JP2005137781A - プラズマ発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電に伴うオゾンの発生を確実に防止または抑制しながら、大気中に含まれる有害物質に対する分解効果または除去効果を確実に発現することができる新規な構成のプラズマ発生装置を提供すること。
【解決手段】 プラズマ発生装置は、大気が導入されるプラズマ形成用空間を備え、このプラズマ形成用空間において、帯板状の第1電極と帯板状の第2電極とが誘電体を介して対向して配設され、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより生ずる放電によりプラズマを発生させるものであって、第1電極と第2電極とが、特定の関係式を満足するよう、誘電体の表面方向に対して相対的に偏位した状態とされていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プラズマ発生装置に関し、詳しくは、例えば、一対の電極間の放電によりプラズマを発生させて活性種を生成し、大気中に含まれる人体に対する有害物質を分解または除去するために用いられるプラズマ発生装置に関する。
現在、プラズマは、当該プラズマ中において、電子衝突によって生成されるイオンまたは活性種(ラジカル)がその他の原子または分子との化学反応を促進させるので、大気中に含まれる有害物質、例えば菌、ウィルス、花粉等の有機物を効率的に除去または分解して無害化することが可能な媒体として有用なものであると考えられており、例えば脱臭装置、殺菌装置、空気清浄装置などに利用されている(例えば特許文献1〜特許文献3参照)。
このような脱臭装置や空気清浄装置を構成するある種のプラズマ発生装置においては、図6に示されているように、例えばセラミックスや石英ガラスよりなる誘電体30を介して一対の電極31、32を、これらの電極の配設中心位置C1、C2が一致する状態で互いに対向して配設し、当該電極31、32間に電圧を印加することにより生ずる放電によりプラズマを発生させる電極構造体を備えた構成とされている。
而して、誘電体を用いた放電(気体放電)を利用した構成のプラズマ発生装置においては、電極間の放電に伴ってオゾンが不可避的に発生し、オゾンは人体に対して有害なものであるから、例えば脱臭装置、殺菌装置、空気清浄装置に適用する場合には、オゾンの発生を防止または抑制することが必要とされている。例えば、日本空気清浄協会で規定されたオゾンについての環境基準(濃度)は0.05ppm以下とされている。
特開2002−1055号公報 特開2003−135571号公報 特開2002−78788号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、誘電体を介して配設された一対の電極間の放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、放電に伴うオゾンの発生を確実に防止または抑制しながら、大気中に含まれる有害物質に対する分解効果または除去効果を確実に発現することができる新規な構成のプラズマ発生装置を提供することを目的とする。
本発明のプラズマ発生装置は、大気が導入されるプラズマ形成用空間を備え、このプラズマ形成用空間において、帯板状の第1電極と帯板状の第2電極とが誘電体を介して対向して配設され、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより生ずる放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、
第1電極と第2電極とが、下記(式1)〜(式3)を満足するよう、誘電体の表面方向に対して相対的に偏位した状態とされていることを特徴とする。
Figure 2005137781
上記(式1)〜(式3)中において、L1は、第1電極におけるいずれか一方の端縁位置と、当該第1電極の端縁位置より電極の偏位方向に対して外方側に位置され、当該第1電極の端縁位置と最近接する第2電極の端縁位置との誘電体の表面方向における離間距離、θ2 は、前記第1電極の端縁と、前記第2電極の端縁とを含む仮想平面の、誘電体の厚み方向に対してなす角、dは、誘電体の厚み〔m〕、Vは、第1電極と第2電極との間に印加される電圧の大きさ〔V〕、θ1 は、誘電体と大気層との境界面における、誘電体中の電界の出射角、E1 (max)は、電極の端面における電界の最大値〔V/m〕を、それぞれ、示す。
本発明のプラズマ発生装置においては、前記仮想平面の、誘電体の厚み方向に対してなす角θ2 が、45°以上であることが好ましい。
