JP2009030105A - 方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤および方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤および方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
アルミナ系の方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤を用いた場合に、従来よりも方向性電磁鋼板の鉄損を向上させる。
【解決手段】
方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤として、アルミナ:100質量部に対して、アクリル酸、アクリル酸エステルおよびアクリル酸塩またはこれらの重合体もしくは共重合体のうちから選んだ少なくともl種:0.001〜5.0質量部を配合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、変圧器の鉄心材料などに供して好適な方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤およびこの方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤を用いた方向性電磁鋼板の製造方法に関し、特に鉄損特性の有利な改善を図ろうとするものである。
電圧変換用の大型変圧器や柱上変圧器には、そのエネルギーロスを低減するために、方向性電磁鋼板が使用されている。方向性電磁鋼板は、Goss方位と呼ばれる{110}<001>方位を有する結晶粒を優先的に成長させることで、磁化容易軸である<001>方位を圧延方向に配向させて、鉄損と呼ばれるエネルギーロスを低減している。鉄損は低いほど好ましいため、<001>方位の配向度を改善したり、磁区細分化処理と呼ばれる処理を鋼板に施して、磁区幅を減少させ、励磁時の磁壁の移動距離を短くさせることによって、低鉄損化を達成している。磁区細分化処理方法としては、<001>方位に配向している圧延方向とほぼ直角に物理的な溝や歪を導入させる方法が一般的であり、突起を有するロールで圧下する方法、プラズマ照射により熱歪を導入する方法、レーザ照射により熱歪を導入する方法、化学的にエッチングする方法等が知られている。
また、鋼板の表面を鏡面のように平滑化することで、磁壁移動時の障害を除去し、移動を円滑にせしめて低鉄損化する方法も行われている。鏡面化の方法としては、焼鈍分離剤として使用しているマグネシア中に様々な添加剤を加えて、フォルステライトと地鉄との界面の結合を弱くすることでフォルステライト被膜形成後に剥離させる方法、フォルステライト被膜が形成した後に、物理的もしくは化学的に被膜を除去する方法および焼鈍分離剤としてフォルステライト被膜を形成しない酸化物や無機物を使用する方法等が提案されている。
上記した酸化物や無機物として、アルミナが知られている。アルミナは安価であり、かつ種々の粒度が市販されているため、塗布性や鋼板への付着性を粒度調節によって変更することが容易であるからである。また、アルミナは極めて安定な物質であることから、例えばアルミナ中の酸素が離脱して鋼中のSiと酸化物を形成し、鋼板の特性を劣化させることもほとんどない。
従って、焼鈍分離剤としてアルミナを使用することが、盛んに検討されている。しかしながら、アルミナを使用した場合、期待したほどには鉄損が改善されないという問題があった。
本発明は、上記の実情に鑑みて開発されたもので、方向性電磁鋼板の製造に使用した場合に、従来よりも、鉄損を改善することができるアルミナ系の方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤を、該焼鈍分離剤を用いた方向性電磁鋼板の製造方法と共に提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の課題を解決すべく数多くの実験と検討を重ねた結果、焼鈍分離剤としてアルミナを用いた場合に、該アルミナ中に少量のアクリル酸系の物質を添加し、これを焼鈍分離剤として使用することにより、鉄損の有利な改善が達成されることを見出した。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次の通りである。
