JP2010027351A - 送風装置 - Google Patents

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弘一 豊田
Yuji Aso
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Abstract

【課題】均一なイオン風を発生する送風装置を提供する。
【解決手段】放電極と、対向極と、を備え、前記放電極と、前記対向極と、の間に電位差を設けることでイオン風を形成する送風装置であって、前記放電極は、複数の突起部を有し、前記放電極の長手方向における前記イオン風の風速分布が均一化されるように、前記突起部の先端同士の間隔が規定されたことを特徴とする送風装置を提供する。
【選択図】図5

Description

本発明の態様は、一般には、送風装置に関し、具体的には、放電極と対向極との間に電位差を設けることでイオン風を形成する送風装置に関する。
空気の撹拌や、集塵、冷却、空間遮断などの各種の用途に送風装置が利用されている。例えば、住空間において、キッチン空間で発生した臭いや油煙などが隣接するリビング空間に流れ込むと、リビング空間における快適性が阻害され、また、リビング空間の壁面やリビング空間に置かれた物品が汚損するおそれがある。このような場合には、エアカーテンにより空間を遮蔽することが有効である。
これに対して、イオン風を形成する技術が提案されている(特許文献1及び特許文献2)。イオン風は、放電極と対向極との間に電圧を印加してコロナ放電を発生させることにより生成させる。コロナ放電により、空間内の分子がイオン化し、イオン化した分子は対向極に向かって流れるが、一部の分子は室内に放出される。この分子の流れにより、イオン風が形成される。
送風装置が必要とされる各種の用途において、風の乱れや渦の発生などを抑制した均一な流れを有するイオン風を形成することが求められる場合が多い。
特公昭60−29498号公報 特許第3644941号公報
本発明の態様は、均一なイオン風を発生可能な送風装置を提供する。
本発明の一態様によれば、放電極と、対向極と、を備え、前記放電極と、前記対向極と、の間に電位差を設けることでイオン風を形成する送風装置であって、前記放電極は、複数の突起部を有し、前記放電極の長手方向における前記イオン風の風速分布が均一化されるように、前記突起部の先端同士の間隔が規定されたことを特徴とする送風装置が提供される。
本発明によれば、均一なイオン風を発生する送風装置が提供される。
第1の発明は、放電極と、対向極と、を備え、前記放電極と、前記対向極と、の間に電位差を設けることでイオン風を形成する送風装置であって、前記放電極は、複数の突起部を有し、前記放電極の長手方向における前記イオン風の風速分布が均一化されるように、前記突起部の先端同士の間隔が規定されたことを特徴とする送風装置である。
この排気装置によれば、イオン風の風速分布が均一化されるため、風速が減衰しにくく、イオン風の到達風速が高い値で維持される。これにより、良質なエアカーテンが形成される。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記放電極は、一定間隔で並んだ複数の突起部を有し、前記一定間隔は、1mm以上で12.5mm以下であることを特徴とする送風装置である。
この排気装置によれば、イオン風の風速分布が均一化されるため、風速が減衰しにくく、イオン風の到達風速が高い値で維持される。これにより、良質なエアカーテンが形成される。
また、第3の発明は、第2の発明において、前記一定間隔は、4mm以上で8mm以下であることを特徴とする送風装置である。
この排気装置によれば、イオン風の風速分布がさらに均一化されるため、風速が減衰しにくく、イオン風の到達風速がさらに高い値で維持される。これにより、良質なエアカーテンが形成される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る送風装置を例示する模式側面図である。
また、図2は、送風装置を上方から見たときの模式平面図である。
図1及び図2に示すように、送風装置1は、放電極2と、対向極3と、を備える。対向極3は、一対の対向極3、3とすることができ、以下かかる構成を採用した場合を例に挙げて説明する。送風装置1は、後述するように、放電極2と対向極3との間に電位差を設けることでイオン風を形成する送風装置である。
