JP2009018348A - 厚肉被接合材の接合方法及び接合構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】それぞれの接合端に沿って外側端面と中間面と内側端面とを含む段部が形成され、前記外側端面同士が突き合わされた一対の厚肉被接合材1,1と、両厚肉被接合材1,1の中間面と内側端面とで形成される凹部に装入された、該凹部と同一又は相似の断面形状の接続板5と、を備え、両厚肉被接合材1,1の外側面同士を突き合わせてなる突合せ部と、接続板5と各厚肉被接合材1,1の内側端面との突合せ部と、がそれぞれ摩擦攪拌接合されているとともに、接続板5と前記凹部の底面との境界面が摩擦攪拌されている厚肉被接合材の接合構造であって、接続板5と前記凹部の底面との境界面7の摩擦攪拌が、接続板5の中心付近から周縁部に向かって平面視で螺旋模様の連続的な軌跡を描くように施されていることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
また、請求項3に係る発明は、それぞれの接合端に沿って外側端面と中間面と内側端面とを含む段部が形成された一対の厚肉被接合材の前記外側端面同士を突き合わせるとともに、前記両厚肉被接合材の中間面と内側端面とで形成される凹部に、該凹部と同一又は相似の断面形状の接続板を装入する第一工程と、前記一対の厚肉被接合材の外側端面同士を突き合わせてなる突合せ部と、前記接続板と前記各厚肉被接合材の内側端面との突合せ部と、についてそれぞれ摩擦攪拌接合を施すとともに、前記接続板と前記凹部の底面との境界面を摩擦攪拌する第二工程と、を含み、前記第二工程では、摩擦攪拌用のツールを前記接続板の中心付近から周縁部に向かって平面視で螺旋模様の連続的な軌跡を描くように移動させることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、それぞれの接合端に沿って外側端面と中間面と内側端面とを含む段部が形成され、前記外側端面同士が突き合わされた一対の厚肉被接合材と、
前記両厚肉被接合材の中間面と内側端面とで形成される凹部に装入された、該凹部と同一又は相似の断面形状の接続板と、を備え、前記両厚肉被接合材の外側面同士を突き合わせてなる突合せ部と、前記接続板と前記各厚肉被接合材の内側端面との突合せ部と、がそれぞれ摩擦攪拌接合されているとともに、前記接続板と前記凹部の底面との境界面が摩擦攪拌されている、厚肉被接合材の接合構造であって、前記接続板と前記凹部の底面との境界面の摩擦攪拌が、前記接続板の中心付近から周縁部に向かって平面視で螺旋模様の連続的な軌跡を描くように施されていることを特徴とする。
また、摩擦攪拌時に接続板の中心部から周縁部に向かって摩擦攪拌用ツールを移動させるので、境界面に残存するエアーを巻き込むことなく接合できる。周縁部から中心部に向かって接合した場合、エアー巻き込みによるトンネル状欠陥が発生する。
図1〜図4は本発明に係る接合方法の第一実施形態の各工程を表す断面図である。
まず、図1(A)に示すように、接合すべき一対の厚肉被接合材1,1を、それぞれの外側端面2a,2aで面接触させて突合せ部3を形成した上で、図示しない治具で拘束する。各厚肉被接合材1の厚さは5〜10mmであり、それぞれの接合端に沿って段部2が形成されている。段部2は、外側端面2aと中間面2bと内側端面2cとを含んで形成されている。そして、一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2aを互いに突き合わせたときに、連続する両中間面2b,2bと、対向する一対の内側端面2c,2cとで凹部4が形成される。なお、厚肉被接合材1にはアルミニウムの圧延板(AA5052合金、AA6061合金)を切削加工したものか、あるいは、段部2を予め一体に形成したアルミニウム(JIS;A6063−T5又はT6等)の押出形材が用いられる。
