JP2009030785A - 板ばね式制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より有利に軽量化が可能であり、振動を早期に収束させ得るようにした板ばね式制振装置を提供する。
【解決手段】長尺状の板ばね部材1の基端部を、振動部材5に対して支持部材2を介して支持固定し、その先端部が振動部材5の主振動方向と同じ方向へ振動可能なように取付ける。液体封入ダンパ3を、その底部が振動部材5に接触するようにして板ばね部材1の所定位置に装着固定し、板ばね部材1と振動部材5との間に配置する。板ばね部材1の先端部にマス部材4を設置する。所定の質量と所定のばね定数とを有する板ばね部材1と、板ばね部材1と振動部材5との間に設けられた液体封入ダンパ3との相互作用により、液体封入ダンパ3の減衰効果が効果的に発揮されるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、殆ど減衰性を有しない材料で構成された板状あるいは梁状の構造物の振動を抑制するために好適に採用される板ばね式制振装置に関する。
従来より、例えば木材やFRP、ガラス、鋼板など殆ど減衰性を有しない材料で構成された構造物は、一旦振動を開始するとその振動が収まるまでに長時間が掛かることから、その構造物に対して、種々の制振装置を取付けて振動を抑制するようにしている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、橋梁や住宅等の構造物の振動を抑制するために用いられる板ばね式動吸振器が開示されている。この板ばね式動吸振器は、板ばねの一端部に重錘を設け、制振対象となる構造物に対して、その板ばねの他端部を固定することにより取付けられて使用される。
なお、特許文献1の板ばね式動吸振器においては、互いに間隔をとって平行に配置される2枚以上の板ばねが用いられ、隣り合う2枚の板ばね同士を粘弾性体又は粘性体ダンパを介して固定することにより、板ばねに減衰性を持たせるようにしている。一方、特許文献2の板ばね式動吸振器あるいは特許文献3に開示された板ばね式ダイナミックダンパにおいては、板ばねに対して高減衰ゴム材(ダンピング材)と拘束板(拘束材)を積層状態で固着することにより、板ばねに減衰性を持たせるようにしている。これら特許文献1〜3の板ばね式動吸振器(ダイナミックダンパ)は、構造がシンプルで、小型軽量化することができ、構造物への取付けが簡単であるなどの点で有利なものである。
また、他の制振装置として、特許文献4に開示されているように、制振対象物に取付けられる固定部材に対して、所定距離を隔てて対向配置される質量部材をゴム弾性体で弾性支持するように取付け、そのゴム弾性体によって固定部材と質量部材との間に形成される液体室内に液体が封入されて成る液体封入式ダイナミックダンパが知られている。更に、特許文献5には、車載用ディスクプレーヤ等の構造物全体を防振ゴムや粘性流体封入ダンパで防振支持するようにすることが開示されている。
ところで、上記特許文献1の板ばね式動吸振器においては、隣り合う2枚の板ばね同士が粘弾性体又は粘性体ダンパを介して固定されていることから、各板ばねの一端部に設けられた重錘の動きは互いに同位相で振動するが、一方の板ばねに対して他方の板ばねがずれて変位し難くなり、多少のずれによって粘弾性体又は粘性体ダンパ内に剪断変形が生じるとしても、これによる減衰効果は期待できる程ではない。そのため、制振対象となる構造物の振動を早期に収束させることは困難となる。
一方、上記特許文献2及び3の板ばね式動吸振器(ダイナミックダンパ)のように、板ばねに対して高減衰ゴム材(ダンピング材)と拘束板(拘束材)を積層状態で固着した場合には、板ばねの充分な減衰性を確保するためには、多量の高減衰ゴム材(ダンピング材)や拘束板(拘束材)が必要となる。そのため、重量が著しく増大する傾向にあり、軽量化の点で不利となる。また、上記特許文献4の液体封入式ダイナミックダンパの場合には、充分な制振効果が得られるようにするためには、制振対象となる構造物の総重量に対する質量部材の質量の割合を、板ばね式動吸振器(ダイナミックダンパ)に比べて大きくする必要がある。
特開昭59−110938号公報 特開2005−351366号公報 特開2004−28124号公報 特開平5−87184号公報 実開平5−62753号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、より有利に軽量化が可能であり、振動を早期に収束させ得るようにした板ばね式制振装置を提供することを解決すべき課題とするものである。
〔第一発明〕
上記課題を解決する本発明の板ばね式制振装置は、所定の質量を有する剛性板材により形成され、振動部材に対して、該振動部材の主振動方向と同じ方向へ一端部又は両端部が振動可能なように所定の一箇所の支持部位が支持固定された板ばね部材と、該板ばね部材の振動端部側に固定されると共に、前記振動部材と接触した状態で又は前記振動部材との間に所定の隙間を形成した状態で、前記板ばね部材と前記振動部材との間に配置された液体封入ダンパと、から構成されていることを特徴としている。
本発明の板ばね式制振装置は、この制振装置が取付けられた振動部材に振動が入力した際に、板ばね部材の振動端部(板ばね部材の一端部又は両端部を意味する)が、支持部位を支点として振動部材の振動方向と同じ方向へ振動する。この時、振動部材と接触した状態で又は振動部材との間に所定の隙間を形成した状態で、板ばね部材と振動部材との間に配置された液体封入ダンパは、振動部材及び板ばね部材の動きに追従して振動し、その内部に封入された液体が流動する。この液体の流動により、振動部材の振動エネルギが効果的に吸収されるため、振動部材に入力した振動が早期に収束する。また、振動の収束後期における微振動も効果的に抑制される。
本発明の板ばね式制振装置は、所定の質量と所定のばね定数とを有する板ばね部材と、板ばね部材と振動部材との間に設けられた液体封入ダンパとの相互作用により、液体封入ダンパの減衰効果が効果的に発揮されるようにしている。そのため、重量の著しい増大を伴う高減衰ゴム材(ダンピング材)や拘束板(拘束材)等を、板ばね部材に対して固着する必要がなく、より有利に軽量化が可能となる。したがって、本発明の板ばね式制振装置によれば、より有利に軽量化することが可能となり、振動部材に入力した振動を早期に収束させることが可能となる。
本発明において、板ばね式制振装置のうち振動部材に対して振動する部位は、振動部材の振動抑制対象の固有振動数よりも小さい固有振動数を有するようにチューニングされているのが好ましい。ここで、板ばね式制振装置のうち振動部材に対して振動する部位における周波数特性は、固有振動数付近における位相差が90°となり、固有振動数より大きな周波数における位相差は180°に近づくように変化し、逆に固有振動数より小さな周波数における位相差は0°に近づくように変化する。つまり、上記のように固有振動数をチューニングすることで、板ばね式制振装置のうち振動部材に対して振動する部位と振動部材との位相差が90°よりも180°に近い位相差となる。板ばね式制振装置の固有振動数の好ましい範囲としては、振動部材の振動抑制対象の固有振動数に対して、1/3倍以上で1倍未満となる範囲である。このようにすれば、振動部材に振動が入力した際に、板ばね部材と振動部材が逆位相に近い位相で振動することにより相対変位し、板ばね部材と振動部材の間に設けられた液体封入ダンパが圧縮と圧縮解除を繰り返し受けるようになるため、液体封入ダンパの内部に封入された液体の流動を促進させて流動量を増大させることができ、液体封入ダンパの減衰効果を効率良く発揮させることができる。なお、1枚の板ばね部材の両端部側にそれぞれ液体封入ダンパを設ける場合には、2種類の異なる固有振動数を有するようにチューニングすることも可能である。
この場合、板ばね式制振装置の固有振動数(fn)は、板ばね部材の長さ(L)、厚さ(t)、密度(ρ)、ヤング率(E)及び係数(λ)に基づいて、下記の式1から求められる。ここでマス部材を有しない場合は、λ=1.875となる。
Figure 2009030785
本発明において採用される液体封入ダンパは、少なくとも一部に弾性変形可能な薄肉の可撓部を有する容器状部材と、該容器状部材の内部に封入された液体とを備えたものである。この液体封入ダンパは、振動入力時に、容器状部材の可撓部が容易に弾性変形することにより、内部に封入された液体の流動が生起し易くなるように構成されたものであり、その液体の流動作用によって良好な振動減衰効果が得られる。内部に封入される液体としては、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコンオイルなど低粘度から高粘度の液体を採用することができるが、この中でもシリコンオイルが好適に採用される。
