JP2009030794A - 回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニット - Google Patents

回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】ラジアル転がり軸受3aを構成する外輪5aと、この外輪5aをハウジングの保持凹部内に抑え付ける為の抑え板7aとを組み合わせた構造を、容易、且つ、低コストで得る。
【解決手段】上記抑え板7aを上記外輪5aの小径段部9aに対し外嵌した状態で、この小径段部9aに外嵌した係止環11と、上記抑え板7aに設けた嵌合孔12の内周面に形成した係止突部15との係合により、上記小径段部9aからの上記抑え板7aの抜け止めを図る。各部の構造及び形状を加工し易くする事で、上記課題を解決する。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば自動車用変速機(手動変速機及び自動変速機)を構成する回転軸の端部を、この自動車用変速機の構成部品を収納するハウジングの内面に回転自在に支持する為の回転支持装置、及び、この回転支持装置を構成する為の転がり軸受ユニットの改良に関する。
図30に示す様に、自動車用変速機を構成するカウンターシャフト等の回転軸1の端部は、この回転軸1やギヤ等の構成部品を収納するハウジング2の内面に、玉軸受等のラジアル転がり軸受3により、回転自在に支持している。この為に、上記ハウジング2の内面に円形の保持凹部4を設け、この保持凹部4に上記ラジアル転がり軸受3を構成する外輪5を、締り嵌めで内嵌固定している。又、このラジアル転がり軸受3を構成する内輪6に上記回転軸1の端部を、締り嵌め等、径方向のがたつきを抑えた嵌合状態で内嵌している。更に、上記外輪5が上記保持凹部4から抜け出す事を防止する為に、この外輪5を、リテーナプレートと呼ばれる抑え板7により、上記保持凹部4の奥部に向け抑え付けている。
上記ラジアル転がり軸受3と上記抑え板7とは、例えば特許文献1〜3等に記載されて従来から知られている様に、図31〜32に示す様な転がり軸受ユニット8として、上記保持凹部4への組付けを容易に行なえる様にしている。この転がり軸受ユニット8は、ラジアル転がり軸受3を構成する外輪5の軸方向一端部外周面に設けた小径段部9に上記抑え板7を、この外輪5に対する回転を可能に外嵌して成る。この様な転がり軸受ユニット8は上記ハウジング2内に、上記外輪5を上記保持凹部4に締り嵌めで内嵌すると共に、上記抑え板7の片面を上記ハウジング2の片面に突き当てた状態に組み付ける。そして、この抑え板7を上記外輪5に対し回転させる事で、この抑え板7の外径寄り部分に形成した通孔10、10と上記ハウジング2の内面に開口したねじ孔(図示省略)とを整合させる。次いで、これら各通孔10、10を挿通したねじ(ボルトを含む。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)をこれら各ねじ孔に螺合し、更に締め付ける。上記抑え板7の外径寄り部分に、上記各通孔10、10に代えてねじ孔を形成し、上記ハウジング2に形成した通孔を外から挿通したねじを、このねじ孔に螺合し、更に締め付ける構造もある。この様な、抑え板7側にねじ孔を設ける構造によれば、上記ねじの頭部が、この抑え板7から上記ハウジング内に突出するのを防止できて、このハウジング内の空間活用の効率向上を図れる。何れの構造によっても、上記外輪5を上記保持凹部4内に、がたつきなく、且つ、この保持凹部4からの抜け出しを防止した状態で支持固定する。
上述の様な転がり軸受ユニット8では、上記外輪5に対し上記抑え板7を、回転可能に、且つ、非分離に結合している。回転可能とする理由は、上記外輪5を上記保持凹部4に締り嵌め等、径方向のがたつきを防止した嵌合状態で内嵌した後、上記各通孔10、10又は上記各ねじ孔と、上記各ねじ孔又は上記各通孔とを整合させる為である。又、非分離とするのは、上記ラジアル転がり軸受3と上記抑え板7を一体として取り扱える様にして、部品管理、組み立て作業等の容易化を図る為である。この様な目的で、上記外輪5と上記抑え板7とを相対回転可能且つ非分離に結合する為に、特許文献1に記載された構造の場合には、抑え板の内周縁に設けた複数の突起を、小径段部の外周面に設けた周方向凹部に係合させている。又、特許文献2に記載された構造の場合には、小径段部の外周面に係止した板ばねにより、抑え板の側面を抑えている。更に、特許文献3に記載された構造の場合には、抑え板の内周縁を塑性変形させる事で、小径段部の外周面に設けた周方向凹部に係合させている。
特許文献1に記載された構造の場合、上記外輪5と上記抑え板7との結合強度を確保する為には、上記各突起と上記周方向凹部とを係合させる作業が面倒になる。特に、上記抑え板7が上記外輪5を、上記保持凹部4内に抑え付ける力を大きくすべく、この抑え板7の厚さや弾性を大きくすると、上記面倒が著しくなる。上記特許文献2に記載された構造の場合には、この様な不都合を生じない代わりに、形状が複雑で加工が面倒な板ばねを使用する為、コストが嵩む事が避けられない。更に、上記特許文献3に記載された構造の場合には、塑性変形させる為のプレス加工機が必要になる等、やはりコストが嵩む。
独国実用新案第20019278号明細書 独国特許第102005012323号明細書 特表2007−504412号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ラジアル転がり軸受を構成する外輪と、この外輪を保持凹部内に抑え付ける為の抑え板とを組み合わせた構造を、容易、且つ、低コストで得られる、回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニットの構造を実現すべく発明したものである。
本発明の回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニットのうち、請求項1に記載した回転支持装置は、ハウジングに対し回転軸を支持する為のラジアル転がり軸受と、このラジアル転がり軸受を構成する外輪を上記ハウジングに支持固定する為、このハウジングの一部にこのハウジングの片面に開口する状態で設けられた、上記外輪を内嵌する保持凹部と、この外輪の軸方向一端部外周面でこの保持凹部から突出する部分に設けられた小径段部と、この小径段部に回転可能に、且つ、この小径段部からの抜け止めを図られた状態で外嵌された抑え板とを備える。そして、上記外輪を上記保持凹部に内嵌固定すると共に、この抑え板の片面を上記ハウジングの片面に突き当てた状態で、この抑え板の外径寄り部分又はこのハウジングに形成した通孔を挿通したねじをこのハウジングの片面に開口したねじ孔又は上記抑え板の外径寄り部分に設けたねじ孔に螺合する事により、上記ハウジングに対し上記外輪を支持固定している。
又、請求項4に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニットは、ラジアル転がり軸受と、このラジアル転がり軸受を構成する外輪の軸方向一端部外周面に設けられた小径段部と、この小径段部に回転可能に、且つ、この小径段部からの抜け止めを図られた状態で外嵌された、外径寄り部分に通孔又はねじ孔を形成した抑え板とを備える。
特に、本発明の回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニットに於いては、上記抑え板を上記外輪の小径段部に対し外嵌した状態で、この小径段部に外嵌した係止環と、この抑え板に設けた嵌合孔の内周面に形成した係止突部との係合により、上記小径段部からのこの抑え板の抜け止めを図っている。
このうちの係止環は、弾性材を欠円環状に形成して成り、上記小径段部の外周面に周方向に形成された係止凹溝内に収まる小径部と、上記小径段部の外周面よりも径方向外方に突出する迄この小径部の一部から径方向外方に曲がった状態で設けられた大径係止部とを備える。
