JP2009030161A - 溶体抜き出し装置および溶体抜き出し方法 - Google Patents

溶体抜き出し装置および溶体抜き出し方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融塩電解槽で製造された溶融マグネシウム、あるいは四塩化チタンと溶融マグネシウムの反応で副生した溶融塩化マグネシウムを抜き出して次工程へ移送する間の大気との接触を回避する方法および装置の提供。
【解決手段】溶融塩化マグネシウムあるいは溶融マグネシウムを、溶体受入容器11に抜き出す。また、溶体受入容器11から溶体を抜き出す溶体抜き出し装置Mには、溶体抜出ノズル30と、溶体抜き出しノズル30の先端部には溶融金属等を受け入れる溶体移送容器15との接続部をシールするために接続フランジ31と接続管32とが備えられ、接続管32の下端部は、溶体移送容器15に設けた溶体受入ノズル37と嵌合して接続し、接続部を覆うシールカバー33が配設されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、溶融塩電解によって製造した高純度マグネシウム等からなる溶体の抜き出し装置および溶体抜き出し方法に関する。
金属チタンは、近年航空機を始め、自動車あるいは二輪車用に用途開発が進んでいる。金属チタンの原料であるスポンジチタンは、クロール法に従って四塩化チタンのマグネシウム還元で反応させることにより工業的に製造されている。
スポンジチタンは、高温・不活性下にある反応容器内で四塩化チタンと溶融マグネシウムを反応させた後、高温・減圧下において前記反応容器内で生成したスポンジチタン内に残留する塩化マグネシウムや金属マグネシウムを分離除去することにより製造されている。
前記の工程で製造されたスポンジチタンは、破砕・整粒後、ブリケット化して電極としVAR溶解(真空アーク溶解)を行うことにより、または破砕整粒されて製造された顆粒状スポンジチタンを電子ビーム溶解炉に供給することにより金属チタンインゴットが溶製されている。
前記の金属チタンインゴットは、展伸材メーカーや航空機メーカーに供給され、板や管あるいは削り出しにより航空機部品に加工される。とりわけ、航空機用の金属チタンインゴットに対しては、不純物が厳しく制限されており、金属チタンインゴットの製造に際しては、原料から金属のチタンインゴットの製造までに用いる容器からのインゴット汚染の可能性もあり、このような容器に対しては細心の注意を払う必要がある。
特に、チタンの窒化物は、金属チタンインゴットの強度に対する感受性が大きいために、好ましくないとされている。しかしながら、チタンインゴットの検査段階でチタンの窒化物が検出される場合があり改善が求められている。チタンの窒化物は、スポンジチタンの製造工程、破砕工程、および溶解工程で大気中の窒素とチタンが反応するなどして生成される場合もあるが、スポンジチタンの製造原料から混入する場合もある。
スポンジチタンの製造原料の中でも、特に溶融マグネシウムは、活性が高いために大気と接触すると容易に酸化物や窒化物を形成する。このため、溶融塩電解工程で製造された溶融マグネシウムは、できるだけ大気との接触を回避しつつ、次工程に移送するように配慮されている。
さらに、前記したように溶融マグネシウム中にマグネシウムの窒化物や酸化物が混入していると四塩化チタンの還元により生成するスポンジチタン中に窒化物や酸化物が移行する場合がある。これらの窒化物や酸化物は金属チタンに比べて融点が高いために溶解生成されたチタンインゴット中に残留すると機械的性質に悪影響を及ぼし好ましくないとされている。
しかしながら、四塩化チタンのマグネシウム還元でスポンジチタンを製造する方法は、バッチ工程であるために、溶融マグネシウムの移送や容器からの排出の際に大気との接触を皆無にすることは困難であり、大気との接触により生成する溶融マグネシウムの酸化や窒化を効果的に抑制できる技術が望まれている。
この点については、溶融マグネシウムを製造する溶融塩電解槽を構成する蓋に貫通配置した陽極と蓋との間隙に電解浴で構成された粉末を充填し、電解槽への大気の巻き込みを抑制する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
この技術によれば、溶融塩電解の際に電解浴と大気の接触を抑制することができると考えられる。しかしながら、この技術では、溶融マグネシウムを容器から排出する際の溶融マグネシウムと大気との接触を防止するという目的には必ずしも有効ではない。
一方、容器に保持されている溶融マグネシウムを別の容器に移し替える際に、フィルターを用いて前記溶融マグネシウムの窒化物を分離除去する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、すでに存在する窒化物や酸化物をフィルターによって除去することができたとしても、溶融マグネシウムを別の容器に排出する際に大気と接触して新たに発生する窒化物生成を抑制するという目的に対してはこの手段は有効ではない。
