JP2009023616A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 操舵系の制御要素にモータ電流の制限が必要な異常状態の発生後に正常状態に復帰しとき、操舵トルクの変動による不安感を与えることなく、アシストトルクを復帰させる制御装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】 現在の電流制限値Laと電流制限目標値LTとが同じになるまで、現在の電流制限値Laの漸減処理が実施され、時点S1 〜S2で、電流制限目標値LTが電流制限を弱める方向(La<LT)に更新され、条件(|I1|≧La)が成立して所定時間ta が継続したとき、その時点の電流制限値Laでの操舵感覚を経験したものとする。条件(|I1|<Lb)が成立して所定時間tb が継続したとき、その時点の電流制限値Laに電流制限値漸増値ΔLuを加算して増加させ、この処理を繰り返してモータ電流を徐々に増加させてアシストトルクを復帰させる。
【選択図】 図3
【解決手段】 現在の電流制限値Laと電流制限目標値LTとが同じになるまで、現在の電流制限値Laの漸減処理が実施され、時点S1 〜S2で、電流制限目標値LTが電流制限を弱める方向(La<LT)に更新され、条件(|I1|≧La)が成立して所定時間ta が継続したとき、その時点の電流制限値Laでの操舵感覚を経験したものとする。条件(|I1|<Lb)が成立して所定時間tb が継続したとき、その時点の電流制限値Laに電流制限値漸増値ΔLuを加算して増加させ、この処理を繰り返してモータ電流を徐々に増加させてアシストトルクを復帰させる。
【選択図】 図3
Description
この発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特に操舵系を構成する制御要素にモータ電流の制限が必要な異常が発生した後に正常状態に復帰した場合に、アシストトルクの急変を抑え、操向ハンドル操作に違和感を与えない制御装置を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
車両用の電動パワーステアリング装置は、操向ハンドルの操作によりステアリングシヤフトに発生する操舵トルクと車速を検出し、その検出信号に基づいてモータを駆動して操向ハンドルの操舵力を補助するものである。このような電動式パワーステアリング装置の制御はマイクロコンピュータで構成された制御装置で実行されるが、その制御の概要は、トルクセンサで検出された操舵トルクと車速センサで検出された車速に基づいてモータに供給する電流の大きさを演算し、その演算結果に基づいてモータに供給する電流を制御するものである。
即ち、制御装置は操向ハンドルが操作されて操舵トルクが発生しているとき、検出された車速が零あるいは低速の場合は大きな操舵補助力を供給し、検出された車速が速い場合は小さな操舵補助力を供給するように操舵トルクと車速に応じてモータ電流の制御目標値を演算し、実際にモータに流れる電流がモータ電流の制御目標値に一致するようフイードバツク制御を行ない、走行状態に応じた最適の操舵補助力を与えている。
このような電動式パワーステアリング装置では、操舵系を構成する制御要素、例えばモータに過熱などの異常が発生すると、その時点でのモータ電流量に応じてモータ電流の大きさを制限し、二次故障の発生、例えばモータの焼損などを防止するフェールセーフ制御を行なって危険を回避するものがある。
また、操舵系を構成する制御要素、例えばモータが過熱するなどの異常が発生した後に正常な状態に復帰した場合は、モータ電流の制限を解除してアシストトルクを再び規定値まで立上げる制御が行われる場合があるが、このような場合は、モータ電流を制限した状態と、制限を解除した状態との間(モータ電流の制限の前後)で、操舵に必要な操舵トルクが大幅に異なるため、運転者が操向ハンドルを操作するとき、違和感を与える場合がある。
この対策として、異常が発生した後に正常な状態に復帰した場合は、モータ電流の制限値を時間経過に従って徐々に増加させてモータ電流の制限を解除し、アシストトルクの急変を防止して運転者が操向ハンドルを操作するときに違和感を与えないようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
特許第3433713号公報
前記した、従来のモータ電流の制限値を時間経過に従って徐々に増加させてモータ電流の制限を解除するものでは、操舵中においてもモータ電流が増加する。
