JP2009022145A - 回転電機の冷却構造 - Google Patents

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正幸 竹中
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知彦 宮本
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Abstract

【課題】ステータコアSCを冷却液により直接冷却することで比較的冷却能が高く、品質が安定し、組み立てが容易でコスト上昇を招来しないステータ冷却構造を得る。
【解決手段】回転電機Mの回転軸に沿った断面視で、ステータコアSCの外径線が回転軸Aに沿った直線を成す構成を採用するとともに、ケースMCの内径面に外径側に凹のケース側冷却液溝ch(chw、cha)を穿ち、冷却液溝chとステータコアSCの外径面との間に、冷却液が流れる冷却液流路を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステータとロータとを備え、ステータを成すステータコアが鋼板を積層した積層構造体とされるとともに、ステータコアの外径面がケースの内径面に接触されて、ステータコアがケースに固定されるステータを冷却液により冷却する回転電機の冷却構造に関する。
このようなステータを冷却する冷却構造として、特許文献1に記載の構造、特許文献2に記載の構造が提案されている。
特許文献1には、回転電機の冷却構造として、従来技術として当該明細書図8に示す構造が示されるとともに、その従来技術を解決する手段として、当該明細書図1から図7に示す構造が提案されている。この構造では、ステータ1はステータスリーブ2の壁面を介して間接的に冷却される。
当該明細書において従来技術である図8に示されている構造は、ステータ1の外径側にステータスリーブ2を設け、このステータスリーブ2とハウジング3(本願におけるケースに相当する)との間に、冷却液が流れる螺旋状の冷却液流路を設けている。
一方、当該明細書に記載の発明に相当する図1に示される構造では、螺旋状の冷却液流路を設けるのに、図2に示すように、鋼板の一部外周部位を切り欠いた鋼板を多数用意しておき、図3、図4に示されるように、所定の位相で切り欠き部をずらして組み付けることで、ステータ1の外径部位に螺旋状の冷却液流路を形成している。この技術にあっては、ステータコアの軸方向端部部位を形成するのに、切り欠き部を設けない鋼板も必要となる。図7に示される構造では、ステータ1の外径側に複数のカラー14を設け、冷却液が周回する冷却液流路を形成している。
特許文献2には、回転電機の冷却構造として、当該明細書図1、図10に示されるように、外径が異なる複数種類の薄板(鋼板)42、44を用意し、それら各種類毎に積層し、薄板42、44の外周面とケーシング30の内周面との間に空間を形成し、この空間に冷却液を流すようにしている。
特開平7−264810号公報 特開2001−333559号公報
上記特許文献1の従来技術である図8に示される構造では、当該明細書にも記載されているように、回転電機の原価が高くなる。一方、冷却液流路を螺旋状にすると、冷却液流路の上流側と下流側とで、冷却が不均一に成り易い。この問題点は、図1に示される構造でも同様である。
さらに、図1に示される構造では、ステータコア自体に冷却液流路を設けるため、ステータコアを構成する鋼板は2種類以上(少なくとも、切り欠きのないものとあるもの)必要となる。さらに、螺旋状の冷却液流路を形成するのに、一定の位相で鋼板を周方向にずらしながら組み立てる必要があり、製造工程が複雑となるとともに品質にばらつきが出やすい。結果、コスト高に繋がる。また、ステータコアを構成する材料、つまり鋼板で冷却液流路を構成することとなるため、回転電機の重量が相対的に増加し不利である。
一方、図7に示される構造では、カラー14を使用するため、ステータコア自体の構成は比較的簡単であるが、ハウジング3、複数のカラー14、ステータコアの位置決めを厳格に行うのが比較的難しく、コスト高に繋がるという問題がある。
特許文献2に示す構成では、特許文献1の図1に示す構造で説明したと同様に、ステータコア自体に冷却液流路を設けるため、ステータコアを構成する鋼板は2種以上(少なくとも、切り欠きのないものとあるもの)必要となり不利である。ステータコアを構成する材料、つまり鋼板で冷却液流路を構成することとなるため、回転電機の重量が相対的に増加する。
本発明の目的は、ステータコアを冷却液により直接冷却することで比較的冷却能が高く、品質が安定し、組み立てが容易でコスト高を招来しない回転電機の冷却構造を得ることにある。
上記目的を達成するための本発明に係る、ステータとロータとを備え、前記ステータを成すステータコアが鋼板を積層した積層構造体とされるとともに、前記ステータコアの外径面がケースの内径面に接触されて、前記ステータコアが前記ケースに固定されるステータを冷却液により冷却する回転電機の冷却構造の第1特徴構成は、回転電機の回転軸に沿った断面視で、前記ステータコアの外径線が前記回転軸に沿った直線を成す構成を採用するとともに、前記ケースの内径面に外径側に凹のケース側冷却液溝を穿ち、前記冷却液溝と前記ステータコアの外径面とで、前記冷却液が流れる冷却液流路を形成した点にある。
