JP2009028590A - 送風装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電電極を容易に配置することができ、送風特性を高めることが可能な送風装置を提供する。
【解決手段】送風装置1は、放電によってイオンを発生させる放電電極110と、放電電極110に対向する対向電極120とを備え、イオンを発生させることによりイオン風による気流を発生させる送風装置1であって、放電電極110は、放電を発生させる放電端として屈曲された屈曲部113を有する。
【選択図】図1
【解決手段】送風装置1は、放電によってイオンを発生させる放電電極110と、放電電極110に対向する対向電極120とを備え、イオンを発生させることによりイオン風による気流を発生させる送風装置1であって、放電電極110は、放電を発生させる放電端として屈曲された屈曲部113を有する。
【選択図】図1
Description
この発明は、一般的には送風装置に関し、特定的には、イオン風を生じさせる送風装置に関する。
従来、空気の流れを誘引して気流を起こし、その気流を用いた送風装置が様々な領域で用いられている。これらの送風装置は、ほとんどの場合において、ファンを用いて気流を発生させるものである。ファンとしては、様々な形態が実用されているが、主な形態としては、プロペラ、シロッコファン、クロスフローファンなどがある。また、これらのファンを駆動するための動力源としては、電気モーターやガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等を用いることができる。
しかし、このような送風装置にはいくつかの課題がある。まず、一つ目の課題としては、振動による騒音の問題がある。送風装置において、モーターやエンジンといったファンの駆動源を作動させることによって、これらの駆動源に起因する振動と騒音が発生する。低振動、低騒音のモーターが開発されているが、モーターやエンジンといった機械的な駆動機構を使用すれば、騒音を完全になくすことは原理的に不可能である。
次に、二つ目の課題としては、ファンを用いた送風装置における気流の乱れによって騒音が発生するという問題がある。プロペラファン、シロッコファン、クロスフローファンといったファンを用いた送風装置では、気流を完全に均一化することができないため、気流中に局所的に渦が発生したりすることによって騒音が発生する。
さらに、三つ目の課題としては、ファンやモーター、エンジンといった機械的手段を備えている場合においては、駆動部分の磨耗や熱発生などによって、長期間使用すると故障しやすくなるといった課題が残っている。
そこで、上記課題を解決することができる送風装置として、近年、放電現象により発生するイオン風を利用した送風装置が大きく注目されている。イオン風は、放電によって生じるイオンの泳動に励起される空気流である。
イオン風を利用した送風装置は、ファンを駆動して機械的エネルギーによって気流を発生させるのではなく、空気中に電界を形成し、帯電粒子を直接加速することにより、帯電粒子と空間に存在する空気分子との間の相互作用によって空気の流れを発生させるものである。このように、イオン風を利用した送風装置は、従来の機械的な手法とは別の手法によって、原理的に高効率な送風を達成することができるものである。
このようなイオン風を用いた送風装置の基本的な原理については、米国特許第4210847号明細書(特許文献1)に記載されている。簡単に記すと、接地された金属スクリーンに対して、高電圧のプローブでコロナ放電現象を発生させて、空気流(イオン風)を得る。米国特許第4210847号明細書(特許文献1)にはイオン風による送風の基本的事項が記載されており、この文献に記載の送風装置は、1本の針型電極とメッシュ状の対向電極からなるデバイスとなっている。
図11は、イオン風を利用した従来の送風装置の基本的な構成を模式的に示す図である。
図11に示すように、送風装置9Aは、先端が尖がった形状の針型電極910と、対向電極として例えばメッシュ状の対向電極920と、針型電極910と対向電極920が接続される電源902を備える。針型電極910と対向電極920とは、一定の間隔をおいて配置されている。従来のイオン風を利用した送風装置においては、対向電極920としては、メッシュ状や平板状、ワイヤー状などの電極が利用されている。メッシュ状の対向電極920と、針型電極910は、筐体901としての治具に固定されている。対向電極920は、対向電極920のメッシュの面が、針型電極910が延びる方向と垂直となるように配置されている。
送風装置9Aの針型電極910と対向電極920の間に直流電圧または交流電圧を印加すると、針型電極910と対向電極920の形状が大きく異なっているために、双方の電極近傍で電界の分布が不平等になる不平等電界の状態においての放電現象(例えばコロナ放電現象)が発生する。このような放電現象が発生することによって、針型電極910の先端部からは、対向電極920に向かって、イオンが放出される。針型電極910から発生するイオンの極性は、針型電極910の極性と同一となる。すなわち、針型電極910を正とした場合は正極性イオンが放出され、針型電極910を負とした場合は負極性イオンが放出されることとなる。
