JP2009030835A - 冷却加熱装置 - Google Patents

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Takeshi Matsubara
健 松原
Kazuya Nakayama
和哉 中山
Manabu Ueno
学 上野
Katsuyuki Osawa
克之 大澤
Shinji Sato
新二 佐藤
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Abstract

【目的】冷媒回路に接続している温水用熱交換器やその周辺部品に不具合を生じさせることのない冷却加熱装置を提供することを目的とする。
【構成】温水用熱交換器52を迂回させて圧縮機51とガスクーラ53とを直接接続させる連通冷媒回路L3を冷媒循環回路Lに配設し、連通冷媒回路L3には電磁弁64を備え、温水用熱交換器52に接続する冷媒循環回路Lには電磁弁65を備え、温水用熱交換器52で高温の湯を作る必要がないときは、温水用熱交換器52に接続する冷媒循環回路Lに備えている電磁弁65を閉じ、連通冷媒回路L3に備えている電磁弁64を開いて高温高圧の冷媒を温水用熱交換器52を迂回させてガスクーラ53に直接通流させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばカップなどの飲料容器に飲料を注入して提供するカップ式自動販売機に備えられ、圧縮機から供給される冷媒を利用して湯、冷水、氷を作る冷却加熱装置に関するものである。
従来からコーヒー豆原料に高温の湯を供給して抽出したコーヒー飲料やシロップを希釈して氷を投入したシロップ飲料を販売するカップ式自動販売機が知られている。カップ式自動販売機は、利用者が貨幣を投入し、例えば、コーヒー飲料の選択ボタンが押されると、貯蔵しているコーヒー豆をミルで挽いた挽き豆に温水タンクで貯留している高温の湯を供給して抽出した温かいコーヒー飲料をカップ供給装置から供給されたカップに注入して販売口から利用者に販売する。また、メロン飲料の選択ボタンが押されると、冷却水槽で冷やされたメロンシロップと炭酸水がカップに注入され、さらに製氷機に貯蔵している氷が投入されて冷たいメロン飲料となり、販売口から利用者に販売される。このように、カップ式自動販売機にはコーヒー飲料などのホット飲料を調製する際に使用する湯を高温(例えば94〜97℃)に加熱して貯留する温水タンクや、メロン飲料などのアイス飲料を調製する原料としてのシロップや炭酸水を冷やす冷却水槽と、氷を製造する製氷機と、その冷却水槽と製氷機を冷却する冷媒回路を備えている。
図5はカップ式自動販売機を示す概念図である。カップ式自動販売機2は、カップ供給装置(図示せず)から供給されてベンドステージSに載置した飲料容器であるカップCに、その機内で調製したホット飲料またはコールド飲料を注入して提供する装置であり、希釈液供給部3、冷却水槽15、製氷機30、温水タンク34、ミキシングボウル40、41、コーヒーブリュア42、原料容器43、45、47、ミル46などを備えている。
希釈液供給部3は、冷水、炭酸水などの希釈液をカップCに注入するためのものであり、水リザーバ10、水ポンプ11、給水弁12を有している。給水弁12を開くと水道水は水リザーバ10に貯えられ、水ポンプ11を駆動することによって圧送された水は冷水回路13または温水回路33に供給される。冷水回路13に供給された水は、冷却水槽15に貯留する冷却水15aに浸漬した水冷却コイル16を通流することにより冷却される。図には明示していないが冷却水15aにはコイル状の蒸発管(蒸発器)が浸漬してあり、蒸発管に冷媒を循環させることにより冷媒が蒸発する際の蒸発熱により蒸発管の周囲に着氷したアイスバンク(氷魂)の蓄熱量を利用した熱交換により冷却水15aを略0℃に保つようにしている。水冷却コイル16には給水弁17と冷水管路18とが接続してある。また、給水弁17には、カップCに炭酸水を供給するカーボネータ19が接続してあり、水ポンプ11を駆動して給水弁17を開くとカーボネータ19に冷水が供給される。冷水管路18には、冷水弁20を介して冷水ノズル21が接続してあり、コールド飲料注出時(販売時)には水ポンプ11を駆動して冷水弁20を開くと、冷水ノズル21からカップCに冷水を注入する。
