JP2009021014A - 高温作動型燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】停電や、停電と燃料遮断とが同時に生じた場合であっても、高温の燃料極に空気が進入して、酸化を進行せしめ、劣化、破損を惹起してしまうことを防止出来る様な高温作動型燃料電池システムの提供。
【解決手段】燃料電池(1)と、燃料供給手段(2)と、空気供給手段(3)とを備え、燃料供給手段(2)は、原燃料供給手段(4)と、原料供給手段(4)と燃料電池(1)との間に配置された気化器(6)と、気化器(6)に水を供給する給水手段(ポンプ5)とを備えており、気化器(6)と給水手段(5)との間には貯水タンク(7)が介装され、貯水タンク(7)には水蒸気パージ弁(8)が取り付けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池、特に固体酸化物形燃料電池(SOFC)や溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)の様な高温作動型燃料電池において、緊急時に停止するための技術に関する。
図3において、全体を符号200で示す従来の高温作動型燃料電池システムは、燃料電池1と、燃料供給手段2と、空気供給手段3と、パージ用不活性ガス供給手段80とを備えている。
燃料電池1は、全体が中空円筒形状に構成されている。燃料電池1の円筒形の中空部分は燃料極1aとして作用し、円筒形の外周部(外側)は空気極1cとして作用する。
燃料供給手段2は、原燃料供給手段4と、給水ポンプ5と、気化器6と、燃料供給管20とを備えている。
気化器6は、燃料供給管20において、原燃料供給手段4と燃料電池1との間の領域に介装されている。
給水ポンプ5と気化器6とは、給水管Lwによって連通している。
原燃料供給手段4は、例えば都市ガスが燃料ガスの場合には、都市ガスの本管に接続している。そして、原燃料供給手段4から供給される燃料ガスは、燃料供給管20を介して、燃料電池1に供給される。
給水ポンプ5は、改質用の水を供給する部材であり、給水管Lwを介して気化器6に水を供給する。
給水ポンプ5から供給された改質用の水は、気化器6において気化して水蒸気となる。そして、原燃料供給手段4から供給された燃料ガスと、気化器6で発生した水蒸気とが混合される。
空気供給手段3は、燃料電池1に空気を供給する部材である。
空気供給手段3は、空気供給管Laにより、空気極1cと接続されている。
パージ用不活性ガス供給手段80は、不活性ガス供給装置82と、開閉弁84を介装した不活性ガス供給管86とで構成されている。
不活性ガス供給管86は、燃料供給管20における原燃料供給手段4と気化器6との間に連通している。パージ用不活性ガス供給手段80は、停止時における危険防止のために、燃料供給手段2における空気と燃料ガスを追い出すべく、パージ用不活性ガスを燃料供給手段2の燃料供給管20へ供給する。
高温作動型燃料電池システム200を停止させる際に、燃料電池1の燃料極1aに空気が進入すると、特に雰囲気温度が高温の場合には、著しく酸化が進行し、燃料電池1が劣化、破損する。
係る酸化、劣化、破損を防止するために、パージ用不活性ガスを燃料電池1(特に燃料極1a)に充填し、燃料極1aに空気が進入するのを防止している。
パージ用のガスとしては、例えば窒素ガス、希ガス等の不活性ガスが用いられる(特許文献1参照)。そして、パージ用不活性ガス供給手段80としては、ボンベ等に不活性ガスを貯蔵する装置(不活性ガス供給装置)82が用いられる。
しかし、係る装置(ボンベ等を用いた装置)82を使用した場合には、高温作動型燃料電池システム200全体が大型化してしまうという問題がある。
また、ボンベ交換等の煩雑なメンテナンスが必要になってしまう。
