JP2009024187A - 塑性加工部材の製造方法 - Google Patents

塑性加工部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009024187A
JP2009024187A JP2007185363A JP2007185363A JP2009024187A JP 2009024187 A JP2009024187 A JP 2009024187A JP 2007185363 A JP2007185363 A JP 2007185363A JP 2007185363 A JP2007185363 A JP 2007185363A JP 2009024187 A JP2009024187 A JP 2009024187A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
alloy material
plastic working
rolling
continuous casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007185363A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Kimura
貴広 木村
Nobuyuki Oda
信行 小田
Yukihiro Sugimoto
幸弘 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2007185363A priority Critical patent/JP2009024187A/ja
Publication of JP2009024187A publication Critical patent/JP2009024187A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Forging (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】連続鋳造圧延法で製造したアルミニウム合金材にプレス加工や鍛造加工等の塑性加工を施したときの表面の割れや皺の発生を抑制する。
【解決手段】アルミニウム合金材を用いて塑性加工部材10を製造する方法は、クロム無添加のアルミニウム合金材を連続鋳造圧延する連続鋳造圧延工程と、この連続鋳造圧延工程を経たアルミニウム合金材を再結晶温度以上に溶体化処理する溶体化処理工程と、この溶体化処理工程を経たアルミニウム合金材に塑性加工を施す塑性加工工程と、この塑性加工工程を経たアルミニウム合金材に時効処理を施す時効処理工程とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、塑性加工部材の製造方法、特に、アルミニウム合金材を用いて塑性加工部材を製造する方法に関する。
従来、アルミニウムの板材の製造方法として、DC(Direct Chill)法がよく知られている。これは、図17に示すように、アルミニウムの原料を溶解することから始まり、スラブ鋳造、均質化処理、面削、加熱、熱間圧延、冷間圧延の各工程を経て、アルミニウムの板材を得るものである。一方、アルミニウムの原料を溶解した溶湯から直接アルミニウムの板材を製造する連続鋳造圧延法(CC法:Continuous Casting 法)も周知である。
CC法の代表的なものの1つに、双ロール水平式連続鋳造圧延法がある。これは、図18に示すように、アルミニウムの溶湯をセラミックス製ノズルで上下一対のローラ間に注湯し、アルミニウムの板材を圧延方向に押し出すもので、比較的薄い板材を製造できるという特徴がある。CC法には、他にも、板材を連続鋳造圧延するベルト式や連結ブロック式、あるいは棒状のビレットを連続鋳造圧延する輪・ベルト式等があり、これらのCC法は、一般に、DC法と比較すると、工程が少なく、コストの低減、投入エネルギの削減、急冷凝固による材料特性の向上といった種々の利点を有している。ただし、CC法では、方式や製造品の形状を問わず、得られた製造品は圧下荷重を受けながら鋳造されているので、その表面には加工歪が加わっている。
なお、特許文献1には、クロム非添加の低炭素低合金鋼の軽圧下連続鋳造スラブを調製し、熱間圧延し、Ar変態点以下の温度で圧下し、650℃以上で熱間圧延を終了する技術が開示されている。
特開平8−73934号公報(段落0013)
ところで、DC法においては、例えばJIS6061規格のアルミニウム合金が広く用いられている。この規格のアルミニウム合金は、Alの他に、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Tiを含んでいるものである。そこで、CC法においても、類似の規格のアルミニウム合金を用いて板材やビレットを製造することが多く行われている。ところが、得られたアルミニウム板材あるいはアルミニウムビレットを面削せずに製造されたままの状態でプレス加工や鍛造加工等の塑性加工を施すと、曲げ部や角部に著しい割れや皺が発生することが見出された。そして、この原因の1つとして、前記規格のアルミニウム合金を原料としてCC法で板材やビレットを製造すると、その最表面の再結晶粒が著しく粗大化していることが判った。
