JP2009019676A - 摺動式トリポード形等速ジョイント - Google Patents

摺動式トリポード形等速ジョイント Download PDF

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Abstract

【課題】トリポード軸部がローラユニットに対してトリポード軸部の軸方向に摺動する場合であっても、ローラユニットの背面側がローラ溝に当接することを防止できる摺動式トリポード形等速ジョイントを提供する。
【解決手段】内ローラ32の内周面のうちトリポード軸部22に当接する軸方向位置がトリポード軸部22の揺動により変動しないように、トリポード軸部22の外周面を中心位置の異なる複数の円弧の連続的集合体222、223として形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、摺動式トリポード形等速ジョイントに関するものである。
従来の摺動式トリポード形等速ジョイントとして、例えば、特開2006−162056号公報(特許文献1)に記載されたものがある。特許文献1に記載の摺動式トリポード形等速ジョイントにおいて、トリポード軸部の外周面が球面凸状をなし、それに当接するローラユニットを構成する内ローラの内周面が円筒状をなしている。これにより、トリポード軸部がローラユニットに対して揺動可能となり、ローラユニットを構成する外ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが常に一致できるため、外ローラとローラ溝との間に滑りが発生しないようにできる。その結果、誘起スラスト力を低減することができる。
特開2006−162056号公報
ここで、当該特許文献1に記載されているように、ジョイント角をとったときには、トリポード軸部がローラユニットに対して、トリポード軸部の軸方向に摺動する。そのため、これまでの摺動式トリポード形等速ジョイントでは、内ローラの内周面のうちトリポード軸部に当接する位置が変化する。これにより、ローラユニットが外輪のローラ溝の延びる方向回りに揺動するように動作する。そのため、ローラユニットのうち、外輪のローラ溝とトルク伝達を行っている部位の背面側が、ローラ溝に当接し、ローラユニットとローラ溝との間にて摩擦力が発生するおそれがある。このことが、誘起スラスト力の発生に影響を及ぼすおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、トリポード軸部がローラユニットに対してトリポード軸部の軸方向に摺動する場合であっても、ローラユニットの背面側がローラ溝に当接することを防止できる摺動式トリポード形等速ジョイントを提供することを目的とする。
本発明の摺動式トリポード形等速ジョイントは、
筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本のローラ溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、ボス部の外周面からそれぞれボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれのローラ溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
その中心軸が外輪回転軸に直交する姿勢でローラ溝に転動可能に嵌挿される外ローラ、および、外ローラの径方向内方であって外ローラに対して同軸上で相対回転可能に配置され、トリポード軸部に対して回転且つ揺動可能に軸支される内ローラを備えるローラユニットと、
を備える摺動式トリポード形等速ジョイントであって、
内ローラの内周面のうちトリポード軸部に当接する軸方向位置がトリポード軸部の揺動により変動しないように、トリポード軸部の外周面を中心位置の異なる複数の円弧の連続的集合体として形成したことを特徴とする。
ここで、従来のトリポード軸部は、球面凸状であるため、その中心位置が一致する複数の円弧の連続的集合体とみなすことができる。従って、従来、内ローラの内周面に当接するトリポード軸部は、内ローラの軸直角方向断面のうち、この一定の中心位置を通る平面上に位置する点となる。つまり、従来は、トリポード軸部が内ローラに対してトリポード軸部の軸方向に摺動することにより、当該中心位置と内ローラとの相対位置が常に変動するため、上記のような問題が生じていた。
