテンションで掛け回されており、ドライブローラ22によって矢印方向に所定の速度で循環駆動される。
レーザ露光器30は、図示しないレーザダイオード、変調器の他、レーザダイオードから出射されたレーザ光(LB-Y,LB-M,LB-C,LB-K)を偏向走査するポリゴンミラー31を備えている。
用紙搬送系40は、画像が記録される用紙Pを積載する積載部41、積載部41から用紙Pを取り上げて供給するナジャーローラ42、ナジャーローラ42から供給された用紙Pを1枚ずつ分離して搬送するフィードローラ43、フィードローラ43により1枚ずつに分離された用紙Pを画像転写部に向けて搬送する搬送路44を備えている。また、用紙搬送系40は、搬送路44を介して搬送された用紙Pを、二次転写位置に向けてタイミングを合わせて搬送するレジストローラ45、二次転写位置に設けられバックアップローラ24に圧接して用紙P上に画像を二次転写する二次転写ローラ46を備えている。更に、定着器29によってトナー画像が定着された用紙Pを機外に排出する排出ローラ47、排出ローラ47によって排出された用紙Pを積載する積載部48を備えている。また、本実施形態では、定着器29によって定着された用紙Pを反転させて両面記録を可能とする両面用搬送ユニット49が設けられている。
次に、画像プロセス系10における画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kについて詳述する。図2は、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K等を示した図である。
画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、例えばイエローの画像形成ユニット11Yを例にすると、被帯電体、像保持体の一例としての感光体ドラム12Y、感光体ドラム12Yを帯電する帯電装置13Y、レーザ露光器30からのレーザ光LB-Yによって感光体ドラム12Y上に形成された静電潜像を現像する現像器16Yを備えている。なお、本実施形態における帯電装置13Yは、感光体ドラム12Yに接触配置された帯電ローラ14Y、帯電ローラ14Yをクリーニングするクリーニング部材の一例としてのクリーニングローラ15Yとから主要部が構成されている。また、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム12Yに対向して設けられ、感光体ドラム12Y上に現像されたトナー像を中間転写ベルト21上に転写する一次転写ローラ17Yを備えている。さらに、感光体ドラム12Yに接触配置されたクリーニングブレード19Yを備え、感光体ドラム12Y上に残った残留トナーなどを除去するドラムクリーナ18Yを備えている。なお、他の画像形成ユニット11M,11C,11Kも、イエローの画像形成ユニット11Yと同じ構成を有している。
次に、画像形成装置1の基本的な画像形成動作について説明する。例えば原稿読み取り装置(不図示)によって読み取られた原稿の色材反射光像や、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された色材画像データは、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各8ビットの反射率データとして画像処理部(不図示)に入力される。画像処理部では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器30に出力される。
レーザ露光器30では、入力された色材階調データに応じて、レーザダイオード(不図示)から出射されたレーザ光(LB-Y,LB-M,LB-C,LB-K)を、f−θレンズ(不図示)を介してポリゴンミラー31に出射している。ポリゴンミラー31では、入射されたレーザ光を各色の階調データに応じて変調し、偏向走査して、図示しない結像レンズおよび複数枚のミラーを介して画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにおける感光体ドラム12に照射している。画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにおける感光体ドラム12では、帯電された表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。そして、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト21上に多重転写される。
