JP2009023044A - チャックテーブル機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】チャックテーブルを所定位置に位置付けた後、確実に停止状態を維持させることができるチャックテーブル機構を提供する。
【解決手段】被加工物を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルを支持する回転支持部材と、回転支持部材を回転可能に支持する固定支持部材とを具備するチャックテーブル機構であって、固定支持部材には外周に沿って装着された圧電振動素子と該圧電振動素子に装着された弾性振動体からなるステータと該ステータに密着して配設されステータに沿って回転せしめられるロータとからなる超音波モータが配設されており、超音波モータのロータに回転支持部材が連結されている。
【選択図】図5
【解決手段】被加工物を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルを支持する回転支持部材と、回転支持部材を回転可能に支持する固定支持部材とを具備するチャックテーブル機構であって、固定支持部材には外周に沿って装着された圧電振動素子と該圧電振動素子に装着された弾性振動体からなるステータと該ステータに密着して配設されステータに沿って回転せしめられるロータとからなる超音波モータが配設されており、超音波モータのロータに回転支持部材が連結されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物を切削する切削装置等の加工装置に装備され被加工物を保持するチャックテーブル機構に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって区画された多数の領域にIC、LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域をストリートに沿って分割することにより個々のデバイスを製造している。半導体ウエーハをストリートに沿って分割する分割装置としては、一般にダイシング装置としての切削装置が用いられている。この切削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルを備えたチャックテーブル機構と、該チャックテーブル機構のチャックテーブルに保持され被加工物を切削する切削ブレードを備えた切削手段と、該切削手段とチャックテーブルを相対的に加工送り方向に加工送りする加工送り手段とを具備している。上記チャックテーブル機構は、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルを回転可能に支持する円筒状の支持部材とを具備し、該円筒状の支持部材に軸受を介してチャックテーブルの軸部を回転可能に支持するように構成されている。そして、チャックテーブルに保持された被加工物の加工ラインを加工送り方向と一致させるために、チャックテーブルはパルスモータによって回動せしめられるように構成されている。
(例えば下記特許文献1参照)
特開昭63−174841号公報
(例えば下記特許文献1参照)
而して、上述したチャックテーブル機構においては、チャックテーブルを回動してチャックテーブルに保持された被加工物の加工ラインを加工送り方向と一致させた後、チャックテーブルを停止いた状態で維持するためにはパルスモータに常時パルス信号を印加し続けるようになっている。従って、チャックテーブルはミクロ的には停止位置で微振動しているため、チャックテーブルに保持された被加工物を切削ブレードによって切削すると切削溝の両側に微細な欠け(チッピング)が発生するという問題がある。
また、レーザー加工装置等の精密加工装置においても、被加工物を保持するチャックテーブルが加工時に微振動していると精密な加工を施すことが困難となる。
また、レーザー加工装置等の精密加工装置においても、被加工物を保持するチャックテーブルが加工時に微振動していると精密な加工を施すことが困難となる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、チャックテーブルを所定位置に位置付けた後、確実に停止状態を維持させることができるチャックテーブル機構を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルを支持する回転支持部材と、該回転支持部材を回転可能に支持する固定支持部材とを具備するチャックテーブル機構であって、
該固定支持部材には、外周に沿って装着された圧電振動素子と該圧電振動素子に装着された弾性振動体からなるステータと該ステータに密着して配設され該ステータに沿って回転せしめられるロータとからなる超音波モータが配設されており、
該超音波モータの該ロータに該回転支持部材が連結されている、
ことを特徴とするチャックテーブル機構が提供される。
該固定支持部材には、外周に沿って装着された圧電振動素子と該圧電振動素子に装着された弾性振動体からなるステータと該ステータに密着して配設され該ステータに沿って回転せしめられるロータとからなる超音波モータが配設されており、
該超音波モータの該ロータに該回転支持部材が連結されている、