これに対して、本発明は、トリポード軸部の外周面を、「中心位置の異なる」複数の円弧の連続的集合体として形成している。つまり、本発明によれば、内ローラの内周面に当接するトリポード軸部は、内ローラの軸直角方向断面のうち、それぞれの中心位置を通る平面上に位置する点となる。従って、トリポード軸部が内ローラに対してトリポード軸部の軸方向に摺動したとしても、内ローラの内周面のうちトリポード軸部に当接する軸方向位置が、トリポード軸部の揺動により変動しないようにできる。これにより、ローラユニットが外輪のローラ溝の延びる方向回りに揺動することを抑制でき、結果として、誘起スラスト力の低減を図ることができる。
ここで、「当接する位置がトリポード軸部の揺動により変動しない」の意味について詳細に説明する。「当接する位置がトリポード軸部の揺動により変動しない」とは、トリポード軸部が内ローラに対して揺動する際に、当該当接する位置が一致するという意味である。さらに、この意味は、所定のジョイント角の場合に、トリポード軸部の所定の揺動角度範囲において、当該当接する位置が一致するという意味である。
このことについて、具体例を挙げて説明する。例えば、設定されたジョイント角が10degの場合と、設定されたジョイント角が20degの場合とでは、トリポード軸部の揺動角度範囲において、当該当接する位置というのは異なる。従って、仮に、円弧の連続的集合体が、ジョイント角10degの場合に当該当接位置が一致するように形成した場合であっても、実際の使用状態のジョイント角が20degの場合には、当該当接する位置が一致しない。つまり、「当接する位置がトリポード軸部の揺動により変動しない」とは、所定のジョイント角において当該当接位置が一致するように設計された場合に、当該設計上のジョイント角と同一のジョイント角にて使用した場合、当該当接位置が実際に一致するという意味である。
好ましくは、本発明の摺動式トリポード形等速ジョイントにおいて、円弧の連続的集合体におけるそれぞれの中心位置は、トリポード軸部の周方向の異なる位相において、トリポード軸部の軸方向に異なる位置に設定するとよい。このことを言い換えると、円弧の連続的集合体のうちトリポード軸部の軸方向断面の最凸部は、トリポード軸部の周方向の異なる位相において、トリポード軸部の軸方向に異なる位置に設定するということになる。これにより、内ローラの内周面のうちトリポード軸部に当接する軸方向位置が、トリポード軸部の揺動により変動しないようにできる。
ここで、位相は、ボス部の軸心およびトリポード軸部の軸心を通る平面に直交する一方方向を0degと定義した場合に、以下のようにするとよい。すなわち、位相が0degまたは180degの場合における前記中心位置は、他の位相における中心位置より、トリポード軸部の先端側に位置するように設定するとよい。このことを言い換えると、位相が0degまたは180degの場合における最凸部は、他の位相における最凸部より、トリポード軸部の先端側に位置するように設定するということになる。このように設定することで、確実に、内ローラの内周面のうちトリポード軸部に当接する軸方向位置が、トリポード軸部の揺動により変動しないようにできる。
さらに、位相が0degまたは180degの位置を始点として、位相が90degまたは−90degの位置に向かって、前記中心位置は、トリポード軸部の根元側に移動するように設定するとよい。このことを言い換えると、位相が0degまたは180degの位置を始点として、位相が90degまたは−90degの位置に向かって、最凸部は、トリポード軸部の根元側に移動するように設定するということになる。このように設定することで、より確実に、内ローラの内周面のうちトリポード軸部に当接する軸方向位置が、トリポード軸部の揺動により変動しないようにできる。
好ましくは、円弧の連続的集合体は、同一径の円弧の連続的集合体からなり、その中心位置が連続的な軌跡を描くように設定するとよい。これにより、トリポード軸部の揺動する際に、トリポード軸部の外周面のうち内ローラに当接する位置が、連続的に移動することになる。これにより、内ローラの内周面のうちトリポード軸部に当接する軸方向位置が、トリポード軸部の揺動により変動しないようにできる。
また、トリポード軸部の周方向の位相を、ボス部の軸心およびトリポード軸部の軸心を通る平面に直交する一方方向を0degと定義した場合に、
円弧の連続的集合体は、
