JP5310088B2 - 車両用操舵装置、車両用操舵方法、車両用操舵装置付き車両 - Google Patents
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Description
また第2発明においては、ステアリングホイールと機械的に切り離された操向輪の転舵角を、ステアリングホイールの操舵角に応じて制御できなくなったときには、ステアリングホイールと操向輪との連結が完了するまでの間、操向輪の転舵角の制御ができなくなる直前の操舵角と操舵角速度とに基づいて運転者の操舵状態を予測して、操向輪の転舵角を制御するようにした。
また第3発明においては、ステアリングホイールと機械的に切り離された操向輪の転舵角を、ステアリングホイールの操舵角に応じて制御できなくなったときには、ステアリングホイールと操向輪との連結が完了するまでの間、操向輪の転舵角の制御ができなくなる直前に前記ステアバイワイヤモード制御手段が出力した転舵指令角と転舵指令角速度とに基づいて運転者の操舵状態を予測して、操向輪の転舵角を制御するようにした。
実施例1の車両用操舵装置の構成を説明する。
〔全体構成〕
図1は、実施例1の車両用操舵装置を適用した車両1の全体構成図である。この車両1は、前輪13FL,13FRと後輪18RL,18RRのうち、前輪13が転舵を行う操向輪となっている。また実施例1の車両用操舵装置は、ステアリングホイール2と前輪13とが機械的に切り離された、いわゆる、ステアバイワイヤシステムである。
なお、転舵モータコントローラ19と反力モータコントローラ20とはCAN通信回路21によって接続され、それぞれが入力した情報を共有できるようにしている。
図2は転舵モータコントローラ19の制御ブロック図である。転舵モータコントローラ19は、正常時転舵指令角演算部19aと、異常検出時転舵指令角演算部19bと、異常判定部19cと、スイッチ19dと、転舵位置制御部19eと、クラッチ制御部19fとを有している。
転舵位置制御部19eは、前輪13の転舵角が、スイッチ19dによって選択された最終転舵指令角となるように転舵モータ14を制御する。クラッチ制御部19fは、異常判定部19cから異常判定フラグ「1」を入力したときにはクラッチ7に締結指令を出力する。
図3は転舵モータコントローラ19において行われる制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2では、異常判定フラグが「1」となり、反力モータ5の回転角(操舵角)が入力不能となっているか否かを判定する。反力モータ5の回転角が入力不能となっているときにはステップS3へ移行し、反力モータ5の回転角が入力可能となっているときにはステップS13へ移行する。
ステップS4では、クラッチ7へ締結指令を出力して、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、反力モータ5の回転角が入力不能となってから所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過した場合にはステップS6へ移行し、所定時間経過していない場合にはステップS2へ戻る。
ステップS7では、ステップS1で演算した転舵モータ14の回転角速度が閾値以上であるか否かを判定する。転舵モータ14の回転角速度が閾値以上である場合にはステップS8へ移行し、転舵モータ14の回転角速度が閾値未満である場合にはステップS9へ移行する。
ステップS9では、転舵モータ14の指令回転角を、1サイクル前の演算周期において転舵モータ回転角センサ15が検出した転舵モータ14の回転角に設定してステップS10に移行する。
ステップS11では、ステップS4においてクラッチ7の締結指令が出力されてからクラッチが締結完了したと見なせる所定時間経過したか否かを判定する。クラッチ7の締結指令が出力されてから所定時間経過した場合にはクラッチが締結完了していると判断してステップS12へ移行し、所定時間経過していない場合にはステップS11を繰り返す。
ステップS13では、クラッチ7に解放指令を出力してステップS14へ移行する。
ステップS14では、反力モータ5の回転角(ステアリングホイール2の操舵角)と、車速、操舵角速度に基づいて転舵角を制御するステアバイワイヤモードの制御を行い、処理を終了する。
反力モータ5の回転角が入力不能となっている場合にはステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと移行する。反力モータ5の回転角が入力不能となって所定時間を経過する(ステップS5)までは、転舵モータ14の指令回転角を1サイクル前の演算周期において転舵モータ回転角センサ15が検出した転舵モータ14の回転角に設定する(ステップS3)。すなわち、前輪13の転舵角を1サイクル前の演算周期における転舵角に維持する。その後、クラッチ7の締結を開始する(ステップS4)。