このため、運転者は道路状況と、モータ電流を増加によるアシストトルクの変化に対応した操舵を行なわねばならないという問題がある。特に、急カーブを通過している途中、即ちアシストトルクの大きい状態で、異常発生後の正常復帰がなされたような場合には、アシストトルクの変化が小さくともその影響は大きく、運転者に不安感を与えてしまうおそれがある。
さらに、モータ電流の増加によるアシストトルクの増加は、操舵トルクが所定値以上(操舵トルク≧所定値)という条件の下で行われるから、瞬間的な急操舵を繰り返すと、運転者が操舵トルクを実質的に経験しないうちに、モータ電流の制限値が大きく変化してしまうという不都合が発生するおそれがある。この発明は上記課題を解決することを目的とする。
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、少なくとも操舵トルクを検出するトルクセンサと、検出された操舵トルクに基づいて電流指令値を演算する演算手段と、演算された電流指令値に基づいてステアリング機構にアシストトルクを供給するモータを制御する制御装置とを備え、操舵系を構成する制御要素の性質に応じてモータ電流の最大値を制限する電流制限値が予め設定されている電動パワーステアリング装置において、操舵系を構成する制御要素にモータ電流の制限が必要な異常が発生したとき、発生した異常の状況に応じたモータ電流の制限目標値を設定する電流制限目標値算出手段と、前記電流制限目標値と前記電流指令値との比較結果に基づいて、電流制限値を漸増又は漸減して電流制限値を算出する電流制限値算出手段と、制限前の電流指令値と現在の電流制限値とに基づいて制限後電流指令値を演算するモータ電流制限手段とを備え、前記制御装置は、操舵系を構成する制御要素にモータ電流の制限が必要な異常が発生したときは、前記演算された制限後電流指令値に基づいてモータを駆動し、ステアリング機構にアシストトルクを発生させることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
そして、前記操舵系を構成する制御要素とは、バッテリ、モータ等の要素、トルクセンサ、操舵角センサ、モータ角度センサ、モータ角速度センサ、ヨーレートセンサ、温度センサ等の各種センサ、電源回路、リレー駆動回路、センサ信号入力回路、モータ駆動回路、モータ電流検出回路、モータ端子電圧検出回路等の各種回路(ECU)のいずれか1乃至複数を含むものとする。
そして、前記電流制限値算出手段は、現在の電流制限値と電流制限目標値との比較の結果、電流制限目標値のほうが大きい場合は、制限前電流指令値の絶対値が現在の電流制限値以上である状態が予め設定された所定時間以上継続し、その後、制限前電流指令値の絶対値が操舵中でないことを示す予め設定された所定の閾値未満の状態が予め設定された所定時間以上継続することを条件として、現在の電流制限値に所定の電流制限値漸増値を加算更新し、現在の電流制限値として出力するものとする。
そして、前記電流制限値算出手段は、現在の電流制限値と電流制限目標値との比較の結果、電流制限目標値のほうが小さい場合は、現在の電流制限値から所定の電流制限値漸減値を減算更新し、現在の電流制限値として出力するものとする。
そして、前記電流制限値算出手段は、現在の電流制限値と電流制限目標値との比較の結果、現在の電流制限値と電流制限目標値が等しい場合は、現在の電流制限値を更新せず、現在の電流制限値として出力するものとする。
また、前記モータ電流制限手段は、制限前電流指令値が現在の電流制限値より大きい場合は、現在の電流制限値を制限後電流指令値とするものとする。
また、前記モータ電流制限手段は、制限前電流指令値が現在の負の電流制限値より小さい場合は、現在の負の電流制限値を制限後電流指令値とするものとする。
また、前記モータ電流制限手段は、制限前電流指令値が、現在の電流制限値、現在の負の電流制限値のいずれでもない場合は、制限前電流指令値を制限後電流指令値とするものとする。
この発明によれば、操舵系を構成する制御要素にモータ電流の制限が必要な異常発生した後に正常な状態に復帰した場合、操舵中はモータ電流制限値を変化させないから、運転者に操舵トルクの変動による不安感を与えることなしに、モータ電流を漸増させアシストトルクを復帰させることができる。
