JP2009018648A - 移動体の着雪抑制装置 - Google Patents

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Katsushi Hashimoto
克史 橋本
Asae Yamada
麻恵 山田
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Abstract

【課題】排熱を有効に利用して安価で簡単な構造によって移動体に雪が付着するのを抑制することができる移動体の着雪抑制装置を提供する。
【解決手段】車室内の暖かい空気が温風ダクト部4a内に排出されると、この温風ダクト部4aの表面が加熱されて、この表面に雪が付着し難くなる。温風噴射部4bから温風が噴射すると、台車1の上部が加熱されてこの部分に雪が付着し難くなる。また、温風噴射部4cから温風が噴射すると、側板部2gの内側表面が加熱されてこの内側表面に雪が付着し難くなるとともに、側面板部4hと側板部2gとの間の間隙部に温風の流れが形成されるためこの間隙部に雪が付着し難くなる。さらに、温風噴射部4dから温風が噴射すると、底面2eが加熱されて底面2eに雪が付着し難くなるとともに、上面板部4fと底面2eとの間の間隙部に温風の流れが形成されるためこの間隙部に雪が付着し難くなる。
【選択図】図3

Description

この発明は、移動体が移動するときにこの移動体に雪が付着するのを抑制する移動体の着雪抑制装置に関する。
新幹線などの高速列車では、冬季に降雪区間を通過すると雪が舞上り台車や底面凹部などに付着する現象が知られている。従来の鉄道車両の着雪防止装置(従来技術1)は、車体下部の床下機器を覆うカバーに装着される伸縮可能な袋体と、この袋体を膨張及び収縮させるために袋体に圧縮空気を定期的に給排気する空気給排気機構とを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来技術1では、袋体を定期的に膨張及び圧縮させてこの袋体に付着した雪を除去し着雪を防止している。
また、従来の車両用ワイパー装置(従来技術2)は、自動車のワイパーのブレードの周囲を覆うカバー部材と、車両内暖房用の熱風をこのカバー部材に取り入れる熱風取入口などを備えている(例えば、特許文献2参照)。このような従来技術2では、カバー部材内に取り入れられた熱風を風防ガラスに向けて放出してブレードへの着雪を熱風によって抑制している。
特開2002-067956号公報
特開平10-035422号公報
従来技術1は、袋体内のチューブに空気圧を供給する空気タンクと、この空気タンクに圧縮空気を供給する空気圧縮機と、柱―部に供給する空気圧を調整する圧力調整弁などを空気給排気機構が備えている。このため、従来技術1では、装置全体が大型化し、車両の床下の狭い空間内に設置するのが困難であるとともに、空気圧縮機などを駆動するための電源が必要になり電力消費が大きくなってしまう問題点がある。
また、従来技術2は、車内の空調用の熱風と着雪防止用の熱風とを一つの暖房装置が発生させている。このため、従来技術2では、通常の車内空調用の暖房装置よりも大型で能力の高い暖房装置が必要になり、自動車内の限られたスペースにこのような大型の暖房装置を設置することが困難であるとともに、通常の暖房装置よりも多量の温風を発生するために電力消費が大きくなってしまう問題点がある。
この発明の課題は、排熱を有効に利用して安価で簡単な構造によって移動体に雪が付着するのを抑制することができる移動体の着雪抑制装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図2〜図5、図10〜図12及び図14に示すように、移動体(V)が移動するときにこの移動体に雪が付着するのを抑制する移動体の着雪抑制装置であって、前記移動体の換気装置(7)から排出される温風(W)を熱源として、前記雪の付着が予測される領域を加熱する加熱装置(4)を備えることを特徴とする移動体の着雪抑制装置(3A〜3D)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の移動体の着雪抑制装置において、図3に示すように、前記加熱装置は、前記温風を内部に通過させてダクト表面(4e〜4h)を加熱し、前記雪の付着が予測される領域を裏側から加熱する温風ダクト部(4a)と、前記温風ダクト部から前記温風を噴射して、前記雪の付着が予測される領域を表側から加熱する温風噴射部(4b〜4d)とを備えることを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の移動体の着雪抑制装置において、図5〜図8に示すように、前記温風ダクト部は、前記移動体の底面凹部(2d)の端面(2f)を被覆することを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の移動体の着雪抑制装置において、図4及び図5に示すように、前記温風噴射部は、前記移動体の走行装置(1)、この移動体の底面凹部(2d)又はこの移動体の側板部(2g)の少なくとも一つに前記温風を噴射することを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項5の発明は、請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、図4に示すように、前記温風噴射部(4c)は、前記温風ダクト部の側面(4h)と前記移動体の側板部(2g)との間の間隙部に前記温風を噴射することを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項6の発明は、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