JP2009027857A - 電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度の高い加工を多数施すことなく内周側回転子と外周側回転子の回動規制精度を高められるようにして、製造コストの低減を図ることのできる電動機を提供する。
【解決手段】内周側永久磁石9Bを有する内周側回転子6の外側に、外周側永久磁石9Aを有する外周側回転子5を同軸にかつ相対回動可能に配置する。内周側回転子6と外周側回転子5を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段12を設ける。位相変更手段12は、内周に仕切壁21を有する環状ハウジング15と、外周にベーン18を有するベーンロータ14を備え、仕切壁21とベーン18の間に作動室24,25が形成される。仕切壁21は、回転子5,6の相対回動時に、隣接するベーン18に当接するストッパ仕切壁21Aと、隣接するベーン18に当接しない通常仕切壁21Bとから構成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転子の永久磁石の界磁特性を変更できる電動機に関するものである。
電動機として、夫々個別に永久磁石を備える内周側回転子と外周側回転子とが同軸に配設され、この両回転子を油圧による位相変更手段によって周方向に相対的に回動させ、回転子全体としての界磁特性を変更できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この電動機の位相変更手段は、内周に複数の仕切壁を有する環状ハウジングと、この環状ハウジングの内側に配置され、外周に前記仕切壁間に突出するベーンを有するベーンロータとを備え、仕切壁とベーンの間に形成される液室に作動液を適宜給排することによって環状ハウジングとベーンロータを相対回動させるようになっている。そして、環状ハウジングとベーンロータは内周側回転子と外周側回転子の各一方と一体化されている。
また、この電動機においては、位相変更手段を構成する環状ハウジング側の仕切壁とベーンロータ側のベーンが、内周側回転子と外周側回転子の相対回動を規制するストッパとして機能するようになっている。
特開2004−72978号公報
しかし、この従来の電動機においては、環状ハウジング側の仕切壁とベーンロータ側のベーンが相互に当接することによって両回転子の回動ストッパとして機能するようになっているため、両回転子の回動規制精度を高めるためには複数の仕切壁とベーンをすべて同様に精度良く加工する必要があり、このことが製造コストの高騰に繋がることが懸念されている。
そこでこの発明は、精度の高い加工を多数施すことなく内周側回転子と外周側回転子の回動規制精度を高められるようにして、製造コストの低減を図ることのできる電動機を提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、円周方向に沿うように内周側永久磁石(例えば、後述の実施形態における内周側永久磁石9B)が配設された内周側回転子(例えば、後述の実施形態における内周側回転子6)と、この内周側回転子の外周側に同軸にかつ相対回動可能に配設されるとともに、円周方向に沿うように外周側永久磁石(例えば、後述の実施形態における外周側永久磁石9A)が配設された外周側回転子(例えば、後述の実施形態における外周側回転子5)と、前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段(例えば、後述の実施形態における位相変更手段12)と、を備え、前記位相変更手段は、内周に円周方向に離間して複数の仕切壁(例えば、後述の実施形態における仕切壁21)を有し前記内周側回転子と外周側回転子のいずれか一方と一体に回転する環状ハウジング(例えば、後述の実施形態における環状ハウジング15)と、この環状ハウジングの内側に配置され、外周に前記仕切壁間に突出するベーン(例えば、後述の実施形態におけるベーン18)を有するとともに前記内周側回転子と外周側回転子のいずれか他方と一体に回転するベーンロータ(例えば、後述の実施形態におけるベーンロータ14)を備え、前記仕切壁とベーンの間に形成される液室(例えば、後述の実施形態における進角側作動室24および側作動室25)に作動液を給排して前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させる構成とされている電動機において、前記環状ハウジングの複数の仕切壁は、前記内周側回転子と外周側回転子の相対回動時に、隣接するベーンに当接して回動ストッパとして機能するストッパ仕切壁(例えば、後述の実施形態におけるストッパ仕切壁21A)と、隣接するベーンに当接しない通常仕切壁(例えば、後述の実施形態における通常仕切壁21B)と、から成ることを特徴とする。