本発明における液体封入ダンパは、板ばね部材の振動端部側に固定されると共に、振動部材と接触した状態で又は振動部材との間に所定の隙間を形成した状態で、板ばね部材と振動部材との間に配置される。ここで、液体封入ダンパが振動部材と接触した状態とは、振動部材に対して、板ばね部材による押圧力が液体封入ダンパに全く作用していない状態で接触している場合(ゼロタッチ)だけでなく、振動入力時に生起する液体の流動作用に支障がない程度の押圧力が加わった状態で接触している場合も含まれる。
一方、液体封入ダンパと振動部材との間に形成される隙間は、振動入力時に、液体封入ダンパと振動部材が加速度を伴って当接することにより、液体封入ダンパによる有効な減衰効果が発揮され得る範囲とされる。この隙間は、大きくなるほど微振動に対応し難くなるため、この隙間の範囲は、振動部材への制振装置の設置位置によっても異なるが、概ね0〜5mmとするのが好ましい。
本発明の好適な態様として、液体封入ダンパは、板ばね部材の先端部に取り付けられている。このようにすれば、振動入力時に、液体封入ダンパに封入された液体の流動作用が効果的に発揮されるようになる。また、他の好適な態様として、液体封入ダンパの振動部材と接触する部位には、補強部材が設けられている。これにより、液体封入ダンパの耐久性を向上させることができる。さらに、他の好適な態様として、液体封入ダンパの振動部材と接触した状態に配置される部位は、振動部材に固定されている。このようにすれば、振動入力時に、液体封入ダンパが、振動部材あるいは振動部材側に取付けられた取付部材から離隔することがないため、液体封入ダンパの減衰効果をより確実に得ることが可能となる。
本発明において採用される板ばね部材は、長さ寸法が50〜700mmの範囲のものが好適である。この範囲の長さ寸法の板ばね部材を採用すれば、本発明の板ばね式制振装置の固有振動数を、制振対象となる振動部材の固有振動数の近辺に容易にチューニングすることができる。この板ばね部材は、通常、鋼板等の金属製のものが好適に採用されるが、所定の質量やばね定数、強度等の条件を満たすものであれば、例えば硬質樹脂製のものを採用することも可能である。
また、他の好適な態様として、液体封入ダンパが設けられる板ばね部材の振動端部側には、マス部材(重錘)が設置されている。このようにすれば、振動入力時に、板ばね部材の振動部材側への押付力が増すため、液体封入ダンパの減衰効果を高めることができる。また、板ばね部材の大きさ(長さ寸法)も小さくすることが可能となる。なお、マス部材の質量は、制振対象となる振動部材の総重量の1〜20%の範囲とされているのが好ましく、より好ましくは1〜10%であり、これにより、より有利に軽量化が可能となる。
〔第二発明〕
また、上記課題を解決する本発明の板ばね式制振装置は、所定の質量を有する剛性板材により形成され、振動部材に対して、該振動部材の主振動方向と同じ方向へ一端部又は両端部が振動可能なように所定の一箇所の支持部位が支持固定された板ばね部材を備え、
振動入力時に、板ばね部材の振動端部(板ばね部材の一端部又は両端部を意味する)又は振動端部に一体的に取り付けられた板ばね側取付部材が、振動部材又は振動部材に一体的に取り付けられた振動部材側取付部材に衝突することにより振動部材の振動を抑制する板ばね式制振装置であって、
板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材は、振動部材が振動していない場合に振動部材又は振動部材側取付部材に接触した状態に配設され、
板ばね式制振装置のうち振動部材に対して振動する部位は、衝突による振動抑制対象である振動部材の固有振動数より小さい固有振動数を有するようにチューニングされていることを特徴とする。
本発明の板ばね式制振装置は、この制振装置が取付けられた振動部材に振動が入力した際に、板ばね部材の振動端部が、板ばね部材のうち振動部材に支持固定される支持部位を支点として振動部材の振動方向と同じ方向へ振動する。
そして、本発明において、板ばね式制振装置のうち振動部材に対して振動する部位は、衝突による振動抑制対象である振動部材の固有振動数より小さい固有振動数を有するようにチューニングされている。ここで、上述の第一発明における説明と同様に、板ばね式制振装置のうち振動部材に対して振動する部位(以下、「板ばね式制振装置の振動部位」という)における周波数特性は、固有振動数付近における位相差が90°となり、固有振動数より大きな周波数における位相差は180°に近づくように変化し、逆に固有振動数より小さな周波数における位相差は0°に近づくように変化する。従って、上記のように固有振動数をチューニングすることで、板ばね式制振装置のうち振動部材に対して振動する部位と振動部材との位相差が90°よりも180°に近い位相差となる。板ばね式制振装置の振動部位の固有振動数の好ましい範囲としては、衝突による振動抑制対象である振動部材の固有振動数に対して1/3倍以上で1倍未満となる範囲である。
このようにすれば、振動部材に振動が入力した際に、板ばね式制振装置の振動部位と振動部材とが逆位相に近い位相で振動することにより相対変位する。従って、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材と、振動部材又は振動部材側取付部材とが、衝突を繰り返すように動作する。この衝突により、振動部材の振動エネルギが効果的に吸収される。さらに、衝突の他にも、本発明はダイナミックダンパとしても機能し得るため、ダイナミックダンパとして制振効果を発揮する。従って、衝突による効果に加えて、ダイナミックダンパとしての効果により、振動部材に入力した振動が早期に収束すると共に、振動ピーク値が低減する。そして、本発明の板ばね式制振装置では、ダイナミックダンパに比べて、同等の制振効果を発揮させるために必要なマス部材の質量を低減することができる。つまり、本発明によれば、軽量化を図ることができる。
さらに、本発明によれば、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材は、振動部材が振動していない場合に振動部材又は振動部材側取付部材に接触した状態に配設されている。ここで、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材が振動部材又は振動部材側取付部材に接触した状態とは、振動部材又は振動部材側取付部材に対して、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材に押圧力が全く作用していない状態で接触している場合(ゼロタッチ)だけでなく、振動入力時に支障がない程度の押圧力が加わった状態で接触している場合も含まれる。従って、板ばね式制振装置の振動部位の振幅が小さくなったとしても、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材と、振動部材又は振動部材側取付部材とを、確実に衝突させることができる。つまり、振動部材の振動が微小であっても、その振動を抑制する効果を発揮できる。
ところで、板ばね式制振装置の振動部位の固有振動数が、衝突による振動抑制対象である振動部材の固有振動数にほぼ一致している場合には、両者の位相差が90°付近となるが、板ばね式制振装置の振動部位の振幅が大きくなる。一方、板ばね式制振装置の振動部位の固有振動数が、衝突による振動抑制対象である振動部材の固有振動数より十分に大きい場合には、両者の位相差が180°に近接するが、板ばね式制振装置の振動部位の振幅が小さくなる。従って、板ばね式制振装置の振動部位の固有振動数を小さくすればするほど、位相差は180°に近づくが、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材と振動部材又は振動部材側取付部材との衝突力が小さくなる。従って、この位相差と振幅のことを考慮して、板ばね式制振装置の振動部位の固有振動数を適切にチューニングする必要がある。
本発明の好適な態様として、板ばね側取付部材及び振動部材側取付部材の少なくとも何れか一方は、弾性体からなる。これにより、振動部材の振動の早期収束効果、及び、振動ピーク値の低減効果が向上する。さらに、当該弾性体と相手部材との衝突音が低減できる。なお、この弾性体には、ゴム弾性体のみからなるもの、上述した液体封入ダンパ、熱可塑性エラストマが含まれる。液体封入ダンパを適用する場合には、上述したように、封入された液体の流動による振動抑制効果を発揮する。
そして、板ばね側取付部材が弾性体の場合、板ばね側取付部材と振動部材又は振動部材側取付部材との接触状態は、当該弾性体に振動入力時に支障がない程度の押圧力が加わった状態とすることが容易である。また、振動部材側取付部材が弾性体の場合、振動部材側取付部材と板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材との接触状態についても同様に、当該弾性体に振動入力時に支障がない程度の押圧力が加わった状態とすることが容易である。特に、弾性体に予め押圧力が加わった状態では、より振動抑制力を高めることができるため、振動の早期収束効果、及び、振動ピーク値の低減効果が向上する。