一方、用紙搬送系40では、画像形成のタイミングに合わせてナジャーローラ42が回転し、積載部41から所定サイズの用紙Pが供給される。そして、フィードローラ43により1枚ずつ分離された用紙Pは、搬送路44を経てレジストローラ45に搬送され、一旦、停止される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト21の移動タイミングに合わせてレジストローラ45が回転し、用紙Pは、バックアップローラ24および二次転写ローラ46によって形成される二次転写位置に搬送される。そして、二次転写位置において、用紙Pには、圧接力および所定の電界を用いて、4色が多重されているトナー像が副走査方向に順次、転写される。その後、トナー像が転写された用紙Pは、定着器29にて定着処理を受けた後、排出ローラ47によって積載部48に積載される。
ここで、画像形成ユニット11Yを一例に、帯電装置13Yについて詳細に説明する。図3は、帯電装置13Yを拡大して示した図である。本実施形態における帯電装置13Yは、上記のとおり、感光体ドラム12Yに接触配置された帯電ローラ14Y、帯電ローラ14Yをクリーニングするクリーニングローラ15Yとから主要部が構成されている。
帯電ローラ14Yは、感光体ドラム12Yの回転に従動して回転するように設けられるとともに、金属製の回転軸14a、回転軸14aの外周面を覆うゴム層14b、ゴム層14bの外周面を覆う表面層14cを備えている。
ここで、ゴム層14bは、回転軸14aの外周面に対して円筒状に射出成形を行うことにより形成される。また、ゴム層14bは、射出成形により形成された後、プランジ研磨などによって表面性状や形状が整えられる。さらに、ゴム層14bには、カーボンブラックや酸化金属など導電性粉末が混入されている。
表面層14cは、ナイロン樹脂やアクリル樹脂などにより形成される。また、表面層14cは、ゴム層14bの外周面にディップコートによって形成される。表面層14cは、ブリードブロック機能や、抵抗調整機能などを有している。
本実施形態にける帯電ローラ14Yは、研磨用の砥石番手、研磨スピード、表面層14cの材料、表面層14cの膜厚などを最適化することで、その表面(外周面)が、周方向において凹凸形状となるように形成される。詳細には、周方向において、最大山高さRpが4μm≦Rp≦15μm、凹凸平均間隔RSmが150μm≦RSm≦600μmとなるように形成される。なお、Rp、RSmの詳細については、後述する。
帯電ローラ14Yの表面における凹凸形状は、基本的に研磨工程で形成され、表面層14cは、それに沿ったかたちで形成される。但し、表面層14cも、膜厚、粘性などによって、表面の凹凸形状に影響する。一般的に、表面層14cの膜厚を厚くするほど、また粘性が下がるほどレベリング効果が促進されるため、ゴム層14bの凹凸形状が埋められ、帯電ローラ14Yは、平滑な表面形状となる。したがって、研磨用の砥石番手や研磨スピードに加え、表面層14cの材料、表面層14cの膜厚なども調整され、帯電ローラ14Yが形成される。なお、本実施形態では、ゴム層14bを研磨することで凹凸形状を形成する例を説明したが、これに限るものでなく、例えば表面層14cのコート(塗布)条件を調整する方法や、微粒子を混入させる方法などによって、凹凸形状を形成することができる。
クリーニングローラ15Yは、帯電ローラ14Yに押圧され(接触配置され)、帯電ローラ14Yに食い込んだ状態で配置されている。このクリーニングローラ15Yは、金属製の回転軸15aと、この回転軸15aの外周面に形成された弾性層15bとを備えている。本実施形態において、弾性層15bは、多数の発泡孔を有する発泡ポリウレタンによって形成されている。なお、発泡ポリウレタンは、一例であり、その他の多孔質材料(スポンジ)を用いることもできる。また、クリーニングローラ15Yは、モータ等の駆動源により別途駆動されず、帯電ローラ14Yの回転に従動して回転するようになっている。
次に、最大山高さRpおよび凹凸平均間隔RSmについて詳細に説明する。
図4は、最大山高さRpを説明するための図であり、図5は、凹凸平均間隔RSmを説明するための図である。
最大山高さRpは、図4に示すように、帯電ローラ14Yの表面を周方向に測定した場合における表面粗さ曲線の測定範囲における山頂線と平均線との間隔(距離)である。このため、十点平均粗さRzのような細かい凹凸を表したものでなく、大きなうねりの大きさを表したものとなっている。なお、この最大山高さRpは、JIS B0601−2001に準拠している。