カーボネータ19は、冷却水槽15に貯留する冷却水15aに浸漬してあり、炭酸ガスボンベ22から供給される炭酸ガスが冷水に溶解して炭酸水となる。カーボネータ19には、炭酸水弁23を介して炭酸水ノズル24が接続してあり、炭酸水弁23を開くと、炭酸ガスボンベ22から供給される炭酸ガスの圧力でカーボネータ19から押し出された炭酸水を炭酸水ノズル24からカップCに注入する。また、冷却水槽15に貯留する冷却水15aには、複数のシロップ冷却コイル25が浸漬してあり、シロップ飲料の原液となる各種のシロップがそれぞれ貯蔵してある複数のシロップコンテナ26がシロップ売切装置27を介して接続してある。シロップコンテナ26には炭酸ガスボンベ22から炭酸ガスが供給され、シロップ冷却コイル25にはシロップ弁28を介してシロップノズル29が接続されている。そして、シロップ弁28を開くと、シロップコンテナ26に貯蔵してあるシロップが炭酸ガスボンベ22から供給される炭酸ガスの圧力で押し出され、シロップ売切装置27を介して通流させてシロップ冷却コイル25で冷却されたシロップをシロップノズル29からカップCに注入する。
製氷機30は、製氷用水導入配管30aを通じて水リザーバ10から供給された水を用いて氷を製造し、当該氷をストッカに貯蔵する。図には明示しないが製氷機30は、製氷部としての円筒状のパイプの外周面に蒸発管(蒸発器)を螺旋状に巻回させてあり、蒸発管に冷媒を循環させることにより供給された水をパイプ内壁面に着氷させる。パイプの内部にはスクリュ形状のオーガが配設してあり、モータによって回転駆動したオーガでパイプの内壁面に着氷させた氷を切削しつつ上方に押し上げる。パイプの上部には、固定刃が設けてあり、この固定刃によってオーガで押し上げられた氷を圧縮してチップ状の氷にする。また、パイプの上方には、製造したチップ状の氷を貯蔵するストッカが設けてある。そして、製氷機30によって製造された氷は、アイス飲料を販売するときにアイスダクト30bを通じてカップCに必要量が投入される。
水ポンプ11を駆動すると同時に給水弁32を開放して温水回路33に供給された水は、温水タンク34に貯えられ、温水タンク34でヒータ(図示せず)により加熱されて高温(例えば94〜97℃)の湯になる。温水タンク34には、複数の湯弁35が配設してある。各湯弁35は、湯管路36によってミキシングボール40、41またはコーヒーブリュア42に接続してあり、湯弁35を開放すると湯管路36を通った湯がミキシングボール40、41またはコーヒーブリュア42に供給される。ミキシングボール40は、原料容器43から供給された原料と温水タンク34から供給された湯を攪拌してホット飲料を調製してホット飲料ノズル44からカップCに注入する。コーヒーブリュア42は、コーヒー豆を収容している原料容器45から供給されたコーヒー豆をミル46で挽いた挽き豆に温水タンク34から供給された湯を注いで攪拌混合してコーヒー飲料を抽出する。コーヒー飲料の抽出滓は滓バケツ49に廃棄される。また、コーヒーブリュア42には、ミキシングボール41が接続してあり、砂糖、クリームなどを収容している原料容器47から供給された原料とコーヒー飲料を攪拌してコーヒー飲料ノズル48からカップCに注入する。
このようなカップ式自動販売機では、湯、冷水、氷を作る冷媒回路に、冷媒を高温高圧の状態に圧縮する圧縮機と、高温高圧状態の冷媒と給湯用の水とを熱交換させて湯を作る温水用熱交換器と、冷媒を膨張させることでその温度および圧力を低下させる膨張弁と、冷媒の吸熱による冷却作用を利用して冷水用の水と熱交換させて冷水を作る冷水用蒸発器と、冷媒の吸熱による冷却作用を利用して製氷用の水と熱交換させて氷を作る製氷用蒸発器とを設け、圧縮機からの高温高圧の冷媒により温水加熱動作および冷却動作を行い、湯、冷水または氷を作るようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−101049号公報
この冷媒回路では、圧縮機からの高温高圧の冷媒による温水加熱動作および冷却動作のいずれの動作においても冷媒が必ず温水用熱交換器を通流する冷媒回路となっているが、この冷媒回路を備えたカップ式自動販売機では、温水タンクの湯温が設定温度に達していて冷却動作時に温水を加熱することを必要としない場合があり、このような場合には温水循環バルブを閉じるようにしている。