本願構成にあっては、まず、回転電機の回転軸に沿った断面視で、ステータコアの外径線が回転軸に沿った直線となるようにする。この構成は、ステータコアを鋼板の積層により形成するのに、鋼板全てを同一の形状のものを用いて積層するだけで実現できる構成であり、従来技術のように、複数種の鋼板を用意する必要は無くなり、コスト高となる問題、さらには、組付けが難しくなる等の問題を解消できる。
また、この構成の回転電機では、ステータコアの外径面に沿って冷却液が流れる冷却液流路を形成するのに、ケースの内径面にケース側冷却液溝を穿ち、この冷却液溝とステータコアの外径面との間に、冷却液が流れる冷却液流路を形成する。従って、冷却液流路は、実質的にケースの材料により形成されるため、回転電機が相対的に重たくなるという問題を解決できる。さらに、ケース側にケース側冷却液溝を穿っておき、そのケース内にステータコアを収納するだけの簡単な操作で冷却液流路を形成でき、コストを低減できる。
上記の本願第1の特徴構成を備えた回転電機の冷却構造において、前記ケース側冷却液溝が、前記回転軸の周方向に沿って設けられる周方向冷却液溝であることが好ましい。この構成が、本願第2の特徴構成である。
この構成では、冷却液が流れる冷却液流路を、ステータコアの外径面と周方向冷却液溝との間に形成して、冷却液をステータコアの外周に、周方向に巡らせて、周方向の各部位を良好に冷却できる。
上記の本願第2の特徴構成を備えた回転電機の冷却構造において、前記ケース側冷却液溝として、前記回転軸の軸方向に沿って設けられる軸方向冷却液溝をさらに備えることが好ましい。この構成が、本願第3の特徴構成である。
この構成では、冷却液が流れる冷却液流路を、ステータコアの外径面と軸方向冷却液溝との間に形成して、冷却液をステータコアの外周、軸方向に巡らせて、軸方向の各部位を良好に冷却できる。さらに、周方向に形成される冷却液流路と軸方向に形成される冷却液流路とは交差するため、両流路間での冷却液の流通、混合を実現でき、冷却能が高い状態で、ステータコアの各部位を良好に冷却できる。
上記の本願第3の特徴構成を備えた回転電機の冷却構造において、ケースの外径側に回転軸の軸方向に沿って設けられ、電装品が配設される電装品配設空間と、前記ステータコアが配設されるステータコア配設空間とを連通接続する連通接続部で、前記周方向冷却液溝の一部が構成されることが、好ましい。この構成が、本願第4の特徴構成である。
この構成では、電装品配設空間とステータコア配設空間とを連通接続する連通接続部で周方向冷却液溝の一部が構成することで、別途目的で設けられている空間を利用し、周方向冷却液溝としても利用することで、冷却液を各所に行き渡らせ、回転電機の冷却を良好に行える。
さて、これまで説明してきた回転電機の冷却構造において、前記ステータコアの外径面に、前記回転軸の軸方向に沿ってコア側冷却液流路構成部が設けられることが、好ましい。この構成が、本願第5の特徴構成である。
この構成を採用すると、ケースの内径面とコア側冷却液流路構成部とにより、回転軸の軸方向に沿った冷却液流路を備えることができ、ケース側に穿たれる溝により形成される流体流路に加えて、回転軸の軸方向に沿った冷却液流路を備えることとなり、冷却液をステータコアの外周、軸方向に巡らせて、軸方向の各部位を良好に冷却できる。
このような、コア側冷却液流路構成部としては、これを積層状態にある鋼板を溶接により互いに接合するための溶接溝及びケースに対するステータコアの前記回転軸の周方向に於ける位置を決定するための位置決め部の何れか一方若しくは両方であるものとできる。この構成が、本願第6の特徴構成である。
この構成では、ステータコアに設けられる溶接溝或いは位置決め部の何れか一方若しくは両方を使用して、回転軸の軸方向に沿った冷却液流路を形成することができる。
結果、余分な溝等をステータコアに設けることなく、別の目的で設けられている機能部(溶接溝、位置決め部)を冷却の用に供することができる。
これまで説明してきた回転電機の冷却構造において、
前記ステータに備えられるコイルのコイルエンドが前記ステータコアの軸方向両端外側に配設され、前記冷却液流路に冷却液を供給するステータコア冷却液供給路と、前記コイルエンドに冷却液を供給するコイルエンド冷却液供給路とを、同一の冷却液源から備えた
構成とすることが好ましい。この構成が、本願第7の特徴構成である。
同一の冷却液源から供給される冷却液を利用しての、ステータコア冷却液供給路を介しての、本願独特の構成に従ったステータコアの冷却を実現できるとともに、コイルエンド冷却液供給路を設けることで、コイルエンドの冷却も行うことができる。
上記の本願第7の特徴構成を備えた回転電機の冷却構造において、前記回転軸の周方向に沿って設けられる周方向冷却液溝を複数備え、回転軸の軸方向において、ステータコア中央側の周方向冷却液溝の数が、ステータコアの端部側の周方向冷却液溝の数より大きく設定されていることが好ましい。この構成が、本願第8の特徴構成である。