このような観点から、例えば図6に示すように、溶融金属を溶体抜き出しノズル30から接続管32を経由し、溶体移送容器15に払い出す際に、前記接続管32と溶体受入ノズル37との係合部を簡易カバー39で覆い、溶融金属と大気との接触による酸化や窒化の抑制に配慮していた。しかしながら、この簡易カバーでは溶体移送容器15内に払い出された溶融金属中に酸化物や窒化物の生成を充分に抑制することができず、溶融金属の品質のみならず、溶体移送容器15内に前記酸化物や窒化物の堆積が進行して前記容器に実容積の減少をもたらし、改善が求められていた。
また、前記溶融マグネシウムが溶融塩電解槽から抜き出された後に保持されている容器の内部は不活性ガス雰囲気に保持されているとはいえ、前記容器内への大気の侵入を皆無にすることは困難であり、その結果、容器内に長時間保持されている間に容器内に保持されている溶融マグネシウムが大気中の酸素あるいは窒素と反応してマグネシウムの酸化物や窒化物の生成が認められ、改善が求められていた。
一方、四塩化チタンの溶融マグネシウム還元で副生した塩化マグネシウムを溶融塩電解槽に供給するまでの輸送の間に前記塩化マグネシウムが大気と接触すると酸化マグネシウムを生成することが知られている。
前記酸化マグネシウムが溶融塩電解槽に持ち込まれると、前記酸化マグネシウムが核となり塩化マグネシウムの電解によって生成する溶融金属マグネシウムと塩素ガスとの再結合を助長することが知られている。
また、電極表面で生成した溶融マグネシウム小滴の表面に酸化マグネシウムが付着すると前記溶融マグネシウムの小滴同士の凝集および結合が阻害されて好ましくないと考えられている。
更には、溶融塩電解槽で生成された金属マグネシウム中に前記酸化マグネシウムが混入すると四塩化チタンのマグネシウム還元で生成したスポンジチタン中の酸素含有率の上昇を招き、好ましくないとされている。
生成した金属マグネシウムと塩素ガスとの再結合は電流効率の低下をもたらし、またスポンジチタン中の酸素含有率の上昇を招くために、生成前記塩化マグネシウムを溶融塩電解槽に供給するに先立って前記塩化マグネシウム中の酸化マグネシウムを分離除去しておくことが好ましい。
溶融塩中の酸化物は、セラミックフィルター等による分離除去方法も考えられるが、前記フィルターによる分離除去方法ではセラミックフィルターの目詰まりが新たな課題として浮上し、その対策が必要となる。
このように、純度の高い金属マグネシウムを製造するために、使用する塩化マグネシウムについても純度の高い状態で溶融塩電解槽に供給する技術が求められている。
特開2001−295088号公報 WO2006/095653号公報
以上述べたように、溶融塩電解にて生成された溶融金属マグネシウムをスポンジチタンの製造工程まで移送する間に酸化物や窒化物が形成あるいは混入しないような溶融金属マグネシウムの抜き出し装置およびこれを実施するために好ましい方法が望まれている。
更に、金属マグネシウムの原料である塩化マグネシウムについても不純物の少ない状態で溶融塩電解槽に供給するための好ましい抜き出し装置および方法が望まれている。
したがって、本発明は、溶融塩電解槽にて製造された溶融金属マグネシウムや溶融塩化マグネシウムを次工程に移送する間に大気との接触を極力回避し、その結果酸化物や窒化物の混入のない純度の高い金属マグネシウムを製造することのできる方法およびこれを実施するために好適な溶融マグネシウムの抜き出し装置の提供、および、前記溶融金属マグネシウムの製造原料である塩化マグネシウムを還元工程から電解工程に移送する間の純度低下を効果的に抑制できる抜き出し装置および方法の提供を目的としている。
かかる実情に鑑みて鋭意検討を重ねてきた結果、大気との接触を回避できるように構成した溶体抜き出し装置を用いて、四塩化チタンと金属マグネシウムの還元反応で副生した溶融塩化マグネシウムを溶融塩電解槽に供給し、前記溶融塩化マグネシウムを電解して生成された溶融金属マグネシウムを製造した後、溶融金属マグネシウムよりも比重の小さい溶融塩を予め装入した容器中に、前記溶融マグネシウムを不活性ガス中にて抜き出すことにより、窒化物や酸化物の混入の少ない、純度の高い金属マグネシウムを製造することができることを見出し、本願発明を完成するに至った。
即ち、本願発明に係る溶体抜き出し装置は、溶融塩電解槽または溶体受入容器から溶体を抜き出すための溶体抜き出しノズルと、溶体抜き出しノズルから溶体を受け入れる溶体移送容器との接続部をシールした溶体抜き出し装置であって、溶体抜き出しノズルの先端部には、接続フランジと接続管が接続され、また、接続管の下端部は、溶体移送容器に設けた溶体受入ノズルと嵌合して接続するように構成され、嵌合部を覆うようにシールカバーが配設されていることを特徴とするものである。
また、本願発明に係る溶体抜き出し方法は、四塩化チタンと金属マグネシウムの還元反応で副生した塩化マグネシウムを溶融塩電解槽に供給し、電解槽にて溶融塩電解して溶融金属マグネシウムを製造し、大気との接触を回避できるように構成した上記の溶体抜き出し装置を用いて、溶融金属マグネシウムを、溶融金属マグネシウムよりも比重の小さい溶融塩を予め装入した溶体受入容器に抜き出すことを特徴とするものである。