また、本発明のプラズマ発生装置においては、第1電極におけるいずれか一方の端縁位置と、当該第1電極の端縁位置より電極の偏位方向に対して外方側に位置され、当該第1電極の端縁位置と最近接する第2電極の端縁位置との誘電体の表面方向における離間距離L1と、誘電体の厚みdとの比(L1/d)が、1〜3であることが好ましい。
さらに、本発明のプラズマ発生装置においては、第1電極と第2電極との間に印加される電圧が2.5〜3.5kVであることが好ましい。
本発明のプラズマ発生装置は、大気が導入されるプラズマ形成用空間を備え、このプラズマ形成用空間内において、帯板状の第1電極と帯板状の第2電極とが、誘電体の肉厚中における同一平面内において、あるいは誘電体の表面において、少なくとも一方の電極の表面に誘電体被膜が形成された状態で、互いに離間して配設されてなり、第1電極と第2電極との間の離間距離をL2〔m〕、第1電極と第2電極との間に印加される電圧をV 〔V〕とするとき、下記(式4)を満足する電極配置構造を有することを特徴とする。
Figure 2005137781
本発明のプラズマ発生装置によれば、特定の条件を満足する電極配置構造を有することにより、放電場(空気中における電界)における電子のエネルギーの平均値が所定の値以下に小さく抑制されるので、放電場における電子がオゾンの衝突断面積を大きくしてオゾンとの衝突が起こりやすくなる結果、当該低エネルギーの電子の衝突によってオゾンの分解が促進され、その結果、放電に伴ってオゾンが発生することが確実に防止または抑制されながら、しかも、低エネルギー電子が、そのエネルギーが気体分子との弾性衝突の回数が増加することによって増大されたものとなり、その結果として、酸素の分解に寄与して活性酸素種が確実に生成されて大気中に含まれる有害物質についての所要の分解効果または除去効果が確実に発現される。
また、第1電極および第2電極が互いに偏位された状態で配設されていることにより、静電容量を大幅に低下させることなしに、放電場における電子のエネルギーの大きさを小さく調整することができるので、プラズマの作用による活性種の生成効率を低下させることがなく、従って、大気中に含まれる有害物質に対する所期の分解効果が得られると共に、オゾンに対する分解効果が確実に発現される。
以下、本発明について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のプラズマ発生装置に係る電極構造体の一例における構成の概略を示す説明用斜視図、図2は、図1に示す電極構造体の、誘電体の長手方向における中央断面を示す縦断面図である。
このプラズマ発生装置は、有害物質が含まれる大気が導入されるプラズマ形成用空間を備え、当該プラズマ形成用空間内に、例えば平板状の誘電体20と、この誘電体20の一面において互いに誘電体20の表面方向(図2において左右方向)に離間して並ぶよう配設された複数の帯板状の第1電極11と、誘電体20の他面において当該誘電体20を介して配設された、それぞれ第1電極11と電極対をなす複数の帯板状の第2電極12とにより構成された電極構造体10が設けられており、第1電極11および第2電極12には、図示しない電圧印加手段が接続されている。ここに、第1電極11および第2電極12は、プラズマを実質的に均一に発生させることができることから、等間隔毎に配設されていることが好ましい。
誘電体20を構成する材料としては、従来より用いられているものを用いることができ、例えばセラミックスやガラス等の絶縁材料を例示することができる。
第1電極11および第2電極12を構成する材料としては、例えばステンレス鋼などの導電体が用いられる。
電圧印加手段としては、例えば商用電源(100V)が用いられ、例えば2.5〜3.5Vに昇圧されて第1電極11と第2電極12との間に印加される構成とされている。
この電極構造体10における電極対の各々は、第1電極11および第2電極12が、下記(式1)〜(式3)を満足するよう、電極の配列方向に対して相対的に偏位した状態で、配設されて構成されている。
Figure 2005137781
上記(式1)〜(式3)中において、L1は、第1電極11の誘電体20の表面における一方の端縁Aの位置(この例においては、第1電極11の左端位置)と、当該第1電極11の端縁Aの位置より電極の偏位方向に対して外方側に位置され、当該第1電極11の端縁Aの位置と最近接する第2電極の誘電体20の表面における端縁Bの位置(この例においては、第2電極12の左端位置)との誘電体20の表面方向における離間距離(以下、「偏位量」という。)を示し、θ2 は、前記第1電極11の端縁Aと、前記第2電極の端縁Bとを含む仮想平面Nの、誘電体20の厚み方向に対してなす角(以下、「偏位角」という。)を示し、dは、誘電体20の厚み〔m〕であり、Vは、第1電極11と第2電極12との間に印加される電圧の大きさ〔V〕、θ1 は、誘電体20と大気層との境界面における、誘電体20中の電界E2 の出射角(図3参照)、E1(max)は、電極の端面における電界の最大値〔V/m〕を、それぞれ、示す。
