JP2009027526A - スピーカ装置用材料およびこれを用いたスピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置用材料およびこれを用いたスピーカ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小型スピーカ装置での低音再生を効果的に実現し得るスピーカ装置用吸着材料およびそれを用いたスピーカ装置を提供すること。
【解決手段】半径18Å以下の累積細孔容積が0.5ml/g以上の活性炭でなる、スピーカ装置用吸着材料、およびこれをキャビネット内に有するスピーカ装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、小型スピーカ装置での低音再生を効果的に実現し得るスピーカ装置用吸着材料およびそれを用いたスピーカ装置に関する。
一般に、小型のスピーカ装置では、スピーカキャビネットの容積が小さいため、音響スティフネスの影響で低音再生が困難であった。即ち、スピーカに電気信号が印加されるとスピーカの振動により、キャビネット内の空気が圧縮され、これが空気ばねとなってスピーカの動きを妨げ、特に低音領域において音圧レベルが低下し、充分な低音再生が達成できない。小型スピーカ装置での低音再生を実現するために、キャビネットの内部に活性炭などの気体吸着性の材料が配置されたスピーカ装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1のスピーカ装置は、スピーカキャビネット、該キャビネットの一方の面に、後方部がキャビネット内部と連通するように取り付けられたスピーカ、該キャビネット内に含有される気体、および該キャビネット内に配置された活性炭などの気体吸着性の材料を有する。スピーカに電気信号が印加されるとスピーカの振動により、キャビネット内の気体の圧縮・膨張が高速で生じる。それに伴い、該気体の分子が上記活性炭に吸着・脱着されるためキャビネット内部の圧力変動が抑制される。その結果、低音部における音圧レベルが抑制されず、あたかも大容量のキャビネットを用いた場合と同等の効果が得られることが開示されている。
上記スピーカ装置における低音再生を改良するための手段、特に活性炭などの気体吸着性の材料についてのさらなる改良が望まれている。
特表昭60−500645号公報
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、その目的とするところは、小型スピーカ装置での低音再生をさらに効果的に実現し得る活性炭などのスピーカ装置用吸着材料およびそれを用いたスピーカ装置を提供することにある。
発明者らは、所定のサイズの孔径以下の細孔の累積容積が0.5ml/g以上の活性炭を上記スピーカ装置のキャビネット内に載置すると、スピーカの振動時に充分な気体吸着効果が得られる結果、低音再生がさらに効果的に実現することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のスピーカ装置用吸着材料は、半径18Å以下の累積細孔容積が0.5ml/g以上の活性炭でなる。
本発明のスピーカ装置は、キャビネットと、該キャビネットに取り付けられたスピーカユニットと、該キャビネット内部の空室に配置されたスピーカ装置用吸着材料とを有するスピーカ装置であって、該スピーカ装置用吸着材料は、半径18Å以下の累積細孔容積が0.5ml/g以上の活性炭でなる。
ある実施態様によれば、上記活性炭の半径7Å以下の累積細孔容積は0.1ml/g以下である。
本発明のスピーカ装置用吸着材料を、上記スピーカ装置のキャビネット内に載置すると、スピーカの振動により生じるキャビネット内の気体の圧力変動を緩和し、充分な低音再生効果が得られ、大容量のキャビネットを用いた場合と同等の音響効果が得られる。
(A)スピーカ装置用吸着材料
本発明のスピーカ装置用吸着材料は、半径18Å以下の累積細孔容積が0.5ml/g以上の活性炭でなる。半径18Å以下における累積細孔容積は、好適には0.6ml/g以上である。この活性炭の7Å以下の累積細孔容積は、好適には、0.1ml/g以下である。該活性炭の半径18Å以上における累積細孔容積は、好適には、0.2ml/g以下、さらに好適には0.1ml/g以下である。
