JP2009018806A - 腰掛の着席構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】段差部10は、隣接する着席区画A1 〜A7 の座部7の座面高さh1 ,h2 を互い違いにしてこの隣接する着席区画A1 〜A7 の間に高低差を付与している。例えば、着席区画A3 と着席区画A4 との間に乗客Pが着席すると、この着席区画A3 と着席区画A4 との間には段差部10が存在するため、乗客Pの臀部の収まりが悪くなり乗客Pの姿勢が傾いたりして座り心地が悪くなる。このため、乗客Pは着席時の感覚から誤った位置に着席したことが分かり、臀部をずらしたり座り直したりすることによって正しい着席区画A3 又は着席区画A4 に誘導される。その結果、正しい着席区画A1 〜A7 に乗客Pが着席するために、腰掛5に乗客Pを定員着席させることができる。
【選択図】図1
Description
図11に示すように、従来の腰掛の着席構造106は、定員7名が着席可能なように7つの着席区画A1 〜A7 に腰掛105が分割されており、座部107には着席区画A1 〜A7 毎に凹部107aが形成されている。また、従来の腰掛の着席構造106では、腰掛105の長さ方向の両端部に袖仕切り104及び握り棒103が設置されており、一対の袖仕切り104の間にはさらに二本の握り棒103が配置されている。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、着席定員に応じて複数の着席区画(A1 〜A7 )に腰掛(5)を分割してこの着席区画毎に一人ずつ着席させるための腰掛の着席構造であって、前記腰掛は、平坦な床面(1a)の長さ方向に沿って配置される縦型腰掛であり、隣接する前記着席区画に跨って着席されるのを防止するために、この隣接する前記着席区画の間に段差部(10)を備えることを特徴とする腰掛の着席構造(6)である。
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る腰掛の着席構造の正面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る腰掛の着席構造の斜視図である。図3は、図1のIII-III線で切断した状態を示す断面図である。以下では、この発明の第1実施形態に係る腰掛の着席構造を鉄道車両の腰掛に適用した場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、乗客Pの臀部を凹部7aに位置付けて着席したときには、凹部7a及び凸部7bによって乗客Pの臀部が保持されるため、乗客Pは着席時の感覚から正しい着席区画A1 に着席したことが分かる。一方、着席区画A3 と着席区画A4 との間に乗客Pが着席すると、この着席区画A3 と着席区画A4 との間には段差部10が存在するため、乗客Pの臀部の収まりが悪くなり乗客Pの姿勢が傾いたりして座り心地が悪くなる。その結果、乗客Pは着席時の感覚から誤った位置に着席したことが分かり、臀部をずらしたり座り直したりすることによって正しい着席区画A3 又は着席区画A4 に誘導されるため、腰掛5に乗客Pを定員着席させることができる。
(1) この第1実施形態では、隣接する着席区画A1 〜A7 に跨って着席されるのを防止するための段差部10をこの隣接する着席区画A1 〜A7 の間に腰掛5が備える。このため、隣接する着席区画A1 〜A7 に跨って乗客Pが着席しても座り心地が悪くなり、正しい着席区画A1 〜A7 に乗客Pを自然に誘導することができる。その結果、着席区画A1 〜A7 毎に一人ずつ乗客Pを着席させることができるため、定員に満たない数の乗客Pが腰掛5に着席してしまう不都合を可能な限り防止することができる。
図4は、この発明の第2実施形態に係る腰掛の着席構造における着席前の状態を示す正面図である。図5は、この発明の第2実施形態に係る腰掛の着席構造における着席後の状態を示す正面図である。図6は、図4のVI-VI線で切断した状態を示す断面図である。以下では、図1〜図3に示す部材と同一の部材については同一の番号を付して、詳細な説明を省略する。
図7は、この発明の第3実施形態に係る腰掛の着席構造の構成図である。