針型電極910において発生したイオンは、針型電極910と対向電極920との間に生じる電界により、針型電極910の先端部から放出され、対向電極920に向かって加速される。このとき、針型電極910と対向電極920の間に存在する多数の中性分子や中性粒子にイオンが頻繁に衝突するために、イオンだけでなく、これらの中性粒子も次第にイオンと同一方向に、すなわち、針型電極910から対向電極920に向かって動き出し、全体として空気の流れが発生する。これが上述のイオン風である。イオン風は、図中の矢印の方向に流れる。このようにして、送風装置9Aが機能することとなる。
従って、米国特許第4210847号明細書(特許文献1)に示されたイオン風発生の原理を利用した送風装置を応用展開することにより、従来のファンとモーターやエンジンとの組み合わせといった機械的形態とは別の送風装置を達成することができる。このような送風装置においては、従来の形態の送風装置とは異なり、ファンやモーターやエンジンといった機械的機構が存在しないために、騒音の発生がほとんど無く、無音化送風装置を達成することができる。さらに、機械的機構による気流生成の際に発生する渦気流についても、イオン風を用いた送風装置においては発生しにくい。
このように、イオン風を利用した送風装置は、騒音が抑制され、合わせて、機械的駆動における熱発生が無いために、導入する電気エネルギーから得られる風エネルギーの度合いが向上してエネルギー効率が向上し、送風装置としての消費電力の抑制につながるといった優れた特徴を有する。イオン風送風装置については、各方面で研究開発が進められている。
図11には、針型電極910が1本からなる送風装置9Aが示されているが、針方電極910が1本では実際に送風装置として使用する場合には風量が不足するため、通常は、針型電極910を複数本組み合わせて送風装置として使用することが多い。
図12は、複数の針型電極を用いた従来の送風装置の基本的な構成を模式的に示す図である。図12の(A)は送風装置全体の概略を示す図、図12の(B)は送風装置の筐体の内部を矢印Bで示す方向から見た正面図を示す。
図12に示すように、送風装置9Bは、複数本の針型電極910と、メッシュ状の対向電極920を備える。対向電極920は、針型電極910の針が延びる方向と垂直になるように配置されている。針型電極910と対向電極920は、電源902に接続されている。複数の針型電極910を備えることにより、送風装置9Aのように針型電極が1本の場合と比較して高風量化を達成することができる。
上述のように、図11に示す送風装置9Aや図12に示す送風装置9Bでは、針型電極と、針型電極に対向して配置される対向電極の形状が著しく異なっているために、これらの電極間に電圧を印加した際に生じる電場の状態が歪んだ状態となる。この電場の強度は、針型電極の先端部近傍で最大となる。
良好な送風特性を得るためには、電場強度を高めることが効果的である。針型電極の先端部は、例えば、先端半径が60μmといった鋭い形状を有しているために、放電電極として先端の鋭い針型電極を用いることによって、先端部近傍での電場強度を高めることができる。このように、針型電極を用いた送風装置は最も優れた特性を示す。
たとえば、同一形状の2枚の平行平板電極を用いた場合において、平板間距離を5mmとして、2枚の平行平板電極間に3kVの電圧を印加すると、電極近傍での電場強度は3kV/5mm=0.6kV/mmという小さな値となる。そのため、放電現象は全く発生せず、送風も全く発生しない。一方、放電電極として、先端半径が2μmと極めて小さな鋭い形状の針型電極を用いた場合においては、平板間距離を5mmとして、2枚の平行平板電極間に3kVの電圧を印加すると、電場強度シミュレーション解析により、300kV/mm以上という極めて強い電場が形成されることがわかっている。そのため、放電現象が発生し、放電現象によって発生したイオンが針型電極近傍での強い電場によって加速され、送風が得られる。
以上の通り、従来の機械的に気流を発生させる送風装置とは全く異なる送風装置として、針型電極と対向電極からなるデバイスの放電現象を用いることにより、優れた特性を有する送風装置を達成することが可能となる。
また、特表2002−528260号公報(特許文献2)に記載の動電空気搬送調節装置の放電電極としては、図11や図12に示すような針型電極ではなく、円柱状や角柱状といったワイヤーが用いられている。このようなワイヤー型の放電電極を用いた場合には、複数本の針型電極を用いた送風装置と比較して、使用する材料が少なく、また、複数本の針を配列するといった製造工程を省略することができる。
米国特許第4210847号明細書
特表2002−528260号公報