一方、凹凸平均間隔RSmは、図5に示すように、帯電ローラ14Yの表面を周方向に測定した場合における表面粗さ曲線において、一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対応する平均線の長さの平均値であり、凸部の間隔を表している。換言すれば、凹凸平均間隔RSmは、最初の山から谷に向かう際に表面粗さ曲線が平均線を横断する横断点と、次の山から谷に向かう際に表面粗さ曲線が平均線を横断する横断点との平均距離を示している。なお、この凹凸平均間隔RSmは、JIS B0601−2001に準拠している。
なお、最大山高さRpおよび凹凸平均間隔RSmの測定は、株式会社東京精密製、Surfcom 590Aを用いて行った。なお、測定時の詳細な条件は、次の通りである。算出規格:JIS−’01規格、測定種別:粗さ測定、測定長さ:1.0mm、カットオフ波長:0.8mm、測定倍率:×500、測定速度:0.06mm/s、カットオフ種別:ガウシアン、傾斜補正:最小二乗直線補正。
ここで、本実施形態におけるトナーは、負極性で形成されるとともに、懸濁重合法、乳化凝集合一法、溶解懸濁法等により形成された微粒子である。詳細には、ポリエステルやスチレンアクリル等のバインダ樹脂に、着色剤、ワックスが内添され、また、平均粒径5〜200nmのシリカ(SiO)、チタニア(TiO)、セリア(CeO)等の無機微粒子を含む外添剤が添加された微粒子である。
ところで、本実施形態にける画像形成ユニット11Y(図2参照)では、クリーニングブレード19Yによって、感光体ドラム12Y上に付着した残留トナーや外添剤などが除去される。しかしながら、トナーに添加された外添剤は、その径が小さいため、トナーから離脱している場合に、クリーニングブレード19Yをすり抜け、感光体ドラム12Yと帯電ローラ14Yとの対向部(以下、この対向部を「帯電ニップ部」と称する。)まで搬送されてしまう場合がある。そして、帯電ニップ部まで搬送された外添剤は、帯電ローラ14Yに転移・付着する。例えば、外添剤に含まれる珪素(Si)や、シリカ(SiO)などの珪素化合物は、トナーに付着していないものが多く、その多くがクリーニングブレード19Yをすり抜け、帯電ニップ部まで搬送されてしまう。本発明者の調査によれば、クリーニングブレード19Yをすり抜け、帯電ローラ14Yに転移・付着する外添剤の90%以上が珪素(Si)若しくはシリカ(SiO)である。なお、外添剤に含まれるチタニアやセリアは、だいたいがトナーに付着した状態を維持しており、そのほとんどがトナーとともにクリーニングブレード19Yによって掻き取られる。
そして、帯電ローラ14Yに転移・付着した外添剤は、帯電ローラ14Yの回転に伴い、帯電ローラ14Yとクリーニングローラ15Yとが互いに押圧する押圧部(以下、この押圧部を「クリーニングニップ部」と称する。)まで搬送される。そして、クリーニングニップ部に搬送された外添剤は、帯電ローラ14Yからクリーニングローラ15Yへと転移・付着する。
ここで、図6は、クリーニングニップ部の周辺を拡大して示した図である。
クリーニングローラ15Yに転移・付着した外添剤は、クリーニングローラ15Yの回転に伴い回転方向下流側に搬送されるが、この間に、クリーニングローラ15Y上で外添剤同士が凝集し、凝集体としての凝集外添剤を形成する。なお、このように外添剤が凝集するのは、外添剤の粒径が小さく且つ球形であるために、ファンデルワールス力が強く働き、且つ、外添剤単体では不安定になりやすいためであると考えられる。また、本実施形態では、発泡ポリウレタンによって弾性層15bを形成しているため、発泡ポリウレタン層表面に存在する発泡孔に外添剤が集まりやすくなることも一つの理由であると考えられる。
そして、クリーニングローラ15Y上にて形成された凝集外添剤は、クリーニングローラ15Yの回転に伴って再びクリーニングニップ部に到達するとともに、クリーニングニップ部を通過した後、帯電ローラ14Yに向かってはじき出される。
詳細には、クリーニングローラ15Yは、帯電ローラ14Yに押圧されている状態において弾性層15bが圧縮され、発泡ポリウレタンにおける発泡部がつぶされた状態になっている。そして、弾性層15bは、クリーニングニップ部を通過した後、自身が有する弾性力により元の状態に復元されようとする。このとき、弾性層15bの外周面に保持された凝集外添剤は、この弾性力によって外側に向けて付勢され、クリーニングローラ15Yの表面から帯電ローラ14Yに向かってはじき出される。
