JP2009030511A - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents
内燃機関の排気還流装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009030511A JP2009030511A JP2007194527A JP2007194527A JP2009030511A JP 2009030511 A JP2009030511 A JP 2009030511A JP 2007194527 A JP2007194527 A JP 2007194527A JP 2007194527 A JP2007194527 A JP 2007194527A JP 2009030511 A JP2009030511 A JP 2009030511A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve
- intake valve
- internal combustion
- combustion engine
- intake
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
- Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Abstract
【課題】効果的な位置にEGRガスを配置することにより、適切な量のEGRガスにて燃焼温度の上昇を抑えることができる内燃機関の排気還流装置を提供する。
【解決手段】吸気バルブ15の傘部15aにフラップを設けて、吸気バルブ15にて吸気ポート12の開口部12aが開かれた際に、吸気ポート12に導入されたEGRガスを含むガスの流れをフラップを利用して複数の流れに分割する。
【選択図】図2
【解決手段】吸気バルブ15の傘部15aにフラップを設けて、吸気バルブ15にて吸気ポート12の開口部12aが開かれた際に、吸気ポート12に導入されたEGRガスを含むガスの流れをフラップを利用して複数の流れに分割する。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関のシリンダへ空気を導く吸気装置に排気通路から取り出した排気の一部をEGRガスとして導入する内燃機関の排気還流装置に関する。
内燃機関の排気還流装置として、シリンダ内に燃料を噴射する燃料噴射ノズルの近傍に排気の一部であるEGRガスを噴射する副噴射ノズルを備え、燃料噴射開始前等にEGRガスをシリンダ内に噴射させるものが知られている(特許文献1)。その他、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献2〜6が存在する。
特許文献1の排気還流装置は、副噴射ノズルによって燃料噴射ノズルの噴孔を囲むようにEGRガスを分布させた後に燃料が噴射することによって、燃料噴射ノズルが噴射する燃料噴霧にEGRガスが巻き込まれる。しかし、燃料噴霧に巻き込まれるEGRガスの量は、主に燃料噴霧がEGRガスを巻き込む力により決定されるため、EGRガスの過不足が生じ易い。そのため、燃焼温度の上昇を適切な量のEGRガスにて十分に抑えることができない可能性がある。
そこで、本発明は、効果的な位置にEGRガスを配置することにより、適切な量のEGRガスにて燃焼温度の上昇を抑えることができる内燃機関の排気還流装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の排気還流装置は、シリンダに開口する開口部を有する吸気ポートと、前記吸気ポートの前記開口部を開閉できる傘部及び前記傘部の上面側から直線的に延びるステム部を有する吸気バルブとを有し、前記シリンダの中心線の回りを旋回するスワールを前記シリンダ内に形成できる吸気装置を備えた内燃機関に適用される内燃機関の排気還流装置において、前記内燃機関の排気通路から取り出した排気の一部をEGRガスとして前記吸気ポート内に導入できる導入手段と、前記吸気バルブの前記傘部の上面に設けられ、かつ前記傘部の半径方向及び前記ステム部の軸線方向のそれぞれに延びる板状部材を有し、前記吸気バルブにて前記開口部が開かれた際に、前記導入手段が導入したEGRガスを含むガスの流れを前記板状部材を利用して複数の流れに分割できる分割手段と、を備えることにより上述した課題を解決する(請求項1)。
この排気還流装置によれば、導入手段にて吸気ポート内に導入されたEGRガスを含む流れが吸気バルブの傘部に設けられた板状部材にて複数の流れに分割される。板状部材にて分割された流れはシリンダの異なる位置に導かれて、シリンダ内に形成されたスワールに巻き込まれる。スワールにEGRガスが巻き込まれる位置は板状部材にて分割された流れの状態によって異なるから、例えば板状部材のシリンダに対する設置角度を適宜設定して分割された流れの流量等の流れの状態を変化させることにより、シリンダ内の所望の場所にEGRガスを配置できる。それにより、適用対象となる内燃機関の仕様に適したEGRガスの配置を実現できる。
本発明の一態様においては、前記吸気バルブを前記ステム部の軸線の回りに回転させることができ、かつ前記吸気バルブの回転位置を所定位置に保持できるバルブ回転手段と、前記内燃機関の運転状態に応じて前記吸気バルブの回転位置が変化するように、前記バルブ回転手段を制御する制御手段と、を更に備えてもよい(請求項2)。内燃機関の運転状態が変わることで運転状態に適したEGRガスの配置状態も変化する。この態様によれば、運転状態に応じて吸気バルブの回転位置が変化することにより板状部材のシリンダに対する角度が変わる。このため、その回転位置を適宜設定することにより内燃機関の運転状態の変化に対してEGRガスの配置状態を合わせ込むことが可能となる。これにより、内燃機関の運転状態のそれぞれに適したEGRガスの配置が可能となるので、内燃機関の運転状態の変化に伴うEGRガスの過不足を防止できる。
この態様においては、前記内燃機関には前記シリンダの中央部から放射状に前記シリンダ内へ燃料を噴射できる燃料噴射弁が設けられており、前記制御手段は、前記燃料噴射弁による燃料噴射量が多い場合は少ない場合に比べて前記シリンダの中心線及び前記ステム部の軸線のそれぞれと直交する基準線に対する前記板状部材の傾斜角が小さくなるように、前記バルブ回転機構を制御してもよい(請求項3)。燃料噴射量が多い場合は少ない場合よりも燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧がシリンダの中心から遠くまで到達する。燃料噴霧の先端から燃焼が開始するため、その先端をEGRガスで冷却することが効果的である。この態様によれば、燃料噴射量が多い場合は少ない場合に比べて基準線に対する板状部材の傾き角が小さくなる結果、シリンダの中心から遠い側へ多くのEGRガスが導かれる。このため、シリンダの中心から遠い側にEGRガスを偏在させることができ燃料噴霧の先端を効果的に冷却できる。逆に、燃料噴射量が少ない場合は多い場合に比べて基準線に対する板状部材の傾き角が大きくなる結果、シリンダの中心に近い側へ多くのEGRガスが導かれる。このため、シリンダの中心に近い側にEGRガスを偏在させることができ燃料噴霧の先端を効果的に冷却できる。このように、燃料噴射量の変化に合わせてEGRガスを配置を変えることができるため、EGRガスによる効率的な冷却が実現される。
本発明の一態様において、前記分割手段は、前記シリンダの中心線及び前記ステム部の軸線のそれぞれと直交する基準線に対する角度が互いに相違するように、前記板状部材が前記傘部の周方向に関して複数個並べられた板状部材群を有していてもよい(請求項4)。この場合には、複数の板状部材によって流れの方向が互いに異なる複数の流れに分割される。そのため、これらの流れがスワールに巻き込まれ始まる開始位置は流れ毎に相違するから、これらの流れがスワールに巻き込まれて随伴する距離が互いに異なる。これにより、シリンダの周方向に関して濃淡がある濃度分布となるようなEGRガスの配置が可能になる。
この態様において、板状部材の数及びその設置位置は適宜に定めてよい。例えば、前記内燃機関には、前記シリンダの中央部から放射状に前記シリンダ内へ燃料を噴射するための複数の噴孔を持つ燃料噴射弁が設けられており、前記板状部材群は、前記燃料噴射弁の前記複数の噴孔からそれぞれ噴射される燃料噴霧の位置におけるEGRガスの濃度が他の位置よりも濃くなるように、前記燃料噴射弁が持つ前記噴孔の数と関連する数の前記板状部材を有し、かつ前記関連する数の前記板状部材の各設置位置が設定されていてもよい(請求項5)。噴孔の数は燃料噴射弁が噴射する燃料噴霧の数と等しい。このため、それらの燃料噴霧の位置におけるEGRガスの濃度が他の位置よりも濃くなるように、板状部材群が噴孔の数と関連する数の板状部材を有し、かつこれらの板状部材の設置位置が設定されることにより、EGRガスの濃度の濃淡を燃料噴霧に対応させることができる。その関連する数として、例えば、噴孔の数と同数、噴孔の数が2より大きな偶数個の場合は噴孔の数の1/2、及び噴孔の数が3より大きな奇数個の場合は噴孔の数の1/3、等を例示することができる。これらのうち、噴孔の数と同数の板状部材を板状部材群が持つ場合は、シリンダの周方向に関して、燃料噴霧の位置のEGRガスの濃度を濃く、それ以外の位置のEGRガスの濃度を薄くすることが可能となり、EGRガスのガス量を必要最小限に留めることができる。