また、前記溶融金属マグネシウムを容器に抜き出す際に、前記溶融金属マグネシウムに溶融金属マグネシウムよりも比重の小さい溶融塩を添加させつつ溶体移送容器に抜き出すことを好ましい態様としている。
更には、前記溶融金属マグネシウムを溶体受入容器または溶体移送容器に抜き出した後、前記溶融塩を溶融金属マグネシウムの浴面に浮遊させてシール層を構成することを好ましい態様としている。
更に、前記溶融金属マグネシウムよりも比重の小さい溶融塩が塩化リチウムまたは塩化カリウムの中から少なくとも1種以上選択された溶融塩で構成されていることを好ましい態様としている。
また、前記溶融金属マグネシウムを溶体受入容器に抜き出す際に、溶融金属マグネシウムを排出するノズルと溶融金属マグネシウムを受け入れる溶体受入容器との係合部を不活性ガス雰囲気に保持することを好ましい態様としている。
前記した特徴を有する溶体抜き出し装置および溶体抜き出し方法を用いることにより、溶融塩電解工程で製造された溶融金属マグネシウムや溶融塩化マグネシウムを大気と接触することなく容器に排出することができるという効果を奏するものである。
更に、前記容器に抜き出された溶融金属マグネシウムの酸化や窒化も効果的に抑制できるという効果も奏するものである。
本発明に係る溶体抜き出し装置および溶体抜き出し方法に従えば、溶融塩電解槽から容器に抜き出す際に生起される該溶融マグネシウムの酸化や窒化を抑制できるのみならず、容器に移し替えられた後に保持されている溶融マグネシウムの酸化や窒化、あるいは溶融塩化マグネシウムの酸化も効果的に抑制できるという効果を奏するものである。
また、本発明に従って構成された溶体抜き出し装置は、コンパクトでありながら、溶体受入容器から溶体移送容器に排出される際に、前記溶体と大気との接触を効果的に抑制できるという効果を奏するものである。その結果、溶融金属と大気との接触により生成する窒化物や酸化物の生成を抑制することができるという効果を奏するものである。
本発明の最良の実施形態について図面を用いて以下に説明する。
本願発明の詳細な説明に先立って、スポンジチタンの製造後に副生成物の塩化マグネシウムを電解槽に移送し、電解槽にて塩化マグネシウムから製造された溶融金属マグネシウムが還元工程まで移送される際の一連の工程について図1を用いて説明する。
四塩化チタンのマグネシウム還元でスポンジチタンを製造する際に副生された塩化マグネシウム20は、図1の電解槽10に投入され、図示しない陽極および陰極に通電することによって溶融塩電解により溶融金属マグネシウム21が生成される。生成された溶融金属マグネシウム21は、溶融状態にて、溶体受入容器11および/または溶体移送容器15を経て還元容器13に注入されクロール法によるスポンジチタンの製造に供される。
図1に示した接続部A〜Cは、溶融金属マグネシウム21を別の容器に移し替える際に、溶融金属マグネシウムが大気と接する虞のある部位を表している。また、図1中の×印で表現した溶融金属マグネシウムの表層部も容器の中とはいえ大気が僅かでも侵入すると酸化物や窒化物を生成する虞のある部位を表している。本発明ではこれらの部位において溶融金属マグネシウムを保護し酸化物や窒化物の生成を抑制することが好ましい態様とするものである。これら部位における大気と溶融金属マグネシウムとの接触を極力回避する好ましい方法と装置構成について以下に説明する。
まず、溶融金属マグネシウムよりも比重が小さい溶融塩を溶体受入容器11に挿入し、次いで、電解槽10において生成した溶融金属マグネシウム21を溶体受入容器11に抜き出すことが好ましい。
溶融金属マグネシウム21が溶体受入容器11に装入された後は、比重の差によって溶融マグネシウムが下方に沈降するとともに溶融塩が液面に浮上してシール層を形成する。ここで述べている溶融塩のシール層とは、図1の溶体受入容器11と溶体移送容器15に×印で示した層を意味する。したがって、このシール層によって溶融金属マグネシウム21を大気との接触を回避することができる。
このようにして溶融金属マグネシウムを一定期間保管する必要がある際には、溶体受入容器11内でシール層を形成させたまま保持することができる。また、前記の態様は溶体移送容器15に対しても同様に適用することができる。
即ち、溶体受入容器11から溶体移送容器15に溶融金属マグネシウム21を抜き出すに先立って、前記溶体移送容器15内に、シール用の溶融塩を予め装入しておくことが好ましい。前記のような溶融塩を事前に装入しておくことで、溶体移送容器15内に装入された溶融金属マグネシウム21の表面に前記溶融塩のシール層を形成させることができる。
また、前記溶体受入容器11内に保持された溶融金属マグネシウム21を溶体移送容器15に移送する場合には、前記溶体受入容器11内で分離した溶融金属マグネシウム21と溶融塩を再び混合させて、前記混合物を溶体移送容器15へ抜き出してもよい。
このような態様とすることで、溶融金属マグネシウムが接続部Bを通過する際にも大気との接触が抑制され、その結果、酸化マグネシウムや窒化マグネシウムの生成を効果的に抑制することができるという効果を奏する。