しかしながら、冷却動作時に温水用熱交換器を温水が循環しないと管路に温水が滞留した状態となり、圧縮機で圧縮されて高温(例えば70〜120℃)となった冷媒が温水用熱交換器を過度に加熱することとなり、温水用熱交換器管路内の温水の蒸発が進み、熱交換器管路内壁面にスケール付着が助長され、この付着したスケールが剥離して熱交換器管路から循環すると管路の詰まりや温水循環バルブの開閉動作不具合を発生させる虞が生じる。また、熱交換器管路内に残留している温水が沸騰すると管路内圧が上昇して、接続ホースの抜けや水漏れを発生させたり、接続ホースや温水用熱交換器、接続ホースを覆っている断熱材などの熱による劣化が促進されて耐久性が低下する虞が生じることとなる。
本発明は、上記実情に鑑みて、冷媒回路に接続している温水用熱交換器やその周辺部品に不具合を生じさせることのない冷却加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る冷却加熱装置は、冷媒を圧縮させて高温高圧にさせる圧縮機と、前記圧縮機で圧縮させた高温高圧の冷媒と水とを熱交換させて湯を作る温水用熱交換器と、前記温水用熱交換器から供給される冷媒を放熱させる放熱器と、前記放熱器から供給される冷媒を断熱膨張させる膨張機構と、前記膨張機構から供給される冷媒を蒸発させて前記圧縮機に帰還させる蒸発器とを接続した冷媒循環回路を形成した冷却加熱装置において、
前記温水用熱交換器を迂回させて前記圧縮機と前記放熱器とを直接接続させる連通冷媒回路を前記冷媒循環回路に配設し、
前記連通冷媒回路および前記温水用熱交換器に接続する冷媒循環回路のそれぞれに開閉弁を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る冷却加熱装置は、上記請求項1において、前記温水用熱交換器で湯を作るときは、前記連通冷媒回路に備えている開放弁を閉じ、前記温水用熱交換器に接続する冷媒循環回路に備えている開放弁を開いて前記高温高圧の冷媒を前記温水用熱交換器に供給して水と熱交換させて湯を作り、
前記温水用熱交換器で湯を作らないときは、前記温水用熱交換器に接続する冷媒循環回路に備えている開放弁を閉じ、前記連通冷媒回路に備えている開放弁を開いて前記高温高圧の冷媒を前記温水用熱交換器を迂回させて前記放熱器に直接通流させることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る冷却加熱装置は、上記請求項1または請求項2において、前記冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、温水用熱交換器を迂回させて圧縮機と放熱器とを直接接続させる連通冷媒回路を冷媒循環回路に配設し、連通冷媒回路および温水用熱交換器に接続する冷媒循環回路のそれぞれに開閉弁を備えているので、圧縮機で圧縮させた高温高圧の冷媒を温水用熱交換器を迂回させて放熱器に通流させることができるので、冷媒回路に接続している温水用熱交換器やその周辺部品に不具合を生じさせることのない冷却加熱装置を提供することが可能になる。
また、請求項2の発明によれば、温水用熱交換器で湯を作らないときは、温水用熱交換器に接続する冷媒循環回路に備えている開放弁を閉じ、連通冷媒回路に備えている開放弁を開いて高温高圧の冷媒を温水用熱交換器を迂回させて放熱器に直接通流させることができるので、高温の冷媒が温水用熱交換器を過度に加熱することがなくなり、温水用熱交換器管路内の温水の蒸発が進むことがなく、熱交換器管路内壁面へのスケール付着がなくなる。スケールの付着がなくなると、スケールが剥離して熱交換器管路から循環して管路の詰まりや温水循環バルブの開閉動作不具合を発生させる虞がなくなる。また、熱交換器管路内に残留している温水が沸騰することもなくなるので管路内圧が上昇することによる接続ホースの抜けや水漏れの発生、また、接続ホースや温水用熱交換器、接続ホースを覆っている断熱材などが熱により劣化が促進されることがなくなり耐久性が向上する。
また、請求項3の発明によれば、冷媒として二酸化炭素を用いることにより、環境負荷が小さく、安全である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る冷却加熱装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、従来と同一構成に関しては同一符号を用いる。