、図5及び図8に示すように、前記温風噴射部(4d)は、前記温風ダクト部の上面(4f)と前記移動体の底面凹部(2d)との間の間隙部に前記温風を噴射することを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項7の発明は、請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、図3に示すように、前記温風噴射部は、前記移動体の幅方向、高さ方向又は長さ方向の少なくとも一つの方向に間隔をあけて複数配置されていることを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項8の発明は、請求項1に記載の移動体の着雪抑制装置において、図11及び図12に示すように、前記加熱装置は、前記雪の付着が予測される領域の裏側(2k)に前記温風を噴射して、この雪の付着が予測される領域を裏側から加熱する温風噴射部(4i)を備えることを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項9の発明は、請求項8に記載の移動体の着雪抑制装置において、前記温風噴射部は、前記移動体の底面凹部(2d)の端面(2f)の裏側に前記温風を噴射することを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項10の発明は、請求項9に記載の移動体の着雪抑制装置において、図11示すように、前記加熱装置は、前記底面凹部の端面と前記移動体の側板部(2g)との間の間隙部から前記温風を排出することを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項11の発明は、請求項9又は請求項10に記載の移動体の着雪抑制装置において、図12に示すように、前記加熱装置は、前記底面凹部の端面と前記移動体の底面凹部(2d)との間の間隙部から前記温風を排出することを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項12の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、図8及び図12に示すように、前記加熱装置は、前記移動体の空調後の温風を熱源とすることを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項13の発明は、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、図14に示すように、前記加熱装置は、前記移動体の電気機器(8)の冷却後の温風を熱源とすることを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
請求項14の発明は、請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、図14に示すように、前記加熱装置は、前記温風を送風する送風部(4j)を備えることを特徴とする移動体の着雪抑制装置である。
この発明によると、排熱を有効に利用して安価で簡単な構造によって移動体に雪が付着するのを抑制することができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を備える車両を概略的に示す側面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を備える車両を概略的に示す縦断面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を概略的に示す斜視図である。図4は、図2のIV-IV線で切断した状態を示す断面図である。図5は、図4のV-V線で切断した状態を示す断面図である。図6は、図4のVI-VI線で切断した状態を示す断面図である。図7は、図4のVII-VII線で切断した状態を示す断面図である。図8は、この発明の第1実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を備える車両の換気装置の模式図である。
図1及び図2に示す軌道Rは、車両Vが走行する通路(線路)であり、車両Vの車輪1aを案内する一対のレールR1と、このレールR1を支持する支持体(支承体)R2などを備えている。車両Vは、軌道Rに沿って移動する移動体である。図1及び図2に示す車両Vは、例えば、300km/h以上の高速で走行する新幹線車両であり、図2に示す台車1と、車体2と、着雪抑制装置3A〜3Dと、図3及び図4に示す床下機器6と、図8に示す換気装置7などを備えている。以下では、図1及び図2に示す車両Vが軌道Rに沿ってA1方向に走行する場合を例に挙げて説明する。
図2に示す台車1は、車体2を支持して走行する走行装置であり、車体2の底面凹部2dに配置されている。台車1は、図1〜図7に示すようにレールR1と転がり接触する車輪1aと、図3、図4及び図7に示すように車輪1aを取り付ける車軸1bと、図2、図5及び図6に示すように車軸1bを支持する台車枠1cなどを備えている。
図1及び図2に示す車体2は、乗客を積載し輸送するための構造物であり、図2に示す床構造(床構え)2aと、車体底面(車両床下)2bと、図1に示す車体側面2cと、図2に示す底面凹部2dなどを備えている。車体2は、図3及び図7に示すように、耐寒耐雪車両の着雪防止対策の一つとして、車体床面2b及び車体側面2cを平滑化するために、台車1を除く車両Vの床下が被覆されているボディマウント構造である。