ことを特徴とするチャックテーブル機構が提供される。
上記固定支持部材の外周面には環状の超音波モータ収容溝が設けられており、上記超音波モータは環状の超音波モータ収容溝の下壁に配設された第1の超音波モータと環状の超音波モータ収容溝の上壁に配設された第2の超音波モータとからなっており、上記回転支持部材には第1の超音波モータと第2の超音波モータとの間に配設される連結部材が取り付けられ、該連結部材が第1の超音波モータおよび第2の超音波モータのロータにそれぞれバネ部材を介して連結されている。
本発明によるチャックテーブル機構はチャックテーブルを支持する回転支持部材を超音波モータによって回転するように構成したので、超音波モータへの電力供給を遮断することによりチャックテーブル回転が停止され静止状態が維持される。従って、従来のチャックテーブル機構のようにチャックテーブルに微振動が作用しないので、チャックテーブルに保持された被加工物に精密な加工を施すことができ、特に切削装置のチャックテーブル機構に適用した場合には切削面にチッピングが発生することはない。
以下、本発明に従って構成されたチャックテーブル機構の好適な実施形態について、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成されたチャックテーブル機構を装備した加工装置としての切削装置の斜視図が示されている。
図1に示された切削装置は、略直方体状の装置ハウジング1を具備している。この装置ハウジング1内には、図2に示す静止基台2と、該静止基台2上に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、該チャックテーブル機構3を切削送り方向である矢印Xで示す方向に移動可能に支持するチャックテーブル移動機構4と、静止基台2に割り出し送り方向である矢印Yで示す方向(切削送り方向である矢印Xで示す方向に直交する方向)に移動可能に配設されたスピンドル支持機構5と、該スピンドル支持機構5に切り込み送り方向である矢印Zで示す方向に移動可能に配設された切削手段としてのスピンドルユニット6が配設されている。
図1に示された切削装置は、略直方体状の装置ハウジング1を具備している。この装置ハウジング1内には、図2に示す静止基台2と、該静止基台2上に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、該チャックテーブル機構3を切削送り方向である矢印Xで示す方向に移動可能に支持するチャックテーブル移動機構4と、静止基台2に割り出し送り方向である矢印Yで示す方向(切削送り方向である矢印Xで示す方向に直交する方向)に移動可能に配設されたスピンドル支持機構5と、該スピンドル支持機構5に切り込み送り方向である矢印Zで示す方向に移動可能に配設された切削手段としてのスピンドルユニット6が配設されている。
上記チャックテーブル機構3について、図3乃至図5を参照して説明する。
図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、チャックテーブル支持基台31と、該チャックテーブル支持基台31の上面に配設され固定支持部材32と、該固定支持部材32に回転可能に支持された回転支持部材33と、該回転支持部材33に支持されるチャックテーブル34を具備している。上記チャックテーブル支持基台31は矩形状に形成され、その下面には2条の被案内溝311、311が形成されている。
図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、チャックテーブル支持基台31と、該チャックテーブル支持基台31の上面に配設され固定支持部材32と、該固定支持部材32に回転可能に支持された回転支持部材33と、該回転支持部材33に支持されるチャックテーブル34を具備している。上記チャックテーブル支持基台31は矩形状に形成され、その下面には2条の被案内溝311、311が形成されている。
上記固定支持部材32は、円筒状に形成されており、その下端がチャックテーブル支持基台31の上面に固定されている。上記回転支持部材33も円筒状に形成されており、上記固定支持部材32に軸受手段35を介して回転可能に支持されている。軸受手段35は、図4および図5に示すように固定支持部材32の上端部外周面に形成された第1の環状溝351と、回転支持部材33の内周面に第1の環状溝351と対向して形成された第2の環状溝352と、第1の環状溝351と第2の環状溝352間に配設された複数の鋼球353とからなっている。なお、第1の環状溝351と第2の環状溝352は、V溝からなっていることが望ましい。