ステップS1で演算した転舵モータ14の回転角速度が閾値以上のとき(ステップS7)には、ステップS8→ステップS10→ステップS11へと移行する。転舵モータ14の指令回転角を、1サイクル前の演算周期においてに転舵モータ回転角センサ15が検出した転舵モータ14の回転角に対して、転舵モータ14の回転角速度を加えたものに設定する(ステップS8)。ステップS1は反力モータ5の回転角が入力不能となる前であり、そのときはステアリングホイール2の操舵角や操舵速度に応じて転舵モータ14を制御している。よって転舵モータ14の回転角速度は、ステアリングホイール2の操舵角速度を示している。すなわち、操舵角速度が閾値以上である場合には、運転者が操舵している方向に前輪13の転舵角が増加するようにしている。
ステップS10において、ステップS8またはステップS9で演算した指令回転角に基づき転舵モータ14を制御する。
反力モータコントローラ20または反力モータ回転角センサ6が故障すると転舵モータコントローラ19にステアリングホイール2の操舵角が入力されない。ステアバイワイヤモードにおいては前輪13の転舵角は操舵角に基づいて制御されており、操舵角が入力されない場合には前輪13の転舵角を正確に制御することができないため、クラッチ7を締結してバックアップモードに移行する。
時間T1において、反力モータコントローラ20または反力モータ回転角センサ6の故障が検出され異常判定フラグが「1」となり、ステアバイワイヤモードからバックアップモードへと移行する。時間T1において、クラッチ7の締結指令が行われ、時間T2において完全締結する。
時間T1から時間T2においては、前輪13に転舵角を維持するトルクが作用しないため、セルフアライニングトルクにより前輪13は直進方向に戻される。このときの車両横方向変位は、運転者が意図していた走行レーンから大きく逸脱することとなる。
この構成により、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を操舵中であったときに、前輪13の転舵させることが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となる、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
この構成により、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を操舵中であったときに、運転者の操舵状態を予測して、前輪13を転舵させることが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
時間T1において、反力モータコントローラ20または反力モータ回転角センサ6の故障が検出され異常判定フラグが「1」となり、ステアバイワイヤモードから締結モードへと移行する。時間T1においてクラッチ7の締結指令が行われ、時間T2において完全締結するとバックアップモードへと移行する。
この構成により、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を切り返ししたときに、前輪13の転舵方向をステアリングホイール2の操舵方向と逆側に増加させることを防止することが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
ステアバイワイヤモードでは、ステアリングホイール2の操舵角速度に基づいて転舵モータ指令回転角を演算しているため、時間T1における転舵モータ指令回転角も設定値以下となっている。締結モードのおいては、前輪13の転舵角を保持するため、転舵モータ指令回転角は一定に保たれる。このとき前輪13の転舵角を保持するため、セルフアライニングトルクを対抗する転舵モータトルクが発生する。
実施例1の効果を以下に列挙する。
(1)運転者が操舵可能なステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の操舵角を検出する反力モータ回転角センサ6と、ステアリングホイール2と機械的に切り離されるとともに、前輪13を転舵する転舵モータ14と、ステアリングホイール2と前輪13との間に設け、ステアリングホイール2と前輪13との間を断接するクラッチ7と、ステアリングホイール2の操舵角に基づいて転舵モータ14を制御する正常時転舵指令角演算部19aと、正常時転舵指令角演算部19aが、操舵角に基づいて転舵モータ14を制御できない異常が発生していることを判定する異常判定部19cと、異常判定部19cにおいて異常が発生していると判定したときに、クラッチ7によりステアリングホイール2と前輪13とを接続するクラッチ制御部19fと、異常判定部19cにおいて異常が発生したと判定してからクラッチ7によりステアリングホイール2と前輪13との接続が完了するまでの間、異常判定部19cにおいて異常が発生したと判定する直前の前輪13の転舵状態に基づいて転舵モータ14を制御する異常検出時転舵指令角演算部19bとを設けた。