また、板状部材群に含まれる板状部材の各設置位置は適宜決定してよい。例えば、前記板状部材群に含まれる前記板状部材の各設置位置は、前記吸気バルブから前記板状部材群が除かれた仮想吸気バルブの存在を仮定し、前記開口部が前記仮想吸気バルブにて開かれることにより前記仮想吸気バルブの前記傘部の上面側を流れる流れを考慮して決定されてもよい(請求項6)。この場合、仮想吸気バルブは板状部材群の存在を除いて吸気バルブと同一構成を有しているので、その仮想吸気バルブの傘部の上面側の流れを考慮することにより、各板状部材にて分割される複数の流れの状態を正確に見積ることができるようになる。具体的には、前記仮想吸気バルブの前記傘部の上面側中央部における複数の流速ベクトルの先端を相互に結んだ閉曲線を前記ステム部の軸線と直交する平面に投影し、前記平面に投影された閉曲線にて囲まれた面積を前記板状部材の数と同数に均等に分割できかつ前記軸線と前記平面との交点から延びる複数の直線を得ることにより、前記複数の直線の位置が前記各設置位置として決定されていてもよい(請求項7)。この場合、ステム部の軸線と直交する平面に投影された閉曲線の面積は傘部の上面側中央部における流量に相当する。その面積を板状部材の数と同数に均等に分割する複数の直線の位置に各板状部材が設置されることで、各板状部材にて分割される複数の流れの流量が揃うことになる。これにより、シリンダの周方向に並ぶEGRガスの濃度が濃い部分のそれぞれの濃さのばらつきを抑えることができる。
また、前記吸気バルブを前記ステム部の軸線の回りに回転させることができ、かつ前記吸気バルブの回転位置を所定位置に保持できるバルブ回転手段と、前記シリンダ内に形成されるスワールの強さに応じて前記吸気バルブの回転位置が変化するように、前記バルブ回転手段を制御する制御手段と、を更に備えてもよい(請求項8)。スワールの強さが強まると燃料噴霧がスワールの進行方向に流されるため、スワールの強さが弱い場合よりもEGRガスを配置すべき位置がシフトする。この態様によれば、スワールの強さに応じて吸気バルブの回転位置が変化するので、そのようなシフトに伴うEGRガスの位置ずれを解消することができる。
また、一回の吸気行程における前記吸気バルブのリフト量、リフト時期及びリフト回数を含む動弁特性を変更可能に構成され、かつ所定の動弁特性にて前記吸気バルブを開閉駆動できるバルブ駆動手段を更に備え、前記制御手段は、前記シリンダ内に形成されるスワールの強さが強い場合は弱い場合に比べて一回の吸気行程における前記リフト回数が多くなるように前記バルブ駆動手段を制御してもよい(請求項9)。スワールの強さが強まることにより燃料噴霧がスワールの進行方向に流されるが、特に燃料噴霧の先端に向かうほどスワールにて大きく流される。その結果、燃料噴霧の形状が二次元的に留まらず三次元的に変化する。この態様によれば、一回の吸気行程の間に時期をずらしてEGRガスがシリンダ内に導入されるので、シリンダの上下方向に関してEGRガスの配置を変えることができる。スワールの強さが強いほど燃料噴霧の三次元的な変化が顕著になるが、この態様はスワールの強さが強いほどリフト回数が増えてシリンダの上下方向に関するEGRガスの配置状態を変化させる幅が広がるので、スワールの強さに応じて適切なEGRガスの配置が可能になる。
また、前記制御手段は、前記吸気バルブのリフト量及び前記リフト時期の少なくとも一方が前記内燃機関の運転状態に応じて変化するように前記バルブ駆動手段を制御してもよい(請求項10)。内燃機関の運転状態として、例えば燃料噴射時期、燃料噴射量、燃料噴射圧が変化すると、燃料噴霧の到達位置が変わる。それにより、EGRガスの配置に適した位置も変化する。この態様によれば、吸気バルブのリフト量及びリフト時期の少なくとも一方が内燃機関の運転状態に応じて変化するため、EGRガスの配置に適した位置の変化に対して適切に対応できる。
また、前記制御手段は、前記シリンダ内に形成されるスワールの強さが弱い第1状態からその強さが強い第2状態へ変化する場合、前記第1状態に対応した前記吸気バルブの回転位置及び動弁特性を前記第2状態に対応した前記吸気バルブの回転位置及び動弁特性へ複数回の吸気行程を経て変更する過程で、前記第1状態に対応した前記吸気バルブの回転位置が維持された状態で前記シリンダ内へのEGRガスの導入量が増量するように前記吸気バルブの動弁特性を変更する増量操作を前記バルブ回転手段及び前記バルブ駆動手段に対して実行し、その後の吸気行程で、前記増量操作にて変更された後の動弁特性が維持された状態で前記吸気バルブの回転位置を前記第2状態に対応した回転位置に変更する回転操作を前記バルブ回転手段及び前記バルブ駆動手段に対して実行し、その後の吸気行程で、前記回転操作にて変更された回転位置が維持された状態で前記シリンダ内へのEGRガスの導入量が前記増量操作にて増量された量から前記第2状態に対応した量へ減量するように前記吸気バルブの動弁特性を前記第2状態に対応した動弁特性に変更する減量操作を前記バルブ回転手段及び前記バルブ駆動手段に対して実行してもよい(請求項11)。スワールの強さが第1状態から第2状態へ変化する場合、これらの状態に適した吸気バルブの回転位置及び動弁特性を一気に変更しても、EGRガスの配置状態の変更が間に合わないため、その過渡状態において燃焼変動が大きくなる。この態様によれば、第1状態に対応した吸気バルブの回転位置及び動弁特性から第2状態に対応した吸気バルブの回転位置及び動弁特性へ変更する過程において、増量操作、回転操作及び減量操作が複数の吸気行程を経て実行される。これらの操作によって配置状態が徐々に変化していくことになるため、過渡状態における燃焼変動を抑制することができる。
この増量操作はEGRガスの導入量が増量するものであれば形態は問わない。例えば、前記増量操作は、複数回の吸気行程を経て前記バルブ回転手段及び前記バルブ駆動手段に対して実行されるものであり、かつ前記第1状態に対応したリフト時期及びリフト回数が維持された状態で前記吸気バルブの2回目のリフトにおけるリフト量を増加するリフト量増加操作、前記リフト量増加操作にて増加された2回目のリフトのリフト量が維持された状態で、2回目のリフトの後に前記吸気バルブの3回目のリフトが行われるようにリフト回数を変更するリフト回数変更操作、及び前記リフト量増加操作にて増加された前記吸気バルブの2回目のリフトのリフト量が維持されかつ前記リフト回数変更操作にて変更されたリフト回数が維持された状態で前記吸気バルブの2回目のリフトのリフト時期を進角させるリフト時期進角操作を含んでいてもよい(請求項12)。これらの操作を含むことにより、過渡状態における燃焼変動を適切に抑制することができる。
また、前記内燃機関には、排気中の成分を検出する排気成分検出手段が設けられており、前記制御手段は、前記排気成分検出手段が検出した特定成分に基づいて、前記燃料噴射弁が噴射した燃料噴霧と前記シリンダ内に導入されたEGRガスとの重なり具合を推定する推定手段と、前記推定手段の推定結果に基づいて前記重なり具合が改善する方向に前記吸気バルブの回転位置を補正する補正手段とを有していてもよい(請求項13)。燃料噴霧の位置におけるEGRガスの濃度が他の位置よりも濃くなる関係が成立していても、例えば経時変化等の事後的な原因でその関係が崩れることが予想される。そのような関係が崩れて燃料噴霧とEGRガスとの重なり具合が悪化すると、EGRガスによるエミッションの改善効果が悪化する関係にあるため、排気中の特定成分に基づいてその重なり具合を推定することができる。この態様によれば、重なり具合の推定結果に基づいてその重なり具合が改善する方向に吸気バルブの回転位置が補正されるため、上述したような経時変化等が発生しても燃料噴霧の位置におけるEGRガスの濃度が他の位置よりも濃くなる関係を維持することができる。
この場合、前記制御手段は、前記補正手段による補正後において前記重なり具合が改善しない場合に前記吸気バルブを現在位置から任意に回転させる故障解消操作を前記回転手段に対して実行する故障解消手段を更に備えてもよい(請求項14)。補正手段による補正が実行されても重なり具合が改善しない場合は吸気バルブの回転方向の固着等の故障が考えられる。この態様によれば、そのような場合は吸気バルブを現在位置から任意に回転させる故障解消操作が行われるため、吸気バルブの回転方向の固着がその原因である場合にはそのような故障を装置自身によって解消できる。更に、前記制御手段は、前記故障解消操作の実行後に前記重なり具合が所定レベルを超えて変化しない場合に前記内燃機関の運転を停止させる機関停止手段を更に備えてもよい(請求項15)。故障解消操作の実行後に重なり具合の変化が所定レベルを超えない場合は故障が解消されないと判断できる。そのような場合に機関停止手段が内燃機関を停止することによって安全を確保することができる。
以上説明したように、本発明によれば、板状部材にて分割された流れはシリンダの異なる位置に導かれて、シリンダ内に形成されたスワールに巻き込まれる。スワールにEGRガスが巻き込まれる位置は板状部材にて分割された流れの状態によって異なるから、例えば板状部材のシリンダに対する設置角度を適宜設定して分割された流れの流量等の流れの状態を変化させることにより、シリンダ内の所望の場所にEGRガスを配置できるようになる。
(第1の形態)
図1は本発明の一形態に係る排気還流装置が適用された内燃機関の要部を示した全体図であり、図2は図1の内燃機関の一部を拡大して示した斜視図である。内燃機関1は不図示の車両に走行用動力源として搭載され、4つ(図では1つ)のシリンダ2が一列に並べられた直列4気筒のディーゼルエンジンとして構成されている。各シリンダ2はシリンダブロック3に形成されており、各シリンダ2の上部はシリンダヘッド4にて塞がれる。各シリンダ2にはピストン5が往復運動自在に設けられ、ピストン5はコンロッド7を介してクランクシャフト6に連結される。各シリンダ2の天井面には燃料噴射弁8がその先端をシリンダ2内に臨ませるようにしてシリンダ2の中央部に設けられている。燃料噴射弁8は不図示のコモンレールに接続されて所定燃圧の燃料が供給されるようになっている。