しかしながら、図11、図12に示す送風装置のように放電電極として針型電極を用いた送風装置は、送風装置を製造するためのコストが高くなるという問題を有している。特に、図12に示す送風装置9Bのように、風量を高めるために複数本の針型電極を用いる場合、その針型電極の製造コストが高くなる。また、針型電極と対向電極の空間距離が変動すると電場の形状が変わり、送風特性が低下することがあるので、複数の針型電極と対向電極の間の空間距離を一定にするように配列する必要がある。このように、放電電極として針型電極を配列することは容易ではなく、送風装置の製作にあたって高いコストが発生することになる。
一方、特表2002−528260号公報(特許文献2)に記載の送風装置のように、ワイヤー型の放電電極を用いる場合には、放電電極の製作コストを抑えることができ、放電電極の配置も容易であるが、針型電極を用いた場合と比較して充分な送風特性を得ることができない。
放電現象を用いた送風装置においては、優れた送風特性を得るためには、電極の先端部近傍において電場強度を高めることが必要である。しかしながら、放電電極としてワイヤー型電極を用いた場合、効果的に電場強度を高めることができないために、優れた送風特性を得ることができない。ワイヤー型電極を用いた場合に送風特性を高めることができないのは、放電電極として用いられるワイヤーの直径は通常0.2mm以上、すなわち半径としては100μm以上であるため、先端の鋭い針型電極と比較して電場強度が高くならないためである。
そこで、この発明の目的は、放電電極を容易に配置することができ、送風特性を高めることが可能な送風装置を提供することである。
この発明に従った送風装置は、放電によってイオンを発生させる放電電極と、放電電極に対向する対向電極とを備え、イオンを発生させることによりイオン風による気流を発生させる送風装置であって、放電電極は、導電性線材を含み、導電性線材は、放電を発生させる放電端として屈曲された屈曲部を有する。
放電現象を発生させる放電電極として、例えば金属ワイヤー等の導電性線材を用いることによって、複数の針型電極を用いる場合よりも材料のコストを低減させることが可能となる。また、導電性線材が有する屈曲部においては、導電性線材の半径が小さくなって電場強度が高くなるので、屈曲部を有しない導電性線材を放電電極として用いる送風装置よりも送風特性が向上する。屈曲部を有しない従来のワイヤー型電極の場合には、放電を形成する領域がワイヤー型電極の全体に大きく分散してしまうので、安定した放電が得られないが、屈曲部を有する導電性線材を放電電極として用いることによって、針型電極を放電電極として用いる場合と同様に、放電領域が半径の小さな屈曲部に集中するために、安定した放電を得ることができ、送風特性を向上させることができる。また、導電性線材は、針型電極よりも配置が容易である。
このようにすることにより、放電電極を容易に配置することができ、コストを抑えることが可能であって、優れた送風特性を有する送風装置を提供することができる。
この発明に従った送風装置においては、導電性線材は、屈曲部を形成するための溝部を有し、屈曲部は、導電性線材を溝部において屈曲させることによって形成された屈曲部であることが好ましい。
このように、導電性線材の溝部において屈曲部を形成することによって、特に、例えば複数個の屈曲部を形成する場合に屈曲部形成の精度を向上させることができる。また、溝部において導電性線材を屈曲させることによって、導電性線材に裂け目が生じることがあるが、このような裂け目の部分は通常の屈曲部よりも鋭い形状を有することとなるので、電場強度が高くなり、送風特性を向上させることができる。
この発明に従った送風装置においては、導電性線材は、内部が空洞の中空部を有し、屈曲部は、導電性線材を中空部において屈曲させることによって形成された屈曲部であることが好ましい。
このように、屈曲させる部分が中空構造を有していると、屈曲させたときに屈曲部の導電性線材がつぶれやすくなり、屈曲部における導電性線材の形状の歪み度合いが大きくなる。このようにすることにより、導電性線材が中空部を有しない場合よりもより半径の小さな屈曲部が形成されることから、送風装置としての特性をさらに向上させることが可能となる。
以上のように、この発明によれば、放電電極を容易に配置することができ、コストを抑えることが可能であって、優れた送風特性を有する送風装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態として、送風装置を示す図である。図1の(A)は送風装置全体の概略を示す図、図1の(B)は送風装置の筐体の内部を矢印Bで示す方向から見た正面図を示す。
図1は、この発明の第1実施形態として、送風装置を示す図である。図1の(A)は送風装置全体の概略を示す図、図1の(B)は送風装置の筐体の内部を矢印Bで示す方向から見た正面図を示す。
図2は、放電電極の全体(A、B)と、放電電極の屈曲部(C)を示す図である。
図1に示すように、送風装置1は、放電電極(放電現象発生電極)110と、対向電極120と、放電電極110と対向電極120とが配置される筐体101と、駆動回路部102とを備える。筐体101の下流端は開口し、メッシュ状の対向電極120が筐体101の開口部を覆うようにして配置されている。