腰掛5は、図7に示すように、段差量可変部12と制御部13とを備えている。段差量可変部12は、段差部10の段差量Δhを可変する装置である。段差量可変部12は、空気ばね12aと、供給管路12bと、空気源12cと、排出管路12dと、排気口12eと、開閉弁12f,12gとを備えている。空気ばね12aは、圧縮空気の弾性を利用したばねであり、隣接する着席区画A1 〜A7 の一方に設置されている。この第3実施形態では、図5に示すように、着席区画A2 ,A4 ,A6 における座部7内に空気ばね12aが設置されている。供給管路12bは、空気ばね12aに空気を供給する管路(配管)であり、空気源12cに接続されている。空気源12cは、供給管路12bを通じて空気ばね12aに圧縮空気を供給するエアコンプレッサなどである。排出管路12dは、空気ばね12aから空気を排出する管路(配管)であり、排気口12eに接続されている。排気口12eは、排出管路12dを通じて空気ばね12aから圧縮空気を排出する部分である。開閉弁12fは、供給管路12bを開閉する電磁弁などであり、空気源12cと空気ばね12aとの間の供給管路12bに設置されている。開閉弁12gは、排出管路12dを開閉する電磁弁などであり、排気口12eと空気ばね12aとの間の排出管路12dに設置されている。開閉弁12f,12gは、供給管路12b及び排出管路12dを開閉して空気ばね12aの高さを可変し調整する。制御部13は、混雑時には段差部10が現れるように段差量可変部12を制御し、非混雑時には段差部10がなくなるように段差量可変部12を制御する装置である。制御部13は、例えば、車両1の運転台に設置された主幹制御器からの動作指令に基づいて開閉弁12f,12gを開閉動作させる。
図8は、この発明の第3実施形態に係る腰掛の着席構造の動作を説明するための図であり、図8(A)は非混雑時の状態を示し、図8(B)は混雑時の状態を示す。
混雑時には、図8(B)に示すように、開閉弁12f,12gを制御部13が制御して供給管路12bを開閉弁12fに開放させるともに排出管路12dを開閉弁12gに閉鎖させる。このため、供給管路12bを通じて空気源12cから空気ばね12a内に圧縮空気が流れ込み、空気ばね12a内の圧力が上昇する。その結果、空気ばね12aが伸びて着席区画A2 ,A4 ,A6 の座面が高くなり、隣接する着席区画A1 〜A7 の間に段差部10が現れる。制御部13は、段差部10の段差量Δhが所定値に達したときには開閉弁12fを閉鎖させる。一方、非混雑時には、図8(A)に示すように、開閉弁12f,12gを制御部13が制御して供給管路12bを開閉弁12fに閉鎖させるとともに排出管路12dを開閉弁12gに開放させる。このため、排出管路12dを通じて空気ばね12a内から排気口12eに圧縮空気が流れ出し、空気ばね12a内の圧力が低下する。その結果、空気ばね12aが縮み着席区画A2 ,A4 ,A6 の座面が低くなり、隣接する着席区画A1 〜A7 の間の段差部10がなくなる。制御部13は、段差部10の段差量Δhがゼロになったときには開閉弁12gを閉鎖させる。
図9は、この発明の第4実施形態に係る腰掛の着席構造の斜視図である。図10は、この発明の第4実施形態に係る腰掛の着席構造の断面図であり、図10(A)は非混雑時の状態を示す断面図であり、図10(B)は混雑時の状態を示す断面図である。
腰掛5は、図9及び図10に示すように、隣接する座部7の傾斜角度θが異なる。腰掛5は、図10に示すように、段差量可変部12と制御部16とを備えており、段差量可変部12は支持部材14と切換部15とを備えている。支持部材14は、座部7及び背もたれ部8を支持する部材であり、座部7を支持する下側支持部材14aと、背もたれ部8を支持する上側支持部材14bとに分割されている。下側支持部材14aの前端側には貫通孔14cが形成されており、下側支持部材14aの後端側にはガイド孔14dと固定軸14e,14fとが形成されている。
図10(A)に示す状態から制御部16が駆動部15iに固定解除を指令すると駆動部15iがロッド15kをA方向に駆動して、アーム部材15gが支点部15hを中心として反時計回りに回転する。アーム部材15gが反時計回りに回転するとスライド部材15fがB方向に移動して、嵌合部15jが固定軸14fから抜け出し非傾斜位置S2 で腰掛5が固定解除される。次に、制御部16が駆動部15iに駆動停止を指令するとともに駆動部15cに駆動開始を指令すると、駆動部15cがロッド15eをC方向に下降して、下側支持部材14aが支持部15aを中心として反時計回りに回転する。ガイド軸15bがガイド孔14dにガイドされながら移動してガイド孔14dの上端部と接触すると、非傾斜位置S2 から傾斜位置S1 に腰掛5が切り換わり制御部16が駆動部15cに駆動停止を指令する。次に、図10(B)に示す状態から制御部16が駆動部15iに固定を指令すると駆動部15iがロッド15kをB方向に駆動して、アーム部材15gが支点部15hを中心として時計回りに回転する。その結果、スライド部材15fがA方向に移動して、嵌合部15jが固定軸14eに嵌合して傾斜位置S1 で腰掛5が固定される。