JP2009029672A - Iii族窒化物結晶およびその成長方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液相法において大型の結晶を成長させることができるIII族窒化物結晶の成長方法を提供する。
【解決手段】 本III族窒化物結晶の成長方法は、液相法によるIII族窒化物結晶10の成長方法であって、平坦な主面1mを有し、少なくとも主面1m側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶1aを含み、主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板1を準備する工程と、基板1の主面1mに、III族金属を含む溶媒3に窒素含有ガス5を溶解させた溶液を接触させて、主面1m上にIII族窒化物結晶10を成長させる工程と、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】 本III族窒化物結晶の成長方法は、液相法によるIII族窒化物結晶10の成長方法であって、平坦な主面1mを有し、少なくとも主面1m側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶1aを含み、主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板1を準備する工程と、基板1の主面1mに、III族金属を含む溶媒3に窒素含有ガス5を溶解させた溶液を接触させて、主面1m上にIII族窒化物結晶10を成長させる工程と、を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、液相法によるIII族窒化物結晶の成長方法およびその成長方法により得られるIII族窒化物結晶に関する。
III族窒化物結晶は、各種半導体デバイスの基板などに広く用いられている。近年、各種半導体デバイスを効率的に製造するために、大型のIII族窒化物結晶が求められている。
III族窒化物結晶を成長させる方法としては、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法などの気相法、高圧溶液法、フラックス法などの液相法などがある。ここで、液相法は、気相法に比べて、その結晶成長において有毒なガスを使用しないため環境保護の面で優れている。
かかる液相法においてIII族窒化物結晶を成長させる方法として、たとえばM. Bockowski,“Growth and Doping of GaN and AlN Single Crystals under High Nitrogen Pressure”, Cryst. Res. Technol., vol.36, (2001), 8-10, p.771-787(非特許文献1)は高圧溶液法によるGaN結晶の成長方法を開示する。また、H. Yamane, 他3名,“Preparation of GaN Single Crystals Using a Na Flux”, Chem. Mater., Vol.9, No.2, (1997), p.413-416(非特許文献2)はNaフラックス法によるGaN結晶の成長方法を開示する。また、特開2003−206198号公報(特許文献1)はNaフラックス法により板状のIII族窒化物種結晶を用いたGaN結晶の成長方法を開示する。
しかし、非特許文献1に開示された成長方法は、結晶成長条件が1500℃で1GPaと高温高圧であるため結晶の製造コストが高くなり、また種結晶を用いていないため大型の結晶を成長させることが困難である。また、非特許文献2に開示された成長方法では、800℃で10MPaと比較的実施しやすい結晶成長条件であるが、種結晶を用いていないため大型の結晶を成長させることが困難である。また、特許文献1に開示された成長方法は、用いられている板状の種結晶の口径が大きくないため、大型の結晶が得られていない。
特開2003−206198号公報
M. Bockowski,"Growth and Doping of GaN and AlN Single Crystals under High Nitrogen Pressure", Cryst. Res. Technol., vol.36, (2001), 8-10, p.771-787
H. Yamane, 他3名,"Preparation of GaN Single Crystals Using a Na Flux", Chem. Mater., Vol.9, No.2, (1997), p.413-416
しかし、高圧溶液法、フラックス法などの液相法によりIII族窒化物結晶の成長においては、大口径の板状のIII族窒化物種結晶基板上に、基板と化学組成が同じIII族窒化物結晶をホモエピタキシャル成長させても、基板および基板上に成長させたIII族窒化物結晶に割れが発生し、大型のIII族窒化物結晶基板を得ることが困難である。
本発明は、液相法において大型の結晶を成長させることができるIII族窒化物結晶の成長方法を提供することを目的とする。
かかる基板およびIII族窒化物結晶の割れの原因について詳細に検討した結果、基板およびIII族窒化物結晶の割れと基板の転位密度との間に相関があることを見出した。さらに、検討を進めることにより、液相法による基板上におけるIII族窒化物結晶のホモエピタキシャル成長において、基板の主面における貫通転位の平均密度を5×106cm-2以下、好ましくは1×106cm-2以下とすることにより、基板および基板上に成長させたIII族窒化物結晶の割れが抑制され、大型のIII族窒化物結晶の成長が可能となることを見出した。