図2に示す床構造2aは、乗客などの重量を支持する車体2の基本構造部であり、梁状の部材によって構成された骨組みである台枠と、この台枠上に支持される床板などを備えている。車体底面2bは、車両Vの底面を構成する部分であり、車両Vの走行中の落雪によって飛散したバラストから床下機器6を保護するために、この床下機器6を被覆する底面カバーとして機能する。図1に示す車体側面2cは、車両Vの側面を構成する部分であり、図7に示すように裾部分が車体底面2bに向かって内側に湾曲する曲面状に形成されている。図2に示す底面凹部2dは、台車1を収納する収納部であり、車体底面2bに形成された切欠部(キャビティ)である。底面凹部2dは、図2及び図5〜図7に示すように、底面2eと、端面板部2fと、側板部2gなどを備えている。底面2eは、床構造2aの下面を構成する部分であり平坦面状に形成されている。端面板部2fは、底面凹部2dの長さ方向(車両Vの長さ方向)の端部を構成する部分であり、底面2eと略垂直の平面状に形成されている。端面板部2fは、図5に示すように、この端面板部2fを貫通する流入口2hを備えており、流入口2hは温風ダクト部4a内に温風Wを流入させる開口部である。側板部2gは、車体側面2cに沿って流れる空気が底面凹部2dから剥離するのを抑制する部分であり、台車1の側面を覆う側カバー部(側スカート部)として機能する。側板部2gは、図3及び図7に示すように車体底面2bに向かって内側に湾曲する曲面状に形成されている。側板部2gは、図3に示すように、底面凹部2dの切欠部を塞ぐように台車1の側方に配置されており、側板部2gの下端面は車体底面2bと略同じ高さであり、車体側面2cと一体となって車体底部の下部側面を構成する。
図2に示す着雪抑制装置3A〜3Dは、車両Vが移動するときにこの車両Vに雪が付着するのを抑制する装置である。着雪抑制装置3A〜3Dは、例えば、車両Vの走行にともなって発生する空気の流れ(列車風)によって軌道R上の雪が舞上ったときに、空調の排風を利用してこの雪の付着が予測される領域を加熱し、この車両Vに雪が付着するのを抑制するとともに、雪が付着したときにはこの雪を融かす。着雪抑制装置3A〜3Dは、例えば、温度が20〜30℃程度であって、風量が17〜22m3/min程度の温風Wを排出する。着雪抑制装置3A,3Bは、車両VがA1方向に走行(例えば上り線を走行)するときに、この車両Vの進行方向後側の底面凹部2dの端部付近(図2に示す右側の端面板部2f付近)などに雪が付着するのを抑制する。一方、着雪抑制装置3C,3Dは、車両VがA2方向に走行(例えば下り線を走行)するときに、この車両Vの進行方向後側の底面凹部2dの端部付近(図2に示す左側の端面板部2f付近)などに雪が付着するのを抑制する。着雪抑制装置3A〜3Dは、車両Vの進行方向にかかわらず全てが動作するように制御装置によって制御されたり、着雪抑制装置3A,3Bは車両VがA1方向に走行するときにのみ動作し、着雪抑制装置3C,3Dは車両VがA2方向に走行するときにのみ動作するように制御装置によって制御されたりする。着雪抑制装置3A〜3Dは、いずれも略同一構造であり、以下では着雪抑制装置3Aについて説明する。着雪抑制装置3Aは、図3〜図6に示すように、加熱装置4と風導装置5などを備えている。
加熱装置4は、車両Vの換気装置7から排出される温風Wを熱源として、雪の付着が予測される領域を加熱する装置である。加熱装置4は、例えば、図5に示す台車1、底面凹部2d、図4に示す側板部2g、正面板部4e、図5に示す上面板部4fと底面2eとの間の間隙部、図4に示す側面板部4hと側板部2gとの間の間隙部のような雪の付着が予測される領域を加熱する。加熱装置4は、図3に示すように、温風ダクト部4aと温風噴射部4b〜4dなどを備えている。加熱装置4は、図8に示すように、車両Vの空調後の温風Wを熱源としており、温風ダクト部4aをこの温風Wによって加熱してこの温風ダクト部4aの表面への雪の付着を抑制するとともに、図3に示すように温風ダクト部4a内の温風Wを温風噴射部4b〜4dから噴射して台車1、底面凹部2d及び側板部2gの表面への雪の付着を抑制する。
温風ダクト部4aは、温風Wを内部に通過させてダクト表面を加熱し、雪の付着が予測される領域を加熱する部分であり、図3〜図6に示すように端面板部2fを被覆している。温風ダクト部4aは、図4及び図5に示すように、内部に空間を有し外観が略直方体状の容器(簡易ダクト)であり、図示しないボルトなどの固定部材によって端面板部2fに着脱自在に取り付けられている。温風ダクト部4aは、例えば、耐食性に優れたステンレス板などを所定の形状に切断し溶接して組み立てられている。温風ダクト部4aは、図3に示すように、正面板部4eと、上面板部4fと、下面板部4gと、側面板部4hなどを備えており、これらの表面がダクト表面を構成する。温風ダクト部4aは、温風Wが内部を通過することによって、正面板部4e、上面板部4f及び下面板部4gを加熱しこれらの表面に雪が付着するのを抑制する。
正面板部4eは、図4〜図6に示すように、台車1と間隔をあけて対向する部分であり、端面板部2fと平行に配置されている。正面板部4eは、端面板部2fを塞ぐ塞ぎ板として機能し、全体が温風Wによって暖められる。上面板部4fは、図5〜図7に示すように、底面凹部2dの底面2eと僅かに間隔をあけて対向する部分であり、この底面2eと平行に配置されている。下面板部4gは、軌道Rと間隔をあけて対向する部分であり、車体底面2bと同じ高さ(同一面)に配置されている。側面板部4hは、図7に示すように、側板部2gと僅かに間隔をあけて対向する部分である。側面板部4hは、側板部2gの湾曲面と同一形状に加工する手間を省くため加工が容易な平面状に形成されており、側板部2gの湾曲面との間に僅かに隙間を形成している。