クリーニングローラ15Yからはじき出された凝集外添剤は、その後、帯電ローラ14Yに転移・付着する。そして、帯電ローラ14Yに付着した凝集外添剤は、帯電ローラ14Yの回転に伴って帯電ニップ部まで搬送され、感光体ドラム12Yへと転移・付着する。その後、感光体ドラム12Yに転移・付着した凝集外添剤は、現像器16Yや、クリーニングブレード19Yによって回収される。
このように、本実施形態における構成では、クリーニングブレード19Yをすり抜けてくる外添剤を、帯電ローラ14Yの表面から除去することができる。しかしながら、帯電ローラ14Yの表面から外添剤を100%除去することは困難であり、帯電ローラ14Yにフィルミング(付着)した外添剤によって画像欠陥が生じるおそれがある。
ここで、図7は、帯電ローラ14Yの表面を拡大して示したものである。
帯電ローラ14Yに外添剤が付着した場合、この付着した部分に対応する感光体ドラム12Yの表面電位が他の部分の表面電位よりも低くなり、電位のコントラストが発生してしまう。この結果、現像量が異なる状態が発生し、画像に筋状の欠陥が現れる。
例えば、図7(b)に示すように、帯電ローラ14Yの表面に、筋状に、換言すれば連なった状態で、外添剤が付着した場合、筋状に外添剤が付着した部分に対応する感光体ドラム12Yの表面電位は、他の部分の表面電位よりも常に低くなる。このため、電位のコントラストができ、現像量が、隣接部に比べ常時多くなってしまう。この結果、形成される画像に縦黒筋が現れる。
一方、同じ量の外添剤が付着する場合(同じ量の外添剤で汚染される場合)であっても、図7(a)に示すように、面状に散らばって付着したり、間隔をおいて付着したりする場合には、ある部分が他の部分に比べ常に電位が下がってしまうということはなく、外添剤の付着(汚染)の影響が画像中に現れにくくなる。
ところで、帯電ローラ14Yへの外添剤のフィルミングは、帯電ニップ部において帯電ローラ14Yと外添剤とが摺擦(強く接触)することによって発生する。また、クリーニングニップ部において、帯電ローラ14Yと外添剤とが摺擦することによって発生する。
特に、クリーニングニップ部においては、摺擦によって外添剤を掻き取る効果を発現させているため、掻き取り(クリーニング)効果もある反面、フィルミングさせる効果も発現させてしまう。この結果、帯電ニップ部よりも、クリーニングニップ部においてフィルミングが生じやすくなる。
ここで、帯電ローラ14Yの表面が平滑である場合、クリーニングニップ部において、クリーニングローラ15Yから帯電ローラ14Yに均一の強い摺擦力が作用してしまう。このような場合、クリーニングニップ部に筋状に突入してきた外添剤が、そのまま帯電ローラ14Yの表面にフィルミングしてしまう。このため、帯電ローラ14Yの表面をある程度粗し(強く接触する部分と弱く接触する部分が隣り合うようにある程度のうねりを形成し)、クリーニングニップ部内における摺擦力を分散させることが好ましくなる。これによって、フィルミングが発生したとしても、筋状に繋がった状態を回避可能となる。そこで、本実施形態では、上記のとおり、帯電ローラ14Yの外周面に、最大山高さRpが4μm≦Rp≦15μmとなる凹凸を形成している。なお、Rpが15μmを超えると、凸部に電荷が集中し異常放電が発生するおそれがある。また、表面層14cの膜厚によっては、表面層14cからゴム層14bが出てしまうおそれがある。
また、最大山高さRpが上記の範囲内に入っていたとしても、凸部の間隔が小さすぎる場合、即ち、上記凹凸平均間隔RSmが小さすぎる場合には、摺擦箇所が増加し実質的に筋状のフィルミングが発生してしまう。また、大きすぎる場合には、帯電ローラ14Yの表面形状が平滑に近い状態となり、この場合も筋状のフィルミングが生じやすくなる。このため、凹凸平均間隔RSmは、上記のとおり、150μm≦RSm≦600μmを満たすことが好ましくなる。なお、凸部は、帯電ローラ14Yの軸方向に沿って全部繋がっている必要はない。
ここで、図8は、クリーニングニップ部を拡大した拡大図である。なお、本図は、帯電ローラ14Yの軸方向に直交する断面における状態を示している。
フィルミングの発生しやすさは、クリーニングニップ部に含まれる凸部の数Aで捉えることも可能である。図8(a)に示すように、凸部の数Aが3未満である場合、帯電ローラ14Yの凸部から凹部にかけて過剰な応力がかかり、筋状のフィルミングが発生してしまう。換言すれば、凸部の数Aが3未満である場合、帯電ローラ14Yの表面が平滑である場合とほとんど変わらなくなってしまう。この結果、クリーニングニップ部の全面において、外添剤と帯電ローラ14Yとが強く摺擦してしまう(強摺擦)。