また、本発明の好適な態様として、さらに、板ばね部材の振動端部側には、マス部材(重錘)が設置されている。このようにすれば、板ばね式制振装置の振動部位の固有振動数のチューニングが容易にできる。さらに、振動入力時に、板ばね式制振装置の振動部位による振動部材側への押付力が増すため、衝突力を高めることができる。つまり、板ばね式制振装置の振動部位と振動部材との位相差を180°に近づけつつ、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材と振動部材又は振動部材側取付部材との衝突力を高めることが可能となる。
マス部材が設置されている場合には、板ばね部材のうち振動部材に支持固定される支持部位と振動端部とを結ぶ方向を長手方向と定義した場合に、マス部材は、その先端部が振動端部に対して支持部位の反対側に位置するように、その基端部が板ばね部材の振動端部に取り付けられ、マス部材の長手方向の長さは、板ばね部材の長手方向の長さより長く形成されているとよい。
マス部材は、板ばね部材に比べて、板厚を十分に確保することが容易である。従って、板ばね式制振装置の全体形状を長尺状としつつ、十分な質量を確保することが容易となる。また、板ばね部材は例えば鋼板により形成されており、マス部材は例えば鉄系金属によりブロック状に形成されている。従って、一般に、板ばね部材は、マス部材に比べて、剛性が小さい。そのため、板ばね部材の長手方向の長さが長くなると、その分、剛性を確保することが困難である。しかし、板ばね部材の長手方向の長さを、マス部材の長手方向の長さより短くすることで、十分な剛性を確保できる。また、マス部材の質量が同じ場合に、長手方向に長い形状の方が、板ばね部材の支持部位とマス部材の先端部との離間距離が長くなるので、マス部材の先端部での振幅力が大きくなり、衝突力が大きくなる。
また、マス部材が設置されている場合には、板ばね側取付部材は、弾性体からなりマス部材の外周面に圧入により挿入される筒状部と、筒状部に一体成形された弾性体からなり振動部材又は振動部材側取付部材に衝突する衝突部と、を備えるようにしてもよい。上述したように、板ばね部材は例えば鋼板により形成され、マス部材は例えば鉄系金属によりブロック状に形成されている。つまり、マス部材は板ばね部材に比べて、板ばね部材の板厚方向の厚みが大きくなる。従って、板ばね側取付部材の筒状部をマス部材の外周面に圧入により挿入して取り付けるようにすることで、両者の接触面積を十分に確保できる結果、十分な圧入代を確保できる。つまり、板ばね側取付部材をマス部材へ取り付けることが容易となり、且つ、取り付けた後に板ばね側取付部材がマス部材から離脱することを防止できる。
また、本発明の好適な態様として、振動部材側取付部材は、板ばね部材に固定され、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材は、振動入力時に振動部材側取付部材に衝突する。この場合、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材は、板ばね部材に固定されている振動部材側取付部材に衝突する。仮に、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材が振動部材そのものに衝突する場合には、振動部材のうち板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材が衝突する部位の形状によって、衝突力が変化する。これに対して、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材が振動部材側取付部材に衝突する場合には、振動部材側取付部材の形状によって衝突力が変化するが、振動部材の形状には影響を受けない。そして、振動部材側取付部材の形状は、自由に設定できる。従って、本態様によれば、振動部材の形状に影響を受けることなく、衝突力を調整できる。つまり、振動部材に、当該板ばね式制振装置を取り付ける前に、衝突力を確実に調整しておくことが可能となる。
また、本発明の態様として、板ばね部材が、振動部材の下面に支持固定される場合には、以下のようにするとよい。すなわち、本発明の板ばね式制振装置において、板ばね部材は、振動部材の下面に支持固定される場合、振動部材側取付部材は、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材の下方に配置するように形成され、その上面に振動端部又は板ばね側取付部材が衝突する。
この場合、板ばね部材が振動部材の下面に支持固定される場合であっても、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材と振動部材側取付部材とが衝突する位置が、必ず、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材の下方となる。そして、元々、重力により、板ばね部材の支持部位を中心として、板ばね部材の振動端部は下方へ撓む。つまり、上記のような構成とすることで、振動部材が振動していない状態において、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材と振動部材側取付部材とが接触した状態とすることが容易となる。
上記の他に、板ばね部材は、振動部材の下面に支持固定される場合、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材の上方が、振動部材又は振動部材側取付部材に衝突するようにしてもよい。ただし、この場合、振動部材が振動していない場合において板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材が振動部材又は振動部材側取付部材に確実に接触するように取り付けるために、重力により板ばね部材の振動端部が下方へ撓むことを考慮しなければならない。
〔第一発明と第二発明における板ばね部材の支持構成〕
ここで、上述した第一発明と第二発明に共通する板ばね部材の支持構成について説明する。その構成としては、以下の2通りが可能となる。
第一の構成は、板ばね部材の基端が振動部材に支持固定され、板ばね部材の一端部が振動可能となる構成である。すなわち、片持ち支持の構成となる。また、第二の構成は、板ばね部材の中央部が振動部材に支持固定され、板ばね部材の両端部が振動可能となる構成である。この場合も、片持ち支持の構成となり、それが支持部位の両側に設置されているものである。この場合には、支持部位の一方側における振動部位の固有振動数と、支持部位から他方側における振動部位の固有振動数とが、それぞれ異なるようにすることができる。これにより、異なる二種類の振動に対して抑制効果を発揮できる。
〔第一発明〕
本発明の板ばね式制振装置は、所定の質量を有する剛性板材により形成され、振動部材に対して、該振動部材の主振動方向と同じ方向へ一端部又は両端部が振動可能なように所定の一箇所の支持部位が支持固定された板ばね部材と、該板ばね部材の振動端部側に固定されると共に、前記振動部材と接触した状態で又は前記振動部材との間に所定の隙間を形成した状態で、前記板ばね部材と前記振動部材との間に配置された液体封入ダンパと、から構成されているため、より有利に軽量化が可能であり、振動部材の振動を早期に収束させることができる。
特に、液体封入ダンパが振動部材と接触した状態に配設されている場合には、振動の収束後期における微振動も効果的に抑制することができる。また、経時劣化やヘタリによって、液体封入ダンパが固定された板ばね部材の一端部側又は両端部側が垂れ下がる場合等を考慮して、液体封入ダンパを、振動部材との間に所定の隙間が形成された状態に配設することも可能であるため、設計上の自由度が拡大する。
〔第二発明〕
本発明の板ばね式制振装置は、所定の質量を有する剛性板材により形成され、振動部材に対して、該振動部材の主振動方向と同じ方向へ一端部又は両端部が振動可能なように所定の一箇所の支持部位が支持固定された板ばね部材を備え、振動入力時に、前記板ばね部材の振動端部又は前記振動端部に一体的に取り付けられた板ばね側取付部材が、前記振動部材又は前記振動部材に一体的に取り付けられた振動部材側取付部材に衝突することにより前記振動部材の振動を抑制する板ばね式制振装置としていることにより、より有利に軽量化が可能であり、振動部材の振動を早期に収束させることができる。