図1は本発明に係る冷却加熱装置をカップ式自動販売機に備えた実施の形態を示す概念図である。冷却加熱装置1における冷却水槽15に貯留する冷却水15aの冷却、製氷機30の氷の製造、および温水タンク70に貯留している温水の加熱には冷媒回路50が適用してある。冷媒回路50は、圧縮機51、温水用熱交換器52、ガスクーラ(放熱器)53、内部熱交換器54、電子膨張弁(膨張機構)55、および蒸発器56、57、並びにこれらを接続する冷媒循環回路Lにより構成され、冷媒を循環させて加熱および冷却を行うものである。ここで、冷媒としては、不燃性、安全性、不腐食性を有し、更にオゾン層への影響が少ない二酸化炭素を用いている。
圧縮機51は、内部熱交換器54からの冷媒(二酸化炭素)を圧縮して高温高圧の状態にするものである。この圧縮機51は、冷媒圧縮を2回に分けて行う2段式圧縮機であり、1回目の冷媒圧縮を行う第1圧縮機51aと、2回目の冷媒圧縮を行う第2圧縮機51bとを有し、これらの間に中間熱交換器58を備えている。中間熱交換器58は、第1圧縮機51aによる1回目の冷媒圧縮により圧縮された冷媒を冷却、すなわち放熱させて該冷媒を第2圧縮機51bに送るものである。
このように、冷媒を2回に分けて圧縮を行う2段式圧縮機の第1圧縮機51aと第2圧縮機51bとの間に冷媒を冷却する中間熱交換器58を備えて冷媒圧縮を行うと、第2圧縮機51bの負荷を低減して効率の向上を図れるので、動作時の消費電力を低減して冷媒を所望の高温高圧の状態に圧縮することが可能になる。圧縮機51には、圧縮機51を運転するための電源の周波数を変換するインバータ51cが接続してあり、冷却加熱装置1の熱負荷に見合った適切な電源周波数で圧縮機51を運転する。この圧縮機51としては、レシプロ圧縮機、ロータリー圧縮機、スクロール圧縮機などが適宜適用される。
冷媒循環回路Lには、第1圧縮機51aで圧縮させた高温高圧の冷媒を放熱させて第2圧縮機51bに供給させる中間熱交換器58を備えた第1冷媒回路L1と、第1圧縮機51aで圧縮させた高温高圧の冷媒を第2圧縮機51bに直接供給させる第2冷媒回路L2とを備え、第1冷媒回路L1には弁を開閉して冷媒の通流および停止をさせる電磁弁62を備え、第2冷媒回路L2には弁を開閉して冷媒の通流および停止をさせる電磁弁63を備えている。そして、冷却水の冷却能力や製氷能力を強く要求される場合には、電磁弁62を開く一方、電磁弁63を閉じて圧縮機51を運転すると、第1圧縮機51aで圧縮された温度60℃〜70℃、圧力3〜5MPaの冷媒は中間熱交換器58に送られてここで放熱されて温度40〜50℃、圧力3〜5MPaの冷媒となって第2圧縮機51bへ供給されるので第2圧縮機51bの負荷が軽減され、第2圧縮機51bによる2回目の圧縮動作により圧縮された冷媒は温度70〜80℃、圧力8〜9MPaとなる。
温水タンク70に貯留している温水の加熱能力を強く要求される場合には、電磁弁62を閉じる一方、電磁弁63を開いて圧縮機51を運転すると、第1圧縮機51aで圧縮された温度60〜70℃、圧力3〜5MPaの冷媒が中間熱交換器58で放熱されることなく第2圧縮機51bへ直接供給されて圧縮されると、第2圧縮機51bによる2回目の圧縮動作により圧縮された冷媒は温度110〜120℃、圧力10〜12MPaの高温高圧の状態とすることができる。
また、温水用熱交換器52を迂回させて圧縮機51とガスクーラ53とを直接接続させる連通冷媒回路L3を冷媒循環回路Lに配設し、連通冷媒回路L3には弁を開閉して冷媒の通流および停止をさせる電磁弁(開閉弁)64を備え、温水用熱交換器52に接続する冷媒循環回路Lには弁を開閉して冷媒の通流および停止をさせる電磁弁(開閉弁)65を備えている。そして、温水用熱交換器52で高温の湯を作るときは、連通冷媒回路L3に備えている電磁弁64を閉じ、温水用熱交換器52に連通する冷媒循環回路Lに備えている電磁弁65を開いて高温の冷媒を温水用熱交換器52に供給して低温の温水と熱交換させて高温の湯を作り、温水用熱交換器52で高温の冷媒と温水とを熱交換して高温の湯を作る必要がないときは、温水用熱交換器52に接続する冷媒循環回路Lに備えている電磁弁65を閉じ、連通冷媒回路L3に備えている電磁弁64を開いて高温高圧の冷媒を温水用熱交換器52を迂回させてガスクーラ53に直接通流させるようにしている。