図1と図2に示すように、放電電極110は、導電性線材としてタングステン製ワイヤーを屈曲させたワイヤー型電極から形成されている。放電電極110は、スライドガラス104によって筐体101に固定されている。放電電極110は、一本のワイヤー型電極が複数箇所で折り曲げられて形成されており、ワイヤー型電極が折り曲げられていない直線部111と、直線部111と直線部111との間に配置された屈曲部113と、屈曲部113と直線部111との間の傾斜部112とからなる。放電電極110には、対向電極120に向かって突出するように複数の屈曲部113が形成され、屈曲部113の先端114が対向電極120の方向を向くように筐体101内に配置されている。放電電極110の直線部111は、対向電極120とほぼ平行になるように配置されている。放電電極110の両端は、エポキシ系接着剤103でスライドガラス104に固定されている。
第1実施形態の送風装置1においては、ワイヤー型電極の材料としては、例えば、日本タングステン株式会社製のタングステン線を用いる。タングステン線の直径として0.2mm、すなわち、半径R1が100μmのものを用いる。タングステン線としては、円柱状のタングステンワイヤーを用いる。このタングステンワイヤーを、任意の位置で屈曲させて屈曲部113を形成する。屈曲方法としては、先端部が平板状である工業用ピンセットを用いて折り曲げ角度を150度となるように折り曲げる。放電電極110には、同一形状の屈曲部113を8箇所に形成する。このように屈曲させた放電電極110を、板厚が0.7mmのスライドガラス104上に、昭和高分子株式会社製のエポキシ系接着剤のアラルダイトを用いて、放電電極110がスライドガラス104の板面と平行になるように固定する。このようにして屈曲させた屈曲部113を光学顕微鏡にて観察すると、折り曲げることによってワイヤーに括れを生じ、屈曲部113においては、放電電極110の半径R2が、例えば、局所的に80μmになっている領域を確認することができる。放電電極110の屈曲部113の先端114と対向電極120との距離は、3mmとする。
放電電極110の屈曲部113は、できるだけ曲げ半径が小さいことが放電特性上好ましい。そこで、屈曲させた部分をさらに圧着するように、プレス等をすることが好ましい。また、連続した屈曲部113を簡単に得るために、予めワイヤー型電極をコイル状に巻いておき、プレス機などでコイルの半径方向に圧縮して屈曲部113を形成することが効率的である。
放電電極110を屈曲させた結果生じる屈曲部113は、ワイヤー径を最小先端半径とし、これにワイヤーの曲げ半径を加えた突起として作用するため、放電電極110として用いる線材が細いほうが放電効率はよくなる。しかし、実用に当たっては、装置の設計寿命等を勘案して最適のワイヤー径を決定する。
このように、送風装置1は、放電によってイオンを発生させる放電電極110と、放電電極110に対向する対向電極120とを備え、イオンを発生させることによりイオン風による気流を発生させる送風装置1であって、放電電極110は、放電を発生させる放電端として屈曲された屈曲部113を有する。
放電現象を発生させる放電電極110として、例えば金属ワイヤー等のワイヤー型電極を用いることによって、針型電極を用いる場合よりも材料のコストを低減させることが可能となる。また、放電電極110が有する屈曲部113においては、放電電極110の半径が小さくなって電場強度が高くなるので、屈曲部113を有しないワイヤー型電極を放電電極として用いる送風装置よりも送風特性が向上する。屈曲部113を有しない従来のワイヤー型電極の場合には、放電を形成する領域がワイヤー型電極の全体に大きく分散してしまうので、安定した放電が得られないが、屈曲部113を有するワイヤー型電極を放電電極110として用いることによって、針型電極を放電電極として用いる場合と同様に放電領域が半径の小さな屈曲部113に集中するために、安定した放電を得ることができ、送風特性を向上させることができる。また、ワイヤー型電極は、針型電極よりも配置が容易である。
このようにすることにより、放電電極110を容易に配置することができ、コストを抑えることが可能であって、優れた送風特性を有する送風装置1を提供することができる。
(第2実施形態)
図3は、この発明の第2実施形態として、送風装置が備える放電電極の屈曲部を示す図である。
図3は、この発明の第2実施形態として、送風装置が備える放電電極の屈曲部を示す図である。
図3に示すように、導電性線材として放電電極110aの屈曲部113aには、溝部115aが形成されている。
放電電極110aの材料としては、第1実施形態の放電電極110と同様に、例えば、日本タングステン株式会社製のタングステン線を用いる。タングステン線の直径として0.2mm、すなわち、半径R1が100μmのものを用いる。
第2実施形態の放電電極110aが第1実施形態の放電電極110と異なる点としては、ワイヤー型電極を屈曲させる前に、屈曲させる箇所に切込み溝が入れられて、溝部115aが形成されている。
溝部115aの形成方法としては、溝部115aの深さが約10μm程度となるように、ワイヤー型電極を屈曲させる前に、あらかじめダイヤモンドカッターにて切込みを入れる。このようにして溝部115aを形成した後に屈曲部113aを形成すると、溝部115aに応力が発生し、より局所的な屈曲部113aが形成される。屈曲部113aを顕微鏡で観察すると、例えば、屈曲部113aにおけるワイヤー型電極の半径R2が70μmの領域を確認することができる。