図3に示す温風噴射部4b〜4dは、温風ダクト部4aから温風Wを噴射して雪の付着が予測される領域を加熱する部分である。温風噴射部4b〜4dは、いずれも略同一構造であり、正面板部4e、上面板部4f及び側面板部4hをそれぞれ貫通する円形状の貫通孔(噴射口)である。図3及び図4に示す温風噴射部4bは、台車1に温風Wを噴射してこの台車1を加熱する。温風噴射部4bは、図3、図4及び図7に示すように、車両Vの幅方向(正面板部4eの長さ方向)に間隔をあけて複数配置されており、図3及び図7に示すように正面板部4eの上縁部寄りに1列に形成されている。図4に示す温風噴射部4cは、側板部2gに温風Wを噴射してこの側板部2gを加熱するとともに、側面板部4hと側板部2gとの間の間隙部に温風Wを噴射して、この間隙部に温風Wによる気流を生成する。温風噴射部4cは、図3及び図6に示すように、車両Vの高さ方向(側面板部4hの長さ方向)に間隔をあけて複数配置されており、側面板部4hの端面板部2f寄りの縁部に1列に形成されている。図5に示す温風噴射部4dは、底面凹部2dに温風Wを噴射してこの底面凹部2dを加熱するとともに、上面板部4fと底面凹部2dとの間の間隙部に温風Wを噴射して、この間隙部に温風Wによる気流を生成する。温風噴射部4dは、図3に示すように、車両Vの幅方向(上面板部4fの長さ方向)に間隔をあけて複数配置されており、端面板部2f寄りの縁部に1列に形成されている。
図2〜図6に示す風導装置5は、換気装置7から加熱装置4に温風Wを導く装置である。風導装置5は、上流側の端部が換気装置7の排出口に接続されており、下流側の端部が端面板部2fの流入口2hに接続されている。風導装置5は、例えば、図5及び図6に示す床構造2a、車体底面2b、車体側面2c及び端面板部2fによって囲まれた空間内に、図3及び図4に示す床下機器6を避けるように配管可能な伸縮性及び屈曲性を有するフレキシブルダクト(たわみ風導)などの風導管である。
床下機器6は、車両Vの床下に配置される種々の機器である。床下機器6は、床構造2a、車体底面2b、車体側面2c及び端面板部2fによって囲まれた空間内に収容されている。床下機器6は、例えば、電車線(架線)から取り込まれた交流電力の電圧を降圧する主変圧器、主変圧器からの交流電力を直流電力に変換するコンバータ装置、交流モータを駆動制御するための交流電力にコンバータ装置からの直流電力を変換するインバータ装置などである。
図3〜図6及び図8に示す換気装置7は、車両V内を換気する装置である。換気装置7は、車両V内の温度を快適な状態に維持するために、夏季には車両V内の温度を下げる冷房機能を有するとともに、冬季には車両V内の温度を上げる暖房機能を有し、年間を通じて車両V内の空気を強制的に入れ替える強制換気方式の空調換気装置(冷暖房換気装置)などである。換気装置7は、図5、図6及び図8に示すように、床構造2a、車体底面2b、車体側面2c及び端面板部2fによって囲まれた空間内に収容される床下機器6の一種であり、図8に示すように吸気装置7aと排気装置7bなどを備えている。吸気装置7aは、車両V内に車両V外から新鮮な空気を送り込む装置であり、図示しない吸気口から外部の空気を吸引して車両V内に送り込む吸気ファンなどを備えている。排気装置7bは、車両V内の汚れた空気を車両V外に送り出す装置であり、車両V内の空気を車両Vから排出する排気ファンなどを備えている。排気装置7bは、冬季には車両V内の空調後の暖かい空気を風導装置5に排出し、この風導装置5を通じて温風ダクト部4aに排出する。換気装置7は、車両Vのトンネル走行時に車両Vの内外の圧力差によって生ずるいわゆる耳つん現象を抑えるために、吸気装置7a及び排気装置7bによって強制的に給排気しており、車両V内の圧力を略一定に維持し車両V内の気密性を確保している。
次に、この発明の第1実施形態に係る移動体の着雪抑制装置の動作を説明する。
例えば、図1及び図2に示すA1方向に車両Vが軌道R上を降雪時に走行すると、この車両Vの走行にともなって軌道R上の雪が舞上る。その結果、図2、図5及び図6に示す台車1の上部、図3、図4及び図7に示す側板部2gの内側表面、図3〜図7に示す進行方向後側の正面板部4eの表面、図5〜図7に示す上面板部4fと底面2eとの間の間隙部、図4及び図7に示す側面板部4hと側板部2gとの間の間隙部などに雪が付着しようとする。冬季には車両Vの客室内を暖房する必要があるため、図8に示す吸気装置7aが車室内に外部から空気を取り込み車室内に送風し、換気装置7がこの空気を加熱して車室内を設定温度に保持するとともに、車室内の暖かい空気を排気装置7bが風導装置5に排出する。このとき、車室内の暖かい空気が排気装置7bによって圧縮されて風導装置5に送風されるため、車室内よりも空気の温度が上昇し、比較的高温の温風Wが風導装置5から流入口2hを通過して加熱装置4の温風ダクト部4a内に排出される。温風ダクト部4a内を温風Wが流れると、この温風ダクト部4a全体がこの温風Wによって加熱される。その結果、図3に示す正面板部4e、上面板部4f、下面板部4g及び側面板部4hが加熱されてこれらの表面に雪が付着し難くなる。
温風ダクト部4a内に温風Wが流入すると、図3に示す温風噴射部4b〜4dから温風Wが噴射する。図4及び図5に示すように、温風噴射部4bから台車1に向かって温風Wが噴射すると、台車1の上部のような雪の付着が予測される領域が加熱されてこの領域に雪が付着し難くなる。また、図4に示すように、温風噴射部4cから側板部2gに向かって温風Wが噴射すると、側板部2gの内側表面が加熱されてこの側板部2gの内側表面に雪が付着し難くなるとともに、側面板部4hと側板部2gとの間の間隙部に温風Wの流れが形成されるためこの間隙部に雪が付着し難くなる。さらに、図5に示すように、温風噴射部4dから底面2eに向かって温風Wが噴射すると、底面2eが加熱されてこの底面2eに雪が付着し難くなるとともに、上面板部4fと底面2eとの間の間隙部に温風Wの流れが形成されるためこの間隙部に雪が付着し難くなる。