位相が0degを含む第一の位相範囲において、第一のジョイント角の場合に内ローラの内周面のうちトリポード軸部に当接する位置がトリポード軸部の揺動により変動しないように形成され、
位相が第一の位相範囲より大きな第二の位相範囲において、第一のジョイント角より大きな第二のジョイント角の場合に内ローラの内周面のうちトリポード軸部に当接する位置がトリポード軸部の揺動により変動しないように形成されるようにしてもよい。
ここで、例えば、ジョイント角20degにおいてトリポード軸部のうち内ローラに当接する位相範囲は、ジョイント角10degにおいてトリポード軸部のうち内ローラに当接する位相範囲よりも大きな範囲である。そこで、上記のようにすることで、位相0deg付近においては、例えば使用頻度が高いジョイント角に基づいて設計し、所定範囲を超える位相範囲においては、その位相に相当するジョイント角に基づいて設計することができる。
例えば、使用頻度が高いジョイント角が8deg〜12degである場合に、そのときに使用するトリポード軸部の位相範囲における円弧の連続的集合体は、ジョイント角10degで設定し、ジョイント角10degを超える位相範囲においては例えばジョイント角が20degで設定するようにする。これにより、トリポード軸部の汎用性を向上することができる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。ここで、本実施形態の摺動式トリポード形等速ジョイント(以下、単に「等速ジョイント」と称する。)は、車両の動力伝達シャフトの連結に用いる場合を例に挙げて説明する。例えば、ディファレンシャルギヤに連結された軸部とドライブシャフトなどのシャフトとの連結部位に用いる場合である。
(等速ジョイント1の構成)
本実施形態の等速ジョイント1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、等速ジョイント1の一部の径方向断面図である。この等速ジョイント1は、図1に示すように、ディファレンシャルギヤ(図示せず)に連結される外輪10と、シャフト(図示せず)に連結されるトリポード20と、外輪10とトリポード20との間に介在するローラユニット30とから構成される。
外輪10は、筒状(例えば、有底筒状)に形成されており、一端側がディファレンシャルギヤに連結されている。そして、外輪10の筒状部分の内周面には、外輪軸方向(図1の前後方向)に延びるローラ溝11が、外輪軸の周方向に等間隔に3本形成されている。
トリポード20は、外輪10の筒状部分の内側に配置されている。このトリポード20は、ボス部21と、3本のトリポード軸部22とを備える。ボス部21は、円筒状からなり、内周側には内周スプライン21aが形成されている。この内周スプライン21aは、ドライブシャフト(図示せず)の端部の外周スプラインに嵌合連結される。
それぞれのトリポード軸部22は、ボス部21の外周面からそれぞれボス部21の径方向外方に延びるように立設されている。これらのトリポード軸部22は、ボス部21の周方向に等間隔(120度間隔)に形成されている。そして、それぞれのトリポード軸部22の少なくとも先端部は、外輪10のそれぞれのローラ溝11内に挿入されている。なお、トリポード軸部22の詳細形状については、後述する。
ローラユニット30は、全体形状としては、環状からなる。このローラユニット30は、トリポード軸部22の外周側に配置されている。このローラユニット30は、外ローラ31と、内ローラ32と、ニードルローラ33と、止め輪34、35とから構成される。
外ローラ31は、円筒状に形成されている。この外ローラ31の外周面は、ローラ溝11に対応する形状、すなわちローラ溝11を反転した形状からなる。そして、外ローラ31は、その中心軸が外輪回転軸に直交する姿勢で、ローラ溝11に転動可能に嵌挿されている。また、外ローラ31の内周面は、円筒状、すなわち、外ローラ31の軸方向に亘ってほぼ同径に形成されている。ただし、外ローラ31の内周面の両開口側には、全周に亘って止め輪溝31a、31bが形成されている。