さらに、溝部115aを形成することによって、溝部115aを複数個配列して、屈曲部113aの形成加工の精度を高めることができる。なお第2実施形態においては、第1実施形態と同様に、放電電極110aの全体で8箇所の屈曲部113aを形成している。
このように屈曲させた放電電極110aを、第1実施形態の送風装置1と同様に、板厚が0.7mmのスライドガラス104(図1)上に、昭和高分子株式会社製のエポキシ系接着剤のアラルダイトにて固定する。屈曲部113aの先端114aと対向電極120との距離を3mmとする。放電電極110aは、屈曲部113aの先端114aが対向電極120に向かって突出するように、スライドガラス104に固定される。
第2実施形態では、ワイヤー型電極の軸方向(長手方向)と略直角な方向に溝部115aを形成したが、ワイヤー型電極の軸と溝部115aとがなす角度は特に限定する必要がない。なぜなら、溝部115aを形成した部分を屈曲させたときに、溝部115aの周縁部が極小半径を有する突起として働くので、溝部115aの周縁部が屈曲部113aの曲げの内側になるなどして放電に寄与できなくなる場合を除いて有効だからである。
このように、第2実施形態の送風装置においては、放電電極110aは、屈曲部113aを形成するための溝部115aを有し、屈曲部113aは、放電電極110aを溝部115aにおいて屈曲させることによって形成された屈曲部113aである。
このように、放電電極110aの溝部115aにおいて屈曲部113aを形成することによって、特に、例えば複数個の屈曲部113aを形成する場合に屈曲部113a形成の精度が向上することとなる。また、溝部115aにおいて放電電極110aを屈曲させることによって、放電電極110aに裂け目が生じることがあるが、このような裂け目の部分は通常の屈曲部よりも鋭い形状を有することとなるので、電場強度が高くなり、送風特性を向上させることができる。
(第3実施形態)
図4は、この発明の第3実施形態として、送風装置が備える放電電極の屈曲部を示す図である。
図4は、この発明の第3実施形態として、送風装置が備える放電電極の屈曲部を示す図である。
図4に示すように、導電性線材として放電電極110bの屈曲部113bは、金属リボンを屈曲させて形成されている。放電電極110bを金属リボンで形成することによって、ワイヤー型電極では得られない小さな曲げ半径の屈曲部113bを実現することができる。屈曲部113bにおける放電電極110bの半径R2は、第1実施形態のワイヤー型電極の屈曲部よりも小さくなる。しかしながら、放電電極110bの屈曲部113bを完全に押し潰して、屈曲部113bの内側となる面同士を接触させてしまうと、屈曲部113bにできた先端部が鈍角を成す縁部となり、放電端としての役目を十分果たすことができなくなる。したがって、放電電極110bにおいては、屈曲部113bの内面同士が接触しない程度に曲げることが好ましい。
放電電極110bは、第1実施形態の送風装置1の放電電極110と同様にして、屈曲部113bの先端114bが対向電極120に向かって突出するように、両端がスライドガラス104に接着剤103で固定される(図1)。屈曲部113bの先端114bと対向電極120との距離を3mmとする。
また、リボン型の放電電極110bよりも厚みの大きい金属条などを導電性線材として用いてもよい。この場合にも、金属条を屈曲させてできる稜線部分は、放電端としての突起の役目をすると考えられる。
(第4実施形態)
図5は、この発明の第4実施形態として、送風装置が備える放電電極の屈曲部を示す図である。
図5は、この発明の第4実施形態として、送風装置が備える放電電極の屈曲部を示す図である。
図5に示すように、放電電極110cは、第1実施形態の放電電極110と異なる点としては、注射針(シリンジニードル)によって形成されており、中空部116cを有する。屈曲部113cは、第1実施形態の放電電極110と同様にして形成される。
注射針としては、例えば、ステンレス製の22ゲージ注射針を用いる。第4実施形態においては、放電電極110cの外径は0.7mm、内径は約0.48mmとする。すなわち、放電電極110cの屈曲部113c以外の位置においては、放電電極110cの外側の半径R1は350μmであり、中空部116cにおける放電電極110cの内径の半径R1’は240μmである。
中空部116cを有する放電電極110cを屈曲させると、屈曲部113cにおいて中空部116cが潰れることにより、屈曲の度合いが向上する。放電電極110cの外側の半径R1は350μmであるが、屈曲部113cを顕微鏡で観察すると、例えば、半径R2が280μmとなっている領域を確認することができる。
図6は、屈曲部が座屈している放電電極の屈曲部を示す図である。
図6に示すように、放電電極110cの屈曲部113cが座屈された場合には、屈曲部113cにおける放電電極110cの半径R2は極端に小さくなる。このように、中空部116cを有する放電電極110cは、屈曲部113cにおいて座屈されてもよい。