特に、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材は、振動部材が振動していない場合に振動部材又は振動部材側取付部材に接触した状態に配設され、板ばね式制振装置のうち振動部材に対して振動する部位は、衝突による振動抑制対象である振動部材の固有振動数より小さい固有振動数を有するようにチューニングされていることにより、振動部材に振動が入力した際に、板ばね式制振装置の振動部位と振動部材とが逆位相に近い位相で振動することにより相対変位する。従って、板ばね部材の振動端部又は板ばね側取付部材と、振動部材又は振動部材側取付部材とが、衝突を繰り返すように動作する。この衝突により、振動部材の振動エネルギが効果的に吸収されるため、振動部材に入力した振動が早期に収束すると共に、振動ピーク値が低減する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔実施形態1〕
図1は本実施形態に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図であり、図2(a)はその板ばね式制振装置に用いられた液体封入ダンパの断面図である。
本実施形態の板ばね式制振装置は、図1に示すように、振動部材5としての、板状部材により二方向の側面が開口した箱状に構成された構造物に対して取付けられるものであって、振動部材5に対して、先端部(一端部)が振動可能なように基端部(他端部)が支持部材2に支持固定された長尺状の板ばね部材1と、板ばね部材1の中央から先端部側寄り位置に固定されると共に振動部材5に接触するようにして板ばね部材1と振動部材5との間に配置された液体封入ダンパ3と、板ばね部材1の先端部に設置されたマス部材4と、から構成されている。
板ばね部材1は、鋼板により、幅が30mm、長さが230mm、厚さが1.2mmの大きさに形成され、質量が55g、ヤング率が1.86×1011N/mのものである。この板ばね部材1は、振動部材5の所定位置に固着されたブロック状の支持部材2に基端部が固定されて片持ち支持されており、その先端部が振動部材5と所定距離を隔てて振動部材5と略平行となる状態に配置されている。これにより、板ばね部材1は、その先端部が振動部材5の主振動方向(図1においてZ方向)と同じ方向へ自由に振動可能である。この板ばね部材1の長手方向中央から先端部側へ寄った位置には、液体封入ダンパ3が装着される装着孔11が設けられている。
液体封入ダンパ3は、図2(a)に示すように、弾性変形可能な薄肉のゴムにより有底円筒状に形成された容器部材31と、容器部材31の周壁部の開口側端部に嵌合保持された円筒状のホルダ部32と、ホルダ部32の外周に嵌合されて容器部材31の開口を覆蓋する蓋部材33と、容器部材31の内部に封入された液体(本実施形態ではシリコンオイル)34とから構成されている。
容器部材31の底部は、その中央部が小径となって外方へ少し突出するように形成されており、その突出した部分には、樹脂で円形板状に形成された補強部材35が固着されている。これにより、容器部材31の、ホルダ部32に嵌合保持された周壁部と補強部材35が固着された底部との間の部分には、容易に弾性変形可能な可撓部31aが形成されている。なお、本実施形態では、容器部材31の底部に樹脂製の補強部材35が設けられているが、この補強部材35が設けられる部位に、可撓部31aと同じゴム材料で可撓部31aよりも厚肉の厚肉部を一体に形成することにより補強するようにしてもよい。
また、図2(b)に示すように、本実施形態の図2(a)に示す液体封入ダンパ3に対して、補強部材35の内面中央部から内側へ向かって突出し、補強部材35と同じ樹脂で一体に形成された円柱状の攪拌部38を付加するようにしてもよい。この場合には、振動入力時に、内部に封入された液体34が攪拌部38により攪拌されることによって液体34の流動が促進されるため、攪拌部38が無い場合よりも大きな減衰を得ることができるので有利となる。
この液体封入ダンパ3は、板ばね部材1に設けられた装着孔11にホルダ部32が嵌合されることにより装着固定されており、容器部材31の底部に固着された補強部材35が振動部材5と接触した状態(ゼロタッチ)で、板ばね部材1と振動部材5との間に配置されている。
マス部材4は、鉄系金属により所定の質量を有するようにしてブロック状に形成されている。本実施形態では、マス部材4の質量は100gとされている。このマス部材4は、板ばね部材1の先端部の上面に固着されている。なお、本実施形態の板ばね式制振装置は、このマス部材4や上記の板ばね部材1及び液体封入ダンパ3の質量とばね定数とに基づいて、上記の式1により、固有振動数が6.5Hzにチューニングされており、振動部材5の固有振動数(13Hz)よりも小さくなるようにされている。
以上のように構成された本実施形態の板ばね式制振装置は、振動部材5に振動が入力して振動部材5が主振動方向(図1においてZ方向)に振動すると、板ばね部材1の先端部が、支持部材2に支持された基端部を支点として振動部材5の振動方向と同じ方向へ振動する。この時、容器部材31の底部に固着された補強部材35が振動部材5に接触するようにして板ばね部材1と振動部材5との間に配置された液体封入ダンパ3は、振動部材5及び板ばね部材1の動きに追従して振動し、その内部に封入された液体34が流動する。この液体34の流動により、振動部材5の振動エネルギが効果的に吸収されるため、振動部材5の振動が早期に収束する。また、振動の収束後期における微振動も効果的に抑制される。
以上のように、本実施形態の板ばね式制振装置は、振動部材5に対して、振動部材5の主振動方向と同じ方向へ先端部が振動可能なように基端部が支持部材2を介して支持固定された板ばね部材1と、板ばね部材1に固定されると共に振動部材5に接触するようにして板ばね部材1と振動部材5との間に配置された液体封入ダンパ5と、を有するように構成されているため、振動部材5の振動を早期に収束させることができる。また、振動の収束後期における微振動も効果的に抑制することができる。
特に、本実施形態の板ばね式制振装置は、その固有振動数が振動部材5の固有振動数(13Hz)よりも小さくなるようにずらせて6.5Hzにチューニングされているため、振動入力時に、板ばね部材1と振動部材5が逆位相で振動することにより、板ばね部材1と振動部材5の間に設けられた液体封入ダンパ3が圧縮と圧縮解除を繰り返し受けるようになる。そのため、容易に弾性変形可能な可撓部31aの動きを介して内部に封入された液体34の流動を促進させ流動量を増大させることができ、液体封入ダンパ3の減衰効果を効率良く発揮させることができる。
また、本実施形態の板ばね式制振装置は、所定の質量と所定のばね定数とを有する板ばね部材1と、板ばね部材1と振動部材5との間に設けられた液体封入ダンパ3との相互作用により、液体封入ダンパ3の減衰効果が効果的に発揮されるようにしているため、重量の著しい増大を伴う高減衰ゴム材(ダンピング材)や拘束板(拘束材)等を用いる必要がなく、より有利に軽量化することが可能となる。
また、本実施形態の板ばね式制振装置は、板ばね部材1の先端部に設置されたマス部材4を有するため、振動入力時に、板ばね部材1の振動部材5側への押付力を大きくし、液体封入ダンパ3の減衰効果を高めることができる。なお、このマス部材4は、板ばね部材1の大きさやばね特性を適宜変更することにより、必要なばね定数や質量を確保できる場合には省略してもよく、省略した場合にも、略同等の液体封入ダンパ3の減衰効果を得ることが可能である。
図3は、マス部材4を省略した場合の変形例を示すものであって、この場合には、液体封入ダンパ3が、板ばね部材1の先端部に取り付けられており、支持部材2からより遠く離れた位置に取り付けられているので、振動入力時に、液体封入ダンパ3に封入された液体34の流動作用をより効果的に発揮させることができる。
〔試験1〕
上記実施形態の板ばね式制振装置の制振効果を確認するために試験を行った。この試験は、振動部材5に振動が入力した時に、時間の経過に伴う加速度の変化を測定するものである。なお、振動部材5は、固有振動数が13Hzのものであり、上記実施形態の板ばね式制振装置は、固有振動数が6.5Hzにチューニングされたものである。先ず、比較例として、振動部材5に板ばね式制振装置が取付けられていない状態での測定を行い、その結果を図4(a)に示した。振動部材5に上記実施形態の板ばね式制振装置が取付けられている場合の測定結果は、図4(c)に示した。
また、上記実施形態の板ばね式制振装置の変形例として、マス部材4を有しない点でのみ基本的構成が異なり、同じ固有振動数(6.5Hz)にチューニングされた板ばね式制振装置を準備し、この板ばね式制振装置を振動部材5に取付けた場合についても、上記と同様の方法で調べた。この場合の測定結果は、図4(b)に示した。
図4(a)から明らかなように、振動部材5に制振装置が取付けられていない比較例の場合には、初期の最大加速度が±3Yと大きく、時間の経過に伴って徐々に0に近づいているが、7X秒経過後においても振動が完全に収束していないことが解る。
これに対して、振動部材5に上記実施形態の板ばね式制振装置が取付けられている場合には、図4(c)から明らかなように、初期の最大加速度が±2Yで比較例よりも小さくなっており、しかもX秒経過する直前において、比較例の場合の7X秒経過後のレベルにまで加速度が急速に収束していることが解る。また、X秒経過後においても、微振動が効果的に抑制されていることが解る。そして、振動部材5に変形例の板ばね式制振装置が取付けられている場合には、図4(b)から明らかなように、実施形態の場合と略同等の結果が得られていることが解る。
