JP2011171790A - スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の構成はいずれも、熱源周囲の空気の温度変化を生じさせ、音波を再生する構成となっているが、そのいずれも十分な音圧を再生するに至っていない。
【解決手段】これに対し、本発明は、活性炭1と信号源2とを備え、信号源2により活性炭1に温度変化を生じさせることで、活性炭の周囲の空気に熱変化を生じさせるだけでなく、活性炭が吸着している気体の吸着量が変化し、気体を吸脱着することで、能率の高いスピーカを実現できる。また、活性炭に電気を流す簡便な構造であるため、振動系やマグネットが存在しないシンプルな構成で音を再生することが可能である。
【選択図】図1
【解決手段】これに対し、本発明は、活性炭1と信号源2とを備え、信号源2により活性炭1に温度変化を生じさせることで、活性炭の周囲の空気に熱変化を生じさせるだけでなく、活性炭が吸着している気体の吸着量が変化し、気体を吸脱着することで、能率の高いスピーカを実現できる。また、活性炭に電気を流す簡便な構造であるため、振動系やマグネットが存在しないシンプルな構成で音を再生することが可能である。
【選択図】図1
Description
本発明は活性炭を利用したスピーカ装置に関するものである。
スピーカは電気エネルギーを機械振動に変換し、空気などの媒質を振動させることで音を再生する方式が主流である。スピーカ駆動方式には最も一般的でローレンツ力によって振動板を駆動する動電型の他に、静電力を使った静電型、圧電素子を用いた圧電型、磁気吸引力を用いた電磁型などさまざまな駆動方式が存在するが、そのいずれも、電気エネルギーを振動板の機械振動に変換し、音を発生させる点では共通している。
スピーカの振動板は一般的にエッジやダンパーと呼ばれる支持手段で振動可能に支持されている。よって、振動系の重量と支持手段のスティフネスにより特定の周波数で共振を有する。また高い周波数では振動板の剛性にしたがって、複数の共振モードが発生する。上記2つの要因による共振によって、音圧−周波数特性を平坦化にすることはきわめて困難である。
また、振動板を用いたスピーカは振動すると、振動板前面から発生する音の逆位相の音が振動板背面から発生する。この背面音がスピーカ前面に回りこみ、スピーカ前面から発生する音を打ち消してしまう。低周波数の音ほど、この回り込みの影響が大きい。このため、スピーカキャビネットを用いて振動板背面の音の前面回りこみを防止する例が多い。しかし、キャビネットを用いると問題になるのが、キャビネット内に閉じ込められた空気によるばね(スティフネス)の影響である。このスティフネスの機械インピーダンスZairは、数1で表され、振動板の動きを阻害する方向にはたらく「ばね」としてはたらく。ここで、ρは媒質の密度、ρは媒質中の音速、aは振動板の有効半径、Vはキャビネット容積、ωは角振動数である。
したがって、スピーカキャビネット容積が小さく、低周波数になるほど、振動板の動きを阻害する空気のインピーダンスが大きくなり、低音の再生が困難となる。このため、小型スピーカで低音の再生が困難となる課題があった。
そこで機械振動を用いずに音を発生させる装置として、発熱体により発熱体表面の空気層に温度変化を与え、熱膨張・収縮を用いて音を発生させるもの(例えば、特許文献1〜3)がある。図9は前記特許文献1において、101は基板、102は熱絶縁層、103は発熱体薄膜を示す。
発熱体薄膜103に信号電流を流すと、電気抵抗値に従ったジュール熱が発生し、薄膜前面の空気の熱膨張・収縮により音波が発生する。発熱体103を薄膜状に形成して表面積を大きくするとともに、発熱体103と基板101との間に熱絶縁層102を設けて発熱体103を基板101から熱的に絶縁することにより、発熱体表面の温度変化が大きくなるようにして、音の発生効率を向上させている。また、特許文献2では、放熱を向上させることで熱信頼性を向上させている。さらに特許文献3では発熱体の前面にヘルムホルツ共鳴器を設け、低音再生能力の向上を図っている。
また、特許文献4にはカーボンナノチューブを利用した熱音響装置が開示されている。特許文献4では、カーボンナノチューブの両端に電極を設け、音波発生器に接続されている。カーボンナノチューブ構造体を加熱させ、周囲の媒介を熱することで音波を発生させる。カーボンナノチューブの比表面積の大きさと熱容量の小ささより、従来よりも効率よく音波を発生させることを特徴としている。