(1)アルミナ:100質量部に対して、アクリル酸、アクリル酸エステルおよびアクリル酸塩またはこれらの重合体もしくは共重合体のうちから選んだ少なくともl種:0.001〜5.0質量部を配合したことを特徴とする方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤。
(2)質量%で、C:0.10%以下、Si:2.0〜8.0%およびMn:0.005〜1.0%を含有する組成になるスラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚に仕上げ、ついで一次再結晶焼鈍後、最終仕上焼鈍を施す一連の工程により、方向性電磁鋼板を製造するに当たり、最終仕上焼鈍において鋼板に焼鈍分離剤を塗布し、その焼鈍分離剤として、アルミナ:100質量部に対して、アクリル酸、アクリル酸エステルおよびアクリル酸塩またはこれらの重合体もしくは共重合体のうちから選んだ少なくともl種:0.001〜5.0質量部を配合したものを用いることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明の方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤を用いた場合、従来のアルミナ系焼鈍分離剤を用いた場合に比べて、方向性電磁鋼板の鉄損特性を効果的に向上させることができる。
以下、本発明の基礎となった実験結果について説明する。
まず、次の要領で試料を製作した。なお、成分に関する「%」表示は、特に断りがない限り、[質量%]を意味するものとする。
C:0.05%、Si:3.35%、Mn:0.10%、Se:0.020%、Cr:0.025%およびSb:0.035%を含み、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になるスラブを、連続鋳造にて製造し、1350℃でスラブ加熱した後、熱間圧延により2.5mm厚の熱延板とし、ついで1025℃で60秒の熱延板焼鈍を施したのち、1回目の冷間圧延により0.56mmの中間厚さとした。さらに、1000℃、60秒の中間焼鈍後、2回目の冷間圧延により0.23mmの最終板厚に仕上げた。その後、均熱条件が850℃で90秒の脱炭焼鈍を施した後、水に懸濁させたアルミナスラリーを焼鈍分離剤として鋼板に塗布し、200℃で焼付けした。この時、アルミナスラリーに、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびエチレングリコールをそれぞれ配合した。配合量はアルミナ:100質量部に対し、いずれも0.1質量部とした。上記の焼鈍分離剤を塗布後、850℃で20時間保持した後に1200℃まで昇温して10時間保持する純化焼鈍を行った。その後、付着しているアルミナを水洗により除去した。
かくして得られた試料の鉄損W17/50を、JIS C 2550に規定される「鉄損試験」に従い測定した。測定結果を図1に示す。
同図に示したように、アクリル酸系、すなわち、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムを配合した場合に、良好な鉄損が得られた。
上述したとおり、アルミナ中にアクリル酸系を配合した場合に、鉄損が改善された理由については、まだ明らかではないが、発明者らは次のように考えている。
本実験で使用した5種類の添加剤は、通常、固体を液体中に均一に分散させる分散剤として使用され、懸濁物が凝集して沈降するのを抑制する働きをもつ。本実験のように、これら5種類の添加剤をアルミナスラリーに配合した場合、アルミナ粒子の表面に吸着してアルミナ粒子を取り囲む形態をとると考えられる。これら5種類の添加剤の中で、アクリル酸系のものは、吸水性が特に高い。よって、アルミナ粒子を取り囲んだアクリル酸系分散剤は周囲の水を捕捉し、アルミナ粒子に水が接触することを防止していると考えられる。その結果、アルミナが水和することなく鋼板に適用され、水和水による磁気特性の劣化を回避していると推測される。
また、アルミナの水和により、磁気特性が劣化する原因については、水和水により二次再結晶時にインヒビターの分解が促進され、二次再結晶の発現自体が困難になったり、Goss方位とは異なる方位を有する粒が二次再結晶して磁性の劣化を招くことや、水和水を介して鋼中に微細な酸化物が形成され、磁壁移動に悪影響を及ぼすことなどが考えられる。すなわち、アルミナの水和水は、仕上焼鈍中に比較的高温で放出されるため、二次再結晶に与える悪影響が大きいのに対し、アクリル酸等に吸水された水分は比較的低温で放出されるため、二次再結晶にはほとんど影響を及ぼさないものと考えられる。