一般に、アルミニウム合金にクロム(Cr)が含まれていると、クロムの化合物が形成され、ピンニングにより再結晶粒の粗大化が防止されること、つまりアルミニウム合金中のクロムには結晶粒を微細化する機能があることが知られている。ところが、JIS6061規格のようにクロムを含有するアルミニウム合金を原料としているのに、CC法で板材やビレットを製造すると、逆に、表面結晶粒の粗大化が起こっているのである。このことから、前記不具合は、CC法を用いてアルミニウム合金材を製造する場合に特有の問題であると考えられる。
本発明者等は、連続鋳造圧延法で製造したアルミニウム合金材にプレス加工や鍛造加工等の塑性加工を施したときの表面の割れや皺の発生を抑制することを課題として鋭意研究検討を重ねたところ、CC法では、得られたアルミニウム合金材が圧下荷重を受けながら鋳造されている点に着目し、得られた塑性加工部材の表面の加工度合いが中心部の加工度合いに比べて高いことを見出して、本発明を完成するに至ったものである。
前記課題を解決するため、本発明では、次のような手段を用いる。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、アルミニウム合金材を用いて塑性加工部材を製造する方法であって、クロム無添加のアルミニウム合金材を連続鋳造圧延する連続鋳造圧延工程と、この連続鋳造圧延工程を経た前記アルミニウム合金材を再結晶温度以上に加熱処理する加熱処理工程と、この加熱処理工程を経た前記アルミニウム合金材に塑性加工を施す塑性加工工程とを備えていることを特徴とする。
次に、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の塑性加工部材の製造方法であって、前記加熱処理工程における加熱処理は、溶体化処理であり、前記塑性加工工程を経た前記アルミニウム合金材に時効処理を施す時効処理工程を備えていることを特徴とする。
次に、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の塑性加工部材の製造方法であって、前記連続鋳造圧延工程では、前記アルミニウム合金材を板状に連続鋳造圧延し、前記塑性加工工程では、前記アルミニウム合金材にプレス加工を施すことを特徴とする。
次に、本願の請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の塑性加工部材の製造方法であって、前記塑性加工工程では、折曲ラインが前記連続鋳造圧延時のアルミニウム合金材の圧延方向にほぼ沿った方向となるように、前記アルミニウム合金材にプレス加工を施すことを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、アルミニウム合金材を用いて塑性加工部材を製造する方法において、従来汎用されているJIS6061規格のアルミニウム合金のようにクロムを含有するアルミニウム合金ではなく、クロムを含有しないアルミニウム合金を原料としてアルミニウム合金材を連続鋳造圧延するので、アルミニウム合金材の加工度と溶体化処理後の再結晶粒径との相関関係が変化し、たとえCC法で圧下荷重を受けながらアルミニウム合金材を鋳造しても、該アルミニウム合金材の最表面における再結晶粒径が小さくなって、その後の工程でプレス加工や鍛造加工等の塑性加工を施しても、曲げ部や角部に割れや皺が発生するのを抑制できるようになる。また、塑性加工を施す前に、連続鋳造圧延工程を経たアルミニウム合金材に、再結晶温度以上の加熱処理を施すから、CC法での鋳造中に受けた表面加工によって変形した結晶が細粒に分割結晶し、結晶粒が内部歪を持たない安定したものとなって、アルミニウム合金材から表面加工歪が除去されることとなる。
次に、請求項2に記載の発明によれば、連続鋳造圧延工程を経たアルミニウム合金材に塑性加工を施す前に、加熱処理として、溶体化処理を行うから、換言すれば、溶体化処理を行った後に、塑性加工を施すから、一般に、溶体化処理時に冷却速度の不均一に起因して発生する熱処理変形の問題がその後の塑性加工によって低減されることとなる。
一方、連続鋳造圧延工程を経たアルミニウム合金材に塑性加工を施した後に、時効処理を行うから、塑性加工前に行った溶体化処理によって強制的に合金材中に溶け込まされて過飽和な状態となっている合金元素が本来の安定な状態に戻ることとなる。この結果、合金元素は所々において析出し、この析出により転位が滑りを起こし難くなって、塑性加工された製品である塑性加工部材の物性、特に硬度が向上することとなる。
次に、請求項3に記載の発明によれば、連続鋳造圧延工程では、アルミニウム合金材を板状に連続鋳造圧延し、塑性加工工程では、アルミニウム合金材にプレス加工を施すから、塑性加工が板金プレス加工である場合において、曲げ部に割れや皺が発生するのを抑制できるようになる。