又、上記係止突部は、上記抑え板に設けた、上記小径段部に回転可能に外嵌する嵌合孔の内周面の少なくとも円周方向一部で、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する部分に、この奥側以外の部分よりも径方向内方に突出する状態で設けている。
そして、上記係止環の小径部を上記係止凹溝内に収納した状態で、上記係止突部を上記大径係止部を乗り越えさせつつ、上記嵌合孔を上記小径段部に外嵌して、これら係止突部と大径係止部との係合により、この小径段部からの上記抑え板の抜け止めを図っている。
上述の様な本発明の回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニットのうち、回転支持装置を実施する場合に、保持凹部への外輪の嵌合状態は、外輪と抑え板との係合状態に応じて定める。例えば、請求項2に記載した発明の様に、この外輪に対してこの抑え板を、両回転方向の位置調節を可能に外嵌する場合には、上記保持凹部に上記外輪を、十分な(温度上昇時にもクリープを生じない程度に大きな)締り嵌めで内嵌固定する。これに対して、請求項3に記載した発明の様に、上記保持凹部に対する外輪の嵌合強度が必ずしも十分でない(隙間嵌乃至は温度上昇時にクリープを生じる可能性がある程度の締り嵌めである)場合には、上記抑え板に対してこの外輪を、回転方向の変位を制限した(何れか一方の方向への回転のみを許容する)状態で装着する。
又、上述の様な本発明の回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニットを実施する場合に、例えば請求項5に記載した発明の様に、上記係止突部を、抑え板に設けた、小径段部に回転可能に外嵌する嵌合孔の内周面の円周方向一部から径方向外方に凹んだ状態で設けられた凹入部の一部内周面で、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する部分に、上記凹入部の内周面よりも径方向内方に突出する状態で設ける。
そして、係止環の小径部を係止凹溝内に収納すると共に、この係止環の大径係止部と上記嵌合孔の凹入部の位相とを合致させた状態で、上記係止突部を上記大径係止部を乗り越えさせつつ、上記嵌合孔を上記小径段部に外嵌して、この小径段部からの上記抑え板の抜け止めを図る。
上述の様な請求項5に記載した発明の回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニットを実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した発明の様に、上記外輪側の小径段部に隙間嵌で外嵌自在な内径を有する円形の嵌合孔の内周面に複数の凹入部を、円周方向に関して間隔をあけて(より好ましくは等間隔に)設ける。そして、これら各凹入部の軸方向端部に係止突部を設ける。これら各係止突部の内周面はそれぞれ、内径がこれら各凹入部の軸方向中央部に向かう程小さくなる方向に傾斜した傾斜面とする。
或いは、請求項7に記載した発明の様に、上記抑え板を、円周方向3個所位置以上に通孔又はねじ孔を設けたものとする。又、これら各通孔又は各ねじ孔を形成した部分の外径を、間部分の外径よりも大きくする。又、上記嵌合孔の内周面に上記各凹入部を、上記各通孔又は各ねじ孔と同じ数だけ(又はこれら各通孔又は各ねじ孔の整数倍の様に、これら各通孔又は各ねじ孔に同時に整合させられる位置に)設ける。そして、これら各凹入部が設けられた円周方向位置を、上記各間部分のうちで上記嵌合孔の内周面と上記抑え板の外周縁との距離が最も短くなった位置と、上記各通孔又は各ねじ孔を形成した位置との間部分(好ましくは中央位置)とする。尚、ハウジングに対する上記抑え板の支持を安定させる為には、上記各通孔又は各ねじ孔を円周方向3個所位置以上に設置する事が好ましいが、これら各通孔又ねじ孔は、最低限2個所位置に設置すれば良い。
又、前述の様な本発明の回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニットを実施する場合に、例えば請求項8に記載した発明の様に、上記係止突部を、上記抑え板に設けた、前記小径段部に回転可能に外嵌する嵌合孔の内周面の軸方向一部で、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する部分に、上記嵌合孔の内周面よりも径方向内方に突出する状態で、全周に亙って設ける。
そして、係止環の小径部を係止凹溝内に収納した状態で、上記係止突部を上記大径係止部を乗り越えさせつつ、上記嵌合孔を上記小径段部に外嵌して、この小径段部からの上記抑え板の抜け止めを図る
又、この様な請求項8に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項9に記載した発明の様に、上記嵌合孔の内周面のうち、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する部分に係止突部を、同じく反対側に位置する部分に内周面が円筒面である支持突部を、それぞれ全周に亙って設ける。そして、これら係止突部と支持突部とにより軸方向両側から挟まれた部分を、係止環の大径係止部を係止する為の外径側係止凹溝とする。更に、凹円筒面である上記支持突部の内周面と、凸円筒面である上記小径段部の外周面の先端寄り部分とを対向させる。
又、上述の様な請求項8〜9に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項10に記載した発明の様に、上記係止突部の内周面を、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する片半部に設けられ、この奥側に向かうに従って内径が大きくなる方向に傾斜した円すい凹面状の傾斜面と、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の軸方向中央側に位置する他半部に設けられ、軸方向に関して外径が変化しない凹円筒面とから構成する。そして、この凹円筒面と、上記係止凹溝よりも奥側に存在する、凸円筒面である上記小径段部の奥端部外周面とを対向させる。
又、前述の請求項6に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項11に記載した発明の様に、前記各凹入部を、嵌合孔の内周面と同心の部分円筒面をそれぞれの底面とした大径部とする。尚、この底面の曲率中心に関しては、上記嵌合孔の曲率中心と一致する事が好ましいが、必ずしも上記嵌合孔の内周面の曲率中心と一致しなくても良い(内周面と底面とが同心でなくても良い)。
或いは請求項12に記載した発明の様に、前記各凹入部を、それぞれの円周方向中間部で嵌合孔の径方向に対し直交する方向に存在する平坦面をそれぞれの底面とする。そして、それぞれの底面と係止凹溝の底面との間隔を、それぞれの周方向中央部に比べて周方向両端部で広くする。
又、請求項6、7に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項13に記載した発明の様に、上記各凹入部の深さを、それぞれ円周方向の一端側で浅く、他端側で深くする事もできる。
或いは、請求項6、7、11、12に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項14に記載した発明の様に、前記各大径係止部の突出量を、それぞれ円周方向の一端側で大きく、他端側で小さくする事もできる。
更に、請求項6〜14に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項15に記載した発明の様に、嵌合孔の凹入部及び係止環の大径係止部を、それぞれ3個所以上ずつ、同数且つ同ピッチで設ける。そして、これら各大径係止部のうち、上記係止環の不連続部から遠い円周方向中間部の大径係止部の径方向外方への突出量を、この不連続部に近い残りの大径係止部の同方向への突出量よりも小さくする。