この構成にあっては、周方向冷却液溝を複数備え、それらを回転軸の軸方向において分散して配置するのに、ステータコア中央側の周方向冷却液溝の数を、ステータコアの端部側の周方向冷却液溝の数より大きく設定することで、熱くなり易いステータコアの中央側を良好に冷却でき、ステータ全体として温度上昇が起きにくい回転電機を得ることができる。このような中央側が熱くなる状態は、コイルエンドの冷却を行う場合に発生し易いが、コイルエンドを良好に冷却する構造において、ステータコアの中央側を良好に冷却できる。
本願第7の特徴構成を備えた回転電機の冷却構造において、前記ロータに冷却液を供給するロータ冷却液供給路を、前記同一の冷却液源から備えることが好ましい。この構成が、本願第9の特徴構成である。
同一の冷却液源から供給される冷却液を利用しての、ステータコア冷却液供給路を介してのステータコアの冷却、コイルエンドの冷却に加えて、ロータ冷却液供給路を設けることで、ロータに冷却も行える。ロータに永久磁石を備える場合は、永久磁石を冷却液により冷却すると、その昇温に伴う劣化の防止も行うことができる。
本願第9の特徴構成を備えた回転電機の冷却構造において、前記ステータコア冷却液供給路、前記コイルエンド冷却液供給路と前記ロータ冷却液供給路との間で、各供給路に供給する冷却液の量を調節する冷却液供給量調節手段を設けることが好ましい。この構成が、本願第10の特徴構成である。
各冷却液供給路間での冷却液の供給量を冷却液供給量調節手段で調節することで、冷却液の各冷却液供給路間での調節を適切なものとできる。
これまで説明してきた回転電機の冷却構造において、前記ステータコアが前記ケースに、回転軸の径方向において焼き嵌めされていることが好ましい。焼き嵌めすることで、ステータコアをケースに確実に位置決めでき、同時に、比較的容易な手法で、冷却液流路を、本願提案に従って、確実に実現できる。
以下、本願に係る回転電機の冷却構造を採用した回転電機Mを図面に基づいて説明する。
図1は、本願に係る回転電機の冷却構造を採用した回転電機Mの回転軸Aに沿った断面図であり、図2は、回転電機Mの構成の概略を説明するための分解斜視図である。さらに、図3は、図1に於けるIII−III断面(a)とIV−IV断面(b)を示す図である。図3(a)と3(b)との間において、(a)にあっては、ケースMCの内径面とステータコアSCの外径面との間に周方向の冷却液流路が形成されていない。これに対して(b)にあっては、ケースMCの内径面とステータコアSCの外径面との間に周方向の冷却液流路が形成されている。
図4(a)(b)は、それぞれステータSに巻かれるコイルCのコイルエンドCEを冷却するための冷却液の供給構造を示す図である。図5は、ステータコアSC及びコイルエンドCEを冷却するための冷却液の供給構造を模式的に示した図である。一方、図6は、ロータRを冷却するための冷却液の供給構造を模式的に示した図である。
図1に示すように、回転電機Mは、円筒状のケース本体MC1内に、ステータSとロータRとが収納されて構成されており、ステータSはケース本体MC1に固定されるとともに、ロータRは、ケース本体MC1の両端開口を覆う左右一対のカバーMCL,MCRにより回転可能に支持される。
前記ロータRは、支持ベアリングBRGを介して、前記一対のカバーMCL,MCRに回転可能に支持される回転軸Aと、当該回転軸Aの中央側部位にリテーナRL,RR間に挟まれた状態で保持されるロータ本体R1を備えている。このロータ本体R1内には、後に詳細に説明するように回転軸Aの軸方向に延びる棒状の永久磁石PMが収納・配設されている。
回転軸Aは、その両端部位に他の伝導軸(図外)と連結するための連結部A1を備えており、回転電機Mが発生する駆動力を回転電機の外部に出力したり、例えば、内燃機関(エンジン:図外)により発生される駆動力を一方側から受け入れて自ら発生する駆動力を追加して他方側へ出力したり、回転電機Mにより発生される駆動力を使用して内燃機関の始動を行うことが可能となるように構成されている。さらに、回転電機に外部から伝達される駆動力により、当該回転電機Mがジェネレータとして働くことも可能とされている。
前記ステータSは、ケース本体MC1に固定されるステータコアSCを備えて構成されており、このステータコアSCに巻かれるコイルCのコイルエンドCEが、ステータコアSCの軸方向両端外側に位置される構成となっている。
図2からも判明する様に、ステータコアSCは、概略リング状の鋼板pを多数枚、回転軸Aの軸方向に積層して構成される。図3は、これら鋼板pを軸方向で見た図面となる。
各鋼板pは、その内径側に多数のティースtを備えて構成されている。このティースt間には、先に説明したコイルCが所定の状態で巻かれる。一方、各鋼板pの外径側には、積層状態にある多数の鋼板pを溶接により互いに接合するための溶接溝whが周方向に3箇所形成されているとともに、ケース本体MC1に設けられる位置決め溝phに挿入されて、鋼板pを回転軸Aの周方向で固定するための位置決め突部ppが周方向に2箇所形成されている。
前記溶接溝whは、鋼板pに、内径側に凹状となる溝として積層方向(回転軸の軸方向と同じ)において、その全領域(図2に示す最も下側に位置する鋼板pbから最も上側に位置する鋼板ptに到る領域)に渡って形成されている。さらに、図3からも判明するように、この溶接溝whは、互いに隣接して形成された一対の溝部wh1,wh2から成っている。