以上から、焼鈍分離剤にアルミナスラリーを使用した場合においても、良好な鉄損を得るためには、如何にしてアルミナの水和水を生じさせないかが重要である。そのために、本発明では、アルミナ系の焼鈍分離剤を用いる場合に、アクリル酸系の物質を配合することにしたのである。
次に、本発明の構成要件における限定理由について述べる。
まず、本発明の要である方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤の組成であるが、アルミナ:100質量部に対して、添加剤として、アクリル酸、アクリル酸エステルおよびアクリル酸塩またはこれらの重合体もしくは共重合体から選んで少なくともl種:0.001〜5.0質量部を配合することが重要である。というのは、配合量が0.001質量部未満の場合には、鉄損の劣化防止効果に乏しく、一方5.0質量部を超えるとやはり鉄損の劣化防止効果の低下を招くからである。より好ましくは、0.01〜1.0質量部の範囲である。
ここに、本発明に従う、アクリル酸エステルおよびアクリル酸塩またはこれらの重合体もしくは共重合体としては、以下に述べるものが好適である。
・アクリル酸エステル:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸イソブチル
・アクリル酸塩:アクリル酸ナトリウムおよびアクリル酸アンモニウム
・アクリル酸系の重合体:ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウム
・アクリル酸系の共重合体:アクリル酸−カルボン酸共重合体のナトリウム塩およびアクリル酸−スルホン酸共重合体のナトリウム塩
次に、本発明が対象とする方向性電磁鋼板の主要成分について説明する。
C:0.10%以下
C量が、0.10%より多いと、脱炭・一次再結晶焼鈍工程で、磁気時効の起こらない50ppm以下にまで低減することができないので、0.10%以下に限定した。より好ましくは、0.08%以下である。
Si:2.0〜8.0%
Siは、鋼の比抵抗を高め、鉄損を改善させるために必要な元素であるが、2.0%未満ではその添加効果に乏しく、一方8.0%を超えると鋼の加工性が劣化し、圧延が困難となるので、2.0〜8.0%の範囲に限定した。より好ましくは、2.5〜3.5%の範囲である。
Mn:0.005〜1.0%
Mnは、熱間加工性を良好にするために必要な元素であるが、0.005%未満は、その効果に乏しく、一方1.0%を超えると製品板の磁束密度が低下するので、0.005〜1.0%の範囲に限定した。より好ましくは、0.02〜0.20%の範囲である。
上記の成分の他、通常はインヒビター成分を含有させるが、最近はインヒビターを使用しない方法も行われており、本発明は、この方法に対しても有利に適合する。
まず、インヒビターを用いる場合について説明する。
インヒビターとしては、AlN、BN、MnS、MnSe等が知られているが、これらのいずれを用いてもよく、また、これらのうちから二種類以上を複合して使用しても良い。インヒビターとして、AlNを用いる場合におけるそれぞれの元素の含有量は、Al:0.01〜0.04%、N:30〜120ppmとすることが好ましい。また、BNを用いる場合におけるそれぞれの元素の含有量は、B:0.001〜0.015%、N:30〜120ppmとすることが好ましい。さらに、MnSおよび/またはMnSeを用いる場合におけるそれぞれの元素の含有量は、Mn:0.03〜0.10%、SとSeの合計量:0.01〜0.03%とすることが好ましい。ここで、「ppm」は[質量ppm]を意味する。いずれの場合も、含有量が、これらの範囲よりも低いとインヒビターとして効果に乏しく、一方高いと二次再結晶が不安定になる。
他方、インヒビターを用いない場合は、Alは100ppm以下、N、S、Seについては50ppm以下に低減することが良好に二次再結晶させる上で好適である。
以上、基本成分について説明したが、本発明では、その他にも、以下に述べるように元素を適宜含有させることができる。