次に、請求項4に記載の発明によれば、塑性加工工程では、折曲ラインが連続鋳造圧延時のアルミニウム合金材の圧延方向にほぼ沿った方向となるようにアルミニウム合金材にプレス加工を施すから、板金プレス加工において割れや皺が発生し難い状況下で、より一層確実に曲げ部に割れや皺が発生するのを抑制できるようになる。以下、発明の最良の実施形態及び実施例を通して、本発明をさらに詳しく説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る塑性加工部材10である車体部品の側面図、図1(b)は、背面図である。この車体部品10は、自動車の車体下部の剛性を高めるため、フロア下に車体前後方向に延びて取り付けられるものである。車体部品10の上下の縁部は、互いに反対向きに水平方向に略直角に折り曲げられている。
この車体部品10は、図2に示す各工程を経て製造される。まず、アルミニウムの板材を連続鋳造圧延する。この連続鋳造圧延工程では、例えば、双ロール水平式連続鋳造圧延法により、20tのアルミニウム合金を溶解して、7mmの板厚のアルミニウム板材を製造する。
本発明で用いるアルミ合金はクロムを含有しないものである。図3に本発明で好ましく採用可能なクロム無添加のアルミニウム合金の組成を示す。組成は、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Zn、Tiを合金元素とし、基本元素のアルミニウムに対して図示した量が含有されている。比較のため、JIS6061規格のアルミニウム合金の組成を併せて図示した。JIS6061規格品にはCrが0.04〜0.35重量%含有されている。その他の合金元素の種類及び含有量は同じである。
次いで、この連続鋳造圧延工程を経たアルミニウム合金材を再結晶温度以上に加熱処理する加熱処理として、溶体化処理を行う。溶体化処理条件は、図4に示すように、515℃〜550℃で1時間以上であるが、好ましくは530℃で2時間である。その後、80℃の温水に焼入れする。
次いで、この加熱処理工程を経たアルミニウム合金材に対して、塑性加工として、プレス成形を施す。まず、図5に示すように、アルミニウム合金材であるアルミニウム板材から車体部品10のブランクを打ち抜く。詳しくは、車体部品10の長手方向がアルミニウム板材の圧延方向に沿うようにブランキングする。ここで、車体部品10の上下縁部の折曲ラインが板材の圧延方向にほぼ沿うように延びることとなる。一般に、ブランクを板材の圧延方向に沿う方向に折り曲げると、その曲げ部には割れや皺が発生し難くなる。そして、このように得られたブランクをプレス機にかけて、プレス加工を3工程行い、ピアス加工をする。
次いで、この塑性加工工程を経たアルミニウム合金材に対して人工時効処理を施す。処理条件は、図6に示すように、155℃〜180℃で8時間〜18時間程度であるが、好ましくは165℃で18時間程度である。
図2に示した各条件で、連続鋳造圧延工程、溶体化処理(加熱処理)工程、プレス成形(塑性加工)工程、及び時効処理工程を経て製造したアルミニウム合金製の塑性加工部材(車体部品)10の表面状態を観察すると、図3に示すクロム無添加のアルミニウム合金(本発明採用品)を原料とした場合は、図7に示すように、曲げ部において割れや皺の少ない良好な状態であった。JIS B 0651に準じて触針式表面粗さ測定器により求めた表面粗さの最大値(Rmax)は42.3であった。一方、クロムが含有されているJIS6061規格品を原料として同条件で同仕様の車体部品10を製造すると、図8に示すように、曲げ部において著しい割れや皺が発生していた。表面粗さの最大値(Rmax)は113.3であった。
クロムを含有するアルミ合金材と、クロムを含有しないアルミ合金材とで、このような差が出るのは、およそ次のような理由によるものと考えられる。すなわち、一般に、ある焼きなまし温度で、アルミニウムの圧延による加工度と溶体化処理後の再結晶粒径との関係は、図9に示すように、ある加工度において再結晶粒径が最大ピーク(粗大化)を示すようになる(例えば「アルミニウム材料の基礎と工業技術」135ページ参照)。その場合に、クロムが添加されると、粒界移動の活性化エネルギーが増大し、前記ピークがクロム無添加のときよりも高加工度側にシフトする。そして、連続鋳造圧延工程中の圧下荷重によりアルミニウム板材の表面が受けた加工度の範囲が、この高加工度側にシフトしたピークの周辺範囲に該当する加工度に入り、その結果、本来であれば結晶粒の微細化機能を有しているクロムを含むアルミ合金材のほうで、アルミニウム合金材表面の再結晶粒が粗大化し、塑性加工性が低下したものと考察される。したがって、JIS6061規格品からクロムを除去したアルミニウム合金を用いて、連続鋳造圧延法でアルミニウム合金材を製造することにより、前記ピークが連続鋳造圧延工程中の圧下荷重による加工度の範囲からずれて、アルミニウム合金材表面の再結晶粒が微細化し、割れや皺の少ない良好な塑性加工性が得られたものである。
なお、以上は、アルミニウム合金材が板材で、塑性加工がプレス成形の場合であったが、本発明は、アルミニウム合金材が棒状のビレットで、塑性加工が鍛造成形(完成品は例えばボルト等)の場合にも好ましく適用可能である。その場合は、双ロール式やベルト式あるいは連結ブロック式ではなく、溝付鋳造輪とベルトとの組合せでなるモールドを用いる輪・ベルト式の連続鋳造圧延法でアルミニウムのビレットを製造する。