これにより、内周側回転子と外周側回転子の相対回動時には、環状ハウジングの複数の仕切壁のうちの、ストッパ仕切壁のみが隣接するベーンに当接し、残余の通常仕切壁は隣接するベーンに当接することがなくなる。したがって、ストッパ仕切壁だけを精度良く加工すれば両回転子の回動規制精度を高めることが可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動機において、前記ストッパ仕切壁は、前記環状ハウジングの回転中心に対して対称に配置されていることを特徴とする。
これにより、複数のストッパ仕切壁が回転中心回りでバランスするようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電動機において、前記仕切壁とベーンは、前記環状ハウジングとベーンロータの回転中心に対して対称に偶数個設けられていることを特徴とする。
これにより、仕切壁とベーンが夫々回転中心回りでバランスするようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動機において、前記ベーンロータが、前記環状ハウジングの軸方向の端部を跨いで径方向外側に延出する端板(例えば、後述の実施形態におけるドライブプレート16)によって前記外周側回転子に結合され、前記端板が前記各液室の端部を閉塞する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動機において、前記端板に対面する前記仕切壁の端面に、作動液を保持する保持溝(例えば、後述の実施形態における保持溝31)を設けたことを特徴とする。
これにより、保持溝に保持される作動液によって仕切壁の端面と端板の間が潤滑されるとともに、隣接する液室間が密閉されるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動機において、前記仕切壁の頂部と前記ベーンの頂部に、ベーンロータと環状ハウジングの周面に夫々密接するシール部材(例えば、後述の実施形態におけるシール部材33,36)と、この各シール部材を密接する相手部材方向に付勢する付勢部材(例えば、後述の実施形態における板ばね34,37)とが設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動機において、前記仕切壁の頂部に設けられる付勢部材の付勢力を、前記ベーンの頂部に設けられる付勢部材の付勢力よりも大きくしたことを特徴とする。
この場合、仕切壁の頂部のシール部材に作用する遠心力はベーンロータの周面から離反する方向に作用し、ベーンの頂部のシール部材に作用する遠心力は環状ハウジングの周面に押し付ける方向に作用する。電動機の回転速度が上昇した場合にあっても、仕切壁側の付勢部材の付勢力がベーン側の付勢部材の付勢力よりも予め大きく設定されているため、仕切壁側とベーン側のシール部材の密接力に大きな差が生じなくなる。
請求項1に記載の発明によれば、環状ハウジングの仕切壁を、内周側回転子と外周側回転子の相対回動時に、隣接するベーンに当接するストッパ仕切壁と、隣接するベーンに当接しない通常仕切壁とから構成したため、ストッパ仕切壁のみを精度良く加工することで両回転子の回動規制精度を高められるようになり、その結果、製造コストの高騰を招くことなく、内周側回転子と外周側回転子の回動規制精度を高めることが可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、複数のストッパ仕切壁が回転中心回りでバランスするため、ストッパ仕切壁が電動機の回転に悪影響を及ぼす心配が無く、組付時のバランス修正作業を軽減することが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、さらに仕切壁とベーンが全体で回転中心回りでバランスするため、組付時のバランス修正作業をさらに軽減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、端板に対面する仕切壁の端面に保持溝を形成し、その保持溝に保持される作動液によって仕切壁と端板の間を潤滑しつつ、隣接する液室間を密閉することができるため、耐久性の向上と位相変更手段の作動の円滑化を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、仕切壁の頂部に設けられる付勢部材の付勢力を、ベーンの頂部に設けられる付勢部材の付勢力よりも大きくして、仕切壁側のシール部材とベーン側のシール部材に夫々離反方向と押圧方向に作用する遠心力の影響を少なくできるようにしたため、シール部材の不要な磨耗を抑制しつつ、電動機を高回転で運転したときにおける液室からの作動液の漏れを効率良く防止することができる。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