放電極2は、金属製の板状部材とすることができ、複数の突起部2pを有している。ここで、本実施形態では、放電極2の長手方向におけるイオン風の風速分布が均一化されるように、突起部2pの先端同士の間隔が規定されている。複数の突起部2pは、例えば、図1及び図2に表したように、放電極2の長手方向に、対向極3が設けられた側に向けて一定間隔で突出する構成にすることができる。突起部の先端は、例えば鋭角の先端とすることができる。尚、突起部2pは、針状形状とすることもできる。このように、先端を尖らせることにより後述する電子の発生場所を突起部2pの先端に限定させることができる。また、突起部2pの先端から放出される電子がさらに集束されるので、放出される電子が広がることなく真っ直ぐに飛び出しイオン風の直進性を高めることができる。ただし、突起部2pの先端は鋭角には限定されず、必要とされるイオン風が形成される限りにおいて、鈍角であってもよく、あるいは丸みを帯びた形状であってもよい。
対向極3は、金属製の平板状部材とすることができ、その長手方向が放電極2の長手方向とほぼ平行となるようにして配設される構成にすることができる。
また、一対の対向極3、3の間の中間位置の上方に放電極2が設けられるようにしてよく、放電極2の突起部2pは、一対の対向極3、3の間の中間位置に向けて突出する構成にしてよい。
なお、図示しないが、一対の対向極3、3の対向方向外側には樹脂等の電気絶縁性材料からなる一対のカバー部材が設けられてもよい。また、放電極2は、樹脂等の電気絶縁性材料からなる支持部材を介してカバー部材に取り付けられてもよい。
そして、後述するように放電極2には直流電源10が接続され、一対の対向極3、3は接地されている(図3を参照)。
ここで、キッチン空間などで発生した水蒸気や油煙などを遮断するような用途を考慮すれば、放電極2と、一対の対向極3、3とはステンレスからなるものとすることが好ましい。
また、放電極2と、一対の対向極3、3とを導電性の保護膜でコーティング(例えば、導電性フッ素樹脂コーティングなど)したり、耐食性の高い金属でメッキしたり、酸化チタン等の導電性を有する光触媒をコーティングしたりすることもできる。このような導電性のコーティングやメッキなどであれば、後述する、両電極間に電位差を設けることにより発生するコロナ放電を妨げることなく放電極2と、一対の対向極3、3との耐食性や防汚性を高めることができる。その結果、水蒸気や油煙などが発生するような環境であっても長期間にわたる運転が可能となる。
次に、イオン風の発生原理について説明をする。
図3は、イオン風の発生原理を説明するための模式斜視図である。
図3に示すように、放電極2には直流電源10が接続され、マイナスの電圧が印加されている。そして、直流電源10のプラス側と一対の対向極3、3とは接地されている。尚、直流電源10のプラス側が放電極2と接続され、直流電源10のマイナス側と一対の対向極3、3とが接地されるようにすることもできる。また、放電極2と、一対の対向極3、3との間に電位差が存在すればよいので、放電極2側が接地される構成にしてもよく、あるいは、放電極2及び対向極3のいずれの側も接地されない構成にしてもよい。
直流電源10により放電極2に、例えば−20kV程度の電圧が印加されると、放電極2と一対の対向極3、3との間に電位差が生じ、突起部2pの先端部付近の電界強度が局部的に高くなりコロナ放電が発生する。印加電圧は、使用状況に応じて任意の値にすることができ、例えば10kV〜20kV程度が挙げられる。そして、このコロナ放電により生成された電子は放電極2と一対の対向極3、3との間に形成された電界により図中下方に向けて引き出される。
図3に示すように、引き出された電子が、気体分子(例えば、水蒸気(HO)や酸素(O)など)に付着すると、気体分子はマイナス電荷を帯びるイオンとなる。イオンの一部は一対の対向極3、3に引き込まれるが、一対の対向極3、3の対向方向の中心付近は左右の対向極3、3からの電位が等電位となるので、残りのイオンは中央部付近を通り抜けるようにして図中下方の空間に向けて放出されることになる。このように、前述した電界の作用により、イオンの一部は、図中下方の空間に向けて放出されることになる。その結果、下方への気体分子の流れ、すなわち、イオン風と呼ばれる空気の流れが生じることになる。
次に、突起部2pの間隔(いわゆるピッチ。より詳細には、突起部2pの先端の間隔。あるいは、突起部2pの先端部を形成する2辺を等しい長さの2辺とした二等辺三角形において、突起部2pの先端部の頂点からその対辺に引いた垂線の間隔)について説明する。
本発明者は、突起部2pのピッチを一定範囲から選択される長さにすると、イオン風の風速分布が均一化されることを見出した。これにより、風の乱れや渦などが生じず、均一なイオン風が得られる。この結果、より遠くへ、きれいな風の流れが到達し、遮断性能が向上する。すなわち、良質な(漏れのない)エアカーテンが形成される。このため、本実施形態に係る送風装置1は、一定空間内の臭い、油煙、水蒸気等の漏れを良好に遮断することができ、キッチン、バス、洗面、トイレなどに有効に適用することができる。
