図1は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機1の正面外観図である。このパチンコ遊技機1の遊技部には、開閉可能な前枠2の上部ガラス板の内側に遊技盤3を配置されている。遊技盤3のほぼ中央には、各種の演出を表示する演出表示装置としての液晶表示装置4が配置されている。
パチンコ遊技機1の側方(図示の例では左側)には、これに隣接して台間玉貸し機5が設置されている。この台間貸し機5に、現金又はプリペイドカードを投入することにより、台間玉貸し機5或いはパチンコ遊技機1から遊技球(パチンコ球)が貸し出され、弾球遊技が可能になる。
遊技盤3の下方には、賞球又は貸し球として払い出される遊技球を溜めるための上皿6が設けられ、この上皿6に排出された遊技球は、発射装置に供給される。上皿6の下方には、上皿6から排出された遊技球を溜めるための下皿7、遊技球を遊技空間に向けて発射させる発射ハンドル8、遊技球の貸出操作を行う貸出操作部9、効果音やBGM等の各種音声を出力するためのスピーカ10等が設けられている。
図2は、遊技盤3の正面図である。遊技盤3の盤面と前記上部ガラス板との間には、遊技球が流下する遊技空間3aが形成されており、該遊技空間3aには、各種入賞領域が設けられている。また、遊技盤3の盤面上には、液晶表示装置4の周囲に遊技空間3aから隔離するように設けられた識別球遊技空間3bとが設けられている。遊技空間3aは、始動入賞口11と、可変入賞口12と、大入賞口15と、アウト口16とを備え、遊技空間3aに流入した遊技球は、前記始動入賞口11、可変入賞口12又は大入賞口15への入賞、あるいはアウト口16からの回収により、遊技球としての権利が消滅する。
始動入賞口11は、識別球遊技空間3bの下方に設けられており、遊技球の入賞を契機として「特別図柄抽選」を開始させる機能を有している。さらに、始動入賞口11の下方には、可変入賞口12を構成する可変入賞装置(普通電動役物)13が設けられている。これは、遊技空間3aに配置された普通図柄作動用ゲート14を遊技球が通過することを契機として「普通図柄抽選」が行われ、その抽選結果に基づいて、遊技球が入賞口12に入賞し難い第1状態と入賞し易い第2状態とに変換可能な開閉翼片を有する入賞装置である。遊技球が始動入賞口11に入賞すると、例えば5個の賞球が上皿6に払い出される。なお、可変入賞口12への遊技球の入賞を契機として「特別図柄抽選」を開始させる機能を有してもよい。
普通電動役物13の下方には、遊技球が入賞できない状態と複数個入賞可能な状態とに変換可能な大入賞口(所謂アタッカ)15が設けられている。大入賞口15は、通常、遊技球が入賞できない状態(閉状態)となっているが、遊技球が始動入賞口11に入賞したことを契機とする「特別図柄抽選」により、後述する主制御基板33(図5)が、特別遊技状態へ移行する「大当り」を発生させることを決定した場合には、同時に多数の遊技球が入賞できる状態(開状態)に一定時間変換される(これは所謂大当り遊技状態であって、本発明の特定遊技状態に相当する)。そして、1個の遊技球が入賞する毎に、例えば15個の賞球が上皿6に払い出される。
大入賞口15の下方には、アウト口16が設けられており、始動入賞口11、可変入賞口12、大入賞口15のいずれにも入賞することなく遊技空間3aの下端まで到達した遊技球(アウト球)を遊技空間3a外へ排出する。また、遊技空間3aの左側には円弧状のレール17が設置されており、遊技者がハンドル8を操作することにより発射装置(図示省略)から遊技球が発射され、発射された遊技球は、このレール17に沿って上昇移動し、遊技空間3aに打ち込まれる。
液晶表示装置4は、「特別図柄抽選」の結果を告知するための「演出図柄変動表示」を、その正面の演出図柄表示部4aにて行う表示手段である。「演出図柄変動表示」では、画像で表示される複数の演出図柄を演出図柄表示部4aに可変表示することで、スロットマシンの3列の回転リールを模擬的に表示する。そして、各列の回転リール表示部に、文字、数字、図形等の演出図柄を停止させ、その停止した演出図柄の組み合わせを用いて「特別図柄抽選」の結果を遊技者に告知するようになっている。なお、詳細は後述するが、主制御基板33(図5)で決定された「特別図柄抽選」の抽選結果を告知する告知態様に基づいて演出制御基板36(図5)が決定した演出態様に応じて、一回又は複数回の「一節の演出」から成る「演出図柄変動表示」が液晶表示装置4に表示されるようになっている。
また、液晶表示装置4の上方には、4個のLED19a〜19dで構成される保留球数表示部19を備える。保留球数表示部19は、作動保留記憶装置Mに記憶されている個数、つまり、保留球数を表示するようになっている。