図1は本発明の一形態に係る排気還流装置が適用された内燃機関の要部を示した全体図であり、図2は図1の内燃機関の一部を拡大して示した斜視図である。内燃機関1は不図示の車両に走行用動力源として搭載され、4つ(図では1つ)のシリンダ2が一列に並べられた直列4気筒のディーゼルエンジンとして構成されている。各シリンダ2はシリンダブロック3に形成されており、各シリンダ2の上部はシリンダヘッド4にて塞がれる。各シリンダ2にはピストン5が往復運動自在に設けられ、ピストン5はコンロッド7を介してクランクシャフト6に連結される。各シリンダ2の天井面には燃料噴射弁8がその先端をシリンダ2内に臨ませるようにしてシリンダ2の中央部に設けられている。燃料噴射弁8は不図示のコモンレールに接続されて所定燃圧の燃料が供給されるようになっている。
各シリンダ2には吸気通路10及び排気通路11がそれぞれ接続されている。吸気通路10は、シリンダ2に開口するようにしてシリンダヘッド4に形成されて一つのシリンダ2に対して二つずつ設けられた吸気ポート12、13と、各吸気ポート12、13に接続される吸気マニホールド14とを含んでいる。これらを含んだ吸気通路10は本発明に係る吸気装置に相当する。各吸気ポート12、13のシリンダ2側の開口部12a、13aは吸気バルブ15、16にて開閉される。図2に示すように、二つの吸気ポート12、13はそれぞれ周知のヘリカルポートとして構成されており、シリンダ2へ空気を導く過程で中心線CLと交差する面内を旋回しながら中心線CLの方向へ向かう旋回流Srを生成できる。これによって、所用の吸気流量を確保しつつシリンダ2内にその中心線CLの回りを旋回するスワールFswが生成される。なお、図示を省略したが、内燃機関1には、一方の吸気ポート13のみを絞ることができるスワールコントロールバルブ(SCV)が設けられており、そのSCVの開度を変化させることによりスワールFswの強さが運転状態に適したものに調整される。
図1に示すように、排気通路11はシリンダ2に開口するようにしてシリンダヘッド4に形成された複数の排気ポート20と排気ポート20に接続される排気マニホールド21とを含んでいる。図示しないが、排気ポート20は一つのシリンダ2に対して二つずつ設けられる。各排気ポート20のシリンダ2側の開口部は排気バルブ22にて開閉される。吸気バルブ15、16及び排気バルブ22はその開閉タイミングがクランクシャフト6の回転と同期するようにして動弁装置23にて駆動される。もっとも、動弁装置23は、吸気バルブ15の駆動用として一回の吸気行程におけるリフト量、リフト時期及びリフト回数等を含む動弁特性を自在に変更できる周知の電磁駆動装置24を備えている。詳細な説明は省略するが、電磁駆動装置24は吸気バルブ15に固定された磁性体の変位をソレノイドの磁力を調整することにより任意に変更できるようになっている。
吸気通路10には空気濾過用のエアフィルタ25、ターボチャージャー26のコンプレッサ26a、ターボチャージャー26にて加圧された空気を冷却するインタークーラ27、及び吸気マニホールド14の上流に配置されて空気流量を調整するスロットルバルブ28がそれぞれ設けられている。排気通路11にはターボチャージャー26のタービン26b及び排気を浄化するための排気浄化装置29がそれぞれ設けられている。ターボチャージャー26はコンプレッサ26aとタービン26bとが一体回転する周知のものである。
内燃機関1には排気の一部をEGRガスとして取り出して吸気通路10に導入する排気還流装置30が設けられている。排気還流装置30は排気通路11から取り出したEGRガスを導く排気還流通路31と、EGRガスを冷却する冷却装置32と、排気還流通路31が導くEGRガスを吸気通路10に導入するための導入装置33とを備えている。排気還流通路31と導入装置33との組み合わせが本発明に係る導入手段に相当する。排気還流通路31の入口側は排気マニホールド21に接続されている。つまり排気還流装置30のEGRガスの取出位置31aはタービン26bの上流側に設定されている。図2に示すように、排気還流通路31の出口側は導入装置33に接続される。導入装置33は排気還流通路31と一方の吸気ポート12に通じた吸気マニホールド14のブランチ14aとを結ぶ接続通路34と、その接続通路34に設けられた調整バルブ35と、ブランチ14aに設けられた調整バルブ36とを備えている。スロットルバルブ28及び二つの調整バルブ35、36を互いに連係して操作することによりEGR率を調整することができる。
導入装置33にて吸気ポート12に導かれたEGRガスは、ブランチ14aを流れる空気とともに吸気ポート12の開口部12aと吸気バルブ15との間に形成される隙間を経由してシリンダ2内に導入される。図3は吸気バルブ15の詳細を示す斜視図である。吸気バルブ15は吸気ポート12の開口部12aを開閉できる傘部15aとその傘部15aの上面側から直線的に延びるステム部15bを有している。傘部15aの上面には、傘部15aの半径方向及びステム部15bの軸線Ax1の方向のそれぞれに延びる板状部材としてのフラップ40が設けられている。フラップ40は吸気バルブ15に一体化されている。シリンダ2に導かれるガスの流れはフラップ40によって複数の流れに分割される。これによりフラップ40が分割手段として機能する。
図1に示すように、フラップ40のシリンダ2に対する相対的な回転位置(角度)はバルブ回転手段としてのバルブ回転機構50にて調整される。図4はバルブ回転機構50の詳細を示しており、図5は図4のV−V線に関する断面図を示している。これらの図に示すように、バルブ回転機構50は吸気バルブ15のステム部15bにその外周面から半径方向外側に突出するように設けられた4つの案内突起51と、これらの案内突起51をそれぞれ収容する案内溝52が形成されかつシリンダヘッド4に対して回転自在に支持された回転部材53と、回転部材53を駆動する駆動装置54とを備えている。案内突起51は回転部材53の案内溝52内でステム部15bの軸線Ax1の方向に往復動可能な状態でその案内溝52内に収容される。駆動装置54は電動モータ55の回転を回転部材53に伝達する伝達機構56を有している。その伝達機構56は回転部材53の外周に設けられたリングギア57と、電動モータ55の出力軸に取り付けられたピニオン58と、リングギア57及びピニオン58のそれぞれと噛み合う中間ギア装置59とを有する。中間ギア装置59はシリンダヘッド4に対して回転自在に支持されたピニオン軸59aと、そのピニオン軸59aの両端に固定されて電動モータ55のピニオン及び回転部材53のリングギア57のそれぞれと噛み合う一対のピニオン59b、59cとを有している。これにより、バルブ回転機構50は電動モータ55の回転が適宜制御されることにより、吸気バルブ15を軸線Axの回りに回転させることができ、かつその回転位置を所定位置に保持することができる。これにより、所定の回転位置を維持しながら吸気バルブ15を開閉駆動することができる。
図6〜図9はフラップ40の回転位置とシリンダ2内に配置されるEGRガスとの関係を説明する説明図である。図6はシリンダ2の中心線CLと軸線Ax1とに直交する基準線SLに対するフラップ40の傾斜角θが小さい場合を、図7はその基準線CLに対するフラップ40の傾斜角θが大きい場合をそれぞれ示している。図8は傾斜角θが小さい図6の場合にシリンダ2内に形成されるEGRガスGの配置状態を、図9は傾斜角θが大きい図7の場合にシリンダ2内に形成されるEGRガスGの配置状態をそれぞれ示している。
図6に示すように、傾斜角θが小さい場合はフラップ40にて分割された二つの流れf1、f2のうち、シリンダ2の内壁面に近い流れf1の流量がシリンダ2の中心に近い流れf2よりも多くなる。これにより、図8に示すように、EGRガスGはシリンダ2の内周面に近い側に偏って配置される。このような配置は、燃料噴射弁8にて噴射される燃料噴霧Fsが遠くまで到達する場合、換言すれば燃料噴射量が多い場合に適している。つまり、シリンダ2の内周面付近に位置する燃料噴霧Fsの先端に集中的にEGRガスGを配置できる。一方、図7に示すように、傾斜角θが大きい場合は二つの流れf1、f2の関係が図6とは反対になる。つまり、これらの流れf1、f2のうち、シリンダ2の内周面に近い流れf1の流量がシリンダ2の中心に近い流れf2よりも少なくなる。これにより、図9に示すように、EGRガスGはシリンダ2の中心に近い側に偏って配置される。このような配置は、燃料噴霧Fsの到達距離が短い場合(燃料噴射量が少ない場合)に適している。つまり、シリンダ2の中心付近に位置する燃料噴霧Fsの先端に集中的にEGRガスGを配置できる。このように、EGRガスの配置する場所は内燃機関1の運転状態(燃料噴射量等)に応じて変化する。このため、内燃機関1の運転状態に応じて吸気バルブ15の回転位置を設定することにより内燃機関1の運転領域に合わせて効率的なEGRガスの配置が実現される。