また、本発明者は、突起部2pのピッチを一定範囲から選択される長さにすると、イオン風の風速が高くなることを見出した。すなわち、同じ電圧を印加した場合に、この一定範囲から選択される長さのピッチを有する送風装置1は、比較的高い風速を実現することができる。このため、より遠くへイオン風が到達し遮断性能が向上する。
これら特性を実現させるための突起部2pのピッチは、具体的には、好ましくは1mm以上で12.5mm以下の範囲から選択される長さであり、より好ましくは4mm以上で8mm以下の範囲から選択される長さである。以下、この根拠について、比較実験を用いて説明する。
(比較実験1)
比較実験1では、風速について検討を行い、この結果から風速分布について考察を行った。なお、以下において「風速」とは上下方向(図4のZ軸方向)成分の風速を意味し、「風速分布」とは上下方向成分の風速の左右方向(図4のX軸方向。放電極2の長手方向)分布を意味する。
図4は、比較実験1で用いた送風装置を表す模式斜視図である。本実験では、突起部2pのピッチPを複数選択し、それぞれの場合において所定位置における風速を測定して比較を行った。実験条件は、次の通りである。
放電極2及び対向極3の長手方向の長さは300mm、対向する2つの対向極3の間の距離(対向極間距離A)は25mm、また、対向極3の上下方向の幅(対向極幅C)は60mmとした。突起部2pの先端の形状は鋭角で、角度は20度である。
突起部2pのピッチPは、0.5mm〜25mmの範囲で複数の値(0.5mm、1mm、2mm、4mm、8mm、12.5mm、及び25mm、の7つの値)を用いた。
また、風速特性がピッチP以外の要因に依存しないことを確認するため、いくつかの条件について複数の値を用いた。具体的には、放電極2と対向極3との間の上下方向の距離(放電極対向極間距離B)には、10mmと20mmとの2つの値を用いた。また、放電極2の厚さ(板厚T)には、0.1mmと0.5mmとの2つの値を用いた。尚、板厚0.1mmの放電極2はエッチング加工により、また板厚0.5mmの放電極2はワイヤ加工(ワイヤ放電加工)により、それぞれ作製した。さらに、電圧には、20kV、18kV、及び16kVの3つの値を用いた。
これらの条件で、上下方向の風速成分のみを検出する装置(風速計)を用いて、送風装置1の下端から1.5m下方の位置における風速を測定した。実験結果を表1及び表2に示す。表1は電圧20kV及び18kVのデータであり、表2は電圧16kVのデータである。
また、図5は、比較実験1の実験結果を表すグラフ図である。図5(a)及び図5(b)は、それぞれ表1及び表2をグラフ化したグラフ図である。

Figure 2010027351
Figure 2010027351

表1及び表2(図5(a)及び図5(b))からわかるように、突起部2pのピッチが1〜12.5mmの範囲から選択される長さである場合に比較的風速が高く、特に4〜8mmの範囲から選択される長さである場合にさらに風速が高い。また、このことは、次に説明するように放電極対向極間距離B、板厚T、及び電圧によらない。
まず、放電極対向極間距離Bとの関係について説明する。
放電極対向極間距離Bについては、20mmと10mmとの2つの値を用いた。図5(a)及び図5(b)において、黒い点はB=20mmのデータであり、白い点はB=10mmのデータである。図5から明らかなように、放電極対向極間距離Bが20mmであっても10mmであっても、風速は同様の傾向を示し、ピッチPが上記の一定範囲から選択される長さである場合に風速が比較的高い。
次に、板厚Tとの関係について説明する。
板厚Tについては、0.1mmと0.5mmとの2つの値を用いた。図5(a)及び図5(b)において、三角の点はT=0.1mmのデータであり、丸い点はT=0.5mmのデータである。図5から明らかなように、板厚Tが0.1mmであっても0.5mmであっても、風速は同様の傾向を示し、ピッチPが上記の一定範囲から選択される長さである場合に風速が比較的高い。
次に、電圧との関係について説明する。
電圧については、20kV、18kV、及び16kVの3つの値を用いた。図5(a)は電圧が20kV及び18kVのデータであり、図5(b)は電圧が16kVのデータである。図5から明らかなように、電圧が20kV、18kV、及び16kVのいずれであっても、風速は同様の傾向を示し、ピッチPが上記の一定範囲から選択される長さである場合に風速が比較的高い。