本発明は、液相法によるIII族窒化物結晶の成長方法であって、平坦な主面を有し、少なくとも主面側にIII族窒化物結晶と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶を含み、主面における貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板を準備する工程と、基板の主面に、III族金属を含む溶媒に窒素含有ガスを溶解させた溶液を接触させて、主面上にIII族窒化物結晶を成長させる工程と、を備えるIII族窒化物結晶の成長方法である。ここで、III族窒化物結晶を成長させる工程において、III族窒化物結晶の結晶成長面における貫通転位の平均密度を5×106cm-2以下とすることができる。
本発明にかかるIII族窒化物結晶の成長方法において、主面における貫通転位の平均密度を1×106cm-2以下とすることができる。ここで、III族窒化物結晶を成長させる工程において、III族窒化物結晶の結晶成長面における貫通転位の平均密度を1×106cm-2以下とすることができる。
また、本発明にかかるIII族窒化物結晶の成長方法において、基板の主面内の任意の一辺が30μmの第1の正方形領域における貫通転位を200個以下、さらには50個以下とすることができる。また、III族窒化物結晶の結晶成長面内の任意の一辺が30μmの第2の正方形領域における貫通転位を200個以下、さらには50個以下とすることができる。
また、本発明にかかるIII族窒化物結晶の成長方法において、基板を全体がIII族窒化物種結晶で形成されている自立基板とすることができる。また、基板の主面の面積を1cm2以上とすることができる。また、成長させるIII族窒化物結晶をGaN結晶とすることができる。ここで、溶媒を純度が99質量%以上の金属Gaとすることができる。
また、本発明は、上記の成長方法により得られるIII族窒化物結晶である。
本発明によれば、液相法において大型のIII族窒化物結晶を成長させることができる。
(実施形態1)
本発明にかかるIII族窒化物結晶の成長方法の一実施形態は、図1〜図3を参照して、液相法によるIII族窒化物結晶10の成長方法であって、平坦な主面1mを有し、少なくとも主面1m側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶1aを含み、主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板1を準備する工程と、基板1の主面1mに、III族金属を含む溶媒3に窒素含有ガス5を溶解させた溶液を接触させて、主面1m上にIII族窒化物結晶10を成長させる工程と、を備える。
本発明にかかるIII族窒化物結晶の成長方法の一実施形態は、図1〜図3を参照して、液相法によるIII族窒化物結晶10の成長方法であって、平坦な主面1mを有し、少なくとも主面1m側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶1aを含み、主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板1を準備する工程と、基板1の主面1mに、III族金属を含む溶媒3に窒素含有ガス5を溶解させた溶液を接触させて、主面1m上にIII族窒化物結晶10を成長させる工程と、を備える。
本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法においては、主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板の主面1m上にIII族窒化物結晶10をホモエピタキシャル成長させることにより、基板および基板上に成長させたIII族窒化物結晶の割れが抑制され、大型の結晶が得られる。
本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法に用いられる成長装置は、たとえば、図1および図2を参照して、外容器29と、外容器29の内部に配置された断熱材27と、断熱材27の内部に配置されたヒータ25と、ヒータ25の内側に配置された内容器21とを備える。この内容器21内には、その中でIII族窒化物結晶10を成長させるための結晶成長容器23が配置されている。ここで、結晶成長容器23の材料は、溶媒3および窒素含有ガス5と反応せず、機械的強度および耐熱性が高いものであれば特に制限はないが、BN(窒化ホウ素)などが好ましい。また、内容器21の材料は、機械的強度および耐熱性の高いものであれば特に制限はないが、ステンレス、耐熱鋼などが好ましい。また、外容器29の材料は、機械的強度および耐熱性の高いものであれば特に制限はないが、ステンレスなどが好ましい。また、断熱材27の材料は、機械的強度、耐熱性および断熱性の高いものであれば特に制限はないが、ウール状のグラファイトなどが好ましい。
また、本実施形態で用いられる成長装置は、第1の配管41によって内容器21に繋がれている窒素含有ガス供給装置31と、第2の配管43によって外容器29に繋がれている加圧用ガス供給装置33と、第3の配管45によって外容器29に繋がれている真空排気装置35とを備える。ここで、第1の配管41には、窒素含有ガス5の供給流量を調節するためのバルブ41vが設けられ、バルブ41vより内容器21側の部分41aには第1の圧力計41pが設けられている。また、第2の配管43には、加圧用ガス7の供給流量を調節するためのバルブ43vが設けられ、バルブ43vより外容器29側の部分43aには第2の圧力計43pが設けられている。また、第3の配管45には、排気流量を調節するためのバルブ45vが設けられている。