また、モータ電流の制限強化と制限緩和とを繰り返した場合でも、モータ電流制限値をゆっくり増加させるから、運転者の意図しない車両の挙動を抑えることができ、安全に操向ハンドルを操作でき、操向ハンドル操作に違和感を与えることがない制御装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明を実施するに適した電動パワーステアリング装置の構成の概略を説明する図で、操向ハンドル1の軸2は減速ギア4、ユニバーサルジョイント5a、5b、ピニオンラツク機構7を経て操向車輪のタイロツド8に結合されている。軸2には操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ3が設けられており、また、操舵力を補助するモータ9が減速ギア4を介して軸2に結合している。
電動パワーステアリング装置を制御する制御装置10は、バツテリ14からイグニッシヨンキー11を経て、イグニッシヨンキー信号が供給されるとともに、並列の電源ラインから電力が供給される。制御装置10はトルクセンサ3で検出された操舵トルクと車速センサ12で検出された車速に基づいて電流指令値の演算を行い、演算された電流指令値に基づいてモータ9に供給する電流iを制御する。
ここで、制御装置10で実行されるモータ制御の特徴点を簡単に説明する。モータ制御においては、操舵トルクその他の情報に基づいて演算された電流指令値I1によりモータ電流が決定される。一方、操舵系を構成する制御要素に異常状態の発生が検出されたときは、モータ電流を制限するように電流指令値I1を減少させる制御が行なわれ、制御要素に発生した異常状態から正常状態に復帰したときは、制限したモータ電流を回復させるため、制御要素の異常発生前の電流指令値I1に復帰させる制御が行なわれる。
モータ電流を制限する制御を実行するとき、制御要素から出力された信号に基づいてモータ電流を制限する電流制限目標値LTが演算され、電流制限目標値LTと電流指令値I1との比較結果によってモータ電流の制限を行うが、電流制限目標値LTとその時点の電流指令値I1との大小関係によって、モータ電流の制限を解除又は緩和(増加)する。
前記したモータ電流の制限を解除又は緩和(増加)するときは、運転者がモータ電流の制限値を増加途中の操舵感覚について経験済みであり、且つ操舵していない(ハンドル操作をしていない)状態のときに限り、電流制限目標値LTに到達するまで、予め設定されていたモータ電流制限値Laを少しづつ徐々に増加させ、モータの最大電流を増加させる。
これにより、モータ電流の制限を解除又は緩和(増加)するときは、操舵中はモータ電流の制限値を増加させないため、運転者に不安や違和感を与えることなく、モータの最大電流を増加させることができる。
図2は、この発明の実施の形態の制御装置10とその周辺回路要素を説明するブロツク図である。
なお、モータ電流の最大値を制限する電流制限値Laは、操舵系を構成する制御要素の性質に応じて予め所定値に設定されており、以下説明する制御の実行過程で変更されるものとする。
21は、この発明によるモータ電流の制限が必要とされる操舵系を構成する制御要素を示すもので、ここで、センサとはトルクセンサ、操舵角センサ、モータ角度センサ、モータ角速度センサ、ヨーレートセンサ、温度センサ等の各種センサを含むものである。またECU回路とは制御装置10を構成する電源回路、リレー駆動回路、センサ信号入力回路、モータ駆動回路、モータ電流検出回路、モータ端子電圧検出回路等の各種回路、及びモータ自体を含むものである。
電流制限目標値算出部22はモータ電流を制限するときの電流制限目標値LTを演算する。前記したとおり、操舵系を構成する制御要素に異常が発生したときは、その異常の程度に応じてモータ電流を制限する電流制限目標値LTが必要となる。各種センサやECU回路等の制御要素21から出力された信号は、電流制限目標値算出部22に入力され、電流制限目標値LTが演算される。
電流制限目標値LTの演算は公知の手法による。即ち、例えば、制御要素がモータやECUであれば、その過熱を防止するために必要とされる電流制限目標値LTを演算し、制御要素がバッテリであれば、バッテリ電圧低下などの要因と程度に応じて、モータ電流の制限目標値LTを演算する。
電流指令値演算部24は、モータ電流を制御する電流指令値を演算するもので、トルクセンサ3で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vに基づいて電流指令値I1 を演算する。
電流制限値算出部23は、制御要素21に異常の発生が検出されたとき、前記電流制限目標値算出部22で演算された電流制限目標値LTと、前記電流指令値演算部24で演算された電流指令値I1とを入力とし、現在の電流制限値Laと電流制限目標値LTとを比較する。そして、その比較結果に基づいて電流制限を徐々に弱め、或いは電流制限を徐々に強める。このとき、現在の電流制限値により駆動されるモータで補助される操舵トルクでの操舵感覚を経験したか否か、また、現在操舵中であるか否か、またそれらの状態が所定時間継続したか否かが条件となる。