又、前述の様な本発明の回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニットを実施する場合に好ましくは、請求項16に記載した様に、上記係止環の表面のうち、上記小径段部の奥側に位置する軸方向奥端面を、上記係止環の中心軸に対し直交する方向の平面とする。又、外周面のうちで少なくとも上記小径段部の先端寄り部分を、先端縁に向かうに従って外径が漸次小さくなる方向に傾斜した傾斜面とする。
この様な請求項16に記載した発明を実施する場合、例えば請求項17に記載した様に、上記係止環の断面形状を砲弾形とする。
或いは、請求項18に記載した様に、上記係止環の断面形状を、この係止環の外周面となるべき部分の形状が凸円弧である略三角形とする。
上述の様に構成する、本発明の回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニットによれば、ラジアル転がり軸受を構成する外輪と、この外輪を保持凹部内に抑え付ける為の抑え板とを組み合わせた構造を、容易、且つ、低コストで得られる。
即ち、上記外輪と上記抑え板とを結合する為の係止環は、弾性を有する金属製の線材を曲げ形成する事により、或いは合成樹脂を射出成形する事により、容易に得られる。又、上記係止環を係止する為に上記外輪の小径段部の外周面に形成する係止凹溝の加工も、単純な旋削加工により、容易に行なえる。更に、上記抑え板の嵌合孔の内周面に凹入部及び係止突部を形成する事も、プレス加工により容易に行なえる。この為、上述の様に、上記構造を、容易、且つ、低コストで得られる。
[実施の形態の第1例]
図1〜12は、請求項1、2、4〜7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の転がり軸受ユニット8aは、図1〜4に示す様に、ラジアル転がり軸受3aを構成する外輪5aに対し抑え板7aを、係止環11を介して、回転可能に、且つ、非分離に結合して成る。この様な転がり軸受ユニット8aは、前述の図30に示した如く、自動車用変速機を構成するハウジング2の内面側に、回転軸1の端部を回転自在に支持する為に使用する。尚、これらハウジング2と回転軸1との間への上記転がり軸受ユニット8aの組み付け状況は、上記図30に示した従来構造と同様であり、上記ラジアル転がり軸受3aの基本的構造及び作用に関しては、広く知られている単列深溝型の玉軸受と同様であるから、説明を省略若しくは簡略にし、以下、上記外輪5aと上記抑え板7aとの結合部の構造を中心に説明する。
この外輪5aの軸方向一端部外周面で、この外輪5aを上記ハウジング2の保持凹部4(図30参照)に内嵌した状態でこの保持凹部4から突出する部分に、小径段部9aを設けている。そして、この小径段部9aに上記抑え板7aを、回転可能に、且つ、この小径段部9aからの抜け止めを図った状態で外嵌支持している。上記抑え板7aは、鋼板等の金属板に、打ち抜き、肉寄せ、バーリング等のプレス加工を施す事により造られたもので、中心部に上記小径段部9aに外嵌する為の嵌合孔12を、外径寄り部分の円周方向等間隔3個所位置に通孔又はねじ孔10a、10aを、それぞれ形成している。図示の例では、これら各通孔又は各ねじ孔10a、10aを囲む位置に円筒部14、14を形成している。これら各円筒部14、14は、上記抑え板7aを上記ハウジング2の内面に突き当てた状態で、このハウジング2の内面に開口したねじ孔又は通孔の開口部に設けられた、このねじ孔又は通孔よりも大径の位置決め孔に嵌合し、上記抑え板7aの回転方向に関する位置決めを図る機能を有する。又、10a、10aがねじ孔である場合には、このねじ孔10a、10aの軸方向寸法を確保し、螺合部の強度及び剛性を確保する役目も果たす。但し、10a、10aが通孔である場合には、上記各円筒部14、14は、省略しても良い。
本例の場合には、上述の様な抑え板7aを上記外輪5aの小径段部9aに対し外嵌した状態で、この小径段部9aに外嵌した前記係止環11と、上記抑え板7aの中心に設けた前記嵌合孔12の内周面の複数個所(図示の例では円周方向等間隔3個所)に形成した、後述する係止突部15、15との係合により、上記小径段部9aからの上記抑え板7aの抜け止めを図っている。
上記係止環11は、弾性を有する金属製の線材を曲げ形成する事により、或いは、高機能樹脂等の弾性を有する合成樹脂を射出成形する事により、図5〜6に示す様に、全体を欠円環状に形成して成り、直径を弾性的に拡縮自在である。この様な係止環11は、基準となる小径部16と、この小径部16の円周方向複数個所(図示の例では、円周方向に関してほぼ等間隔な3個所)位置から径方向外方に曲がった状態で設けられた大径係止部17、17とを備える。これら各大径係止部17、17は、上記小径部16よりも大きな曲率(小さな曲率半径)を有する部分円弧形で、この小径部16の外周縁よりも径方向外方に突出する状態で設けられている。
上述の様な係止環11を係止する為、図1、3、4、10〜12から明らかな様に、上記小径段部9aの外周面の軸方向中間部に係止凹溝18を、全周に亙って形成している。この係止凹溝18は、上記係止環11の小径部16を収納した状態で、この小径部16が上記小径段部9aの外周面よりも突出しない様にできる大きさ(容積)を有する。即ち、上記係止凹溝18の深さd18及び幅w18は、上記係止環11の断面の高さh11及び幅w11(図4参照)と同等若しくは少しだけ大きく(d18≧h11、w18≧w11)している。但し、上記各大径係止部17、17の自由状態での高さh17(図11参照)に関しては、上記係止凹溝18の深さd18よりも大きく(h17>d18)している。
一方、前記抑え板7aの中心部に設けた嵌合孔12は、図7〜8に示す様に、次述する複数の大径部19、19を除き円形で、前記外輪5a側の小径段部9aに隙間嵌で外嵌自在な内径を有する。この様な嵌合孔12の内周面の円周方向等間隔複数個所(図示の例では3個所)に、それぞれが特許請求の範囲に記載した凹入部である大径部19、19を、この嵌合孔12の内周縁から径方向外方に凹む状態で形成している。そして、これら各大径部19、19の軸方向端部に、それそれ図4、9に示す様な係止突部15、15を設けている。これら各係止突部15、15を設ける軸方向位置は、上記抑え板7aを上記小径段部9aに外嵌した状態で、この小径段部9aの奥端に存在する段差面20側に位置する部分としている。又、上記各係止突部15、15の内周面はそれぞれ、内径が上記各大径部19、19の軸方向中央部に向かう程(上記段差面20から離れる程)小さくなる方向に傾斜した、部分円すい凹面状の傾斜面としている。又、上記各係止突部15、15の先端縁は、上記嵌合孔12の本体部分の内周縁と同一円弧上か、この内周縁よりも少しだけ径方向外方に位置する。
又、本例の場合には、上記抑え板7aを、図2、7から明らかな通り、円板の円周方向3個所位置を除去した如き、略三角形(不等辺六角形)とし、円周方向3個所位置で最も外径が大きくなった部分に、それぞれ前記各通孔又は各ねじ孔10a、10aを設けている。従って、これら各通孔又は各ねじ孔10a、10aを形成した部分の外径が、間部分21、21の外径よりも大幅に大きくなっている。この様な構造で、上記嵌合孔12の内周面の3個所位置に設けるべき、上記各大径部19、19の設置位置を、上記各間部分21、21のうちで上記嵌合孔12の内周面と上記抑え板7aの外周縁との距離が最も短くなった位置と、上記各通孔又は各ねじ孔10a、10aを形成した位置との間部分(円周方向に関して中央部)としている。この理由は、ボルトの締め付けに伴って大きな応力が加わる上記各通孔又は各ねじ孔10a、10aの近傍部分と、幅寸法が狭く大きな応力が加わり易い部分とを避けて、上記各大径部19、19を設置する為である。但し、上記ボルトの締め付けに伴って発生する応力が限られたものである場合には、上記各大径部19、19の設置位置を上記部分に限定する必要はない。例えば、円周方向に関する位相が上記各通孔又は各ねじ孔10a、10aと一致する部分に、上記各大径部19、19を設置しても良い。