ここで、第1の環状溝351と第2の環状溝352間に複数の鋼球353を配設する構成について図5を参照して説明する。上記回転支持部材33における第2の環状溝352が形成された外周の一部には、外周面から第2の環状溝352に連通する鋼球挿入穴354が形成されている。この鋼球挿入穴354を通して複数の鋼球353を挿入し、第1の環状溝351と第2の環状溝352間に複数の鋼球353を配設することができる。なお、鋼球挿入穴354の内周面には雌ネジが形成されており、上述したように鋼球挿入穴354を通して複数の鋼球353を挿入したら、鋼球挿入穴354にプラグ355を螺合する。このような鋼球353の挿入は、固定支持部材32と回転支持部材33とを組み立てる際に実施し、固定支持部材32と回転支持部材33とを組み立てた状態で、固定支持部材32をチャックテーブル支持基台31に固定する。このように固定支持部材32に回転支持部材33を回転可能に支持する軸受手段35は、固定支持部材32の外周面に形成された第1の環状溝351と、回転支持部材33の内周面に第1の環状溝351と対向して形成された第2の環状溝352と、第1の環状溝351と第2の環状溝352間に配設された複数の鋼球353とからなっているので、固定支持部材32と回転支持部材33とを組み立てた状態で両者の位置関係が精密に規定されるため、回転支持部材33は軸受手段35の回転中心を中心として回転することができる。
上記円筒状の固定支持部材32の中間部外周面には、図5に示すように環状の超音波モータ収容溝321が設けられている。この超音波モータ収容溝321内に超音波モータ36が配設されている。超音波モータ36は、図示の実施形態においては環状の超音波モータ収容溝321の下壁321aに配設された第1の超音波モータ36aと、環状の超音波モータ収容溝321の上壁321bに配設された第2の超音波モータ36bとからなっている。第1の超音波モータ36aは、環状の超音波モータ収容溝321の下壁321aに装着された第1の環状の圧電振動素子361aと、該第1の環状の圧電振動素子361aに装着された弾性振動体からなる第1の環状のステータ362aと、該第1の環状のステータ362aに密着して配設され第1の環状のステータ362aに沿って回転せしめられる第1の環状のロータ363aとからなっている。また、第2の超音波モータ36bも上記第1の超音波モータ36aと同様に、環状の超音波モータ収容溝321の上壁321bに装着された第2の環状の圧電振動素子361bと、該第2の環状の圧電振動素子361bに装着された弾性振動体からなる第2の環状のステータ362bと、該第2の環状のステータ362bに密着して配設され第2の環状のステータ362bに沿って回転せしめられる第2の環状のロータ363bとからなっている。このように構成された第1の超音波モータ36aと第2の超音波モータ36bは、第1の環状のロータ363aと第2の環状のロータ363bが所定の間隔をもって対向して配設される。なお、上記第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の環状の圧電振動素子361bは、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、リチウムナイオベート、リチウムタンタレート等の圧電セラミックスを用いることができる。また、上記弾性振動体からなる第1の環状のステータ362aおよび第2の環状のステータ362bは、ポリイミド樹脂等の合成樹脂によって形成することができる。なお、上記第1の環状のロータ363aおよび第2の環状のロータ363bは、ステンレス鋼等の金属材によって形成することができる。
上述したように構成された第1の超音波モータ36aの第1の環状のロータ363aと第2の超音波モータ36bの第2の環状のロータ363bは、上記回転支持部材33に連結される。即ち、図5に示すように回転支持部材33の下面には環状の連結部材330がボルト等の固定手段によって固着されており、環状の連結部材330の内周部が上記第1の超音波モータ36aと第2の超音波モータ36bとの間に配設される。この環状の連結部材330の下面は第1の皿バネ364aによって第1の環状のロータ363aに連結され、環状の連結部材330の上面は第2の皿バネ364bによって第2の環状のロータ363bに連結される。従って、第1の環状のロータ363aおよび第2の環状のロータ363bは、それぞれ第1の皿バネ364aおよび第2の皿バネ364bによって第1の環状のステータ362aおよび第2の環状のステータ362bに押圧されている。
図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、図5に示すように上記第1の超音波モータ36aを構成する第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の超音波モータ36bを構成する第2の環状の圧電振動素子361bに交流電圧を印加する電力供給手段37を具備している。
電力供給手段37は、交流電源371および駆動回路372を具備しており、10〜200kHの高周波電圧を第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の環状の圧電振動素子361bに印加する。このように構成された電力供給手段37によって第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の環状の圧電振動素子361bに高周波電圧を印加すると、超音波モータの原理により第1の環状のロータ363aと第2の環状のロータ363bがそれぞれ第1の環状の弾性振動体362aと第2の環状の弾性振動体362bに沿って回転せしめられる。この結果、第1の環状のロータ363aと第2の環状のロータ363bに第1の皿バネ364a、第2の皿バネ364bおよび環状の連結部材330を介して連結された回転支持部材33は、円筒状の固定支持部材32の外周に沿って回転せしめられる。一方、第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の環状の圧電振動素子361bへの電力の供給を遮断すると、第1の環状のロータ363aおよび第2の環状のロータ363bは回転を停止し、静止状態が維持される。