もちろん、ツール20の移動軌跡はこれに限定されるものではなく、たとえば図6(A)に示すように、Uターンを繰り返しつつ接合線W2に平行な向きで移動させるようにしてもよいし、図6(B)に示すように、Uターンを繰り返しつつ接合線W2に直交する向きで移動させるようにしてもよく、これら以外の移動パターンとしてもよい。連続的にでも不連続的にでもよいが、ツール20が接続板5の表面全面を満遍なく通過するようにして、境界面7の隙間の接合線W2方向の連続性を分断することが重要である。
なお、図7(B)に示すように、接続板5と各厚肉被接合材1,1の内側端面2c,2cとの突合せ部6,6(接合線W2,W2)を横断するようにツール20を移動させれば、境界面7の隙間が塞がれるだけでなく、接合線W2,W2内のトンネル状空洞欠陥が攪拌部W3で分断されるので、より気密性の高い接合構造となる。
図8は本発明に係る接合方法の第二実施形態の各工程を表す断面図である。本実施形態は基本的に第一実施形態と同様であるが、突合せ部6,6の摩擦攪拌接合と境界面7の摩擦攪拌の順序のみにおいて異なる。
つまり、まず図8(A)に示すように、それぞれの接合端に沿って外側端面2aと中間面2bと内側端面2cとを含む段部2が形成された一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成し、該突合せ部3を摩擦攪拌接合して接合線W1を形成する。
次に図8(B)に示すように、両厚肉被接合材1,1の中間面2b,2bと内側端面2c,2cとで形成される凹部4に該凹部4と同一断面形状の接続板5を装入した後、接続板5の上方から摩擦攪拌用のツール20を挿入し、凹部4の底面(中間面2b,2b)と接続板5の底面との境界面7を摩擦攪拌して一体化させ、境界面7を含む攪拌部W3を形成する。
最後に図8(C)に示すように、接続板5と各厚肉被接合材1,1の内側端面2c,2cとの間の突合せ部6,6を順次あるいは同時に摩擦攪拌接合する。
なお、第一実施形態と異なり、凹部4の底面と接続板5の底面との境界面7を摩擦攪拌して一体化させる際には、接続板5が移動しないように強固に拘束しておく必要がある。
図9は本発明に係る接合方法の第三実施形態の各工程を表す断面図である。本実施形態は基本的に第二実施形態と同様であるが、境界面7の摩擦攪拌時のツールの挿入方向のみにおいて異なる。
つまり、まず図9(A)に示すように、それぞれの接合端に沿って外側端面2aと中間面2bと内側端面2cとを含む段部2が形成された一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成し、該突合せ部3を摩擦攪拌接合して接合線W1を形成する。
次に図9(B)に示すように、両厚肉被接合材1,1の中間面2b,2bと内側端面2c,2cとで形成される凹部4に該凹部4と同一断面形状の接続板5を装入した後、接続板5の下方(接合線W1側)から摩擦攪拌用のツール20を挿入し、凹部4の底面(中間面2b,2b)と接続板5の底面との境界面7を摩擦攪拌して一体化させ、境界面7を含む攪拌部W3を形成する。
最後に図9(C)に示すように、接続板5と各厚肉被接合材1,1の内側端面2c,2cとの間の突合せ部6,6を順次あるいは同時に摩擦攪拌接合する。
図10は本発明に係る接合方法の第四実施形態の各工程を表す断面図である。本実施形態は基本的に第一実施形態と同様であるが、突合せ部6,6の摩擦攪拌接合と境界面7の摩擦攪拌の順序のみにおいて異なる。
つまり、まず図10(A)に示すように、それぞれの接合端に沿って外側端面2aと中間面2bと内側端面2cとを含む段部2が形成された一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成し、該突合せ部3を摩擦攪拌接合して接合線W1を形成する。
次に図10(B),(C)に示すように、両厚肉被接合材1,1の中間面2b,2bと内側端面2c,2cとで形成される凹部4に該凹部4と同一断面形状の接続板5を装入した後、接続板5の上方から摩擦攪拌用のツール20を挿入し、凹部4の底面(中間面2b,2b)と接続板5の底面との境界面7を摩擦攪拌するとともに、接続板5と各厚肉被接合材1,1の内側端面2c,2cとの間の突合せ部6,6を摩擦攪拌接合する。つまり、突合せ部6,6の摩擦攪拌接合と境界面7の摩擦攪拌とを区別せず、突合せ部6,6を包含するように摩擦攪拌を行うことにより、接続板5と各厚肉被接合材1,1との接合と、境界面7を含む攪拌部W3の形成を同時並行的に行うのである。したがって、作業工程の簡略化を図ることが可能である。