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を操舵中であったときに、前輪13の転舵させることが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となる、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を操舵中であったときに、運転者の操舵状態を予測して、前輪13を転舵させることが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を切り返ししたときに、前輪13の転舵方向をステアリングホイール2の操舵方向と逆側に増加させることを防止することが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を操舵中であったときに、前輪13の転舵させることが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となる、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を操舵中であったときに、前輪13の転舵させることが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となる、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
実施例2の車両用操舵装置の構成を説明する。実施例1と同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。実施例1では転舵モータコントローラ19の異常検出時転舵指令角演算部19bにおいては、転舵モータ14の回転角(前輪13の転舵角)に応じて異常時転舵指令角を演算していた。実施例2では転舵モータコントローラ19の異常検出時転舵指令角演算部19bにおいては、反力モータ5の回転角(ステアリングホイール2の操舵角)に応じて異常時転舵指令角を演算するようにした。
図7は転舵モータコントローラ19の制御ブロック図である。転舵モータコントローラ19は、正常時転舵指令角演算部19aと、異常検出時転舵指令角演算部19bと、異常判定部19cと、スイッチ19dと、転舵位置制御部19eと、クラッチ制御部19fとを有している。
転舵位置制御部19eは、前輪13の転舵角が、スイッチ19dによって選択された最終転舵指令角となるように転舵モータ14を制御する。クラッチ制御部19fは、異常判定部19cから異常判定フラグ「1」を入力したときにはクラッチ7に締結指令を出力する。
図8は転舵モータコントローラ19において行われる制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS22では、異常判定フラグが「1」となり、反力モータ5の回転角(操舵角)が入力不能となっているか否かを判定する。反力モータ5の回転角が入力不能となっているときにはステップS23へ移行し、反力モータ5の回転角が入力可能となっているときにはステップS33へ移行する。
ステップS24では、クラッチ7へ締結指令を出力して、ステップS25に移行する。
ステップS25では、反力モータ5の回転角が入力不能となってから所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過した場合にはステップS26へ移行し、所定時間経過していない場合にはステップS22へ戻る。
ステップS27では、ステップS21で演算した反力モータ5の回転角速度が閾値以上であるか否かを判定する。反力モータ5の回転角速度が閾値以上である場合にはステップS28へ移行し、反力モータ5の回転角速度が閾値未満である場合にはステップS29へ移行する。
ステップS29では、転舵モータ14の指令回転角を、1サイクル前の演算周期において反力モータ回転角センサ6が検出した反力モータ5の回転角に設定してステップS30に移行する。
ステップS31では、ステップS24においてクラッチ7の締結指令が出力されてから所定時間経過したか否かを判定する。クラッチ7の締結指令が出力されてから所定時間経過した場合にはステップS32へ移行し、所定時間経過していない場合にはステップS31を繰り返す。
ステップS33では、クラッチ7に解放指令を出力してステップS34へ移行する。
ステップS34では、ステアバイワイヤモードの制御を行い、処理を終了する。
反力モータ5の回転角が入力不能となっている場合にはステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25へと移行する。反力モータ5の回転角が入力不能となって所定時間を経過する(ステップS25)までは、転舵モータ14の指令回転角を1サイクル前の演算周期において転舵モータ回転角センサ15が検出した転舵モータ14の回転角に設定する(ステップS23)。すなわち、前輪13の転舵角を1サイクル前の演算周期における転舵角に維持する。その後、クラッチ7の締結を開始する(ステップS24)。