電力供給手段37は、交流電源371および駆動回路372を具備しており、10〜200kHの高周波電圧を第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の環状の圧電振動素子361bに印加する。このように構成された電力供給手段37によって第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の環状の圧電振動素子361bに高周波電圧を印加すると、超音波モータの原理により第1の環状のロータ363aと第2の環状のロータ363bがそれぞれ第1の環状の弾性振動体362aと第2の環状の弾性振動体362bに沿って回転せしめられる。この結果、第1の環状のロータ363aと第2の環状のロータ363bに第1の皿バネ364a、第2の皿バネ364bおよび環状の連結部材330を介して連結された回転支持部材33は、円筒状の固定支持部材32の外周に沿って回転せしめられる。一方、第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の環状の圧電振動素子361bへの電力の供給を遮断すると、第1の環状のロータ363aおよび第2の環状のロータ363bは回転を停止し、静止状態が維持される。
上述したように構成されたチャックテーブル支持機構31の回転支持部材33の上端には環状のチャックテーブル支持部331が設けられており、該環状のチャックテーブル支持部331は固定支持部材32の上端より上方に突出するように構成されている。この環状のチャックテーブル支持部331の上面に、環状のセラミックス板332を介してチャックテーブル34が装着される。なお、上記環状のチャックテーブル支持部331の下面には回転支持部材33の回転角度を検出するためのロータリースケール38が装着されており、固定支持部材32の上端面にはロータリースケール38と対向する位置に読み取りヘッド380が配設されている。
チャックテーブル34は、図4に示すように円柱状の本体341と、該本体341の上面に配設され無数の吸引孔を備えたポーラスなセラミックス等からなる多孔性部材によって形成された吸着チャック342とからなっている。本体341は、ステンレス鋼等の金属材によって形成されており、その上面には円形の嵌合凹部341aが設けられている。この嵌合凹部341aには底面の外周部に吸着チャック342が載置される環状の載置棚341bが設けられている。そして、本体341の嵌合凹部341aに嵌合した吸着チャック342は、環状の載置棚341bに載置される。また、本体341には嵌合凹部341aに開口する吸引通路341cが設けられており、この吸引通路341cは、図示しない吸引手段に連通されている。従って、図示しない吸引手段が作動すると、吸引通路341cを通して嵌合凹部341aに負圧が作用し、この結果、無数の吸引孔を備えた吸着チャック342の上面である保持面に負圧が作用せしめられる。また、本体341の中間部には、図3に示すように環状の溝341dが形成されている。この環状の溝341d内には4個のクランプ343の基部が配設され、このクランプ343の基部が本体341に適宜の固定手段によって取付けられている。
図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、チャックテーブル34の下側周囲を覆うカバーテーブル39を具備している。このカバーテーブル39は、チャックテーブル支持基台31の4隅に立設された4本の支持柱390によって支持されている。カバーテーブル39の中央部には開口391が形成されており、この開口391の周縁に上方に突出するフランジ部392が設けられている。このフランジ部392がチャックテーブル34を構成する本体341の下端部に形成されたスカート部341eの内側に位置付けられる。
図2に戻って説明を続けると、上記チャックテーブル機構3を切削送り方向である矢印Xで示す切削送り方向に移動可能に支持するチャックテーブル移動機構4は、静止基台2上に矢印Xで示す方向に沿って平行に配設された一対の案内レール41、41と、上記チャックテーブル機構3を一対の案内レール41、41に沿って移動せしめる切削送り手段42とからなっている。一対の案内レール41、41には、上記チャックテーブル機構3を構成するチャックテーブル支持基台31の下面に設けられた2条の被案内溝311、311が摺動可能に嵌合せしめられる。上記切削送り手段42は、上記2本の案内レール41と41の間に平行に配設された雄ネジロッド421と、該雄ネジロッド421を回転駆動するためのサーボモータ422等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド421は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック423に回転自在に支持されており、その他端が上記サーボモータ422の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド421は、上記チャックテーブル支持基台31の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、サーボモータ422によって雄ネジロッド421を正転および逆転駆動することにより、チャックテーブル機構3は一対の案内レール41、41に沿って矢印Xで示す切削送り方向に移動せしめられる。
