JP2009021685A - 定電流源回路及び差動増幅装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動用の電流を供給する基準電流源11と、その基準電流源11から供給された電流を折り返して、その電流を差動増幅回路2に供給するカレントミラー回路12とを備え、カレントミラー回路12と差動増幅回路2の間に抵抗R3を配置する。これにより、高周波領域でも、定電流源部12aの出力インピーダンスを確保して、差動増幅回路2の同相信号除去比CMRRの低下を抑えることができる。
【選択図】図1
Description
抵抗R1,R2とトランジスタQ4,Q5からなる差動増幅回路は、定電流源回路から供給される電流によって駆動され、入力端子Vinp,Vinnから入力される信号を増幅し、増幅後の信号を出力端子Voutp,Voutnから出力する。
即ち、定電流源回路の基準電流源ISから出力される電流が、トランジスタQ1,Q2,Q3からなるカレントミラー回路で折り返され、カレントミラー回路内の定電流源部から差動増幅回路におけるトランジスタQ4,Q5のエミッタに供給されることにより、差動増幅回路のトランジスタQ4,Q5が動作して、入力端子Vinp,Vinnから入力される信号を増幅し、増幅後の信号を出力端子Voutp,Voutnから出力する。
なお、カレントミラー回路内の定電流源部から差動増幅回路に供給される電流の値は、トランジスタQ1とトランジスタQ3のサイズ比によって決定される。
一般的に、REEは大きく、CEは小さいため、低周波領域では、CEを無視することができるため、DCや低周波領域においては、定電流源部の出力インピーダンスは非常に大きいと考えることができる。
このため、差動増幅回路の同相信号除去比CMRRも非常に大きくなる。
また、入力をシングルエンド、出力を差動とするシングルエンド−差動変換器としても使用することもできる。
しかし、図7の差動増幅回路を高周波領域で動作させる場合、CEの影響を無視することができなくなるため、定電流源部の出力インピーダンスが低下する問題が生じる。
定電流源部の出力インピーダンスの低下は、差動増幅回路の同相信号除去比CMRRの低下につながるため好ましくない。
差動増幅回路の同相信号除去比CMRRは、下記に示すような差動利得Adと同相利得Acの比|Ad/Ac|で表される。
Ad=(Voutp−Voutn)/(Vinp−Vinn)
Ac=(Voutp+Voutn)/(Vinp+Vinn)
トランジスタQ4,Q5の相互コンダクタンスをgm、R1=R2=Rcとすると、差動利得Adは、以下の通りとなる。
Ad=gm・Rc
また、同相利得Acは、トランジスタQ4,Q5のベース電流を無視して計算すると、以下の通りとなる。
Ac=(gm・Rc)/(1+2REE・gm)
以上より、低周波領域での同相信号除去比CMRRは、以下のように表される。
CMRR=|1+2gm・REE|
一般に、REEは数MΩ以上の大きな値であるため、低周波領域での同相信号除去比CMRRも非常に大きくなる。
CMRR=|1+2gm・REE/(1+jω・CE・REE)|
≒|1+2gm/jωCE|
このように、高周波領域においては、定電流源部の出力インピーダンスが低下し、結果として、同相信号除去比CMRRが低下することになる。
図8に示すように、周波数が上がるほど同相利得Acが高くなり、差動利得Adと同相利得Acの差である同相信号除去比CMRRが小さくなっていくことが分かる。
なお、トランジスタQ1,Q3のエミッタとGND間に抵抗を挿入する構成も一般的に用いられるが、この場合も、トランジスタQ3のエミッタとGND間の寄生容量CEの影響をなくすことができないため、上述した通り、高周波領域で同相信号除去比CMRRが劣化する特性となる。
しかし、依然として、新しく挿入したトランジスタとGND間に容量が存在しているため、高周波領域におけるインピーダンスの低下は避けられない。
図1はこの発明の実施の形態1による差動増幅装置を示す構成図であり、図1の差動増幅装置は、定電流源回路1と差動増幅回路2から構成されている。
図において、定電流源回路1は基準電流源11とカレントミラー回路12から構成されている。
差動対である差動増幅回路2は抵抗R1,R2とトランジスタQ4,Q5から構成されている。
定電流源回路1のカレントミラー回路12はトランジスタQ1,Q2,Q3から構成されており、基準電流源11から供給された電流を折り返して、その電流を差動増幅回路2に供給する。
カレントミラー回路12の定電流源部12aを構成しているトランジスタQ3のコレクタには抵抗R3の一端が接続され、その抵抗R3の他端が、差動増幅回路2を構成しているトランジスタQ4,Q5のエミッタと接続されている。
図1では、トランジスタQ1〜Q5はNPNトランジスタで構成されているものとするが、MOSトランジスタで置き換えることも可能である。
また、差動増幅回路2の抵抗R1,R2を能動負荷とすることもできる。
カレントミラー回路12の定電流源部12aを構成しているトランジスタQ3の等価回路を、図7と同様に、トランジスタQ1とトランジスタQ3のサイズ比で決まる電流IEEと、インピーダンスREE,CEで表すと、定電流源部12aの出力インピーダンスは、下記のように表される。
R3+REE/(1+jω・CE・REE)
CMRR=|1+2gm・(R3+REE/(1+jω・CE・REE))|
