JP2009026939A - 空芯コイルの巻線方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つに分岐した面をもつ空芯コイルを簡易かつ安価に、さらに高品質に製作することができるようにする。
【解決手段】巻枠31の、空芯コイルを2つに分岐させる面にスペーサ35を配置する工程と、そのスペーサ35を配置した巻枠31にスペーサ35の上から巻線を行う工程と、巻線終了後、巻枠31のスペーサ配置面以外の面に位置する巻線を押さえ治具36で押さえる工程と、スペーサ35を巻枠31から取り外す工程と、スペーサ35を取り外した面の巻線を2つに分岐する工程とよりなる。
【選択図】図1
【解決手段】巻枠31の、空芯コイルを2つに分岐させる面にスペーサ35を配置する工程と、そのスペーサ35を配置した巻枠31にスペーサ35の上から巻線を行う工程と、巻線終了後、巻枠31のスペーサ配置面以外の面に位置する巻線を押さえ治具36で押さえる工程と、スペーサ35を巻枠31から取り外す工程と、スペーサ35を取り外した面の巻線を2つに分岐する工程とよりなる。
【選択図】図1
Description
この発明は空芯コイルの巻線方法に関し、特に2つに分岐した面をもつ空芯コイルの巻線方法に関する。
図2Aは空芯コイルの外形形状の一例を模式的に示したものであり、通常の空芯コイル11は図2Aに示したように外形を構成する全ての面がそれぞれ連続した一面によって構成されている。これに対し、図2Bは2つに分岐した面をもつ空芯コイルの外形形状の一例を模式的に示したものであり、この例では空芯コイル12は巻線材が方形枠状をなすように巻回され、その方形枠の互いに対向する一対の辺(面)に位置する巻線がその辺の中間において空間13を挟んで2つに分岐された構成となっている。
このように2つに分岐された面をもつ空芯コイルは例えば揺動式ボイスコイルモータにおいて使用される。揺動式ボイスコイルモータは永久磁石と、それと対向するヨークとの間に構成される断面円弧状の磁気空隙内に、回転シャフトに取り付けられた空芯コイルが位置され、永久磁石によって作られる磁束と空芯コイルとの相互作用によって力を発生し、これにより空芯コイルと共に回転シャフトがその軸回りに一定の角度で左右に回転するように構成されているもので、回転シャフトに例えばアームを取り付ければそのアームを揺動運動させることができる。
図3Aはこのような揺動式ボイスコイルモータにおいて、図2Bに示した空芯コイル12と同様、2つに分岐された面をもつ空芯コイル21が回転シャフト22に取り付けられた状態を示したものであり、図3Bはその空芯コイル21を示したものである。
空芯コイル21は図3Bに示したように互いに対向する面がそれぞれ2つに分岐されているため、この分岐部分(分岐によって形成された開口部分)に回転シャフト22を通すことができ、つまり空芯コイル21の中心に1本の回転シャフト22を貫通させることができ、よってこのように2つに分岐した面をもつ空芯コイル21を揺動式ボイスコイルモータに使用すれば、空芯コイル21と回転シャフト22との同心度を高めることができ、また回転シャフト22の十分な剛性を確保することが容易となる。
図4は上記のような2つに分岐した面をもつ空芯コイルの従来の巻線方法を示したものであり、図4中、31は巻線材が巻回される巻枠を示し、32はその巻枠31の両端にそれぞれフランジ状をなすように取り付けられた側板を示す。この例ではこれら巻枠31と側板32とよりなる巻線治具に加え、シャフト治具33を用いる。
巻線作業は巻枠31の、空芯コイルを2つに分岐させる面に図4Aに示したようにシャフト治具33を取り付け、このシャフト治具33によって巻線材41を分岐させながら巻きつけることによって行われ、巻線終了後、図4Bに示したようにシャフト治具33を取り外すことによって分岐部分を作製していた。なお、図4Aでは隠れて見えないが、シャフト治具33は巻枠31の下面側にも取り付けられている。
しかるに、上述した巻線方法では巻線材41が巻線時のテンション(引っ張り力)により直線になろうとするため、図5中、a部で示したように整列性を保つべき位置から巻線材41がずれてしまい、整列性を確保するのが極めて困難になるという問題がある。
この問題を解決するための一方法として、巻枠31に粘着材を付着させ、その粘着材に巻線材41を貼り付けながら巻線を行うといった方法が従来提案されている。
また、他の方法として例えば特許文献1に記載されているように、巻枠31に巻線材41の外形に応じた溝を設けるといったことも考えられる。
図6は巻枠31に複数の溝34が形成され、その巻枠31に巻線材41が巻き進められていく様子を示したものであり、このような溝34を設けることによって巻線材41のずれを防止することができ、整列性を確保することができる。
特開平9−223639号公報
しかるに、上述したような巻枠31の表面に溝34を形成する方法では、溝加工のための加工費がかかり、その分巻線治具が高価なものとなる。また、例えば巻線材41の線径が細い場合には溝34と溝34の間の山の部分の先端が先鋭となって巻線材41を傷つける要因となるため、これを回避するために先鋭としない高精度の加工を行う必要があり、さらに加工費がかかるものとなってしまう。
一方、粘着材を使用する方法では、使用する度に粘着材の粘着力が低下するため、常に同じ条件で巻線作業を行うためには巻線治具を使用する毎にメンテナンスを行うことが必要となり、作業の煩雑化は免れえない。
なお、空芯コイルは最終的に巻線治具から取り外されるが、この際、溝34があることによって、また粘着材があることによって、取り外し方法が難しくなるという欠点もある。
この発明の目的はこのような状況に鑑み、2つに分岐された面をもつ空芯コイルの巻線において、従来より簡易かつ安価に、さらに高品質に巻線を行うことを可能とする巻線方法を提供することにある。