この実施形態の電動機1は、図1〜図3に示すように円環状の固定子2(図2参照。)の内周側に回転子ユニット3が配置されたインナロータ型のブラシレスDCモータであり、例えばハイブリッド車両や電動車両等の走行駆動源として用いられる。固定子2は複数相の固定子巻線2aを有し、回転子ユニット3は軸芯部に回転軸4を有している。車両の走行駆動源として用いる場合には、電動機1の回転力はトランスミッション(図示せず。)を介して車輪の駆動軸(図示せず。)に伝達される。この場合、電動機1は車両の減速時に発電機として機能させれば、発電電力を回生エネルギーとして蓄電器に回収することもできる。また、ハイブリッド車両においては、電動機1の回転軸4をさらに内燃機関のクランクシャフト(図示せず。)に連結することにより、内燃機関による発電にも利用することができる。
回転子ユニット3は、円環状の外周側回転子5と、この外周側回転子5の内側に同軸に配置される円環状の内周側回転子6を備え、外周側回転子5と内周側回転子6が設定角度の範囲で相対回動可能とされている。
外周側回転子5と内周側回転子6は、回転子本体である円環状のロータ鉄心7,8が、例えば、複数の電磁鋼板を回転軸4に沿う方向に積層して成る積層鋼板によって形成されており、その各ロータ鉄心7,8に複数の磁石装着スロット7a…,8a…が円周方向に沿って形成されている。各磁石装着スロット7a,8aには、厚み方向に磁化された平板状の外周側永久磁石9Aと内周側永久磁石9Bが夫々装着されている。そして、磁石装着スロット7a…,8a…は、外周側回転子5上と内周側回転子6上で夫々円周方向で隣接するもの2つが一組を成し、図1に示すように、各組の磁石装着スロット7a,7aおよび8a,8bに同磁極が同方向を向くように外周側永久磁石9A,9Aと内周側永久磁石9B,9Bが夫々装着されている。また、外周側回転子5上の隣接する磁石装着スロット7aの組に装着される外周側永久磁石9A同士は磁極の向きが逆向きになり、内周側回転子6上の隣接する磁石装着スロット8aの組に装着される内周側永久磁石9B同士も磁極の向きが逆向きになっている。すなわち、外周側回転子5においては、外周側がN極とされた外周側永久磁石9Aの対とS極とされた外周側永久磁石9Aの対が、円周方向に交互に並んで配置されており、内周側回転子6も同様に、外周側がN極とされた内周側永久磁石9Bの対と、S極とされた内周側永久磁石9Bの対が円周方向に交互に並んで配置されている。
外周側回転子5と内周側回転子6の磁石装着スロット7a…,8a…は夫々同数設けられ、両回転子5,6の永久磁石9A,9Bが夫々1対1で対応するようになっている。したがって、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9A,9Bを互いに同極同士で対向させる(異極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も弱められる弱め界磁(図4(b)参照。)の状態を得ることができるとともに、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9A,9Bを互いに異極同士で対向させる(同極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も強められる強め界磁の状態(図4(a)参照。)を得ることができる。
また、回転子ユニット3は、外周側回転子5と内周側回転子6を相対回動させるための回動機構11を備えている。この回動機構11は、両回転子5,6の相対位相を任意に変更するための位相変更手段12を構成するものであり、非圧縮性の作動流体である作動液の圧力によって操作されるようになっている。位相変更手段12は、上記の回動機構11と、この回動機構11に対する作動液の給排を制御する図示しない液圧制御装置と、を主要な要素として構成されている。