上述の様な抑え板7aを、前記係止環11を介して前記外輪5aに結合するには、先ず、この係止環11を、この外輪5aの小径段部9aの外周面に形成した係止凹溝18に装着する。この装着作業は、上記係止環11の内径を弾性的に広げつつ、この係止環11の小径部16を上記係止凹溝18に内嵌する事で行なう。内嵌した状態でこの係止環11は、自身の弾性によりこの係止凹溝18部分に、脱落しない様に係止される。又、この状態で、上記係止環11の複数個所に設けた大径係止部17が、図10に示す様に、上記小径段部9aの外周面から径方向外方に突出する。
上記係止凹溝18に上記係止環11を装着したならば、次いで、上記小径段部9aに上記抑え板7aを外嵌する。この外嵌作業は、上記各係止突部15、15と上記各大径部19、19とを対向させた(円周方向の位相を互いに一致させた)状態から、図11に白抜矢印で示す様に、上記小径段部9aに上記抑え板7aを外嵌する。この際、この抑え板7aの嵌合孔12の内周面に設けられた前記各係止突部15、15の内周面と上記各大径係止部17、17との係合に基づき、これら各大径係止部17、17が押し潰され、上記各係止突部15、15の通過を許容する。そして、通過後には、これら各大径係止部17、17が弾性的に復元して、図3〜4及び図12の(A)に示す様に、上記各係止突部15、15と上記各大径係止部17、17とが軸方向に対向する。この状態で、上記係止環11が上記外輪5aから外れる事は、上記係止凹溝18と上記小径部16との係合により防止される。この為、上記抑え板7aが上記外輪5aから分離する事も防止される。更にこの状態では、前記嵌合孔12のうちで上記各大径部19、19から外れた部分と、上記小径段部9aとが、図12の(B)に示す様に、ほぼ隙間なく嵌合する。この為、上記抑え板7aと上記外輪5aとが、ほぼ同心に組み合わされる。
構成各部材を前述の様に構成し、上述の様に互いに組み合わせた、本例の回転支持装置用の転がり軸受ユニット8aは、前述した従来構造の場合と同様、図30に示す様に、回転軸1とハウジング2の内面との間に組み付ける。この組付けの手順等に就いては、前述した従来構造と同様である。尚、前記各円筒部14、14の先端縁がハウジング2の内面に突き当たる以前に、前記各通孔又は各ねじ孔10a、10aとねじ孔又は通孔とを整合させる。上記抑え板7aを上記ハウジング2の内面に当接させるのは、ねじの締め付けにより、或いは整合後更に外輪5aを保持凹部4内に押し込む事により行なう。特に、本例の転がり軸受ユニット8aの場合には、前記ラジアル転がり軸受3aを構成する外輪5aと、この外輪5aを保持凹部4内に抑え付ける為の抑え板7aとを組み合わせた構造を、容易、且つ、低コストで得られる。
即ち、上記外輪5aと上記抑え板7aとを結合する為の係止環11は、ステンレスのばね鋼、炭素鋼、燐青銅等の弾性を有する金属製の線材を曲げ形成する事により、或いは高機能樹脂等の、弾性、耐油性、及び耐熱性を有する合成樹脂を射出成形する事により、容易に得られる。又、上記係止環11を係止する為に上記外輪5aの小径段部9aの外周面に形成する係止凹溝18の加工も、単純な旋削加工により、容易に行なえる。更に、上記抑え板7aの嵌合孔12の内周面に、大径部19及び係止突部15、15を形成する事も、打ち抜き、肉寄せ等のプレス加工により容易に行なえる。この為、上述の様に、上記構造を、容易、且つ、低コストで得られる。又、上記外輪5aと上記抑え板7aとは、何れもかしめ等の塑性加工(塑性変形を利用した固定)をする必要がない為、一部を軟らかくしておく必要がなく、焼き入れ硬化等により、必要とする硬度を確保できる。
[実施の形態の第2例]
図13は、請求項1、2、4、8に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、抑え板7bの中央部に形成する嵌合孔12aの内径を、次述する係止突部15aを形成した部分を除き、上記抑え板7bを外嵌支持すべき、外輪5aの端部外周面に形成した小径段部9aの外径よりも十分に(係止環11の大径係止部17の外接円の直径以上に)大きくしている。そして、上記嵌合孔12aの内周面の軸方向一部で、上記小径段部9aに外嵌した状態でこの小径段部9aの奥側に位置する部分に係止突部15aを、上記嵌合孔12aの内周面よりも径方向内方に突出する状態で、全周に亙って設けている。上記係止突部15aの基本的形状は、上述した実施の形態の第1例の係止突部15(図3、4、9、11、12参照)と同じである。
上記抑え板7bの嵌合孔12aと上記係止突部15aとの形状を上述の様にした、本例の構造を組み立てる場合には、先ず、係止環11の小径部16を、図13の(B)に示す様に、上記小径段部9aの外周面の軸方向中間部に形成した係止凹溝18内に収納する。次いで、上記実施の形態の第1例を示した前記図11に示した様に、上記係止突部15aを上記大径係止部17を乗り越えさせつつ、上記嵌合孔12aを上記小径段部9aに外嵌する。この結果、図13の(A)に示す様に、上記係止突部15aと上記大径係止部17とが係合して、上記小径段部9aからの上記抑え板7bの抜け止めが図られる。
この様な本例の構造の場合、上記抑え板7bと上記外輪5aとを結合した状態で、上記係止突部15aの先端縁と上記小径段部9aの外周面とが、当接若しくは近接対向する。これら先端縁と外周面との当接面積は狭くなるが、上記抑え板7bと上記外輪5aとの間に加わるラジアル荷重は、これら抑え板7b、又は、外輪5aを含む転がり軸受ユニットの重量程度の僅少値である為、実用上特に問題とはなりにくい。その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図14は、請求項1、2、4、8、10に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、抑え板7cの中央部に形成する嵌合孔12bの内周面に形成した係止突部15bの内周面を、傾斜面22と凹円筒面23とから構成している。このうちの傾斜面22は、上記抑え板7cを外嵌支持すべき、外輪5aの端部外周面に形成した小径段部9aに上記嵌合孔12bを外嵌した状態で、この小径段部9aの奥側に位置する片半部に設けられており、この奥側に向かうに従って内径が大きくなる方向に傾斜した円すい凹面状である。又、上記凹円筒面23は、上記小径段部9aに外嵌した状態でこの小径段部9aの軸方向中央側に位置する他半部に設けられており、軸方向に関して内径が変化しない。
上記抑え板7cの嵌合孔12bの内周面に形成した上記係止突部15bの形状を上述の様にした、本例の構造を組み立てる場合には、上述した実施の形態の第2例の場合と同様、図14の(A)→(B)→(C)に示す様に、上記嵌合孔12bを上記小径段部9aに外嵌する。この際、上記係止突部15bにより、係止環11の大径係止部17を弾性的に押し潰して、上記係止突部15bを上記小径段部9aの奥にまで押し込む。押し込みが完了した状態では、図14の(C)に示す様に、上記係止突部15bと上記大径係止部17とが係合して、上記小径段部9aからの上記抑え板7cの抜け止めが図られる。又、この状態では、上記凹円筒面23と、上記小径段部9aの軸方向中間部に形成した係止凹溝18よりも奥側に存在する、凸円筒面である、この小径段部9aの奥端部外周面とが対向する。