また、凸部の数Aが30より多くなると、図8(c)に示すように、強摺擦が発生する箇所の間隔が小さく。すなわち、フィルミング部の間隔が小さくなってしまうので、実質的に筋状フィルミングが発生する状態となってしまう。この結果、帯電ローラ14Yの周方向に亘って帯電不良がおき、縦黒筋が現れてしまう。
以上より、外添剤を筋状にフィルミングさせないためには、最大山高さRpを4μm≦Rp≦15μmとし、図8(b)に示すように凸部の数Aを3≦A≦30とすることが好ましくなる。ただし、4μm≦Rp≦15μm、3≦A≦30の条件にて効果が発現するのは、帯電ローラ14Yの凸部の間隔が、数百μmのオーダーの場合である。
ここで、図9は、帯電ローラ14Y、クリーニングローラ15Yを拡大して示した図である。
上記凸部の数Aは、クリーニングニップ部のニップ幅Lと、凸部の間隔、即ち凹凸平均間隔RSmとによって決定される。ニップ幅Lは、帯電ローラ14Yの半径をR(mm)、クリーニングローラ15Yの半径をr(mm)、帯電ローラ14Yに対するクリーニングローラ15Yの食い込み量(押し込み量)をa(mm)とした場合、次式(1)で表される。このため、クリーニングニップ部に含まれる凸部の数Aは、次式(2)により算出される。
Figure 2009031366
Figure 2009031366
また、フィルミングの発生をより効果的に抑制するため、帯電ローラ14Yの表面におけるマイクロ硬度(表面硬度)も考慮に入れることが好ましい。マイクロ硬度が高い場合、凸部付近以外でも強い摺擦力が作用してしまい筋状フィルミングが形成されやすくなってしまうためである。一般的に、表面層が樹脂材料で形成された帯電ローラの表面硬度は、低温低湿環境下において高くなる傾向がある。本実施形態における帯電ローラ14Yのマイクロ硬度は、気温10℃、湿度15%において70°以下となるように形成してある。
尚、マイクロ硬度は、帯電ローラ14Yの厚み方向において、マイクロゴム硬度計(高分子計器社製、MD−1)を用いて測定される値をいう。具体的な測定方法について述べると、JIS K6253に記載のタイプAデュロメータに準じたものであり、押針をスプリングの力で帯電ローラ14Yの表面に押し付けて変形を与え、帯電ローラ14Yの抵抗力とスプリングの力とがバランスした状態での押針の押し込み深さを基に測定する。押針の径は0.16mmであり、押針の変位が0mmの状態での加圧面からの突き出し量を0.5mmとし、押針はスプリングにより220mNの力で押されている。そして、この時のマイクロ硬度を0°とする。そして、押針の変位が0.5mmの時、スプリングによる押針は330mNで押されている。この時のマイクロ硬度を100°とし、この間を等間隔で目盛り、マイクロ硬度の測定スケールとする。加圧面は外径4mmで、中心に上記押針を通す直径1.5mmの孔が設けてある。このような構成の測定器により帯電ローラ14Yに押針を押し当て、バランスした状態での値をマイクロ硬度とする。
一方、クリーニングローラ15Yは、弾性層15bの厚みt(図3参照)と、帯電ローラ14Yに対する食い込み量aとが、0.1t≦a≦0.4tの関係を満たすように、設けられることが望ましい。本実施形態では、弾性層15bに発泡体(発砲ポリウレタン)を用いているが、a<0.1tの場合、帯電ローラ14Yに作用する反発弾性力が弱すぎ、外添剤の掻き取り性に問題が生じてしまう。一方、0.4t<aであると、保管中に弾性層15bが塑性変形(保管変形)を起こしてしまう。この結果、帯電ローラ14Yに対して塑性変形を起こした部分がニップされた場合と、帯電ローラ14Y対して正常部(塑性変形を起こしていない部分)がニップされた場合とで、反発弾性力に変化が生じてしまう。このような状態にて画像形成を行うと、反発弾性力の変化が、帯電ニップ部に影響し、感光体ドラム12Yにおける帯電状態が周期的に変化する結果、感光体ドラム12Yの軸方向に沿った横筋が発生してしまう。
ここで、図10は、感光体ドラムの表面を拡大して示したものである。
本実施形態における構成は、電荷輸送層上に保護層が設けられている低摩耗型の感光体ドラムを用いたシステムにおいて、より顕著な効果を示す。
通常、感光体ドラムには、帯電ローラ以外に、現像ローラ、転写材、クリーニングブレードなどが接触している。そして、これらの部材と感光体ドラムの表面との間に、外添剤や紙粉等の異物が挟まり摺擦されると、感光体ドラムの表面が筋状に削れ、スクラッチが形成される。この結果、スクラッチとクリーニングブレードとの間には空隙が形成され、この空隙から外添剤が筋状にすり抜けてくる。