次に、EGRガスを導入するための排気還流制御について説明する。EGRガスの導入量(EGR量)、EGR率等の排気還流に関わるパラメータは制御手段としてのエンジンコントロールユニット(ECU)70にて制御される(図1及び図2参照)。ECU70は不図示のマイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺装置を備えたコンピュータとして構成されている。ECU70は各種のセンサから取得した情報に基づいて内燃機関1の運転状態を制御するため、内燃機関1に対する各種制御プログラムを予め保持している。一例として、ECU70は各種のセンサから取得した情報に基づいて燃料噴射量、燃料噴射時期、燃料噴射期間等の内燃機関1の基本的な運転パラメータを計算し内燃機関1の制御対象例えば燃料噴射弁8等を操作する。また、ECU70に接続される各種のセンサとしては、図1に示すように、内燃機関1の回転数(回転速度)に応じた信号を出力するクランク角センサ71、吸気通路10を流れる空気流量に応じた信号を出力するエアフローメータ72、内燃機関1の冷却水温に応じた信号を出力する水温センサ73、及び排気通路11を流れる排気中の酸素濃度に応じた信号を出力する酸素濃度センサ74が設けられている。その他にも過給圧センサ、アクセル開度センサ等の多数のセンサがECU70に接続されているが図示を省略する。
ECU70は排気還流制御の実行のため、上述した導入装置33の二つの調整バルブ35、36、スロットルバルブ28、吸気バルブ15を駆動する電磁駆動装置24及び吸気バルブ15を回転させるバルブ回転機構50のそれぞれの動作を制御する。
図10はECU70が実行する排気還流制御の制御ルーチンの一例を示したフローチャートである。このルーチンのプログラムはECU70のROMに保持されており、適時に読み出されて所定の演算間隔で繰り返し実行される。ECU70は、まずステップS1で内燃機関1の運転状態を取得する。本形態では運転状態を代表するパラメータとして、機関回転数と燃料噴射量とを取得する。機関回転数はクランク角センサ71の信号に基づいて取得される。燃料噴射量としては図10と並行して実行される燃料噴射制御(不図示)の演算結果が使用される。
次に、ステップS2において、内燃機関1の運転状態に基づいて成層EGRが必要か否かを判定する。成層EGRとは図8や図9のようにEGRガスを層状に、換言すればシリンダ2内にEGRガスの濃度が濃い部分と薄い部分とが併存するように、EGRガスをシリンダ2内導入することを意味する。従って、このようなEGRガスの配置が必要ない場合はステップS8に進んで所定の通常制御を実行して今回のルーチンを終了する。
次に、ステップS3において、吸気バルブ15に与える動弁特性を算出する。その動弁特性にはリフト量、リフト時期及びリフト回数が含まれる。要求されるEGRガスの配置形態に応じてこれらのパラメータの値が算出される。それらの算出は予め実験的に作成したマップをECU70が参照することにより実現できる。
次に、ステップS4において、フラップ40の回転位置(吸気バルブ15の回転位置)を算出する。この算出は燃料噴射量等を変数として回転位置を与えるマップを予め実験的に作成しておき、そのマップをECU70が参照することにより実現できる。そのマップは燃料噴射量が多い場合は少ない場合に比べて基準線SLに対する傾斜角θ(図6及び図7参照)が小さくなるような回転位置を与える。それにより、燃料噴射量が多いほどEGRガスの配置がシリンダ2の内周面に近づくようになる。
次に、ステップS5において、排気還流に関連する各バルブ、即ち調整バルブ35、36、スロットルバルブ28及び吸気バルブ15の開度量を算出する。これらのバルブの開度量の組み合わせによってEGRガスの導入量及びEGR率が変化するため、内燃機関1の運転状態に適したEGRガスの導入量及びEGR率が得られるように各バルブの開度量が算出される。次に、ステップS6において、ECU70はステップS5で算出した開度量で各バルブを作動させる。次に、ステップS7において、ECU70はステップS3で算出した動弁特性に従って吸気バルブ15が作動するように電磁駆動装置24を制御する。そして、今回のルーチンを終了する。
図10のルーチンによれば、内燃機関1の運転状態に応じて吸気バルブ15の回転位置が設定されるため、内燃機関1の運転状態に合わせて効率的なEGRガスの配置が実現される。
(第2の形態)
次に、本発明の第2の形態を図11〜図25を参照して説明する。第2の形態は吸気バルブ15に複数のフラップを設ける点及びそれに対応した制御に特徴がある。それ以外は第1の形態と同一であるので、第1の形態との共通点についての説明は省略する。図11は吸気バルブ15に複数の板状部材としてのフラップ40A・・・が設けられた一例を示しており、図12は吸気バルブ15を上方から見た状態を示した平面図である。これらの図に示すように、これらのフラップ40A・・・が傘部15aの周方向に関して所定間隔で並べられることにより板状部材群としてのフラップ群100が構成される。なお、以下の説明で、複数のフラップ40A・・・に関し、これらを互いに区別する必要がない場合はフラップ40と表示する。
次に、本発明の第2の形態を図11〜図25を参照して説明する。第2の形態は吸気バルブ15に複数のフラップを設ける点及びそれに対応した制御に特徴がある。それ以外は第1の形態と同一であるので、第1の形態との共通点についての説明は省略する。図11は吸気バルブ15に複数の板状部材としてのフラップ40A・・・が設けられた一例を示しており、図12は吸気バルブ15を上方から見た状態を示した平面図である。これらの図に示すように、これらのフラップ40A・・・が傘部15aの周方向に関して所定間隔で並べられることにより板状部材群としてのフラップ群100が構成される。なお、以下の説明で、複数のフラップ40A・・・に関し、これらを互いに区別する必要がない場合はフラップ40と表示する。
図11及び図12から明らかなように、複数のフラップ40が傘部15aの周方向に関して並べられていることにより、上述した基準線SLに対する各フラップ40の傾斜角θ(図6及び図7参照)は互いに相違する。これにより、シリンダ2内に導入されるガスの流れは、フラップ40の数に応じて複数の流れf1・・・に分割される。そのため、シリンダ2内に形成されるスワールFswに巻き込まれ始まる開始位置が流れ毎に相違するから、これらの流れf1・・・がスワールFswに巻き込まれて随伴する距離が互いに異なる。これにより、シリンダ2の周方向に関して濃淡がある濃度分布となるようなEGRガスの配置が可能になる。
本形態では、燃料噴霧の位置にEGRガスの濃度が濃い部分を配置できるように、フラップ40の数を燃料噴霧の本数つまり燃料噴射弁8の噴孔の数と同数としている。更に、燃料噴霧が周方向に略等間隔で噴射される形態であるため、EGRガス濃度の濃淡の位置が周方向に略等間隔になるように各フラップ40の吸気バルブ15に対する設置位置が決定されている。
図13及び図14は各フラップ40の設置位置の決定方法を説明する説明図である。まず、図13に示すように、各設置位置を決定する前提として、フラップ40が除かれた仮想吸気バルブ15′の存在を仮定する。そして、吸気ポート12の開口部12aが仮想吸気バルブ15′にて開かれることにより傘部15a′の上面側を流れる流れFxを求める。次に、その流れFxが持っている、傘部15a′の上面側中央部における複数の流速ベクトルv・・・の先端を相互に結んだ閉曲線Cを求める。次に、図14に示すように、その閉曲線Cを軸線Ax1と直交する平面Pに投影した閉曲線C′を求める。そして、その閉曲線C′にて囲まれる面積Sを、噴孔数と同数の8つに均等に分割でき、かつ軸線Ax1と直交する8本の直線L1〜L8を求める。つまり、閉曲線C′に囲まれる領域をこれらの直線L1〜L8にて8つの小領域に分割し、各小領域の面積s1〜s8が互いに等しくなるようにする。最後に、これらの直線L1〜L8の位置をフラップ40の設置位置として決定する。閉曲線C′の面積Sは流れFの流量に相当するため、直線L1〜L8の位置にフラップ40を設置することにより、流れFを均等に分割できる。
図15は以上の方法で決定した設置位置にフラップ40を設けた吸気バルブ15によって得られるシリンダ2内のEGRガスの配置状態を模式的に示している。この図から理解できるように、EGRガスを含んだガスの流れは、各フラップ40にて8つの流れf1〜f8に分割される。これらの流れf1〜f8がスワールFswに巻き込まれ始まる開始位置は互いに相違する。このため、流れf1〜f8がスワールFswに巻き込まれて周方向に関する移動距離が相違する。これにより、周方向に関して略等間隔にEGRガスの濃度が濃い部分G1〜G8が形成される。また、流れf1〜f8の流量は互いに等しいため、これらの部分G1〜G8の濃さのばらつきが抑えられる。
EGRガスがスワールに巻き込まれてからの経過時間が長くなるほど、EGRガスが拡散するため周方向の濃淡が失われていく。そこで、本形態では1回の吸気行程における吸気バルブ15のリフト回数を2回以上にすることによって、燃料噴射弁8による燃料噴霧とEGRガスの濃度が濃い部分G1〜G8とが重なるように1回目以降の吸気バルブ15のリフト時期を調整している。
図16は一回の吸気行程における吸気バルブ15のリフト波形の一例を示しており、図17〜図19は図16の波形に従って吸気バルブが動作した場合における、吸気行程から燃料噴射までのシリンダ2内の状態の変化を模式的に示している。図16に示すように、吸気バルブ15はそのリフト回数が2回である。1回目のリフト(第1バルブリフト)のリフト量h1及び作用角α1はともに2回目のリフト(第2バルブリフト)のリフト量h2及び作用角α2よりも大きくなっている。そのため、第1バルブリフトにて導入されるEGRガスのガス量のほうが第2バルブリフトにて導入されるEGRガスのガス量よりも多くなる。
第1バルブリフトにおいては、第2バルブリフトよりも作用角α1が長くかつリフト時期が早いため、図17に示すように、第1バルブリフトにて導入されたEGRガスGは周方向に関する濃度の濃淡が失われ均一化される。第2バルブリフトにおいては、吸気行程の後半の限られた期間に行われるため、周方向に関する濃淡が維持されて濃度が濃い部分G1〜G8が略等間隔に並ぶ。第2バルブリフトのリフト時期は燃料噴霧とこれらの部分G1〜G8が重なるように設定されている。これにより、図19に示すように、部分G1〜G8を各燃料噴霧Fs1〜Fs8の先端に配置することができる。このような吸気バルブ15の動作制御は、第1の形態で説明した図10のステップS3の動弁特性の算出処理にて行われる。