回動機構11は、図1〜図3に示すように、回転軸4の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ14と、ベーンロータ14の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング15とを備え、この環状ハウジング15が内周側回転子6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、ベーンロータ14が、環状ハウジング15と内周側回転子6の軸方向の両側の端面を跨ぐ円板状の一対のドライブプレート16,16(端板)を介して外周側回転子5に一体に結合されている。したがって、ベーンロータ14は回転軸4および外周側回転子5と一体化され、環状ハウジング15は内周側回転子6と一体化されている。なお、図3中22は、ドライブプレート16,16とベーンロータ14を結合するボルトを示し、23は、ドライブプレート16,16と外周側回転子5を結合するボルトを示す。
ベーンロータ14は、回転軸4にスプライン嵌合される円筒状のボス部17の外周に、径方向外側に突出する複数(この例の場合、具体的には6枚)のベーン18…が円周方向等間隔に設けられている。一方、環状ハウジング15は、内周面に円周方向等間隔に複数(この例の場合、具体的には6個)の凹部19…が設けられ、この各凹部19にベーンロータ14の対応するベーン18が収容配置されるようになっている。各凹部19は、ベーン18の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁20と、隣接する凹部19,19同士を隔成する略三角形状の仕切壁21によって構成され、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時に、ベーン18が一方の仕切壁21と他方の仕切壁21の間を変位し得るようになっている。なお、ベーン18と仕切壁21の設置数は、6に限らず複数であれば任意であるが、この場合も偶数個であることが望ましい。
ここで、複数の仕切壁21…のうちの回転中心に対して対称な位置に配置される2つのものは、付根部側に円周方向両側に膨出する膨出部30a,30bを備え、付根部側の円周方向幅が他のものに比較して広くなっている。これにより、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時には、膨出部30aまたは30bが隣接するベーン18と当接することによってベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動、延いては外周側回転子5と内周側回転子と6の相対回動を規制する。以下、この膨出部30a,30bを有する2つの仕切壁21をストッパ仕切壁21Aと呼び、残余の4つの仕切壁21を通常仕切壁21Bと呼ぶものとする。ストッパ仕切壁21Aは上述のように隣接するベーン18に当接して外周側回転子5と内周側回転子6の回動ストッパとして機能するが、このとき、通常仕切壁21Bは隣接するベーン18に当接せず、隣接するベーン18の手前位置で停止する。
また、内周側回転子6に固定される環状ハウジング15のベース部15aは一定厚みの円筒状に形成されるとともに、図2に示すように内周側回転子6や仕切壁21に対して軸方向外側に突出している。このベース部15aの外側に突出した各端部は、ドライブプレート16に形成された環状のガイド溝16aに摺動自在に保持され、環状ハウジング15と内周側回転子6が、外周側回転子5や回転軸4にフローティング状態で支持されるようになっている。
外周側回転子5とベーンロータ14を連結する両側のドライブプレート16,16は、仕切壁21A,21Bを含む環状ハウジング15の両側面(軸方向の両端面)に摺動自在に密接し、環状ハウジング15の各凹部19の側方を夫々閉塞する。したがって、環状ハウジング15の各凹部19は、ベーンロータ14のボス部17と両側のドライブプレート16,16とともに夫々独立した空間部を形成し、この空間部は、作動液が導入される導入空間となっている。各導入空間内は、ベーンロータ14の対応する各ベーン18によって夫々2室に隔成され、一方の部屋が進角側作動室24(液室)、他方の部屋が遅角側作動室25(液室)とされている。進角側作動室24は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して遅角方向に相対回動させ、遅角側作動室25は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して進角方向に相対回動させる。この場合、「進角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、図1中の矢印Rで示す電動機1の主回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、電動機1の主回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