摩耗率がある程度高い感光体ドラムでは、磨耗と共にスクラッチが消滅するため、外添剤のすり抜けも時間の経過によって抑えることが可能となる。しかしながら、保護層を持つ感光体ドラムは、低磨耗であるが故にスクラッチが中々消滅せず、長期に亘って外添剤が筋状にすり抜けてくる(図10(b)参照)。なお、図10(b)は、図10(a)に示すように、クリーニングブレード91と帯電ローラ92との間において、感光体ドラム90を観察したときの状態を示している。したがって、保護層を持つ感光体ドラムを用いた場合の方が、外添剤が帯電ローラの表面に筋状にフィルミングし易くなる。このため、本実施形態の構成は、電荷輸送層上に保護層が設けられている低摩耗型の感光体ドラムを用いたシステムにおいて、より顕著な効果を示す。
さらに、使用されるトナーの外添処方によっても、筋状フィルミングのしやすさが大きく異ってくる。クリーニングブレード19Yをすり抜けてくるものの殆どが珪素(Si)もしくは珪素化合物であることは前述したが、トナーにおける珪素の含有量が1.3wt%以上であり、カラー機で主流となっている小粒径トナー(8μm以下)を用いた場合には、トナー表面から遊離する珪素が多くなる。この結果、クリーニングブレード19Yをすり抜ける外添剤の量も極端に増加する。結果として、このようなトナーを用いた場合、帯電ローラ14Yの表面に筋状のフィルミングが形成され易くなる。よって、このようなトナーを用いたシステムにおいて、本発明の効果は顕著に現れる。
以下、実施例1〜3を用いて本実施形態について更に詳細に説明する。なお、実施例1〜3では、全ての画像形成ユニットを用いず、画像形成ユニット11K(図1参照)のみを用いて各種実験を行っている。
<実施例1>
低温低湿下(10℃、15%)で長期ランニング(150kPV)を行ない、縦筋レベルを評価した。詳細な条件は、下記の通りである。
感光体ドラム12Kは、φ30mmで形成するとともに、厚さ7.5μm,フェノール樹脂製の保護層と、厚さ17μm,ポリカーボネート製の電荷輸送層とを形成した。
帯電ローラ14Kは、φ8mmの金属シャフト、厚さ2mmのエピクロロヒドリンゴムにカーボンブラックを配合したゴム層(弾性ゴム層)、を備える構成とした。なお、ゴム層上には、5〜15μmの厚みでナイロン樹脂をコートした。また、帯電ローラ14Kの全体径は、φ12mmとした。
クリーニングローラ15Kは、全体径がφ10mmであり、φ6mmのシャフト上に、肉厚2mmの発泡ポリウレタン層を設ける構成とした。
クリーニングブレード19Kは、NF4.2(g/cm)、WA13°で感光体ドラム12Kに対してドクター方向に接触させた。
トナーは、乳化重合法により製造されたスチレンアクリル製、粒径5.8μmのものを使用した。尚、珪素系外添剤の含有量は3.4wt%である。
帯電ローラ14Kに印加するバイアスは、−750Vdc+2.0kVppとした。また、ランモードは、エリアカバレッジ5%のチャートをランレングス5で行なった。さらに、プロセススピードは、165mm/sとした。
図11は、実施例1における縦筋の発生状況を示したものである。
ここで、図11(a)は、帯電ローラ14Kに対するクリーニングローラ15Kの食い込み量aを0.5mmに固定した場合の縦筋G(グレード)のウインドウを、最大山高さRpと凹凸平均間隔RSmで表したものである。ここで、縦筋Gは大きいほど悪く、許容値はG3以下である。ちなみに、食い込み量aが0.5mmの場合、凹凸平均間隔RSmが600μmで凸部の数Aが5となり、凹凸平均間隔RSmが150μmで凸部の数Aが20となる。同図に示すように、4μm≦Rp≦15μm、150μm≦RSm≦600μmの範囲においては、縦筋GがいずれもG3以下となり、縦筋が発生しにくくなっていることが分かる。
なお、縦筋Gは、次の基準に基づき判断した。
G0…A3ハーフトーン(画像密度40%)において、縦筋発生無し。G1…A3ハーフトーン(画像密度40%)において、極軽微(指摘されて気付くレベル)な縦筋が数本(1〜3本位)発生。G2…A3ハーフトーン(画像密度40%)において、極軽微(指摘されて気付くレベル)な縦筋が部分的に発生、又は軽微(薄い縦筋が確認できるレベル)な縦筋が数本(1〜3本位)発生。G3…A3ハーフトーン(画像密度40%)において、軽微(薄い縦筋が確認できるレベル)な縦筋が部分的に発生。G4…A3ハーフトーン(画像密度40%)において、軽微な縦筋が全面に発生、又は、中度以上の筋(明確に縦筋が確認できるレベル)が部分的に発生。G5…A3ハーフトーン(画像密度40%)において、中度以上の筋(明確に縦筋が確認できるレベル)が全面に発生。