前記位置決め突部ppは、鋼板pの外径側に凸状に形成された突部として積層方向において、その全領域に渡って形成されている。
そして、図1に示すように、回転電機Mの回転軸Aに沿った断面視で、ステータコアSCの外径線は、回転軸Aに沿った直線を成す構成が採用されている。
このステータコアSCにはコイルC(ステータコイルと呼ばれる)が巻かれるが、このコイルCはワニス(図外)が含浸されて、絶縁状態で形状固定されている。更に、鋼板pと絶縁紙間にもワニスが含浸されて、ステータとコイル間の熱伝導率が向上され、放熱性が向上する。
ステータSの位置決めに関して説明すると、ステータSの回転軸Aの軸方向における位置は、ステータコアSCの一方の軸方向端部(図1に示す例では左側端部)をケースMCに設けられた座部MC4に当て付けることで位置決めされる構成が採用されている。この位置決めは、図1からも判明するように、ケース本体MC1に左カバーMCLを固定した状態で、ステータSをケースMC内に収納し、右カバーMCRをケース本体MC1に固定することで実現する。
一方、回転軸Aの径方向に関しては、ステータコアSCがケース本体MC1に焼き嵌めされることで、その位置が決まる。さらに、回転軸Aの周方向位置は、前記位置決め突部ppをケースMCに設けられた位置決め溝phに嵌め込むことで位置決めされる。
従って、本願に係る回転電機Mでは、ケースMCの内径面に、本願にいうケース側冷却液溝chが設けられた領域、ステータコア側に前記溶接溝whが形成された領域、或いは、前記位置決め突部ppが形成された領域を除いて、図3(a)に示すように、ステータコアSCの外径面がケースMCの内径面に直接接触する構造が採用されている。
以上が本願に係る回転電機の冷却構造を採用した回転電機Mの構造の概略であるが、以下、この回転電機Mに採用されている冷却液によるステータSの冷却構造、ロータRの冷却構造について説明する。
図1から判明するように、左カバーMCLには、その上面に冷却液の導入口in及びそれに連なる共通導入路ciが設けられており、この共通導入路ciから、冷却液を、ステータコアSCの外径部、左右のコイルエンドCE、ロータ本体MC1内に設けられた空隙H1、H2に供給して、ステータコアSC、両コイルエンドCE、さらにはロータRの冷却が可能とされている。
ステータコアの冷却
図1、図5に示すように、前記共通導入路ciから前記ステータコアSCの外径部には、冷却液を当該部位に供給するためのステータコア冷却液供給路scsが形成されている。このステータコア冷却液供給路scsは概ねケース本体MC1に設けられており、その基端側が前記共通導入路ciに連通されるとともに、ステータコアSCの外径部側に関しては、ケース本体MC1のほぼ中央部位に中央開口coを設けて、冷却液をステータコアSCの外径部に供給する構造が採用されている。
以上が、ステータコア外径部位までの冷却液の供給構造であるが、以下、ステータコアSC周りの冷却構造の詳細について説明する。本願にあっては、ステータコアSCの冷却を実現するのに、ケース本体MC1の内径面に外径側に凹に形成されたケース側冷却液溝chを穿ち、この冷却液溝chとステータコアSCの外径面との間に、冷却液が流れる冷却液流路を形成して、本願の目的を達成するものとしている。
ケース側冷却液溝
本実施形態では、ケース側冷却液溝chとして、回転軸Aの周方向に沿って設けられる7本の周方向冷却液溝chwが設けられるとともに、さらに、回転軸Aの軸方向に沿って設けられる上下2本の軸方向冷却液溝chaが冷却液の流通用に設けられるとともに、前記位置決め溝phがこの軸方向冷却液溝chとしても働く構成が採用されている。
図3(b)は、上記の周方向冷却液溝chwの形成状態を示したものであり、図1に於けるIV−IV断面にあっては、ステータコアSCの外径面とケース本体MC1の内径面との間に、冷却液流路を成す空間が、回転軸Aの全周に渡って連通して形成されていることが判る。
さらに、当該図3に示すように、ケースMCの左右方向下側部位には、電装品(図外)が収納配設される電装品配設空間EAが回転軸Aの軸方向に渡って形成されている。そして、当該電装品配設空間EAとステータコアSCが配設されるステータコア配設空間SCAとを連通接続する連通接続部が、周方向冷却液溝chwの一部とされる構成が採用されている。
さて、複数設けられる先に説明した周方向冷却液溝chwに関し、回転軸Aの軸方向におけるその分布に関して説明すると、図1から判明するように、ステータコア中央側の周方向冷却液溝chwの数が、ステータコアSCのコア端面側の周方向冷却液溝chwの数より大きく設定されている。結果、通常、特に、コイルエンド冷却を別途行う場合に、熱くなりやすいステータコアSCの中央側部位を良好に冷却することができる。
コア側冷却液流路構成部
本願にあっては、先にステータコアSCの構造について説明した溶接溝wh及び位置決め突部ppが、冷却液を回転軸Aの軸方向に導き、各周方向冷却液流路chwに分配する役割を果す。
即ち、本願に係るステータコアSCの外径面には、回転軸Aの軸方向に沿ってコア側冷却液流路構成部(具体的には溶接溝wh及び位置決め突部pp)が設けられ、このコア側冷却液流路構成部wh、ppが軸方向における分配の用を果す。図3(a)、図6からも判明するように、溶接溝whに関しては、ステータコアSCの外径が内径側に引退しているため回転軸Aの軸方向に連通する冷却液流路が、この溶接溝whにより形成される。一方、位置決め溝phと位置決め突部ppとの間に径方向の隙間が形成されるため、この隙間により回転軸Aの軸方向に連通する冷却液流路が形成される。