第1電極11と第2電極12との偏位角θ2 は、例えば45°以上であることが好ましく、また、第1電極11と第2電極12と偏位量L1と、誘電体20の厚みdとの比(L1/d)が例えば1〜3となるよう、第1電極11と第2電極12との偏位量L1、誘電体20の厚みdが設定されることが好ましい。
このような電極配置構造を有することにより、十分な静電容量が確保されて所要の活性種の生成効率が確実に得られると共に、放電場における電子のエネルギーの平均値が所定の値以下に小さく抑制されてオゾンに対する所要の分解効率が確実に得られる。一方、偏位角θ2 が45°未満である場合には、活性種の生成効率は向上する反面、放電場における電子のエネルギーが高くなり大気中の酸素や窒素の分解が促進され、高濃度のオゾンや窒素酸化物を発生させやすくなる。
上記(式3)は、電極構造体10において、所定の大きさの電圧Vが第1電極11と第2電極12との間に印加されて形成される電界の、電極の端面における最大値を規定するものである。
上記(式3)の右項で示される電極の端面における電界の最大値E1 (max)は、次のようにして導かれる。すなわち、図3に示されているように、誘電体20中における偏位角θ2 方向の電界E2 は、誘電体20(比誘電率ε2)とプラズマ形成用空間内の雰囲気である大気(比誘電率ε1=1)との境界面において屈折し、誘電体20中における電界E2 と第1電極11近傍の空気中における電界E1 との間には次式の関係が成立する。なお、空気中における電界E1 は、第1電極11が導体よりなるため、第1電極11の端面(図2における左側面)に対して垂直な方向に作用する。
Figure 2005137781
そして、空気中における電界E1 の仕事が電位差ΔV1 、誘電体20中における電界E2 の仕事が電位差ΔV2 で示され、第1電極11と第2電極12との間に印加される電圧Vとの関係において、次式が成立する。下記(式7)において、Sは、第1電極11の端面における電界E1 が到達する高さを示す。
Figure 2005137781
そして、上記(式6)および(式7)により、第1電極11の端面における電界E1 は次式で示される。
Figure 2005137781
従って、第1電極11の端面における電界E1 が最大となる位置はS=0である位置(電極の端縁Aの位置)であり、電界の最大値E1 (max)は、次式で示される。
Figure 2005137781
一方、空気中において、電子が他の分子または原子に衝突することなしに移動可能な距離である電子の平均自由工程をλ〔μm〕とすると、空気中(電界の強さE1 )における、電子の平均自由工程に基づいて得られるエネルギーμ〔eV〕は、次式で導かれる。
Figure 2005137781
この例における電極構造体10においては、誘電体20を構成する材料としては、上述したように、セラミックスやガラスなどが用いられ、その比誘電率ε2は平均で8であり、空気中における電子の平均自由工程λは約0.38μm程度である。
また、空気中における電子のエネルギーμ〔eV〕と(解離)衝突断面積との関係において、電子とオゾンとの衝突が起こりやすくなる電子のエネルギーの範囲は、例えば2〜100eVである(葛本昌樹,高濃度オゾンの発生と応用,化学工学,社団法人化学工学会,平成14年12月5日,第66巻,第12号,p.762−765)。
具体的に説明すると、放電場における電子のエネルギーが低い場合には、当該電子によるオゾンの衝突断面積の大きさが例えば酸素や窒素の衝突断面積に比して大きく、電子のエネルギーが大きくなるに従って、オゾンの衝突断面積の大きさが小さくなる一方で、酸素や窒素の衝突断面積の大きさが大きくなる傾向にある。そして、電子のエネルギーと衝突断面積との関係は、ガスの種類に関わらず、電子のエネルギーの増加に伴って衝突断面積の大きさが大きくなり、更に、電子のエネルギーが増加すると、衝突断面積の大きさが小さくなる、すなわち、衝突断面積は所定の大きさのエネルギーにおいてピーク値(極大値)を有し、例えばオゾンについては、電子のエネルギーが5eV程度の時に衝突断面積がピーク値を示し、電子のエネルギーの大きさを例えば10eV以下とすることにより、放電場における電子によるオゾンの衝突断面積が大きくなってオゾンとの衝突が起こりやすくなり、その結果、オゾンの分解が促進されて高い分解効率が得られる。
以上のような理由から、電子のエネルギーの平均値を例えば10eV以下とするためには、上記(式10)により、第1電極11の端面における電界の最大値E1 (max)を26×106 〔V/m〕以下とすればよいことになる。