即ち、前記電流制限目標値LTと、前記電流指令値I1とを比較した結果、現在の電流制限値Laよりも電流制限目標値LTのほうが大きい場合(La<LT)は、電流制限を弱めるために、「制限前電流指令値の絶対値|I1|が現在の電流制限値La(=操舵感覚経験判定閾値)以上の状態が所定時間t1以上継続」し、その後「制限前電流指令値の絶対値|I1|が、操舵中でないことを判定する閾値である非操舵中判定閾値Lb未満の状態が所定時間t2以上継続」したことを条件に、現在の電流制限値Laに電流制限値漸増値ΔLuを加算した値を、現在の電流制限値Laとして出力する。
また、比較の結果、現在の電流制限値Laよりも電流制限目標値LTのほうが小さい場合(La>LT)は、電流制限を強めるために、現在の電流制限値Laから電流制限値漸減値ΔLdを減算した値を現在の電流制限値Laとして出力する。
さらに、比較の結果、現在の電流制限値Laと電流制限目標値LTとが等しい場合(La=LT)は、現在の電流制限値Laを更新せず、そのまま出力する。
モータ電流制限部25では、制限前電流指令値I1と現在の電流制限値Laとを入力とし、制限前電流指令値I1を現在の電流制限値Laで制限し、制限後電流指令値I2として出力する。
加算器26では、制限後電流指令値I2からモータ電流検出回路29で検出されたモータ電流検出値Im を減算するフイードバック制御が行われ、フイードバック制御された制限後電流指令値I2がデューテイ算出部27に出力される。デューテイ算出部27では制限後電流指令値I2に対応したデューテイDが演算される。
モータ駆動回路28は、例えば半導体スイッチング素子をブリッジ接続した公知のHブリッジ回路であって、入力されたデューテイDとモータ回転方向信号に基づいて半導体スイッチング素子をON/OFF制御して電源であるバッテリ14から供給される電流を制御し、モータ9を駆動する。
モータ電流検出回路29は、モータ9に流れるモータ電流を検出するもので、検出されたモータ電流Im は前記した加算器26にフイードバックされる。
以上の構成により、制御要素21に異常の発生が検出されないときは、モータ電流制限部25からは入力された電流指令値I2(電流指令値I1に等しい)が出力される。この結果、検出された操舵トルクが大きく、また検出された車速が零あるいは低速の場合は電流指令値I2が大きく設定され、検出された操舵トルクが小さく、また検出された車速が速い場合は電流指令値I2が小さく設定されるから、走行状態に応じた最適の操舵補助力をステアリングシャフトに与えることができる。
また、制御要素21に異常状態の発生が検出されたときは、制限前電流指令値I1を現在の電流制限値Laで制限した制限後電流指令値I2によりモータが駆動され、アシストトルクが徐々に漸減されるから、運転者の違和感を与えることなく安全にフェールセーフ処理を行なうことができる。
さらに、制御要素21に発生した異常状態から正常復帰したことが検出されたときは、操舵感覚経験の有無に応じて制限後電流指令値I2を徐々に漸増し、漸増した電流指令値によりモータが駆動され、アシストトルクが徐々に漸増される。そして、最終的に制御要素の異常発生前の電流指令値I1に復帰させる。
図3は、制御要素の異常発生状態から正常状態に復帰したときの、モータ電流を制限する制御処理を説明するタイミングチャートであって、横軸は時間を示し、縦軸は電流制限目標値LT、現在の電流制限値La(=操舵感覚経験判定閾値)、制限前電流指令値I1、制限後電流指令値I2、操舵感覚経験フラグA(A=1は経験済み、A=0は未経験)を示す。また、ΔLuは電流制限値漸増値、ΔLdは電流制限値漸減値、ta は操舵感覚を所定時間経験したか否かを判定する継続時間(以下、操舵感経験時間という)、tb は非操舵状態を示す閾値Lbより小さい条件が所定時間継続したか否かを判定する継続時間(以下、非操舵継続時間という)を示す。
図3のタイミングチャートにおいて、時点S1 以前では、電流制限を強める処理が実行されているものする。そして、時点S1 以降に電流制限を弱める(解除する)処理が実行される。
(1)時点S1 以前では、現在の電流制限値Laと電流制限目標値LTとが同じ(La=LT)になるまで現在の電流制限値Laの漸減処理(電流制限を強める処理)が実施され、操舵感覚経験フラグA、操舵感経験時間のカウント値ta 、及び非操舵継続時間tbが初期化(リセット)されているものとする。