本例の構造の場合には、組立完了後の状態で、上記凹円筒面23と上記小径段部9aの奥端部外周面とが、当接若しくは近接対向する。これら凹円筒面23と小径段部9aの奥端部外周面との当接面積は或る程度広くなるので、回転支持装置用転がり軸受ユニットの搬送時等に、上記抑え板7cを他の物品にぶつける等により、この抑え板7cと上記外輪5aとの間に大きなラジアル荷重が加わったとしても、上記凹円筒面23と小径段部9aの奥端部外周面との当接部に、傷等の損傷を生じにくい。又、図14の(B)に示した、上記係止突部15bが上記大径係止部17を乗り越える際に、この係止突部15bの内周縁により、この大径係止部17の外周面に擦り傷等の損傷を生じにくくできる。その他の部分の構造及び作用は、前述の図13に示した実施の形態の第2例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図15は、1、2、4、8、9に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、抑え板7dの中央部に形成する嵌合孔12cの内周面の軸方向両端部に、係止突部15aと支持突部24とを、軸方向に離隔した状態で形成している。言い換えれば、上記嵌合孔12cの軸方向中間部に全周に亙って外径側係止凹溝25を形成し、この外径側係止凹溝25の片側を上記係止突部15aとし、他側を上記支持突部24としている。これら両突部15a、24のうちの係止突部15aは、上記抑え板7dを外嵌支持すべき、外輪5aの端部外周面に形成した小径段部9aに、上記嵌合孔12cを外嵌した状態で、この小径段部9aの奥側に位置する部分に設けている。これに対して上記支持突部24は、上記外径側係止凹溝25を挟んで、上記係止突部15aと反対側に設けている。これら両突部15a、24のうち、係止突部15aの内周面は、上記外径側係止凹溝25から離れるに従って内径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面22aとしている。これに対して上記支持突部24の内周面は、軸方向に関して内径が変化しない、凹円筒面26としている。
上述の様な支持突部24を備えた本例の場合、上記嵌合孔12cを、転がり軸受ユニットを構成する外輪5aの端部外周面に形成した小径段部9aに外嵌した状態では、係止環11の大径係止部17と上記係止突部15aとの係合により、上記抑え板7dが上記小径段部9aから抜け出る事を防止する。又、上記支持突部24の内周面が、上記小径段部9aの外周面の先端寄り部分と対向する。この支持突部24の内周面は凹円筒面であり、この小径段部9aの外周面の先端寄り部分は凸円筒面であって、これら両円筒面の曲率半径は僅かしか違わないので、上記両周面同士は、広い面積で当接する。この為、回転支持装置用転がり軸受ユニットの搬送時等に、上記抑え板7dを他の物品にぶつける等により、この抑え板7dと上記外輪5aとの間に大きなラジアル荷重が加わったとしても、これら抑え板7dと外輪5aとの結合部に損傷を生じにくい。その他の部分の構造及び作用は、前述の図13に示した実施の形態の第2例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図16は、図1、2、4、8〜10に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例は、上述した実施の形態の第4例と、前述した実施の形態の第3例とを組み合わせた如き構造を有する。即ち、本例の場合には、抑え板7eの中央部に形成する嵌合孔12dの内周面に形成した係止突部15bの内周面を、傾斜面22と凹円筒面23とから構成している。又、外径側係止凹溝25を挟んで、上記係止突部15bと反対側部分に、上記凹円筒面23と同心且つ同径の凹円筒面26を形成している。この為本例の構造の場合には、図16の(C)に示した組立完了後の状態で、上記両凹円筒面23、26と転がり軸受ユニットを構成する外輪5aの端部外周面に形成した小径段部9aの両端部外周面とが、当接若しくは近接対向する。これら両凹円筒面23、26と小径段部9aの奥端部外周面との当接面積は十分に広くなるので、上記抑え板7eと外輪5aとの結合部の損傷防止効果をより充実させられる。その他の部分の構造及び作用は、前述の図13に示した実施の形態の第2例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図17〜18は、請求項16、17に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、係止環11bの断面形状を工夫する事により、抑え板7a側の嵌合孔12の内周面に形成した係止突部15と上記係止環11bの大径係止部17とを係合させ易く、且つ、係合後には係合状態を外れにくくしている。具体的には、上記係止環11bの表面のうち、組立状態で、上記抑え板7aを外嵌支持すべき、外輪5aの端部外周面に形成した小径段部9aの奥側に位置する軸方向奥端面を、上記係止環11bの中心軸に対し直交する方向の平面27としている。又、この係止環11bの外周面のうちで上記小径段部9aの先端寄り部分を、先端縁に向かうに従って外径が漸次小さくなる方向に傾斜した傾斜面28としている。この為に本例の場合には、上記係止環11bの断面形状を砲弾形としている。
上記係止環11bの断面形状を上述の様にした、本例の構造の場合には、図18の(A)→(B)→(C)に示す、上記外輪5aと上記抑え板7aとの結合作業時に、上記係止突部15の内周面と上記大径係止部17の外周面とを係合させ易くして、これら係止突部15と大径係止部17とを係合させ易くできる。これに対して、これら係止突部15と大径係止部17とを係合させた状態では、この係止突部15と上記平面27とを広い面積で、しかも、当接部に作用する力の方向を軸方向にのみ向ける事ができて、上記係止突部15と上記大径係止部17との係合が外れる事を確実に防止できる。上記係止環11bの断面形状を変えた点以外は、前述の図1〜12に示した、本発明の実施の形態の第1例の構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
尚、本例の構造に組み込む様な、断面形状が砲弾形である係止環11bを、上記第1例の構造に限らず、前述の図13〜16に示した、本発明の実施の形態の第2〜5例の構造に組み付ける事もできる。
[実施の形態の第7例]
図19〜20は、請求項16、18に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合も、上述した実施の形態の第6例と同様に、係止環11cの断面形状を工夫する事により、抑え板7a側の嵌合孔12の内周面に形成した係止突部15と上記係止環11cの大径係止部17とを係合させ易く、且つ、係合後には係合状態を外れにくくしている。この為に本例の場合には、上記係止環11cの断面形状を、この係止環11cの外周面となるべき部分の形状が凸円弧である略三角形としている。この様な本例の場合、外輪5aと上記抑え板7aとの結合作業時に、上記係止突部15の内周面と上記大径係止部17の外周面とをより係合させ易くして、これら係止突部15と大径係止部17とをより係合させ易くできる。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第6例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第8例]
図21は、請求項1、2、4、6、12に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合には、抑え板7fの嵌合孔12eの内周縁複数個所(例えば円周方向に関して等間隔の3個所)に形成した各凹入部29の形状を角形としている。具体的には、これら各凹入部29の底面30を平坦面としている。又、この底面30を、これら各凹入部29の円周方向中間部で上記嵌合孔12eの径方向に対し直交する方向(当該中間部の接線と平行な方向)に存在させている。従って本例の場合には、上記各凹入部29の底面30と、係止環11を係止する係止凹溝18の底面(例えば図3〜4参照)との間隔が、それぞれの周方向中央部に比べて周方向両端部で広くなっている。