さらに、希ガスは一般に高価であるため、係る希ガスをパージ用不活性ガスとして使用する場合には、高温作動型燃料電池システム200の導入コストを増加させ、発電コストの上昇を惹起するという問題が存在する。
それに加えて、図3で示す従来の高温作動型燃料電池システム200において、通常時における運転停止に際しては、予め設定された停止シーケンスに従って、燃料電池1の燃料極1aに空気が進入するのを防止して、上述した酸化、劣化、破損が生じないようにしている。
それに対して、地震や停電の様な緊急時には、その様な停止シーケンスに従って停止することが出来ず、燃料電池1の燃料極1aに空気が進入してしまうので、酸化、劣化、破損してしまう恐れが存在するのである。
その他の従来技術として、例えば、不活性ガスを充填したパージ用不活性ガス供給手段(ボンベ)を具備すると共に、燃料ラインに水蒸気を充填するシステムをも有する燃料電池システムが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、係る燃料電池システム(特許文献2)では、電気的な制御を前提としているので、急な停電が発生した場合には、予め定めた停止シーケンスを実行できず、高温の燃料極に空気が進入して、酸化を進行せしめ、劣化、破損を惹起してしまう不都合が存在する。
燃料電池で発電した電気を用いて制御することが可能であったとしても、停電と燃料遮断とが同時に生じた場合には、燃料が遮断されているため、燃料電池システムで発電することが出来ず、商用電源も使用できないため、緊急停止のための制御を行うことが不可能である。
特開2004−296397号公報 特開2006−66244号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、ボンベなどの不活性ガス貯蔵装置を必要とせず、急な停電や、停電と燃料遮断とが同時に生じた場合であっても、高温の燃料極に空気が進入して、酸化を進行せしめ、劣化、破損を惹起してしまうことを防止出来る様な高温作動型燃料電池システムの提供を目的としている。
本発明の高温作動型燃料電池システムは、燃料電池(1)と、燃料供給手段(2)と、空気供給手段(3)とを備え、燃料供給手段(2)は、原燃料供給手段(4)と、原料供給手段(4)と燃料電池(1)との間に配置された気化器(6)と、気化器(6)に水を供給する給水手段(ポンプ5)とを備えており、気化器(6)と給水手段(5)との間には貯水タンク(7)が介装され、貯水タンク(7)には水蒸気パージ弁(8)が取り付けられており、水蒸気パージ弁(8)は通電時には閉鎖されているが非通電時には大気側に開放する様に構成されており、貯水タンク(7)内の水面が気化器(6)よりも上方へ位置する様に貯水タンク(7)が配置されていることを特徴としている(請求項1)。
本発明において、気化器(6)に対する貯水タンク(7)の水面の高さhは、
h≧32(ρ/ρ)(ν・l/g)(dcell /dvent )(D/x
なる式で示され、この式において、
ρは水蒸気の密度、ρは水の密度、lは絞り部流路長、dventは絞り部ガス流路直径、dcellはセルアノード電極ガス流路直径、νは水蒸気の動粘性係数、gは重力加速度、Dは水蒸気と空気の相互拡散係数、xはアノード電極内空気拡散距離であるのが好ましい(請求項2)。
上述する構成を具備する本発明によれば、停電により燃料電池(1)に供給するべき燃料或いは水が遮断された場合に、水蒸気パージ弁(8)が開放し貯水タンク(7)は大気と連通するので、大気圧が保持される。そのため、貯水タンク(7)内部は大気圧となる。
ここで、貯水タンク(7)内に貯蔵された水の水面が気化器(6)よりも上方(図1において符号「h」)へ位置する様に配置されており、貯水タンク(7)内部の水は、気化器(6)よりも上方に存在する。そのため、気化器内部の燃料ガスが無くなり、気化器内部圧力が水の重力よりも低下すると、貯水タンク(7)内部の水は、下方に位置している気化器(6)に降下(滴下)する。