従って、上記構成から、図5に示すように、本願に係る回転電機Mでは、円筒状のステータコアSCを外囲して、複数の周方向の冷却液流路と軸方向の冷却液流路とが形成されるとともに、これらが交差して連通されて、冷却液がステータコアSCの外径面の各部位に行き渡るように構成されている。
さらに、周方向の冷却液流路は、上記コア側冷却液流路構成部wh、ppにより形成される軸方向の冷却液流路でも連通され、これらが交差して連通されて、冷却液がステータコアSCの外径面の各部位に行き渡るように構成されている。
コイルエンドの冷却
図1、図4、図5に示すように、前記共通導入路ciから左右のコイルエンドCEには、冷却液を当該部位CEに供給するための一対のコイルエンド冷却液供給路cesが形成されている。これらコイルエンド冷却液供給路cesも概ねケース本体MC1に設けられており、その基端側が前記共通導入路ciに連通されるとともに、コイルエンドCEの外径部側に関しては、左右のケースMCL,MCRそれぞれに設けられ、回転軸Aの軸方向において冷却液を分配する(本例では軸方向の3箇所に分配)分配部cel,cerを介して、コイルエンドCEの外形面(上面)に冷却液を分配流下させる構成が採用されている。先に説明したステータコア冷却液供給路scsと、左右一対のコイルエンド冷却液供給路cesとは、ケース本体MC1に独立に設けられた軸方向流路として構成されている。そして、右側のコイルエンド冷却液供給路cesは、右側に配置されるコイルエンドCEの上部にその分配部cerが設けられ、左側のコイルエンド冷却液供給路cesは、左側に配置されるコイルエンドCEの上部にその分配部celが設けられて、左右各コイルエンドCEに、外径側から冷却液を供給して、当該部位CEを冷却するものとなっている。
以上が、ステータSに関する冷却構造であるが、本回転電機Mにあっては、ロータRに関しても独特の冷却構造が採用されている。以下、このロータRの構造に関して説明するとともに、その冷却構造について説明する。
ロータの構造
先にも説明したように、ロータRは回転軸周りにロータ本体R1を備えて構成されており、ロータ本体R1はリテーナRL,RRに挟持される状態で回転軸Aに固定されている。図2、図3に示すように、ロータ本体R1は、積層鉄心であるロータコアRCと、そのロータコアRCの外周側部位に回転軸Aの軸方向にロータ本体全幅に渡って収納される棒状の永久磁石PMとを備えて構成されている。即ち、ロータコアRCに所定部位に永久磁石PMの磁石収納孔Hを形成し、当該磁石収納孔Hのそれぞれに永久磁石PMが収納されている。各永久磁石PMは、直方体形状とされており、回転軸Aに沿って配設される軸方向長さが最も長く構成されるとともに、回転軸Aを横断する断面形状に関し、一方の辺が他方の辺の3倍程度となる長方形形状とされている。本願にあっては、当該永久磁石PMに関して、回転軸Aの軸方向に伸びる各面を呼ぶのに、図6に示す断面で長方形形状の長い側の辺となり、永久磁石PMの各磁極S,Nが位置される面を磁極面psと呼び、断面で短い側の辺で、補極部CPに対向する面を補極面csと呼ぶ。
図3からも判明するように、このロータRにおける永久磁石PMの配置は独特の構造が採用されており、対となる永久磁石PMをV字状を成して配置したV字状磁石対を、中心軸Zの周方向に8組、均等に分散配置している。従って、永久磁石PMは合計16個がロータコアRCに収納されている。
V字状磁石対に関して、その配置をさらに詳細に説明すると、対を成す一対の永久磁石PMに関して、相対位置関係で近接する近接側の補極面csを径方向において内径側に位置させ、相対位置関係で離間する離間側の補極面csをそれぞれ外径側に位置させている。従って、この構造にあっては、V字の谷部が内径側に位置する。
さらに、対を成す一対の永久磁石PMに関して、それらの磁極N,Sに関して説明すると、近接して配置される磁極面ps(径方向で共に外径側に位置される磁極面)は、極性が同一とされており(図6に磁束分布を示す一対の永久磁石PMにあっては、共に、N極とされている)、離間して配置される磁極面ps(径方向で共に内径側に位置される磁極面)に関しても、その極性が同一とされている(図6に磁束分布を示す一対の永久磁石PMにあっては、共に、S極とされている)。
V字状磁石対間における、当該磁極面psにおける極性N,Sの配置は、周方向において隣接するV字状磁石対間で、磁極の配置は逆転するようにされている。即ち、図6において、磁束分布を図示したV字状磁石対にあっては、外径側にN極が配設されているのに対して、軸周方向において隣接するV字状磁石対にあっては、外径側に外径側にS極が配設されている。