このようにして作製した屈曲部113cを有する放電電極110cを、第1実施形態の送風装置1と同様に、板厚が0.7mmのスライドガラス104(図1)上に、昭和高分子株式会社製のエポキシ系接着剤のアラルダイトにて固定する。屈曲部113cの先端114cと対向電極120との距離を3mmとする。放電電極110cは、屈曲部113cの先端114cが対向電極120に向かって突出するように、スライドガラス104に固定される。
放電電極と対向電極間での放電現象を利用した送風装置においては、放電電極として屈曲部を有しないワイヤー型電極を用いる場合には、ワイヤー型電極が中空構造を有する場合と中空構造を有しない場合とで送風特性に違いは生じない。送風特性に影響を与える重要な因子は、ワイヤー型電極の最外側の形状(半径)である。このように、中空部の有無は送風装置としての特性に直接、影響を与えるものではないが、ワイヤー型電極を屈曲させて放電電極として用いる場合においては、屈曲部に中空部が存在することにより、中空部が潰れてより歪んだ形状の屈曲部が得られる点で、ワイヤー型電極が中空部を有することが効果的であり、中空部の有無が送風特性に影響を与える。第4実施形態においては、放電電極110cとして用いられるワイヤー型電極の全ての領域に中空部116cが形成されている注射針を用いているが、屈曲させる領域にのみ中空部116cが形成されており、屈曲されない領域については中空部116cを有しないワイヤー型電極を放電電極110cとして用いても同様の効果を得ることができる。
このように、第4実施形態の送風装置においては、放電電極110cは、内部が空洞の中空部116cを有し、屈曲部113cは、ワイヤー型電極を中空部116cにおいて屈曲させることによって形成された屈曲部113cである。
このように、屈曲させる部分が中空構造を有していると、屈曲させたときに屈曲部113cの放電電極110cがつぶれやすくなり、屈曲部113cにおける放電電極110cの形状の歪み度合いが大きくなる。このようにすることにより、放電電極110cが中空部116cを有しない場合よりもより半径の小さな屈曲部113cが形成されることから、送風装置としての特性をさらに向上させることが可能となる。
(第5実施形態)
図7は、この発明の第5実施形態として、送風装置を示す図である。図7の(A)は送風装置全体の概略を示す図、図7の(B)は送風装置の筐体の内部を矢印Bで示す方向から見た正面図を示す。
図7は、この発明の第5実施形態として、送風装置を示す図である。図7の(A)は送風装置全体の概略を示す図、図7の(B)は送風装置の筐体の内部を矢印Bで示す方向から見た正面図を示す。
図8は、放電電極の全体を示す図である。
図7に示すように、送風装置2は、放電電極210と、対向電極120と、放電電極210と対向電極120とが配置される筐体101と、駆動回路部102とを備える。筐体101の下流端は開口し、メッシュ状の対向電極120が筐体101の開口部を覆うようにして配置されている。
図7と図8に示すように、放電電極210は、導電性線材としてタングステン製ワイヤーを屈曲させたワイヤー型電極から形成されている。ワイヤー型電極は、スライドガラス104によって筐体101に固定されている。ワイヤー型電極には、対向電極120と対向する部分に複数の屈曲部213が形成されている。放電電極210は、一本のワイヤー型電極が複数箇所で折り曲げられて形成されており、ワイヤー型電極が折り曲げられていない直線部211と、直線部211と直線部211との間に配置された屈曲部213と、屈曲部213と直線部211との間の傾斜部212とからなる。放電電極210には、対向電極220に平行な方向に向かって突出するように複数の屈曲部213が形成され、屈曲部213の先端が対向電極220と平行な方向を向くように筐体101内に配置されている。放電電極210の直線部211は、対向電極120とほぼ平行になるように配置されている。放電電極210の両端は、エポキシ系接着剤103でスライドガラス104に固定されている。放電電極210の屈曲部213の先端と対向電極120との距離を3mmとする。
第5実施形態の送風装置2のその他の構成は、第1実施形態の送風装置1と同様である。
本発明の一つの効果として、送風装置の送風特性を向上させる効果がある。以下、本発明の送風装置について、送風特性を調べた実験結果について説明する。
第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態、第5実施形態の送風装置を用いて、以下の条件で送風特性を調べる実験を行なった。
対向電極については、ワイヤー直径0.1mmで25メッシュのステンレス製の網状電極を対向電極とした。本実施例では、平織りに編みこんだ形状の対向電極を使用したが、他の方法として、フォトリソグラフィー法によるエッチング法や、メッキ法により形成することが可能である。