貯水タンク内部の水が気化器(6)に滴下されると、気化器(6)内部の熱により、当該滴下された水は気化して水蒸気となる。水蒸気が発生することにより、気化器(6)内部の圧力が上昇する。そして、気化器(6)内部で発生した水蒸気が燃料極(1a)側に流れて、燃料極(1a)を水蒸気雰囲気に保持する。
すなわち、停電時には、燃料極(1a)が高圧に保たれ、且つ、燃料極(1a)は水蒸気雰囲気に保持されるので、空気が燃料極(1a)内に進入する事が防止される。
本発明によれば、貯水タンク(7)内の全水量が気化器(6)に移動し、蒸発するまで、燃料極(1a)には空気が進入しない状態が維持される(燃料電池のパージが行われる)。
ここで、本発明による燃料電池のパージは、貯水タンク(7)が気化器(6)よりも上方にあるために作用する重力と、気化器(6)に残存する熱量とにより行われ、外部からの動力の供給は全く不要である。そのため、停電時において、燃料や水の供給が遮断されても、燃料電池(1)のパージを確実に実行して、燃料電池(1)の酸化、劣化、破損を防止することが出来る。
もちろん、燃料電池(1)への燃料或いは水の遮断と停電とが同時に生じたとしても、本発明によれば、気化器(6)から水蒸気が発生して燃料電池(1)のパージを確実に実行するので、燃料電池(1)の酸化、劣化、破損を防止することが出来る。
以下、添付図面の図1を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1において、図3と同様な部材については、図3と同様な符号を付して説明する。
図1において、全体を符号100で示す高温電池作動型燃料電池システムは、燃料電池1と、燃料供給手段2と、空気供給手段3とを備えている。
燃料電池1は、全体が中空円筒形状に構成されている。燃料電池1の円筒形の中空部分1aは、燃料ガスが流れる部分であり燃料極1aとして作用し、円筒形の外周部(外側:以下、「空気極」と記載する)1cには空気が流れる。
燃料電池1で使用されなかった燃料は、図1の符号1eの部分で空気と混じって燃焼する。
なお、図1では説明を簡略化するために、燃料電池1を1つのみ示しているが、実際には、燃料電池1が複数本装備されている場合もある。
燃料供給手段2は、原燃料供給手段4と、気化器6と、燃料供給管20と、給水ポンプ5とを備えている。気化器6は、燃料供給管20において、原燃料供給手段4と燃料電池1との間の領域に介装されている。
燃料供給管20における気化器6と燃料電池1との間の領域には、絞り部(以下、「オリフィス」と記載する)22が形成されている。
オリフィス22については、後述する。
給水ポンプ5と気化器6とは、給水管Lwによって連通している。給水管Lwには、貯水タンク7が介装されている。貯水タンク7には、水蒸気パージ弁8が取り付けられている。
水蒸気パージ弁8は、電力が供給されている場合(通電磁)には(大気側に)閉じており、電力が供給されていない場合(非通電時)には大気側に開放される様に構成されている。換言すれば、水蒸気パージ弁8は、いわゆるノルマルオープンタイプに構成されている。
原燃料供給手段4からは、燃料供給管20を介して、燃料ガス(例えば都市ガス)が燃料電池1に供給される。給水ポンプ5は、改質用の水を貯水タンク7に供給する。
貯水タンク7は、貯水タンク7内の水面が、気化器6よりも上方に位置するように配置されている。図1、図2において、貯水タンク7内の水面と気化器6との垂直方向位置(高さ)の差は、符号「h」で示されている。
気化器6では、貯水タンク7から供給される水を気化して水蒸気にせしめ、その水蒸気を燃料供給管20から供給される燃料ガスと混合している。
空気供給手段3は、空気供給管Laを介して、燃料電気1の空気極1cと連通しており、空気極1cに空気を供給するように構成されている。
気化器6と燃料電池1とを連通する領域は、ケーシング9で囲まれている。