本例の場合には、上述の様な形状を有する凹入部29を設ける事で、外輪5aに対し上記抑え板7fを回動させる為に要する力を低く抑えられる。即ち、この外輪5aをハウジング2の保持凹部4(図30参照)に締り嵌めで内嵌した状態で、上記抑え板7fに形成した通孔又はねじ孔10a、10a(例えば図1〜2参照)と、上記ハウジング2に形成したねじ孔又は通孔との位相が多少ずれる可能性がある。このずれを解消する為には、上記外輪5aに対し上記抑え板7fを回動させる必要があるが、この回動に要する力を低く抑える為には、上記係止環11に形成した大径係止部17の頂部と上記凹入部29の底面30との摩擦を低く抑える事が好ましい。本例の場合には、図21の(A)に示す中立状態では、上記大径係止部17の頂部と上記凹入部29の底面30とが当接していても、上記外輪5aに対し上記抑え板7fを何れかの方向に回動させると、同図の(B)(C)に示す様に、上記大径係止部17の頂部と上記凹入部29の底面30とが離隔する。この為、上記外輪5aに対し上記抑え板7fを回動させる為に要する力を低く抑えられる。これに対して、図22に示す様に、凹入部29aが外輪5aと同心である場合、この凹入部29aの円周方向長さを確保する事で、上記通孔又はねじ孔10a、10aと上記ねじ孔又は通孔との位相合わせは可能になるが、大径係止部17の頂部と上記凹入部29aの底面30とが当接したままとなる結果、外輪5aに対し抑え板7fを回動させる為に要する力が大きくなる。
[実施の形態の第9例]
図23〜24は、請求項15に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例の場合、抑え板7aの嵌合孔12の内周縁部に形成した、大径部19、19等の凹入部(例えば図1〜4参照)、及び、係止環11dの大径係止部17a、17bを、それぞれ3個所ずつ設けている。特に、本例の場合には、これら各大径係止部17a、17bのうち、上記係止環11dの不連続部31から遠い円周方向中間部の大径係止部17aの径方向外方への突出量を、この不連続部31に近い残り2個所の大径係止部17b、17bの同方向への突出量よりも小さくしている。尚、この突出量とは、図24にHで示す様に、上記係止環11dの内接円から上記各大径係止部17a、17bの頂部までの、径方向距離を言う。
本例の場合、上記各大径係止部17a、17bの突出量を上述の様に規制している為、これら各大径係止部17a、17bを上記各大径部19、19部分に形成した係止突部15、15(例えば図1〜4、7〜9参照)に係止する為に要する力の低減を図れる。即ち、本例の場合には、上記不連続部31に近い大径係止部17b、17bの突出量を比較的大きくしているので、上記各大径係止部17a、17bを上記各係止突部15、15に係止する係止作業時に、これら両大径係止部17b、17bが、上記不連続部31から遠い大径係止部17aに先立って、上記各大径部19、19と係合する。上記両大径係止部17b、17bは上記不連続部31に近く、上記係止環11dの基部(大径係止部17a、17b以外の小径部分)が円周方向に変位し易い分、弾性変形し易い。又、上記不連続部31から遠い大径係止部17aは、基部が円周方向に変位しにくい分、弾性変形しにくいが、突出量が少ない分、上記係止作業時に必要となる弾性変形量が少なくて済む。この為、上記各大径係止部17a、17bを上記各係止突部15、15に係止する為に要する力の低減を図れる。
この様な本例の構造に対して、全部の大径係止部の突出量を同じにすると、これら各大径係止部を各係止突部に係止する係止作業時に、これら各大径係止部を、同時に、突出量を少なくする方向に弾性変形させる必要が生じる。この状態では、係止環の基部で隣り合う大径係止部同士の間に存在する部分の両端部に、互いに押し付け合う方向に力が作用する為、これら各大径係止部を弾性変形させる為に要する力、延ては、これら各大径係止部を各係止突部に係止する係止作業に必要となる力が大きくなる。又、本例の構造とは逆に、不連続部から遠い円周方向中間部の大径係止部の径方向外方への突出量を、この不連続部に近い残り2個所の大径係止部の同方向への突出量よりも大きくした場合も、係止作業に要する力が大きくなる。この場合には、上記円周方向中間部の大径係止部が先に押し潰されて、係止環の基部が円周方向両側に向け押される。この為、この係止環の基部と係止溝との擦れ合い摩擦が大きくなり、上記円周方向中間部の大径係止部を弾性変形させる為に要する力、延ては、これら各大径係止部を各係止突部に係止する係止作業に必要となる力が大きくなる。本例の構造によれば、この様な原因で係止作業に要する力が大きくなる事はない。
[実施の形態の第10例]
図25〜26は、請求項1、3〜7、13に対応する、本発明の実施の形態の第10例を示している。上述した各例の場合には、外輪5aをハウジング2の保持凹部4(図30参照)に、十分に大きな(温度上昇時にもクリープを生じない程度に大きな)締り嵌めで内嵌する事により、運転時にこの外輪5aが回転(クリープ)するのを防止する事を前提としていた。従って、この外輪5aと抑え板7a〜7fとの相対回転を確実に防止する為の構造は設けていなかった。これに対して本例の場合には、外輪5aをハウジング2の保持凹部4に、嵌合強度が必ずしも十分でない(隙間嵌乃至は温度上昇時にクリープを生じる可能性がある程度の)締り嵌めで内嵌する代わりに、運転時にこの外輪5aが回転するのを防止する為、この外輪5aと抑え板7gとの間に、これら外輪5aと抑え板7gとが特定の方向に相対回転するのを防止する為の構造を設けている。
この為に本例の場合には、上記抑え板7gに形成した嵌合孔12fの内周縁の複数個所に形成した各凹入部29bの径方向の深さを、それぞれ円周方向の一端側(図25〜26の右側)で浅く、他端側(同左側)で深くしている。回転支持装置の組立状態では、上記外輪5aに、図25〜26で時計方向の力が加わる様に、組み付け方向を規制する。尚、図25には、上記各凹入部29bの軸方向端部に形成した係止突部15b(図26参照)を省略した状態を示している。
この様な本例の場合、上記外輪5aと上記抑え板7gとを組み合わせたままの、図25の(A)に示した中立状態から、この抑え板7gを時計方向に回転させると、係止環11に形成した大径係止部17が、同図の(B)に示す様に、上記各凹入部29bの深い側と係合する。そして、上記抑え板7gと共に、上記係止環11を装着した上記外輪5aが回転する。これに対して、上記中立状態からこの外輪5aを時計方向に回転させると、係止環11に形成した大径係止部17が、同図の(C)に示す様に、上記各凹入部29bの浅い側に食い込み、この凹入部29bの底面と上記外輪5aの外周面に設けた係止凹溝の底面との間に、くさび状に食い込む。そして、この外輪5aが上記抑え板7gに対して回転する事を阻止する。
本例の構造は、上述の様に構成し作用する為、上記外輪5aを前記保持凹部4に隙間嵌乃至は嵌合強度が必ずしも十分でない(弱い)締り嵌めで内嵌しても、運転時にこの外輪5aが回転する事を防止できる。この様に本例の構造は、上記外輪5aを上記保持凹部4に隙間嵌乃至弱い締り嵌めで内嵌しても、この外輪5aのクリープを防止できる。但し、上記外輪5aをこの保持凹部4に、十分に大きな(強い)締り嵌めで内嵌しても良い。強い締り嵌めで内嵌した場合でも、上記抑え板7gを上記外輪5aに対し、図25で時計方向に回転させられるので、この抑え板7gに設けた通孔とハウジングに設けたねじ孔とを整合させられる。本例の構造を上記強い締り嵌めと併用すれば、上記外輪5aのクリープをより確実に防止できる。
[実施の形態の第11例]