このように、温水用熱交換器52で高温の冷媒と温水とを熱交換して高温の湯を作る必要がないときは、温水用熱交換器52に接続する冷媒循環回路Lに備えている電磁弁65を閉じ、連通冷媒回路L3に備えている電磁弁64を開いて圧縮機51から供給される高温高圧の冷媒を温水用熱交換器52を迂回させてガスクーラ53に直接通流させるようにしたので、高温の冷媒が温水用熱交換器52を過度に加熱することがなくなり、温水管路52b内の温水の蒸発が進むことがなく、温水管路52b内壁面へのスケール付着がなくなる。スケールの付着がなくなると、スケールが剥離して温水管路52bから循環して管路の詰まりや電磁弁79、80の開閉動作不具合を発生させる虞がなくなる。また、温水管路52b内に残留している温水が沸騰することもなくなるので管路内圧が上昇することによる接続ホースの抜けや水漏れの発生、また、接続ホースや温水用熱交換器52、接続ホースを覆っている断熱材などが熱により劣化が促進されることがなくなり耐久性が向上する。これにより、冷媒循環回路Lに接続している温水用熱交換器52やその周辺部品に不具合を生じさせることのない冷却加熱装置1を提供することが可能となる。
温水用熱交換器52は、第1圧縮機51aで圧縮された冷媒が第2圧縮機51bに直接送られることにより2回目の圧縮によって110〜120℃の高温になった冷媒を温水タンク70から送出された30〜60℃の低温の温水と熱交換させて約95℃の高温の温水を作るもので、その内部には、第2圧縮機51bで圧縮された高温高圧の冷媒が通流する冷媒管路52aと、給湯用の水が通流する温水管路52bとが、互いに熱交換可能な態様で配設してあり、温水管路52bを通流する温水の移動方向と冷媒管路52aを通流する冷媒の移動方向とが逆方向となるように配設してある。冷媒管路52aに流入してきた110〜120℃の高温の冷媒が温水タンク70から送出されて温水管路52bに流入してきた30〜60℃の低温の温水と熱交換して冷媒管路52aから流出するときには50〜60℃の温度に下がるが、互いに熱交換可能な態様で配設してある温水管路52bを通流する温水の移動方向と冷媒管路52aを通流する冷媒の移動方向とを逆方向となるように配設してあるので、冷媒との熱交換で徐々に温められた温水が温水管路52bから流出する直前で冷媒管路52aに流入してきた110〜120℃の高温の冷媒と熱交換されて加熱されるので、温水管路52bから流出する温水を効率よく約95℃の高温の温水とすることができる。
温水タンク70は、タンク本体71の内部に仕切り板72、湯温センサ73、ヒータ74、低湯温センサ81を備えている。そして、給水弁12を開いて水リザーバ10に貯えられた水道水は、水ポンプ11を駆動すると同時に給水弁32を開くと給水回路33を通流して温水タンク70の底部から仕切り板72の下部に供給され、湯量センサ(図示せず)が満水信号を出力すると水ポンプ11を停止するとともに給水弁32を閉じて給水を停止する。供給された水道水は仕切り板72の下部に貯留されて30〜60℃の比較的低温の温水となり、仕切り板72の上部に貯留されている高温(例えば94〜97℃)の温水とは区分された状態で貯留される。このように温水タンク70に仕切り板72を備えると、水道水の流入による流動や水の密度の温度依存による対流を抑制するとともに、熱伝導を遮断することができるので、仕切り板72上部の高温域に貯留している高温の温水の温度低下を防止することができる。
温水用熱交換器52の冷媒管路52aを通流する冷媒と熱交換可能な態様で配設されている温水管路52b入口側(図中上側)に接続する温水管路76は温水ポンプ75を介して温水タンク70の底部に接続され、温水管路52b出口側(図中下側)に接続する温水管路77には通流する温水の湯温を測定して湯温信号を出力する湯温センサ78が備えられ、温水管路77の流出口の一方は電磁弁79を介して仕切り板72下部の低温域に接続され、他方は電磁弁80を介して高温水70aの上部空間にその流出口が接続される。温水ポンプ75の駆動により温水タンク70から温水用熱交換器52に送出された30〜60℃の低温水が温水管路52bを通流する際に冷媒管路52aを通流する110〜120℃の冷媒と熱交換されて約95℃の高温水となって温水管路77を通流してくると、湯温センサ78が出力する温度信号に基づいて制御手段(図示せず)が電磁弁79を閉じて電磁弁80を開くと温水タンク70の仕切り板72上部の高温域に流出して貯留される。タンク本体71、温水管路76、77、温水用熱交換器52、接続ホースなどは断熱材で周囲を覆うなどして断熱され、加熱された高温の温水の温度低下を最小限に抑えるようにしている。そして湯弁35を開くと高温域の温水が調理部(図示せず)に供給されて飲料が調製される。