また、各進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排は回転軸4を通して行われるようになっている。具体的には、進角側作動室24は、液圧制御装置の進角側給排通路に接続され、遅角側作動室25は同液圧制御装置の遅角側給排通路に接続されているが、進角側給排通路と遅角側給排通路の一部は、図2に示すように、夫々回転軸4に軸方向に沿って形成させた通路孔26a,27aによって構成されている。そして、各通路孔26a,27aの端部は、回転軸4の外周面の軸方向にオフセットした2位置に形成された環状溝26bと環状溝27bに夫々接続され、その各環状溝26b,27bは、ベーンロータ14のボス部17に略半径方向に沿って形成された複数の導通孔26c…,27c…に接続されている。進角側の導通孔26cは環状溝26bと各進角側作動室24とを接続し、遅角側の導通孔27cは環状溝27bと各遅角側作動室25とを接続している。
この実施形態の電動機1の場合、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最遅角位置にあるときに、内周側永久磁石9Bと外周側永久磁石9Aが異極同士で対向して強め界磁の状態(図4(a)参照。)になり、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最進角位置にあるときに、内周側永久磁石9Bと外周側永久磁石9Aが同極同士で対向して弱め界磁の状態(図4(b)参照。)になるように設定されている。
なお、この電動機1は、進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排制御によって、強め界磁の状態と弱め界磁の状態を任意に変更し得るものであるが、こうして磁界の強さが変更されると、それに伴って誘起電圧定数が変化し、その結果、電動機1の特性が変更される。すなわち、強め界磁によって誘起電圧定数が大きくなると、電動機1として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数が小さくなると、電動機1の出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
ところで、ベーンロータ14のストッパ仕切壁21Aと通常仕切壁21Bは、夫々の軸方向の端面がドライブプレート16の内面に対して摺動を許容するための微小隙間をもって対面するが、各仕切壁21A,21Bの軸方向の端面には、図1,図5に示すように平面視が略三角状の保持溝31が形成されている。この保持溝31は、仕切壁21A,21Bの端面に対して浅くほぼ平坦に窪んだ溝であり、進角側作動室24や遅角側作動室25から流れ込んだ作動液をその内部に滞留させ得るようになっている。なお、保持溝31は、仕切壁21A,21Bの外形に沿うように略三角形状に形成されているが、その形状は略三角形状に限らず任意である。ただし、この実施形態のように仕切壁21A,21Bの外形に沿わせて保持溝31を略三角形状に形成した場合には、保持溝31による作動液の捕獲部面積を最大源に大きく確保することができる。
また、図7に拡大して示すように、環状ハウジング15側のストッパ仕切壁21Aと通常仕切壁21Bの各頂面には、回転軸4方向に沿うシール溝32が形成され、この各シール溝32内に、ベーンロータ14のボス部17の外周面に当接して仕切壁21A,21Bとボス部17の間をシールする樹脂製のシール部材33と、このシール部材33をボス部17の外周面方向に付勢する板ばね34(付勢部材)と、が収容されている。
同様に、ベーンロータ14側の各ベーン18の頂面には、図6に拡大して示すように、回転軸4方向に沿うシール溝35が形成され、この各シール溝35内に、環状ハウジング15の内周面(凹部19の底壁20)に当接してベーン18と環状ハウジング15の間をシールする樹脂製のシール部材36と、このシール部材36を環状ハウジング15の凹部19の内壁20(周面)方向に付勢する板ばね37(付勢部材)と、が収容されている。