また、溶体受入容器11から溶体移送容器15に溶融金属マグネシウムに随伴された溶融塩は、溶体移送容器15内においてシール層を形成し、その結果、大気と溶融金属マグネシウムとの接触を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
溶体移送容器15からスポンジチタン製造のための還元容器13に溶融金属マグネシウム21を移す際は、溶体移送容器15内での溶融金属マグネシウム21と溶融塩の分離を待ち、分離した後に溶融金属マグネシウム21のみを抜き出して還元容器13に装入することが好ましい。前記溶融金属マグネシウムを装入した還元容器13に四塩化チタンを滴下しすることでスポンジチタンを生成させることができる。
以上説明した本発明の高純度金属マグネシウムの製造方法によれば、容器に抜き出された溶融金属マグネシウム21の表面に、比重の小さい溶融塩のシール層を形成させることができ、大気との接触を抑制でき、容器に抜き出された溶融金属マグネシウムの酸化や窒化、あるいは溶融塩化マグネシウムの酸化を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、シール層を構成する溶融塩は、溶融金属マグネシウムよりも比重の小さいものが好ましく、塩化リチウムまたは塩化カリウムの中から少なくとも1種以上選択された溶融塩を用いることが好ましい。特に、塩化リチウムは、融点が614℃であり、溶融塩化マグネシウムの融点よりも低温域にあり、また、蒸気圧も800℃近傍で60mmHgであるので、還元容器内に混入しても真空分離で塩化マグネシウムとともに分離除去することができる。よって、本願発明に用いる溶融塩シール層としては、塩化リチウムを用いることがより好ましい態様である。
本願発明に係る塩化リチウムの比重は、732℃で1.444、塩化カリウムは785℃において1.517である。一方、本願発明によって製造される溶融金属マグネシウムの比重は700℃において1.65であり前記の溶融塩よりも比重が大きい。
よって前記した溶融塩を予め装入した容器に溶融金属マグネシウムを投入することにより、溶融マグネシウム浴面に溶融塩シール層を構成することができるという効果を奏する。
その結果、容器に抜き出された溶融金属マグネシウムが、容器内に侵入した大気中の酸素あるいは窒素との接触を効果的に抑制することができ、その結果、金属マグネシウムの窒化物や酸化物の形成を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
更に前記した溶融塩を、たとえば電解工程から四塩化チタンの還元工程に移送するための移送容器に予め装入しておくことにより、前記移送容器内に保持されている溶融マグネシウムと大気との接触を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
あるいはまた、図2に示すように溶融塩電解槽10で製造された溶融金属マグネシウム21を溶体受入容器11に移し替える際に用いる配管の途中にタンク14を設けて前記溶融金属マグネシウム21の滞留層を設け、前記溶融マグネシウム21の滞留層中に前記した溶融塩を滴下させて、溶融金属マグネシウム21と溶融塩の混合物としたのち、溶体受入容器11に移し替えてもよい。
前記したような溶融塩を溶融金属マグネシウム21に混合させることで、配管から溶体受入容器11に排出される際に形成される溶融マグネシウム流の表面が前記溶融塩で被覆することができ、その結果、前記溶融マグネシウム流と大気中の酸素あるいは窒素との接触を効果的に抑制することができる。
さらには、前記した溶融塩を溶融金属マグネシウムに混在させることで配管内への金属マグネシウムの固着を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
前記溶融金属マグネシウムに混在させた溶融塩は溶融金属マグネシウムよりも軽いために、溶体受入容器11に排出された後、静置させることで溶融マグネシウム浴の表面に浮上分離させることができ、浮上分離された溶融塩は、前記したシール層として機能させることができ、容器内に侵入した大気中の酸素あるいは窒素との接触を効果的に抑制することができる。
前記の溶融塩シール層は、容器の移送中の振動や衝撃によりシール層が破壊されて溶融金属マグネシウム層が露出しないような厚みに構成しておくことが好ましい。本願発明においては、前記溶融金属マグネシウムの層の厚みの3〜5%の範囲となるように溶融塩シール層を形成しておくことが好ましい。
前記の範囲に溶融塩層を構成することにより、溶融金属マグネシウム移送容器の振動に伴う浴レベルが変動しても常に溶融金属マグネシウム層を被覆することができ、その結果、溶融金属マグネシウムの酸化や窒化を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
その結果、溶融塩電解槽で製造された純度の高い溶融金属マグネシウムと大気との接触に伴い生起されうる金属マグネシウムの酸化物や窒化物の形成を効果的に抑制することができ、金属チタンの機械的性質に悪影響を及ぼすと考えられている金属マグネシウムの酸化物や窒化物の混入を抑制できるという効果を奏するものである。特に金属マグネシウムの窒化物は、四塩化チタンの還元により生成された金属チタンまで移行する場合があり、これはLDI(Low Density Inclusions、低密度介在物)として混入が嫌われている不純物である。