すなわち、例えば、熱延板組織を改善して磁気特性を向上させる元素としてNiを含有させることができる。しかしながら、Ni含有量が0.01%未満では磁気特性の向上量が小さく、一方1.5%を超えると二次再結晶が不安定になり磁気特性が劣化するので、Ni量は、0.010〜1.50%程度とすることが好ましい。
また、鉄損を低減させる目的で、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%およびP:0.005〜0.50%のうちから選んだ1種または2種以上を含有させることができる。しかしながら、いずれの成分も含有量が下限値未満の場合には、鉄損の改善効果に乏しく、一方上限値を超える場合には、二次再結晶の発達が抑制され、磁気特性が劣化するという問題がある。従って、各元素の含有量は上記程度とすることが好ましい。
さらに、磁束密度を向上させる目的で、Sn:0.005〜0.50%、Sb:0.005〜0.50%、Bi:0.005〜0.50%およびMo:0.005〜0.100%のうちから選んだ1種または2種以上を含有させることができる。しかしながら、各成分の含有量が、下限値未満の場合には、磁束密度向上効果に乏しいという問題があり、一方上限値を超える場合には、二次再結晶粒の発達が抑制され磁気特性の劣化を招く。従って、各元素の含有量は上記程度とすることが好ましい。
次に、本発明における製造条件について述べる。
上記の好適成分組成に調整したスラブを、造塊法、連続鋳造法などで製造する。また、100mm以下の厚さの薄鋳片を直接鋳造法で製造してもよい。
スラブは、通常の方法で加熱したのち、熱間圧延に供するが、鋳造後加熱せずに直ちに熱延してもよい。薄鋳片の場合には熱間圧延してもよいし、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進めてもよい。熱間圧延前のスラブ加熱温度は、Al、N、SおよびSeを低減したインヒビター成分を含まない成分系の場合は、従来必須であったインヒビターを固溶させるための高温焼鈍を必要としないことから、1250℃以下の低温とすることがコストの面で望ましい。一方、インヒビター成分を含む場合は固溶の観点から1400℃超の加熱を必要とする場合がある。
次いで、必要に応じて熱延板焼鈍を施す。良好な磁性を得るためには、熱延板焼鈍温度は800℃以上1150℃以下程度とすることが好適である。熱延板焼鈍温度が800℃未満であると、熱延でのバンド組織が残留し、整粒の一次再結晶組織を実現することが困難になり、二次再結晶の発達が阻害される。一方、熱延板焼鈍温度が1150℃を超えると、熱延板焼鈍後の粒径が粗大化しすぎるため、やはり整粒の一次再結晶組織を実現する上で極めて不利となる。
熱延板焼鈍後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷延を施した後、一次再結晶焼鈍を行う。冷間圧延の温度を100℃〜300℃に上昇させて行うこと、および冷間圧延途中で100〜300℃の範囲での時効処理を1回または複数回行うことが、磁気特性を向上させる上で有効である。一次再結晶焼鈍は、脱炭を必要とする場合には雰囲気を湿潤雰囲気とするが、脱炭を必要としない場合は、乾燥雰囲気で行っても良い。一次再結晶焼鈍後は、浸珪法によってSi量を増加させる技術を併用してもよい。
その後、二次再結晶焼鈍と純化焼鈍からなる最終仕上焼鈍を施す。二次再結晶焼鈍は、二次再結晶発現のために750℃以上で行う必要があり、二次再結晶を完了させるためには800℃以上の温度で5時間以上保持させることが望ましい。そして、少なくとも純化焼鈍の前に焼鈍分離剤を塗布する。純化焼鈍としては、1000℃以上で1時間以上保持することが望ましい。二次再結晶に最適な温度と、純化に最適な温度は異なることが多いから、初めに二次再結晶に最適な温度で保持し、その後、昇温して純化に最適な温度とすることが望ましい。
最終仕上焼鈍後は、付着したアルミナを除去するため、水洗やブラッシング、酸洗を行うことが有用である。その後、平坦化焼鈍を行い、形状を矯正することが鉄損低減のために有効である。
鋼板を積層して使用する場合には、鉄損を改善するために、平坦化焼鈍前もしくは後に、鋼板表面に絶縁コーティングを施すことが有効である。また、より一層の鉄損低減のためには張力コーティングを付与することが望ましい。この張力コーティング付与に際しては、鋼板表面は平滑化されているので、バインダーを介した張力コーティング塗布方法や、CVDおよびPVDにより無機物を鋼板表層に蒸着させるコーティング方法を採用すると、密着性に優れ、かつ鉄損低減効果に富む絶縁被膜を得ることができる。