さらに、液晶表示装置4の上方には、保留球数表示部19と並んで普通図柄表示部18が設けられている。この普通図柄表示部18は、一対のLED18a,18bで構成され、遊技球が普通図柄作動用ゲート14を通過すると、所定時間、各LEDが交互に点灯する変動表示を行う。所定時間経過後、普通図柄表示部18が所定の点灯状態であるとき、普通電動役物13が一定時間だけ前記第1状態に変換される。
次に、識別球遊技空間3bの構成について説明する。識別球遊技空間3bは、液晶表示装置4の前方を覆うように設けられた筐体であって、識別球遊技空間3bに識別球を放出する識別球放出装置21と、この識別球放出装置21の側面に設けられて、放出された識別球を回収する識別球回収手段22とを備える。
図3に示すように、識別球放出装置21は、識別球放出回転体211と、識別球収容体212とを備え、識別球放出回転体211にはこれを回動駆動させる回転体駆動手段213が設けられており、識別球収容体212にはこれを回転駆動させるステッピングモータからなる収容体駆動手段214が設けられている。また、識別球放出回転体211と識別球収容体212との間には、ストッパ215が配設されており、ストッパ215にはこれを開閉駆動させるストッパ駆動手段216が設けられている。
識別球放出回転体211は、中空の箱体であって、後述の識別球流入用開口215cに対応する回転体開口(図示せず)と、識別球を後述の誘導部材221へと排出するための識別球排出口(図示せず)とを備える。これにより、識別球収容体212から回転体開口を介して流入した識別球は、回転体駆動手段213により回転駆動される識別球出回転体211内を転動して、識別球排出口211から放出される。このように、識別球流入用開口215cから識別球排出口までの通路が識別球遊技空間3bへ識別球が放出される際に識別球が流入する放出通路となっている。
識別球収容体212は、その中心軸部に収容体駆動手段214の出力軸が内挿されており、収容体駆動手段214により回転駆動されるようになっている。収容体駆動手段214は、後述する演出制御基板36(図5)からの制御信号に基づいて、その初期位置から所望角度回転させることができる。
図4に分解斜視図で示すように、識別球収容体212は、中心部から同心状に配置された外周壁212aと、内周壁212bと、これらを連結する放射上且つ等角度に配置された複数の仕切り壁212cとを備える。これにより、外周壁212a、内周壁212b及び仕切り壁212cによって形成された複数の収容空間217a〜217jに、識別球が収容可能となっている。尚、収容空間217a〜217jは、識別球流入規制板215a側及び後述する上部通路部材224側はいずれも開状態となっている。また、収容空間217a〜217jに収容された識別球は、背面側に落下することがないよう前面側に傾斜角度が与えられている。
ストッパ215は、識別球遊技空間3bの背面板の接合された識別球流入規制板215aと、長方形の開閉板215bとで構成されている。識別球流入規制板215aには識別球が通過可能な大きさの識別球流入用開口215cが形成されており、この開口の左右の両縁部にはガイド溝215d,215eが形成されている。開閉板215bは、上部にスリット215fが形成されると共に、垂直に延在する左右両辺に突条215g,215hがガイド溝215d,215eに係合することにより、開閉板215bが上下に摺動可能となっている。これにより、識別球流入規制板215aおよび開閉板215bは、閉鎖時には識別球が識別球収容体212から回転体開口を介して識別球放出回転体211に流入するのを規制すると共に、開閉板215bが上方に摺動した開放時には、1つの識別球が識別球収容体212から回転体開口を介して識別球放出回転体211の内部に流入することを許容する。
ストッパ駆動手段216は、ソレノイド216aと、図示しないピンによって軸支された回転ピース216bとを備える。回転ピース216bは、爪部216cが開閉板215bのスリット215fに係合している。これにより、後述する演出制御基板36(図5)からの制御信号に基づいて、ソレノイド216aを作動させることで、開閉板215bが上下に開閉駆動する。
ここで、本実施形態では、上部通路部材224側に、収容空間217a〜217jに収容された識別球が落下することがないようなストッパとなる部材は採用されていないが、後述の上部通路部材224に対応する部分のみに開口が設けられた壁部材を、識別球収容体212と上部通路部材224との間に設けてもよい。