したがって、仮に角周波数ωを無限大としても、同相信号除去比CMRRは、1+2gm・R3となり、CEの影響を受けずに一定の値を保つことができる。
図8のシミュレーション例と比べると、低周波領域の同相信号除去比CMRRはほぼ等しいが、高周波領域での同相信号除去比CMRRが改善されていることが分かる。
図2はこの発明の実施の形態2による差動増幅装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
カレントミラー回路12の定電流源部12aを構成しているトランジスタQ3のコレクタにはインダクタL1の一端が接続され、そのインダクタL1の他端が、差動増幅回路2を構成しているトランジスタQ4,Q5のエミッタと接続されている。
これに対して、インダクタL1を配置する場合、インダクタL1によるDC電圧降下は微小であるため、影響を考慮しなくてよく、電源電圧を下げる場合などに有効である。
インダクタL1の効果により、ある周波数範囲で定電流源部12aの出力インピーダンスを上げ、差動増幅回路2の同相信号除去比CMRRを上げることができる。
インダクタL1のインダクタンスを調節することにより、同相信号除去比CMRRを上げたい周波数を選択することができる。
ある周波数で同相利得Acが下がり、同相信号除去比CMRRが改善されていることが分かる。
図3はこの発明の実施の形態3による差動増幅装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
カレントミラー回路12の定電流源部12aを構成しているトランジスタQ3のコレクタには、インダクタL1とコンデンサC1が並列に接続されている並列共振回路の一端が接続され、その並列共振回路の他端が、差動増幅回路2を構成しているトランジスタQ4,Q5のエミッタと接続されている。
これに対して、インダクタL1とコンデンサC1からなる並列共振回路を配置する場合、インダクタL1及びコンデンサC1によるDC電圧降下は微小であるため、影響を考慮しなくてよく、電源電圧を下げる場合などに有効である。
また、共振周波数をインダクタL1とコンデンサC1の組み合わせで選択することができるため、例えば、インダクタL1を小さくしたい場合などに有効である。
インダクタL1とコンデンサC1の共振周波数付近で同相利得Acが下がり、同相信号除去比CMRRが改善されていることが分かる。
上記実施の形態1〜3では、定電流源回路1が駆動用の電流を差動増幅回路2に供給するものについて示したが、例えば、ギルバート形乗算回路など、他の構成による差動回路に電流を供給するようにしてもよく、同様の効果を奏することができる。
また、トランジスタQ1〜Q5として、バイポーラトランジスタを用いているものを示したが、これに限るものではなく、他の構造の能動素子(例えば、FET)を用いるようにしてもよい。この場合も同様の効果を奏することができる。
Claims (6)
- 駆動用の電流を供給する基準電流源と、上記基準電流源から供給された電流を折り返して、その電流を差動対に供給するカレントミラー回路とを備えた定電流源回路において、上記カレントミラー回路と上記差動対の間に抵抗を配置していることを特徴とする定電流源回路。
- 駆動用の電流を供給する基準電流源と、上記基準電流源から供給された電流を折り返して、その電流を差動対に供給するカレントミラー回路とを備えた定電流源回路において、上記カレントミラー回路と上記差動対の間にインダクタを配置していることを特徴とする定電流源回路。
- 駆動用の電流を供給する基準電流源と、上記基準電流源から供給された電流を折り返して、その電流を差動対に供給するカレントミラー回路とを備えた定電流源回路において、上記カレントミラー回路と上記差動対の間に、インダクタとコンデンサが並列に接続されている並列共振回路を配置していることを特徴とする定電流源回路。
- 駆動用の電流を供給する基準電流源と、上記基準電流源から供給された電流を折り返すカレントミラー回路と、上記カレントミラー回路により折り返された電流により駆動されて、信号を増幅する差動対とを備えた差動増幅装置において、上記カレントミラー回路と上記差動対の間に抵抗を配置していることを特徴とする差動増幅装置。
- 駆動用の電流を供給する基準電流源と、上記基準電流源から供給された電流を折り返すカレントミラー回路と、上記カレントミラー回路により折り返された電流により駆動されて、信号を増幅する差動対とを備えた差動増幅装置において、上記カレントミラー回路と上記差動対の間にインダクタを配置していることを特徴とする差動増幅装置。
- 駆動用の電流を供給する基準電流源と、上記基準電流源から供給された電流を折り返すカレントミラー回路と、上記カレントミラー回路により折り返された電流により駆動されて、信号を増幅する差動対とを備えた差動増幅装置において、上記カレントミラー回路と上記差動対の間に、インダクタとコンデンサが並列に接続されている並列共振回路を配置していることを特徴とする差動増幅装置。
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2007
- 2007-07-10 JP JP2007181090A patent/JP2009021685A/ja active Pending
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