C:0.042%、Si:3.16%、Mn:0.082%およびSe:0.012%を含むスラブを、連続鋳造にて製造し、1400℃で加熱後、熱間圧延により2.0mmの厚さの熱延板とし、ついで1000℃で35秒の熱延板焼鈍を施した後、1回目の冷間圧延により0.45mmの中間厚さとし、1020℃で60秒の中間焼鈍後、2回目冷間圧延により0.20mmの最終板厚に仕上げた。その後、均熱条件が850℃で90秒の脱炭焼鈍を施した後、焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布し、200℃で焼付けした。この時、焼鈍分離剤としては、アルミナ中に表1に示す添加剤を配合した。ついで、850℃で20時間保持の二次再結晶焼鈍後、1200℃まで昇温して4時間保持する純化焼鈍からなる最終仕上焼鈍を行った。その後、付着しているアルミナを水洗により除去した。さらに、CVD法によりTiNを鋼板表層に蒸着させてコーティングとした。得られた電磁鋼板からサンプルを切り出し、このサンプルをJIS C 2550に規定の「鉄損試験」に準拠して鉄損W17/50を測定した。得られた結果を表1に併記する。
Figure 2009030105
同表から明らかなように、本発明に従い、アクリル酸系の物質を適量配合した焼鈍分離剤を使用した場合には、良好な鉄損が得られた。
表2に示す成分組成になるスラブを、連続鋳造にて製造し、1400℃で加熱した後、熱間圧延により2.2mmの厚さの熱延板とし、ついで1100℃で35秒の熱延板焼鈍を施した後、1回目の冷間圧延により0.55mmの中間厚さとし、さらに、950℃で60秒の中間焼鈍を施した後、2回目の冷間圧延により0.23mmの最終板厚に仕上げた。その後、均熱条件が850℃で90秒の脱炭焼鈍を施した後、アルミナ:100質量部に対して、ポリアクリル酸ナトリウムを0.02質量部配合したアルミナスラリーを鋼板に塗布し、200℃で焼付けした。ついで、1200℃で10時間保持する最終仕上焼鈍を行った。その後、付着しているアルミナを水洗により除去した。さらに、CVD法によりTiNを鋼板表層に蒸着させてコーティングとした。得られた電磁鋼板からサンプルを切り出し、このサンプルをJIS C 2550に規定の「鉄損試験」に準拠して鉄損W17/50を測定した。得られた結果を表2に併記する。
なお、比較のため、焼鈍分離剤として従来のようにアルミナ(AlO)単味を用いた場合についても同様の実験を行った(No.13)。得られた結果を表2に併記する。
Figure 2009030105
本発明の成分系を満足する鋼板に対し、同じく本発明の要件を満足するインヒビターを用いた場合または用いない場合のいずれの場合においても、本発明の焼鈍分離剤を適用することにより、従来よりも鉄損を低減することができた。
焼鈍分離剤に加えた添加剤の種類と鉄損との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. アルミナ:100質量部に対して、アクリル酸、アクリル酸エステルおよびアクリル酸塩またはこれらの重合体もしくは共重合体のうちから選んだ少なくともl種:0.001〜5.0質量部を配合したことを特徴とする方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤。
  2. 質量%で、C:0.10%以下、Si:2.0〜8.0%およびMn:0.005〜1.0%を含有する組成になるスラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚に仕上げ、ついで一次再結晶焼鈍後、最終仕上焼鈍を施す一連の工程により、方向性電磁鋼板を製造するに当たり、最終仕上焼鈍において鋼板に焼鈍分離剤を塗布し、その焼鈍分離剤として、アルミナ:100質量部に対して、アクリル酸、アクリル酸エステルおよびアクリル酸塩またはこれらの重合体もしくは共重合体のうちから選んだ少なくともl種:0.001〜5.0質量部を配合したものを用いることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
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