これら一対の永久磁石PMとステータSとの間で、磁束は、図6に示すように、磁石トルクに関係する磁束分布は一点鎖線で示すように分布し、各永久磁石PMについて、一方の磁極面psを出てステータSのヨーク部Yを通って他の磁極面psに到る分布(図6にa1、a2で示す)となる。一方、リラクタンストルクに関係する磁束分布は二点鎖線で示すように分布し、V字状磁石対に関して、対となる一方の磁極面ps(N極もしくはS極)に沿って分布した後、当該一方の磁極面psの近傍部位からステータSに進入し、当該ステータSのヨーク部Yを通ってさらに元の磁極面psの近傍に戻る分布となる。図6に示すように、V字状磁石対を成す一対の永久磁石PMに関して、両永久磁石PMより外径側に位置する永久磁石近傍位置からステータS内を巡る分布(図6にb1で示す)と、両永久磁石PMより内径側に位置する永久磁石近傍位置からステータS内を巡る分布(図6にb2で示す)とが存在することとなる。
本件に係るロータコアRCにあっては、コア内に収納される永久磁石PMそれぞれについて、補極面csに隣接して、漏れ磁束を防止するための一対の空隙H1,H2がロータ本体R1の軸方向の全幅に渡って設けられている。従って、この空隙H1,H2は、その軸方向端においてリテーナRL,RRに接することとなっている。
この空隙H1、H2の形状について詳細に説明すると、この漏れ磁束防止用の空隙H1、H2は、永久磁石PMそれぞれについて、内径側に位置される内径側空隙H1と外径側に位置される外径側空隙H2との組み合わせとされている。
図6からの判明するように、両空隙H1,H2は共に、概略三角形を成すおむすび状に形成されている。
内径側空隙H1は、その一辺が永久磁石PMの補極面csとされ、内径側辺が直線状を成す永久磁石PMの磁極面psの延長線に沿った形状とされている。残りの一辺は、ロータコアRCの中心軸Zの位置と永久磁石PMの補極側端部c1(V字状に配設される一対の永久磁石PMに関して、断面視で、軸周方向において最も近接する端部(最近部位の一例)で、隣接するV字状磁石対間で、最も離間する端部)の位置とを連通する連結線(内径側連結線と呼び、図6にL1で示す)より永久磁石配設側に位置される辺で、その連結線L1に沿った辺とされている。この構成を採用することで、V字状磁石対を成す一対の永久磁石PMにおいて、漏れ磁束を抑制できる。
外径側空隙H2は、その一辺が永久磁石PMの補極面csとされ、外径側辺が円周状を成すロータコアRCの外周に沿った形状とされている。残りの一辺は、ロータコアRCの中心軸Zの位置と永久磁石PMの補極側端部c2(V字状に配設される一対の永久磁石PMに関して、断面視で、軸周方向において最も離間する端部で、隣接するV字状磁石対間で、最も近接する端部(最近部位の一例))の位置とを連通する連結線(外径側連結線と呼び、図6にL2で示す)より永久磁石配設側に位置される辺で、その連結線L2に沿った辺とされている。この構成を採用することで、隣接するV字状磁石対間の領域において、補極部を確保して磁束を確実にステータS側へ巡らすことができ、漏れ磁束を抑制できる。
さらに、図6に示すように、各V字状磁石対の径方向内径側位置には、外径側に三角の頂点を備えた断面視三角形の軽量化孔Hzが、ロータ本体R1の軸方向の全幅に渡って設けられている。
以上が、本例におけるロータRの構造の説明であるが、本願にあっては、先に説明した漏れ磁束防止用の空隙H1,H2を、ロータRの冷却用に使用する構成が採用されている。
ロータの冷却
以下、ロータRの収納される永久磁石PMの冷却について説明する。
図1に示すように、左リテーナRLから前記空隙H1,H2内に冷却液を導き、右リテーナRRへ排出させて、当該右リテーナRLの軸方向外側に放出させ、当該右リテーナRR側に位置するコイルエンドCEに内径側から冷却液を供給し、当該コイルエンドCEの内径面を冷却するように構成されている。
図1に示すように、先に説明した共通供給路ciから左リテーナRLを介して、前記空隙H1,H2に連通されるロータ冷却液供給路rsが設けられている。このロータ冷却液供給路rsは、共通供給路ciの内径側部位に軸方向に連通され、左カバーMCLの右側端面に開口する左カバー内流路rs1と、左カバーMCLに固定して設けられ、径方向内径側と外径側に位置される一対の円筒状の部材(内径側流路構成部材p1と外径側流路構成部材p2)からなり、前記左カバー内流路rs1の開口部と、左リテーナRLに設けられた冷却液受け入れ部とを接続する接続流路rs2と、リテーナ内流路rs3から構成されている。
前記接続流路rs2は、前記内径側流路構成部材p1と外径側流路構成部材p2との間において冷却液を受け入れて、左リテーナRL側において、外径側流路構成部材p2とロータRの回転軸Aの外径面との間に形成された円筒状導入路を経て、左リテーナRL内に冷却液を導入する構成が採用されている。
図1、図7に示すように、リテーナ内流路rs3は、外径側流路構成部材P2のリテーナ側端に設けられるリング状の内径側液溜め部r1と、外径側流路構成部材p2のリテーナ側端近傍で、当該部材の外径側に設けられる同じくリング状の外径側液溜め部r2とを備えて構成されている。
一方、左リテーナRLのロータコアRCに接する面には、前記空隙H1,H2にそれぞれ連通するリング状の内径側分配部t1と、同じくリング状の外径側分配部t2とが設けられている。そして、前記内径側液溜め部r1が前記内径側分配部t1に複数の内径側絞り路u1を介して、前記外径側液溜め部r2が前記外径側分配部t2に複数の外径側絞り路u2を介して連通接続されている。従って、共通供給路ciから前記内径側分配部t1及び外径側分配部t2に、個別に冷却液を導入することができる。