このように、本実施形態では、アルミニウム合金材を用いて塑性加工部材を製造する方法において、従来汎用されているJIS6061規格のアルミニウム合金のようにクロムを含有するアルミニウム合金ではなく、クロムを含有しないアルミニウム合金(図3参照)を原料としてアルミニウム合金材を連続鋳造圧延するので(図2参照)、アルミニウム合金材の加工度と溶体化処理後の再結晶粒径との相関関係が変化し(図9参照)、たとえCC法で圧下荷重を受けながらアルミニウム合金材を鋳造しても、該アルミニウム合金材の最表面における再結晶粒径が小さくなって、その後の工程でプレス加工や鍛造加工等の塑性加工を施しても(図2参照)、曲げ部や角部に割れや皺が発生するのを抑制できるようになる(図7参照)。また、塑性加工を施す前に、連続鋳造圧延工程を経たアルミニウム合金材を再結晶温度以上に加熱処理するから(図4参照)、CC法での鋳造中に受けた表面加工によって変形した結晶が細粒に分割結晶し、結晶粒が内部歪を持たない安定したものとなって、アルミニウム合金材から表面加工歪が除去されることとなる。
また、連続鋳造圧延工程を経たアルミニウム合金材に塑性加工を施す前に、加熱処理として、溶体化処理を行うから、換言すれば、溶体化処理を行った後に、塑性加工を施すから(図2参照)、一般に、溶体化処理時に冷却速度の不均一に起因して発生する熱処理変形の問題がその後の塑性加工によって低減されることとなる。
一方、連続鋳造圧延工程を経たアルミニウム合金材に塑性加工を施した後に、時効処理を行うから(図2参照)、塑性加工前に行った溶体化処理によって強制的に合金材中に溶け込まされて過飽和な状態となっている合金元素が本来の安定な状態に戻ることとなる。この結果、合金元素は所々において析出し、この析出により転位が滑りを起こし難くなって、塑性加工された製品である塑性加工部材の物性、特に硬度が向上することとなる。
また、連続鋳造圧延工程では、アルミニウム合金材を板状に連続鋳造圧延し、塑性加工工程では、アルミニウム合金材にプレス加工を施すから(図2参照)、塑性加工が板金プレス加工である場合において、曲げ部に割れや皺が発生するのを抑制できるようになる。
そして、塑性加工工程では、折曲ラインが連続鋳造圧延時のアルミニウム合金材の圧延方向にほぼ沿った方向となるようにアルミニウム合金材にプレス加工を施すから(図5参照)、板金プレス加工において割れや皺が発生し難い状況下で、より一層確実に曲げ部に割れや皺が発生するのを抑制できるようになる。
なお、その他にも、アルミニウム合金材をクロム無添加とすることによって、リサイクルが容易となり、リサイクルコストの削減が図られる。また、図9から明らかなように、クロム無添加の場合、合金材の表面の結晶粒(加工度大側)が細かく、合金材の中心部の結晶粒(加工度小側)がピークに近くなって粗くなるため、合金材の耐力が低くなって、成形し易くなる(製品強度は同等である)。また、得られたアルミニウム合金材を面削せずに製造されたままの状態でプレス加工や鍛造加工等の塑性加工を施すことができるから、製造コスト削減及び製造エネルギーの低減に寄与する、という利点もある。
図3に示したクロム無添加のアルミニウム合金(本発明採用品)を用いて、双ロール水平式連続鋳造圧延法で、板厚が7mmのアルミニウム板材を製造し、図2に示した条件で溶体化処理を行った。得られたアルミニウム板材の中心部及び表面の結晶構造を顕微鏡で観察した。また、得られたアルミニウム板材をU字状に折り曲げ、その曲げ部の表面状態を目視で観察した(簡易曲げ試験)。結果を、図10(実施例1)、図11(実施例2)、及び図12(実施例3)に示す。なお、実施例1は、加工度が小のもの(圧延率0%)、実施例2は、加工度が中のもの(圧延率14%)、及び実施例3は、加工度が大のもの(圧延率28%)である。加工度が大きい側で表面の結晶粒が微細化し、曲げ部の割れや皺の発生が少なく、曲げ試験の結果が良好であることが判る。
比較のため、図3に示したクロム添加のアルミニウム合金(JIS6061規格品)を用いて、前記実施例と同条件でアルミニウム板材を製造し、その結晶構造の観察及び曲げ試験を行った。結果を、図13(比較例1)、図14(比較例2)、図15(比較例3)、図16(比較例4)に示す。なお、比較例1〜3は、それぞれ実施例1〜3に対応する。比較例4は、加工度が特大のもの(圧延率42%)である。実施例に比べて、総じて、表面の結晶粒が粗大化し、曲げ部の割れや皺の発生が多く、曲げ試験の結果が低調であることが判る。
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明は、連続鋳造圧延法で製造したアルミニウム合金材にプレス加工や鍛造加工等の塑性加工を施したときの表面の割れや皺の発生を抑制することが可能な技術であるから、塑性加工部材の製造、特に、アルミニウム合金材を用いて塑性加工部材を製造する技術分野において広範な産業上の利用可能性が期待される。