溶融金属マグネシウムを抜き出す際には、雰囲気を不活性ガスとし、溶融金属マグネシウムと大気の接触を抑制することが求められ、図3〜図5は、溶融マグネシウムを抜き出す際に形成する不活性ガス雰囲気を保持するための装置構成を表している。
図3は、本願発明に係る溶体抜き出し装置Mの好適な装置構成の一例を表している。本願発明にかかる溶融金属排出装置Mは、溶体受入容器11、溶体抜き出しノズル30、接続管32、シールカバー33、ゲートバルブ40、溶体移送容器15から構成されている。前記接続管32と溶体抜き出しノズル30とは接続フランジ31にて係合されており、前記シールカバー33には不活性ガス供給ノズル50が配設されている。
前記接続管32の下端部には、ストッパー34が配設されている接続管32と、溶体移送容器15の頂部に配設された溶体受入ノズル37の頂部に構成された接続管受部35とが密着して係合されるように構成されている。
前記したように、接続管受部35は、接続管32の下端部と嵌合接続できるように構成することが好ましい。このように構成することで、前記接続管32と接続管受部35の接合部からの大気の侵入を効果的に抑制できるという効果を奏するものである。
シールカバー33には図3に示すように不活性ガス供給ノズル50を設けておくことが好ましく、前記ノズルより内部に不活性ガスを供給することが好ましい。この際、前記シールカバー内が、大気圧よりも大きくなるようにアルゴンガスを供給することが好ましい。このような不活性ガス雰囲気をシールカバー33の内部に形成しておくことにより接続管32と溶体抜き出しノズル30との接続部および接続管32と接続管受部35との接触面から内部への大気の侵入を効果的に抑制することができる。その結果、溶体受入容器11から溶体移送容器15へ排出された溶融金属の酸化や窒化を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
また、前記不活性ガス供給ノズル50は、前記したようなシールカバー33ではなく、図4に示すように溶体受入ノズル37に設けてもよい。このような位置に不活性ガス供給ノズル50を設けることにより。シールカバー33内のみならず、パッキン部36から溶体受入ノズル37内への大気の侵入も効果的に抑制することができる。この場合には、溶体受入ノズル37内のみならずシールカバー33内へもアルゴンガスを供給することが好ましい。更には、前記溶体受入ノズル37およびシールカバー33内を大気圧以上の圧力に保持しておくことが好ましい。
本願発明においては、図5に示すように前記シールカバー33の内部に、更に内カバー38を配置しておいても良い。このような内カバー38を増設することにより接続管32から排出される溶融金属と大気との接触による酸化や窒化を効果的に抑制することができる。
また、本願発明に係る接続管32を内管と外管から構成し、前記内管と外管が相互に摺動して伸縮可能なように構成することもできる。このような配置とすることで、溶体抜き出しノズル30と溶体受入ノズル37との間隔を好適に調節することができるという効果を奏するものである。
前記した装置および方法には、溶融金属マグネシウムの排出に対して好適に適用することできるが、溶融アルミニウムや溶融亜鉛、あるいは溶融金属カルシウムの排出にも好適に適用することができる。
次に、本願発明に係る溶融金属の排出装置を用いた溶融金属の排出方法の好ましい態様について図3を用いて述べる。前記溶体受入容器11の周囲には図示しない加熱装置が装着されており、前記加熱装置により溶体受入容器11内の溶融金属は、常に前記金属の融点以上に保持しておくことが好ましい。
次いで、接続管32を溶体抜き出しノズル30にボルトにて係合した後、前記溶体受入容器11の高さを調節して、溶体抜き出しノズル30に係合された接続管32の下端部が接続管32の下方外周部に配設したストッパー34の下端と接続管受部35に密着するように配置することが好ましい。
以上述べた手順により接続管32と溶体抜き出しノズル30および溶体受入ノズル37との接続を完了させることができる。次いで、前記接続管32の配設が完了した後は、前記接続管32および前記接続管32と溶体受入ノズル37との接続部を覆うようにシールカバー33を配設することが好ましい。
この際、前記シールカバー33の下端にあるフランジ面と接続管受部35の外周に設けたフランジ部で密着できるように構成しておくことが好ましい。更に、前記フランジ間には、耐熱性パッキン36を介装させておくことが好ましい。
次いで、前記シールカバー33に設けた不活性ガス供給ノズル50に図示しない不活性ガス配管を係合した後、不活性ガスの供給を開始する。この際、シールカバー33に装着した図示しない圧力計により、シールカバー33の内部に圧力が常に正圧になるように調整することが好ましい。
本願発明においては、図3または図4に示すように溶体受入ノズル37に設けた不活性ガス供給ノズル50から不活性ガスを内部に供給すると、接続管32より排出される溶融金属の温度に短時間のうちに加熱昇温される。