放電電極と対向電極の配置としては、各実施形態の放電電極と対向電極を、放電電極の先端部から対向電極までの距離が3mmとなるように配置した。放電電極と対向電極の固定方法については、図示しないが、針型電極と対向電極の配置が送風装置の駆動中にずれることを防ぐため、すなわち、送風装置を駆動しているときに放電電極と対向電極の距離が変わってしまうことを防ぐ為に、筺体としてのアクリル樹脂で固定した。
駆動電源としては、放電電極と対向電極の電圧印加方法として放電電極に正極性電圧もしくは負極性電圧を印加し、対向電極をGNDとするように直流電圧を印加した。駆動用電源としては、2台の直流高圧電源を用いた。負極性電圧を印加する電源として、松定プレシジョン株式会社製の直流高圧電源(型番:HEL−10R10)を用いた。正極性電圧を印加する電源としては、松定プレシジョン株式会社製の直流高圧電源(型番:HJPQ−10P3)を用いた。
送風装置の筺体としては、公知の部材を使用することが可能であるが、本発明においては、安価で加工が比較的容易であるアクリル樹脂板を用いて、放電電極と対向電極を固定した。アクリル樹脂板の板厚さを3mmとした。
送風装置から発生するイオン風を測定するための風速測定装置としては、日本カノマックス株式会社製のサーマル式風速計(型番:6543)を用いた。測定原理としては、公知手法であるが、加熱された風速測定センサー部に風があたり、熱が奪われたセンサー部の温度変化を補うために必要な電流量から風速を算出する方式となっている。なお、この実施例で用いた風速測定装置の測定可能範囲は0.05m/秒〜5.0m/秒であった。
これらの測定は全て一般的な空間で実施した。室温は、空気調和装置にて20度に調節した。また、湿度に関しては、加熱方式を用いた加湿器を用いて30%から45%となるように調整した。
上述の駆動電源と風速測定装置を用いて、印加電圧と風速特性とを測定し、いずれの実施形態の放電電極が優れているかの比較評価を行なった。
また、以下に示す比較形態1と比較形態2の送風装置についても、各実施形態の送風装置について行なった条件と同じ条件で、送風特性を調べる実験を行なった。
(比較形態1)
図9は、比較形態1として送風装置を示す図である。図9の(A)は送風装置全体の概略を示す図、図9の(B)は送風装置の筐体の内部を矢印Bで示す方向から見た正面図を示す。
図9は、比較形態1として送風装置を示す図である。図9の(A)は送風装置全体の概略を示す図、図9の(B)は送風装置の筐体の内部を矢印Bで示す方向から見た正面図を示す。
図10は、放電電極の全体(A、B)と、放電電極の一部(C、D)を示す図である。
図9に示すように、送風装置8は、放電電極810と、対向電極820と、放電電極810と対向電極820とが配置される筐体801と、駆動回路部802とを備える。筐体801の下流端は開口し、メッシュ状の対向電極820が筐体801の開口部を覆うようにして配置されている。
図9と図10に示すように、放電電極810は、導電性線材としてタングステン製ワイヤーによって構成されたワイヤー型電極から構成されている。放電電極810は、スライドガラス804に固定されている。放電電極810には、屈曲部は形成されていない。放電電極810は、対向電極820と平行になるように、放電電極810の両端においてエポキシ系接着剤803でスライドガラス804に固定されている。
図10の(C)に示すように、放電電極810としては、日本タングステン株式会社製のタングステン線を用いた。タングステン線の直径として0.2mm、すなわち、半径R1が100μmのものを用いた。この放電電極810を、板厚が0.7mmのスライドガラス804上に、昭和高分子株式会社製のエポキシ系接着剤のアラルダイトにて、スライドガラス804と平行になるように固定した。放電電極810と対向電極820との距離が3mmとなるように配置した。
比較形態1においては、放電電極810に屈曲部が形成されないようにするために、図10の(A)に示すように、タングステンワイヤーを折り曲げる必要がある箇所については、エポキシ系接着剤803によってコーティングを行い、折り曲げられた部分がむき出しとならないようにした。むき出しとなった箇所は、全て屈曲部を有さない直線形状のみで構成されるようにした。
(比較形態2)
比較形態2としては、図10の(D)に示す放電電極810bを用いた。中空部816bを有する放電電極810bとしては、注射針(シリンジニードル)を用いた。
比較形態2としては、図10の(D)に示す放電電極810bを用いた。中空部816bを有する放電電極810bとしては、注射針(シリンジニードル)を用いた。
注射針は、ステンレス製の22ゲージ注射針であり、外径0.7mm、内径は約0.48mmであるものを用いた。すなわち、外側の半径R1は350μmであり、内側の半径R1’は240μmであった。
比較形態2においても比較形態1と同様に、放電電極810bに屈曲部が形成されないようにするために、図10の(A)に示すように、タングステンワイヤーを折り曲げる必要がある箇所については、エポキシ系接着剤803によってコーティングを行い、折り曲げられた部分がむき出しとならないようにした。むき出しとなった箇所は、全て屈曲部を有さない直線形状のみで構成されるようにした。