上記半径18Å以下における累積細孔容積が0.5ml/g未満であると、スピーカキャビネット内の気体分子の吸着が充分ではなく、そのため、得られるスピーカ装置において、低音域における音圧レベルの低下を充分に回復できない。活性炭の7Å以下の累積細孔容積が0.1ml/g以上である場合、あるいは半径18Å以上における累積細孔容積が0.2ml/gを超える場合には、得られるスピーカ装置において、低音域における音圧レベルの低下を充分に回復できない場合がある。
上記において規定する活性炭の細孔の半径および累積細孔容積は、以下に示す水蒸気法で測定される。この方法では、一定濃度の硫酸水溶液の平衡水蒸気圧は一定値となること、即ち、硫酸水溶液の硫酸濃度と平衡水蒸気圧との間には一定の関係があることを利用して所定の水蒸気圧の空間を作り出し、これを用いて測定がなされている。具体的には、次の方法により作成される細孔径と累積細孔容積との関係を示す曲線に基づいて所定の細孔半径に対応する累積細孔容積が得られる。
所定濃度の硫酸水溶液を含む吸着室の気相部に所定の質量の活性炭を入れ、1気圧(絶対圧)、30℃の条件で、48時間水蒸気と接触させて平衡状態とする。次いで、この活性炭の質量を測定し、質量増加分を30℃における該活性炭の水の飽和吸着量とする。
上記採用した硫酸水溶液は、その濃度に固有の平衡水蒸気圧の値(P)(1気圧(絶対圧)、30℃での値)を有し、その水蒸気圧においては、所定の細孔半径(r)以下の半径の細孔には、水蒸気が吸着されていることとなる。その所定の細孔半径は、下記式(I)で表されるKelvinの式に基づいて求められる。そして、該細孔半径以下の細孔の累積細孔容積は、上記測定による得られる水の飽和吸着量に相当する、30℃の水の体積に相当する。
r=−[2VmγcosΦ]/[RTln(P/P)] (I)
ここで、r、Vm、γ、Φ、R、T、P、およびPは、次の意味を有する:
r:細孔半径(cm)
Vm:水の分子容(cm/mol)=18.079(30℃)
γ:水の表面張力(dyne/cm)=71.15(30℃)
Φ:毛細管壁と水との接触角(°)=55°
R:ガス定数(erg/deg・mol)=8.3143×10
T:絶対温度(K)=303.15
P:細孔内の水が示す飽和蒸気圧(mmHg)
:水の1気圧(絶対圧)、30℃における飽和蒸気圧(mmHg)=31.824
上記所定の硫酸水溶液として、比重1.05〜1.30までの0.025間隔の比重を有する11種類の硫酸水溶液、1.35の比重を有する硫酸水溶液、および1.40の比重を有する硫酸水溶液(全部で13種類の硫酸水溶液)を準備し、上記測定を行う。それにより、各測定において、算出される細孔半径以下の細孔の累積細孔容積を求める。このようにして求めた累積細孔容積を細孔半径に対してプロットすることにより、活性炭の累積細孔容積曲線が得られる。これを微分することにより、細孔分布曲線が得られる。例えば、図2に実施例1で得られる活性炭の細孔半径分布、ならびに細孔半径に対する累積細孔容積を示すグラフを示す。
このようにして得られた活性炭の累積細孔容積曲線をもとに、その活性炭における18Å以下の累積細孔容積が求められる。
本発明の吸着材料として用いられる活性炭の製法は、特に限定されず、通常の活性炭の製法で得られた活性炭の中から上記所定の累積細孔容積を有する活性炭を選択すればよい。通常、本発明に用いられる活性炭は、炭素質材料を充分に炭化した後、ガス賦活、薬剤賦活などの方法で賦活することにより製造される。
上記炭素質材料としては、鉱物系材料、植物系材料、合成系材料などが用いられる。鉱物系材料としては、石炭・石油材料(石炭系ピッチ、コークスなど)が挙げられる。植物系材料としては、木材、木炭、果実殻(ヤシ殻など)、および各種繊維が挙げられる。これらのうち、各種繊維としては、木綿、麻などの天然繊維、レーヨン、ビスコースレーヨンなどの再生繊維、およびアセテート、トリアセテートなどの半合成繊維がある。上記合成系材料としては、各種合成樹脂が挙げられ、それには例えば、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ビニロンなどのポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂などがある。
炭素質材料のうち、特に植物系材料および合成系材料が好適であり、例えば、ヤシ殻、フェノール系樹脂などが好適に利用される。炭素質材料は2種以上を混合して利用してもよい。
炭素質材料の形状は、特に限定されない。粒状、粉末状、繊維状、シート状など種々の形状の材料を使用することができる。取り扱い性、および効果的に性能を発揮する目的のためには、比較的大型のスピーカ装置には粒状の炭素質材料、小型および薄型のスピーカ装置には、繊維状あるいはシート状の炭素質材料が好適に利用される。粒状の材料は、破砕状または造粒品でもよい。繊維状およびシート状の炭素質材料としては、織布、不織布、フィルム、フェルト、紙、成形板などのシート加工品が挙げられる。
炭素質材料を炭化する条件は特に限定されないが、例えば、粒状の炭素質材料の場合は、回分式ロータリーキルンに少量の不活性ガスを流しながら300℃以上の温度で処理するなどの条件を採用することができる。
炭素質材料を炭化した後の賦活方法は、上述のように、ガス賦活、薬剤賦活などいずれの方法を採用してもよいが、機械強度が高く、上記所定の細孔径を有する活性炭を得るという点においては、ガス賦活が好適に採用される。ガス賦活法において使用されるガスとしては、水蒸気、炭酸ガス、酸素、LPG燃焼排ガス、またはこれらの混合ガスなどを挙げることができる。安全性および反応性を考慮すると、水蒸気含有ガス(水蒸気を10〜50容量%含有するガス)が好ましい。
賦活温度は、通常700℃〜1100℃、好ましくは、800℃〜1000℃である。しかし、賦活温度、時間、昇温速度は、特に限定されず、選択する炭素質材料の種類、形状、サイズ、所望の細孔径分布などにより異なる。賦活により得られる活性炭は、そのまま使用され得るが、実用上は、酸洗浄、水洗浄などにより、付着成分を除去することが好ましい。
このようにして得られる活性炭は、上記炭素質材料の形状に応じて、粒子状、シート状などの形状となり得る。あるいは、さらにこれを粉砕してもよい。粒子状の活性炭は、ある程度の大きさを有する粒状の粒子から微細な粉末まで、必要に応じて所望の粒径のものが用いられ得る。シート状の活性炭は、布帛状、フェルト状、紙状、板状などの形状であり得る。
粒子の活性炭の粒径は、通常、0.05〜1.0mm、好ましくは、0.1〜0.3mmである。活性炭が布帛状である場合には、その厚みは通常、0.1〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.0mmである。厚みが0.1mm未満の活性炭布帛は強度が低いため取り扱いに難しく、2.0mmを超える厚みの活性炭布帛は作成が難しい。フェルト状、紙状、あるいは板状である場合には、その厚みは通常、0.1〜10.0mm、好ましくは0.3〜5.0mmである。上記サイズにおいて、いずれもスピーカ装置に用いた場合に、特に好適な低音再生効果が得られる。
(B)スピーカ装置
本発明のスピーカ装置を図1に例示して説明する。本発明のスピーカ装置1は、キャビネット10と、該キャビネットに取り付けられたスピーカユニット11と、該キャビネット内部の空室Rに配置されたスピーカ装置用吸着材料12とを有する。このスピーカ装置用吸着材料12は、上記所定の累積細孔容積を有する活性炭でなる。この活性炭が、繊維状あるいはシート状の場合は、そのままでキャビネット内の空室Rの適当な場所に配置され得る。粒状あるいは粉末状の活性炭である場合には、織布、不織布など通気性を有する包装材で包装して、キャビネット内に配置されるのが好ましい。スピーカ装置用吸着材料12の量は、キャビネットの容量、該活性炭の形状などによって変化し、特に限定されない。
空室Rは、通常、常圧の空気で満たされているが、二酸化炭素などの特定のガスが充填されていてもよい。
図1において、スピーカユニット11に電気信号を印加するとボイスコイルに力が発生して、コーン型振動板を振動させて音が発生する。このコーン型振動板で発生した音圧は、空室Rの内部圧力を上昇させる。しかし、空室Rには活性炭でなるスピーカ装置用吸着材料12が配置されているため、該活性炭の気体の吸着および脱着作用により空室R内の圧力変動が抑制され、空室Rは、等価的に大きな容積となる。つまり、上記スピーカ装置1は、あたかも大きな容積のキャビネットにスピーカユニットが取り付けられているように動作する。