再び図3を参照すると、識別球回収手段22は、識別球放出回転体211から放出された識別球を誘導する誘導部材221と、放出された識別球が回収されるために流入する回収通路を構成する下部通路部材222、上方搬送機構223及び上部通路部材224とを備える。誘導部材221は、識別球放出回転体211から放出された識別球を受け止め、遊技者が識別球を認識するのに必要な時間だけ、識別球を転動させる傾斜角を有する一対の板体であって、誘導部材221を転動した識別球は、その最下位置に設けられた回収口225から下部通路部材222内に導入される。下部通路部材222は、上方搬送機構223側へ傾斜した状態に接地されており、回収口225から回収された識別球は下部通路部材222を通って、搬送手段としての上方搬送手段223へ搬送される。また、下部通路部材222は、識別球の通過を検知するためのフォトダイオードからなる第1識別球検出手段222aを備える。
上方搬送手段223は、垂直に配置された軸状回転体223aと、軸状回転体223aを回転駆動する軸状回転体駆動手段223bと、軸状回転体223aの外周面を覆うカバー223cとを備える。軸状回転体駆動手段223bは、後述する演出制御基板36(図5)からの制御信号に基づいて、駆動が制御される。軸状回転体223aは、軸部の外周に螺旋状に設けられたスクリュー223dと、スクリュー223dの上端に設けられた逆円錐形状の識別球排出部223eとを備える。これにより、下部通路部材222から上方搬送手段223への導入口223fに導入された識別球は、軸状回転体223aが回転駆動することにより、スクリュー223dとカバー部223cとの間に係止されながら上方に垂直に搬送され、識別球排出部223eに当接することによって上部通路部材224へ排出される。
上部通路部材224は、識別球収容体212側に傾斜した状態で設置されており、識別球を識別球収容体212へ搬送可能となっている。また、上部通路部材224には、識別球の通過を検知するためのフォトダイオードからなる第2識別球検出手段224aを備える。
次に、図5を参照して、パチンコ遊技機1の基板(回路構成)について説明する。図5に示すように、パチンコ遊技機1は、少なくとも主基板31と、該主基板31から送信される後述の表示コマンドに応じて、演出処理を行う周辺基板32とを備えている。本実施形態の主基板31は、主制御基板33、払出制御基板34及び発射モータ制御基板35を含み、周辺基板32は、演出制御基板36、音声制御基板38及びランプ制御基板39を含んでいる。
主制御基板33には、可変入賞口12に対する遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチSW1、始動入賞口11に対する遊技球の入賞を検出する始動口スイッチSW2、ゲート14に対する遊技球の通過を検出するゲートスイッチSW3、大入賞口14に対する遊技球の入賞を検出する大入賞口スイッチSW4、大入賞口14などの開閉動作を行うソレノイドSOL、始動入賞口11の入賞によって抽出された数値を記憶保持する作動保留記憶装置M等が接続されている。
主制御基板33は、弾球遊技機の作動を制御する機能を備えたCPUを含む回路装置であり、上記各スイッチSW1〜SW4の検出信号に応じて、特別図柄抽選処理および普通図柄抽選処理と、これらの抽選に基づく演出図柄表示、普通図柄表示、作動保留記憶表示等の指示を行う表示コマンドの送信処理などを行う。
この主制御基板33から演出制御基板36へは複数種類の表示コマンドが送信されるようになっており、表示コマンドには、「特別図柄抽選」の結果に対応する演出図柄の組み合わせを指定する停止図柄コマンドや、後述する保留球数コマンドや演出コマンドが含まれる。演出制御基板36は、これらの表示コマンドに応じて、液晶表示装置4の画面からなる演出図柄表示部4aに演出動作を行わせる演出信号を生成する。また、主制御基板33には、普通図柄表示部18及び保留球数表示部19が接続されており、主制御基板33からの表示信号に応じて、それぞれの発光素子(LED)を点灯動作させる。
払出制御基板34には、玉切れスイッチ40、払出センサ41、払出モータ42などが接続されており、主制御基板33からの払出信号に応じて、遊技球の払い出しを行うほか、台間玉貸し機5からの貸出信号に応じて、遊技球の払い出し(貸し出し)を行う。また、発射モータ制御基板35には、発射スイッチ(ハンドル角センサ)43、タッチセンサ44、発射モータ45などが接続されており、発射スイッチ43及びタッチセンサ44がONのとき、発射モータ45を駆動させる。
演出制御基板36には、前記液晶表示装置4が接続されており、主制御基板33からの表示コマンドに応じて、液晶表示装置4に表示コマンドに対応する画像を表示させる。また、演出制御基板36には、スピーカ10が接続された音声制御基板38が接続されており、演出制御基板36は、主制御基板33から受信した表示コマンドに基づいて音声制御基板38を介して所定の音声をスピーカ10から出音させる。さらに、演出制御基板36には、電飾用発光素子Lが接続されたランプ制御基板39が接続されており、演出制御基板36は、主制御基板33から受信した表示コマンドに基づいてランプ制御基板39を介して所定の点灯動作を電飾用発光素子Lにて行わせる。