ここで、仕切壁21A,21B側のシール部材33と、ベーン18側のシール部材36は、形状やサイズ、重量等の規格の同じものが用いられているが、仕切壁21A,21B側の板ばね34とベーン18側の板ばね37は、ばね剛性の異なるものが用いられている。具体的には、電動機1の最高運転速度を考慮しつつ、仕切壁21A,21B側の板ばね37のばね剛性がベーン18側の板ばね37のばね剛性よりも大きく設定されている。
これは、相手部材に対する各シール部材33,36のシール方向と、遠心力Pの作用する向きを考慮したものである。
すなわち、図6,図7に示すように、各シール部材33,36に作用する遠心力Pの向きは、いずれも電動機1の径方向外側向きであるのに対し、各シール部材33,36のシール方向は夫々逆向き、具体的には、仕切壁21A,21B側のシール部材33のシール方向は径方向内側向きとなり、ベーン18側のシール部材36のシール方向は径方向外側向きとなっている。このため、仕切壁21A,21B側のシール部材33の相手部材に対する押圧力は遠心力Pの増大とともに減少し、ベーン18側のシール部材36の相手部材に対する押圧力は遠心力Pの増大とともに増大する。この実施形態の電動機1においては、仕切壁21A,21B側の板ばね37のばね剛性を予めベーン18側の板ばね37のばね剛性よりも大きく設定することにより、電動機1の回転速度が上昇した場合における仕切壁21A,21B側のシール部材33の押圧力の減少割合を小さくしている。
以上の構成において、この電動機1の界磁特性を変更する場合、液圧制御装置による作動液の給排により、進角側作動室24と遅角側作動室25の一方に作動液を供給するとともに他方から作動液を排出する。内周側回転子6が最遅角位置から最進角位置に向かって変位するときには、ストッパ仕切壁21Aの進角側作動室24に臨む側の膨出部30bが隣接するベーン18に当接することによって回動を規制され(図1参照。)、逆に内周側回転子6が最進角位置から最遅角位置に向かって変位するときには、ストッパ仕切壁21Aの遅角側作動室25に臨む側の膨出部30aが隣接するベーン18に当接することによって回動を規制される。
この電動機1においては、外周側回転子5と内周側回転子6の相対的な回動を規制する際に、ストッパ仕切壁21Aのみが隣接するベーン18に当接して、残余の通常仕切壁21Bが隣接するベーン18に当接しないようになっているため、2つのストッパ仕切壁21Aの膨出部30a,30bの端面を高い精度で仕上がることで、両回転子5,6の相対的な回動規制精度を高めることができる。そして、残余の4つの通常仕切壁21Bは隣接するベーン18に当接しないことから、ベーン18に臨む側の面の加工精度をさして高める必要がない。このため、この電動機1においては、製造コストの高騰を抑制しつつ、両回転子5,6の回動規制精度を高めることができる。
また、この実施形態の電動機1にあっては、円周方向の両側に膨出部30a,30bを有する一対のストッパ仕切壁21A,21Aが環状ハウジング15の回転中心に対して対称な位置に配置されているため、両ストッパ仕切壁21A,21Aが環状ハウジング15の円周上でバランスし、環状ハウジング15の回転バランスを良好に維持することができる。そして、この電動機1の場合、ストッパ仕切壁21A,21Aが回転方向でバランスすることから、部品組付時におけるバランス修正のための加工を軽減、若しくは、無くすことができる。
なお、環状ハウジング15の回転バランスを考慮しなければ、ストッパ仕切壁21Aは環状ハウジング15上に一つのみ設けることも可能である。
さらに、この実施形態の場合、環状ハウジング15側の仕切壁21A,21Bとベーンロータ14側のベーン18が夫々円周上に偶数個(6個)配置されているため、上記のようにストッパ仕切壁21Aを環状ハウジング15の軸心に対称な2位置に配置しても、仕切壁21A,21Bとベーン18全体の回転バランスを良好に維持することができる。この場合も、回転バランスを考慮しなければ、仕切壁21A,21Bとベーン18は夫々円周上に奇数個配置することも可能である。
また、この実施形態の電動機1においては、ドライブプレート16に対面する各仕切壁21A,21Bの端面に保持溝31を形成し、その保持溝31に滞留する作動液によって仕切壁21A,21Bとドライブプレート16の間を潤滑しつつ、仕切壁21Aまたは21Bを挟んだ隣接する作動室24,25間の液漏れを効果的に防止することができる。したがって、この電動機1を採用することにより、位相変更手段12の作動の円滑化と、液圧エネルギーの効率利用を図ることができる。