一方、空気中における電界の最大値E1 (max)が26×106 〔V/m〕より大きい場合には、オゾンよりも酸素あるいは窒素に対する電子衝突が起こりやすくなり、酸素あるいは窒素の分解が促進される結果、高濃度のオゾンや窒素酸化物(NOx)が発生しやすくなる。
上記のプラズマ発生装置においては、各々の電極対における第1電極11と第2電極12との間に電圧印加手段によって所定の大きさの電圧が印加されることにより、誘電体20の表面と第1電極11との間、および誘電体20の表面と第2電極12との間で放電が生じてプラズマ(弱電離プラズマ)が生成され、有害物質を含む大気がプラズマ形成用空間内に導入されることにより、当該プラズマ中において、電子の非弾性衝突により、空気中の原子または分子に励起、解離、電離などの反応が起こり、その結果、活性種(例えば活性酸素種)が生成され、当該生成された活性種の作用およびプラズマそれ自体の作用によって、有害物質が分解される。
而して、上記のプラズマ発生装置によれば、特定の条件を満足する電極配置構造を有することにより、放電場における電子のエネルギーの大きさが所定の値以下に小さく抑制されるので、放電場における電子がオゾンの衝突断面積を大きくしてオゾンとの衝突が起こりやすくなる結果、当該低エネルギーの電子の衝突によってオゾンの分解が促進され、その結果、放電に伴ってオゾンが発生することが確実に防止または濃度が0.06ppm以下の極めて少ない状態に抑制されながら、しかも、低エネルギーの電子がそのエネルギーが気体分子との弾性衝突の回数が増加することによって増大されたものとなり、その結果として、酸素の分解に寄与して活性酸素種が確実に生成されてプラズマそれ自体の作用および生成される活性酸素種の作用によって大気中に含まれる有害物質についての所要の分解効果または除去効果が確実に発現される。
例えば図6に示されているような電極配置構造、あるいは、例えば第2電極がその幅寸法が第1電極より過大である平板状のものであり、第1電極の各々に共通の対電極として機能する電極配置構造を有するプラズマ発生装置であれば、電極の端面における電界の最大値E1 (max)は本発明に係る電極配置構造を有するものに比して8倍もの大きさとなり、その結果、高い電子密度が得られて活性(酸素)種の生成や有機物それ自体の分解には有利である反面、放電場における電子のエネルギーが大きくなってオゾンよりも酸素または窒素に対する衝突断面積が大きくなり、酸素または窒素に対して高い分解効率を示し、高濃度のオゾンや窒素酸化物が生成されやすくなる、という問題が、本発明に係る電極配置構造によれば実質的に生ずることがない。
従って、本発明に係るプラズマ発生装置は、人体に対して悪影響を及ぼすオゾンや窒素酸化物等を発生させることなしに、大気中に混入された有機物に対する所期の分解機能が確実に得られること、また、第1電極11と第2電極12との間の放電によりマイナスイオンが発生し、当該マイナスイオンによる人に対するリラクゼーション効果が得られることなどの理由から、例えば脱臭装置や空気清浄化装置に適用することが極めて有用である。
また、第1電極11と第2電極12とが互いに偏位された状態で配設されていることにより、例えば図6に示すような電極配置構造を有するものに比して静電容量を大幅に低下させることなしに、放電場における電子のエネルギーの大きさを小さく調整することができるので、プラズマの作用による活性種の生成効率を低下させることがなく、従って、大気中に含まれる有害物質に対する所期の分解効果が得られると共に、オゾンに対する分解効果が確実に発現される。
さらに、放電に伴って発生するオゾンの抑制または除去効果が、電極の端面における電界の制御、すなわち所期のオゾン分解機能を確実に発現させるための電子のエネルギーの制御を行うことにより発現されるので、オゾンを処理するための機構を別個に設ける必要がなく、装置それ自体を小型のものとして構成することができ、有利に製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、図4に示されているように、第2電極12がその他方の端縁Bの位置が第1電極11の一方の端縁Bの位置より電極の偏位方向に対して外方側に位置されてなる電極配置構造を有する構成のものとすることができる。この場合においても、上記(式1)〜 (式3)の関係を満足する状態とすればよいが、偏位量L1は、第1電極11の誘電体20の表面における一方の端縁Aの位置(この例においては、第1電極11の左端位置)と、当該第1電極11の端縁Aの位置より電極の偏位方向に対して外方側に位置され、当該第1電極11の端縁Aの位置と最近接する第2電極の誘電体20の表面における端縁Bの位置(この例においては、第2電極12の左端位置)との誘電体20の表面方向における離間距離で示される。