さらに、第1の配管41のバルブ41vより内容器21側の部分41aと第3の配管45のバルブ45vより外容器29側の部分45aとを繋ぐ第4の配管47が設けられている。この第4の配管47にはバルブ47vが設けられている。なお、図1には、参考のため、第1の配管41のバルブ41vより窒素含有ガス供給装置31側の部分41b、第2の配管43のバルブ43vより加圧用ガス供給装置33側の部分43b、第3の配管45のバルブ45vより真空排気装置35側の部分45bも図示した。
本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法は、図1〜図3を参照して、まず、平坦な主面1mを有し、少なくとも主面1m側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶1aを含み、主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板を準備する工程(基板の準備工程)を備える。
本実施形態において準備される基板1は、平坦な主面1mを有する。平坦な主面1mは、その主面を研削、研磨およびエッチングなどの平滑化方法から選ばれる少なくとも1つの方法により行なうことができる。主面を平坦化することにより、その主面上にIII族窒化物結晶をエピタキシャル成長させることが容易になる。
また、基板1は、少なくとも主面1m側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶1aを含む。かかる基板1は、その主面1m上にIII族窒化物結晶10をホモエピタキシャル成長させることができる。ここで、基板1としては、成長させるIII族窒化物結晶と化学組成が同じIII族窒化物種結晶を主面1m側に有するものであれば特に制限はなく、たとえば、下地基板1b上にIII族窒化物種結晶1aが形成されているテンプレート基板、全体がIII族窒化物種結晶1aで形成されている自立基板などが挙げられる。たとえば、III族窒化物結晶10としてAlxGayIn1-x-yN結晶(0≦x、0≦y、x+y≦1)をホモエピタキシャル成長させる場合には、基板1のIII族窒化物種結晶1aとしてAlxGayIn1-x-yN種結晶(0≦x、0≦y、x+y≦1)を用いる。
また、基板1は、主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である。ここで、主面における貫通転位とは、主面を貫通する転位をいい、主面において点状に現われる。また、平均密度とは、主面における平均密度を意味する。
本実施形態において、基板1の主面1mにおける貫通転位の平均密度の算出は、CL(カソードルミネッセンス)法による暗点密度を測定することにより行なう。図4に示すように、測定領域は、1辺が30μmの第1の正方形領域1pとする。かかる第1の正方形領域1pは、基板1の主面1m内に一定のピッチP1で配置される。したがって、基板1の主面1mにおける貫通転位の平均密度は、主面1m内の全ての第1の正方形領域1pのCL法による暗点密度を平均することにより算出される。
主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板1は、基板1の内部歪みが小さいため、基板および基板の主面上にホモエピタキシャル成長させたIII族窒化物結晶の割れを抑制することができ、大型の結晶が得られる、と考えている。基板1の内部歪みが小さく基板および基板上に成長させたIII族窒化物結晶の割れをより抑制する観点から、主面1mにおける貫通転位の平均密度は1×106cm-2以下が好ましい。
また、本実施形態においては、基板1の主面1m内の任意の第1の正方形領域1pにおける貫通転位が200個以下であることが好ましい。すなわち、基板1の主面1m内に配置された複数の第1の正方形領域1pにおいて、各第1の正方形領域1pにおける貫通転位が200個以下であることが好ましい。主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下であると基板および基板上に成長させたIII族窒化物結晶が割れることはないが、主面1m内において貫通転位が200個を超える第1の正方形領域があると、かかる第1の正方形領域および第1の正方形領域上に成長したIII族窒化物結晶領域に局所的なクラックが発生しやすくなる。任意の第1の正方形領域における貫通転位を200個以下にすることにより、局所的なクラックをも抑制することができる。かかる局所的なクラックを発生させない観点から、基板1の主面1m内の任意の第1の正方形領域における貫通転位が50個以下であること、すなわち各第1の正方形領域における貫通転位が50個以下であることがより好ましい。
また、基板1としては、成長させるIII族窒化物結晶と化学組成が同じIII族窒化物種結晶を主面1m側に有するものであれば特に制限はなく、下地基板1b上にIII族窒化物種結晶1aが形成されているテンプレート基板、全体がIII族窒化物種結晶1aで形成されている自立基板などが挙げられる。ここで、液相法による結晶成長においては、基板として全体がIII族窒化物種結晶1aで形成されている自立基板を用いても、基板および基板上に成長させたIII族窒化物結晶に発生していた割れが、本実施形態の成長方法を用いることにより抑制される。かかる観点から、本実施形態の成長方法は、基板として全体がIII族窒化物種結晶1aで形成されている自立基板を用いる場合に、その有用性が高い。