気化器6の下方にはドレンラインLdが接続され、気化器6内に溜まった水をケーシング9外に排出するように構成されている。ケーシング9外のドレンラインLdには、ドレンバルブ10が介装されている。ドレンバルブ10は、ドレン抜き以外では、閉鎖されている。
上述した様に、燃料電池システムでは、(例えば地震の場合等において)燃料の供給が停止され、燃料極に空気が侵入することを防止する必要がある。燃料極に空気が侵入すると、特に燃料電池が高温の場合には、酸化が著しく、劣化、破損が進行するからである。そして、燃料極に空気が入らないようにするため、パージする必要がある。
図示の実施形態においては、従来技術で用いられているパージ用不活性ガス供給手段(図3の符号80を参照)は存在しない。
給水ポンプ5から気化器6までの間の部材(貯水タンク7及び水蒸気パージ弁8)が、図示の実施形態に係る発明の特徴的な部分である。
そして、給水ポンプ5から気化器6までの間の部材(貯水タンク7及び水蒸気パージ弁8)が、図示の実施形態において、燃料極1aに空気が入らない様にパージを行う構成である。
図1で示す高温電池作動型燃料電池システム100において、通常の運転では、図3で示す従来技術と同様な運転が行われる。
通常運転では、原燃料供給手段4から燃料供給管20を介して、燃料ガス(例えば都市ガス)が、燃料電池1に供給される。また、通常の給水状態(通電時)では、蒸気パージ弁8は閉じており、給水ポンプ5から供給された改質用の水は、貯水タンク7を経由して、そのまま気化器6内に進入する。
気化器6では、給水ポンプ5から供給された改質用の水が気化して水蒸気となり、原燃料供給手段4から供給された燃料ガスと水蒸気とが混合される。燃料ガスと水蒸気との混合ガスは、燃料電池1の燃料極1aに流入する。一方、空気供給手段3から供給された空気は、空気供給ラインLaを経由して、燃料電池1の空気極1cに流入する。
停電時には、給水ポンプ5が停止して、外部から高温作動型燃料電池システム100には水が供給されない。
また、停電時には、例えば燃料ガスの都市ガスの場合であれば本管側で供給を停止するので、燃料ガスは燃料供給手段4に供給されず、高温作動型燃料電池システム100に対する燃料供給は停止する。
ここで、停電時において、高温作動型燃料電池システム100に対する水及び燃料の供給が停止した場合に、燃料電池1の燃料極終端部分1eから、燃料極1aに空気が進入してしまう可能性がある。
しかし、図示の実施形態では、以下に述べる様に、気化器6内部で水蒸気を発生して、燃料極内の空気をパージすることが出来る。
図示の実施形態によれば、停電時には水蒸気パージ弁8が開放され、貯水タンク7内部は外部と連通するので、貯水タンク7内の圧力は大気圧が保持される。
ここで、図1において符号「h」で示されている様に、貯水タンク7内部に貯えられた水のレベルは、気化器6に対して、常に上方に位置している。
停電時において、燃料供給手段4から燃料ガスが供給されなくなり、給水ポンプ5が停止すると、気化器6内部の残留燃料が燃料電池1へ少しずつ流れて行き、気化器6内部の圧力が徐々に低下する。
上述した様に、停電した場合には蒸気パージ弁8は大気に開放されているので、気化器6内部圧力と大気圧の差が水の重力よりも小さくなると、外部から動力を供給しなくても、貯水タンク7内の水は気化器6に移動或いは落下(滴下)する。貯水タンク7内の水が気化器6内に落下すると、気化器6内部の熱により、直ちに気化して水蒸気が発生する。水蒸気の発生により、気化器6内部の圧力は上昇する。
気化器6内部の圧力が昇圧すると、気化器6で発生した水蒸気は燃料極1a側に流れて、燃料極1aを水蒸気雰囲気に保持する。また燃料極終端部1eにおいて、水蒸気が燃料極1aから流れ出てくるため、空気が燃料極1a内へ進入してしまうことが阻止される。すなわち、パージが行われるのである。