また、温水加熱動作の初期には温水が十分には加熱されていないので、湯温センサ78が出力する温度信号に基づいて制御手段が電磁弁79を開いて電磁弁80を閉じると温水タンク70の仕切り板72下部の低温域に送出されて、高温域の温水の温度低下を防止することができる。また、湯温センサ73は温水タンク70に貯留されている湯温の検出信号を制御手段(図示せず)に出力し、湯温が所定の下限温度(例えば94℃)を下回ると制御手段はヒータ74に通電して所定の上限温度(例えば97℃)まで加熱するようにしている。
ガスクーラ53は、温水用熱交換器52から供給された冷媒を放熱させるものであり、例えば銅管とアルミフィンとで構成したフィンチューブタイプのものがある。
内部熱交換器54は、ガスクーラ53から供給された高温高圧の冷媒と、蒸発器56、57から環流する低温低圧の冷媒とを熱交換させるものであり、その内部には、ガスクーラ53で放熱させた冷媒が移動する冷媒管路54aと、蒸発器56、57で蒸発させた冷媒が移動する冷媒管路54bとが、互いに熱交換可能な態様で配設してある。
電子膨張弁55は、内部熱交換器54で熱交換させた冷媒を断熱膨張させ、該冷媒を減圧して低温低圧の状態に調整するもので、蒸発温度センサ91a、水温センサ91b、庫内温度センサ91cから出力される検出信号に基づいて膨張機構制御部91が予めメモリ(図示せず)に格納しているプログラムやデータに従って、電子膨張弁55の弁開閉量を可変制御する。
蒸発器56、57は、電子膨張弁55で低温低圧の状態に断熱膨張させた冷媒を蒸発させるものであり、冷却水槽15および製氷機30のそれぞれの冷熱源として配設してある。冷却水槽15に貯留している冷却水15a中には蒸発管をコイル状にした蒸発器56を配設してある。製氷機30では、円筒状のパイプ(図示せず)の外周面に蒸発管を螺旋状に巻回することにより蒸発器57を配設してある。これら蒸発器56、57は、電子膨張弁55から2方に分岐したそれぞれの回路に接続してある。分岐したそれぞれの回路において、蒸発器56の上流側には電磁弁59が備えてあり、蒸発器57の上流側には電磁弁60が備えてある。そして、電磁弁59を開くことで、蒸発器56に電子膨張弁55で断熱膨張させた冷媒が送出され、電磁弁60を開くことで、蒸発器57に電子膨張弁55で断熱膨張させた冷媒が送出される。また、蒸発器56、57の下流側の回路は、互いに集合して内部熱交換器54を介して第1圧縮機51aに接続してある。
なお、製氷機30の蒸発器57と電磁弁60との間の回路、および蒸発器57の下流側で集合する手前の回路には、継手手段であるセルフシールカップリング61、61が備えてある。そして、メンテナンス時には、セルフシールカップリング61、61を取り外すことで製氷機30が冷媒循環回路Lから脱着可能になっている。
以上のような構成を有する冷却加熱装置1の基本動作について説明する。
まず、図2を参照して、温水用熱交換器52では湯をつくらないで、冷却水槽15に貯留している冷却水15aを冷却する場合について説明する。この場合、第1冷媒回路L1に備えている電磁弁62と、連通冷媒回路L3に備えている電磁弁64と、蒸発器56に接続している冷媒循環回路Lに備えている電磁弁59を開く一方、第2冷媒回路L2に備えている電磁弁63と、温水用熱交換器52に接続する冷媒循環回路Lに備えている電磁弁65と、蒸発器57に接続している電磁弁60を閉じる。従って、冷媒循環回路Lは、第1圧縮機51a、中間熱交換器58、第2圧縮機51b、ガスクーラ53、内部熱交換器54、電子膨張弁55および蒸発器56が接続されて冷媒が循環し、温水用熱交換器52および蒸発器57に冷媒が送出されることはない。