図11は本発明に係る接合方法の第五実施形態の各工程を表す断面図である。本実施形態は、突合せ部3の接合タイミングのみにおいて上記各実施形態と異なる。
つまり、まず図11(A)に示すように、それぞれの接合端に沿って外側端面2aと中間面2bと内側端面2cとを含む段部が形成された一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成するとともに、両厚肉被接合材1,1の中間面2b,2bと内側端面2c,2cとで形成される凹部に該凹部と同一の断面形状の接続板5を装入する。
次に図11(B)に示すように、下方から摩擦攪拌接合用のツールを挿入し、突合せ部3を摩擦攪拌接合して接合線W1を形成する。
続いて図11(C)に示すように、上方から摩擦攪拌接合用のツールを挿入し、突合せ部6,6を摩擦攪拌接合して接合線W2,W2を形成する。
最後に図11(D)に示すように、上方から摩擦攪拌用のツールを挿入し、凹部の底面(中間面2b,2b)と接続板5の底面との境界面7を摩擦攪拌して一体化させ、境界面7を含む攪拌部W3を形成する。摩擦攪拌用のツールは下から挿入することも可能である。
図12は本発明に係る接合方法の第六実施形態の各工程を表す断面図である。本実施形態では、各厚肉被接合材1,1の接合端に沿って上面側に二段の段部2,2’が形成されている。
図12(A)に示すように、厚肉被接合材1,1は厚さ10〜15mmで、それぞれの接合端に沿って二段の段部2,2’が形成されている。段部2は外側端面2aと第一中間面2bと第一内側端面2cとで形成され、段部2’は第一内側端面2cと第二中間面2b’と第二内側端面2c’とで形成されている。そして、このような一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成する。すると、第一中間面2b,2bと第一内側端面2c,2cとで幅狭の凹部4が形成され、第二中間面2b’,2b’と第二内側端面2c’,2c’とで幅広の凹部4’が形成される。
続いて図12(B)に示すように、凹部4に該凹部4と同一断面形状の接続板5を装入した上で、上記各実施形態と同様に、突合せ部3,6,6の摩擦攪拌接合による接合線W1,W2を形成するとともに、境界面7の摩擦攪拌により攪拌部W3を形成する。
最後に図12(C)に示すように、凹部4’に該凹部4’と同一断面形状の接続板5’を装入した上で、上記各実施形態と同様に、接続板5’と各厚肉被接合材1,1の第二内側端面2c’,2c’との間の突合せ部6’,6’を摩擦攪拌接合するとともに、接続板5’の底面と凹部4’の底面(第二中間面2b’,2b’及び接続板5の上面)との境界面7’を摩擦攪拌して攪拌部W3を形成する。
図13は本発明に係る接合方法の第七実施形態の各工程を表す断面図である。本実施形態では、各厚肉被接合材1,1の接合端に沿って形成された段部2が、底広凹溝2dを有する。つまり図13(A)に示すように、段部2は、外側端面2aと中間面2bと底広凹溝2dと内側端面2cとで形成されている。
そしてまず同図に示すように、これら一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成し、該突合せ部3を摩擦攪拌接合して接合線W1を形成する。
次に図13(B)に示すように、両厚肉被接合材1,1の中間面2b,2bと内側端面2c,2cと底広凹溝2d,2dとで形成される凹部4に該凹部4と同一断面形状の接続板5をスライド装入した後、接続板5と各厚肉被接合材1,1の内側端面2c,2cとの間の突合せ部6,6を摩擦攪拌接合する。接続板5は、底広凹溝2d,2dに嵌合する底広凸条5d,5dを有している。