この発明の第1実施形態に係る移動体の着雪抑制装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、車両Vの換気装置7から排出される温風Wを熱源として、雪の付着が予測される領域を加熱装置4が加熱する。このため、排熱を有効に利用して車両Vに雪が付着するのを抑制することができる。また、車両Vから排出される熱エネルギーを外部に無駄に捨てずに、この熱エネルギーを着雪防止対策として有効に活用することができる。
(2) この第1実施形態では、温風ダクト部4aが内部に温風Wを通過させてダクト表面を加熱し、雪の付着が予測される領域を裏側から加熱するとともに、この温風ダクト部4aから温風噴射部4b〜4dが温風Wを噴射して雪の付着が予測される領域を表側から加熱する。このため、温風ダクト部4a自体を加熱して広い面積で雪の付着を抑えることができる。また、温風噴射部4b〜4dからこの温風Wを噴射して、雪の付着が予測される領域を加熱し雪の付着を抑えることができるとともに、温風Wによる気流を生成してこの領域に雪が付着し難くすることができる。その結果、着雪防止効果を向上させることができるため、今後の新幹線車両などのより一層の高速化を図ることができる。
(3) この第1実施形態では、底面凹部2dの端面板部2fを温風ダクト部4aが被覆する。例えば、温風ダクト部4aが存在しない場合には、降雪時に車両Vが軌道R上を走行すると端面板部2fに雪が付着する。この第1実施形態では、雪が最も付着しやすい領域である端面板部2fの表面を重点的に温風ダクト部4aによって覆うため、温風ダクト部4aが発生する熱によって雪の付着を抑えることができる。
(4) この第1実施形態では、車両Vの台車1、底面凹部2d及び側板部2gに温風噴射部4bが温風Wを噴射する。このため、台車1の上部、底面凹部2dの底面2e、及び側板部2gの内側表面のような雪の付着しやすい領域を温風Wによって加熱して、これらの領域に雪が付着するのを抑えることができる。
(5) この第1実施形態では、温風ダクト部4aの側面板部4hと底面凹部2dの側板部2gとの間の間隙部に温風噴射部4cが温風Wを噴射する。また、この実施形態では、温風ダクト部4aの上面板部4fと底面凹部2dとの間の間隙部に温風噴射部4dが温風Wを噴射する。その結果、これらの間隙部に温風Wによる気流が生成されるため、これらの間隙部に雪が溜まるのを抑えることができる。
(6) この第1実施形態では、車両Vの幅方向に間隔をあけて温風噴射部4b,4dが複数配置されており、車両Vの高さ方向に間隔をあけて温風噴射部4cが複数配置されている。その結果、雪の付着が予測される領域に温風Wが広範囲で噴射されるため、この領域に部分的に雪が付着するのを防ぐことができる。また、広い空間内に温風Wによる気流が形成されるため、この空間内に雪が溜まるのを防ぐことができる。
(7) この第1実施形態では、車両Vの空調後の温風Wを加熱装置4が熱源とする。このため、温風発生装置のような特別な装置を駆動するための電源が不要になって、電力消費が増加するのを防ぐことができるとともに、このような特別な装置を車両V内に設置する必要がなくなって、車両V内の空間を有効に活用することができる。
(第2実施形態)
図9は、この発明の第2実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を備える車両を概略的に示す縦断面図である。図10は、この発明の第2実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を概略的に示す斜視図である。図11は、図9のXI-XI線で切断した状態を示す断面図である。図12は、図11のXII-XII線で切断した状態を示す断面図である。図13は、図11のXIII-XIII線で切断した状態を示す断面図である。以下では、図1〜図8に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図9〜図13に示す端面板部2fは、図2〜図8に示す端面板部2fと略同一構造であるが、図5及び図8に示す流入口2hが省略されている。端面板部2fは、図10〜図13に示すように、表面2jと、裏面2kと、上面2mと、下面2nと、端面2pなどを備えている。表面2jは、図12に示すように、台車1と間隔をあけて対向する部分であり、端面板部2fの正面部を構成する。裏面2kは、図11に示すように、温風噴射部4iと間隔をあけて対向する部分であり、端面板部2fの背面部を構成する。上面2mは、図12に示すように、車体底面2bの底面2eとの間に微小な隙間をあけて対向する部分であり、端面板部2fの上縁部を構成する。下面2nは、軌道Rと間隔をあけて対向する部分であり、端面板部2fの下縁部を構成し、車体底面2bと同じ高さ(同一面)である。端面2pは、図13に示すように、側板部2gとの間に微小な隙間をあけて対向する部分であり、端面板部2fの側面部を構成する。端面板部2fは、温風Wが裏面2kに噴射されることによって、表面2jを加熱しこの表面2jに雪が付着するのを抑制する。
図9〜図13に示す加熱装置4は、図2〜図8に示す加熱装置4とは異なり、温風ダクト部4a及び温風噴射部4b〜4dが省略されており、温風噴射部4iを備えている。温風噴射部4iは、雪の付着が予測される領域の裏側に温風Wを噴射して、この雪の付着が予測される領域を裏側から加熱する部分である。温風噴射部4iは、風導装置5の下流側の端部に形成された吹き出し口であり、端面板部2fの裏面2kに温風Wを噴射する。