しかしながら、前記不活性ガス供給ノズル50に導入するに先立って予め前記不活性ガスを溶融金属と同じ温度に予熱しておくことが好ましい。このような態様をとることで、前記シールカバー33内のガスシールに必要な不活性ガスの流量を適切に確保することができるという効果を奏するものである。
前記不活性ガスの予熱がない場合には、加熱された不活性ガス量流量が溶融金属の流量を下回ることも想定され、この場合には大気の混入が懸念される。このため前記不活性ガスを予熱しておくことにより、前記不活性ガスの導入に伴う溶融金属の温度低下も併せて抑制することができるという効果を奏するものである。
また、溶融金属が金属マグネシウムの場合には、窒素ガスと反応して窒化物を生成するため、前記溶融金属が溶融マグネシウムの場合には、前記不活性ガスはアルゴンガスを用いることが好ましい。また、前記アルゴンガスを予熱する際には、例えば、スポンジチタンやチタン切粉を充填した加熱炉を通過させることが好ましい。
前記したような充填層にアルゴンガスを通過させることで容易にアルゴンガスを溶融金属温度まで昇温することができる。また、前記のような加熱炉内にチタン材のような活性金属の充填層を構成しておくことにより、前記アルゴンガス中に含まれる微量の酸素や窒素あるいは水分を効果的に分離除去することができるという効果を奏する。
前記の条件を満足するように不活性ガスを供給することで、溶体受入容器11から溶体移送容器15に排出される溶融金属の酸化あるいは窒化を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
なお、シールカバー33内に供給する不活性ガスの流量は多いほど大気の侵入抑制という点では好ましいが、シールカバー33内の圧力が前記溶融金属の供給圧力を超えると溶融金属の供給に支障を来たすことになるために、円滑な溶融金属の供給が可能な圧力範囲に維持しておくことが好ましい。
また、不活性ガスの流量は、前記溶体受入容器11から排出される溶融金属の排出流量に対して常に多くなるように供給しつつ、前記溶融金属の排出速度の変動幅を超えないように制御することがより好ましい。
前記の範囲になるように不活性ガスを供給することにより、シールカバー33内への大気の巻き込みを抑制しつつ、過剰な不活性ガスの使用を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
前記した操作を行うことにより、シールカバー33内の圧力を不活性ガス雰囲気に保持することができ、その結果、接続管32と溶体抜き出しノズル30および溶体受入ノズル37との係合部からの大気の侵入を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
前記の操作が完了後、溶体移送容器15に配設された図示しない排ガスノズルを開として、溶体受入容器11から溶体移送容器15までの溶融金属の排出流路を形成する。
次いで、溶体移送容器15に配設した図示しないノズルからアルゴンガスを前記容器内に供給して、溶融金属の払い出しを開始する。
以上の操作が完了したところで、溶体受入容器11に係合した図示しない加圧用ガス供給ノズルより内部に不活性ガスの供給を開始する。不活性ガスの供給開始に伴い、溶体受入容器11内の溶融金属は、溶体抜き出しノズル30、接続管32を経由して、溶体移送容器15に排出される。
溶体受入容器11と溶体移送容器15は同じレベルに配置することが好ましい。その結果、溶体受入容器11への不活性ガスの加圧を停止し、図示しないバルブを開放することで溶融金属の排出を確実に停止させることができる。
溶体受入容器11内にある溶融金属の排出完了は、溶体受入容器11が載置されたロードセルの変化により容易に検知することができる。
溶融金属の排出完了が確認された後は、ゲートバルブ40を閉とした後、次いで、シールカバー33、接続管32を溶体抜き出しノズル30および溶体受入ノズル37から脱着して、溶融マグネシウムの排出操作を完了する。
以上述べた方法により、溶体受入容器11から溶融金属を効率よく、また、大気との接触を回避しつつ行うことができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、また、図1に示した工程とは逆方向に向かって、還元容器13で副生した塩化マグネシウムを、図3〜図6に示した装置および金属マグネシウムを移送する際に実施する方法に習って、電解槽10まで移送することもできる。
その結果、溶融塩化マグネシウムと大気との接触を効果的に抑制することができ、その結果、電解槽10に装入される溶融塩化マグネシウム中の酸化マグネシウムの生成量を効果的に抑制することができる。
その結果、溶融塩化マグネシウムの溶融塩電解における電流効率の低下を効果的に抑制することができる。また、前記溶融塩化マグネシウムの溶融塩電解で生成する溶融金属マグネシウム中に随伴される酸化マグネシウム量も効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