最後に図13(C)に示すように、接続板5の上方から摩擦攪拌用のツールを挿入し、凹部4の底面(中間面2b,2b及び底広凹溝2d,2dの底面)と接続板5の底面との境界面7を摩擦攪拌して攪拌部W3を形成する。
図14は本発明に係る接合方法の第八実施形態の各工程を表す断面図である。本実施形態では、接合すべき一対の厚肉被接合材のうちの一方の厚肉被接合材1の厚さが他方の厚肉被接合材1’の厚さよりも大きくなっている。つまり図14(A)に示すように、一方の厚肉被接合材1の接合端には、外側端面2aと中間面2bと内側端面2cとからなる段部2が形成されており、他方の厚肉被接合材1’の接合端には、外側端面2aと中間面2bと内側端面2c’とからなる段部2’が形成されているが、内側端面2cの高さは内側端面2c’の高さよりも大きい。
そしてまず同図に示すように、これら一対の厚肉被接合材1,1’の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成し、該突合せ部3を摩擦攪拌接合して接合線W1を形成する。
次に図14(B)に示すように、両厚肉被接合材1,1’の中間面2b,2bと内側端面2c,2c’とで形成される凹部4に該凹部4と相似断面形状の接続板5を装入した後、接続板5と各厚肉被接合材1,1’の内側端面2c,2c’との間の突合せ部6,6’を摩擦攪拌接合する。接続板5の上面は、凹部4に装入されたときにそれぞれ厚肉被接合材1,1’の上面と同一高さとなるような第一水平面5a、第二水平面5bと、第一水平面5aと第二水平面5bとをつなぐ斜面5cとで形成されている。
最後に図14(C)に示すように、接続板5の上方から摩擦攪拌用のツールを挿入し、凹部4の底面(中間面2b,2b)と接続板5の底面との境界面7を摩擦攪拌して攪拌部W3を形成する。
図15は本発明に係る接合方法の第九実施形態の各工程を表す断面図である。本実施形態では、各厚肉被接合材1,1の接合端に沿って上下両側にそれぞれ段部2,2’が形成されている。
図15(A)に示すように、厚肉被接合材1,1は厚さ10〜15mmで、それぞれ接合端に沿って上段の段部2と下段の段部2’が形成されている。上段の段部2は外側端面2aと第一中間面2bと第一内側端面2cとで形成され、下段の段部2’は外側端面2aと第二中間面2b’と第二内側端面2c’とで形成されている。そして、このような一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成し、該突合せ部3を摩擦攪拌接合して接合線W1を形成する。
次に図15(B)に示すように、両厚肉被接合材1,1の第一中間面2b,2bと第一内側端面2c,2cとで形成される凹部4に該凹部4と同一断面形状の接続板5を装入した後、接続板5と各厚肉被接合材1,1の第一内側端面2c,2cとの間の突合せ部6,6を摩擦攪拌接合して接合線W2,W2を形成する。また、両厚肉被接合材1,1の第二中間面2b’,2b’と第二内側端面2c’,2c’とで形成される凹部4’に該凹部4’と同一断面形状の接続板5’を装入した後、接続板5’と各厚肉被接合材1,1の第二内側端面2c’,2c’との間の突合せ部6’,6’を摩擦攪拌接合して接合線W2,W2を形成する。
最後に図15(C)に示すように、接続板5の底面と凹部4の底面(第一中間面2b,2b)との境界面7を摩擦攪拌して攪拌部W3を形成するとともに、接続板5’の底面(同図では上面)と凹部4の底面(第二中間面2b’,2b’)との境界面7’を摩擦攪拌して攪拌部W3を形成する。
図16は本発明に係る接合方法の第十実施形態の各工程を表す断面図である。
図16(A)に示すように、厚肉被接合材1,1は厚さ10〜15mmで、接合端に沿って段部2が形成されている。段部2は高さの大きな(5〜10mmの)外側端面2aと中間面2bと高さの小さな(5mm以下の)内側端面2cとで形成されている。そして、このような一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成し、該突合せ部3に上下両方から摩擦攪拌接合用のツールを装入して摩擦攪拌接合を行い、接合線W1,W1を形成する。