また、基板1の主面1mの面積は、特に制限はないが、1cm2以上であることが好ましく、10cm2以上であることがより好ましい。従来の液相法による結晶成長においては、基板の主面の面積が大きくなるほど基板および成長させた結晶が割れやすくなるのに対し、本実施形態の成長方法による結晶成長においては、主面の面積が大きくても基板および基板上に成長させた結晶の割れが抑制される。かかる点から、本実施形態の成長方法は、基板の主面の面積が大きくなるほど、その有用性が高い。
本実施形態で準備される基板1は、平坦な主面1mを有し、少なくとも主面1m側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶1aを含み、主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下であるものであれば特に制限はない。また、基板1のIII族窒化物種結晶1aは、HVPE法、MOCVD法などの気相法、溶液法、フラックス法などの液相法など、どのような方法によって成長されたものであってもよい。
すなわち、基板の準備工程とは、どのようにして形成された基板であっても、液相法によりIII族窒化物結晶を成長させるための基板として、平坦な主面1mを有し、少なくとも主面1m側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶1aを含み、主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板1を選択する点に意義がある。
本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法は、図1〜3を参照して、次に、基板1の主面にIII族金属を含む溶媒3に窒素含有ガス5を溶解させた溶液を接触させて、主面1m上にIII族窒化物結晶10を成長させる工程(III族窒化物結晶の成長工程)を備える。
かかるIII族窒化物結晶の成長工程は、たとえば、以下の複数のサブ工程によって行なわれる。まず、結晶成長容器23の底にその平坦な主面1mを上に向けて基板1が配置される(基板配置サブ工程)。結晶成長容器23には、特に制限はないが、耐熱性の観点から、BN(窒化ホウ素)製の坩堝などが好ましく用いられる。基板1は、少なくとも主面1m側にIII族窒化物結晶10と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶1aを含む。
次に、基板1が配置された結晶成長容器23内にIII族金属を含む溶媒3を入れる(溶媒配置サブ工程)。この溶媒3は室温(約25℃)中では固体であるが、後の加熱により液化する。III族金属を含む溶媒3には、制限はないが、純度の高いIII族窒化物結晶を成長させる観点から、III族金属の純度が高いものが好ましい。たとえば、高純度のGaN結晶を成長させるためには、高純度の金属Gaを用いることが好ましい。この場合、金属Gaの純度は、99質量%以上が好ましく、99.999質量%以上がより好ましい。ここで、III族金属を含む溶媒3の量は、特に制限はないが、液化した溶媒3(融液)の深さが基板1の主面1mから1mm以上50mm以下であることが好ましい。かかる深さが1mmより小さいと溶媒3(融液)の表面張力のため基板の全面を溶媒3(融液)が覆わない恐れがあり、50mmより大きいと溶媒3(融液)の液面からの窒素の供給が不足してしまうためである。
次に、基板1およびIII金属を含む溶媒3が収容された結晶成長容器23を内容器21内に配置する(結晶成長容器配置サブ工程)。図1および図2においては、たとえば、5つの結晶成長容器23が配置されている。内容器21に複数の結晶成長容器23を配置することにより、同時に複数のIII族窒化物結晶10の成長が可能となる。
次に、真空排気装置35を用いて、内容器21および外容器29の内部を真空排気する(真空排気サブ工程)。内容器21および外容器29の内部の不純物を除去するためである。このとき、バルブ41vおよび43vは閉じられており、バルブ47vおよび45vは開かれている。真空排気後の内容器21および外容器29の真空度は、特に制限はないが、残留不純物を低減する観点から、1Pa以下が好ましい。
次に、内容器21および外容器29内に、それぞれの容器の内圧が1MPa以上10MPa以下となるようにそれぞれ窒素含有ガス5および加圧用ガス7を供給する(窒素含有ガス供給サブ工程)。このとき、内容器21内に供給される窒素含有ガス5は、特に制限はないが、純度の高いIII族窒化物結晶を成長させる観点から、窒素の純度が高いことが好ましい。かかる観点から、窒素含有ガス5は、純度が99.999モル%以上の窒素ガスが好ましい。一方、外容器29に供給される加圧用ガス7は、外容器29内の圧力維持のために用いられIII族窒化物結晶の成長に用いられるものではないため、窒素含有ガスでなくともよい。ただし、外容器29内にはヒータ25が配置されているため、加圧用ガス7には、ヒータ25により反応を起こさない不活性ガス、たとえば窒素ガス、アルゴンガスなどが好ましく用いられる。
次に、ヒータ25を用いて、内容器21および外容器29の内部を加熱して、内容器21内部全体の温度を800℃以上1000℃以下にする(加熱サブ工程)。かかる加熱により、内容器21に配置されたIII族金属を含む溶媒3は固体から液体(融液)となり、基板1の主面1mを覆い、この溶媒3(融液)に窒素含有ガス5が溶解する。このようにして、基板1の主面1mに、III族金属を含む溶媒3に窒素含有ガス5を溶解させた溶液を接触させることができる。ここで、ヒータ25は、内容器21および外容器29の内部の加熱に適したものであれば特に制限はないが、内容器および外容器の内部の温度分布の制御が容易な観点から、抵抗加熱方式のものが好ましく用いられる。