(2)時点S1 で、電流制限目標値LTが電流制限を弱める(解除する)方向(La<LT)に更新され、その後、操舵の開始により制限前電流指令値の絶対値|I1|が現在の電流制限値La以上(|I1|≧La)という条件が成立するとき、操舵感覚を所定時間経験したか否かを判定する操舵感経験時間ta のカウントを開始する。
(3)時点S2 で、操舵感経験時間ta のカウント値が予め設定された所定値t1 以上(ta ≧t1 )となると、操舵感覚を所定時間経験したものと判定して操舵感覚経験フラグAが1に設定され、その後、制限前電流指令値の絶対値|I1|が非操舵状態を示す閾値Lbより小さい(|I1|<Lb)という条件が成立するとき、非操舵状態が予め設定された所定時間継続したか否かを判定する非操舵継続時間tb のカウントを開始する。
(4)時点S3 で、非操舵継続時間tb のカウント値が所定値t2 以上(tb ≧t2 )となると、非操舵状態が所定時間継続したものとして、現在の電流制限値Laに電流制限値漸増値ΔLuを加算する(このときは、まだLa<LTの状態)。操舵感覚経験フラグAと操舵感経験時間ta のカウント値、及び非操舵継続時間tb のカウント値をリセットする。
時点S3 以降、操舵の開始により、制限前電流指令値の絶対値|I1|が現在の電流制限値La以上(|I1|≧La)という条件が成立するとき、操舵感覚を所定時間経験したか否かを判定する操舵感経験時間ta のカウントを開始する。
(5)時点S4 から時点S6 までは、時点S2 から時点S4 までの処理と同じ処理が繰り返される。
(6)時点S7 で、非操舵継続時間tb のカウント値が所定値t2 以上(tb ≧t2 )となると、非操舵状態が所定時間継続したものとして、現在の電流制限値Laに電流制限値漸増値ΔLuを加算し(この時点では、La=LTの状態となる)、現在の電流制限値Laを電流制限目標値LTにまで復帰させる。操舵感覚経験フラグAと操舵感経験時間ta のカウント値、及び非操舵継続時間tb のカウント値をリセットする。
(7)時点S7 以降、現在の電流制限値Laは電流制限目標値LTにまで復帰し、現在の電流制限値Laと電流制限目標値LTとが同じ(La=LT)の状態となる。操舵感覚経験フラグA、操舵感経験時間ta のカウント値をリセットする。
図4は上記したモータ電流の制限が必要とされる操舵系を構成する制御要素の異常発生状態から正常状態に復帰したときの、制御装置10の電流制限値算出部23で実行される処理を説明するフローチャート、図5は、同じく制御装置10のモータ電流制限部25で実行される処理を説明するフローチャートである。
まず、図4のフローチャートを参照して電流制限値算出部23で実行される処理を説明する。
現在の電流制限値Laと電流制限目標値LTとの大小を判定し(ステップP11)、(La<LT)であれば、操舵感覚経験フラグAが1か否かを判定する(ステップP12)。操舵感覚経験フラグAが1(A=1)、即ち現在の電流制限値Laで制限された電流指令値による操舵感覚を経験済みであれば、制限前電流指令値の絶対値|I1|が非操舵状態を示す閾値Lbより小さい(|I1|<Lb)条件が成立するか否かを判定し(ステップP13)、判定条件(|I1|<Lb)が成立するときは、非操舵継続時間tb のカウント値が予め設定された所定値t2 以上(tb ≧t2 )か否かを判定する(ステップP14)。
ステップP14の判定で判定条件(tb ≧t2 )が成立するときは、現在の電流制限値Laに電流制限値漸増値ΔLuを加算(La←La+ΔLu)した値を現在の電流制限値Laとして漸増更新し(ステップP15)、操舵感覚経験フラグAと操舵感経験時間taのカウント値、及び非操舵継続時間tb のカウント値をリセットし(ステップP16)、主ルーチンに戻る。
ステップP13の判定で判定条件(|I1|<Lb)が成立しないときは、非操舵継続時間tb のカウント値をリセットし(tb ←0)し(ステップP17)、主ルーチンに戻る。
ステップP14の判定で判定条件(tb ≧t2 )が成立しないときは、非操舵継続時間tb のカウント値に1を加算し(tb ←tb +1)(ステップP18)、主ルーチンに戻る。
ステップP12の判定で、操舵感覚経験フラグAが1でない、即ち操舵感覚を経験済みでないときは、制限前電流指令値の絶対値|I1|が現在の電流制限値La(操舵感覚経験判定閾値でもある)以上である条件(|I1|≧La)が成立するか否かを判定し(ステップP21)、判定条件(|I1|≧La)が成立するときは、操舵感経験時間ta のカウント値が予め設定された所定値t1 以上(ta ≧t1 )か否かを判定する(ステップP22)。
ステップP22の判定で判定条件(ta ≧t1 )が成立するときは、現在の電流制限値Laで制限された電流指令値(制限前電流指令値)による操舵感覚を経験したものとして、操舵感覚経験フラグAを1に設定し(ステップP23)、主ルーチンに戻る。