上記活性炭は、上記所定の累積細孔容積を有するため、キャビネットの等価容積が、通常の活性炭を用いた場合に比較してより大きくなる。キャビネットの等価容積の理論上の拡大率を「容積拡大率」として、以下の式で示すことができる。
使用するスピーカユニットの共振周波数をfとすると、fは以下の式(1)で示される:
Figure 2009027526
ここで、Mmsは、スピーカ振動系の質量、Cmsは、スピーカ支持系のコンプライアンスを示す。
このスピーカをキャビネットに取り付けたときの共振周波数をfOBとすると、fOBは、以下の式(2)で示される:
Figure 2009027526
ここで、CmAは、キャビネット容量の空気コンプライアンスを示す。
このキャビネット内部に活性炭を配置し、キャビネットの等価容量がA倍に拡大され、このときの共振周波数をfocとすると、focは、以下の式(3)で示される:
Figure 2009027526
上記(1)、(2)、および(3)式より、容積拡大率Aは、次式(4)で示される:
Figure 2009027526
本発明においては、スピーカ装置の上記容積拡大率は、用いられる活性炭の種類、量、キャビネットの容量などにより異なるが、いずれも従来のスピーカ装置における活性炭を用いた場合と比較して、より高い効果が得られる。
(実施例1)
ヤシ殻を炭化して炭化物を得、これを850℃にて水蒸気含有燃焼ガスで賦活して、平均粒径0.35mmの粒状活性炭を得た。この活性炭の累積細孔容積曲線を、細孔分布曲線と併せて図2に示す。図2において、a1が累積細孔容積曲線、b1が細孔分布曲線である。累積細孔容積曲線a1の縦軸の値は、活性炭1gあたりの累積細孔容積(ml/g)を示す。細孔分布曲線b1の縦軸は相対値を示す。後出の図3におけるa2およびb2についても同様である。この活性炭の半径18Å以下の累積細孔容積は0.52ml/gであった。
(実施例2)
フェノール樹脂繊維を炭化して炭化物を得、これを850℃にて水蒸気含有燃焼ガスで賦活して、平均厚み0.50mmの布状の活性炭を得た。この活性炭の半径18Å以下の累積細孔容積は0.72ml/gであった。
(実施例3)
ヤシ殻を炭化して炭化物を得、これを860℃にて水蒸気含有燃焼ガスで賦活して、平均粒径0.30mmの粒状活性炭を得た。この活性炭の半径18Å以下の累積細孔容積は0.53ml/gであった。
(比較例1)
石炭を造粒して炭化物を得、900℃にて水蒸気含有燃焼ガスで賦活した後に粉砕して、平均粒径0.28mmの粒状活性炭を得た。この活性炭の半径18Å以下の累積細孔容積は0.20ml/gであった。
(比較例2)
石炭を造粒して炭化物を得、880℃にて水蒸気含有燃焼ガスで賦活した後に粉砕して、平均粒径0.27mmの粒状活性炭を得た。この活性炭の累積細孔容積曲線a2を、細孔分布曲線b2と併せて図3に示す。この活性炭の半径18Å以下の累積細孔容積は0.33ml/gであった。
(実施例4)
図1に示すスピーカ装置を準備した。このスピーカ装置は、内容積0.5Lのキャビネット10に口径8cmのスピーカユニット11が取り付けられた密封系のスピーカ装置である。このスピーカユニットの共振周波数は、76Hzである。このスピーカ装置の空室Rにスピーカ装置用吸着材料12として、実施例1で得られた活性炭40gを通気性の織布に包装して載置した。
このスピーカユニットに、1Wの正弦波の電気入力を印加し、スピーカ装置から1mの距離の位置に測定用マイクロホンを置き、音圧の測定を行った。スピーカ装置のインピーダンスの測定も行った。対照として、活性炭を載置しないスピーカ装置についても同様に測定を行った。
図4の曲線21は本実施例のスピーカ装置の音圧特性を示す曲線(周波数応答曲線)であり、曲線22は、対照のスピーカ装置の周波数応答曲線である。縦軸は音圧(dB)を示し、グラフの左端にその値を表示する。曲線21は、曲線22に比較して、20〜100Hzの低周波数領域において高い音圧レベルを示し、低音が良好に再現されることがわかる。