次に、本形態に特有の吸気バルブ15の回転制御について説明する。図20及び図21は回転制御の考え方を説明する説明図である。なお、以下の説明は全ての燃料噴霧Fs1〜Fs8とEGRガスとの関係について成り立つものであるが、便宜上、一部の燃料噴霧とEGRガスとの関係を例示して説明する。図20に示すように、スワールFswの強さが強くなると、燃料噴霧Fs3は破線の位置から実線の位置へスワールFswの進行方向に流され易くなる。このため、図21に示すように、吸気バルブ15を破線の位置から実線の位置まで、スワールFswの進行方向と同方向Dに若干回転させる。これにより、フラップ40で分割された流れf3の位置が矢印の方向にスライドする。その結果、スワールFswへの巻き込み位置が変わり、図20に示すように、EGRガスの濃度が濃い部分G3の位置も破線の位置から実線の位置へスライドする。これにより、燃料噴霧Fs3のずれに対して最適な位置に部分G3を配置することが可能になる。このような吸気バルブ15の回転制御は、第1の形態で説明した図10のステップS4の回転位置の算出処理にて実行できる。例えば、スワールFswの強さを代表する物理量であるスワール比やスワール速度を変数として吸気バルブ15の回転角度を与えるマップを準備しておき、ECU70がそのマップを参照することにより、適切な回転角度を求めることができる。
次に、本形態に特有の吸気バルブ15のリフト量及びリフト時期の制御について説明する。図22及び図23はリフト量及びリフト時期の制御の考え方を説明する説明図であり、図22は燃料噴射時期が早い場合におけるEGRガスの配置の様子を、図23は燃料噴射量が少ない場合におけるEGRガスの配置の様子をそれぞれ示している。これらの図はシリンダ2の中心線CLに沿う方向の断面を模式的に示している。
本形態において、吸気バルブ15のリフト量及びリフト時期は内燃機関1の運転状態に適したEGRガスの配置が実現できるように設定される。例えば、燃料噴射時期が早期側(例えばTDCより先)の場合では、ピストン5が上がりきる前に燃料噴射が開始されるため、燃料噴霧Fsのペネトレーションは強い。そのため、このような運転状態の場合は図22のような配置状態が要求される。つまり、第2バルブリフトによるEGRガスGsを破線に示す位置よりも中心線CL方向の上側に配置することが望まれる。そこで、このような運転状態の場合は通常に比べて第2バルブリフトにおける吸気バルブ15のリフト量を大きくし、かつ第2バルブリフトのリフト時期を進角側に変化させる。これにより、リフト量が大きくなった分だけ、短時間にEGRガスGsを配置することができ、かつ進角側で吸気することにより中心線CL方向にやや広げることが可能になる。なお、第1バルブリフトによるEGRガスGfはEGRガスGsの下側に配置される。
例えば、また、燃料噴射量が少ない場合は図23のような配置状態が要求されるため、第2バルブリフトにおける吸気バルブ15のリフト量を大きくし、かつ第2バルブリフトにおけるリフト時期を遅角側に変化させる。これにより、第2バルブリフトによるEGRガスGsの分布量を増加させ、かつそのガスGsをシリンダ2の中央側に分布させることができる。これにより、EGRガスGsを効果的に燃料噴霧Fsに当てることが可能になる。なお、図23の場合は条件によって第1バルブリフトのリフト時期も遅角側に変化させてもよい。その第1バルブリフトによるEGRガスGfは第2バルブリフトGsの下側でかつシリンダ2の中央部に配置される。
吸気バルブ15のリフト回数は2回に限られず3回以上でもよい。図24及び図25はスワールFswの強さが強い場合にバルブリフトを3回行ったときのシリンダ2内の状態を示した説明図であり、図24はその状態を模式的に示した平面図、図25はその状態を模式的に示した斜視図である。これらの図に示すように、スワールFswの強さが強まることにより燃料噴霧FsがスワールFswの進行方向に流されるが、特に燃料噴霧Fsの先端に向かうほどスワールFswにて大きく流される。その結果、図25に示すように、燃料噴霧Fsの形状が二次元的に留まらず三次元的に変化する。この場合第3バルブリフトにより、第1及び第2バルブリフトよりも後にEGRガスGtが導入されるため、第2バルブリフトによるEGRガスGsの上にEGRガスGtが重ねられる。よって、燃料噴霧FsがスワールFswに流されてその先端部が引き延ばされた場合であっても、各EGRガスGf、Gs、Gtが適所に無駄なく配置されるから、NOxとスモークの同時低減のみならずHCの低減も可能となる。以上説明した吸気バルブ15のリフト回数、リフト量及びリフト時期の制御は、第1の形態で説明した図10のステップS3の動弁特性の算出処理において運転状態に応じた値をECU70が算出することにより実現できる。
(第3の形態)
次に本発明の第3の形態を図26〜図28を参照して説明する。この形態は吸気バルブ15の動弁特性の変化前後の過渡期間における制御に特徴があり、上述した各形態に好適に適用できる。図26は、スワールの強さが弱い第1状態ST1に適した吸気バルブ15の動弁特性と、スワールの強さが弱い第2状態ST2に適した吸気バルブ15の動弁特性とをそれぞれ示した説明図である。第1状態ST1から第2状態ST2へスワールの強さが変化した場合、吸気バルブ15の動弁特性及び回転位置を一気に変更しても、EGRガスの配置状態の変更が間に合わないので、その過渡期間TPにおいて燃焼変動が大きくなる。
次に本発明の第3の形態を図26〜図28を参照して説明する。この形態は吸気バルブ15の動弁特性の変化前後の過渡期間における制御に特徴があり、上述した各形態に好適に適用できる。図26は、スワールの強さが弱い第1状態ST1に適した吸気バルブ15の動弁特性と、スワールの強さが弱い第2状態ST2に適した吸気バルブ15の動弁特性とをそれぞれ示した説明図である。第1状態ST1から第2状態ST2へスワールの強さが変化した場合、吸気バルブ15の動弁特性及び回転位置を一気に変更しても、EGRガスの配置状態の変更が間に合わないので、その過渡期間TPにおいて燃焼変動が大きくなる。
図27は、過渡期間TPにおける動弁特性及び回転位置の変更操作の手順A〜Eを説明する説明図である。また、図28は手順A〜Eにおけるシリンダ2内のEGRガスの配置状態を模式的に示しており、その上方が平面図、下方が斜視図に相当する。手順A〜Eは複数の吸気行程に亘って実行されるものである。
これらの図に示すように、まず、手順Aでは、第2バルブリフトにおけるリフト量を増加させる。このとき、第1状態ST1の吸気バルブ15の回転位置、第1バルブリフトのリフト量及びリフト時期、並びに第2バルブリフトのリフト時期はそれぞれ第1状態ST1から引き続き維持される。手順Aにより、第2バルブリフトによるEGRガスGsが多く導入される。吸気バルブ15の回転位置は変わらないが、EGRガスGsのガス量が増えるため、燃料噴霧Fsが大きく流されてもある程度カバーすることができる。
次に、手順Bでは、第3バルブリフトが行われるようにリフト回数を変更する。これ以外の要素は手順Aと同様の状態に維持される。手順Bにより、手順Aを実行しても依然としてEGRガスが不足していた燃料噴霧Fsの曲がりの根元の位置に第3バルブリフトによるEGRガスGtを配置することができる。
次に、手順Cでは、第2バルブリフトのリフト時期を進角させる。これ以外の要素は手順Bと同様の状態に維持される。第2バルブリフトのリフト時期を進角させることにより、EGRガスGsの分布がスワールFswの進行方向へ広がるため、手順Bで不十分であった燃料噴霧Fsの先端部をある程度カバーすることができる。もっとも、手順Cで燃料噴霧Fsの先端部が完全にカバーはできていない。
そこで、次の手順Dでは、吸気バルブ15をスワールFswの進行方向と同方向に所定量回転させる。これ以外の要素は手順Cと同様の状態に維持される。スワールFswの進行方向と同方向に回転するため、フラップ40にて分割される流れfが破線の位置から実線の位置に変更する。これにより、EGRガスGsの位置がスワールFswの進行方向にスライドして手順Cでは行き届いていなかった燃料噴霧Fsの先端部にまでEGRガスGsが推移する。
次に、手順Eでは、第2バルブリフトのリフト量を規定値(即ち第2状態ST2に適したリフト量)に減量する。これ以外の要素は手順Dの状態と同様の状態に維持される。
以上の手順A〜Eを実行することにより、図26に示した第1状態ST1から第2状態ST2の変化に伴って、燃焼悪化を抑えつつ適した動弁特性及び回転位置に変更することができる。即ち、手順AでEGRガスGsのガス量を増やすことによりNOxの急増を防止できる。しかも、EGRガスを複数の吸気行程に亘って分割して増減できるから、ガス量の増量は最小限に抑えることが可能であるためスモークの低減にも寄与できる。
本形態において、手順A〜Cが本発明に係る増量操作に相当し、手順Dが本発明に係る回転操作に相当し、手順Eが本発明に係る減量操作に相当する。そして、手順Aが本発明に係るリフト量増加操作に、手順Bが本発明に係るリフト回数変更操作に、手順Cが本発明に係るリフト時期進角操作にそれぞれ相当する。
(第4の形態)