次に図16(B)に示すように、両厚肉被接合材1,1の中間面2b,2bと内側端面2c,2cとで形成される凹部4に該凹部4と同一断面形状の接続板5を装入した後、接続板5と各厚肉被接合材1,1の内側端面2c,2cとの間の突合せ部6,6を摩擦攪拌接合して接合線W2,W2を形成する。
最後に図16(C)に示すように、接続板5の底面と凹部4の底面(中間面2b,2b)との境界面7を摩擦攪拌して攪拌部W3を形成する。
図17は本発明に係る接合方法の第十一実施形態の各工程を表す断面図である。本実施形態では、各厚肉被接合材1,1の接合端に沿って上下両面側にそれぞれ段部2,2’が形成されている。
図17(A)に示すように、厚肉被接合材1,1は厚さ15〜20mmで、それぞれ接合端に沿って上段の段部2と下段の段部2’が形成されている。上段の段部2は外側端面2aと第一中間面2bと第一内側端面2cとで形成され、下段の段部2’は外側端面2aと第二中間面2b’と第二内側端面2c’とで形成されている。外側端面2aの高さは5〜10mmである。そして、このような一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成し、該突合せ部3に上下両方から摩擦攪拌接合用のツールを装入して摩擦攪拌接合を行い、接合線W1,W1を形成する。
次に図17(B)に示すように、両厚肉被接合材1,1の第一中間面2b,2bと第一内側端面2c,2cとで形成される凹部4に該凹部4と同一断面形状の接続板5を装入した後、接続板5と各厚肉被接合材1,1の第一内側端面2c,2cとの間の突合せ部6,6を摩擦攪拌接合して接合線W2,W2を形成する。また、両厚肉被接合材1,1の第二中間面2b’,2b’と第二内側端面2c’,2c’とで形成される凹部4’に該凹部4’と同一断面形状の接続板5’を装入した後、接続板5’と各厚肉被接合材1,1の第二内側端面2c’,2c’との間の突合せ部6’,6’を摩擦攪拌接合して接合線W2,W2を形成する。
最後に図17(C)に示すように、接続板5の底面と凹部4の底面(第一中間面2b,2b)との境界面7を摩擦攪拌して攪拌部W3を形成するとともに、接続板5’の底面(同図では上面)と凹部4の底面(第二中間面2b’,2b’)との境界面7’を摩擦攪拌して攪拌部W3を形成する。
図18は本発明に係る接合方法の第十二実施形態の各工程を表す断面図である。本実施形態は基本的に第一乃至第五の実施形態と同じであるが、各厚肉被接合材が曲面板材である点のみにおいて異なる。
つまり、図18(A)に示すように、それぞれの接合端に沿って外側端面2aと中間面2bと内側端面2cとを含む段部2が形成された一対の厚肉被接合材1,1の外側端面2a,2a同士を突き合わせて突合せ部3を形成し、該突合せ部3を摩擦攪拌接合して接合線W1を形成する。中間面2bは曲面となっている。
次に図18(B)に示すように、両厚肉被接合材1,1の中間面2b,2bと内側端面2c,2cとで形成される凹部4に該凹部4と同一断面形状の接続板5を装入した後、接続板5と各厚肉被接合材1,1の内側端面2c,2cとの間の突合せ部6,6を摩擦攪拌接合して接合線W2,W2を形成する。
最後に図18(C)に示すように、凹部4の底面(中間面2b,2b)と接続板5の底面との境界面7を摩擦攪拌して一体化させ、境界面7を含む攪拌部W3を形成する。
以上の各実施形態で用いた摩擦攪拌用のツール20は、適宜の変更が可能である。たとえば図19に示した摩擦攪拌用のツール20’は、回転円柱体21の底面である表面押え部22の中心からずれた位置から(偏心して)円柱形の攪拌ピン23が垂下している。このように攪拌ピン23が回転円柱体21に対して偏心していると、回転円柱体21をその軸まわりに回転させたときに、攪拌ピン23が自転するとともに回転円柱体21の軸まわりに公転するので、境界面7の攪拌作用が増大する。攪拌ピン23の周面には、ネジ状の小さな摩擦攪拌翼25が形成されているので、この摩擦攪拌翼25を利用して攪拌ピン23を回転円柱体22に固定することができ、攪拌ピンの突出長さも容易に調節可能である。