上記スピンドル支持機構5は、静止基台2上に矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って平行に配設された一対の案内レール51、51と、該一対の案内レール51、51上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された可動支持基台52を具備している。この可動支持基台52は、一対の案内レール51、51上に移動可能に配設された移動支持部521と、該移動支持部521に取り付けられた装着部522とからなっている。移動支持部521の下面には一対の案内レール51、51と嵌合する2条の被案内溝521a、521aが形成されており、この被案内溝521a、521aを一対の案内レール51、51に嵌合することにより、可動支持基台52は一対の案内レール51、51に沿って移動可能に構成される。また、装着部522は、一側面に矢印Zで示す方向に延びる一対の案内レール522a、522aが平行に設けられている。
図示の実施形態におけるスピンドル支持機構5は、可動支持基台52を一対の案内レール51、51に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動させるための割り出し送り手段53を具備している。割り出し送り手段53は、上記一対の案内レール51、51の間に平行に配設された雄ネジロッド531と、該雄ねじロッド531を回転駆動するためのパルスモータ532等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド531は、その一端が上記静止基台2に固定された図示しない軸受ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ532の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド531は、可動支持基台52を構成する移動支持部531の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された雌ネジ穴に螺合されている。このため、パルスモータ532によって雄ネジロッド531を正転および逆転駆動することにより、可動支持基台52は一対の案内レール51、51に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。
図示の実施形態のおけるスピンドルユニット6は、ユニットホルダ61と、該ユニットホルダ61に取り付けられたスピンドルハウジング62と、該スピンドルハウジング62に回転可能に支持された回転スピンドル63を具備している。ユニットホルダ61は、上記装着部522に設けられた一対の案内レール522a、522aに摺動可能に嵌合する2条の被案内溝61a、61aが設けられており、この被案内溝61a、61aを一対の案内レール522a、522aに嵌合することにより、矢印Zで示す切り込み送り方向に移動可能に支持される。上記回転スピンドル63はスピンドルハウジング62の先端から突出して配設されており、この回転スピンドル63の先端部に切削ブレード64が装着されている。なお、切削ブレード64を装着した回転スピンドル63は、サーボモータ65等の駆動源によって回転駆動せしめられる。
図示の実施形態におけるスピンドルユニット6は、ホルダ61を一対の案内レール522a、522aに沿って矢印Zで示す切り込み送り方向に移動させるための切り込み送り手段66を具備している。切り込み送り手段66は、上記切削送り手段42および上記割り出し送り手段53と同様に一対の案内レール522a、522a の間に配設された雄ネジロッド(図示せず)と、該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ662等の駆動源を含んでおり、パルスモータ662によって図示しない雄ネジロッドを正転および逆転駆動することにより、ユニットホルダ61とスピンドルハウジング62および回転スピンドル63を一対の案内レール522a、522a に沿って矢印Zで示す切り込み送り方向に移動せしめる。
なお、上記スピンドルユニット6を構成するスピンドルハウジング62の先端部には、チャックテーブル35に保持された被加工物の加工領域を撮像するための撮像手段67が配設されている。この撮像手段67は、顕微鏡等の光学系と撮像素子(CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