加熱装置4は、図12に示すように、車両Vの空調後の温風Wを熱源としており、温風噴射部4iから温風Wを端面板部2fの裏面2kに噴射して、この端面板部2fをこの温風Wによって加熱する。加熱装置4は、図12に示す端面板部2fの上面2mと底面凹部2dとの間の間隙部から温風Wを排出し、図13に示す端面板部2fの端面2pと側板部2gとの間の間隙部からも温風Wを排出して、底面凹部2d及び側板部2gを加熱するとともに、これらの間隙部に温風Wによる気流を生成する。
次に、この発明の第2実施形態に係る移動体の着雪抑制装置の動作を説明する。
例えば、図9に示すA1方向に車両Vが軌道R上を降雪時に走行すると、この車両Vの走行にともなって軌道R上の雪が舞上る。その結果、図11及び図13に示す側板部2gの内側表面、図10〜図13に示す進行方向後側の端面板部2fの表面2j、図12及び図13に示す上面2mと底面2eとの間の間隙部、図11及び図13に示す端面2pと側板部2gとの間の間隙部などに雪が付着しようとする。図12に示すように、冬季には換気装置7が車室内の暖かい空気を風導装置5に排出し、端面板部2fの裏面2kに温風噴射部4iから温風Wが吹き付けられる。その結果、温風噴射部4iから噴出した温風Wが端面板部2fの裏面2kに沿って流れ、端面板部2f全体がこの温風Wによって加熱されて表面2jに雪が付着し難くなる。
端面板部2fの裏面2kに沿って温風Wが流れると、図12に示す車体底面2bと裏面2kとの間の間隙部から温風Wの一部が軌道Rに向かって下方に排出されるとともに、図12及び図13に示す下面2nと底面2eとの間の間隙部から温風Wが排出されて、図11及び図13に示す端面2pと側板部2gとの間の間隙部から温風Wが排出される。その結果、底面2eが加熱されてこの底面2eに雪が付着し難くなるとともに、上面2mと底面2eとの間の間隙部に温風Wの流れが形成されるためこの間隙部に雪が付着し難くなる。また、側板部2gの内側表面が加熱されてこの側板部2gの内側表面に雪が付着し難くなるとともに、端面2pと側板部2gとの間の間隙部に温風Wの流れが形成されるためこの間隙部に雪が付着し難くなる。
この発明の第2実施形態に係る移動体の着雪抑制装置には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、温風噴射部4iが雪の付着が予測される領域の裏側に温風Wを噴射して、この雪の付着が予測される領域を裏側から加熱する。このため、雪の付着が予測される領域を温風Wによって加熱して広い面積で雪の付着を抑えることができる。また、この第2実施形態では、図1〜図8に示す温風ダクト部4a及び温風噴射部4b〜4cに比べて構造が簡単になり、低コストで着雪防止効果を実現することができる。
(2) この第2実施形態では、温風噴射部4iが端面板部2fの裏側に温風Wを噴射する。このため、例えば、雪が最も付着しやすい領域である端面板部2fの表面2jを裏面2k側から温風Wによって加熱し、端面板部2fが発生する熱によって雪の付着を抑えることができる。
(3) この第2実施形態では、端面板部2fと側板部2gとの間の間隙部から加熱装置4が温風Wを排出する。また、この第2実施形態では、端面板部2fと底面凹部2dとの間の間隙部から加熱装置4が温風Wを排出する。その結果、これらの間隙部に温風Wによる気流が生成されるため、これらの間隙部に雪が溜まるのを抑えることができる。また、底面凹部2dの底面2e及び側板部2gの内側表面のような雪の付着しやすい領域が温風Wによって加熱されるため、これらの領域に雪が付着するのを抑えることができる。
(第3実施形態)
図14は、この発明の第3実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を備える車両を概略的に示す縦断面図である。
図14に示す加熱装置4は、車両Vの電気機器8の冷却後の温風Wを熱源としており、図3〜図8に示す温風ダクト部4aをこの温風Wによって加熱する。加熱装置4は、温風Wを送風する送風部4jを備えており、この送風部4jは電気機器8の冷却後の温風Wを風導装置5から加熱装置4に送り出す送風ファンなどである。
図14に示す換気装置7は、電気機器8を冷却するための空気を送風する送風装置7cを備えており、この送風装置7cは外部の空気を吸気口から吸引して電気機器8に送り込む吸気ファンなどを備える電動送風機である。送風装置7cは、床構造2a、車体底面2b、車体側面2c及び端面板部2fによって囲まれた空間内に収容される床下機器6の一種であり、電気機器8を冷却後の温風Wを風導装置5に排出する。
電気機器8は、車両Vに搭載される主回路機器であり、例えば変圧器、コンバータ装置及びインバータ装置などである。電気機器8は、床構造2a、車体底面2b、車体側面2c及び端面板部2fによって囲まれた空間内に収容される床下機器6の一種である。
この発明の第3実施形態に係る移動体の着雪抑制装置には、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第3実施形態では、車両Vの電気機器8の冷却後の温風Wを加熱装置4が熱源とする。このため、電気機器8が発生する熱エネルギーを外部に無駄に捨てずに、この熱エネルギーを着雪防止対策として有効に活用することができる。