内ローラ32は、円筒状に形成されている。内ローラ32の軸方向長さは、外ローラ31に形成された止め輪溝31a、31b間の離間距離に相当する。この内ローラ32の外径は、外ローラ31の内径より小さく形成されている。そして、内ローラ32は、外ローラ31の径方向内方に離隔して配置されている。この内ローラ32と外ローラ31との径方向隙間には、全周に亘って、複数のニードルローラ33が配置されている。そして、このニードルローラ33を介することで、内ローラ32は、外ローラ31に対して相対回転可能とされている。さらに、内ローラ32は、外ローラ31に対して、径方向内方に同軸上に配置されている。この内ローラ32は、トリポード軸部22に対して回転且つ揺動可能に、且つ、トリポード軸部22の延伸方向に摺動可能となるように、トリポード軸部22に軸支されている。
止め輪34、35は、切り込み部分が形成されたC字型状からなる。つまり、止め輪34、35は、縮径可能な形状からなる。これらの止め輪34、35は、外ローラ31の止め輪溝31a、31bにそれぞれ嵌め込まれる。そして、止め輪34、35は、内ローラ32およびニードルローラ33に対して、ローラ30の軸心方向に係合するようにされている。つまり、止め輪34、35は、内ローラ32およびニードルローラ33が、外ローラ31に対して、軸方向に相対的に移動することを規制している。
(トリポード軸部22の詳細形状)
次に、トリポード軸部22の詳細形状について、図1に加えて、図2〜図5を参照して説明する。図2は、トリポード軸部22を、ボス部21の軸心およびトリポード軸部22の軸心を通る平面に直交する方向から見た図である。図3は、トリポード20を、トリポード軸部22の軸方向先端側から見た図である。図4は、トリポード軸部22の斜視図である。図5は、トリポード軸部22の各位相θtにおける軸方向断面図である。具体的には、図5(a)は、図3のA−A断面図であり、図5(b)は、図3のB−B断面図であり、図5(c)は、図3のC−C断面図である。
トリポード軸部22は、軸部本体221と、第一突起部222と、第二突起部223とから構成される。軸部本体221は、基端部がボス部21に一体に形成され、その外周面が部分球面状に形成されている。この軸部本体221の外周面の外径は、内ローラ32の内径よりも十分に小さくされている。
ここで、図3において、トリポード軸部22の外周面の周方向の位相θtにおいて、ボス部21の軸心およびトリポード軸部22の軸心を通る平面に直交する一方方向を、位相θtが0degと定義する。そして、トリポード軸部22の軸方向先端側から見た場合に、左回転方向に位相θtが正となるとする。このとき、第一突起部222は、軸部本体221の外周面のうち、位相θtが−30deg〜+30degの範囲に、軸部本体221の外周面から径方向外方に突出するように形成されている。この第一突起部222は、図2、図4および図5に示すように、中心位置の異なる複数の円弧の連続的集合体として形成している。ここで、本実施形態においては、当該複数の円弧は、全て同一径の円弧としている。そして、この円弧の連続的集合体の中心位置が連続的な軌跡を描くように設定されている。
ここで、第一突起部222である円弧の連続的集合体におけるそれぞれの中心位置は、トリポード軸部22の周方向の異なる位相θtにおいて、トリポード軸部22の軸方向に異なる位置に設定されている。すなわち、第一突起部222である円弧の連続的集合体のうちトリポード軸部22の軸方向断面の最凸部222a(図4における太実線にて示す)は、トリポード軸部22の周方向の異なる位相θtにおいて、トリポード軸部22の軸方向に異なる位置に設定されている。
具体的には、図5(a)に示すように、第一突起部222を形成する円弧の中心位置および第一突起部222の最凸部222aは、位相θtが0degにおいて、トリポード軸部22の先端側に位置するように設定されている。そして、図5(b)(c)に示すように、第一突起部222を形成する円弧の中心位置および第一突起部222の最凸部222aは、位相θtが0degの位置を始点として、位相θtが−30degの位置に向かってトリポード軸部22の根元側に移動するように、且つ、位相θtが+30degの位置に向かってトリポード軸部22の根元側に移動するように設定されている。すなわち、第一突起部222の最凸部222aは、トリポード軸部22の先端側に位置する山状をなしている。
第二突起部223は、軸部本体221の外周面のうち、位相θtが150deg〜210degの範囲に、軸部本体221の外周面から径方向外方に突出するように形成されている。つまり、第二突起部223は、軸部本体221に対して、第一突起部222とは反対側に突出している。この第二突起部223は、第一突起部222と同一形状をなしている。つまり、第二突起部223を形成する円弧の中心位置および第二突起部223の最凸部223aは、位相θtが180degの位置を始点として、位相θtが150degの位置に向かってトリポード軸部22の根元側に移動するように、且つ、位相θtが210degの位置に向かってトリポード軸部22の根元側に移動するように設定されている。