2 … 段部
2a … 外側端面
2b … 中間面
2c … 内側端面
2d … 底広凹溝
3 … 突合せ部
4 … 凹部
5 … 接続板
5a … 第一水平面
5b … 第二水平面
5c … 斜面
5d … 底広凸条
6 … 突合せ部
7 … 境界面
8 … 隙間
10 … (摩擦攪拌接合用の)ツール
11 … 回転円柱体
12 … 表面押え部
13 … 攪拌ピン
20 … (摩擦攪拌用の)ツール
21 … 回転円柱体
22 … 表面押え部
23 … 攪拌ピン
24 … 凸条
25 … 摩擦攪拌翼
26 … 凸条
27 … 突起
28 … 突起
29 … 凹溝
W1,W2 … 接合線
W3 … 攪拌部
Claims (6)
- それぞれの接合端に沿って外側端面と中間面と内側端面とを含む段部が形成された一対の厚肉被接合材の前記外側端面同士を突き合わせて、該突合せ部を摩擦攪拌接合する第一工程と、
前記両厚肉被接合材の中間面と内側端面とで形成される凹部に、該凹部と同一又は相似の断面形状の接続板を装入する第二工程と、
前記接続板と前記各厚肉被接合材の内側端面との突合せ部をそれぞれ摩擦攪拌接合するとともに、前記接続板と前記凹部の底面との境界面を摩擦攪拌する第三工程と、を含み、
前記第三工程では、摩擦攪拌用のツールを前記接続板の中心付近から周縁部に向かって平面視で螺旋模様の連続的な軌跡を描くように移動させることを特徴とする厚肉被接合材の接合方法。 - 前記第三工程では、前記接続板と前記各厚肉被接合材の内側端面との突合せ部に摩擦攪拌接合を施した後に、前記接続板と前記凹部の底面との境界面を摩擦攪拌することを特徴とする請求項1に記載の厚肉被接合材の接合方法。
- それぞれの接合端に沿って外側端面と中間面と内側端面とを含む段部が形成された一対の厚肉被接合材の前記外側端面同士を突き合わせるとともに、前記両厚肉被接合材の中間面と内側端面とで形成される凹部に、該凹部と同一又は相似の断面形状の接続板を装入する第一工程と、
前記一対の厚肉被接合材の外側端面同士を突き合わせてなる突合せ部と、前記接続板と前記各厚肉被接合材の内側端面との突合せ部と、についてそれぞれ摩擦攪拌接合を施すとともに、前記接続板と前記凹部の底面との境界面を摩擦攪拌する第二工程と、を含み、
前記第二工程では、摩擦攪拌用のツールを前記接続板の中心付近から周縁部に向かって平面視で螺旋模様の連続的な軌跡を描くように移動させることを特徴とする厚肉被接合材の接合方法。 - 前記第二工程では、前記一対の厚肉被接合材の外側端面同士を突き合わせてなる突合せ部と、前記接続板と前記各厚肉被接合材の内側端面との突合せ部と、についてそれぞれ摩擦攪拌接合を施した後に、前記接続板と前記凹部の底面との境界面を摩擦攪拌することを特徴とする請求項3に記載の厚肉被接合材の接合方法。
- それぞれの接合端に沿って外側端面と中間面と内側端面とを含む段部が形成され、前記外側端面同士が突き合わされた一対の厚肉被接合材と、
前記両厚肉被接合材の中間面と内側端面とで形成される凹部に装入された、該凹部と同一又は相似の断面形状の接続板と、を備え、
前記両厚肉被接合材の外側面同士を突き合わせてなる突合せ部と、前記接続板と前記各厚肉被接合材の内側端面との突合せ部と、がそれぞれ摩擦攪拌接合されているとともに、前記接続板と前記凹部の底面との境界面が摩擦攪拌されている、厚肉被接合材の接合構造であって、
前記接続板と前記凹部の底面との境界面の摩擦攪拌が、前記接続板の中心付近から周縁部に向かって平面視で螺旋模様の連続的な軌跡を描くように施されていることを特徴とする厚肉被接合材の接合構造。 - 前記両厚肉被接合材の外側面同士を突き合わせてなる突合せ部と、前記接続板と前記各厚肉被接合材の内側端面との突合せ部と、がそれぞれ摩擦攪拌接合された後に、前記接続板と前記凹部の底面との境界面の摩擦攪拌が施されていることを特徴とする請求項5に記載の厚肉被接合材の接合構造。
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