以上から、イオン風の風速は突起部2pのピッチPのみに依存すると考えられ、ピッチPが1〜12.5mmの範囲から選択される長さである場合に比較的風速が高く、特に4〜8mmの範囲から選択される長さである場合にさらに風速が高い。すなわち、同じ電圧を印加した場合に、この一定範囲から選択される長さのピッチPを有する送風装置1は、比較的高い風速を実現することができる。このため、より遠くへイオン風が到達し、遮断性能が向上する。
また、風速分布の均一性が高いと、より遠くまでイオン風が達すると考えられるため、上記一定範囲から選択される長さのピッチPを有する送風装置1は、風速分布が比較的均一なイオン風を発生させることができると考えられる。これにより、風の乱れや渦などが生じず、均一なイオン風が得られると考えられる。
(比較実験2)
次に、比較実験2では、風速分布について検討を行った。
比較実験2でも、図4に関して前述した送風装置を用いた。本実験では、突起部2pのピッチPを複数選択し、それぞれの場合において所定位置における風速分布をシミュレーション解析して比較を行った。実験条件は、次の通りである。
放電極2及び対向極3の長手方向の長さは300mm、対向する2つの対向極3の間の距離(対向極間距離A)は25mm、また、対向極3の上下方向の幅(対向極幅C)は30mmとした。突起部2pの先端の形状は鋭角で、角度は20度である。
突起部2pのピッチPは、0.5mm、4mm、及び25mmの3つの値を用いた。
また、放電極2と対向極3との間の上下方向の距離(放電極対向極間距離B)は20mmで、放電極2の厚さ(板厚T)は0.1mmである。電圧には、20kV(図6)及び16kV(図7)の2つの値を用いた。
これらの条件で、送風装置1の下方領域の電位分布、放電状況、及び風速分布について解析及び検討を行った。
図6及び図7は、比較実験2の実験結果を表すグラフ図である。
図6(a)は、送風装置1の下方領域(突起部2p及び突起部2pの下端から3mm下方の領域)の電位分布の解析結果を表す模式グラフ図である。電圧は、20kVである。解析は、CAE(Computer Aided Engineering)を用い、有限要素法により行った。
図6(a)から、P=25mmの場合、隣接する突起部2p間の距離が比較的大きいため、放電は各突起部2pに集中することがわかる。この結果、電位は不均一なものとなる。一方、P=0.5mm及びP=4mmの場合は、隣接する突起部2p間の距離は比較的小さいため、P=25mmの場合に見られる放電集中は生じず、電位は均一なものとなる。
次に、図6(b)は、送風装置1の下方領域の放電状況及び風速分布をイメージ化した模式グラフ図である。電圧は、20kVである。この図は、次の手順により作成した。
まず、送風装置1を放電させる。これにより、突起部2pの先端にはコロナ放電が発生し、薄紫色の光が発せられる。この時に、突起部2pを含めた送風装置1の下部近傍の写真を撮る。次に、得られた写真に写された光の強度(光度)を基に、放電状況をイメージ図化する。これが、図6(b)の「(1)放電状況」に係る図である。
次に、図6(b)の「(1)放電状況」に係る図を基に、風速分布をイメージ図化する。これが、図6(b)の「(2)風速分布」に係る図である。
図6(b)から、P=25mmの場合、前述した放電集中により、少数の強い放電が発生する。これにより、風速分布は比較的不均一となる。また、P=0.5mmの場合、図6(a)の電位分布からは比較的均一な風速分布が予想されるが、実際には図6(b)に表したように風速分布は比較的不均一となる。これは、隣接する突起部2p間の距離が近すぎるため、近隣の突起部2p間で放電の干渉が生じていると考えられる。この放電干渉により、ランダムで強弱を伴う放電が発生する。すなわち、強い放電が生じる突起部2pと、弱い放電が生じる突起部2pとが併存することになる。これにより、風速分布は比較的不均一になると考えられる。
一方、P=4mmの場合は、P=25mmの場合に見られる放電集中やP=0.5mmの場合に見られる放電干渉が生じず、均一な弱放電が生じていると考えられ、比較的均一な風速分布が得られる。
次に、図7は、各ピッチの送風装置について、送風装置1の下端から0.02m下方の位置における長手方向位置と風速との関係に係る実験値を表すグラフ図である。電圧は、16kVである。
図7からわかるように、P=4mmの場合、P=0.5mmやP=25mmの場合に比べて、均一且つ高速なイオン風が得られる。