ここで、燃料電池1と気化器6との間にオリフィス22を設けることにより、水蒸気が燃料電池1に流れていく速度を調整することが可能となる様に構成される。
明確には図示されていないが、オリフィス22は、絞り率を自在に変更することが出来る可変オリフィスとすることが望ましい。
水蒸気がある程度流れ出し、気化器6の圧力が低下してくると、気化器6の上方(距離「h」)の貯水タンク7から、再び水が落下(滴下)し、気化器6において水蒸気が生成される。
この作用は、気化器6の温度が下がり、水蒸気が生成されなくなるまで繰り返される。そして、気化器6の温度が下がり、水蒸気が生成されなくなるまでには、燃料電池1は、燃料極1aが酸化あるいは劣化しなくなる温度(例えば400度)まで、温度降下する。
すなわち、図1の高温作動型燃料電池システム100によれば、燃料電池1が酸化あるいは劣化しなくなる温度(例えば400度)に温度降下するまでの間、水蒸気を供給し続けることが可能となる。
ここで、停電時に水蒸気パージ弁8が開放しないと、給水ポンプ5が停止するので、貯水タンク7内の圧力が大気圧以下になってしまう恐れがある。そして、貯水タンク7内の圧力が大気圧以下になってしまうと、貯水タンク7の位置が気化器6よりも上方に位置していても、気化器6の圧力は大気圧以上であるため、貯水タンク7の水が気化器6に落下(滴下)しなくなる。
貯水タンク7の水が気化器6に落下(滴下)しなければ、気化器6内に水蒸気は発生せず、燃料極1a内に水蒸気を充填して、水蒸気雰囲気に保持することは出来なくなってしまう。
そのような事態を防止するため、水蒸気パージ弁8は、ノルマルオープンタイプに構成されているのである。
図1で示す高温作動型燃料電池システム100では、貯水タンク7内の全水量が落下(して、気化器6で蒸発)するまで、燃料極1a内に水蒸気を充填して、水蒸気雰囲気に保持し、以って、燃料極1aに空気が進入しないようにしている(燃料電池をパージしている)。
図1の高温作動型燃料電池システム100における係るパージは、貯水タンク7が気化器6よりも上方(符号「h」)にあるため貯水タンク7内の水に作用する重力と、気化器6に残存する熱量とにより行われる。外部からの動力の供給は全く不要である。
そのため、電力供給が遮断され(停電時)、水及び/又は燃料の供給が遮断されても、気化器6から水蒸気が発生して燃料電池1のパージを確実に実行し、燃料電池1の酸化、劣化、破損を防止することが出来る。
次に上述した高温作動型燃料電池システム100において、停電時において、燃料及び/又は水の供給が遮断された場合に、燃料電池1のパージを確実に行うために、貯水タンク7内の水面の気化器6に対する高さhが、どの程度あれば良いのかについて説明する。
換言すれば、図1において、符号hで示す寸法(貯水タンク内の水面の気化器B3に対する高さ)の設定について、図2を参照して説明する。
先ず、水蒸気の物性値を下記で定義する。
ρ(l):密度(水)
ρ(g):密度(水蒸気)
ν:動粘性係数(水蒸気)
D:相互拡散係数(水蒸気−空気)(水蒸気が空気中にどの程度拡散するのかと、空気が水蒸気中にどの程度拡散するのかを示す係数)
g:重力加速度
各温度におけるこれら定数の値(物性値)は、下表1のものを用いる(出典:流体の熱物性値表、日本機会学会)。
Figure 2009021014
図1で示す高温作動型燃料電池システム100において、下記寸法を定義する。
h:気化器に対する貯水タンク水面の高さ
V:貯水タンク容量
P:気化器内部圧力
cell:燃料電池アノード内水蒸気流速
vent:絞り部内水蒸気流速
cell:セルアノード電極ガス流路直径
vent:絞り部ガス流路直径
l:絞り部流路長
T:燃料電池温度
図1において、絞り部22の直径(絞り部ガス流路直径)dventがセルアノード電極ガス流路直径dcellよりも十分小さいと仮定すると、燃料系統の圧損は、ほぼ絞り部22で決定される。そのため、圧損Pは、絞り部22の寸法と、水蒸気の物性値により、式(1)で表すことが出来る。