さらに、内径側絞り路u1及び外径側絞り路u2が設けられていることにより、分配部t1、t2側で、一定の冷却液量を確保することができる。
前記内径側分配部t1からは先に説明した内径側空隙H1に、前記外径側分配部t2からは先に説明した外径側空隙H2に、それぞれ冷却液が流入することとなる。
一方、図1に示すように、右リテーナRRのロータコアRCに接する面には、前記空隙H1,H2に共通に連通し、内径側空隙H1及び外径側空隙H2の両方から流れてきた冷却液が集合するリング状の集合部vが設けられている。この集合部vは、右リテーナRRの左側端面に設けられる、軸方向に薄い凹部とされており、内径側空隙H1と外径側空隙H2とを流れてきた冷却液が、ロータRの回転に伴って発生する遠心力により、集合部v外径側に付勢されることとなる。集合部vの外径側部位から右リテーナRRの右側端面に渡って冷却液を、右側のコイルエンドCEの内径面に放散するための冷却液放散路xが設けられている。
従って、前記内径側空隙H1及び外径側空隙H2を流れてロータコアを冷却した冷却液は、前記冷却液放散路xから右側のコイルエンドCEの内径面に放散され、右側のコイルエンドCEを冷却することができる。
さて、図1、図4、図5に示すように、これまで説明してきた冷却液の各部位への供給を適切に調節するために、ステータコア冷却液供給路scs、コイルエンド冷却液供給路cesとロータ冷却液供給路rsとの間で、各供給路scs,ces,rsに供給する冷却液の量を調節する冷却液供給量調節手段としての絞り部を形成するために、ステータコア冷却液供給路scs、コイルエンド冷却液供給路cesの流入路入口近傍部位(具体的にはケース本体MC1の左カバーMCLに接する左側端面)に、流路断面を規制する断面規制部材yが配設されている。結果、ロータ冷却液供給路rsに供給する冷却液量を適切に調節することができるようになっている。
[別実施形態]
(1) 上記の実施の形態にあっては、永久磁石PMをステータコアSC内に配設するに一対の直方体形状の永久磁石PMを回転軸Aに直交する断面においてV字状を成すように配設するとともに、対を成す永久磁石PMの補極面csに接して内径側空隙H1及び外径側空隙H2を形成した。
上記の構成は、一対の永久磁石PMをV字状に配設する場合において適切な構成であるが、良く知られているように、複数の永久磁石PMを径方向の所定位置(できるだけ外径側に)に、永久磁石PMの間に補極部CPを形成して周方向に周回して配設してもよい。このような例を図8に示した。
図8からも判明するように、このロータRにおける永久磁石PMの配置は、各永久磁石PM間に補極部CPを構成するものであり、永久磁石PMを中心軸Zの周方向に8組、均等に分散配置している。従って、永久磁石PMは同数8個がロータコアRCに収納されている。この例の場合は、磁極面psはほぼ周方向に配置される。そして、磁極面psにおける極性N,Sの配置は、周方向において隣接する永久磁石PM間で、磁極の配置は逆転するようにされている。
本願にあっては、漏れ磁束を防止するために空隙を冷却液の流通用に使用するが、この例では、永久磁石PMの補極面csに接して形成する空隙H3は、以下のように形成する。
この実施形態でも、空隙H3は概略三角形を成すおむすび状に形成する。
さらに詳細には、空隙H3は、その一辺が永久磁石PMの補極面csとされ、外径側辺が永久磁石PMの外径側に位置する磁極面psの延長に沿った形状とされている。残りの一辺は、ロータコアRCの中心軸Zの位置と永久磁石PMの内径側に位置する補極側端部c3(周方向に配設される隣接した永久磁石PMに関して、断面視で、軸周方向において最も近接する端部(最近部位の一例))の位置とを接続する連結線(図8にL3で示す)より永久磁石配設側に位置される辺で、その連結線L3に沿った辺とされている。この構成を採用することで、隣接する永久磁石間の領域において、磁束を確実にステータS側へ巡らすことができ、漏れ磁束を抑制できる。
さらに、図8に示すように、この例でも、永久磁石間の径方向内径側位置には、外径側に三角の頂点を備えた断面視三角形の軽量化孔Hzが、ロータ本体R1の軸方向の全幅に渡って設けられている。
このように永久磁石PMを配置させる構成でも、前記空隙H3を冷却液の流通路とすることができる。そして、この構造の回転電機においても、以上説明したステータコアの冷却手法を採用することができる。
また永久磁石PMの配置構成として、図8に示すような複数の永久磁石PMを径方向のできるだけ外径側に、永久磁石PMの間に補極部CPを形成して周方向に周回して配設する配置構成に加え、これら永久磁石PMの内径側に、図6に示すように一対の永久磁石PMをV字状に配置して、合計3個の永久磁石PMからなる組を、周方向に周回して配置してもよい。
(2) 上記の実施の形態にあっては、冷却液を左カバー側から供給する例を示したが、冷却液の供給側としては、左カバー、右カバーを特定するものではなく、いずれのカバー側から供給してもよい。
(3) 上記の実施の形態にあっては、ステータの冷却とロータの冷却とをともに行うことができる例を示したが、ステータ側のみの冷却を行える構造としてもよい。