以上のことから、本発明に係る板ばね式制振装置を振動部材5に取付けることによって、振動部材5に入力した振動を極めて早期に収束させることができ、且つ振動の収束後期における微振動も極めて良好に抑制できることが確認された。
〔試験2〕
上記実施形態1の板ばね式制振装置と固有振動数が7Hzにチューニングされている点でのみ異なる板ばね式制振装置を用いて、板ばね部材1による押圧力が液体封入ダンパ3に全く作用していない状態で液体封入ダンパ3の下端部と振動部材5が接触している場合(ゼロタッチ)を基準とし、板ばね部材1により液体封入ダンパ3の下端部を振動部材5に押し付けた状態の場合と、液体封入ダンパ3の下端部と振動部材5との間に隙間が形成されている場合とについて、制振効果に及ぼす影響を調べる試験を行った。
板ばね部材1により液体封入ダンパ3を振動部材5に押し付けた状態で行う試験は、ゼロタッチの状態から、板ばね部材1の押付量を0.5mmずつ増加するように変化させて最大の押付量が1.5mmとなる範囲において、振動入力時における時間の経過に伴う加速度の変化を測定するものである。その結果は、図5A(b)〜(e)に示した。なお、図5A(a)は、振動部材5に板ばね式制振装置を取付けていない状態(ベース)の測定結果である。
図5A(e)から明らかなように、板ばね部材1の押付量が0.0mm(ゼロタッチ)の場合には、初期の最大加速度が±5Y程度と大きく、且つX秒経過時において、ベースの場合の7X秒経過後のレベルにまで加速度が急速に収束していることが解る。また、X秒経過後においても、微振動が効果的に抑制されていることが解る。そして、板ばね部材1の押付量が0.5mm、1.0mm、1.5mmの場合には、何れの場合にも押付量が0.0mm(ゼロタッチ)の場合と同様の傾向を示し、略同等のレベルで振動が収束していることが解る。
なお、板ばね部材1の押付量が1.5mmを越える範囲については、振動入力時に液体封入ダンパ3の内部に生起する液体の流動作用に支障がない程度の押付力が加わった状態であれば、押付量が1.5mmまでの場合と同様の結果が得られるものと推察される。
一方、液体封入ダンパ3の下端部と振動部材5との間に隙間が形成されている場合の試験は、それらの間に形成される隙間が0.0mm(ゼロタッチ)の状態から、隙間を0.5mmずつ拡げるように変化させて最大の隙間が2.5mmとなる範囲において、時間の経過に伴う加速度の変化を上記と同様に測定するものであり、その結果を図5B(a)〜(e)に示した。
図5B(a)〜(c)から明らかなように、隙間が0.5mm、1.0mm、1.5mmの場合には、初期の最大加速度が±5Y付近に到達した後、1〜1.5X秒経過時において、ベースの場合の7X秒経過後のレベルにまで加速度が急速に収束しており、また、1〜1.5X秒経過後においても、微振動が効果的に抑制されていることが解る。したがって、隙間が0.5mm、1.0mm、1.5mmの何れの場合にも、隙間が0.0mm(ゼロタッチ)の場合と同様の傾向を示し、略同等のレベルで振動が収束していることが解る。
一方、隙間が2.0mm、2.5mmの場合には、図5B(d)(e)から明らかなように、初期の最大加速度が±3.5Y付近であり、約1.5X秒経過時において、ベースの場合の7X秒経過後のレベルにまで加速度が収束している。よって、隙間が2.0mm、2.5mmの場合における初期段階での加速度の収束は、ベースの場合に比べて急激ではあるが、隙間が0.5mm、1.0mm、1.5mmの場合に比べて少し緩やかになっている。また、約1.5X秒経過後における微振動の抑制も、隙間が0.5mm、1.0mm、1.5mmの場合に比べてやや不十分である。これらの傾向は、隙間が大きくなっていることが原因と考えられる。
以上の試験結果から、本発明に係る板ばね式制振装置は、板ばね部材1による押付量が1.5mm以下の範囲において液体封入ダンパ3の下端部を振動部材5に押し付けた状態で設置されている場合でも、また、液体封入ダンパ3の下端部と振動部材5との間に隙間が1.5mm以下の範囲で形成された状態で設置されている場合でも、ゼロタッチの場合と略同等の結果が得られ、極めて良好な制振効果が得られることが確認された。なお、隙間が2.0mm、2.5mmの場合にも、隙間が1.5mm以下の場合に比べてやや不十分ではあるが、良好な制振効果が得られることが確認された。
〔実施形態2〕
図6は本実施形態に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の要部を拡大して示す断面図である。
本実施形態の板ばね式制振装置は、液体封入ダンパ3Aの構造及び取付け方法が相違する点と、マス部材を有しない点で実施形態1のものと異なる。即ち、本実施形態における液体封入ダンパ3Aは、実施形態1における液体封入ダンパ3と同じ容器部材31、ホルダ部32、蓋部材33、液体34及び補強部材35を有するものであるが、補強部材35に対して、その中央部から外方へ突出する断面T字形状の係合部36が補強部材35と同じ樹脂で一体に設けられている。
この係合部36は、振動部材5の所定位置に取付けられた取付部材37に先端が係合されることによって、液体封入ダンパ3Aの容器部材31の底部側が、取付部材37を介して振動部材5に固定されている。また、この液体封入ダンパ3Aは、板ばね部材1に対して蓋部材33の外面(図6における上面)が接着剤で接着されている。このようにして、液体封入ダンパ3Aは、板ばね部材1と振動部材5との間に配置されている。
以上のように構成された本実施形態の板ばね式制振装置は、振動入力時に、液体封入ダンパ3Aが、振動部材5に取付けられた取付部材37から離隔することがないため、液体封入ダンパ37の減衰効果がより確実に得られるようにすることができる。なお、本実施形態の板ばね式制振装置は、上記実施形態1のものと基本的構成が同じであるので、実施形態1の場合と同様の作用及び効果を奏する。
〔実施形態3〕
図7は本実施形態に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。本実施形態の板ばね式制振装置は、図7に示すように、板ばね部材101と、支持部材102と、衝突用ゴム弾性体103と、マス部材104とから構成されている。
板ばね部材101は、所定の質量を有する鋼板により長尺状(図7の左右方向が長手方向となる長方形)に形成され、振動部材105の上面の所定位置に固着された支持部材102に、その基端部(支持部位)が支持固定されている。つまり、板ばね部材101は、支持部材102に片持ち支持されており、その先端部(本発明における「振動端部」に相当する)が振動部材105と所定距離を隔てて振動部材105と略平行となる状態に配置されている。これにより、板ばね部材101は、その先端部が振動部材105の主振動方向(図7において上下方向)と同じ方向へ自由に振動可能である。この板ばね部材101のヤング率は、1.86×1011N/mのものである。
衝突用ゴム弾性体103は、円錐形状の先端尖り部側を切断した台形錐形状となしている。衝突用ゴム弾性体103の小径側の面が下方を向くように、大径側の面を板ばね部材101の先端部の下面側に固着させている。そして、衝突用ゴム弾性体103の小径側端は、振動部材105が振動していない場合に、振動部材105の上面に接触した状態で配接されている。衝突用ゴム弾性体103は、振動部材105が振動していない場合に、振動部材105の上面にゼロタッチの状態で接触するようにしてもよいし、僅かに押圧した状態で接触するようにしてもよい。
そして、この衝突用ゴム弾性体103は、振動部材105には固着されておらず、振動部材105から離間することが可能とされている。つまり、衝突用ゴム弾性体103は、振動部材105からの振動入力時に、振動部材105から離間したり、振動部材105を押圧したりして、振動部材105に繰り返し衝突する。この衝突用ゴム弾性体103の材料は、例えば、ブチルゴム(II−R)を主成分としたものを用いている。
マス部材104は、鉄系金属により所定の質量を有するようにしてブロック状に形成されている。このマス部材104は、板ばね部材101の先端部の上面に固着されている。すなわち、マス部材104の下方には、衝突用ゴム弾性体103が位置している。なお、本実施形態では、マス部材104の質量は、2.5kgとされている。
つまり、本実施形態の板ばね式制振装置のうち振動部材105に対して振動する部位(以下、「振動部位」という)は、板ばね部材101と、衝突用ゴム弾性体103と、マス部材104となる。