ステップP21の判定で判定条件(|I1|≧La)が成立しないときは、操舵感経験時間ta のカウント値をリセットし(ta ←0)し(ステップP24)、主ルーチンに戻る。
ステップP22の判定で判定条件(ta ≧t1 )が成立しないときは、操舵感経験時間ta のカウント値に1を加算し(ta ←ta +1)(ステップP25)、主ルーチンに戻る。
ステップP11の判定で、判定条件(La<LT)が成立しないときは、現在の電流制限値Laが電流制限目標値LTより大きいか否か(La>LT)を判定する(ステップP26)。
判定条件(La>LT)が成立するときは、現在の電流制限値Laから電流制限値漸減値ΔLdを減算(La←La−ΔLd)した値を現在の電流制限値Laとして漸減更新し(ステップP27)、操舵感覚経験フラグAと操舵感経験時間ta のカウント値及び非操舵継続時間tb のカウント値をリセットし(ステップP28)、主ルーチンに戻る。ステップP26の判定で判定条件(La>LT)が成立しないときは、ステップP28に移り、操舵感覚経験フラグAと操舵感経験時間ta のカウント値及び非操舵継続時間tb のカウント値をリセットし、主ルーチンに戻る。
次に、図5のフローチャートを参照して、制御装置10のモータ電流制限部25で実行される処理を説明する。まず、制限前電流指令値I1が現在の電流制限値Laより大きい条件(I1>La)が成立するか否かを判定し(ステップP31)、判定条件(I1>La)が成立するときは、制限後電流指令値I2に現在の電流制限値Laを設定し(ステップP32)、主ルーチンに戻る。
ステップP31の判定で、判定条件(I1>La)が成立しない場合は、制限前電流指令値I1が現在の電流制限値(−負符号)La以下である条件(I1<−La)が成立するか否かを判定し(ステップP33)、判定条件(I1<−La)が成立するときは、制限後電流指令値I2に現在の電流制限値(負符号)−Laを設定し(ステップP34)、主ルーチンに戻る。
ステップP33の判定で、判定条件(I1<−La)が成立しない場合は、制限後電流指令値I2に制限前電流指令値I1を設定し(ステップP35)、主ルーチンに戻る。
上記したこの発明の実施の形態では、制限前電流指令値I1と現在の電流制限値La(=操舵感覚経験判定閾値)とを比較して、制限前電流指令値I1による操舵感覚の経験を判定しているが、電流制限値算出部23に、操舵トルクT、或いはモータ電流検出値im、或いはデューティDを入力し、予め設定された所定値と比較して操舵感覚の経験を判定し、或いは操舵中であることを判定するようにすることもできる。
操舵系の制御要素にモータ電流の制限が必要な異常状態の発生後に正常状態に復帰しとき、その時点の制限前モータ電流指令値での操舵感覚を経験済みで、且つ操舵中でない状態を条件としてモータ電流制限値を徐々に増加させ、運転者に操舵トルクの変動による不安感を与えることなしにモータ電流を徐々に増加させてアシストトルクを復帰させる制御装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供する。
1 操向ハンドル
2 軸
3 トルクセンサ
4 減速ギア
5a、5b ユニバーサルジョイント
7 ピニオンラツク機構
8 タイロツド
9 モータ
10 制御装置
11 イグニッシヨンキー(IGキー)
12 車速センサ
14 バッテリ
21 操舵系を構成する制御要素
22 電流制限目標値算出部
23 電流制限値算出部
24 電流指令値演算部
25 モータ電流制限部
26 加算器
27 デューティ算出部
28 モータ駆動回路
29 モータ電流検出回路
2 軸
3 トルクセンサ
4 減速ギア
5a、5b ユニバーサルジョイント
7 ピニオンラツク機構
8 タイロツド
9 モータ
10 制御装置
11 イグニッシヨンキー(IGキー)
12 車速センサ
14 バッテリ
21 操舵系を構成する制御要素
22 電流制限目標値算出部
23 電流制限値算出部
24 電流指令値演算部
25 モータ電流制限部
26 加算器
27 デューティ算出部
28 モータ駆動回路
29 モータ電流検出回路
Claims (8)
- 少なくとも操舵トルクを検出するトルクセンサと、検出された操舵トルクに基づいて電流指令値を演算する演算手段と、演算された電流指令値に基づいてステアリング機構にアシストトルクを供給するモータを制御する制御装置とを備え、操舵系を構成する制御要素の性質に応じてモータ電流の最大値を制限する電流制限値が予め設定されている電動パワーステアリング装置において、