この場合において、第1圧縮機51aで圧縮されて中間熱交換器58で放熱された冷媒は第2圧縮機51bに送出され、第2圧縮機51bで8〜9MPaに圧縮されて70〜80℃の冷媒温度になる。
第2圧縮機51bで圧力8〜9MPa、温度70〜80℃になった冷媒は温水用熱交換器52を迂回して通流してガスクーラ53で周囲温度程度まで冷却された後、内部熱交換器54で蒸発器56から第1圧縮機51aに環流する低温低圧の冷媒と熱交換することで温度差(エンタルピ差)を拡大し、冷却能力を高める。内部熱交換器54で熱交換した冷媒は電子膨張弁55に送出され、電子膨張弁55によって絞られた後に膨張すると減圧されて断熱膨張して温度−10〜−20℃、圧力2〜3MPaの低温低圧の状態になる。
低温低圧の状態の冷媒は、開放状態にある電磁弁59を介して蒸発器56に送出され、蒸発器56の配設部位である冷却水槽15の冷却水15aから熱を与えられて蒸発する。この冷媒が蒸発する際の蒸発熱により蒸発器56の周囲に着氷したアイスバンク(氷魂)の蓄熱量を利用した熱交換により冷却水15aを略0℃に保つようにしている。この結果、冷却水15aに浸漬している水冷却コイル、カーボネータ、シロップコンテナに接続されたシロップ供給配管などが冷却され、希釈水、炭酸水、シロップが冷やされる。
蒸発器56で蒸発した冷媒は、内部熱交換器54に送出されて熱交換を行った後、圧縮機51(第1圧縮機51a)に送出され、圧縮機51で圧縮されて上記移動を繰り返して循環することになる。
温水用熱交換器52では湯をつくらないで、製氷機30を冷却して氷を製造する場合、図3に示すように、蒸発器57に接続されている冷媒循環回路Lに備えてある電磁弁60を開く一方、蒸発器56に接続されている冷媒循環回路Lに備えてある電磁弁59を閉じる。したがって、冷媒循環回路Lは、第1圧縮機51a、中間熱交換器58、第2圧縮機51b、ガスクーラ53、内部熱交換器54、電子膨張弁55および蒸発器57が接続されて冷媒が循環し、温水用熱交換器52および蒸発器56に冷媒が送出されることはない。
この場合において、冷媒循環回路Lにおける冷媒は、第1圧縮機51aで圧縮されて中間熱交換器58で放熱された後に第2圧縮機51bに送出され、2回に分けて圧縮された後ガスクーラ53で放熱して冷却される。そして、ガスクーラ53で冷却された冷媒は、内部熱交換器54を通じて電子膨張弁55に送出され、電子膨張弁55で減圧されて断熱膨張して低温低圧の状態になり、開放状態にある電磁弁60を介して蒸発器57に送出される。蒸発器57に送出された冷媒が蒸発することにより、蒸発器57の配設部位である製氷機30のパイプ(図示せず)は熱を奪われて冷却される。この結果、製氷機30のパイプの内部に着氷し、モータ(図示せず)により駆動されたオーガ(図示せず)が氷を切削するとチップ状の氷が製造される。そして、蒸発器57で蒸発した冷媒は、内部熱交換器54に送出されて熱交換を行った後、圧縮機51(第1圧縮機51a)に送出され、圧縮機51で圧縮されて上記移動を繰り返して循環することになる。
次に、図4を参照して、温水タンク70の仕切り板72下部に貯留している低温水を温水用熱交換器52に送出して高温の冷媒と熱交換して高温の湯とするとともに冷却水槽15に貯留している冷却水15aを冷却する場合を説明する。この場合、第1冷媒回路L1に備えている電磁弁62と、連通冷媒回路L3に備えている電磁弁64と、蒸発器57に接続している冷媒循環回路Lに備えている電磁弁60を閉じる一方、第2冷媒回路L2に備えている電磁弁63と、温水用熱交換器52に接続する冷媒循環回路Lに備えている電磁弁65と、蒸発器56に接続している電磁弁59を開いて圧縮機51を運転すると、第1圧縮機51aで圧縮された温度60〜70℃、圧力3〜5MPaの冷媒が中間熱交換器58で放熱されることなく第2圧縮機51bへ直接供給されて圧縮され、第2圧縮機51bによる2回目の圧縮動作により圧縮された冷媒は温度110〜120℃、圧力10〜12MPaの高温高圧の状態になり、温水用熱交換器52の冷媒管路52aに供給される。
温水ポンプ75の駆動により温水タンク70から温水用熱交換器52に送出された30〜60℃の低温水は温水管路52bを通流して冷媒管路52aを通流する110〜120℃の高温の冷媒と熱交換されると約95℃の高温水となって温水管路77を通流してくると、湯温センサ78が出力する温度信号に基づいて制御手段が電磁弁79を閉じて電磁弁80を開くと温水タンク70の仕切り板72上部の高温域に流出して貯留される。