また、演出制御基板36には、下部通路部材222での識別球の通過を検知する第1識別球検出手段222a、上部通路部材224での識別球の通過を検知する第2識別球検出手段224aが接続されている。
また、演出制御基板36には、前述の識別球放出装置21(回転体駆動手段213,収容体駆動手段214,ソレノイド216a)と、識別球回収手段23(軸状回転体駆動手段223b)とが接続され、これら駆動することにより、識別球収容体212から所望の識別球を識別球放出回転体211を介して識別球遊技空間3bに放出し、放出した識別球を回収して識別球放出装置21に受容する。
尚、主制御基板33が、本発明の抽選手段、数値保持手段及び告知態様決定手段としての機能を兼ね備え、演出制御基板36が、本発明の演出特定手段及び識別球決定手段としての機能を兼ね備えている。
また、作動保留記憶装置Mは、本発明の数値記憶手段としての機能を有し、主制御基板33とは独立の構成になっているが、これを主制御基板33の内部メモリ等によって実現するようにしてもよい。さらに、上述した各制御基板33〜39は、CPU,ROM、RAM等のハードウェアにより構成されているが、これらの各制御基板は共通のハードウェアによって構成されていてもよく、これらの各制御基板の一部又は全部が、異なるハードウェアによって構成されていてもよい。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1の動作について説明する。
まず、図6に示すフローチャートを参照して、動作の全体を説明する。遊技者が遊技球を発射して弾球遊技をしている状態で、始動入賞口11に対する遊技球の入賞(始動入賞)が発生すると、主制御基板33は、始動口スイッチSW2からの検出信号に応じて特別図柄抽選に係る大当り判定用数値取得処理を行う(STEP10)。
そして、大当り判定数値が取得されると、現在のパチンコ遊技機1の状態が「特別図柄変動遊技中」であるか(STEP20)、そして「大当り遊技中」であるか(STEP30)を判定し、これらの遊技状態でない場合(STEP20及びSTEP30の各判定結果がNOの場合)には、取得されている大当り判定用数値に基づく特別図柄抽選を行い、その抽選結果に基づく表示コマンドを決定する変動開始時処理を行う(STEP40)。なお、上記「特別図柄変動遊技中」とは、以前に行われた「特別図柄抽選」に基づいて決定された表示コマンドに関する処理が未完了であることを意味する。
主制御基板33が行う上記変動開始時処理では、「演出図柄変動表示」をどのように行うかを指定する演出コマンドが決定される(STEP40)。この演出コマンドは、演出制御基板36に送信され、演出制御基板36は、その演出コマンドに対応した「演出図柄変動表示」、つまり演出態様を決定する演出表示制御(図9)を行うようになっている。そして、その演出態様に対応した演出が液晶表示装置4の演出図柄表示部4aに表示されるとともに、音声制御基板38及びランプ制御基板28を介して、該演出態様に対応した演出音声のスピーカ10からの出音及び電飾用発光素子Lの点灯動作が行われる。
一方、上記STEP20又はSTEP30の判定で、特別図柄変動遊技中であるか又は大当り遊技中である場合には、STEP40の変動開始時処理を行うことなく一連の処理を終了する。
これらSTEP10〜40の一連の処理は、主制御基板33の内部クロック(図示省略)によって一定の周期で繰り返し行われる。そのため、ある瞬間には、STEP20又はSTEP30で、特別図柄変動遊技中であるか又は大当り遊技中であったとしても、これらの遊技状態が終了した時点で、STEP40の変動開始時処理が行われる。
以上が、本実施形態のパチンコ遊技機1の全体的な動作である。
次に、図7に示すフローチャートに従って、STEP10の「大当り判定用数値取得処理」の内容について説明する。
まず、主制御基板33は、所定のタイミングで、遊技球が始動入賞口11に入賞(始動入賞)して、始動口スイッチSW2からの検出信号(ON)を検知すると(STEP11でYES)、作動保留記憶装置Mに記憶されている保留球数(N)が上限個数以上となっているか否かを判定する(STEP12)。ここで上限個数は、例えば4個であり、上限個数を超える始動入賞の超過数は無効となる(STEP12でYESの場合)。
そのため、保留球数が上限個数以下(STEP12でNO)の場合には、保留球数Nをインクリメント(N→N+1)するとともに(STEP13)、大当り判定用数値取得処理を行う(STEP14)。大当り判定用数値取得処理では、所定の数値群(例えば、0〜255)から任意の数値を抽出して、大当り判定用数値とする。そして、この大当り判定用数値は、作動保留記憶装置Mの所定の領域に格納して(STEP15)、大当り判定用数値取得処理を終了する。
次に、図8に示すフローチャートに従って、STEP40の「変動開始時処理」の内容について説明する。