この発明によれば、2つに分岐した面をもつ空芯コイルの巻線は、巻枠の、空芯コイルを2つに分岐させる面にスペーサを配置する工程と、そのスペーサを配置した巻枠にスペーサの上から巻線を行う工程と、巻線終了後、巻枠のスペーサ配置面以外の面に位置する巻線を押さえ治具で押さえる工程と、スペーサを巻枠から取り外す工程と、そのスペーサを取り外した面の巻線を2つに分岐する工程とを有する。
この発明による巻線方法によれば、分岐させることなく巻線を行い、巻線終了後に分岐させるものであるため、整列性を容易に確保することができ、また従来のように巻枠に粘着剤を付着させたり、巻枠に溝を設けたりする必要はないため、簡易かつ安価に、さらに高品質に2つに分岐した面をもつ空芯コイルを製作することができる。
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
図1は2つに分岐した面をもつ空芯コイルのこの発明による巻線方法の一実施例を工程順に示したものであり、図4と対応する部分には同一符号を付してある。この例では巻枠31と側板32とよりなる巻線治具に加え、スペーサ35と押さえ治具36とを用いる。以下、各工程(1)〜(5)について説明する。
(1)巻枠31の、空芯コイルを2つに分岐させる面にスペーサ35を配置する。スペーサ35はこの例では半円柱状をなすものとされ、コイル巻幅方向の全長に渡るように巻枠31の上面31aの中央に配置され、図では隠れて見えないが巻枠31の下面31bにも同様に配置される。
(2)スペーサ35を配置した巻枠31にスペーサ35の上から巻線を行う。巻線は図に示したように整列巻きとされ、全ての面がそれぞれ連続した一面によって構成されるように巻線材41を巻きつける。
(3)巻線が終了したら、巻枠31のスペーサ35配置面以外の面に位置する巻線を押さえ治具36で押さえ、整列性が乱れないようにする。この例では押さえ治具36は巻枠31の両側面に配置される。
(4)スペーサ35を巻枠31から取り外す。スペーサ35を取り外した部分には図に示したように空間37ができ、つまりこの部分において巻線材41は余裕を持って巻かれている状態となる。
(5)この巻線材41の余裕部分を矢印で示したように左右に広げ、分岐させる。これにより、2つに分岐した面をもつ空芯コイルの巻線作業が完了する。なお、巻枠31の両側面に位置している巻線は押さえ治具36によって押さえられているため、巻線材41の余裕部分を左右に広げる際に、その力によって整列性が乱されることはない。
巻線作業完了後、巻線の固着が行われ、空芯コイルが完成する。巻線の固着は例えば巻線材41として、その表面に薄く融着剤(接着剤)が塗布された巻線材を使用し、巻線作業完了後、加熱して融着剤を溶かし、固着することによって行われる。固着後、空芯コイルは巻線治具から取り外される。
上述した巻線方法によれば、分岐させるための余裕分をもたせて巻線を行い、巻線終了後に余裕分を広げて分岐させるものであるため、巻線時には分岐した面を有さない通常の空芯コイルと同様に巻線を行うことができ、よって巻き易く、整列性も容易に確保することができる。なお、従来のように整列性の確保のために、巻枠に粘着材を付着させたり、あるいは巻枠に溝を設けたりする必要はないため、その点で簡易かつ安価に、さらに高品質に2つに分岐した面をもつ空芯コイルを製作することができる。
Claims (1)
- 2つに分岐した面をもつ空芯コイルの巻線方法であって、
巻枠の、空芯コイルを2つに分岐させる面にスペーサを配置する工程と、
そのスペーサを配置した巻枠にスペーサの上から巻線を行う工程と、
巻線終了後、前記巻枠の前記スペーサ配置面以外の面に位置する巻線を押さえ治具で押さえる工程と、
前記スペーサを前記巻枠から取り外す工程と、
そのスペーサを取り外した面の巻線を2つに分岐する工程とを有することを特徴とする空芯コイルの巻線方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007188273A JP2009026939A (ja) | 2007-07-19 | 2007-07-19 | 空芯コイルの巻線方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007188273A JP2009026939A (ja) | 2007-07-19 | 2007-07-19 | 空芯コイルの巻線方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009026939A true JP2009026939A (ja) | 2009-02-05 |
Family
ID=40398481
Family Applications (1)
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JP2007188273A Pending JP2009026939A (ja) | 2007-07-19 | 2007-07-19 | 空芯コイルの巻線方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009026939A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109524235A (zh) * | 2018-12-08 | 2019-03-26 | 南京恒电电子有限公司 | 一种实现金丝/漆包线小电感绕制的工装及绕制方法 |
CN117253718A (zh) * | 2023-10-27 | 2023-12-19 | 深圳市星特科技有限公司 | 全自动vcm绕线贴膜一体机绕线工艺 |
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2007
- 2007-07-19 JP JP2007188273A patent/JP2009026939A/ja active Pending
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