図27〜29は、請求項1、3〜7、11、14に対応する、本発明の実施の形態の第11例を示している。本例の場合も、上述した第10例の場合と同様に、外輪5aをハウジング2の保持凹部4に隙間嵌乃至は弱い締り嵌めで内嵌する代わりに、運転時にこの外輪5aが回転するのを防止する為、この外輪5aと抑え板7hとの間に、これら外輪5aと抑え板7hとが特定の方向に相対回転するのを防止する為の構造を設けている。
即ち、本例の場合には、係止環11eの円周方向複数個所に形成した各大径係止部17cの突出量を、それぞれ円周方向の一端側で大きく、他端側で小さくしている。回転支持装置の組立状態では、上記外輪5aに、図29で時計方向の力が加わる様に、組み付け方向を規制する。尚、図29には、凹入部である各大径部19の軸方向端部に形成した係止突部15(例えば図1〜4参照)を省略した状態を示している。
この様な本例の場合、上記外輪5aと上記抑え板7hとを組み合わせたままの、図29の(A)に示した中立状態から、この抑え板7hを時計方向に回転させると、上記係止環11eに形成した上記各大径係止部17cが、同図の(B)に示す様に、上記各大径係止部17cのうちで突出量が多い側と係合する。そして、上記抑え板7hと共に、上記係止環11eを装着した上記外輪5aが回転する。これに対して、上記中立状態からこの外輪5aを時計方向に回転させると、係止環11eに形成した大径係止部17cが、同図の(C)に示す様に、上記各大径部19の円周方向端部と、上記外輪5aの外周面に設けた係止凹溝の底面との間に、くさび状に食い込む。そして、この外輪5aが上記抑え板7hに対して回転する事を阻止する。
本例の構造は、上述の様に構成し作用する為、前述した実施の形態の第10例の場合と同様に、上記外輪5aを前記保持凹部4に隙間嵌乃至弱い締り嵌めで内嵌しても、運転時にこの外輪5aが回転する事を防止できる。この様に本例の構造は、上記外輪5aを上記保持凹部4に隙間嵌で内嵌しても、この外輪5aのクリープを防止できる。但し、上記外輪5aをこの保持凹部4に、強い締り嵌めで内嵌しても良い。強い締り嵌めで内嵌した場合でも、上記抑え板7hを上記外輪5aに対し、図29で時計方向に回転させられるので、この抑え板7hに設けた通孔とハウジングに設けたねじ孔とを整合させられる。本例の構造を上記強い締り嵌めと併用しても、上記外輪5aのクリープをより確実に防止できる。
本発明の特徴は、ラジアル転がり軸受を構成する外輪に抑え板を、回転可能且つ非分離に結合する為の構造にある。ラジアル転がり軸受の構造に関しては、図示の様な単列深溝型の玉軸受に限らず、各種ラジアル転がり軸受を採用できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、回転支持装置用転がり軸受ユニットの断面図。 図1の右方から見た図。 図1の上部拡大図。 図3の右上部拡大図。 係止環の斜視図。 同じく軸方向から見た正投影図。 抑え板を取り出して図1の左方から見た図。 同じく斜視図。 図8の右下部拡大図。 外輪の小径段部に係止環を装着した状態を示す部分斜視図。 係止環を装着した外輪の小径段部に抑え板を外嵌する状態を示す、図4と同様の図。 同じく外嵌した後の状態を、図11と同位置で示す断面図(A)、及び、円周方向に外れた位置で示す断面図(B)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図12と同様の図。 同第3例に就いて、図4と同じ部分を、外輪と抑え板とを結合する工程順に示す図。 同第4例を示す、図12と同様の図。 同第5例を示す、図14と同様の図。 同第6例を示す、図12と同様の図。 第6例に就いて、外輪と抑え板とを結合する状態を工程順に示す図。 本発明の実施の形態の第7例を示す、図12と同様の図。 第7例に就いて、外輪と抑え板とを結合する状態を工程順に示す図。 本発明の実施の形態の第8例を、中立状態(A)と両端に変位した状態(B)(C)とで示す、図2のイ部に相当する拡大図。 本例と異なる構造の場合に生じる不都合を説明する為の、図21の(A)と同様の図。 本発明の実施の形態の第9例を示す、図6と同様の図。 大径係止部の突出量の概念を説明する為の、図23のロ部拡大図。 本発明の実施の形態の第10例を示す、図21と同様の図。 本例を構成する凹入部を示す、透視斜視図(A)及び正投影図(B)。 本発明の実施の形態の第11例を構成する係止環を軸方向から見た正投影図(A)及び部分拡大図(B)。 この係止環を外輪に装着した状態を示す部分斜視図。 同じく図21と同様の図。 本発明の対象となる回転支持装置の1例を示す部分断面図。 この回転支持装置に組み込む転がり軸受ユニットの従来構造の1例を示す斜視図。 同じく断面図。
符号の説明
1 回転軸
2 ハウジング
3、3a ラジアル転がり軸受
4 保持凹部
5、5a 外輪
6 内輪
7、7a〜7h 抑え板
8、8a 転がり軸受ユニット
9、9a 小径段部
10、10a 通孔又はねじ孔
11、11a〜11d 係止環
12、12a〜12f 嵌合孔
14 円筒部
15、15a、15b 係止突部
16 小径部
17、17a〜17c 大径係止部
18 係止凹溝
19、19a 大径部
20 段差面
21 間部分
22、22a 傾斜面
23 凹円筒面
24 支持突部
25 外径側係止凹溝
26 凹円筒面
27 平面
28 傾斜面
29、29a、29b 凹入部
30 底面
31 不連続部

Claims (18)

  1. ハウジングに対し回転軸を支持する為のラジアル転がり軸受と、このラジアル転がり軸受を構成する外輪を上記ハウジングに支持固定する為、このハウジングの一部にこのハウジングの片面に開口する状態で設けられた、上記外輪を内嵌する保持凹部と、この外輪の軸方向一端部外周面でこの保持凹部から突出する部分に設けられた小径段部と、この小径段部に回転可能に、且つ、この小径段部からの抜け止めを図られた状態で外嵌された抑え板とを備え、上記外輪を上記保持凹部に内嵌固定すると共に、この抑え板の片面を上記ハウジングの片面に突き当てた状態で、この抑え板の外径寄り部分又はこのハウジングに形成した通孔を挿通したねじをこのハウジングの片面に開口したねじ孔又は上記抑え板の外径寄り部分に設けたねじ孔に螺合する事により、上記ハウジングに対し上記外輪を支持固定した回転支持装置に於いて、
    上記抑え板を上記外輪の小径段部に対し外嵌した状態で、この小径段部に外嵌した係止環と、この抑え板に設けた嵌合孔の内周面に形成した係止突部との係合により、上記小径段部からのこの抑え板の抜け止めを図っており、
    上記係止環は、弾性材を欠円環状に形成して成り、上記小径段部の外周面に周方向に形成された係止凹溝内に収まる小径部と、上記小径段部の外周面よりも径方向外方に突出する迄この小径部の一部から径方向外方に曲がった状態で設けられた大径係止部とを備えたものであり、
    上記係止突部は、上記抑え板に設けた、上記小径段部に回転可能に外嵌する嵌合孔の内周面の少なくとも円周方向一部で、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する部分に、この奥側以外の部分よりも径方向内方に突出する状態で設けられたものであり、
    上記係止環の小径部を上記係止凹溝内に収納した状態で、上記係止突部を上記大径係止部を乗り越えさせつつ、上記嵌合孔を上記小径段部に外嵌して、これら係止突部と大径係止部との係合により、この小径段部からの上記抑え板の抜け止めを図っている事を特徴とする回転支持装置。
  2. 外輪に対して抑え板を、両回転方向の位置調節を可能に外嵌しており、保持凹部に外輪を、締り嵌めで内嵌固定している、請求項1に記載した回転支持装置。
  3. 保持凹部に外輪を、隙間嵌乃至締り嵌めで内嵌しており、抑え板に対して外輪を、回転方向の変位を制限した状態で装着している、請求項1に記載した回転支持装置。
  4. ラジアル転がり軸受と、このラジアル転がり軸受を構成する外輪の軸方向一端部外周面に設けられた小径段部と、この小径段部に回転可能に、且つ、この小径段部からの抜け止めを図られた状態で外嵌された、外径寄り部分に通孔又はねじ孔を形成した抑え板とを備えた回転支持装置用転がり軸受ユニットに於いて、