まず、主制御基板33は、保留球の有無を判定する(STEP41)。すなわち、作動保留記憶装置Mの所定の領域に大当り判定用数値が格納されており、特別図柄抽選の抽選待ちとなっている保留球が存在するか否かを判定する。
そして、保留球が存在する場合には(STEP41でYES)、主制御基板33は、保留球数Nをデクリメント(N→N−1)した上で(STEP42)、作動保留記憶装置Mに格納されている大当り判定用数値の1つを用いて、大当り判定(特別図柄抽選)処理を行う(STEP43)。
一方、保留球が存在しない場合には(STEP41でNO)、変動開始時処理の処理を終了する。
STEP43の大当り判定では、大当り判定用数値が予め定めた値である場合に「大当り」となり、それ以外の値である場合には「外れ」となる。例えば、予め定められた値が255である場合、ここでの大当り判定用数値が、255の場合には「大当り」となり、255以外の数値の場合には「外れ」となる。
STEP43の大当り判定処理に続いて、変動パターン選定カウンタCとして、0〜9の数値の中から任意に1つの数値が抽出される(STEP44)。変動パターン選定カウンタCは、詳細は後述するが、特別図柄抽選の結果を遊技者に告知する告知態様、つまり、前述の演出コマンドを決定する指標となる(STEP46,47参照)。
そして、STEP43の判定の結果が大当りか否かを判定し(STEP45)、大当りの場合には、大当りを遊技者に告知する大当り告知態様が決定され(STEP46)、外れの場合には、外れを遊技者に告知する外れ告知態様が決定される(STEP47)。 大当り又は外れの各告知態様は、特別図柄変動遊技の総変動時間Tの形で、次の表1に示すように決定される。
例えば、STEP43の判定の結果が大当りで、STEP44で取得した変動パターン選定カウンタCが1の場合には、液晶表示装置2にて「リーチ2」という「演出図柄変動表示」が実行されるような告知態様(演出コマンド)が選定される。この演出コマンドは、「リーチ2」に対応する総変動時間T=21を指定するものとなっている。また、STEP43の判定の結果が大当りで、STEP44で取得した変動パターン選定カウンタCが9の場合には、液晶表示装置2にて「一節の演出を4回分行う」という「演出図柄変動表示」が実行されるような告知態様(演出コマンド)が選定される。この演出コマンドは、「一節の演出を4回分行う」という「演出図柄変動表示」に対応する総変動時間T=100を指定するものとなっている。
一方、STEP43の判定の結果が外れで、STEP44で取得した変動パターン選定カウンタCが3の場合には、「リーチにならない(非リーチ)」という「演出図柄変動表示」が実行されるような告知態様(演出コマンド)が選定される。この演出コマンドは、「「リーチにならない」という「演出図柄変動表示」に対応する総変動時間T=10を指定するものとなっている。また、外れで、STEP44で取得した変動パターン選定カウンタCが8の場合には、「一節の演出を2回分行う」という「演出図柄変動表示」が実行されるような告知態様(演出コマンド)が選定される。この演出コマンドは、「一節の演出を2回分行う」という「演出図柄変動表示」に対応する総変動時間T=60を指定するものとなっている。
STEP46又は47で大当り又は外れ告知態様が決定されると、その告知態様に応じた演出コマンドが、主制御基板33から演出制御基板36に送信される(STEP48)。ここで、送信される演出コマンドは、STEP43の判定の結果を遊技者に告知するための告知態様、つまり、総変動時間、抽選結果がいずれであるかを指示するものとなっている。
次に、図9のフローチャートに従って、演出コマンドを受信した際に演出制御基板36にて行う「演出表示制御」の内容について説明する。
まず、演出制御基板36は、主制御基板33から送信された演出コマンドを受信すると(STEP51)、この演出コマンドに基づいて演出態様を決定する(STEP52)。ここでは、図8のSTEP43の判定の結果を遊技者に告知するための告知態様、つまり、総変動時間Tを示す演出コマンドから、「演出図柄変動表示」をどのようなものにするかを決定する。具体的には、演出制御基板36は前記した表1のテーブルが記憶され、主制御基板33から送信された演出コマンドと、表1のテーブルに基づいて、一つの「演出図柄変動表示」を決定するようになっている。
例えば、演出制御基板36は、大当りで総変動時間T=100の演出コマンドを受信した場合には、表1に従って「一節の演出を4回分行う」という「演出図柄変動表示」を実行することを決定する。ここで、前述の「演出図柄変動表示」は、「特別図柄抽選」の結果が不当選を示す演出図柄の組み合わせを3回分表示し、最後に「特別図柄抽選」の結果が当選を示す演出図柄の組み合わせを1回分表示するという演出態様となっている。最後に実行される「一節の演出」にて遊技者に告知される演出図柄の組み合わせは、実行された「特別図柄抽選」の抽選結果を示すものとなっており、それ以外の「一節の演出」にて遊技者に告知される演出図柄の組み合わせは、不当選を示すものとなっている。