このような電極配置構造を有するものにおいても、図1および図2に示す電極配置構造を有するものと同様の効果が得られる。
また、図5に示されているように、第1電極11および第2電極12が互いに離間した状態で誘電体20の肉厚中の同一平面上に埋設されてなる電極配置構造を有する構成のものとすることができる。
このような構成の電極構造体においては、第1電極11と第2電極12との間の離間距離をL2〔m〕、第1電極11と第2電極12との間に印加される電圧をV〔V〕とするとき、下記(式4)を満足する状態に設定される。
Figure 2005137781
このような電極配置構造を有することにより、第1電極11と第2電極12との間の誘電体20の表面近傍において形成される放電場における電子エネルギーの大きさの平均値が所定の値以下に小さく抑制されるので、放電場における電子がオゾンの衝突断面積を大きくしてオゾンとの衝突が起こりやすくなる結果、当該低エネルギーの電子の衝突によってオゾンの分解が促進され、その結果、放電に伴ってオゾンが発生することが確実に防止または抑制されながら、しかも、低エネルギーの電子が、そのエネルギーが気体分子との弾性衝突の回数が増加することによって増大されたものとなり、その結果として、酸素の分解に寄与して活性酸素種が確実に生成されてプラズマそれ自体の作用および生成される活性酸素種の作用によって大気中に含まれる有害物質についての所要の分解効果または除去効果が確実に発現される。
また、第1電極と第2電極とが、誘電体の表面において、当該誘電体の表面方向に互いに離間した状態で配設されてなる電極配置構造を有するものであっても、上記(式4)を満足する状態とされていることにより、実際上十分な効果が得られる。この場合においては、第1電極および第2電極の少なくとも一方の電極が、その表面に誘電体被膜が形成されたものとされる。
第1電極および第2電極は、互いに同一の幅寸法を有するものであっても、異なる幅寸法を有するものであってもよい。
また、第1電極および第2電極は、例えば図7に示されているように、側縁が波状の平面形状を有する構成のものとすることができ、このような構成の電極11(12)によれば、側縁が直線状の平面形状を有するもの(例えば図1乃至図5に示すもの)に比して一層安定した放電場を形成することができ、また、尖頭状部分を有さない滑らかな曲線状とされていることにより、過大な電界が作用して電極が破損することが防止され、所期の性能が確実に得られる。
以下に、本発明の効果を確認するために行った実験例を示す。
<実験例1>
図1および図2に示す構成を有する本発明のプラズマ発生装置に係る電極構造体を製造した。具体的な構成条件は以下に示す通りである。
(1)第1電極および第2電極;
第1電極および第2電極は、いずれも、幅寸法が0.6mm、長さが20mm、厚みが0.05mmであるステンレス鋼よりなる帯板状のものを用い、それぞれ、2個の電極を、隣接する電極の間の離間距離が1mmとなる状態で配設した。
(2)誘電体;
誘電体は、厚み(d)が0.15mm、幅12mm、長さが28mmであるセラミックスよりなる平板状のものを用いた。
(3)第1電極および第2電極の配置位置;
第1電極と第2電極との偏位量(L1)を0.15mm、第1電極と第2電極との偏位角(θ2 )を45°に設定した。
第1電極と第2電極との間に3kVの電圧を印加してプラズマ発生装置を作動させてオゾンの濃度を以下に示す方法により計測したところ、オゾン濃度は0.06ppm以下であり、オゾンに対して十分に高い分解効率が得られることが確認された。
また、アセトアルデヒドが8ppmの割合で含まれる空気をプラズマ発生装置に導入して、当該プラズマ発生装置を30分間連続して作動させることにより、当該空気中に含まれるアセトアルデヒドを、自然減衰に比して12.5%以上多く除去することができることが確認された。
〔オゾン濃度の測定方法〕
図8に示されているように、製造した電極構造体(40)を、直径が50mm、長さが250mmのガラス管(41)内に配置し、電極構造体(40)を作動させてから5分間以上の時間が経過して電極構造体(40)の作動状態が安定した後、空気をガラス管(41)内に導入し、オゾンガスモニター(オゾン濃度計)「EG−2001」(EBARA JITSUGYOU)(42)によってガラス管(41)の内部空間に発生したオゾンの濃度の測定を10回行い、その平均値を算出した。測定条件は、ガラス管(41)内に導入される空気の流量を1.5リットル/minとした。同図において、43は商用電源、44はオゾン分解装置である。
<実験例2>
図5に示す構成の電極構造体を備えたプラズマ発生装置を製造した。第1電極、第2電極および誘電体の具体的な構成は実験例1において用いたものと同様のものである。