図1に戻って説明すると、上記装置ハウジング1におけるカセット載置領域7aには、被加工物を収容するカセットを載置するカセット載置テーブル7が配設されている。このカセット載置テーブル7は、図示しない昇降手段によって上下方向に移動可能に構成されている。カセット載置テーブル7上には、被加工物としてのウエーハ10を収容するカセット8が載置される。カセット8に収容される被加工物としてのウエーハ10は、表面に格子状のストリートが形成されており、この格子状のストリートによって区画された複数の矩形領域にIC、LSI等のデバイスが形成されている。このように形成されたウエーハ10は、環状の支持フレーム11に装着されたダイシングテープ12の表面に貼着された状態でカセット8に収容される。
また、図示の実施形態における切削装置は、カセット載置テーブル7上に載置されたカセット8に収容されているウエーハ10(環状のフレーム11にダイシングテープ12を介して支持されている状態)を仮置きテーブル13に搬出する搬出手段14と、仮置きテーブル13に搬出されたウエーハ10を上記チャックテーブル機構3のチャックテーブル34上に搬送する第1の搬送手段15と、チャックテーブル34上で切削加工されたウエーハ10を洗浄する洗浄手段16と、チャックテーブル34上で切削加工されたウエーハ10を洗浄手段16へ搬送する第2の搬送手段17を具備している。更に、図示の切削装置は、上記撮像手段67によって撮像された画像等を表示する表示手段18を具備している。
以上のように構成された切削装置の作動について、簡単に説明する。
切削作業を実施するに先立って、切削ブレード64による切り込み送りの基準位置を定める。即ち、チャックテーブル34を切削領域に移動して切削ブレード64を下降し、セラミック板36によって絶縁されたチャックテーブル34の本体341(ステンレス鋼等の金属材によって形成されている)と電気的接触した位置を基準位置として定める。このようにして、切削ブレード64による切り込み送りの基準位置を定めたならば、チャックテーブル34を図1に示す被加工物受け入れ位置に戻す。
切削作業を実施するに先立って、切削ブレード64による切り込み送りの基準位置を定める。即ち、チャックテーブル34を切削領域に移動して切削ブレード64を下降し、セラミック板36によって絶縁されたチャックテーブル34の本体341(ステンレス鋼等の金属材によって形成されている)と電気的接触した位置を基準位置として定める。このようにして、切削ブレード64による切り込み送りの基準位置を定めたならば、チャックテーブル34を図1に示す被加工物受け入れ位置に戻す。
上述したように切削ブレード64による切り込み送りの基準位置を定め切削作業の準備が完了したならば、カセット載置テーブル7上に載置されたカセット8の所定位置に収容されているウエーハ10(環状のフレーム11にダイシングテープ12を介して支持されている状態)は、図示しない昇降手段によってカセット載置テーブル7が上下動することにより搬出位置に位置付けられる。次に、搬出手段14が進退作動して搬出位置に位置付けられたウエーハ10を仮置きテーブル13上に搬出する。仮置きテーブル13に搬出されたウエーハ10は、第1の搬送手段15によって上記チャックテーブル機構3のチャックテーブル34上に搬送される。チャックテーブル34上にウエーハ10が載置されたならば、図示しない吸引手段が作動してウエーハ10をチャックテーブル34上に吸引保持する。また、ウエーハ10をダイシングテープ12を介して支持する支持フレーム11は、上記4個のクランプ343によって固定される。このようにしてウエーハ10を保持したチャックテーブル35は、撮像手段67の直下まで移動せしめられる。
チャックテーブル34が撮像手段67の直下に位置付けられると、撮像手段67によってウエーハ10に形成されているストリートが検出され、スピンドルユニット5を割り出し方向である矢印Y方向に移動調節してストリートと切削ブレード64との精密位置合わせ作業が行われる(アライメント工程)。このとき、ウエーハ10に形成されたストリートが切削送り方向Xと平行になっていない場合には、上記電力供給手段37によって第1の超音波モータ36aの第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の超音波モータ36bの第2の環状の圧電振動素子361bに高周波電圧を印加する。この結果、上述したように超音波モータの原理により第1の環状のロータ363aと第2の環状のロータ363bがそれぞれ第1の環状の弾性振動体362aと第2の環状の弾性振動体362bに沿って回転せしめられ、第1の環状のロータ363aと第2の環状のロータ363bに第1の皿バネ364aおよび第2の皿バネ364bと環状の連結部材330を介して連結された回転支持部材33は、円筒状の固定支持部材32の外周に沿って回転せしめられる。回転支持部材33が回転することにより、回転支持部材33に支持されたチャックテーブル34に保持されているウエーハ10が回転し、ストリートが切削送り方向Xと平行になった位置で第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の環状の圧電振動素子361bへの電力の供給を遮断する。この結果、第1の環状のロータ363aおよび第2の環状のロータ363bは回転を停止し、第1の環状の弾性振動体362aおよび第2の環状の弾性振動体362bとの摩擦力によって静止状態が維持されるため、チャックテーブル34は静止される。