以上から、イオン風の風速分布の均一性は突起部2pのピッチPに依存すると考えられ、ピッチPが本実施形態の最適範囲(好ましくは1〜12.5mm、より好ましくは4〜8mm)から選択される長さである場合に、イオン風の風速分布は比較的均一になると考えられる。これにより、風の乱れや渦などが生じず、均一なイオン風が得られる。この結果、より遠くへ、きれいな風の流れが到達し、遮断性能が向上する。すなわち、良質な(漏れのない)エアカーテンが形成される。
(応用例)
図8は、送風装置の設置例を説明するための斜め上から見た模式図である。
また、図9は、送風装置の設置例を説明するための模式平面図である。
図8、図9に示すように、アイランド型のシステムキッチン42を備えるキッチン空間43と、これに隣接するリビング空間44との間には送風装置41が設けられている。送風装置41は天井部分に埋め込まれるようにして設置され、床面に向かってイオン風を送風し、イオン風の幕を形成させることでキッチン空間43を遮蔽することができるようになっている。
また、送風装置41には、3つの送風装置ユニットが設けられており、これらを連結することで一体的なイオン風の幕を形成させることができるようになっている。また、設置がされる部屋の寸法に合わせて、図中の左側の送風装置ユニットの長手方向寸法が短いものとされている。また、対向極、放電極をそれぞれ電気的に接続し、1台の直流電源41aで送風装置41を運転するようになっている。
本実施の形態によれば、突起部2pが所定のピッチPを有することにより、均一で床面まで良好に到達可能なイオン風が形成されるため、イオン風の幕を隙間なく形成させることができる。そのため、キッチン空間43とリビング空間44との間の遮蔽性を高めることができ、リビング空間44における快適性が害されることがない。また、リビング空間44の壁面やリビング空間44などに置かれた物品が汚損することもない。また、送風装置41を天井部分に埋め込むようにして設置することができるので、人の動線が妨げられず、キッチン空間43やリビング空間44における人の動作が阻害されるようなこともない。
図10は、他の実施の形態に係る送風装置の設置例を説明するための模式平面図である。図10に示すように、ペニンシュラ型のシステムキッチン46を備えるキッチン空間43と、これに隣接するリビング空間44との間には送風装置45が設けられている。送風装置45は天井部分に埋め込まれるようにして設置され、床面に向かってイオン風を送風し、イオン風の幕を形成させることでキッチン空間43を遮蔽することができるようになっている。
また、送風装置45には、5つの送風装置ユニットが設けられており、これらを連結することで一体的なイオン風の幕を形成させることができるようになっている。また、設置がされる部屋の寸法に合わせて、図10の送風装置ユニット45bの長手方向寸法が短いものとされている。また、対向極、放電極をそれぞれ電気的に接続し、1台の直流電源45aで送風装置45を運転するようになっている。
本実施の形態によれば、ペニンシュラ型のシステムキッチン46を備えるキッチン空間43を囲むようにして送風装置45を設けることができ、隣接するリビング空間44を広くしたり、キッチン空間43に露出する壁面積を減らすことで壁の汚損を抑制したりすることができる。そして、このような設置形態においても、突起部2pが所定のピッチPを有することにより、均一で床面まで良好に到達可能なイオン風が形成されるため、イオン風の幕を隙間なく形成させることができる。そのため、キッチン空間43とリビング空間44との間の遮蔽性を高めることができ、リビング空間44における快適性が害されることがない。また、リビング空間44の壁面やリビング空間44などに置かれた物品が汚損することもない。また、送風装置45を天井部分に埋め込むようにして設置することができるので、人の動線が妨げられず、キッチン空間43やリビング空間44における人の動作が阻害されるようなこともない。
図11は、他の実施の形態に係る送風装置の設置例を説明するための模式平面図である。図11に示すように、アイランド型のシステムキッチン42を備えるキッチン空間43と、これに隣接するリビング空間44との間には送風装置50が設けられている。送風装置50は天井部分に埋め込まれるようにして設置され、床面に向かってイオン風を送風し、イオン風の幕を形成させることでキッチン空間43を遮蔽することができるようになっている。
また、送風装置50には、可撓性を有する材料からなる一対の対向極47aおよび放電極47b、対向極47aと放電極47bとを保持案内するための案内部材48、49とが設けられている。
可撓性を有する材料からなる一対の対向極47a、放電極47bは、例えば、金属の薄板からなるものとすることができ、具体的には厚みが0.05mm〜0.2mm程度のステンレスなどを用いることができる。