しかしながら、前記従来の構成はいずれも、熱源周囲の空気の温度変化を生じさせ、音波を再生する構成となっているが、そのいずれも十分な音圧を再生するに至っていない。本発明は、前記従来の課題を解決するもので、気体を吸着する活性炭を用い、活性炭に生じた温度変化により、従来と同様周囲の空気に温度変化を生じさせるのに加え、活性炭の吸着量が温度により変化することにより、気体分子の吸脱着による音波を発生させることで、より効率の高いスピーカ装置を提供するものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスピーカ装置は常温常圧で空気に含まれる気体の分子を吸着する活性炭と、前記活性炭の温度を変化させる電気エネルギーを供給する信号源と、前記信号源からの電気エネルギーにより発熱を生じ、前記活性炭に温度変化を生じさせる発熱体からなり、前記活性炭の温度変化に応じて、周囲の気体の温度変化による体積変化が生じると同時に、かつ前記活性炭に吸着された気体の吸着平衡が移動し、気体の吸脱着による吸着量の変化により生じる気体の吸脱着により、音を発生させることを特徴とした、スピーカ装置である。本構成によって、従来の周囲気体の温度変化による音再生に加え、気体の吸脱着による音再生が生じるため、より効率のよい音再生を実現することができる。
前記活性炭は、比表面積1000m2/g以上を有する。
前記活性炭は、1気圧(760mmHg)、25℃下で活性炭1gあたり5cc以上の窒素吸着性能を有する。
前記活性炭に電極を介し、前記信号源からの電気エネルギーを供給することで、前記活性炭自体を発熱体として使用してもよい。前期電極と前記活性炭の間には導電性ペーストを配置し、電極と活性炭の間の電気抵抗を低減させた構成としてもよい。
前記発熱体が前記活性炭とは別に設けられた構成としてもよい。このとき、発熱体の例としては、ニクロム線やカーボン等を利用した抵抗体を用いる。発熱体と活性炭の間の熱接続には熱伝導率の高い材料、例えばシリコーンや金属フィラーを含む樹脂などを用いてもよい。
前記活性炭は繊維状活性炭であってもよく、その形態は、例えばクロス(布)状、フェルト状、ファイバー(糸)状、ペーパー(紙)状、綿状などである。
前記活性炭は粒状活性炭であってもよく、バインダ等により成型されていてもよい。粒状活性炭の粒径は最も効率の高い材料を用いることが望ましい。
前記電極を複数配置し、その間隔を狭くし、その間に前記活性炭を配置することで、低電圧でも高電界を印加することが可能となる。
前記スピーカ装置の能率は、前記活性炭が水蒸気を吸着していると低下する。このため、水蒸気を吸着しないよう、水蒸気を吸着しない温度で駆動する。活性炭の吸湿量は自重の20%を超えないことが望ましい。
本発明のスピーカ装置によれば、活性炭の吸着量の温度変化による気体の吸脱着により、より高能率な音再生を実現することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の構成図である。図1(a)において、1は繊維状活性炭、2は信号源、3は電極である。この活性炭1は常温で気体を吸着する特性を持つ。図2に25℃における窒素の吸着特性の例を示す。横軸が気圧、縦軸が吸着量を示す。サンプル1、2は粒状活性炭、サンプル3は繊維状活性炭であり、それぞれの細孔径、比表面積を表1に示す。
図1(a)は、本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の構成図である。図1(a)において、1は繊維状活性炭、2は信号源、3は電極である。この活性炭1は常温で気体を吸着する特性を持つ。図2に25℃における窒素の吸着特性の例を示す。横軸が気圧、縦軸が吸着量を示す。サンプル1、2は粒状活性炭、サンプル3は繊維状活性炭であり、それぞれの細孔径、比表面積を表1に示す。
それぞれ25℃1気圧(760mmHg)において窒素を吸着していることがわかる。なお、ここでは25℃での測定例を示したが、一般にスピーカが用いられる温度で気体の吸着能力を有する材料であれば特に25℃に限定するものではない。なお、活性炭とは、気体や色素の分子などに対して特に高い吸着能力を示す炭素質の粒状または粉状物質であり、ヤシ炭・褐炭・泥炭などを原料とするものである。通例として一般的に比表面積が1000m2/g以上あるものをいう。
空気を構成する主要素である酸素および窒素は、室温にて臨界気体であり、その吸着特性はDR(Dubinin-Radshkevich)式の変形より数2と表される。