次に、本発明の第4の形態を図29〜図31を参照して説明する。この形態は吸気バルブ15の回転位置を排気の状態に基づいて補正する補正制御に特徴があり、上述した各形態に好適に適用できる。内燃機関1の運転状況の経時変化等の事後的な原因により、理想的なEGRガスの配置を実現するために予め用意していたマップが適応できなくなる場合がある。例えば、EGRガスの導入を長期間続けることにより、吸気ポート12内にEGRガスの導入に伴うデポジッドが付着するなどの原因が考えられる。このような場合には、想定しているスワールの強さと実際のスワールの強さとの間に乖離が生じたり、燃料噴霧の形状が変化したりすることで、燃料噴霧とEGRガスとの重なり具合が悪化する。図30はこれらの重なり具合が悪化した場合を模式的に示した説明図である。この図から明らかなように、燃料噴霧Fsに第2バルブリフトによるEGRガスGsが当たらずにEGRガスの配置が非効率なものとなっている。
次に、本発明の第4の形態を図29〜図31を参照して説明する。この形態は吸気バルブ15の回転位置を排気の状態に基づいて補正する補正制御に特徴があり、上述した各形態に好適に適用できる。内燃機関1の運転状況の経時変化等の事後的な原因により、理想的なEGRガスの配置を実現するために予め用意していたマップが適応できなくなる場合がある。例えば、EGRガスの導入を長期間続けることにより、吸気ポート12内にEGRガスの導入に伴うデポジッドが付着するなどの原因が考えられる。このような場合には、想定しているスワールの強さと実際のスワールの強さとの間に乖離が生じたり、燃料噴霧の形状が変化したりすることで、燃料噴霧とEGRガスとの重なり具合が悪化する。図30はこれらの重なり具合が悪化した場合を模式的に示した説明図である。この図から明らかなように、燃料噴霧Fsに第2バルブリフトによるEGRガスGsが当たらずにEGRガスの配置が非効率なものとなっている。
そこで、この形態ではこのような事態を回避するため、ECU70は図29に示す補正制御を実行する。図29のルーチンのプログラムはECU70のROMに予め保持されており、適時に読み出されて所定間隔で繰り返し実行される。まず、ECU70は、ステップS41において、図1に示した酸素濃度センサ74の信号から酸素濃度を特定し、それに基づいて排気中の特定成分としての未燃HCの量を算出する。次に、ステップS42において、正常時の未燃HCとの差分を算出し、その差分が所定のしきい値を超えているか否かを判定する。しきい値を超えていない場合は正常時と判断できるので、以後の処理をスキップして今回のルーチンを終える。一方、その差分がしきい値を超えている場合には、ステップS43以降に規定された吸気バルブの補正角度Xの決定処理に進む。
図31は未燃HCと補正角度Xとの関係を示した説明図である。この図に示すように、未燃HCの差分は図30の噴霧間角度βの1/2の位置で最大値を取る。なぜなら、このときに燃料噴霧FsからEGRガスGsが最も離れることになるからである。そこで、図29のステップS43では、差分がその最大値を下回るか否かを判定し、下回っていない場合にはステップS49に進んで補正角度Xをβ/2に設定する。一方、差分が最大値を下回っている場合は、図30から明らかなように、同じ差分でもEGRガスGsの位置によって二つの解が存在することになる。そこで、ステップS44では一方の解であるX1を暫定的な補正角度の候補として設定する。そして、次のステップS45において、補正角度X1に対応する回転角度を吸気バルブ15に与えることにより、フラップ40を回転させる。続くステップS46では差分がしきい値未満かどうかを判定し、しきい値未満の場合は補正角度X1が適正であることが判明するため、今回のルーチンを終了する。一方、差分がしきい値を超えている場合は、他方の解であるX2が補正角度として正しいことが分るので、続くステップS47においてX2を補正角度として設定する。そして、次のステップS48において、補正角度X2に対応する回転角度を吸気バルブ15に与えることにより、フラップ40を回転させて今回のルーチンを終了する。
ステップS49で補正角度がβ/2に設定された場合は、続くステップS50にて補正角度β/2に対応する回転角度を吸気バルブ15に与えることによってフラップ40を回転させる。次に、ステップS51において、差分が最大値未満かどうかを判断する。最大値未満の場合は適正な補正が行われたことになるので、今回のルーチンを終了する。一方、差分が最大値のまま、或いは最大値を超えて悪化する場合には、何らかの故障が生じたと判断されるためステップS52に進み故障解消操作を行う。故障の原因としては上述したスワールコントロールバルブの固着や、吸気バルブ15の回転方向に関する固着が考えられる。そのため、本形態の故障解消操作としては、上述したスワールコントロールバルブを全開、全閉動作と、吸気バルブ15の全周回転動作とを実行する。これにより、解決可能な故障であれば装置自身によって解決できる。故障解消操作の後にステップS53で差分の変化を判定する。その変化が所定レベルとしての所定範囲内に留まっている場合は故障が解消されないと判断されるので、安全確保のためステップS54に進んで内燃機関1を停止させる。一方、差分の変化が所定範囲を超えている場合には故障が解消されたものと判断できるので、ステップS41に戻って、上述した各処理を再度実行する。故障解消操作としては、少なくとも吸気バルブ15を任意の方向に回転させればよく、必ずしも全周回転動作させなくてもよい。
本形態においては、酸素濃度センサ74が本発明に係る排気成分検出手段に相当する。また、ECU70は、図12のステップS42、ステップS43及びステップS46を実行することにより、燃料噴霧とEGRガスとの重なり具合を推定する本発明に係る推定手段として、図12のステップS44、ステップS45、ステップS47、ステップS48、ステップS49及びステップS50を実行することにより、本発明に係る補正手段として、図12のステップS51及びステップS52を実行することにより、本発明に係る故障解消手段として、図12のステップS53及びステップS54を実行することにより、本発明に係る機関停止手段として、それぞれ機能する。
以上第1〜第4の形態を説明したが本発明はこれらの形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の形態にて実施することができる。また、これらの各形態を適宜組み合わせることを妨げるものではなく、これらの形態を互いに矛盾しない範囲で組み合わせてもよい。
上述した各形態では、フラップ40が設けられた吸気バルブ15にて開閉される吸気ポート12はヘリカルポートとして構成されている。しかし、本発明に係る吸気ポート及びその吸気ポートへEGRガスを導入する導入手段は、上記各形態に限定されるものではない。例えば、これらを図32〜図34に示す形態にて実施することもできる。
図32は他の形態に係る吸気ポート及び導入手段が組み込まれた内燃機関の一部を拡大して示した斜視図であり図2に対応する。なお、その他の基本的な構成は図1と同様である。図32に示すように、吸気ポート80はシリンダ2へ空気を導く過程で、シリンダ2の内周面の接線方向に向かう接線流Stを生成し、かつシリンダの中心線CLと交差する面内を旋回しながら中心線CLの方向へ向かう旋回流Srを生成できるように構成されている。つまり、吸気ポート80は一つのポートで二種類の流れを生成できる。図33は吸気ポート80の詳細を示し、シリンダ2の上方から見た平面図とa〜dの各断面図とがそれぞれ示されている。吸気ポート80は、シリンダ2に開口する開口部81と、吸気バルブ15のステム部15bの周りに沿って湾曲しながら開口部81に続くヘリカル部82と、ヘリカル部82の上流側(シリンダ2から離れる側)に接続された導入部83とを備えている。導入部83は図33のa−a及びb−bの各断面図に示すように、シリンダ2の上下方向に関して上側に位置する上層部83aと下側に位置する下層部83bとを有する。これら上層部83a及び下層部83bは上下に隣接するようにして吸気ポート83内に設けられる。導入部83は上層部83aの横幅W1が下層部83bの横幅W2よりも狭く、かつヘリカル部82に近付くに従ってこれらの領域の横幅の差が徐々に拡大するように構成されている。つまり、上層部83aはヘリカル部82に近づくに従って徐々に絞り込まれるように構成されている。
ヘリカル部82は、図33のc−c及びd−dの各断面図に示すように、開口部81に向かって湾曲する過程でシリンダ2の上下方向に関する高さHが漸次低くなるように構成されている。吸気ポート80によれば、これに導かれる空気が導入部83の下層部83bを通過することで、接線流Stが形成され、空気が導入部83の上層部83a及びこれに続くヘリカル部82を通過することで、旋回流Srが形成される。
図32に示すように、導入装置84は排気還流通路31から二つに分岐した分岐通路85、86と、これら分岐通路85、86に設けられた二つの調整バルブ87、88とを有している。以下、これらを互いに区別するため、下側分岐通路85及び上側分岐通路86と表示する場合がある。二つの分岐通路85、86は吸気ポート80と吸気マニホールド14との間に介在する筒状のスペーサ89に接続される。
図34は図32の矢印XXXIVの方向から見た状態を示した図である。図32及び図34に示すように、下側分岐通路85はスペーサ89に形成された下側の開口部91に、上側分岐通路86はスペーサ89に形成された上側の開口部92にそれぞれ接続される。吸気通路10はその一部としてスペーサ89も含むので、二つの分岐通路85、86は吸気通路10の異なる位置に開口する。図示の形態では分岐通路85、86は吸気通路10の上下の内壁にそれぞれ開口する。図34からも明らかなように、下側分岐通路85は破線で示すEGRガスを吸気ポート80の下側、つまり下層部83bの側に導入し、上側分岐通路86はEGRガスを吸気ポート80の上側、つまり上層部83aの側に導入する(図32も参照)。上述のように、吸気ポート80は空気をシリンダ2に導く過程で接線流Stと旋回流Srとをそれぞれ生成し、これらの流れがシリンダ2に導入される。これにより、EGRガスは吸気ポート80が生成する接線流St及び旋回流Srのそれぞれに乗ってシリンダ2に導入される。