このようにして作製した放電電極810bを、比較形態1と同様に送風装置8に用いた。放電電極810bと対向電極820が平行になるように、また、放電電極810bと対向電極820との距離が3mmとなるように配置した。
表1は、第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態、第5実施形態と、比較形態1と比較形態2の送風装置の風速特性の結果を示す表である。
表1に示すように、中空部を有しないタングステンワイヤーを放電電極として用いた送風装置によって得られる風速については、印加電圧を5.5kVとした場合、比較形態1の送風装置では0.05m/秒、第1実施形態の送風装置では0.18m/秒、第2実施形態の送風装置では0.20m/秒、第5実施形態の送風装置では0.10m/秒であった。このように、第1実施形態、第2実施形態、第5実施形態のいずれの実施形態の送風装置でも比較形態1の送風装置よりも高い風速を得ることができた。
このように、屈曲部を有する放電電極を用いる場合には風速が向上した。また、溝部を有する放電電極を用いた第2実施形態の送風装置では、さらに風速を向上させることができた。
このことから、本発明のように、放電電極に局所的に屈曲部を設けることにより、屈曲部において半径が小さくなる部分が形成されて電場強度が上昇し、イオン風が効果的に発生することが分かった。
第5実施形態の送風装置においても、比較形態1の送風装置と比較して風速の向上を確認することができた。しかし、第1実施形態や第2実施形態の送風装置と第5実施形態の送風装置を比べると、風速向上の度合いが小さかった。これは、第5実施形態においては、放電電極の屈曲部の先端が対向電極の方向を向かないように放電電極が折り曲げられているために、屈曲部と対向電極間の距離も、放電電極の屈曲していない直線状の部分と対向電極間の距離も3mmであって、放電の発生する位置が屈曲部だけではなく直線部にも分散してしまい、風速向上の度合いが低下したためであると考えられる。
一方、中空部を有する注射針を放電電極として用いた比較形態2の送風装置と第4実施形態の送風装置とを比較すると、印加電圧を6.0kVとした場合、放電電極が屈曲部を有しない比較形態2の送風装置では0.05m/秒の風速が得られたが、放電電極が屈曲部を有する第4実施形態の送風装置では0.10m/秒の風速が得られた。このように、放電電極に屈曲部が形成されている第4実施形態の送風装置では、比較形態2と比べて、同一印加電圧時における風速が向上している。このように、放電電極に局所的に屈曲部を設けることにより、屈曲部において半径が小さくなる部分が形成され、それにより、電場強度が上昇することにより、イオン風が効果的に発生することが得られたことが分かった。ただし、注射針は、中空部のないタングステンワイヤーよりも太い形状のものを使用したため、第4実施形態の送風装置は第1実施形態、第2実施形態、第5実施形態の送風装置と比較して送風特性が低いという結果が得られた。
このように、放電電極として屈曲させたワイヤーを用いることによって、電極近傍の電場強度を効果的に高めて、ワイヤーの屈曲部が放電端として有効に作用することが証明された。本発明によれば、極めて簡単に、かつ、コストを抑えて、多数の放電発生電極を形成し、放電電極として配置することが可能であるため、送風装置の幅広い分野への適用が可能である。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
1,2:送風装置、110,110a,110b,110c,210:放電電極、113,113a、113b,113c,213:屈曲部、115a:溝部、116c:中空部。
Claims (3)
- 放電によってイオンを発生させる放電電極と、
前記放電電極に対向する対向電極とを備え、イオンを発生させることによりイオン風による気流を発生させる送風装置であって、
前記放電電極は、導電性線材を含み、
前記導電性線材は、放電を発生させる放電端として屈曲された屈曲部を有する、送風装置。 - 前記導電性線材は、前記屈曲部を形成するための溝部を有し、
前記屈曲部は、前記導電性線材を前記溝部において屈曲させることによって形成された屈曲部である、請求項1に記載の送風装置。 - 前記導電性線材は、内部が空洞の中空部を有し、
前記屈曲部は、前記導電性線材を前記中空部において屈曲させることによって形成された屈曲部である、請求項1または請求項2に記載の送風装置。
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CN103742427A (zh) * | 2014-01-03 | 2014-04-23 | 中国计量学院 | 一种应用于空调机的离子风扇 |
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- 2007-07-25 JP JP2007192972A patent/JP2009028590A/ja active Pending
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