本発明の最良の実施形態における塑性加工部材を示す、(a)側面図、(b)背面図である。 前記塑性加工部材の製造方法を示す工程図である。 前記実施形態におけるアルミニウム合金の組成を示す表である。 前記実施形態における溶体化処理条件を示すタイムチャートである。 前記実施形態におけるプレス成形の説明図である。 前記実施形態における時効処理条件を示すタイムチャートである。 前記実施形態で製造される塑性加工部材の表面状態を示す図面代用写真である。 参考品の表面状態を示す図面代用写真である。 本発明の原理を説明するための加工度と再結晶粒径との相関図である。 実施例1の結晶構造及び曲げ試験結果を示す図面代用写真である。 実施例2の結晶構造及び曲げ試験結果を示す図面代用写真である。 実施例3の結晶構造及び曲げ試験結果を示す図面代用写真である。 比較例1の結晶構造及び曲げ試験結果を示す図面代用写真である。 比較例2の結晶構造及び曲げ試験結果を示す図面代用写真である。 比較例3の結晶構造及び曲げ試験結果を示す図面代用写真である。 比較例4の結晶構造及び曲げ試験結果を示す図面代用写真である。 DC法とCC法との違いを説明する概略工程図である。 双ロール水平式連続鋳造圧延法の説明図である。
符号の説明
10 塑性加工部材(車体部品)

Claims (4)

  1. アルミニウム合金材を用いて塑性加工部材を製造する方法であって、
    クロム無添加のアルミニウム合金材を連続鋳造圧延する連続鋳造圧延工程と、
    この連続鋳造圧延工程を経た前記アルミニウム合金材を再結晶温度以上に加熱処理する加熱処理工程と、
    この加熱処理工程を経た前記アルミニウム合金材に塑性加工を施す塑性加工工程とを備えていることを特徴とする塑性加工部材の製造方法。
  2. 前記請求項1に記載の塑性加工部材の製造方法であって、
    前記加熱処理工程における加熱処理は、溶体化処理であり、
    前記塑性加工工程を経た前記アルミニウム合金材に時効処理を施す時効処理工程を備えていることを特徴とする塑性加工部材の製造方法。
  3. 前記請求項1又は2に記載の塑性加工部材の製造方法であって、
    前記連続鋳造圧延工程では、前記アルミニウム合金材を板状に連続鋳造圧延し、
    前記塑性加工工程では、前記アルミニウム合金材にプレス加工を施すことを特徴とする塑性加工部材の製造方法。
  4. 前記請求項3に記載の塑性加工部材の製造方法であって、
    前記塑性加工工程では、折曲ラインが前記連続鋳造圧延時のアルミニウム合金材の圧延方向にほぼ沿った方向となるように、前記アルミニウム合金材にプレス加工を施すことを特徴とする塑性加工部材の製造方法。
JP2007185363A 2007-07-17 2007-07-17 塑性加工部材の製造方法 Pending JP2009024187A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007185363A JP2009024187A (ja) 2007-07-17 2007-07-17 塑性加工部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007185363A JP2009024187A (ja) 2007-07-17 2007-07-17 塑性加工部材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009024187A true JP2009024187A (ja) 2009-02-05

Family

ID=40396286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007185363A Pending JP2009024187A (ja) 2007-07-17 2007-07-17 塑性加工部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009024187A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011067857A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Mazda Motor Corp アルミニウム合金板材の製造方法、アルミニウム合金板材およびアルミニウム合金板材の製造装置
CN107716885A (zh) * 2016-08-12 2018-02-23 北京科技大学 一种高强高导铜合金带材短流程生产方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05117826A (ja) * 1991-08-30 1993-05-14 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 高強度アルミニウム合金製リムの製造方法
JPH0874014A (ja) * 1994-09-07 1996-03-19 Nippon Steel Corp 高成形性と良好な焼付硬化性を有するアルミニウム合金板の製造方法
JP2004076065A (ja) * 2002-08-13 2004-03-11 Kobe Steel Ltd 自動車用アルミニウム合金パネル