加熱サブ工程中は、内容器21にさらに窒素含有ガス5を供給して、内容器21の内圧が外容器22の内圧に比べて0.01MPa以上0.1MPa以下の範囲で大きくなるようにする。すなわち、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaとなるようにする。外容器29内の加圧用ガス7が内容器21内に混入するのを防止して、外容器29内の窒素の純度を高く維持するためである。
次に、内容器21への窒素含有ガス5の供給量および加熱量を調節して、内容器21内部全体の温度を800℃以上1000℃以下に維持したまま内容器21の内圧を1MPa以上10MPa以下として、基板1の主面10m上にIII族窒化物結晶10を所定時間成長させる(結晶成長サブ工程)。このとき、外容器29への加圧用ガス7の供給量を調節して、外容器29の内圧を内容器21の内圧に比べて0.01MPa以上0.1MPa以下の範囲で小さくなるようにする。すなわち、結晶成長時においても加熱時と同様に、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaとなるようにする。
次に、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaの関係を維持しながら、内容器21および外容器29のそれぞれの内部を冷却および減圧下して、内容器21の結晶成長容器27から基板1上に成長したIII族窒化物結晶10を取り出す(結晶取り出しサブ工程)。
本実施形態において、主面1mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板1の主面1m上に、III族窒化物結晶10を成長させる工程において、III族窒化物結晶10の結晶成長面10a,10b,10mにおける貫通転位の平均密度を5×106cm-2以下とすることが好ましい。また、主面1mにおける貫通転位の平均密度が1×106cm-2以下である基板1の主面1m上に、III族窒化物結晶10を成長させる工程において、III族窒化物結晶10の結晶成長面10a,10b,10mにおける貫通転位の平均密度を1×106cm-2以下とすることがより好ましい。
ここで、III族窒化物結晶10の結晶成長面10a,10b,10mにおける貫通転位とは、結晶成長面10a,10b,10mを貫通する転位をいい、結晶成長面10a,10b,10mにおいて点状に現われる。また、平均密度とは、結晶成長面10a,10b,10mにおける平均密度を意味する。また、結晶成長面10a,10b,10mは結晶が成長する際の面をいい、結晶成長中の結晶成長面10a,10bおよび結晶成長後の結晶成長面10mを含む。結晶成長の方向は通常基板の主面に対して実質的に垂直であるため、各結晶成長面10a,10b,10mは、いずれも基板1の主面1mに対して実質的に平行である。
本実施形態において、III族窒化物結晶10の結晶成長面10a,10b,10mにおける貫通転位の平均密度の算出は、基板1の主面1mにおける貫通転位の平均密度の算出の場合と同様に、CL(カソードルミネッセンス)法による暗点密度を測定することにより行なう。図5に示すように、測定領域は、1辺が30μmの第2の正方形領域10pとする。かかる第2の正方形領域10pは、III族窒化物結晶10の結晶成長面10m内に一定のピッチP2で配置される。したがって、III族窒化物結晶10の結晶成長面10mにおける貫通転位の平均密度は、結晶成長面10m内の全ての第2の正方形領域のCL法による暗点密度を平均することにより算出される。ここで、図5には結晶成長後の結晶成長面1mについて図示したが、結晶成長中の結晶成長面1a,1bについても同様である。
すなわち、基板1の主面1m上に、III族窒化物結晶10を成長させる工程は、結晶成長面10a,10b,10mにおける貫通転位の平均密度を、基板1の主面1mにおける貫通転位の平均密度に比べて増加させることなく行なうことが好ましい。ここで、転位の密度を増加させないとは、結晶成長において、転位を発生しないことの他、転位を発生しても発生した転位が消滅することを含む。ここで、結晶成長においては、転位は結晶成長方向と同じ方向に伝搬していくため、基板の主面における貫通転位は、結晶の結晶成長面における貫通転位として伝搬していく。基板の主面における貫通転位の密度を増加させることなく結晶成長を行なうと、結晶の結晶成長面における貫通転位の密度は、基板の主面における貫通転位の密度と同じかそれ以下となる。
また、本実施形態においては、III族窒化物結晶10の結晶成長面10a、10b、10mの任意の第2の正方形領域10pにおける貫通転位が200個以下であるように結晶成長させることが好ましい。すなわち、III族窒化物結晶10の結晶成長面10a,10b,10m内に配置された複数の第2の正方形領域10pにおいて、各第2の正方形領域10pにおける貫通転位が200個以下であることが好ましい。結晶成長面10a、10b、10mにおける貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下であると基板および基板上に成長させたIII族窒化物結晶が割れることはないが、結晶成長面10a、10b、10m内において貫通転位が200個を超える第2の正方形領域があると、かかる第2の正方形領域に局所的なクラックが発生しやすくなる。任意の第2の正方形領域における貫通転位を200個以下にすることにより、局所的なクラックをも抑制することができる。かかる局所的なクラックの発生を発生させない観点から、III族窒化物結晶10の結晶成面10a,10b,10m内の任意の第2の正方形領域における貫通転位が50個以下であること、すなわち各第2の正方形領域1pにおける貫通密度が50個以下であることがより好ましい。