さらに、この電動機1にあっては、仕切壁21A,21B側のシール部材33を付勢する板ばね34のばね剛性が、ベーン18側のシール部材36を付勢する板ばね37のばね剛性よりも大きく設定されているため、ベーン18側のシール部材36の摩擦抵抗の必要以上の増大を招くことなく、電動機1の回転上昇時における仕切壁21A,21B側のシール部材33の押圧力の低下を効果的に抑制することができる。したがって、高回転時における作動室24,25からの作動液の漏れを有効に防止することができる。また、仕切壁21A,21B側とロータ18側の各板ばね34,37は、それ自体のばね剛性が異なるものの、初期セット荷重をほぼ同じに設定することができる。このため、電動機1の回転速度が低い状況においても、シール部材33による摺動抵抗が増大するのを回避することができる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
この発明の一実施形態の電動機における回転子ユニットの一部部品を省略した正面図。 同実施形態の電動機の図1のA−A断面に対応する断面図。 同実施形態の電動機の回転子ユニットの分解斜視図。 内周側永久磁石と外周側永久磁石が同極配置された強め界磁状態を模式的に示す図(a)と、内周側永久磁石と外周側永久磁石が異極配置された弱め界磁状態を模式的に示す図(b)を併せて記載した図。 この発明の一実施形態の電動機の一部の部品を示す斜視図。 同実施形態を示す図2のB部の拡大図。 同実施形態を示す図2のC部の拡大図。
符号の説明
1…電動機
5…外周側回転子
6…内周側回転子
9A…外周側永久磁石
9B…内周側永久磁石
12…位相変更手段
14…ベーンロータ
15…環状ハウジング
16…ドライブプレート(端板)
18…ベーン
21A…ストッパ仕切壁(仕切壁)
21B…通常仕切壁(仕切壁)
24…進角側作動室(液室)
25…遅角側作動室(液室)
31…保持溝
33,36…シール部材
34,37…板ばね(付勢部材)

Claims (5)

  1. 円周方向に沿うように内周側永久磁石が配設された内周側回転子と、
    この内周側回転子の外周側に同軸にかつ相対回動可能に配設されるとともに、円周方向に沿うように外周側永久磁石が配設された外周側回転子と、
    前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させて両者の相対的な位相を変更する位相変更手段と、を備え、
    前記位相変更手段は、内周に円周方向に離間して複数の仕切壁を有し前記内周側回転子と外周側回転子のいずれか一方と一体に回転する環状ハウジングと、この環状ハウジングの内側に配置され、外周に前記仕切壁間に突出するベーンを有するとともに前記内周側回転子と外周側回転子のいずれか他方と一体に回転するベーンロータを備え、前記仕切壁とベーンの間に形成される液室に作動液を給排して前記内周側回転子と外周側回転子を相対回動させる構成とされている電動機において、
    前記環状ハウジングの複数の仕切壁は、前記内周側回転子と外周側回転子の相対回動時に、隣接するベーンに当接して回動ストッパとして機能するストッパ仕切壁と、隣接するベーンに当接しない通常仕切壁と、から成ることを特徴とする電動機。
  2. 前記ストッパ仕切壁は、前記環状ハウジングの回転中心に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  3. 前記仕切壁とベーンは、前記環状ハウジングとベーンロータの回転中心に対して対称に偶数個設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電動機。
  4. 前記ベーンロータが、前記環状ハウジングの軸方向の端部を跨いで径方向外側に延出する端板によって前記外周側回転子に結合され、前記端板が前記各液室の端部を閉塞する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動機において、
    前記端板に対面する前記仕切壁の端面に、作動液を保持する保持溝を設けたことを特徴とする電動機。
  5. 前記仕切壁の頂部と前記ベーンの頂部に、ベーンロータと環状ハウジングの周面に夫々密接するシール部材と、この各シール部材を密接する相手部材方向に付勢する付勢部材とが設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動機において、
    前記仕切壁の頂部に設けられる付勢部材の付勢力を、前記ベーンの頂部に設けられる付勢部材の付勢力よりも大きくしたことを特徴とする電動機。
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