上記STEP52で演出態様が決定されると、演出制御基板36は、主制御基板33から送信された演出コマンドが、識別球の放出を要求するものであるか否かを判定する(STEP53)。
STEP53を具体的に説明すると、演出制御基板36は、後述の表2のテーブルが記憶され、主制御基板33から送信された演出コマンドと、表2のテーブルに基づいて、識別球の放出が要求されているか否かを判定するようになっている。
そして、演出コマンドが、識別球の放出を要求するものである場合には(STEP53でYES)、駆動指示フラグAがリセットされているか否かを確認する(STEP54)。ここで、駆動指示フラグAは、識別球の放出から回収まで一連の処理中にセットされ、識別球の放出処理がなされていることを示す指標としての機能を有する。
従って、未だ識別球の放出処理がなされていないときには、駆動指示フラグAはリセット状態となっているため(STEP54でNO)、ここで駆動指示フラグAがセットされ(STEP55)、識別球決定処置(STEP55)以降の放出する識別球の特定、特定された識別球の放出、そして放出された識別球の回収までの一連の処理が開始される。
まず、表2のテーブルに基づいて、放出する識別球を特定する識別球決定処理がなされる(STEP56)。これについては、後で図10を参照して説明する。
次いで、放出する識別球決定処理がなされると、STEP52で決定された演出態様の実行開始を指示し(STEP57)、識別球を放出する一連の処理をなす識別球放出処理(STEP58)を実行する。これについては、後で図11を参照して説明する。
さらに、識別球放出処理(STEP58)を実行した後は、識別球が回収されて識別球収容体212に正しく収容されることを担保するための識別球回収処理(STEP59)を実行する。これについては、後で図12を参照して説明する。
一方、主制御基板33から演出制御基板36に送信された演出コマンドが、表2のテーブルによって識別球の放出を要求するものではない場合(STEP53でNO)には、駆動指示フラグAのセット(STEP55)及び識別球決定処理(STEP56)を実行することなく、STEP57以下の処理を行う。
また、演出制御基板36は、かかるSTEP51からSTEP59までの一連の処理を、その内部クロック(図示省略)によって、一定の周期で繰り返し実行する。そのため、STEP59からリターンしてSTEP51以下の処理を行う際には、新たな演出コマンドを受信していない場合(STEP51でNO)は、STEP58以下の処理を行うようになっている。また、新たな演出コマンドを受信しても未だ駆動指示フラグAがセットされており、識別球の放出に関する一連の処理がなされている場合(STEP54でNO)には、STEP57以下の処理を行うようになっている。
以上が、演出制御基板36の全体的な動作である。なお、本実施形態では、識別球の放出及び後述する回収に関する一連の処理が完了していない時、つまり、STEP54でNOと判断された際は、新たな識別球の放出を行わない構成となっている。このように、識別球の回収が終了するまで、次に放出する識別球の決定を留保することで、複数の識別球が識別球遊技空間3bに混在することを防止することができ、後述する放出された識別球とそれによって示唆される抽選結果との間の関係を明確にすることができる。さらに、収容空間217a〜217jの位置と収容体駆動手段214のステップ数との関係であるテーブルと、実際に収容空間217a〜217jに収容されている識別球との関係を維持でき、放出された識別球が正しく回収されずに、その後の識別球の放出に支障を来たすことで信頼性を低下させるという事態を防ぐこともできる。
次に、STEP56の識別球決定処理について、図10及び表2を参照して具体的に説明する。
まず、演出制御基板36は、表2のテーブルにて予め対応付けられた色彩を施された識別球を特定する(STEP561)。かかる識別球の特定処理では、レッド、ピンク、オレンジ、イエロー、グリーン、ライドブルー、ダークブルー、ベージュ、グレー、ブラックの10色の中から決定される。
このように演出態様及び/又は抽選結果を示唆する色彩が施された識別球を遊技者に視認可能な位置、つまり、本実施形態では誘導部材221に放出することにより、遊技者にその後の演出態様及び/又は抽選結果を予測させ、期待を膨らませることで遊技に誘い込むような魅力的な演出を行うことができ、遊技性の向上を実現することができる。