案内部材48、49は、柱状の形態を呈し、その外周部には対向極47a、放電極47bを保持するための溝が設けられている。また、その断面形状や材質などは特に限定されるものではないが、例えば、その断面が円形、材質が樹脂等の電気絶縁性材料からなるものとすることができる。
また、施工に関しては、対向極47a、放電極47bを案内部材48、49に保持案内させることで一体的に設置することができるし、案内部材48、49の部分などでそれらを連結させるようにすることもできる。尚、対向極47a、放電極47bをそれぞれ電気的に接続し、図示しない1台の直流電源で送風装置50を運転させるようにすることもできる。
本実施の形態によれば、アイランド型のシステムキッチン42を備えるキッチン空間43を囲むようにして送風装置50を設けることができ、隣接するリビング空間44を広くしたり、キッチン空間43に露出する壁面積を減らすことで壁の汚損を抑制したりすることができる。そして、可撓性を有する材料からなる対向極47a、放電極47bを用いているので、遮蔽される空間(キッチン空間43)の寸法や形状に合わせて任意の設置形態を採用することができる。また、対向極47a、放電極47bの厚みが薄いので、施工現場における切断(寸法合わせ)が容易となり作業効率を向上させることができる。
本実施の形態においても、突起部2pが所定のピッチPを有することにより、均一で床面まで良好に到達可能なイオン風が形成されるため、イオン風の幕を隙間なく形成させることができる。そのため、キッチン空間43とリビング空間44との間の遮蔽性を高めることができ、リビング空間44における快適性が害されることがない。また、リビング空間44の壁面やリビング空間44などに置かれた物品が汚損することもない。また、送風装置50を天井部分に埋め込むようにして設置することができるので、人の動線が妨げられず、キッチン空間43やリビング空間44における人の動作が阻害されるようなこともない。
以上説明したように、本実施形態によれば、突起部2pのピッチを一定範囲から選択される長さにすることにより、イオン風の風速分布が均一化されるとともにイオン風の風速が高くなり、もって良質なエアカーテンが形成される。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、本発明の態様の送風装置の用途は、空間の遮断に限定されるものではなく、その他、空気の撹拌、冷却、集塵をはじめとして気流の形成が必要な各種の用途に同様に用いることができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
本発明の実施の形態に係る送風装置を例示する模式側面図である。 送風装置を上方から見たときの模式平面図である。 イオン風の発生原理を説明するための模式斜視図である。 比較実験1で用いた送風装置を表す模式斜視図である。 比較実験1の実験結果を表すグラフ図である。 比較実験2の実験結果を表すグラフ図である。 比較実験2の実験結果を表すグラフ図である。 送風装置の設置例を説明するための斜め上から見た模式図である。 送風装置の設置例を説明するための模式平面図である。 他の実施の形態に係る送風装置の設置例を説明するための模式平面図である。 他の実施の形態に係る送風装置の設置例を説明するための模式平面図である。
符号の説明
1 送風装置、2 放電極、2p 突起部、3 対向極、41 送風装置、41a 直流電源、42 システムキッチン、43 キッチン空間、44 リビング空間、45 送風装置、45a 直流電源、45b 送風装置ユニット、46 システムキッチン、47a 対向極、47b 放電極、48 案内部材、49 案内部材、50 送風装置、A 対向極間距離、B 放電極対向極間距離、C 対向極幅、P ピッチ、T 板厚

Claims (3)

  1. 放電極と、
    対向極と、
    を備え、
    前記放電極と、前記対向極と、の間に電位差を設けることでイオン風を形成する送風装置であって、
    前記放電極は、複数の突起部を有し、
    前記放電極の長手方向における前記イオン風の風速分布が均一化されるように、前記突起部の先端同士の間隔が規定されたことを特徴とする送風装置。
  2. 前記放電極は、一定間隔で並んだ複数の突起部を有し、
    前記一定間隔は、1mm以上で12.5mm以下であることを特徴とする請求項1記載の送風装置。
  3. 前記一定間隔は、4mm以上で8mm以下であることを特徴とする請求項2記載の送風装置。
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