ここで、図11(b)は、最大山高さRpが約5μmの下、凹凸平均間隔RSmと食い込み量aとを変化させクリーニングニップ部中の凸部の数Aを調整し、凸部の数Aに対して縦筋Gをプロットしたものである。同図に示すように、凸部の数Aが、3≦A≦30の範囲にある場合には、縦筋Gが3以下に収まっているが、凸部の数Aが、3未満である場合や、30を超える場合には、縦筋Gが3を超えてしまうことが分かる。
ここで、図11(c)は、帯電ローラ14Kに対するクリーニングローラ15Kの食い込み量aを0.5mmに固定した場合において、縦筋Gのウインドウを最大山高さRpとMD−1硬度で表したものである。同図に示すように、MD−1硬度が70°を超えると縦筋Gが4となってしまうことが分かる。これより、縦筋Gを許容値内に収めるためには、MD−1硬度を70°以下に設定する必要があることが分かる。
<実施例2>
実施例2では、まず、実施例1の構成からクリーニングローラ15Kを取り外した状態で3kpvランニングを行ない、帯電ローラ14Kに外添剤を強制的に付着させた。その後、クリーニングローラ15Kを取り付けオフラインベンチで空回しし、付着外添剤に対する掻き取り性能を、クリーニングローラ15Kの食い込み量aを振って検証した。なお、帯電ローラ14Kは、最大山高さRp:5μm、凹凸平均間隔RSm:350μm、MD−1硬度:硬度65°のものを用いた。
ここで、図12は、実施例2の結果を示したものである。なお本図における縦軸は、掻き取り試験をした後の帯電ローラ14Kの抵抗値からイニシャルの帯電ローラ14Kの抵抗値を差し引いたものを示しており、この値が小さいほど、外添剤をよく掻き取っていることを示している。尚、抵抗値は、低温低湿下(10℃、15%)と高温高湿下(28℃、85%)で測定した。
同図に示すように、食い込み量aが、クリーニングローラ15Kにおける弾性層15b厚みtの10%以下となると、外添剤の掻き取り性能が急激に悪化することが分かる。
<実施例3>
実施例3では、グアナミン架橋膜で形成された保護層と電荷輸送層とで形成されたφ30mmの感光体ドラム12Kを用い、低温低湿下(10℃、15%)にて30kpvのランニングを行ない、外添剤の付着状態を観察した。ちなみに、グアナミン架橋膜で形成された保護層は放電生成物が付着しづらく、画像流れを起こしにくい特徴がある。
なお、帯電ローラ14K、クリーニングローラ15Kの基本的構成は、実施例1と同様である。即ち、帯電ローラ14Kは、φ8mmの金属シャフト、厚さ2mmのエピクロロヒドリンゴムにカーボンブラックを配合したゴム層、を備える構成とした。なお、ゴム層上には、5〜15μmの厚みでナイロン樹脂をコートした。また、帯電ローラ14Kの全体径は、φ12mmとした。また、クリーニングローラ15Kは、全体径がφ10mmであり、φ6mmのシャフト上に、肉厚2mmの発泡ポリウレタン層を設ける構成とした。
また、帯電ローラ14Kに対するクリーニングローラ15Kの食い込み量aを0.5mmとした。さらに、帯電ローラ14Kの表面形状は、最大山高さRp:4.9μm,凹凸平均間隔RSm:413μmであり、帯電ローラ14Kの上記環境下(10℃、15%)におけるMD−1硬度は、68°である。ちなみに凸部数Aは、約8である。クリーニングブレード19Kは、NF4.2(g/cm)、WA13°で感光体ドラム12Kに対してドクター方向に接触(当接)させた。トナーは、乳化重合法により製造されたスチレンアクリル製、粒径5.8μmのものを使用した。尚、珪素系外添剤の含有量は3.4wt%である。帯電ローラ14Kに印可するバイアスは、−750Vdc+2.0kVppとした。ランモードは、エリアカバレッジ5%のチャートをランレングス5で行なった。プロセススピードは、165mm/sである。
ここで、図13は、帯電ローラ14Kの表層を示したものである。
上記条件にてランニングを行った後、キーエンス社製マイクロスコープ顕微鏡で帯電ローラ14Kの表層を観察したところ、同図(a)に示すように、本実施例3では、筋状に外添剤は付着しておらず、縦筋に対する耐性があることが示唆される。比較例として、30kPV時点で縦筋が発生した帯電ローラの表層写真を示すが(図13(b)参照)、汚れが筋状に付着しているのは明らかである。なお、比較例で用いた帯電ローラは、表面形状が、最大山高さRp:2.1μm、凹凸平均間隔RSm:120μmであり、4μm≦Rp≦15μm、150μm≦RSm≦600μmの範囲に属していない。本結果により、グアナミン架橋膜を保護層として用いた場合にも、本発明の効果が発揮されることが分かる。
今日、画像形成ユニットなどに設けられた感光体ドラムは、長寿命化が可能となってきており、例えば100kpv以上の画像形成も可能となっている。しかしながら、帯電ローラが短寿命である場合には、感光体ドラムが使用可能であるにも関わらず、良好な画像形成が困難となってしまう。この結果、感光体ドラムの長寿命化が進んだとしても、画像形成ユニット全体としての長寿命化が困難となる。