図4の曲線23は、本実施例のスピーカ装置の、電気インピーダンス曲線であり、周波数の変化に伴う電気インピーダンスの変化を示す。同様に曲線24は、上記対照のスピーカ装置の電気インピーダンス曲線である。縦軸は、電気インピーダンス(Ω)を示しグラフの右端に値を表示する。100Hz〜200Hz付近のピークはスピーカの共振周波数(f)を表す。このピークが低周波数側へ移動するほど低音が良好に再現される。
使用したスピーカユニットの共振周波数(f)は76Hzであり、かつ図4に示されるように、このスピーカユニットをキャビネットに取り付けたとき(活性炭がない場合)の共振周波数fOBは146Hz、キャビネット内部に活性炭を配置したときの共振周波数をfocは122Hzである。従って、前出の式(4)から、このスピーカ装置の容積拡大率は1.71であることがわかる。
(実施例5〜6)
実施例2および3で得られた活性炭を用い、実施例4と同様の試験を行い、容積拡大率を算出した。実施例2および3で得られた活性炭の容積拡大率は、各々2.16および1.33であった。
(比較例3)
実施例4と同様の装置において、実施例1で得られた活性炭に代えて比較例2で得られた活性炭を使用したこと以外は、実施例4と同様に試験を行った。
図5の曲線31は本比較例のスピーカ装置の周波数応答曲線であり、曲線32は、対照のスピーカ装置の周波数応答曲線である。縦軸の単位は、上記実施例4と同様である。曲線31は、曲線32に比較して、20〜100Hzの低周波数領域において、わずかに高い音圧レベルを示すが実質的にほとんど同様であり、低周波数領域における音圧レベルはほとんど改善されていないことがわかる。
図5の曲線33は、本実施例のスピーカ装置の電気インピーダンス曲線、曲線34は、上記対照のスピーカ装置の電気インピーダンス曲線である。縦軸の単位は、上記実施例4と同様である。100Hz〜200Hz付近のピークはスピーカの共振周波数(f)を現す。実施例4と同様にスピーカ装置の容積拡大率を算出したところ、1.13であった。
(比較例4)
比較例1で得られた活性炭を用い、実施例4と同様の試験を行い、容積拡大率を算出した。その結果、容積拡大率は、0.97であった。
本発明のスピーカ装置用吸着材料を、スピーカ装置のキャビネット内に載置すると、スピーカの振動により生じるキャビネット内の気体の圧力変動が効果的に抑制される。その結果、大容量のキャビネットを用いたスピーカ装置と同等の音響効果が得られる。本発明のスピーカ装置用吸着材料は、密封方式およびバスレフ方式のスピーカ装置のいずれにも良好に利用され得、良好な低音再生効果を有するスピーカ装置が得られる。
本発明のスピーカ装置用吸着材料を用いたスピーカ装置の1例を示す模式断面図である。 本発明の実施例で得られた活性炭の細孔半径分布、ならびに細孔半径に対する累積細孔容積を示すグラフである。 本発明の比較例で得られた活性炭の細孔半径分布、ならびに細孔半径に対する累積細孔容積を示すグラフである。 本発明の実施例で製造されたスピーカ装置および対照のスピーカ装置の音圧特性を示す曲線、およびこれらの装置の電気インピーダンス特性を示すグラフである。 本発明の比較例で製造されたスピーカ装置および対照のスピーカ装置の音圧特性を示す曲線、およびこれらの装置の電気インピーダンス特性を示すグラフである。
符号の説明
1 スピーカ装置
10 キャビネット
11 スピーカユニット
12 スピーカ装置用吸着材料

Claims (4)

  1. 半径18Å以下の累積細孔容積が0.5ml/g以上の活性炭でなる、スピーカ装置用吸着材料。
  2. 前記活性炭の半径7Å以下の累積細孔容積が0.1ml/g以下である、請求項1に記載のスピーカ装置用吸着材料。
  3. キャビネットと、該キャビネットに取り付けられたスピーカユニットと、該キャビネット内部の空室に配置されたスピーカ装置用吸着材料とを有するスピーカ装置であって、
    該スピーカ装置用吸着材料は、半径18Å以下の累積細孔容積が0.5ml/g以上の活性炭でなる、スピーカ装置。
  4. 前記活性炭の半径7Å以下の累積細孔容積が0.1ml/g以下である、請求項3に記載のスピーカ装置。
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