温水用熱交換器52の冷媒管路52aを通流して温水と熱交換して50〜60℃の温度に冷却された冷媒はガスクーラ53で放熱して冷却され、内部熱交換器54を通じて電子膨張弁55に送出され、電子膨張弁55で減圧されて断熱膨張して低温低圧の状態になり、開放状態にある電磁弁59を介して蒸発器56に送出される。蒸発器56に送出された冷媒は冷却水槽15の冷却水15aから熱を与えられて蒸発する。冷却水15aは冷媒が蒸発する際の蒸発熱により蒸発器56の周囲に着氷したアイスバンク(氷魂)の蓄熱量を利用した熱交換により略0℃に保たれる。
蒸発器56で蒸発した冷媒は、内部熱交換器54に送出されて熱交換を行った後、圧縮機51(第1圧縮機51a)に送出され、圧縮機51で圧縮されて上記移動を繰り返して循環することになる。
なお、冷媒温度を110〜120℃に高めて温水と熱交換して約95℃の高温の湯とすると同時に冷媒を蒸発器56に送出して冷却水槽15の冷却水15aを冷却する実施例で説明しているが、温水を約95℃の高温の湯とすると同時に冷媒を蒸発器57に送出して製氷機30で製氷することもできる。
さらに、連通冷媒回路L3に電磁弁64を備え、温水用熱交換器52に接続する冷媒循環回路Lに電磁弁65を備えた実施例で説明しているが、連通冷媒回路L3と温水用熱交換器52に接続する冷媒循環回路Lの分岐点に三方弁を備えて冷媒の通流回路を切り替えることもできる。
本発明の実施の形態である冷却加熱装置の実施の形態を示した概念図である。 図1に示した冷媒回路で冷却水槽を冷却している概念図である。 図1に示した冷媒回路で製氷機を冷却している概念図である。 図1に示した冷媒回路で温水を加熱して冷却水槽を冷却している概念図である。 従来のカップ式自動販売機を示す図である。
符号の説明
1 冷却加熱装置
2 カップ式自動販売機
15 冷却水槽
30 製氷機
50 冷媒回路
51 圧縮機
51a 第1圧縮機
51b 第2圧縮機
52 温水用熱交換器
52a 冷媒管路
52b 温水管路
53 ガスクーラ(放熱器)
54 内部熱交換器
55 電子膨張弁(膨張機構)
56 蒸発器
57 蒸発器
58 中間熱交換器
59 電磁弁(開閉弁)
60 電磁弁(開閉弁)
62 電磁弁(開閉弁)
63 電磁弁(開閉弁)
64 電磁弁(開閉弁)
65 電磁弁(開閉弁)
70 温水タンク
71 タンク本体
72 仕切り板
73 湯温センサ
74 ヒータ
75 温水ポンプ
76 温水管路
77 温水管路
78 湯温センサ
79 電磁弁(開閉弁)
80 電磁弁(開閉弁)
L 冷媒循環回路
L1 第1冷媒回路
L2 第2冷媒回路
L3 連通冷媒回路

Claims (3)

  1. 冷媒を圧縮させて高温高圧にさせる圧縮機と、前記圧縮機で圧縮させた高温高圧の冷媒と水とを熱交換させて湯を作る温水用熱交換器と、前記温水用熱交換器から供給される冷媒を放熱させる放熱器と、前記放熱器から供給される冷媒を断熱膨張させる膨張機構と、前記膨張機構から供給される冷媒を蒸発させて前記圧縮機に帰還させる蒸発器とを接続した冷媒循環回路を形成した冷却加熱装置において、
    前記温水用熱交換器を迂回させて前記圧縮機と前記放熱器とを直接接続させる連通冷媒回路を前記冷媒循環回路に配設し、
    前記連通冷媒回路および前記温水用熱交換器に接続する冷媒循環回路のそれぞれに開閉弁を備えたことを特徴とする冷却加熱装置。
  2. 前記温水用熱交換器で湯を作るときは、前記連通冷媒回路に備えている開放弁を閉じ、前記温水用熱交換器に接続する冷媒循環回路に備えている開放弁を開いて前記高温高圧の冷媒を前記温水用熱交換器に供給して水と熱交換させて湯を作り、
    前記温水用熱交換器で湯を作らないときは、前記温水用熱交換器に接続する冷媒循環回路に備えている開放弁を閉じ、前記連通冷媒回路に備えている開放弁を開いて前記高温高圧の冷媒を前記温水用熱交換器を迂回させて前記放熱器に直接通流させることを特徴とする請求項1に記載の冷却加熱装置。
  3. 前記冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却加熱装置。
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