ここで、WLは絶対飽和吸着量、Wは吸着量、Rは気体定数、Tは絶対温度、βは親和因子、E0は特性吸着エネルギー、Psqは擬飽和蒸気圧、Pは気圧である。この式より吸着量Wは絶対温度Tの関数で示され、温度変化により吸着量が変化する。絶対温度Tと吸着量Wの関係は、絶対温度Tが上昇すれば吸着量Wが低下、絶対温度Tが下がれば吸着量が増大する関係にある。よって、温度が上昇すれば気体が放出されるため、温度上昇による気体の体積膨張と相まって、再生音を大きくする方向にはたらく。反対に温度が下がると周囲の気体が吸着されるため、温度下降による気体の体積収縮と相まって再生音を大きくする方向にはたらく。
以上より、本願の活性炭の温度変化による吸着量の変化を用いたスピーカは高能率に駆動することが可能となる。
図1(b)に実際に繊維状活性炭に電圧を印加して音を発生させた、音圧測定例を示す。測定条件は、印加電圧5V、測定距離は25mmであり、電極間の活性炭の形状は、110mm×20mmであり、電極は110mmの両辺に、繊維状活性炭を2枚の電極で挟み込むように取り付けている。
図3に繊維状活性炭につけられた電極の断面図を示す。1は繊維状活性炭、3は電極、4は導電性ペーストもしくは導電性接着剤である。導電性ペースト3を用いることで、繊維状活性炭1と電極3の間の電気抵抗を低く抑え、活性炭以外の部分での発熱を抑え、電気エネルギーのロスを防止することができる。
繊維状活性炭の形状としては、周囲の空気への熱伝導率を高め、信号源への追従をよくするため、細い繊維を用いることが望ましい。繊維状活性炭は、ミクロ孔のみが表面に規則正しく形成されているため、吸着速度が速く、また音響抵抗も小さいことから、高周波数の音を再生しやすく、さらに活性炭材料による音響的な損失も最小限に抑えることができる。なお、繊維状活性炭は、フェルト状、クロス状、わた状など、活性炭を構成するものが繊維状活性炭であるものは全て含む。繊維状活性炭の原料例としては、フェノール樹脂繊維、アクリロニトリル、セルロースなどである。
一方、活性炭の酸素、窒素に対する吸着能力は、高湿度(たとえば湿度65%以上)下で細孔に水蒸気が吸着されることで低下することがある。そこで、信号源からの電気エネルギーにより、活性炭の温度を100℃以上、望ましくは110℃以上に上げる構成としてもよい。細孔中の水蒸気を脱着、除去することができ、吸脱着の効率低下を防止することができる。なお、活性炭を100℃以上もしくは110℃以上にするのは、スピーカ再生時の一時的なものでもよいし、常時でも構わない。さらに、湿度計を設けることで、湿度計の指示値に合わせた温度制御を行ってもよい。
なお、活性炭1の電気抵抗に流れる電流に起因するジュール熱によるものであるため、活性炭1にて再生される音の信号は、信号源2の信号の二乗となる。よって、信号源では再生したい音に直流バイアスを加え、平方根をとったものを信号源とするとよい。方法としては予め上記のような信号源を作成するソフトウェアを用いてもよいし、信号源に上記の変換機能を組み込んだものとしてもよい。さらに、再生環境の温度によって活性炭の冷却速度への影響を防止するため、再生環境温度との温度差を高くとれるよう信号源2に信号電流にさらに直流バイアスを加えた信号源としてもよい。
このように本発明によれば、活性炭の吸着量の温度変化による気体の吸脱着により、より高能率な音再生を実現することができる。また、活性炭に電気を流す簡便な構造であるため、振動系やマグネットが存在しないシンプルな構成で音を再生することが可能である。振動部が存在しないことから、振動部分における材料の特性変化、疲労破壊が起こらず、高い信頼性を実現することが可能となる。また、振動板を用いないことから、背面音が発生せず、キャビネットやバッフル板が不要である。このため小型化が可能である。また、マグネットを用いないことで、非磁性が要求されるMRIのような場所の使用にも適している。
さらに、常温で空気の吸着能力が高い、比表面積が1gあたり1000m2以上の材料を用いることで、効率のよいスピーカ装置を実現することができる。
さらに、中心細孔径が3nm以下の活性炭を用いることで、空気の主成分である窒素や酸素を効果的に吸着でき、効率のよいスピーカ装置を実現することができる。
また、信号源と活性炭の間に設けた電極と、活性炭の間に導電性ペーストを用いることで、接触抵抗による電気エネルギーのロスを防止することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の構成図である。1は活性炭、2は信号源、5は発熱体である。信号源2は発熱体5を駆動し、信号に応じた熱変化を活性炭1に生じさせる。活性炭1の温度変化に対する音の再生方法は実施の形態1と同様であるため、省略する。
図4は、本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の構成図である。1は活性炭、2は信号源、5は発熱体である。信号源2は発熱体5を駆動し、信号に応じた熱変化を活性炭1に生じさせる。活性炭1の温度変化に対する音の再生方法は実施の形態1と同様であるため、省略する。