その後、切り込み送り手段66のパルスモータ662を作動して切削ブレード64を矢印Zで示す方向に所定量切り込み送りするとともに、サーボモータ65を作動して切削ブレード64を所定の回転方向に20000〜40000rpmの回転速度で回転させつつ、ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル34を切削送り方向である矢印Xで示す方向に所定の切削送り速度で移動せしめる(切削工程)。この結果、チャックテーブル34上に保持されたウエーハ10は切削ブレード64により所定のストリートに沿って切断される。この切削工程においてチャックテーブル34は上述したように静止状態が維持されるため、チャックテーブル34に保持されたウエーハ10に従来のチャックテーブル機構のように微振動が作用しないので、切削面にチッピングが発生することはない。
このようにして、ウエーハ10を所定のストリートに沿って切断したら、チャックテーブル34を矢印Yで示す方向にストリートの間隔だけ割り出し送りし、上記切断工程を実施する。そして、ウエーハ10の所定方向に延在するストリートの全てに沿って切断作業を実施したならば、上記電力供給手段37によって第1の超音波モータ36aの第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の超音波モータ36bの第2の環状の圧電振動素子361bに高周波電圧を印加し、チャックテーブル34を90度回転させる。そして、チャックテーブル35が90度回転した位置で第1の環状の圧電振動素子361aおよび第2の環状の圧電振動素子361bへの電力の供給を遮断する。この結果、第1の環状のロータ363aおよび第2の環状のロータ363bは回転を停止し静止状態が維持されるため、チャックテーブル34は静止される。このとき、回転支持部材33のチャックテーブル支持部331に装着されたロータリースケール38を固定支持部材32に装着された読み取りヘッド380によって読み取ることにより、チャックテーブル34の回転角度を検出しつつチャックテーブル34を90度回転させる。そして、ウエーハ10の所定方向と直交する方向に延在するストリートに沿って上記切削工程を実行することにより、ウエーハ10に格子状に形成された全てのストリートが切削されて個々のデバイスに分割される。この切削工程においてチャックテーブル34は上述したように静止状態が維持されるため、チャックテーブル34に保持されたウエーハ10に従来のチャックテーブル機構のように微振動が作用しないので、切削面にチッピングが発生することはない。上記切削工程を実施することによって分割されたデバイスは、ダイシングテープ12の作用によってバラバラにはならず、フレーム11に支持されたウエーハの状態が維持されている。
上述したようにウエーハ10に形成された全てのストリートに沿って切断工程を実施したならば、ウエーハ10を保持したチャックテーブル34は最初にウエーハ10を吸引保持した被加工物受け入れ位置に戻される。そして、ウエーハ10の吸引保持を解除する。次に、ウエーハ10は第2の搬送手段17によって洗浄手段16に搬送される。洗浄手段16に搬送されたウエーハ10は、ここで洗浄および乾燥される。このようにして洗浄および乾燥されたウエーハ10は、第1の搬送手段15によって仮置きテーブル13に搬出される。そして、ウエーハ10は、搬出手段14によってカセット8の所定位置に収納される。
以上、本発明を切削装置のチャックテーブル機構に適用した例を示したが、本発明はレーザー加工装置等の精密加工装置のチャックテーブル機構に適用することにより、チャックテーブルに保持された被加工物に精密な加工を施すことができる。
1:切削装置の装置ハウジング
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
30:チャックテーブル支持基台
31:チャックテーブル支持機構
32:固定支持部材
33:回転支持部材
330:連結部材
34:チャックテーブル
35:軸受手段
36:超音波モータ
36a:第1の超音波モータ
36b:第2の超音波モータ
361a:第1の環状の圧電振動素子
361b:第2の環状の圧電振動素子
362a:第1の環状のステータ
362b:第2の環状のステータ
363a:第1の環状のロータ
363b:第2の環状のロータ
364a:第1の皿バネ
364b:第2の皿バネ
37:電力供給手段
371:交流電源
372:駆動回路
38:ロータリースケール
380:読み取りヘッド
39:カバーテーブル
4:チャックテーブル移動機構
41:案内レール
42:切削送り手段
5:スピンドル支持機構
51:案内レール
52:可動支持基台
53:割り出し送り手段
6:スピンドルユニット
61:ユニットホルダ
62:スピンドルハウジング
63:回転スピンドル
64:切削ブレード
65:サーボモータ
66:切り込み送り手段
67:撮像手段
7:カセット載置テーブル
8:カセット
10:ウエーハ