従来、帯電ローラ等に関し、様々な技術が提案されているが、いずれの技術も、100kpv以上の画像形成を行う際に、筋状のフィルミングを抑制することができなかった。一方、本実施形態では、従来の少なくとも約2倍以上である100kpv以上の長期に亘って、外添剤などが帯電ローラに筋状にフィルミングするのを抑制可能となる。この結果、画像形成ユニット全体としての長寿命化も可能となる。
本発明が適用される画像形成装置の全体構成を示した図である。 画像形成ユニット等を示した図である。 帯電装置を拡大して示した図である。 最大山高さRpを説明するための図である。 凹凸平均間隔RSmを説明するための図である。 クリーニングニップ部の周辺を拡大して示した図である。 帯電ローラの表面を拡大して示したものである。 クリーニングニップ部を拡大した拡大図である。 帯電ローラ、クリーニングローラを拡大して示した図である。 感光体ドラムの表面を拡大して示したものである。 実施例1における縦筋の発生状況を示したものである。 実施例2の結果を示したものである。 帯電ローラの表層を示したものである。
符号の説明
12Y,12M,12C,12K…感光体ドラム、14Y,14M,14C,14K…帯電ローラ、15Y,15M,15C,15K…クリーニングローラ、13Y,13M,13C,13K…帯電装置、Rp…最大山高さ、RSm…凹凸平均間隔、15b…弾性層

Claims (9)

  1. 被帯電体を帯電する帯電ローラと、
    前記帯電ローラに接触し当該帯電ローラをクリーニングするクリーニング部材と、を備え、
    前記帯電ローラ外周面は、前記クリーニング部材とのニップ内、且つ当該帯電ローラ回転方向において、当該クリーニング部材との接触圧力が異なる部分が隣り合うような形状であることを特徴とする帯電装置。
  2. 被帯電体を帯電する帯電ローラを備え、
    前記帯電ローラの外周面は、当該帯電ローラの周方向に測定した粗さ曲線にて、最大山高さRpが4μm≦Rp≦15μm、凹凸の平均間隔RSmが150μm≦RSm≦600μmを満たすことを特徴とする帯電装置。
  3. 前記帯電ローラの外周面は、気温10℃、湿度15%におけるマイクロゴム硬度が70°以下であることを特徴とする請求項2記載の帯電装置。
  4. 前記帯電ローラに接触し当該帯電ローラをクリーニングするクリーニング部材を更に備え、
    前記クリーニング部材は、前記帯電ローラに接触する厚みtの弾性層を備え、
    前記帯電ローラに対する前記弾性層の食い込み量をaとした場合に、0.1t≦a≦0.4tを満たすことを特徴とする請求項2記載の帯電装置。
  5. 被帯電体を帯電する帯電ローラと、
    前記帯電ローラとの間でニップ部を形成し当該帯電ローラをクリーニングするクリーニング部材と、を備え、
    前記帯電ローラの外周面は、当該帯電ローラの周方向に測定した粗さ曲線にて、最大山高さRpが4μm≦Rp≦15μmを満たし、
    前記帯電ローラの軸方向に直交する断面にて、当該帯電ローラの外周面が前記ニップ部において有する凸部の数Aは、3≦A≦30であることを特徴とする帯電装置。
  6. 回転可能に設けられ、トナー像を保持する像保持体と、
    前記像保持体に接触し当該像保持体を帯電する帯電ローラと、
    前記帯電ローラに接触し当該帯電ローラをクリーニングするクリーニング部材と、を備え、
    前記帯電ローラの外周面は、当該帯電ローラの周方向に測定した粗さ曲線にて、最大山高さRpが4μm≦Rp≦15μm、凹凸の平均間隔RSmが150μm≦RSm≦600μmを満たすことを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記像保持体は、電荷輸送層上に保護層を備えていることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記保護層は、フェノール系樹脂又は架橋構造を有する樹脂を含んでいることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 像形成に用いられるトナーは、珪素(Si)を1.3wt%以上含有していることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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