発熱体5の例としては、ニクロム線などの高抵抗材料、ペルチェ素子などである。ペルチェ素子の場合は同一面に発熱側と冷却側を交互に並べ、交代に電流を流すことにより、効率的に冷却することが可能となる。このため動作温度を低くすることも可能である。
ここで、発熱体5と活性炭1の接触部には、熱伝導率が高い材料、たとえばシリコーングリスや、シリコーンシート、放熱ゲル、金属をフィラーとして加え熱伝導率が高い樹脂、接着剤等を使用するとよい。
活性炭1として用いる粒状活性炭は、細孔径分布は広く多少音響的損失を有するものの、繊維状活性炭に比べ安価である。種類も豊富であり、その原料としては、ヤシ殻、石炭、木炭、フェノール樹脂をはじめとする樹脂などである。さらに粒状活性炭の成型技術を用いれば、粒子による音響的な損失を低下させることが可能である。また、粒子の飛散等の防止も可能となる。
活性炭は相対湿度が高い時、水蒸気を吸着する。水蒸気を吸着すると、窒素、酸素を吸着量が減少し、スピーカ装置の音圧が低下する。そこで、スピーカ装置の駆動温度を高くすることで、活性炭の周囲の飽和水蒸気量が多くなり、相対湿度は低下する。水蒸気の吸湿を低減させることができる。具体的には活性炭の水分吸着量が活性炭重量の20%を超えないようにすることが望ましい。
なお、図4では活性炭1として粒状活性炭を描いているが、繊維状活性炭、フェルト状活性炭など他の形態の活性炭を用いてもよい。
このように本発明によれば、活性炭の温度変化を発熱体によって発生させることで、活性炭および活性炭間の電気インピーダンスにとらわれない設計が可能となる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3におけるスピーカ装置の構成図である。1は活性炭、2は信号源である。活性炭1は任意の形状に成型されている。
図5は、本発明の実施の形態3におけるスピーカ装置の構成図である。1は活性炭、2は信号源である。活性炭1は任意の形状に成型されている。
スピーカの動作は実施の形態1と同様であるので省略する。
活性炭1の成型のためのバインダには樹脂材料を用いることが多いが、活性炭1の細孔をできるだけふさがないことが望ましい。また、活性炭1の成型のバインダに電気伝導率や熱伝導率が高いペーストまたは接着剤等を用いても良い。また、バインダが細孔を塞がずに成型できるよう、最も適した粒径の活性炭を用いるとよい。
なお、活性炭1としては、粒状活性炭を用いてもよいし、繊維状活性炭を用いてもよい。
このように本発明によれば、活性炭1の形状を任意に決定することができるため、従来のスピーカの形にとらわれない自由な形のスピーカを形成することが可能となる。例えば、スピーカを配置するスペースが非常に限られている場合であっても、配置するスペースの形状に合わせて活性炭1の形状を形成することにより、従来配置できなかったスペースにおける、スピーカの配置を実現することが可能となる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4におけるスピーカ装置の構成図である。1は活性炭、2は信号源、3は複数の電極、6は絶縁体である。6の絶縁体の上に1の粒状活性炭を配置した。電極は交互に極を配置することで、電極間に高い電圧を印加する。
図6は、本発明の実施の形態4におけるスピーカ装置の構成図である。1は活性炭、2は信号源、3は複数の電極、6は絶縁体である。6の絶縁体の上に1の粒状活性炭を配置した。電極は交互に極を配置することで、電極間に高い電圧を印加する。
スピーカの動作は実施の形態1と同様であるため、省略する。
この構成により、本発明のスピーカ装置を大面積とする際、実施の形態1に記載のように活性炭の両端に電極を配置したときに比べ、低い電圧で高い音圧を得ることができる。
粒状活性炭どうしの接触抵抗を小さくするために、小粒径の粒状活性炭を用いてもよい。また、粒状活性炭どうしの接触抵抗を小さくするために、導電ペーストまたは、導電体の粒子を用いてもよい。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態4におけるスピーカ装置の構成図である。1は活性炭、2は信号源、3は複数の電極である。活性炭1は繊維状とし、電極3との間に電圧を印加する。スピーカの動作は実施の形態1と同様であるため、省略する。
図7は、本発明の実施の形態4におけるスピーカ装置の構成図である。1は活性炭、2は信号源、3は複数の電極である。活性炭1は繊維状とし、電極3との間に電圧を印加する。スピーカの動作は実施の形態1と同様であるため、省略する。