以上のように、本実施形態の板ばね式制振装置において、板ばね式制振装置のうちの振動部位は、衝突による振動抑制対象である振動部材105の固有振動数より小さい固有振動数を有するようにチューニングされている。ここで、板ばね式制振装置のうち振動部位における周波数特性は、固有振動数付近における位相差が90°となり、固有振動数より大きな周波数における位相差は180°に近づくように変化し、逆に固有振動数より小さな周波数における位相差は0°に近づくように変化する。従って、板ばね式制振装置のうちの振動部位の固有振動数を上記のようにチューニングすることで、板ばね式制振装置のうち振動部位と振動部材105との位相差が90°よりも180°に近い位相差となる。
このようにすれば、振動部材105に振動が入力した際に、板ばね式制振装置の振動部位と振動部材105とが逆位相(180°)に近い位相で振動することにより相対変位する。従って、衝突用ゴム弾性体103と振動部材105とが、確実に衝突を繰り返すように動作する。この衝突により、振動部材105の振動エネルギが効果的に吸収されるため、振動部材105に入力した振動が早期に収束すると共に、振動ピーク値が低減する。また、衝突による制振効果に加えて、ダイナミックダンパとしても機能し得るため、ダイナミックダンパとしての制振効果を発揮する。この場合、本実施形態の板ばね式制振装置は、衝突しない単なるダイナミックダンパに比べて、軽量化を図ることができる。
〔試験3〕
上記実施形態3の板ばね式制振装置の制振効果を確認するために試験を行った。この試験は、JIS・A1418−2「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法・第2部:標準重量衝撃源による方法」に基づいて行った。特に、本実施形態の板ばね式制振装置5種類(試験例(A)(B)(C)(D)(E))を、建物の床板110に複数取り付け試験を行った。比較のため、制振装置を取り付けていない場合(Base)と、特開2006−322237号公報などに開示されているダイナミックダンパを設置した場合(比較例)とについて、同様の試験を行った。
本試験にて用いた板ばね式制振装置は、衝突用ゴム弾性体103を振動部材105に押し付けており(押圧力が加わった状態)、そのときの押付量(圧縮量)を1mmとしている。また、この試験に際して、図8に示すように、対象の上階床全面に、本実施形態の板ばね式制振装置D又はダイナミックダンパを床板110に分散配置した。つまり、図8に示すように、床板110は、矩形枠状に組まれた梁111により囲まれる領域に敷き詰めるように並列状に複数枚(図8においては10枚)配置されている。そして、図8に示すように、それぞれの床板110に、2個の板ばね式制振装置D又はダイナミックダンパを固定する。なお、図8においては、板ばね式制振装置Dなどの固定箇所を、20箇所として図示している。そして、図8の破線丸印にて示す床上面のうち床平面全体における中央点及びその周囲複数点(図8においては合計5点)のそれぞれに規定の標準重量衝撃源を用いて衝撃を与え、下階室内の複数点にて音圧レベルを測定した。
この試験条件及び試験結果を図9及び図10に示す。図9は、試験条件としての、マス部材104の質量、板ばね式制振装置又はダイナミックダンパの振動部位の固有振動数、これらの設置数量、設置するマス部材104の総質量、床質量に対するマス部材104の総質量の比率(対床質量比率)を示し、試験結果としての等級値(L値)及び制振装置を取り付けていない場合に比べた衝撃音低減値を示す。
図9に示すように、試験例(A)〜(E)の板ばね式制振装置の振動部位の固有振動数は53Hzに設定している。これは、床板110の60Hz付近の振動に対して衝突により低減すると共に、床板110の50〜55Hz付近の振動に対してダイナミックダンパとして機能させることにより低減することを狙ったものである。換言すると、本試験において、衝突による振動抑制対象である床板110の固有振動数は60Hzであり、ダイナミックダンパとして機能させることによる振動抑制対象の床板110の固有振動数は50〜55Hzである。また、比較例としてのマルチ型ダイナミックダンパは、50Hzと60Hzの2種の固有振動数を有するものを20個配置している。このマルチ型ダイナミックダンパのマス部材の質量は7.5kgである。図10は、5種類の試験例および比較例について、対床質量比率に対する衝撃音低減値を示す。
図9及び図10に示すように、試験例(A)〜(E)の全てが、制振装置を取り付けていない場合に比べて、衝撃音低減値が4〜7[dB]となった。そして、対床質量比率が大きくなるほど、衝撃音低減効果が大きくなった。そして、比較例としてのダイナミックダンパは、衝撃音低減値が5.8[dB]となった。ここで、比較例と同等の衝撃音低減値を得ることができる試験例は、(C)である。この両者の対床質量比率を比べると、比較例における対床質量比率が22.5%であるのに対し、試験例(C)の対床質量比率は10.5%である。つまり、本実施形態の板ばね式制振装置によれば、比較例であるダイナミックダンパと同等の衝撃音低減効果を発揮するようにするには、対床質量比率を約半分以下としても十分である。
また、図11に試験例(C)、比較例、および、制振装置を取り付けていない場合(Base)について、オクターブバンド中心周波数に対する衝撃音レベルを示す。この図11には、等級値(L値)も合わせて表示している。図11に示すように、本実施形態では、周波数帯が63Hz以外の帯域においても、衝撃音レベルを低減している。そして、比較例であるダイナミックダンパに比べて、僅かに劣る帯域があるが、十分に衝撃音低減効果を発揮していると言える。このように、本実施形態の板ばね式制振装置によれば、軽量化を図りつつ、衝撃音低減効果を得ることができる。
また、上記JIS規格に基づく試験に併せて、床に衝撃を与えた場合の床振動を計測した。具体的には、床の複数箇所のそれぞれに規定の標準重量衝撃源を用いて衝撃を与えた場合に、床上面の複数箇所に生じる振動を加速度センサにより計測した。
この結果を図12に示す。図12に示すのは、計測結果のうちある一つを示したものである。図12において太線にて示すのは、制振装置を取り付けていない場合であり、細線にて示すのは、本実施形態の板ばね式制振装置を取り付けた場合である。図12により明らかなように、本実施形態の板ばね式制振装置を取り付けることで、振動のピーク値を低減することができると共に、振動を早期に収束することができる。つまり、発生する衝撃音を低減することができると共に、発生した衝撃音を早期に低減することができる。
また、上記においては、遮音性能を発揮するような構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、床などの振動そのものを低減するような構成とすることも可能である。そして、適用対象としても、建物に限られず、振動を抑制させたいあらゆる振動部材であれば、適用可能である。
〔実施形態4〕
図13(a)は本実施形態に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の左側面図であり、図13(b)は本実施形態に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。本実施形態の板ばね式制振装置は、図13(a)(b)に示すように、振動部材105としての、板状部材により二方向の側面が開口した箱状に構成された構造物(例えば、建物の根太)に対して内部に収納された状態で取り付けられるものであって、板部材121と、マス部材124と、衝突用ゴム弾性体123とから構成されている。
板部材121は、鋼板を屈曲形成してなり、固定部材121aと板ばね部材121bとを一体的にする構成からなる。固定部材121aは、長尺の平板状に形成され、2箇所の貫通孔が形成されると共に、その一方面にナットが溶接されている。この固定部材121a(本発明の「振動部材側取付部材」に相当する)は、振動部材105の上面に配置され、振動部材105の外側下面から挿入したボルトを螺合することにより、振動部材105に一体的に取り付けられる。
板ばね部材121bは、L字型形状をなし、その一端が固定部材121aの端部に結合している。具体的には、板ばね部材121bは、一方面が固定部材121aの端部から立設し、他方面が固定部材121aに平行に対向している。そして、板ばね部材121bのうち固定部材121aに対向する他方面の長手方向(図13(b)の左右方向)の長さは、固定部材121aの長手方向長さの4分の1程度の長さに形成されている。つまり、板部材121は、対向辺の長さの異なるコの字型形状をなしている。
従って、板ばね部材121bは、固定部材121aとの結合部位を支持点として、固定部材121aの対向辺の先端部(本発明における「振動端部」に相当する)が、図13(b)の上下方向へ振動可能となる。なお、振動部材105の主振動方向は、図13(a)(b)の上下方向であるので、当該先端部は、振動部材105の主振動方向と同じ方向へ振動可能なように、固定部材121aを介して振動部材105に支持固定されている。