本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法において、結晶成長面10a,10b,10mにおける貫通転位の平均密度を基板1の主面1mにおける貫通転位の平均密度に比べて増加させることなく、また、結晶成長面10a、10b、10mの任意の第2の正方形領域における貫通転位が200個以下となるように、結晶成長を行なう方法には、特に制限はないが、本実施形態のような溶液法においては、結晶成長速度を大きくしすぎないことが必要である。転位を発生させない上限の結晶成長速度は主に結晶成長温度に依存し、800℃以上1000℃以下の結晶成長温度であれば結晶成長速度は1μm/hr以下とすることが好ましい。結晶成長速度が1μm/hr以下の低速度でホモエピタキシャル成長を行なうことにより、結晶成長中の転位の発生が抑制され、発生した転位が消滅しやすくなる。本実施形態の成長方法において、結晶成長温度(内容器内の温度)が800℃以上1000℃以下、結晶成長圧力(内容器内の圧力)が1MPa以上10MPa以下の条件であれば、溶媒3中のIII族金属(たとえば金属Ga)に金属Naや金属Liなどのような結晶成長を促進させる物質を添加しなければ、結晶成長速度は1μm/hr以下となる。
(実施形態2)
本発明にかかるIII族窒化物結晶の一実施形態は、図3を参照して、実施形態1の成長方法により得られる。本実施形態のIII族窒化物結晶10は、実施形態1の方法により成長されたものであるため、大型の結晶となる。また、純度の高いIII族金属および窒素含有ガスを原料として用いることにより、純度の高いIII族窒化物結晶となる。
本発明にかかるIII族窒化物結晶の一実施形態は、図3を参照して、実施形態1の成長方法により得られる。本実施形態のIII族窒化物結晶10は、実施形態1の方法により成長されたものであるため、大型の結晶となる。また、純度の高いIII族金属および窒素含有ガスを原料として用いることにより、純度の高いIII族窒化物結晶となる。
1.基板の準備
基板1として、HVPE法で作製した主面1mが研磨された平坦な(0001)Ga面で直径が2インチ(50.8mm)で厚さ350μmの自立性のGaN基板を多数準備した。その主面の中央部は、X線回折による測定結果から、(0001)面に対するオフ角が0.5°以下であった。かかる多数のGaN基板から、主面における貫通転位の平均密度が5×106cm-2より大きく1×107cm-2以下のGaN基板、主面における貫通転位の平均密度が1×106cm-2より大きく5×106cm-2以下のGaN基板、主面における貫通転位の平均密度が1×106cm-2以下のGaN基板をそれぞれ10枚ずつ選別した。
基板1として、HVPE法で作製した主面1mが研磨された平坦な(0001)Ga面で直径が2インチ(50.8mm)で厚さ350μmの自立性のGaN基板を多数準備した。その主面の中央部は、X線回折による測定結果から、(0001)面に対するオフ角が0.5°以下であった。かかる多数のGaN基板から、主面における貫通転位の平均密度が5×106cm-2より大きく1×107cm-2以下のGaN基板、主面における貫通転位の平均密度が1×106cm-2より大きく5×106cm-2以下のGaN基板、主面における貫通転位の平均密度が1×106cm-2以下のGaN基板をそれぞれ10枚ずつ選別した。
ここで、GaN基板の主面における貫通転位の平均密度の算出は、図4を参照して、主面1m内において5mmのピッチP1の格子点上に配置された69個の1辺が30μmの第1の正方形領域のCL法による暗点密度を測定し、それらを平均することにより行なった。
以下において、主面における貫通転位の平均密度DSが5×106cm-2<DS≦1×107cm-2のGaN基板を用いてGaN結晶を成長させる例を比較例1といい、1×106cm-2<DS≦5×106cm-2のGaN基板を用いてGaN結晶を成長させる例を実施例1といい、DS≦1×106cm-2のGaN基板を用いてGaN結晶を成長させる例を実施例2という。
2.GaN結晶の成長
図3を参照して、上記各GaN基板(基板1)を、その平坦な主面1mを上に向けて、内径60mmで深さ20mmのBN製坩堝(結晶成長容器23)の底に配置した。次に、GaN基板(基板1)が配置されたBN製坩堝(結晶成長容器23)内に、100gの純度99.9999質量%の金属Ga(溶媒3)を入れた。この金属Ga(溶媒3)は室温(約25℃)中では固体であるが、後の加熱により液体(金属Ga融液)となり、金属Ga融液(溶媒3)の表面からGaN基板(基板1)の主面1mまでの深さが5mmとなった。
図3を参照して、上記各GaN基板(基板1)を、その平坦な主面1mを上に向けて、内径60mmで深さ20mmのBN製坩堝(結晶成長容器23)の底に配置した。次に、GaN基板(基板1)が配置されたBN製坩堝(結晶成長容器23)内に、100gの純度99.9999質量%の金属Ga(溶媒3)を入れた。この金属Ga(溶媒3)は室温(約25℃)中では固体であるが、後の加熱により液体(金属Ga融液)となり、金属Ga融液(溶媒3)の表面からGaN基板(基板1)の主面1mまでの深さが5mmとなった。
次に、GaN基板(基板1)および金属Ga(溶媒3)が収容されたBN製坩堝(結晶成長容器23)を5段にして内容器21内に配置した。