Figure 2009021014
絞り部22の温度と燃料電池1の温度が同一と仮定すれば、絞り部22内の流速(Vvent)は、式(2)で表される。
Figure 2009021014
式(1)と式(2)より、次の式(3)が成り立つ。
Figure 2009021014
また、水面高さと気化器6内部の圧力より、式(4)が成り立つ。
P=ρl・g・h 式(4)
式(3)、式(4)より、式(5)が成り立つ。
Figure 2009021014
次に、アノード電極出口部分の空気拡散距離を考える。
ガスの拡散速度は、通常、濃度勾配と拡散係数の積であり、次式(6)で表される。
Figure 2009021014
アノード電極出口部分からの位置を図2(A)のX軸で示す様に考えた場合に、アノード電極出口近傍における空気濃度が、図2(B)で示す様に、アノード電極出口部分からの距離に対して直線的に変化する(空気濃度勾配が直線である)と仮定する。係る仮定に従えば、アノード電極内の空気拡散距離x0(図2(B)参照)と、燃料電池アノード内水蒸気流速Vcellとの関係は、次式(7)で表現される。
Figure 2009021014
式(5)、式(7)より、次式(8)が成り立つ
Figure 2009021014
セルアノード電極ガス流路直径dcellと、絞り部ガス流路直径dventと、絞り部流路長lとを、次の様に仮定する。
cell=0.05(m)
vent=0.003(m)
l=0.1(m)
また、アノード電極出口部分の空気拡散距離x0を5mmと仮定する(x0=0.005m)。
式(8)に対して、表1の物性値と上述した仮定を適用し、各温度において必要な水面高さhと、その際の水の流量Qを計算すると、下表2で示す様になる。
図1で示す高温作動型燃料電池システム100において、貯水タンク7の設計においては、各温度について、下表2で示す以上の水面高さhと、水の流量Qとが確保出来るように、タンク7の形状や設置箇所を決定する必要がある。
Figure 2009021014
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
本発明の実施形態を示すブロック図。 アノード電極出口近傍における空気濃度勾配を表現する図。 従来技術を示すブロック図。
符号の説明
1・・・燃料電池装置/燃料電池
2・・・燃料供給手段
3・・・空気供給手段
4・・・原燃料供給手段
5・・・給水手段/給水ポンプ
6・・・気化器
7・・・貯水タンク
8・・・蒸気パージ弁
10・・・ドレンバルブ
100・・・高温作動型燃料電池システム

Claims (2)

  1. 燃料電池と、燃料供給手段と、空気供給手段とを備え、燃料供給手段は、原燃料供給手段と、原料供給手段と燃料電池との間に配置された気化器と、気化器に水を供給する給水手段とを備えており、気化器と給水手段との間には貯水タンクが介装され、貯水タンクには水蒸気パージ弁が取り付けられており、水蒸気パージ弁は通電時には閉鎖されているが非通電時には大気側に開放する様に構成されており、貯水タンク内の水面が気化器よりも上方へ位置する様に貯水タンクが配置されていることを特徴とする高温作動型燃料電池システム。
  2. 気化器に対する貯水タンク水面の高さhは、
    h≧32(ρ/ρ)(ν・l/g)(dcell /dvent )(D/x
    なる式で示され、この式において、ρは水蒸気の密度、ρは水の密度、lは絞り部流路長、dventは絞り部ガス流路直径、dcellはセルアノード電極ガス流路直径、νは水蒸気の動粘性係数、gは重力加速度、Dは水蒸気と空気の相互拡散係数、xはアノード電極内空気拡散距離である請求項1の高温作動型燃料電池システム。
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