なお、本願発明に係る溶融金属は、溶融マグネシウム、溶融アルミニウム、溶融亜鉛、あるいは溶融カルシウム等に適用することができる。また、前記した金属以外にも、大気と接触すると好ましくない不純物を生成するような金属に対しても好適に用いることができる。
1.設備仕様
1)溶体受入容器
材質:炭素鋼(SS400)
大きさ:外径2000mm×高さ2000mm
内圧:0〜0.05atm(加圧時:0.4atm)
2)接続管
材質:炭素鋼(SS400)
大きさ:内径68mm×外径77mm×長さ1000mm
3)カバー
材質:炭素鋼(SS400)
大きさ:内径300mm×長さ500mm
4)溶体移送容器
材質:炭素鋼(SS400)
大きさ:内径2000mm×高さ2000mm
内圧:0〜0.05atm(加圧時:0.4atm)
2.試験条件
1)溶融金属
種類:溶融マグネシウム
排出速度:380リッター/分(6000Kg/10分)
温度:700℃
比重:1.58
2)シール用溶融塩
塩化リチウム
比重:1.46(700℃)
3.試験結果(溶融マグネシウムの移送に伴う不純物の重量増加)
[実施例1]
図4に示した装置を実機に適用して、溶体受入ノズル37よりアルゴンガスを供給しながら、溶体受入容器11から溶体移送容器15への溶融マグネシウムの排出を繰り返し、前記溶体移送容器15の風袋重量の経時変化を計100バッチにつきそれぞれ調査し、20バッチごとに整理しその結果を表1に示した。その結果、20バッチごとの平均風袋重量変化は、0.6Kg/回であった。
[実施例2]
実施例1において、溶体移送容器15に予めシール用溶融塩を装入しておいた以外は実施例1と同じ条件にて、溶融マグネシウムの抜き出し試験を実施した。その結果、実施例1に比べて更に溶体移送容器15の風袋重量の増加が抑制され、20バッチごとの平均風袋重量変化は、0.5Kg/回であった。結果を表1に併記する。
[比較例1]
当該発明に係る装置を適用しないで、図6に示した簡易カバーを用いて溶融マグネシウムの排出を行った以外は実施例1と同様にして、各バッチの風袋重量変化を調査した。その結果、20バッチごとの平均風袋重量変化は、2.0Kg/回であった。結果を表1に併記する。
Figure 2009030161
4.試験結果(各溶融マグネシウムによるスポンジチタン製造)
[実施例3]
実施例1の方法を用いて、図1において電解工程から移送された溶融マグネシウムを還元容器に移送して四塩化チタンを還元しスポンジチタンを製造した。還元容器内で生成したスポンジチタンを真空分離してスポンジチタン大塊を得た。不純物が濃縮されているスポンジチタン大塊の表面をハツリ除去した後、前記スポンジチタン大塊を破砕整粒して製品スポンジチタンを得た。得られた製品スポンジチタンの歩留まりは、84%であった。
[比較例2]
また、実施例3の方法において、図3から図6の装置は用いずに、溶融マグネシウムを溶融塩電解槽10から還元容器13に移送してスポンジチタンを製造した。実施例3の方法で得られた製品スポンジチタン重量を100%とした場合に、当比較例の歩留まりは、82%に留まった。
さらに、比較例1の溶体移送容器15の底部を観察したところ多量の固形物が確認された。前記固形物を分析したところ、酸化マグネシウムや窒化マグネシウムが検出された。これに対して当該装置を適用後の実施例1の溶体移送容器15の底部にも酸化マグネシウムや窒化マグネシウムが検出されたが、その量は僅かであった。このように本願発明に係る装置を適用することにより酸化マグネシウムや窒化マグネシウムの生成量を効果的に抑制できることが確認された。
5.試験結果(溶融塩化マグネシウムの移送に伴う不純物の重量増加)
[実施例4]
図4に示した溶体抜き出し装置Mを溶体移送容器15に適用して、溶体受入ノズル37よりアルゴンガスを供給しながら、溶体移送容器15から溶体受入容器11への溶融塩化マグネシウムの排出を100回繰り返した。前記溶体受入容器11へ排出された塩化マグネシウムを電解槽10に供給して溶融塩電解を行い金属マグネシウムと塩素ガスを再生した。当該方法で製造された金属マグネシウムの回収量から電流効率を計算した。
[比較例3]
実施例4において、溶体抜き出し装置Mを用いない以外は同じ条件下にて塩化マグネシウムの溶融塩電解を行い、金属マグネシウムの回収量から電流効率を計算した。
溶体抜き出し装置Mを用いない場合の比較例3に対して、溶体抜き出し装置Mを用いた実施例4において計算された電流効率は、比較例3での電流効率を100%とした場合、2%の改善が認められた。この原因は、本願発明に係る溶体抜き出し装置Mを用いることにより、塩化マグネシウムと大気との接触により生成する酸化マグネシウム量が減少し、その結果、電解槽10に持ち込まれる酸化マグネシウム量が減少したためと推察される。前記電流効率の改善は小さいように見えるが、電流効率は電力使用量と直結しており電力費の削減に大きく寄与するものである。
以上の実施例および比較例の結果より、溶体受入容器11と溶体移送容器15とを係合する接続管32のカバーおよび前記空間部へのアルゴンガスの供給が溶融金属の酸化あるいは窒化防止に有効であることが確認された。