次に、STEP56の識別球決定処理において、特定された識別球を放出するため、識別球収容体212を回転させる収容体駆動手段214のステップ数を取得する(STEP562)。すなわち、収容空間217a〜217jには、予めレッド、ピンク、オレンジ、イエロー、グリーン、ライドブルー、ダークブルー、ベージュ、グレー、ブラックの順に識別球が収容されているが、識別球収容体212を回転させて所望の識別球を、ストッパ215fと対向する最上位の位置に回動させるのに必要なステップ数を取得する。尚、かかるステップ数は、収容空間217a〜217jの位置と収容体駆動手段214のステップ数との関係がテーブル化(図示省略)されて、演出制御基板36の内部メモリ等に格納されているため、当該テーブルに基づいて必要なステップ数を特定することができる。
さらに、演出制御基板36は、STEP561で特定された識別球の放出に関連する画像をセットする(STEP563)。かかる画像は、演出態様と合わせて、識別球の放出の際に液晶表示部4に重ねて、又は部分的に表示される。
以上が、STEP56の識別球決定処理の詳細である。
次に、STEP58の識別球放出処理について、図11を参照して具体的に説明する。
まず、演出制御基板36は、駆動指示フラグAがセットされているか否かを判定し(STEP580)、駆動指示フラグAがセットされている場合には(STEP580でYES)、収容体駆動手段214が駆動され、かかる駆動処理が完了しているか否かを判定する(STEP581)。一方、駆動指示フラグAがセットされていない場合には、識別球の放出に関する一連の処理は実行されていないため、この後の処理を行うことなく識別球放出処理を終了する。
収容体駆動手段214の駆動処理が未だなされていない場合や、駆動処理がなされたがその処理が完了していない場合には(STEP581でNO)、駆動処理の開始及びその継続を行う(STEP582)。収容体駆動手段214の駆動処理では、STEP562で取得したステップ数だけ収容体駆動手段214を駆動させ、識別球収容体212を所定角度回転させて、放出する識別球をストッパ215fと対向する最上位の位置に回動させる。
次に、STEP582で収容体駆動手段214の駆動処理が実行され、その処理が完了すると(STEP581でYES)、ストッパ駆動手段216が解除駆動され、かかる駆動処理が完了しているか否かを判定する(STEP583)。ここで、ストッパ駆動手段216が解除駆動され、かかる駆動処理が完了することにより識別球流入用開口215cを介して識別球放出回転体211の内部に所定の識別球が流入することを許容するようになっている。
ストッパ駆動手段216の解除駆動処理が未だなされていない場合や、解除駆動処理が開始されたがその処理が完了していない場合には(STEP583でNO)、解除駆動処理の開始及びその継続を行う(STEP584)。ストッパ駆動手段216の解除駆動処理では、ソレノイド216bを駆動させて開閉板215bを開放させ、放出する識別球を識別球収容体212から識別球放出回転体211に転動して流入させる。
次に、STEP584でストッパ駆動手段216の解除駆動処理が実行されて、その処理が完了すると(STEP583でYES)、第1識別球検出手段222aが識別球を検出しているか否かを判定する(STEP585)。
第1識別球検出手段222aが識別球を検出していない場合には(STEP585でNO)、識別球が識別球放出回転体211内に留まっている可能性があるため、回転体駆動手段213を駆動させる(STEP586)。これにより、識別球放出回転体211内の識別球が識別球排出口から遊技者に視認可能に放出され、誘導部材221上を転動して、回収口225から下部通路部材222内に導入される。
次に、識別球が下部通路部材222内に導入されて、第1識別球検出手段222aが識別球を検出すると(STEP585でYES)、ストッパ駆動手段216がセット駆動され、かかる駆動処理が完了しているか否かを判定する(STEP587)。ここで、ストッパ駆動手段216がセット駆動され、かかる駆動処理が完了することにより識別球流入用開口215cを介して識別球放出回転体211の内部に所定の識別球が流入することを規制するようになっている。
ストッパ駆動手段216のセット駆動処理が未だなされていない場合や、セット駆動処理がなされたがその処理が完了していない場合には(STEP587でNO)、セット駆動処理の開始及びその継続を行う(STEP588)。ストッパ駆動手段216のセット駆動処理では、ソレノイド216bを駆動させて開閉板215bを閉鎖させる。
次に、STEP588でストッパ駆動手段216のセット駆動処理が実行されて、その処理が完了すると(STEP587でYES)、回転体駆動手段213の駆動を停止させると共に(STEP589A)、軸状回転体駆動手段223bの駆動処理を実行する(STEP589B)。これにより、識別球は、下部通路部材222から導入口223fを介して上方搬送手段223に導入され、軸状回転体駆動手段223bにより回転駆動されたスクリュー223dにより上方に垂直に搬送され、識別球排出部223eに当接することによって上部通路部材224へ排出される。