ステップS21で演算した反力モータ5の回転角速度が閾値以上のとき(ステップS27)には、ステップS28→ステップS30→ステップS31へと移行する。転舵モータ14の指令回転角を、1サイクル前の演算周期において反力モータ回転角センサ6が検出した反力モータ5の回転角に対して、反力モータ5の回転角速度を加えたものに設定する(ステップS28)。ステップS21は反力モータ5の回転角が入力不能となる前であり、そのときの反力モータ5の回転角速度はステアリングホイール2の操舵角速度を示している。操舵角速度が閾値以上である場合には、運転者が操舵している方向に前輪13の転舵角が増加するようにしている。
ステップS30において、ステップS28またはステップS29で演算した指令回転角に基づき転舵モータ14を制御する。
クラッチ7を解放して(ステップS33)、ステアバイワイヤモード(ステップS34)へ移行する。ステアバイワイヤモードでは、ステアリングホイール2の操舵角、操舵角速度、車速に応じて前輪13の指令転舵角し、この指令転舵角となるように転舵モータ14を制御する。
実施例2では、異常検出時転舵指令角演算部19bは、異常判定部19cにおいて異常が発生したと判定する直前(1サイクル前の演算周期)の操舵角と操舵角速度とに基づいて転舵モータ14を制御するようにした。
この構成により、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を操舵中であったときに、運転者の操舵状態を予測して、前輪13を転舵させることが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を切り返ししたときに、前輪13の転舵方向をステアリングホイール2の操舵方向と逆側に増加させることを防止することが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
実施例2の効果を以下に列挙する。
(6)異常検出時転舵指令角演算部19bは、異常判定部19cにおいて異常が発生したと判定する直前の操舵角と操舵角速度とに基づいて転舵モータ14を制御するようにした。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を操舵中であったときに、運転者の操舵状態を予測して、前輪13を転舵させることが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を切り返ししたときに、前輪13の転舵方向をステアリングホイール2の操舵方向と逆側に増加させることを防止することが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
[実施例3]
実施例3の車両用操舵装置の構成を説明する。実施例1と同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。実施例1では転舵モータコントローラ19の異常検出時転舵指令角演算部19bにおいては、転舵モータ14の回転角(前輪13の転舵角)に応じて異常時転舵指令角を演算していた。実施例2では転舵モータコントローラ19の異常検出時転舵指令角演算部19bにおいては、正常時転舵指令角演算部19aが演算した正常時転舵指令角に応じて異常時転舵指令角を演算するようにした。
図9は転舵モータコントローラ19の制御ブロック図である。転舵モータコントローラ19は、正常時転舵指令角演算部19aと、異常検出時転舵指令角演算部19bと、異常判定部19cと、スイッチ19dと、転舵位置制御部19eと、クラッチ制御部19fとを有している。
転舵位置制御部19eは、前輪13の転舵角が、スイッチ19dによって選択された最終転舵指令角となるように転舵モータ14を制御する。クラッチ制御部19fは、異常判定部19cから異常判定フラグ「1」を入力したときにはクラッチ7に締結指令を出力する。
図10は転舵モータコントローラ19において行われる制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS42では、異常判定フラグが「1」となり、反力モータ5の回転角(操舵角)が入力不能となっているか否かを判定する。反力モータ5の回転角が入力不能となっているときにはステップS43へ移行し、反力モータ5の回転角が入力可能となっているときにはステップS53へ移行する。
ステップS44では、クラッチ7へ締結指令を出力して、ステップS45へ移行する。
ステップS45では、反力モータ5の回転角が入力不能となってから所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過した場合にはステップS46へ移行し、所定時間経過していない場合にはステップS42へ戻る。
ステップS47では、ステップS41で演算した転舵モータ14の指令回転角速度が閾値以上であるか否かを判定する。転舵モータ14の指令回転角速度が閾値以上である場合にはステップS48へ移行し、転舵モータ14の指令回転角速度が閾値未満である場合にはステップS49へ移行する。