次に、真空ポンプ(真空排気装置35)を用いて、内容器21および外容器29の内部を真空排気した。真空排気後の内容器21および外容器29の真空度は、1×10-3Paであった。
次に、内容器21および外容器29内に、それぞれの容器の内圧が1MPaとなるようにそれぞれ窒素含有ガス5および加圧用ガス7を供給した。このとき、内容器21内に供給される窒素含有ガス5には、純度が99.99999モル%の高純度の窒素ガスを用いた。一方、外容器29に供給される加圧用ガス7には、純度が99.9999モル%の窒素ガスを用いた。
次に、抵抗加熱方式のヒータ25を用いて、内容器21および外容器29の内部を加熱して、内容器21内部全体の温度を975±5℃にした。かかる加熱により、内容器21に配置された金属Ga(溶媒3)は液化して、GaN基板(基板1)の主面1mを覆い、この液化した金属Gaすなわち金属Ga融液(溶媒3)に高純度の窒素ガス(窒素含有ガス5)が溶解する。このようにして、GaN基板(基板1)の主面1mに、金属Ga融液(溶媒3)に高純度の窒素ガス(窒素含有ガス5)を溶解させた溶液を接触させることができた。加熱中は、内容器21にさらに高純度の窒素ガス(窒素含有ガス5)を供給して、内容器21の内圧が外容器22の内圧に比べて0.01MPa以上0.1MPa以下の範囲で大きくなるようにした。すなわち、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaとなるようにした。
次に、内容器21への窒素含有ガス5の供給量および加熱量を調節して、内容器21内部全体の温度を975±5℃に維持したまま内容器21の内圧を10MPaとして、GaN基板(基板1)の主面10m上にGaN結晶(III族窒化物結晶10)を3000時間成長させた。このとき、外容器29への窒素ガス(加圧用ガス7)の供給量を調節して、外容器29の内圧を内容器21の内圧に比べて0.01MPa以上0.1MPa以下の範囲で小さくなるようにした。すなわち、結晶成長時においても加熱時と同様に、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaとなるようにした。
次に、0.01MPa≦{(内容器の内圧)−(外容器の内圧)}≦0.1MPaの関係を維持しながら、内容器21および外容器29のそれぞれの内部を冷却および減圧下して、30℃に冷却された内容器21のBN製坩堝(結晶成長容器27)の液状の金属Ga(溶媒3)からGaN基板(基板1)上に成長したGaN結晶(III族窒化物結晶10)をピンセットで取り出した。得られたGaN結晶の厚さは、190μm〜280μmであった。すなわち、GaN結晶の成長速度は、0.0633μm/hr〜0.0933μm/hrであった。
比較例1の10枚のGaN基板(5×106cm-2<DS≦1×107cm-2)上にそれぞれ成長させたGaN結晶は10枚中全てが割れていた。また、GaN結晶の結晶成長後の結晶成長面における貫通転位の平均密度DCは、基板の主面における貫通転位の平均密度と同様の方法で測定したところ、5×106cm-2<DC≦1×107cm-2であった。すなわち、本比較例において、結晶成長の際には貫通転位の密度は増加していなかった。ここで、GaN結晶の結晶成長面における貫通転位の平均密度DCの測定の際には、各第2の正方形領域が各第1の正方形領域の直上に位置するようにした。なお、結果を表1にまとめた。
これに対して、実施例1の10枚のGaN基板(1×106cm-2<DS≦5×106cm-2)上にそれぞれ成長させたGaN結晶は、10枚中割れていたのは4枚であった。また、GaN結晶の結晶成長後の結晶成長面における貫通転位の平均密度DCは、1×106cm-2<DC≦5×106cm-2であった。すなわち、本実施例において、結晶成長の際には貫通転位の密度は増加していなかった。結果を表1にまとめた。
さらに、実施例2の10枚のGaN基板(DS≦1×106cm-2)上にそれぞれ成長させたGaN結晶は、10枚中割れていたものは無かった。また、GaN結晶の結晶成長後の結晶成長面における貫通転位の平均密度DCは、DC≦1×106cm-2であった。すなわち、本実施例において、結晶成長の際には貫通転位の密度は増加していなかった。結果を表1にまとめた。
表1から明らかなように、液相法によるIII族窒化物結晶の成長において、主面における貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下、好ましくは1×106cm-2以下の基板を用いることにより、その基板およびその基板上に成長させたIII族窒化物結晶の割れが抑制され、大型のIII族窒化物結晶が得られることがわかった。
なお、実施例1においては、10枚の基板について、CL法により各基板の主面内の69個の1辺が30μmの第1の正方形領域の暗点密度(貫通転位の密度)を測定した際に、100個より多くの貫通転位を有する第1の正方形領域の数とその位置を記録しておき、基板および基板上に成長させた結晶に割れがなかった6枚について、基板上に成長させたIII族窒化物結晶に発生した局所的クラックの発生位置との関係を調べた。200個より多くの貫通転位を有する第1の正方形領域の直上に位置する第2の正方形領域は、200個より多くの貫通転位を有し、局所的クラックの発生確率は約80%(5箇所中4箇所にクラックが発生)と高かった。100個より多く200個以下の貫通転位を有する第1の正方形領域の直上に位置する第2の正方形領域は、100個より多く200個以下の貫通転位を有し、局所的クラックが発生確率は約13%(47箇所中6箇所にクラックが発生)と低かった。