11:環状の支持フレーム
12:ダイシングテープ
13:仮置きテーブル
14:搬出手段
15:第1の搬送手段
16:洗浄手段
17:第2の搬送手段
18:表示手段
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
30:チャックテーブル支持基台
31:チャックテーブル支持機構
32:固定支持部材
33:回転支持部材
330:連結部材
34:チャックテーブル
35:軸受手段
36:超音波モータ
36a:第1の超音波モータ
36b:第2の超音波モータ
361a:第1の環状の圧電振動素子
361b:第2の環状の圧電振動素子
362a:第1の環状のステータ
362b:第2の環状のステータ
363a:第1の環状のロータ
363b:第2の環状のロータ
364a:第1の皿バネ
364b:第2の皿バネ
37:電力供給手段
371:交流電源
372:駆動回路
38:ロータリースケール
380:読み取りヘッド
39:カバーテーブル
4:チャックテーブル移動機構
41:案内レール
42:切削送り手段
5:スピンドル支持機構
51:案内レール
52:可動支持基台
53:割り出し送り手段
6:スピンドルユニット
61:ユニットホルダ
62:スピンドルハウジング
63:回転スピンドル
64:切削ブレード
65:サーボモータ
66:切り込み送り手段
67:撮像手段
7:カセット載置テーブル
8:カセット
10:ウエーハ
11:環状の支持フレーム
12:ダイシングテープ
13:仮置きテーブル
14:搬出手段
15:第1の搬送手段
16:洗浄手段
17:第2の搬送手段
18:表示手段
Claims (2)
- 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルを支持する回転支持部材と、該回転支持部材を回転可能に支持する固定支持部材とを具備するチャックテーブル機構であって、
該固定支持部材には、外周に沿って装着された圧電振動素子と該圧電振動素子に装着された弾性振動体からなるステータと該ステータに密着して配設され該ステータに沿って回転せしめられるロータとからなる超音波モータが配設されており、
該超音波モータの該ロータに該回転支持部材が連結されている、
ことを特徴とするチャックテーブルの支持機構。 - 該固定支持部材の外周面には環状の超音波モータ収容溝が設けられており、
該超音波モータは該環状の超音波モータ収容溝の下壁に配設された第1の超音波モータと該環状の超音波モータ収容溝の上壁に配設された第2の超音波モータとからなっており、該回転支持部材には該第1の超音波モータと該第2の超音波モータとの間に配設される連結部材が取り付けられ、該連結部材が該第1の超音波モータおよび該第2の超音波モータのロータにそれぞれバネ部材を介して連結されている、請求項1記載のチャックテーブルの支持機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007188171A JP2009023044A (ja) | 2007-07-19 | 2007-07-19 | チャックテーブル機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007188171A JP2009023044A (ja) | 2007-07-19 | 2007-07-19 | チャックテーブル機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009023044A true JP2009023044A (ja) | 2009-02-05 |
Family
ID=40395365
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007188171A Pending JP2009023044A (ja) | 2007-07-19 | 2007-07-19 | チャックテーブル機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009023044A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101358373B1 (ko) * | 2012-07-23 | 2014-02-13 | 한미반도체 주식회사 | 반도체 제조용 척테이블장치 및 이를 갖춘 반도체 제조장치 |
KR101854647B1 (ko) | 2017-10-19 | 2018-05-03 | 김재성 | 에어베어링을 이용한 흡착 또는 비접촉 부상 구조를 갖는 진공회전 테이블 |
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JPH0937573A (ja) * | 1995-07-17 | 1997-02-07 | Fanuc Ltd | 超音波アクチュエータ |
-
2007
- 2007-07-19 JP JP2007188171A patent/JP2009023044A/ja active Pending
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