ステップS49では、転舵モータ14の指令回転角を、1サイクル前の演算周期における転舵モータ14の指令回転角に設定してステップS50に移行する。
ステップS51では、ステップS44においてクラッチ7の締結指令が出力されてから所定時間経過したか否かを判定する。クラッチ7の締結指令が出力されてから所定時間経過した場合にはステップS52へ移行し、所定時間経過していない場合にはステップS51を繰り返す。
ステップS53では、クラッチ7に解放指令を出力してステップS54へ移行する。
ステップS54では、ステアバイワイヤモードの制御を行い、処理を終了する。
反力モータ5の回転角が入力不能となっている場合にはステップS41→ステップS42→ステップS43へと移行する。反力モータ5の回転角が入力不能となって所定時間を経過する(ステップS45)までは、転舵モータ14の指令回転角を1サイクル前の演算周期における転舵モータ14の指令回転角に設定する(ステップS43)。すなわち、前輪13の転舵角を1サイクル前の演算周期における転舵角に維持する。その後、クラッチ7の締結を開始する(ステップS44)。
ステップS41で演算した転舵モータ14の指令回転角速度が閾値以上のとき(ステップS47)には、ステップS48→ステップS50→ステップS51へと移行する。転舵モータ14の指令回転角を、1サイクル前の演算周期において転舵モータ回転角センサ15が検出した転舵モータ14の回転角に対して、転舵モータ14の回転角速度を加えたものに設定する(ステップS48)。ステップS41は反力モータ5の回転角が入力不能となる前であり、そのときはステアリングホイール2の操舵角や操舵速度に応じて転舵モータ14を制御している。このため転舵モータ14の指令回転角速度は、ステアリングホイール2の操舵角速度を示している。操舵角速度が閾値以上である場合には、運転者が操舵している方向に前輪13の転舵角が増加するようにしている。
ステップS30において、ステップS28またはステップS29で演算した指令回転角に基づき転舵モータ14を制御する。
クラッチ7を解放して(ステップS53)、ステアバイワイヤモード(ステップS54)へ移行する。ステアバイワイヤモードでは、ステアリングホイール2の操舵角、操舵角速度、車速に応じて前輪13の指令転舵角を演算し、この指令転舵角となるように転舵モータ14を制御する。
実施例3では、異常検出時転舵指令角演算部19bは、異常判定部19cにおいて異常が発生したと判定する直前(1サイクル前の演算周期)の転舵指令角と転舵指令角速度とに基づいて転舵モータ14を制御するようにした。
この構成により、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を操舵中であったときに、運転者の操舵状態を予測して、前輪13を転舵させることが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を切り返ししたときに、前輪13の転舵方向をステアリングホイール2の操舵方向と逆側に増加させることを防止することが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
実施例3の効果を以下に列挙する。
(8)異常検出時転舵指令角演算部19bは、異常判定部19cにおいて異常が発生したと判定する直前の転舵指令角と転舵指令角速度とに基づいて転舵モータ14を制御するようにした。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を操舵中であったときに、運転者の操舵状態を予測して、前輪13を転舵させることが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
したがって、ステアバイワイヤモードからバックアップモードに移行する場合に、運転者がステアリングホイール2を切り返ししたときに、前輪13の転舵方向をステアリングホイール2の操舵方向と逆側に増加させることを防止することが可能となる。よって、運転者が狙った走行ラインからの逸脱量を減少させることが可能となり、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1ないし実施例3に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1ないし実施例3に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
2 ステアリングホイール
6 操舵モータ回転角センサ(操舵角検出手段)
7 クラッチ
13 前輪(操向輪)
14 転舵モータ(転舵手段)
15 転舵モータ回転角センサ(転舵角検出手段)
19a 正常時転舵指令角演算部(ステアバイワイヤモード制御手段)
19b 異常検出時転舵指令角演算部(締結モード制御手段)
19c 異常判定部(異常判定手段)
19f クラッチ制御部(クラッチ制御手段)
Claims (6)