図32に示すように、各調整バルブ87、88は開度を自在に変更してEGRガスの導入量を変化させることができる。各調整バルブ87、88はECU70にて動作が制御される。そのため、各調整バルブ87の開度比を適宜設定することにより、EGRガスを接線流Stに乗せる割合と、EGRガスを旋回流Stに乗せる割合とを調整することができる。EGRガスを接線流Stに乗せる配分を多くすることにより、シリンダ2の内周面に近い側に集中的にEGRガスを導入することができる。そのため、上述した図2等に示した吸気ポート12の場合よりもフラップ群100(図11参照)を利用してEGRガスの成層度を明確に分けやすくなり、より理想的なEGRガスの配置が実現できる。更に、吸気ポート80の上層部83aと下層部83bとの間で役割を明確化できるから、周方向にEGRガスの濃度の濃淡を作成する際には、EGRガスを接線流Stに乗せる配分を多くすることにより、二酸化炭素濃度が高いガス、つまり、EGRガスの濃度が高いガスをシリンダ2内に導入できる。そのため、フラップ群100によって効果的に流れを周方向に分散することができ、周方向の濃淡を強くすることも可能である。
また、フラップ群100を構成するフラップ40の数は特に制限がないが、燃料噴射弁8の噴孔の数に関連する個数にするとよい。上述の各形態では、噴孔の数と同数のフラップ40を設けたが、例えば、噴孔の数が2より大きい偶数の場合は噴孔の数の1/2にすることもできる。図35はフラップ40の数を噴孔の数の1/2にした場合のシリンダ2内のEGRガスの配置状態を示している。この場合にはEGRガスの燃料噴霧Fs毎にEGRガスGsを配置できないが、周方向に濃度の濃淡を作ることができるため従来よりもEGRガスの供給量を減量することは可能である。
また、吸気バルブ15の回転はバルブリフト中に行うこともできる。このようにすれば、吸気バルブ15のリフト回数を3回に設定した場合、第2バルブリフトと第3バルブリフトとの間でフラップ40の方向(回転位置)を変更することが可能となる。図36は、そのような変更を行った場合のシリンダ2内の状態の一例を示している。図36のAは第2バルブリフトと第3バルブリフトとの間でフラップ40の回転位置を変えない比較例を示し、図36のBは第2バルブリフトと第3バルブリフトとの間でフラップ40の回転位置を変化させた場合を示している。図36のAとBとを比較すると明らかなように、第2バルブリフトによるEGRガスGsと第3バルブリフトによるEGRガスGtとの干渉を回避できるため、過度のEGRガスの供給を抑制できる。これにより燃費が改善する。
1 内燃機関
2 シリンダ
8 燃料噴射弁
12 吸気ポート
12a 開口部
15 吸気バルブ
15a 傘部
15b ステム部
15′ 仮想吸気バルブ
24 電磁駆動装置(バルブ駆動手段)
30 排気還流装置
33 導入装置(導入手段)
40 フラップ(板状部材、分割手段)
50 バルブ回転機構(バルブ回転手段)
70 ECU(制御手段、推定手段、補正手段、故障解消手段、機関停止手段)
74 酸素濃度センサ(排気成分検出手段)
80 吸気ポート
81 開口部
84 導入装置(導入手段)
100 フラップ群(板状部材群、分割手段)
CL シリンダの中心線
Ax1 ステム部の軸線
Fsw スワール
SL 基準線
C 閉曲線
C′ 閉曲線
v 流速ベクトル
P 平面
L1〜L8 複数の直線
2 シリンダ
8 燃料噴射弁
12 吸気ポート
12a 開口部
15 吸気バルブ
15a 傘部
15b ステム部
15′ 仮想吸気バルブ
24 電磁駆動装置(バルブ駆動手段)
30 排気還流装置
33 導入装置(導入手段)
40 フラップ(板状部材、分割手段)
50 バルブ回転機構(バルブ回転手段)
70 ECU(制御手段、推定手段、補正手段、故障解消手段、機関停止手段)
74 酸素濃度センサ(排気成分検出手段)
80 吸気ポート
81 開口部
84 導入装置(導入手段)
100 フラップ群(板状部材群、分割手段)
CL シリンダの中心線
Ax1 ステム部の軸線
Fsw スワール
SL 基準線
C 閉曲線
C′ 閉曲線
v 流速ベクトル
P 平面
L1〜L8 複数の直線
Claims (15)
- シリンダに開口する開口部を有する吸気ポートと、前記吸気ポートの前記開口部を開閉できる傘部及び前記傘部の上面側から直線的に延びるステム部を有する吸気バルブとを有し、前記シリンダの中心線の回りを旋回するスワールを前記シリンダ内に形成できる吸気装置を備えた内燃機関に適用される内燃機関の排気還流装置において、
前記内燃機関の排気通路から取り出した排気の一部をEGRガスとして前記吸気ポート内に導入できる導入手段と、前記吸気バルブの前記傘部の上面に設けられ、かつ前記傘部の半径方向及び前記ステム部の軸線方向のそれぞれに延びる板状部材を有し、前記吸気バルブにて前記開口部が開かれた際に、前記導入手段が導入したEGRガスを含むガスの流れを前記板状部材を利用して複数の流れに分割できる分割手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。 - 前記吸気バルブを前記ステム部の軸線の回りに回転させることができ、かつ前記吸気バルブの回転位置を所定位置に保持できるバルブ回転手段と、前記内燃機関の運転状態に応じて前記吸気バルブの回転位置が変化するように、前記バルブ回転手段を制御する制御手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記内燃機関には前記シリンダの中央部から放射状に前記シリンダ内へ燃料を噴射できる燃料噴射弁が設けられており、
前記制御手段は、前記燃料噴射弁による燃料噴射量が多い場合は少ない場合に比べて前記シリンダの中心線及び前記ステム部の軸線のそれぞれと直交する基準線に対する前記板状部材の傾斜角が小さくなるように、前記バルブ回転機構を制御することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記分割手段は、前記シリンダの中心線及び前記ステム部の軸線のそれぞれと直交する基準線に対する傾斜角が互いに相違するように、前記板状部材が前記傘部の周方向に関して複数個並べられた板状部材群を有していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記内燃機関には、前記シリンダの中央部から放射状に前記シリンダ内へ燃料を噴射するための複数の噴孔を持つ燃料噴射弁が設けられており、
前記板状部材群は、前記燃料噴射弁の前記複数の噴孔からそれぞれ噴射される燃料噴霧の位置におけるEGRガスの濃度が他の位置よりも濃くなるように、前記燃料噴射弁が持つ前記噴孔の数と関連する数の前記板状部材を有し、かつ前記関連する数の前記板状部材の各設置位置が設定されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記板状部材群に含まれる前記板状部材の各設置位置は、前記吸気バルブから前記板状部材群が除かれた仮想吸気バルブの存在を仮定し、前記開口部が前記仮想吸気バルブにて開かれることにより前記仮想吸気バルブの前記傘部の上面側を流れる流れを考慮して決定されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記仮想吸気バルブの前記傘部の上面側中央部における複数の流速ベクトルの先端を相互に結んだ閉曲線を前記ステム部の軸線と直交する平面に投影し、前記平面に投影された前記閉曲線に囲まれた面積を前記板状部材の数と同数に均等に分割できかつ前記軸線と前記平面との交点から延びる複数の直線を得ることにより、前記複数の直線の位置が前記各設置位置として決定されていることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記吸気バルブを前記ステム部の軸線の回りに回転させることができ、かつ前記吸気バルブの回転位置を所定位置に保持できるバルブ回転手段と、前記シリンダ内に形成されるスワールの強さに応じて前記吸気バルブの回転位置が変化するように、前記バルブ回転手段を制御する制御手段と、を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 一回の吸気行程における前記吸気バルブのリフト量、リフト時期及びリフト回数を含む動弁特性を変更可能に構成され、かつ所定の動弁特性にて前記吸気バルブを開閉駆動できるバルブ駆動手段を更に備え、