また、実施例2においても、実施例1と同様にして、10枚の基板について、20個より多くの貫通転位を有する第1の正方形領域の数とその位置を記録しておき、基板および基板上に成長させた結晶に割れがなかった10枚について、基板上に成長させたIII族窒化物結晶に発生した局所的クラックの発生位置との関係を調べた。50個より多くの貫通転位を有する第1の正方形領域の直上に位置する第2の正方形領域は、50個より多くの貫通転位を有し、局所的クラックの発生(25箇所中2箇所にクラックが発生)が認められた。しかし、20個より多く50個以下の貫通転位を有する第1の正方形領域上には局所的クラックの発生は認められなかった(52箇所全てにクラックの発生はなし)。また、8枚の基板については、基板およびその上に成長させた結晶に割れがない上に局所的なクラックの発生もなかった。また、それらの8枚の基板のうち、2枚の基板には、貫通転位が50個より多い第1の正方形領域は認められなかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる成長方法により得られたIII族窒化物結晶は、発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、HEMT(高電子移動度トランジスタ)などの電子素子、温度センサ、圧力センサ、放射線センサ、可視−紫外光検出などの半導体センサ、SAWデバイス(表面弾性波素子)、振動子、共振子、発振器、MEMS(微小電子機械システム)部品、圧電アクチュエータなどのデバイス用の基板などに用いられる。
1 基板、1a III族窒化種物結晶、1b 下地基板、1m 主面、1p 第1の正方形領域、3 溶媒、5 窒素含有ガス、7 加圧用ガス、10 III族窒化物結晶、10a,10b,10m 結晶成長面、10p 第2の正方形領域、21 内容器、23 結晶成長容器、25 ヒータ、27 断熱材、29 外容器、31 窒素含有ガス供給装置、33 加圧用ガス供給装置、35 真空排気装置、41 第1の配管、41a,43a バルブより内容器側の部分、41b バルブより窒素含有ガス供給装置側の部分、41p,43p 圧力計、41v,43v,45v,47v バルブ、43 第2の配管、43b バルブより加圧用ガス供給装置側の部分、45 第3の配管、45a バルブより外容器側の部分、45b バルブより真空排気装置側の部分、47 第4の配管。
Claims (13)
- 液相法によるIII族窒化物結晶の成長方法であって、
平坦な主面を有し、少なくとも前記主面側に前記III族窒化物結晶と同じ化学組成を有するIII族窒化物種結晶を含み、前記主面における貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である基板を準備する工程と、
前記基板の前記主面に、III族金属を含む溶媒に窒素含有ガスを溶解させた溶液を接触させて、前記主面上に前記III族窒化物結晶を成長させる工程と、を備えるIII族窒化物結晶の成長方法。 - 前記III族窒化物結晶を成長させる工程において、前記III族窒化物結晶の結晶成長面における貫通転位の平均密度が5×106cm-2以下である請求項1に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 前記主面における貫通転位の平均密度が1×106cm-2以下である請求項1に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 前記III族窒化物結晶を成長させる工程において、前記III族窒化物結晶の結晶成長面における貫通転位の平均密度が1×106cm-2以下である請求項3に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 前記基板の前記主面内の任意の一辺が30μmの第1の正方形領域における貫通転位が200個以下である請求項1に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 前記第1の正方形領域における貫通転位が50個以下である請求項5に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 前記III族窒化物結晶の前記結晶成長面内の任意の一辺が30μmの第2の正方形領域における貫通転位が200個以下である請求項2に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 前記第2の正方形領域における貫通転位が50個以下である請求項7に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 前記基板は全体が前記III族窒化物種結晶で形成されている自立基板である請求項1から請求項8までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 前記主面の面積が1cm2以上である請求項1から請求項9までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 前記III族窒化物結晶はGaN結晶である請求項1から請求項10までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 前記溶媒は純度が99質量%以上の金属Gaである請求項11に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
- 請求項1から請求項12までのいずれかの成長方法により得られるIII族窒化物結晶。
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