第1電極と第2電極との偏位量(L2)を0.15mmに設定すると共に、第1電極および第2電極を誘電体の表面から0.05mmの位置に埋設した。
そして、第1電極と第2電極との間に3kVの電圧を印加してプラズマ発生装置を作動させてオゾンの濃度を計測したところ、オゾン濃度は0.05ppm以下であり、オゾンに対して十分に高い分解効率が得られることが確認された。
また、アンモニアが20ppmの割合で含まれる空気をプラズマ発生装置に導入して、当該プラズマ発生装置を30分間連続して作動させることにより、当該空気中に含まれるアンモニアを自然減衰に比して10%以上多く除去することができることが確認された。
<比較実験例1>
実験例1において、第1電極と第2電極とを、配設中心位置を一致させた状態で配設したことの他は実験例1と同様の構成の電極構造体(図6に示す構成のもの)を備えた比較用のプラズマ発生装置を製造した。
そして、第1電極と第2電極との間に3kVの電圧を印加してプラズマ発生装置を作動させてオゾンの濃度および窒素酸化物の濃度を計測したところ、オゾンの濃度が0.2ppmであり、放電に伴うオゾンの発生を抑制することができないことが確認された。この理由は、電界強度の最大値が過大となるため、放電場における電子のエネルギー状態がオゾンよりも酸素に対して高い分解効率を示す状態となり、大気中の酸素の分解が促進されたものと考えられる。
本発明のプラズマ発生装置の一例における電極構造体の構成の概略を示す説明用斜視図である。 図1に示す電極構造体の、誘電体の長手方向における中央断面を示す縦断面図である。 電極の端面における放電場の状態を拡大して示す説明用断面図である。 本発明のプラズマ発生装置に係る電極構造体の他の例における構成の概略を示す説明用断面図である。 本発明のプラズマ発生装置に係る電極構造体の更に他の例における構成の概略を示す説明用断面図である。 従来における電極構造体の一例における構成の概略を示す説明用断面図である。 第1電極および第2電極の他の構成例を示す斜視図である。 実験例における、オゾンの濃度の測定方法を説明するためのフローチャート図である。
符号の説明
10 電極構造体
11 第1電極
12 第2電極
20 誘電体
30 誘電体
31、32 電極
40 プラズマ発生装置
41 ガラス管
42 オゾンガスモニター
43 商用電源
44 オゾン分解装置

Claims (5)

  1. 大気が導入されるプラズマ形成用空間を備え、このプラズマ形成用空間内において、帯板状の第1電極と帯板状の第2電極とが誘電体を介して対向して配設され、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより生ずる放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、
    第1電極と第2電極とが、下記(式1)〜(式3)を満足するよう、誘電体の表面方向に対して相対的に偏位した状態とされていることを特徴とするプラズマ発生装置。
    Figure 2005137781
  2. 前記仮想平面の、誘電体の厚み方向に対してなす角θが、45°以上であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
  3. 第1電極におけるいずれか一方の端縁位置と、当該第1電極の端縁位置より電極の偏位方向に対して外方側に位置され、当該第1電極の端縁位置と最近接する第2電極の端縁位置との誘電体の表面方向における離間距離L1と、誘電体の厚みdとの比(L1/d)が、1〜3であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ発生装置。
  4. 第1電極と第2電極との間に印加される電圧が2.5〜3.5kVであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプラズマ発生装置。
  5. 大気が導入されるプラズマ形成用空間を備え、このプラズマ形成用空間内において、帯板状の第1電極と帯板状の第2電極とが、誘電体の肉厚中における同一平面内において、あるいは誘電体の表面において、少なくとも一方の電極の表面に誘電体被膜が形成された状態で、互いに離間して配設されてなり、第1電極と第2電極との間の離間距離をL2 〔m〕、第1電極および第2電極間に印加される電圧をV〔V〕とするとき、下記(式4)を満足する電極配置構造を有することを特徴とするプラズマ発生装置。
    Figure 2005137781
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