前記制御手段は、前記シリンダ内に形成されるスワールの強さが強い場合は弱い場合に比べて一回の吸気行程における前記リフト回数が多くなるように前記バルブ駆動手段を制御することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記制御手段は、前記吸気バルブのリフト量及び前記リフト時期の少なくとも一方が前記内燃機関の運転状態に応じて変化するように前記バルブ駆動手段を制御することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記制御手段は、前記シリンダ内に形成されるスワールの強さが弱い第1状態からその強さが強い第2状態へ変化する場合、前記第1状態に対応した前記吸気バルブの回転位置及び動弁特性を前記第2状態に対応した前記吸気バルブの回転位置及び動弁特性へ複数回の吸気行程を経て変更する過程で、前記第1状態に対応した前記吸気バルブの回転位置が維持された状態で前記シリンダ内へのEGRガスの導入量が増量するように前記吸気バルブの動弁特性を変更する増量操作を前記バルブ回転手段及び前記バルブ駆動手段に対して実行し、その後の吸気行程で、前記増量操作にて変更された後の動弁特性が維持された状態で前記吸気バルブの回転位置を前記第2状態に対応した回転位置に変更する回転操作を前記バルブ回転手段及び前記バルブ駆動手段に対して実行し、その後の吸気行程で、前記回転操作にて変更された回転位置が維持された状態で前記シリンダ内へのEGRガスの導入量が前記増量操作にて増量された量から前記第2状態に対応した量へ減量するように前記吸気バルブの動弁特性を前記第2状態に対応した動弁特性に変更する減量操作を前記バルブ回転手段及び前記バルブ駆動手段に対して実行する、ことを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記増量操作は、複数回の吸気行程を経て前記バルブ回転手段及び前記バルブ駆動手段に対して実行されるものであり、かつ前記第1状態に対応したリフト時期及びリフト回数が維持された状態で前記吸気バルブの2回目のリフトにおけるリフト量を増加するリフト量増加操作、前記リフト量増加操作にて増加された2回目のリフトのリフト量が維持された状態で、2回目のリフトの後に前記吸気バルブの3回目のリフトが行われるようにリフト回数を変更するリフト回数変更操作、及び前記リフト量増加操作にて増加された前記吸気バルブの2回目のリフトのリフト量が維持されかつ前記リフト回数変更操作にて変更されたリフト回数が維持された状態で前記吸気バルブの2回目のリフトのリフト時期を進角させるリフト時期進角操作を含んでいる、ことを特徴とする請求項11に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記内燃機関には、排気中の成分を検出する排気成分検出手段が設けられており、
前記制御手段は、前記排気成分検出手段が検出した特定成分に基づいて、前記燃料噴射弁が噴射した燃料噴霧と前記シリンダ内に配置されたEGRガスとの重なり具合を推定する推定手段と、前記推定手段の推定結果に基づいて前記重なり具合が改善する方向に前記吸気バルブの回転位置を補正する補正手段とを有することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記制御手段は、前記補正手段による補正後において前記重なり具合が改善しない場合に前記吸気バルブを現在位置から任意に回転させる故障解消操作を前記回転手段に対して実行する故障解消手段を更に備えることを特徴とする請求項13に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記制御手段は、前記故障解消操作の実行後に前記重なり具合が所定レベルを超えて変化しない場合に前記内燃機関の運転を停止させる機関停止手段を更に備えることを特徴とする請求項14に記載の内燃機関の排気還流装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007194527A JP2009030511A (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | 内燃機関の排気還流装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007194527A JP2009030511A (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | 内燃機関の排気還流装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009030511A true JP2009030511A (ja) | 2009-02-12 |
Family
ID=40401286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007194527A Pending JP2009030511A (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | 内燃機関の排気還流装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009030511A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011084169A1 (de) | 2010-10-14 | 2012-04-19 | Denso Corporation | Ansaugluftsteuerungsgerät für eine Maschine |
DE102012220469A1 (de) | 2011-11-11 | 2013-05-16 | Denso Corporation | Brennkraftmaschine |
CN106321289A (zh) * | 2016-10-13 | 2017-01-11 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 单点喷射的燃气发动机分层燃烧系统 |
CN106438114A (zh) * | 2016-10-13 | 2017-02-22 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 多点气道喷射的燃气发动机分层燃烧系统 |
-
2007
- 2007-07-26 JP JP2007194527A patent/JP2009030511A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011084169A1 (de) | 2010-10-14 | 2012-04-19 | Denso Corporation | Ansaugluftsteuerungsgerät für eine Maschine |
DE102012220469A1 (de) | 2011-11-11 | 2013-05-16 | Denso Corporation | Brennkraftmaschine |
CN106321289A (zh) * | 2016-10-13 | 2017-01-11 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 单点喷射的燃气发动机分层燃烧系统 |
CN106438114A (zh) * | 2016-10-13 | 2017-02-22 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 多点气道喷射的燃气发动机分层燃烧系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN103732902A (zh) | 固定比率egr系统 | |
JP4277883B2 (ja) | 筒内噴射式火花点火内燃機関 | |
JP2009041485A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP2008184930A (ja) | 内燃機関用ピストン及びそのピストンが適用された内燃機関 | |
JP2009030511A (ja) | 内燃機関の排気還流装置 | |
JP2007303437A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
KR101017552B1 (ko) | 차량 제어 방법 및 차량 제어 장치 | |
JP4635974B2 (ja) | ディーゼル機関の制御装置 | |
JP6428715B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5381913B2 (ja) | エンジンのシリンダヘッド構造 | |
JP4715804B2 (ja) | 内燃機関の排気還流装置 | |
JP2008019831A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2007332799A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP2008240706A (ja) | 内燃機関の吸気制御装置 | |
JP2007239582A (ja) | 内燃機関の燃焼制御装置 | |
JP2013160182A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP4793321B2 (ja) | 内燃機関の排気還流装置 | |
JP2008280943A (ja) | 内燃機関の排気還流装置 | |
JP2008303745A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2008019803A (ja) | 内燃機関の吸気装置 | |
JP2008303764A (ja) | 可変動弁機構を備える内燃機関およびその制御装置 | |
JP2007278160A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2003193884A (ja) | エンジンの制御装置 | |
JP2007107406A (ja) | 車両の駆動制御装置 | |
JP2010285904A (ja) | 内燃機関の制御装置 |