酸化物や窒化物等の混入が抑制された、純度の極めて高い溶融金属マグネシウムや溶融塩化マグネシウムを製造することができる。これらを利用することで、高純度チタンの製造を実現することができる。
本発明の溶融金属の抜き出し工程を示す模式断面図である。 電解槽と溶体受入容器の間に設けるタンクの模式断面図である。 本発明の溶融金属の抜き出し装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の溶融金属の抜き出し装置の他の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の溶融金属の抜き出し装置の他の実施形態を示す模式断面図である。 従来の簡易カバーを用いた溶融金属の抜き出し装置を示す模式断面図である。
符号の説明
10 電解槽
11 溶体受入容器
13 還元容器
14 タンク
15 溶体保持容器
20 電解浴(塩化マグネシウム)
21 溶融金属マグネシウム
30 溶体抜き出しノズル
31 接続フランジ
32 接続管
33 シールカバー
34 ストッパー
35 接続管受部
36 パッキン
37 溶体受入ノズル
38 内カバー
39 簡易カバー
40 ゲートバルブ
50 不活性ガス供給ノズル
51 排ガスバルブ
A 接続部A
B 接続部B
C 接続部C

Claims (14)

  1. 溶融塩電解槽または溶体受入容器から溶体を抜き出すための溶体抜き出しノズルと、上記抜き出しノズルから溶体を受け入れる溶体移送容器との接続部をシールした溶体抜き出し装置であって、
    上記溶体抜き出しノズルの先端部には、接続フランジと接続管が接続され、また、上記接続管の下端部は、上記溶体移送容器に設けた溶体受入ノズルと嵌合して接続するように構成され、前記嵌合部を覆うようにシールカバーが配設されていることを特徴とする溶体抜き出し装置。
  2. 前記シールカバーには、不活性ガス導入ノズルが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の溶体抜き出し装置。
  3. 前記溶体受入ノズルには、不活性ガス導入ノズルが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の溶体抜き出し装置。
  4. 前記溶体受入ノズルには、前記溶体受入容器からの溶体を遮断するためのゲートバルブを配設したことを特徴とする請求項1に記載の溶体抜き出し装置。
  5. 前記溶体が溶融マグネシウムまたは溶融塩化マグネシウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶体抜き出し装置。
  6. 四塩化チタンと金属マグネシウムの還元反応で副生した溶融塩化マグネシウムを電解槽にて溶融塩電解して溶融金属マグネシウムを製造し、
    請求項1〜5のいずれかに記載の溶体抜き出し装置を用いて、上記溶融金属マグネシウムを、溶融金属マグネシウムよりも比重の小さい溶融塩を予め装入した溶体受入容器に抜き出すことを特徴とする溶体抜き出し方法。
  7. 前記溶融塩電解して製造された溶融金属マグネシウムに、前記溶融金属マグネシウムよりも比重の小さい溶融塩を添加しつつ前記溶体受入容器に抜き出すことを特徴とする請求項6に記載の溶体抜き出し方法。
  8. 前記溶体受入容器に保持された前記溶融金属マグネシウムを溶体移送容器に抜き出す際に、上記溶体受入容器から溶融マグネシウムを排出するノズルと、上記溶体移送容器との係合部を不活性ガス雰囲気に保持することを特徴とする請求項6に記載の溶体抜き出し方法。
  9. 前記溶融金属マグネシウムよりも比重の小さい溶融塩が、塩化リチウムおよび塩化カリウムから選択された少なくとも1種以上の溶融塩で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の溶体抜き出し方法。
  10. 前記溶融金属マグネシウムを前記溶体受入容器または前記溶体移送容器に抜き出した後、溶融金属マグネシウムよりも比重の小さい前記溶融塩を溶融金属マグネシウムの浴面に浮遊させて溶融塩シール層を構成することを特徴とする請求項9に記載の溶体抜き出し方法。
  11. 前記溶体受入容器内に保持されている溶融塩と溶融金属マグネシウムのうち、前記溶融金属マグネシウムのみを前記溶体移送容器に移送することを特徴とする請求項10に記載の溶体抜き出し方法。
  12. 前記溶体移送容器内に保持されている溶融塩と溶融金属マグネシウムのうち、前記溶融金属マグネシウムのみを四塩化チタンの還元容器に移送することを特徴とする請求項10に記載の溶体抜き出し方法。
  13. 前記請求項1〜5のいずれかに記載の溶体抜き出し装置を用い、四塩化チタンと金属マグネシウムの還元反応で副生した溶融塩化マグネシウムを、溶体移送容器から溶体受入容器に抜き出すことを特徴とする溶体抜き出し方法。
  14. 前記請求項1〜5のいずれかに記載の溶体抜き出し装置を用い、四塩化チタンと金属マグネシウムの還元反応で副生した溶融塩化マグネシウムを、溶体受入容器から溶融塩電解槽に抜き出すことを特徴とする溶体抜き出し方法。
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