- 運転者が操舵可能なステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
該ステアリングホイールと機械的に切り離されるとともに、操向輪を転舵する転舵手段と、
前記操向輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、
前記ステアリングホイールと前記操向輪との間に設け、前記ステアリングホイールと前記操向輪との間を断接するクラッチと、
前記ステアリングホイールの前記操舵角に基づいて前記転舵手段を制御するステアバイワイヤモード制御手段と、
前記操舵角検出手段が検出した検出角の異常を判定する異常判定手段と、
前記異常判定手段において異常が発生していると判定したときに、前記クラッチにより前記ステアリングホイールと前記操向輪とを接続するクラッチ制御手段と、
前記異常判定手段において異常が発生したと判定してから前記クラッチにより前記ステアリングホイールと前記操向輪との接続が完了するまでの間、前記異常判定手段において異常が発生したと判定する直前の転舵角と転舵角速度とに基づいて運転者の操舵状態を予測して、前記転舵手段を制御する締結モード制御手段と、
を設けたことを特徴とする車両用操舵装置。 - 運転者が操舵可能なステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
該ステアリングホイールと機械的に切り離されるとともに、操向輪を転舵する転舵手段と、
前記ステアリングホイールと前記操向輪との間に設け、前記ステアリングホイールと前記操向輪との間を断接するクラッチと、
前記ステアリングホイールの前記操舵角に基づいて前記転舵手段を制御するステアバイワイヤモード制御手段と、
前記操舵角検出手段が検出した検出角の異常を判定する異常判定手段と、
前記異常判定手段において異常が発生していると判定したときに、前記クラッチにより前記ステアリングホイールと前記操向輪とを接続するクラッチ制御手段と、
前記異常判定手段において異常が発生したと判定してから前記クラッチにより前記ステアリングホイールと前記操向輪との接続が完了するまでの間、前記異常判定手段において異常が発生したと判定する直前の操舵角と操舵角速度とに基づいて運転者の操舵状態を予測して、前記転舵手段を制御する締結モード制御手段と、
を設けたことを特徴とする車両用操舵装置。 - 運転者が操舵可能なステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
該ステアリングホイールと機械的に切り離されるとともに、操向輪を転舵する転舵手段と、
前記ステアリングホイールと前記操向輪との間に設け、前記ステアリングホイールと前記操向輪との間を断接するクラッチと、
前記ステアリングホイールの前記操舵角に基づいて前記転舵手段を制御するステアバイワイヤモード制御手段と、
前記操舵角検出手段が検出した検出角の異常を判定する異常判定手段と、
前記異常判定手段において異常が発生していると判定したときに、前記クラッチにより前記ステアリングホイールと前記操向輪とを接続するクラッチ制御手段と、
前記異常判定手段において異常が発生したと判定してから前記クラッチにより前記ステアリングホイールと前記操向輪との接続が完了するまでの間、前記異常判定手段において異常が発生したと判定する直前にステアバイワイヤモード制御手段が出力した転舵指令角と転舵指令角速度とに基づいて運転者の操舵状態を予測して、前記転舵手段を制御する締結モード制御手段と、
を設けたことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
前記締結モード制御手段は、前記異常判定手段において異常が発生したと判定する直前の前記転舵角速度が設定値以下であるときには、前記異常判定手段において異常が発生したと判定する直前の前記操向輪の前記転舵角を保持するように前記転舵手段を制御することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項2に記載の車両用操舵装置において、
前記締結モード制御手段は、前記異常判定手段において異常が発生したと判定する直前の前記操舵角速度が設定値以下であるときには、前記異常判定手段において異常が発生したと判定する直前の前記操向輪の前記転舵角を保持するように前記転舵手段を制御することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項3に記載の車両用操舵装置において、
前記締結モード制御手段は、前記異常判定手段において異常が発生したと判定する直前の前記転舵指令角速度が設定値以下であるときには、前記異常判定手段において異常が発生したと判定する直前の前記操向輪の前記転舵角を保持するように前記転舵手段を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
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