操舵系を構成する制御要素にモータ電流の制限が必要な異常が発生したとき、発生した異常の状況に応じたモータ電流の制限目標値を設定する電流制限目標値算出手段と、
前記電流制限目標値と前記電流指令値との比較結果に基づいて、電流制限値を漸増又は漸減して電流制限値を算出する電流制限値算出手段と、
制限前の電流指令値と現在の電流制限値とに基づいて制限後電流指令値を演算するモータ電流制限手段とを備え、
前記制御装置は、操舵系を構成する制御要素にモータ電流の制限が必要な異常が発生したときは、前記演算された制限後電流指令値に基づいてモータを駆動し、ステアリング機構にアシストトルクを発生させること
を特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記操舵系を構成する制御要素とは、バッテリ、モータ等の要素、トルクセンサ、操舵角センサ、モータ角度センサ、モータ角速度センサ、ヨーレートセンサ、温度センサ等の各種センサ、電源回路、リレー駆動回路、センサ信号入力回路、モータ駆動回路、モータ電流検出回路、モータ端子電圧検出回路等の各種回路(ECU)のいずれか1乃至複数を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記電流制限値算出手段は、現在の電流制限値と電流制限目標値との比較の結果、電流制限目標値のほうが大きい場合は、制限前電流指令値の絶対値が現在の電流制限値以上である状態が予め設定された所定時間以上継続し、その後、制限前電流指令値の絶対値が操舵中でないことを示す予め設定された所定の閾値未満の状態が予め設定された所定時間以上継続することを条件として、現在の電流制限値に所定の電流制限値漸増値を加算更新し、現在の電流制限値として出力すること
を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記電流制限値算出手段は、現在の電流制限値と電流制限目標値との比較の結果、電流制限目標値のほうが小さい場合は、現在の電流制限値から所定の電流制限値漸減値を減算更新し、現在の電流制限値として出力すること
を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記電流制限値算出手段は、現在の電流制限値と電流制限目標値との比較の結果、現在の電流制限値と電流制限目標値が等しい場合は、現在の電流制限値を更新せず、現在の電流制限値として出力すること
を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記モータ電流制限手段は、制限前電流指令値が現在の電流制限値より大きい場合は、現在の電流制限値を制限後電流指令値とすること
を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記モータ電流制限手段は、制限前電流指令値が現在の負の電流制限値より小さい場合は、現在の負の電流制限値を制限後電流指令値とすること
を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記モータ電流制限手段は、制限前電流指令値が、現在の電流制限値、現在の負の電流制限値のいずれでもない場合は、制限前電流指令値を制限後電流指令値とすること
を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007191500A JP2009023616A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007191500A JP2009023616A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009023616A true JP2009023616A (ja) | 2009-02-05 |
Family
ID=40395828
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007191500A Pending JP2009023616A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009023616A (ja) |
-
2007
- 2007-07-24 JP JP2007191500A patent/JP2009023616A/ja active Pending
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