なお、非傾斜位置S2 から傾斜位置S1 に腰掛5を切り換えるときには、以上の動作とは逆の動作になる。この第4実施形態には、第3実施形態と同様の効果がある。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、鉄道車両の縦形腰掛を例に挙げて説明したがこれに限定するものではない。例えば、鉄道車両の長さ方向に対して直角に設置された横形腰掛(クロスシート)、鉄道車両以外のバスや船舶などの交通輸送機関の腰掛、病院や駅の待合室などに設置された長椅子などについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、段差部10の高さが同一である場合を例に挙げて説明したが、段差部10の高さを二段階以上に変化させることもできる。さらに、この実施形態では、座部7,11側のみに段差部10を形成した場合を例に挙げて説明したが、背もたれ部8側のみに段差部10を形成してもよいし、座部7,11側及び背もたれ部8側の双方に段差部10を形成してもよい。例えば、背もたれ部8の厚さ、沈下量、傾斜角度が異なるように構成してもよい。
6 着席構造
7 座部
8 背もたれ部
10 段差部
11 座部
12 段差量可変部
12a 空気ばね
12b 供給管路
12d 排出管路
12f,12g 開閉弁
13 制御部
15 切換部
15a 支持部
15c 駆動部
15d 固定部
16 制御部
P 乗客
A1 〜A7 着席区画
h1 ,h2 座面高さ
δ1 ,δ2 沈下量
Δh 段差量
θ 傾斜角度
S1 傾斜位置
S2 非傾斜位置
Claims (8)
- 着席定員に応じて複数の着席区画に腰掛を分割してこの着席区画毎に一人ずつ着席させるための腰掛の着席構造であって、
前記腰掛は、平坦な床面の長さ方向に沿って配置される縦型腰掛であり、隣接する前記着席区画に跨って着席されるのを防止するために、この隣接する前記着席区画の間に段差部を備えること、
を特徴とする腰掛の着席構造。 - 請求項1に記載の腰掛の着席構造において、
前記腰掛は、隣接する座部の高さ又は背もたれ部の厚さの少なくとも一方が異なること、
を特徴とする腰掛の着席構造。 - 請求項1に記載の腰掛の着席構造において、
前記腰掛は、隣接する座部又は背もたれ部の少なくとも一方の沈下量が異なること、
を特徴とする腰掛の着席構造。 - 請求項1に記載の腰掛の着席構造において、
前記腰掛は、隣接する座部又は背もたれ部の少なくとも一方の傾斜角度が異なること、
を特徴とする腰掛の着席構造。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の腰掛の着席構造において、
前記段差部の段差量を可変する段差量可変部と、
混雑時には前記段差部が大きくなるように前記段差量可変部を制御し、非混雑時には前記段差部が小さくなるように前記段差量可変部を制御する制御部とを備えること、
を特徴とする腰掛の着席構造。 - 請求項5に記載の腰掛の着席構造において、
前記段差量可変部は、
隣接する前記着席区画の一方又は双方に設置された空気ばねと、
前記空気ばねに空気を供給する供給管路と、
前記空気ばねから空気を排出する排出管路と、
前記供給管路を開閉する第1の開閉弁と、
前記排出管路を開閉する第2の開閉弁とを備え、
前記制御部は、混雑時には前記第1の開閉弁に前記供給管路を開放させるとともに前記第2の開閉弁に前記排出管路を閉鎖させ、非混雑時には前記第1の開閉弁に前記供給管路を閉鎖させるとともに前記第2の開閉弁に前記排出管路を開放させること、
を特徴とする腰掛の着席構造。 - 請求項5に記載の腰掛の着席構造において、
前記段差量可変部は、前記傾斜角度が所定角度である傾斜位置と前記傾斜角度がゼロ度である非傾斜位置とに前記腰掛を切り換える切換部を備え、
前記制御部は、混雑時には前記傾斜位置に前記腰掛を前記切換部に切り換えさせ、非混雑時には前記非傾斜位置に前記腰掛を前記切換部に切り換えさせること、
を特徴とする腰掛の着席構造。 - 請求項7に記載の腰掛の着席構造において、
前記切換部は、
前記腰掛を回転自在に支持する支持部と、
前記傾斜位置及び前記非傾斜位置に前記腰掛を駆動する駆動部と、
前記傾斜位置及び前記非傾斜位置で前記腰掛を固定する固定部とを備え、
前記制御部は、混雑時には前記非傾斜位置から前記傾斜位置まで前記駆動部に前記腰掛を駆動させるとともに前記傾斜位置で前記固定部に前記腰掛を固定させ、非混雑時には前記傾斜位置から前記非傾斜位置まで前記駆動部に前記腰掛を駆動させるとともに前記非傾斜位置で前記固定部に前記腰掛を固定させること、
を特徴とする腰掛の着席構造。
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