(2) この第3実施形態では、温風Wを送風する送風部4jを加熱装置4が備えている。通常、図8に示す排気装置7bは車室内の空気を吸い出す必要があるため送風能力が比較的高く、この排気装置7bに比べて図14に示す送風装置7cは送風能力が比較的低い。この第3実施形態では、送風装置7cが排出する温風Wを送風部4jが温風ダクト部4aに向かって送風するため、加熱装置4に十分な風量の温風Wを供給することができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、車両Vが鉄道車両である場合を例に挙げて説明したが、磁気浮上式鉄道、自動車、航空機などの他の移動体についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、車両Vが新幹線車両である場合を例に挙げて説明したが、新幹線と在来線の双方を走行可能な新在直通運転用の車両や在来線車両についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、着雪が予測される領域として台車1の上部、底面凹部2d及び側板部2gなどを例に挙げて説明したが、これらの領域に限定するものではない。例えば、車両V同士を連結する連結部の間隙部に加熱装置4を配置し、この間隙部に雪が付着するのを抑制することもできる。
(2) この実施形態では、底面凹部2dの前後の端面板部2fに着雪抑制装置3A〜3Dを配置する場合を例に挙げて説明したが、例えば終着駅で折返し運転をしないでA1方向のみに走行する車両の場合には、進行方向後側の端面板部2fに着雪抑制装置3A,3Bを配置し、進行方向前側の端面板部2fについては着雪抑制装置3C,3Dの配置を省略することもできる。また、この実施形態では、端面板部2fが平坦な垂直面である場合を例に挙げて説明したが、端面板部2fが平坦な傾斜面である場合や、端面板部2fが垂直面と傾斜面との組み合わせである場合についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、台車1、底面凹部2d及び側板部2gに温風噴射部4b〜4dが温風Wを噴射する場合を例に挙げて説明したが、雪の付着する可能性が低い場合には温風噴射部4b〜4dの一部を省略することもできる。
(3) この第1実施形態では、車両Vの幅方向に間隔をあけて温風噴射部4b,4dを一列に配置し、車両Vの高さ方向に間隔をあけて温風噴射部4cを一列に配置する場合を例に挙げて説明したが、このような配置に限定するものではない。例えば、温風噴射部4bを車両Vの高さ方向及び/又は幅方向に一列又は複数列に配置したり、温風噴射部4cを車両Vの高さ方向及び/又は長さ方向に一列又は複数列に配置したり、温風噴射部4dを車両Vの幅方向及び/又は長さ方向に一列又は複数列配置したりすることもできる。また、この第1実施形態では、温風噴射部4b〜4dが円形状の貫通孔である場合を例に挙げて説明したが、楕円形状、長孔状又はスリット状の貫通孔に形成することもできる。さらに、この第1実施形態では、温風ダクト部4aと底面凹部2dとの間に間隙部が存在し、温風ダクト部4aと側板部2gとの間に間隙部が存在する場合を例に挙げて説明したが、これらの間に間隙部が存在しない場合についてもこの発明を適用することができる。
(4) この第2実施形態では、端面板部2fの裏面2kに温風Wを噴射する場合を例に挙げて説明したが、このような構造に限定するものではない、例えば、端面板部2fの表面2j側に間隔をあけて加熱板を配置し、端面板部2fと加熱板との間の間隙部にこの端面板部2fの流入口2hから温風Wを排出して加熱板を温風Wによって加熱したり、端面板部2fに温風噴射部4b〜4dを形成したりすることもできる。また、この第3実施形態では、車両Vが交流電車である場合を例に挙げて説明したが、直流電車である場合についてもこの発明を適用することができる。この場合には、直流電車の速度制御のための主抵抗器を冷却後の温風Wを熱源として利用することができる。さらに、この第3実施形態では、送風装置7cによって電気機器8を冷却する強制冷却方式の場合を例に挙げて説明したが、送風装置7cを省略して走行時に発生する気流を車両V内に取り込み電気機器8を冷却する自然通風冷却方式の場合についてもこの発明を適用することができる。例えば、風量が十分である場合には電気機器8を通過した温風をそのまま加熱装置4に排出させたり、風量が十分である場合には電気機器8を通過した温風を送風部4jによって加熱装置4に排出させたりすることができる。
(4) この第3実施形態では、図3〜図8に示す温風ダクト部4aを加熱装置4が備える場合を例に挙げて説明したが、図10〜図13に示す温風噴射部4iを加熱装置4が備える場合についてもこの発明を適用することができる。また、この第3実施形態では、電気機器8の冷却後の温風Wを利用する場合を例に挙げて説明したが、電気機器8以外にも作動時に熱を発生する発熱装置の冷却後の温風を利用することもできる。
この発明の第1実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を備える車両を概略的に示す側面図である。 この発明の第1実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を備える車両を概略的に示す縦断面図である。 この発明の第1実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を概略的に示す斜視図である。 図2のIV-IV線で切断した状態を示す断面図である。 図4のV-V線で切断した状態を示す断面図である。 図4のVI-VI線で切断した状態を示す断面図である。 図4のVII-VII線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第1実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を備える車両の換気装置の模式図である。 この発明の第2実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を備える車両を概略的に示す縦断面図である。 この発明の第2実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を概略的に示す斜視図である。 図9のXI-XI線で切断した状態を示す断面図である。 図11のXII-XII線で切断した状態を示す断面図である。 図11のXIII-XIII線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第3実施形態に係る移動体の着雪抑制装置を備える車両を概略的に示す縦断面図である。