そして、トリポード軸部22のうち内ローラ32に当接する位置は、第一突起部222の最凸部222aまたは第二突起部223の最凸部223aとなる。また、トリポード軸部22の外周面のうち内ローラ32の内周面に当接する位相θtが変化する。このことについて、以下に詳細に説明する。
まず、ジョイント角をとっている場合に、トリポード軸部22の軸心が、外輪10の軸心およびボス部21の軸心を通る平面上に位置する場合について考える。例えば、図1において、外輪10の軸心が紙面法線方向であって、ボス部21の軸心が紙面法線方向に対して図1の上下に傾斜した方向となる場合である。この状態は、外輪10に対するトリポード軸部22の揺動角度(外輪10の軸直角平面とトリポード軸部22の軸心とのなす鋭角度)が最も大きな状態である。つまり、内ローラ32は、トリポード軸部22のうち最も先端側に移動している状態となる。この場合、トリポード軸部22の位相θtが0degまたは180degの位置、すなわち、トリポード軸部22の先端側に位置する最凸部222a、223aが内ローラ32に当接する。
次に、ジョイント角をとっている場合に、トリポード軸部22の軸心が、外輪10の軸心およびボス部21の軸心を通る平面に直交する位置に位置する場合について考える。例えば、図1において、外輪10の軸心が紙面法線方向であって、ボス部21の軸心が紙面法線方向に対して図1の左右へ傾斜した方向となる場合である。この状態は、外輪10に対するトリポード軸部22の揺動角度が0degとなる状態である。つまり、内ローラ32は、トリポード軸部22のうち最も根元側に移動している状態となる。そして、この場合、トリポード軸部22の位相θtが0degまたは180degから離れた位置、すなわち、トリポード軸部22の根元側に位置する最凸部222a、223aが内ローラ32に当接する。
つまり、内ローラ32がトリポード軸部22の先端側に移動した場合には、トリポード軸部22の先端側に位置する最凸部222a、223aが内ローラ32に当接する。一方、内ローラ32がトリポード軸部22の根元側に移動した場合には、トリポード軸部22の根元側に位置する最凸部222a、223aが内ローラ32に当接する。このように、内ローラ32の内周面とトリポード軸部22の当接位置が、内ローラ32とトリポード軸部22との相対位置に対応して変化する。従って、内ローラ32の内周面のうちトリポード軸部22に当接する軸方向位置が、トリポード軸部22の揺動により変動しないように設定されていることになる。
以下、ジョイント角θjを変化させた場合に、内ローラ32の内周面のうちトリポード軸部22に当接する軸方向位置が変動しないようにするための最凸部222a、223aの軌跡について解析を行った。その解析結果を、図6に示す。図6は、最凸部222a、223aについて、トリポード軸部22の周方向の位相θtに対するトリポード軸部22の軸方向位置である。具体的には、ジョイント角θjを8deg、10deg、12deg、14degおよび20degについて、解析を行った。
図6に示すように、ジョイント角θjがどの場合にも、位相θtが0degの場合にトリポード軸部22の先端側が接触し、位相θtが0degから離れるに従って接触位置がトリポード軸部22の根元側にほぼ円弧状に移動している。この状態は、トリポード軸部22の軸心が、外輪10の軸心およびボス部21の軸心を通る平面上に位置する状態である。図6においては、トリポード軸部22が外輪10の軸心回りに回転する回転角θrとして記載し、θrが0degおよび180degの状態となる。
さらに、ジョイント角θjが大きいほど、位相θtがどの場合にも接触位置がトリポード軸部22の先端側に位置する。図6においてそれぞれの軌跡の右側端が、回転角θrが90degのときである。また、図6において、それぞれの軌跡の左側端が、回転角θrが270degのときである。
従って、例えば、ジョイント角θjが10degで使用するのであれば、図6のジョイント角θjが10degにおける軌跡となるように、最凸部222a、223aを設計すればよい。また、ジョイント角θjが20degで使用するのであれば、図6のジョイント角θjが20degにおける軌跡となるように、最凸部222a、223aを設計すればよい。