スピーカの動作は実施の形態1と同様であるため、省略する。
この構成により、本発明のスピーカ装置を大面積とする際、実施の形態1に記載のように活性炭の両端に電極を配置したときに比べ、低い電圧で高い音圧を得ることができる。
(実施の形態6)
図8は、本発明のスピーカ装置をテレビに用いた際の例を示している。テレビに用いる際には、スピーカ装置を使用していない間に、活性炭の水分吸着量が増加する可能性が高いため、活性炭の水分吸着量を増加させない構成が必要となる。例えば、活性炭を密閉空間に配置する構成や、実施の形態1で示したように、瞬時に活性炭の温度を上昇させ水分吸着量を減らす構成を設けることが考えられる。
図8は、本発明のスピーカ装置をテレビに用いた際の例を示している。テレビに用いる際には、スピーカ装置を使用していない間に、活性炭の水分吸着量が増加する可能性が高いため、活性炭の水分吸着量を増加させない構成が必要となる。例えば、活性炭を密閉空間に配置する構成や、実施の形態1で示したように、瞬時に活性炭の温度を上昇させ水分吸着量を減らす構成を設けることが考えられる。
本発明のスピーカ装置をテレビ以外の製品、例えば、ラックシアター用スピーカ、携帯電話、自動車などに応用展開することも可能である。
この構成により、活性炭の水分吸着量が増加する可能性が高い環境であっても、高能率な音再生を実現することが可能となる。
本発明にかかるスピーカ装置は、活性炭と信号源を有し、振動部を有さず音を再生可能なスピーカ等として有用である。応用先としては、ホームAV、モバイル、車などに応用展開できる。
1 活性炭
2 信号源
3 電極
4 導電性ペーストまたは導電性接着剤
5 発熱体
6 絶縁体
2 信号源
3 電極
4 導電性ペーストまたは導電性接着剤
5 発熱体
6 絶縁体
Claims (11)
- 常温常圧で空気に含まれる気体の分子を吸着する活性炭と、
前記活性炭の温度を変化させる電気エネルギーを供給する信号源と、
前記電気エネルギーから前記活性炭の温度変化を生じさせる発熱体からなり、
前記活性炭の温度変化に応じて、周囲の気体の温度変化による体積変化を生じさせるとともに、かつ前記活性炭に吸着された気体の吸着平衡が前記活性炭温度変化によって移動し、よって生じる気体の吸脱着により、
音を再生することを特徴とした、スピーカ装置。 - 前記活性炭の中心細孔径が3nm以下であり、比表面積が1gあたり1000m2以上であることを特徴とした、
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記活性炭は25℃、1気圧下における窒素の吸着量が1gあたり5cc以上であることを特徴とした、
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記活性炭に電極が固着され、
前記信号源は前記電極に接続され、
前記活性炭に直接電流を流すことで、前記活性炭自体が前記発熱体となり、
前記活性炭の温度変化を発生させることを特徴とした、
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記電極と前記活性炭の間の接続に
導電性接着剤あるいは導電性ペーストを使用したことを特徴とする、
請求項4に記載のスピーカ装置。 - 前記活性炭に前記発熱体が固着され、
前記信号源は前記発熱体に接続され、
前記発熱体に電流を流すことで、
前記活性炭に温度変化を生じさせることを特徴とする、
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記活性炭が、
繊維状活性炭からなることを特徴とする、
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記活性炭が、
粒状活性炭からなることを特徴とする、
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記粒状活性炭が、
導電性を有するバインダにより、
任意の形状に成型されていることを特徴とする、
請求項8に記載のスピーカ装置。 - 前記粒状活性炭が
複数の電極の間に配置されたことを特徴とする、
請求項8に記載のスピーカ装置。 - 前記活性炭の水蒸気吸着量が自重の20%を超えない温度以上で駆動されることを特徴とした、請求項1に記載のスピーカ装置。
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2010
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