マス部材124は、鉄系金属により所定の質量を有するようにして直方ブロック状に形成されている。マス部材124は、その先端部が板ばね部材121bの先端部に対して基端部の反対側に位置するように、その基端部が板ばね部材121bの先端部に固着されている。そして、マス部材124の長手方向が、板ばね部材121bの支持部位から先端部とを結ぶ方向となるようにされている。そして、このマス部材124の長手方向長さ、すなわちマス部材124の基端部から先端部までの長さは、板ばね部材121bの長手方向長さ、すなわち板ばね部材121bの支持部位から先端部までの長さよりも長い。
衝突用ゴム弾性体123は、有底筒状部123aと、衝突部123bとから構成される。有底筒状部123aは、矩形凹部が形成されており、マス部材124の先端部の外周面に圧入により挿入される。衝突部123bは、有底筒状部123aと一体成形された弾性体からなる。具体的には、衝突部123bは、円錐形状の先端尖り部側を切断した台形錐形状となしており、衝突部123bの小径側の面が下方を向くように、大径側の面を有底筒状部123aの外側面に固着させている。そして、衝突部123bの小径側端は、振動部材105が振動していない場合に、固定部材121aの上面に接触した状態で配接されている。衝突部123bは、振動部材105が振動していない場合に、固定部材121aの上面にゼロタッチの状態で接触するようにしてもよいし、僅かに押圧した状態で接触するようにしてもよい。
つまり、本実施形態の板ばね式制振装置のうち振動部材105に対して振動する部位(以下、「振動部位」という)は、板ばね部材121bと、マス部材124と、衝突用ゴム弾性体123となる。そして、これら振動部位の固有振動数は、上記実施形態3と同様、振動部材105の固有振動数よりも小さくなるようにチューニングされている。
以上のように、本実施形態の板ばね制振装置は、板ばね部材121bの長手方向長さを短くしている。ここで、板ばね部材121bは、マス部材124に比べて、剛性が小さい。そのため、板ばね部材121bの長手方向長さが長くなると、その分、剛性を確保することが困難となる。しかし、板ばね部材の長手方向長さを、マス部材124の長手方向長さより短くすることで、十分な剛性を確保できる。また、マス部材124の質量が同じ場合に、長手方向に長い形状の方が、板ばね部材121bの支持部位とマス部材124の先端部との離間距離が長くなるので、マス部材124の先端部での振幅力が大きくなり、衝突力が大きくなる。
さらに、衝突用ゴム弾性体123の有底筒状部123aをマス部材124の先端に圧入により挿入している。ここで、マス部材124は板厚方向の厚みが十分に大きい。従って、有底筒状部123aをマス部材124の先端に圧入することで、両者の接触面積を十分に確保できる結果、十分な圧入代を確保できる。これにより、衝突用ゴム弾性体123がマス部材124から離脱することを防止できる。
さらに、本実施形態では、衝突用ゴム弾性体123の衝突部123bは、板ばね部材121bに一体成形されている固定部材121aに衝突する。つまり、衝突部123bによる衝突力は、固定部材121aの形状および固定部材121aとの位置関係による。従って、衝突部123bによる衝突力は、振動部材105の形状とは、無関係となる。つまり、振動部材105の形状に影響を受けることなく、且つ、振動部材105に板ばね式制振装置を取り付ける前に、衝突力を確実に調整しておくことが可能となる。
〔実施形態4の変形態様〕
上記実施形態4においては、衝突用ゴム弾性体123が有底筒状部123aを有するようにして、有底筒状部123aをマス部材124の先端に圧入することとした。この他に、図14に示すように、上述した衝突用ゴム弾性体123のうちの衝突部123bに相当する部分のみを、直接マス部材124に固着されるようにしてもよい。例えば、接着剤を用いたり、加硫接着により固着することができる。
〔実施形態5〕
上記実施形態4においては、衝突用ゴム弾性体123をマス部材124に取り付けたが、図15に示すように、衝突用ゴム弾性体133を固定部材121aに固定することもできる。この場合、衝突用ゴム弾性体133は、振動部材105が振動していない場合に、マス部材124に対して接触した状態で設置されている。ただし、衝突用ゴム弾性体133は、マス部材124に固着されておらず、マス部材124から離間することが可能とされている。つまり、衝突用ゴム弾性体133は、マス部材124から離間したり、マス部材124から押圧されたりして、マス部材124に繰り返し衝突する。この場合も、上記実施形態3、4と同様の効果を奏する。
〔実施形態6〕
図16は本実施形態に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。上記実施形態においては、板ばね式制振装置は、振動部材の上面に取り付けたが、本実施形態においては、振動部材の下面に取り付ける。すなわち、図16に示すように、本実施形態の板ばね式制振装置は、固定部材141と、板ばね部材142と、マス部材143と、衝突用ゴム弾性体144と、落下防止部材145とから構成されている。
固定部材141は、長尺の平板状に形成され、2箇所の貫通孔が形成されると共に、図16の左側の貫通孔の下方面にナットが溶接されている。板ばね部材142は、鋼板をクランク状に屈曲形成してなり、一端面が固定部材141の図16の右側下面に溶接されている。つまり、板ばね部材142は、固定部材141の下面から下方に立設し、他端面が固定部材141に平行に対向している。さらに、この板ばね部材142の溶接面には、固定部材141に形成された貫通孔に連通するように、貫通孔が形成され、その下面にナットが溶接されている。そして、固定部材141及び板ばね部材142は、振動部材105の下面に配置され、振動部材105の上面から挿入したボルトを螺合することにより、振動部材105に一体的に取り付けられる。
マス部材143は、板ばね部材142の他端面の端部に固着されている。そして、衝突用ゴム弾性体144は、その有底筒状部144aがマス部材143の先端部の外周面に圧入により挿入されており、その衝突部144bが有底筒状部144aより上方に突出するように一体成形されている。そして、振動部材105が振動していない場合に、衝突部144bの先端が、固定部材141の下面に接触した状態で配設されている。つまり、本実施形態は、実質的に、上述した実施形態4の上下反転させた状態となる。この場合も、上記実施形態4と同様の効果を奏することを確認できた。
落下防止部材145は、固定部材141に一体成形されており、マス部材143の下方に延在するように屈曲形成されている。つまり、落下防止部材145は、マス部材143が大きく振動する場合に、マス部材143の下面に当接して、その振幅を抑制させる効果を奏する。つまり、落下防止部材145は、マス部材143の過大変位を抑制することにより、マス部材143が板ばね部材142から離脱することを防止している。
〔実施形態7〕
図17は本実施形態に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。図17に示すように、本実施形態の板ばね式制振装置は、固定部材141と、補助固定部材146と、板ばね部材142と、マス部材143と、衝突用ゴム弾性体147と、落下防止部材145とから構成されている。
補助固定部材146は、クランク状に屈曲形成してなり、一端面が固定部材141のうち板ばね部材142が溶接されている側とは反対端部に溶接されている。そして、補助固定部材146の他端面が、マス部材143の先端部から下方に所定距離隔てた位置に配置されている。そして、衝突用ゴム弾性体147は、その有底筒状部147aがマス部材143の先端部の外周面に圧入により挿入されており、その衝突部147bが有底筒状部144aより下方に突出するように一体成形されている。そして、振動部材105が振動していない場合に、衝突部147bの先端が、補助固定部材146の上面に接触した状態で配設されている。つまり、振動部材105が振動する際に、衝突部147bは、補助固定部材146の他端面に衝突する。
この場合、板ばね部材141が振動部材105の下面に支持固定される場合であっても、マス部材143と補助固定部材146とが衝突する位置が、必ず、マス部材143の先端部の下方となる。そして、元々、重力により、板ばね部材141の支持部位を中心として、板ばね部材141の先端部は下方へ撓む。つまり、振動部材105が振動していない状態において、マス部材143と補助固定部材146とが接触した状態とすることが容易となる。
〔他の実施形態〕
上記実施形態においては、板ばね部材により片持ち支持となる構成として説明した。この他に、図18に示すような構成とすることもできる。図18に示すように、支持部材151を中心として、板ばね部材152の両端にそれぞれ弾性体153a、153bとマス部材154a、154bとを備えるようにする。この場合には、支持部材151から板ばね部材152の両端までのそれぞれの長さ、両側のマス部材154a、154bの質量などを調整することで、2種類の固有振動数を有するようにできる。