符号の説明
1 台車(走行装置)
1a 車輪
2 車体
2a 床構造
2b 車体底面
2c 車体側面
2d 底面凹部
2e 底面
2f 端面板部(端面)
2g 側板部
2h 流入口
2j 表面
2k 裏面(裏側)
2m 上面
2n 下面
2p 端面
3A〜3D 着雪抑制装置
4 加熱装置
4a 温風ダクト部
4b〜4d 温風噴射部
4e 正面板部(ダクト表面)
4f 上面板部(ダクト表面(上面))
4g 下面板部(ダクト表面)
4h 側面板部(ダクト表面(側面))
4i 温風噴射部
4j 送風部
5 風導装置
6 床下機器
7 換気装置
7a 吸気装置
7b 排気装置
7c 送風装置
8 電気機器
R 軌道
V 車両(移動体)
W 温風

Claims (14)

  1. 移動体が移動するときにこの移動体に雪が付着するのを抑制する移動体の着雪抑制装置であって、
    前記移動体の換気装置から排出される温風を熱源として、前記雪の付着が予測される領域を加熱する加熱装置を備えること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  2. 請求項1に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記加熱装置は、
    前記温風を内部に通過させてダクト表面を加熱し、前記雪の付着が予測される領域を裏側から加熱する温風ダクト部と、
    前記温風ダクト部から前記温風を噴射して、前記雪の付着が予測される領域を表側から加熱する温風噴射部とを備えること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  3. 請求項2に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記温風ダクト部は、前記移動体の底面凹部の端面を被覆すること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記温風噴射部は、前記移動体の走行装置、この移動体の底面凹部又はこの移動体の側板部の少なくとも一つに前記温風を噴射すること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記温風噴射部は、前記温風ダクト部の側面と前記移動体の側板部との間の間隙部に前記温風を噴射すること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  6. 請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記温風噴射部は、前記温風ダクト部の上面と前記移動体の底面凹部との間の間隙部に前記温風を噴射すること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  7. 請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記温風噴射部は、前記移動体の幅方向、高さ方向又は長さ方向の少なくとも一つの方向に間隔をあけて複数配置されていること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  8. 請求項1に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記加熱装置は、前記雪の付着が予測される領域の裏側に前記温風を噴射して、この雪の付着が予測される領域を裏側から加熱する温風噴射部を備えること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  9. 請求項8に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記温風噴射部は、前記移動体の底面凹部の端面の裏側に前記温風を噴射すること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  10. 請求項9に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記加熱装置は、前記底面凹部の端面と前記移動体の側板部との間の間隙部から前記温風を排出すること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記加熱装置は、前記底面凹部の端面と前記移動体の底面凹部との間の間隙部から前記温風を排出すること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記加熱装置は、前記移動体の空調後の温風を熱源とすること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記加熱装置は、前記移動体の電気機器の冷却後の温風を熱源とすること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
  14. 請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の移動体の着雪抑制装置において、
    前記加熱装置は、前記温風を送風する送風部を備えること、
    を特徴とする移動体の着雪抑制装置。
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