    上記抑え板を上記外輪の小径段部に対し外嵌した状態で、この小径段部に外嵌した係止環と、この抑え板に設けた嵌合孔の内周面に形成した係止突部との係合により、上記小径段部からのこの抑え板の抜け止めを図っており、
    上記係止環は、弾性材を欠円環状に形成して成り、上記小径段部の外周面に周方向に形成された係止凹溝内に収まる小径部と、上記小径段部の外周面よりも径方向外方に突出する迄この小径部の一部から径方向外方に曲がった状態で設けられた大径係止部とを備えたものであり、
    上記係止突部は、上記抑え板に設けた、上記小径段部に回転可能に外嵌する嵌合孔の内周面の少なくとも円周方向一部で、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する部分に、この奥側以外の部分よりも径方向内方に突出する状態で設けられたものであり、
    上記係止環の小径部を上記係止凹溝内に収納した状態で、上記係止突部を上記大径係止部を乗り越えさせつつ、上記嵌合孔を上記小径段部に外嵌して、これら係止突部と大径係止部との係合により、この小径段部からの上記抑え板の抜け止めを図っている事を特徴とする回転支持装置装置用転がり軸受ユニット。
  5. 係止突部は、抑え板に設けた、小径段部に回転可能に外嵌する嵌合孔の内周面の円周方向一部から径方向外方に凹んだ状態で設けられた凹入部の一部内周面で、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する部分に、上記凹入部の内周面よりも径方向内方に突出する状態で設けられたものであり、
    係止環の小径部を係止凹溝内に収納すると共に、この係止環の大径係止部と上記嵌合孔の凹入部の位相とを合致させた状態で、上記係止突部を上記大径係止部を乗り越えさせつつ、上記嵌合孔を上記小径段部に外嵌して、この小径段部からの上記抑え板の抜け止めを図っている
    請求項4に記載した回転支持装置装置用転がり軸受ユニット。
  6. 外輪側の小径段部に隙間嵌で外嵌自在な内径を有する円形の嵌合孔の内周面に複数の凹入部が、円周方向に関して間隔をあけて設けられており、これら各凹入部の軸方向端部に、それぞれの内周面が、内径がこれら各凹入部の軸方向中央部に向かう程小さくなる方向に傾斜した傾斜面である係止突部が設けられている、請求項5に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  7. 抑え板が、円周方向3個所位置以上に通孔又はねじ孔を設けたもので、これら各通孔又は各ねじ孔を形成した部分の外径が間部分の外径よりも大きくなっており、嵌合孔の内周面に凹入部が、上記各通孔又は各ねじ孔と同じ数だけ設けられており、これら各凹入部が設けられた円周方向位置が、上記各間部分のうちで上記嵌合孔の内周面と上記抑え板の外周縁との距離が最も短くなった位置と、上記各通孔又は各ねじ孔を形成した位置との間部分である、請求項5〜6のうちの何れか1項に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  8. 係止突部は、抑え板に設けた、小径段部に回転可能に外嵌する嵌合孔の内周面の軸方向一部で、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する部分に、上記嵌合孔の内周面よりも径方向内方に突出する状態で、全周に亙って設けられたものであり、
    係止環の小径部を係止凹溝内に収納した状態で、上記係止突部をこの係止環の大径係止部を乗り越えさせつつ、上記嵌合孔を上記小径段部に外嵌して、この小径段部からの上記抑え板の抜け止めを図っている
    請求項4に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  9. 嵌合孔の内周面のうち、小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する部分に係止突部を、同じく反対側に位置する部分に内周面が円筒面である支持突部を、それぞれ全周に亙って設けており、これら係止突部と支持突部とにより軸方向両側から挟まれた部分を、係止環の大径係止部を係止する為の外径側係止凹溝とし、凹円筒面である上記支持突部の内周面と、凸円筒面である上記小径段部の外周面の先端寄り部分とを対向させている、請求項8に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  10. 係止突部の内周面が、小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の奥側に位置する片半部に設けられ、この奥側に向かうに従って内径が大きくなる方向に傾斜した円すい凹面状の傾斜面と、上記小径段部に外嵌した状態でこの小径段部の軸方向中央側に位置する他半部に設けられ、軸方向に関して外径が変化しない凹円筒面とから成り、この凹円筒面と、係止凹溝よりも奥側に存在する、凸円筒面である上記小径段部の奥端部外周面とを対向させた、請求項8〜9のうちの何れか1項に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  11. 各凹入部が、嵌合孔の内周面と同心の部分円筒面をそれぞれの底面とした大径部である、請求項6に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  12. 各凹入部が、それぞれの円周方向中間部で嵌合孔の径方向に対し直交する方向に存在する平坦面をそれぞれの底面としたものであり、それぞれの底面と係止凹溝の底面との間隔が、それぞれの周方向中央部に比べて周方向両端部で広くなっている、請求項6に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  13. 各凹入部の深さが、それぞれ円周方向の一端側で浅く、他端側で深くなっている、請求項6、7のうちの何れか1項に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  14. 各大径係止部の突出量が、それぞれ円周方向の一端側で大きく、他端側で小さくなっている、請求項6、7、11、12のうちの何れか1項に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  15. 嵌合孔の凹入部及び係止環の大径係止部が、それぞれ3個所以上ずつ、同数且つ同ピッチで設けられており、これら各大径係止部のうち、上記係止環の不連続部から遠い円周方向中間部の大径係止部の径方向外方への突出量が、この不連続部に近い残りの大径係止部の同方向への突出量よりも小さくなっている、請求項6〜14のうちの何れか1項に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  16. 係止環の表面のうち、小径段部の奥側に位置する軸方向奥端面が、上記係止環の中心軸に対し直交する方向の平面であり、外周面のうちで少なくとも上記小径段部の先端寄り部分が、先端縁に向かうに従って外径が漸次小さくなる方向に傾斜した傾斜面である、請求項4〜15のうちの何れか1項に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  17. 係止環の断面形状が砲弾形である、請求項16に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
  18. 係止環の断面形状が、この係止環の外周面となるべき部分の形状が凸円弧である略三角形である、請求項16に記載した回転支持装置用転がり軸受ユニット。
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