JP2006130545A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Sumitomo Light Metal Ind Ltd Al−Mg−Si系合金板の双ロール式連続鋳造圧延法、該連続鋳造圧延法により製造されるAl−Mg−Si系合金板および自動車外板、ならびに鋳造ロール

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05117826A (ja) * 1991-08-30 1993-05-14 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 高強度アルミニウム合金製リムの製造方法
JPH0874014A (ja) * 1994-09-07 1996-03-19 Nippon Steel Corp 高成形性と良好な焼付硬化性を有するアルミニウム合金板の製造方法
JP2004076065A (ja) * 2002-08-13 2004-03-11 Kobe Steel Ltd 自動車用アルミニウム合金パネル
JP2006130545A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Sumitomo Light Metal Ind Ltd Al−Mg−Si系合金板の双ロール式連続鋳造圧延法、該連続鋳造圧延法により製造されるAl−Mg−Si系合金板および自動車外板、ならびに鋳造ロール

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011067857A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Mazda Motor Corp アルミニウム合金板材の製造方法、アルミニウム合金板材およびアルミニウム合金板材の製造装置
CN107716885A (zh) * 2016-08-12 2018-02-23 北京科技大学 一种高强高导铜合金带材短流程生产方法
CN107716885B (zh) * 2016-08-12 2019-09-10 北京科技大学 一种高强高导铜合金带材短流程生产方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4308834B2 (ja) 連続的に鋳造アルミニウムシートを製造する方法
CN104114726A (zh) 烘烤涂装硬化性优异的铝合金板
JP2009221567A (ja) 陽圧塗装缶蓋用アルミニウム合金板およびその製造方法
WO2009098732A1 (ja) 自動車用アルミニウム合金板及びその製造方法
JP2008069421A (ja) 展伸用マグネシウム合金、同合金より成るプレス成形用板材およびその製造方法
JPH05263203A (ja) 成形加工用アルミニウム合金圧延板の製造方法
JP2003342657A (ja) アルミニウム系熱間圧延板及びそれを用いた缶胴用板材
JP5220310B2 (ja) 自動車用アルミニウム合金板及びその製造方法
JP2009148823A (ja) アルミニウム合金冷延板の温間プレス成形方法
JP2010053386A (ja) 成形性に優れるマグネシウム合金板材およびその製造方法
JP2009024187A (ja) 塑性加工部材の製造方法
JP2006144044A (ja) 深絞り性に優れたマグネシウム合金板およびその製造方法
JP3791337B2 (ja) 高成形性アルミニウム合金板およびその製造方法
JP3605662B2 (ja) 容器用アルミニウム箔
JP2009024188A (ja) 塑性加工部材の製造方法
JP2010229467A (ja) マグネシウム合金薄板の製造方法
JP3871462B2 (ja) 缶胴用アルミニウム合金板の製造方法
KR20100009683A (ko) 알루미늄 합금 판재의 열처리 방법
JP2012107339A (ja) 自動車用アルミニウム合金板及びその製造方法
JP4771726B2 (ja) 飲料缶胴用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2011144410A (ja) 高成形性Al−Mg−Si系合金板の製造方法
JP5212894B2 (ja) 連続鋳造圧延装置及び金属部材の製造方法
JP2002322530A (ja) 容器用アルミニウム箔およびその製造方法
JP2009293071A (ja) 連続鋳造圧延材及び連続鋳造圧延材を用いた塑性加工部材の製造方法
JP2003342665A (ja) 熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板および熱間ブロー成形品

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090618

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110524

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110628