(4) 上記の実施の形態にあっては、ステータコアの冷却に加え、コイルエンドの冷却とロータの冷却とをともに行うことができる例を示したが、ステータコアの冷却に加え、コイルエンド側のみ或いはロータ側のみの冷却を行える構造としてもよい。
(5) 上記の実施の形態にあっては、冷却液として、ベアリングの潤滑をも行える潤滑油を冷却液として使用する例を示したが、本願にあっては、少なくともステータコアの冷却を実現できればよいため、ステータコア用に別の冷却液を流す構造を採用してもよい。
(6) 上記の実施の形態にあっては、図1から判明するように、冷却液の導入口inから、ステータコアSCの外径部、左右のコイルエンドCE、ロータ本体MC1内に設けられた空隙H1、H2への供給に関して、それぞれ単一のケース本体MC1,左カバーMCLを使用して、所定部位に冷却液を供給するものとした。しかしながら、例えば、ケース本体を複数の部材から構成し、その一の部材を冷却液供給路を形成するための専用の部材としてもよい。このように冷却液供給路を形成するための専用の部材を設けてもよいのはカバーに関しても同様である。
ステータコアを冷却液により直接冷却することで比較的冷却能が高く、品質が安定し、組み立てが容易でコスト高を招来しない回転電機の冷却構造を得ることができた。
本願に係る回転電機の冷却構造の回転軸に沿った断面図 本願に係る回転電機の冷却構造の分解斜視図 図1におけるIII−III断面図(a)及びIV−IV断面図(b) 左及び左のコイルエンド外径部位に対する冷却液供給路を示す回転軸に沿った断面図 ステータコア周りに冷却液を供給する供給構造の模式図 本願に係る永久磁石の配設構造を採用した場合の磁束分布を示す説明図 ロータに冷却液を供給する供給構造の模式図 本願に係る永久磁石の配設構造の別実施形態を示す図
符号の説明
CE コイルエンド
CP 補極部
ch ケース側冷却液溝
EA 電装品配設空間
H 磁石収納孔
H1 内径側空隙
H2 外径側空隙
M 回転電機
MC ケース
PM 永久磁石
ps 磁極面
cs 補極面
S ステータ
SC ステータコア
p 鋼板
wh 溶接溝(コア側冷却液流路構成部)
pp 位置決め凸部(コア側冷却液流路構成部)
R ロータ
scs ステータコア冷却液供給部
ces コイルエンド冷却液供給部
cer 分配部
cel 分配部
rs ロータ冷却液供給部

Claims (11)

  1. ステータとロータとを備え、前記ステータを成すステータコアが鋼板を積層した積層構造体とされるとともに、前記ステータコアの外径面がケースの内径面に接触されて、前記ステータコアが前記ケースに固定されるステータを冷却液により冷却する回転電機の冷却構造であって、
    回転電機の回転軸に沿った断面視で、前記ステータコアの外径線が前記回転軸に沿った直線を成す構成を採用するとともに、前記ケースの内径面に外径側に凹のケース側冷却液溝を穿ち、前記冷却液溝と前記ステータコアの外径面とで、前記冷却液が流れる冷却液流路を形成した回転電機の冷却構造。
  2. 前記ケース側冷却液溝が、前記回転軸の周方向に沿って設けられる周方向冷却液溝である請求項1記載の回転電機の冷却構造。
  3. 前記ケース側冷却液溝として、前記回転軸の軸方向に沿って設けられる軸方向冷却液溝をさらに備えた請求項2記載の回転電機の冷却構造。
  4. ケースの外径側に回転軸の軸方向に沿って設けられ、電装品が配設される電装品配設空間と、前記ステータコアが配設されるステータコア配設空間とを連通接続する連通接続部で、前記周方向冷却液溝の一部が構成される請求項3記載の回転電機の冷却構造。
  5. 前記ステータコアの外径面に、前記回転軸の軸方向に沿ってコア側冷却液流路構成部が設けられる請求項1〜4の何れか一項記載の回転電機の冷却構造。
  6. 前記コア側冷却液流路構成部が、積層状態にある鋼板を溶接により互いに接合するための溶接溝及びケースに対するステータコアの前記回転軸の周方向に於ける位置を決定するための位置決め部の何れか一方若しくは両方である請求項5記載の回転電機の冷却構造。
  7. 前記ステータに備えられるコイルのコイルエンドが前記ステータコアの軸方向両端外側に配設され、前記冷却液流路に冷却液を供給するステータコア冷却液供給路と、前記コイルエンドに冷却液を供給するコイルエンド冷却液供給路とを、同一の冷却液源から備えた請求項1〜6の何れか一項記載の回転電機の冷却構造。
  8. 前記回転軸の周方向に沿って設けられる周方向冷却液溝を複数備え、回転軸の軸方向において、ステータコア中央側の周方向冷却液溝の数が、ステータコアの端部側の周方向冷却液溝の数より大きく設定されている請求項7記載の回転電機の冷却構造。
  9. 前記ロータに冷却液を供給するロータ冷却液供給路を、前記同一の冷却液源から備えた請求項7記載の回転電機の冷却構造。
  10. 前記ステータコア冷却液供給路、前記コイルエンド冷却液供給路と前記ロータ冷却液供給路との間で、各供給路に供給する冷却液の量を調節する冷却液供給量調節手段を設けた請求項9記載の回転電機の冷却構造。
  11. 前記ステータコアが前記ケースに、回転軸の径方向において焼き嵌めされている請求項1〜10の何れか一項記載の回転電機の冷却構造。
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