しかし、実際に使用するジョイント角θjは常に一定の角度とは限らないため、例えば、位相θtに応じて、接触位置が変動しないようにするためのジョイント角θjを変化させるようにするとよい。
例えば、図7にその一例を示す。図7は、図6と同様に、横軸をトリポード軸部22の周方向の位相θtとし、縦軸をトリポード軸部22の軸方向位置とする。ここでは、位相θtが0deg付近においては使用頻度が高いジョイント角θjに基づいて設計し、その範囲を超える位相範囲においては、その位相θtに相当するジョイント角θjに基づいて設計する。
図7の実線に示すように、位相θtが0degを含む第一の位相範囲(−10deg〜+10degの範囲)においては、ジョイント角θjが10degの場合に内ローラ32の内周面のうちトリポード軸部22に当接する位置がトリポード軸部22の揺動により変動しないように形成する。そして、位相θtが−20deg付近および+20deg付近(第二の位相範囲)においては、ジョイント角θjが20degの場合に内ローラ32の内周面のうちトリポード軸部22に当接する位置がトリポード軸部22の揺動により変動しないように形成する。さらに、位相θtが−10degから−20deg付近までの間と、10degから20deg付近までの間においては、両者に滑らかに連続するように接続している。なお、上記図1〜図5は、最凸部222a、223aが図7となるような形状として、図示している。
つまり、上記のように第一突起部222の最凸部222aまたは第二突起部223の最凸部223aを内ローラ32の内周面に当接させることで、内ローラ32の内周面のうちトリポード軸部22に当接する軸方向位置がトリポード軸部22の揺動により変動しないようにできる。その結果、トリポード軸部22がローラユニット30に対してトリポード軸部22の軸方向に摺動する場合であっても、ローラユニット30の背面側がローラ溝11に当接することを防止できる。
なお、第一突起部222および第二突起部223は、図8(a)に示すように、位相θtが変化する場合に、その円弧の中心位置がトリポード軸部22の軸心直交方向から見た場合に、円弧状の軌跡を描くようにしてもよい。この場合、最凸部222a、223aの軌跡が、トリポード軸部22の軸心直交方向から見た場合に、円弧状の軌跡となる。
また、図8(b)に示すように、位相θtが変化する場合に、その円弧の中心位置がトリポード軸部22の軸心直交方向から見た場合に、トリポード軸部22の軸心に平行な直線状の軌跡を描くようにしてもよい。この場合、最凸部222a、223aの軌跡が、トリポード軸部22の軸心直交方向から見た場合、トリポード軸部22の軸心に平行な直線状の軌跡となる。
等速ジョイント1の一部の径方向断面図である。 トリポード軸部22を、ボス部21の軸心およびトリポード軸部22の軸心を通る平面に直交する方向から見た図である。 トリポード20を、トリポード軸部22の軸方向先端側から見た図である。 トリポード軸部22の斜視図である。 トリポード軸部22の各位相における軸方向断面図である。(a)は、図3のA−A断面図であり、(b)は、図3のB−B断面図であり、(c)は、図3のC−C断面図である。 ジョイント角θjを変化させた場合に、内ローラ32の内周面のうちトリポード軸部22に当接する軸方向位置が変動しないようにするための最凸部222a、223aの軌跡について解析結果である。 最凸部222a、223aの一例であり、横軸をトリポード軸部22の周方向の位相θtとし、縦軸をトリポード軸部22の軸方向位置である。 第一突起部222、第二突起部223の変形態様について示す図である。
符号の説明
1:等速ジョイント、
10:外輪、 11:ローラ溝、
20:トリポード、 21:ボス部、 21a:内周スプライン、
22:トリポード軸部、
221:軸部本体、 222:第一突起部、 222a:最凸部、
223:第二突起部、 223a:最凸部、
30:ローラユニット、 31:外ローラ、 31a、31b:止め輪溝、
32:内ローラ、 33:ニードルローラ、 34、35:止め輪

Claims (9)

  1. 筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本のローラ溝が形成された外輪と、
    シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記ローラ溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
    その中心軸が前記外輪回転軸に直交する姿勢で前記ローラ溝に転動可能に嵌挿される外ローラ、および、前記外ローラの径方向内方であって前記外ローラに対して同軸上で相対回転可能に配置され、前記トリポード軸部に対して回転且つ揺動可能に軸支される内ローラを備えるローラユニットと、
    を備える摺動式トリポード形等速ジョイントであって、
    前記内ローラの内周面のうち前記トリポード軸部に当接する軸方向位置が前記トリポード軸部の揺動により変動しないように、前記トリポード軸部の外周面を中心位置の異なる複数の円弧の連続的集合体として形成したことを特徴とする摺動式トリポード形等速ジョイント。
  2. 前記円弧の連続的集合体におけるそれぞれの中心位置は、前記トリポード軸部の周方向の異なる位相において、前記トリポード軸部の軸方向に異なる位置に設定する請求項1に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  3. 前記位相は、前記ボス部の軸心および前記トリポード軸部の軸心を通る平面に直交する一方方向を0degと定義した場合に、
    前記位相が0degまたは180degの場合における前記中心位置は、他の前記位相における前記中心位置より、前記トリポード軸部の先端側に位置するように設定する請求項2に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  4. 前記位相が0degまたは180degの位置を始点として、前記位相が90degまたは−90degの位置に向かって、前記中心位置は、前記トリポード軸部の根元側に移動するように設定する請求項3に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  5. 前記円弧の連続的集合体のうち前記トリポード軸部の軸方向断面の最凸部は、前記トリポード軸部の周方向の異なる位相において、前記トリポード軸部の軸方向に異なる位置に設定する請求項1または2に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  6. 前記位相は、前記ボス部の軸心および前記トリポード軸部の軸心を通る平面に直交する一方方向を0degと定義した場合に、
    前記位相が0degまたは180degの場合における前記最凸部は、他の前記位相における前記最凸部より、前記トリポード軸部の先端側に位置するように設定する請求項5に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  7. 前記位相が0degまたは180degの位置を始点として、前記位相が90degまたは−90degの位置に向かって、前記最凸部は、前記トリポード軸部の根元側に移動するように設定する請求項6に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  8. 前記円弧の連続的集合体は、同一径の円弧の連続的集合体からなり、その中心位置が連続的な軌跡を描くように設定する請求項1〜7の何れか一項に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  9. 前記トリポード軸部の周方向の位相を、前記ボス部の軸心および前記トリポード軸部の軸心を通る平面に直交する一方方向を0degと定義した場合に、
    前記円弧の連続的集合体は、
    前記位相が0degを含む第一の位相範囲において、第一のジョイント角の場合に前記内ローラの内周面のうち前記トリポード軸部に当接する位置が前記トリポード軸部の揺動により変動しないように形成され、
    前記位相が前記第一の位相範囲より大きな第二の位相範囲において、前記第一のジョイント角より大きな第二のジョイント角の場合に前記内ローラの内周面のうち前記トリポード軸部に当接する位置が前記トリポード軸部の揺動により変動しないように形成される請求項1〜8の何れか一項に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
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