本発明の実施形態1に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。 (a)は本発明の実施形態1に係る板ばね式制振装置に用いられた液体封入ダンパの断面図であり、(b)はその変形例に係る液体封入ダンパの断面図である。 本発明の実施形態1の変形例に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。 (a)〜(c)試験1における試験結果を示すデータであって、(a)は比較例のグラフ、(b)は変形例のグラフ、(c)は実施形態のグラフである。 (a)〜(e)試験2における試験結果を示すデータであって、(a)はベースのデータ、(b)〜(e)は押付量を1.5mmから0.0mmの範囲で0.5mm毎に変化させた場合の各押付量についてのデータである。 (a)〜(e)試験2における試験結果を示すデータであって、隙間を0.5mmから2.5mmの範囲で0.5mm毎に変化させた場合の各隙間についてのデータである。 本発明の実施形態2に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。 試験3における板ばね式制振装置の取り付け状態を示す図である。 試験3の試験条件及び試験結果を示す図である。 試験3の試験結果を示すデータであって、対床質量比率に対する衝撃音低減値についてのデータである。 試験3の試験結果を示すデータであって、オクターブバンド中心周波数に対する衝撃音レベルについてのデータである。 試験3の試験結果を示すデータであって、経過時間に対する床の振動の加速度についてのデータである。 (a)は本発明の実施形態4に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の左側面図であり、(b)はその板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。 実施形態4の変形態様を示す図である。 実施形態5に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。 実施形態6に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。 実施形態7に係る板ばね式制振装置を振動部材に取り付けた状態の正面図である。 他の実施形態を示す図である。
符号の説明
1…板ばね部材 11…装着孔 2…支持部材 3、3A…液体封入ダンパ 31…容器部材 31a…可撓部 32…ホルダ部 33…蓋部材 34…液体 35…補強部材 36…係合部 37…取付部材 38…攪拌部 4…マス部材 5…振動部材
101、121b、142、152…板ばね部材
102、151…支持部材
103、123、133、144、147、153a、153b…衝突用ゴム弾性体
104、124、143、154a、154b…マス部材
105…振動部材 110…床板 111…梁
121…板部材 121a、141…固定部材
123a、144a、147a…有底筒状部
123b、144b、147b…衝突部
145…落下防止部材 146…補助固定部材

Claims (18)

  1. 所定の質量を有する剛性板材により形成され、振動部材に対して、該振動部材の主振動方向と同じ方向へ一端部又は両端部が振動可能なように所定の一箇所の支持部位が支持固定された板ばね部材と、
    該板ばね部材の振動端部側に固定されると共に、前記振動部材と接触した状態で又は前記振動部材との間に所定の隙間を形成した状態で、前記板ばね部材と前記振動部材との間に配置された液体封入ダンパと、
    から構成されていることを特徴とする板ばね式制振装置。
  2. 前記板ばね式制振装置のうち前記振動部材に対して振動する部位は、前記振動部材の振動抑制対象の固有振動数よりも小さい固有振動数を有するようにチューニングされていることを特徴とする請求項1に記載の板ばね式制振装置。
  3. 前記液体封入ダンパは、少なくとも一部に弾性変形可能な可撓部を有する容器部材と、該容器部材の内部に封入された液体とを備えたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の板ばね式制振装置。
  4. 前記液体封入ダンパは、前記板ばね部材の先端部に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の板ばね式制振装置。
  5. 前記液体封入ダンパの前記振動部材と接触する部位には、補強部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の板ばね式制振装置。
  6. 前記液体封入ダンパの前記振動部材と接触した状態に配置される部位は、前記振動部材に固定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の板ばね式制振装置。
  7. 前記液体封入ダンパと前記振動部材との間に形成される前記隙間は、0〜5mmとされていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の板ばね式制振装置。
  8. 前記板ばね部材の長さ寸法は、50〜700mmの範囲とされていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の板ばね式制振装置。
  9. 前記板ばね部材の前記振動端部側には、マス部材が設置されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の板ばね式制振装置。
  10. 前記マス部材の質量は、前記振動部材の総重量の1〜20%の範囲とされていることを特徴とする請求項9に記載の板ばね式制振装置。
  11. 所定の質量を有する剛性板材により形成され、振動部材に対して、該振動部材の主振動方向と同じ方向へ一端部又は両端部が振動可能なように所定の一箇所の支持部位が支持固定された板ばね部材を備え、
    振動入力時に、前記板ばね部材の振動端部又は前記振動端部に一体的に取り付けられた板ばね側取付部材が、前記振動部材又は前記振動部材に一体的に取り付けられた振動部材側取付部材に衝突することにより前記振動部材の振動を抑制する板ばね式制振装置であって、
    前記板ばね部材の前記振動端部又は前記板ばね側取付部材は、前記振動部材が振動していない場合に前記振動部材又は前記振動部材側取付部材に接触した状態に配設され、
    前記板ばね式制振装置のうち前記振動部材に対して振動する部位は、前記衝突による振動抑制対象である前記振動部材の固有振動数より小さい固有振動数を有するようにチューニングされていることを特徴とする板ばね式制振装置。
  12. 前記板ばね側取付部材及び前記振動部材側取付部材の少なくとも何れか一方は、弾性体からなることを特徴とする請求項11に記載の板ばね式制振装置。
  13. 前記板ばね部材の前記振動端部側には、マス部材が設置されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の板ばね式制振装置。
  14. 前記板ばね部材のうち前記支持部位と前記振動端部とを結ぶ方向を長手方向と定義した場合に、
    前記マス部材は、その先端部が前記振動端部に対して前記支持部位の反対側に位置するように、その基端部が前記板ばね部材の前記振動端部に取り付けられ、
    前記マス部材の前記長手方向の長さは、前記板ばね部材の前記長手方向の長さより長く形成されていることを特徴とする請求項13に記載の板ばね式制振装置。
  15. 前記板ばね側取付部材は、弾性体からなり前記マス部材の外周面に圧入により挿入される筒状部と、前記筒状部に一体成形された弾性体からなり前記振動部材又は前記振動部材側取付部材に衝突する衝突部と、を備えることを特徴とする請求項13又は14に記載の板ばね式制振装置。
  16. 前記振動部材側取付部材は、前記板ばね部材に固定され、
    前記板ばね部材の前記振動端部又は前記板ばね側取付部材は、振動入力時に前記振動部材側取付部材に衝突することを特徴とする請求項11〜15の何れか一項に記載の板ばね式制振装置。
  17. 前記板ばね部材は、前記振動部材の下面に支持固定され、
    前記振動部材側取付部材は、前記板ばね部材の前記振動端部又は前記板ばね側取付部材の下方に配置するように形成され、その上面に前記振動端部又は前記板ばね側取付部材が衝突することを特徴とする請求項11〜16の何れか一項に記載の板ばね式制振装置。
  18. 前記板ばね部材は、前記振動部材の下面に支持固定され、
    前記板ばね部材の前記振動端部又は前記板ばね側取付部材の上方が、前記振動部材又は前記振動部材側取付部材に衝突することを特徴とする請求項11〜16の何れか一項に記載の板ばね式制振装置。
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