なお、識別球放出処理にて、開閉板215bを閉鎖させるのを待って軸状回転体駆動手段223bを駆動させる構成(STEP587のYESの後にSTEP589Bを行う構成)としたことにより、回収されて識別球収容体212に戻った識別球が、そのまま識別球放出回転体211に流入することを確実に防止することでき、回収された識別球を識別球収容体212の所定の収容空間217a〜217jに確実に収容することができる。そのため、収容空間217a〜217jの位置と収容体駆動手段214のステップ数との関係であるテーブルと、実際に収容空間217a〜217jに収容されている識別球との関係を維持でき、放出された識別球が正しく回収されずに、その後の識別球の放出に支障を来たすことで信頼性を低下させるという事態を確実に防止することができる。
以上が、STEP58の識別球放出処理の詳細である。
次に、STEP59の識別球回収処理について、図12を参照して具体的に説明する。
まず、演出制御基板36は、駆動指示フラグAがセットされているか否かを判定する(STEP590)。前述のように、駆動指示フラグAがセットされていない場合には、識別球の放出に関する一連の処理は実行されていないため、この後の処理を行うことなく識別球回収処理を終了する(STEP590でNO)。
駆動指示フラグAがセットされている場合には(STEP590でYES)、第2識別球検出手段224aが識別球を検出しているか否かを判定する(STEP591)。
第2識別球検出手段224aが識別球を検出している場合には(STEP591でYES)、識別球が上部通路部材224に到達しているため、軸状回転体駆動手段の駆動を停止する(STEP592)。
また、第2識別球検出手段224aが識別球を検出している場合には(STEP591でYES)、識別球が上部通路部材224の第2識別球検出手段224aが設置されている位置まで到達している。そのため、かかる識別球が識別球収容体212に収容されるまでの一連の処理が行われていることの指標となる回収確認フラグBをセットする(STEP592)。
さらに、収納タイマTをセットする(STEP594)。収納タイマTは、識別球が、第2識別球検出手段224aが設置されている位置から識別球収容体212に収納されるまでに要する時間に相当する。
次に、セットされた収納タイマTが0より大きいか否かを判定し(STEP595)、収納タイマTが0より大きい場合には(STEP595でYES)、TをΔtだけ減算して(STEP596)、識別球回収処理を終了する。演出制御基板36は、上述のSTEP51からSTEP59までの一連の処理を一定の周期Δtで行う。そのため、これらの一連の処理を実行する毎に、収納タイマTの値をΔtだけ減算することで、識別球が、第2識別球検出手段224aが設置されている位置から識別球収容体212に収納されるまでの時間管理を行うことができる。
一方、STEP591で第2識別球検出手段が識別球を検出していない場合には(STEP591でNO)、識別球は未だ上部通路部材224に到達していない可能性が高いため、STEP592からSTEP594までの処理を行うことなく、STEP595以下の処理を行う。
STEP595で収納タイマTが0の場合(STEP595でNO)としては、(1)第2識別球検出手段で識別球が検出されていない場合、(2)第2識別球検出手段で識別球が検出され、回収確認フラグB及び収納タイマTがセットされたが、収納タイマTが0になっている場合の2つの場合が考えられる。
そこで、STEP595で収納タイマTが0の場合には(STEP595でNO)、回収確認フラグBがセットされているか否かが判定される(STEP597)。
ここで、(1)第2識別球検出手段で識別球が検出されていない場合には、回収確認フラグBがセットされていないため(STEP597でNO)、これ以降の処理を行わず、識別球回収処理を終了する。
一方、(2)第2識別球検出手段で識別球が検出され、回収確認フラグB及び収納タイマTがセットされた後に、収納タイマTが0になっている場合には、回収確認フラグBがセットされているため(STEP597でYES)、駆動指示フラグA及び回収確認フラグBをリセットして、識別球回収処理を終了する。この場合には、STEP594でセットした収納タイマTが時間経過と共に減算されて0になっており、識別球が識別球収容体212に収納されるまでに要する時間が経過している。そのため、識別球が識別球収容体212に収納されたものとして、駆動指示フラグA及び回収確認フラグBをリセットする。これにより、識別球を識別球収容体に確実に収容して、識別球の放出から回収までの一連の処理を終了する。
以上が、STEP59の識別球回収処理の詳細である。
尚、本実施形態では、図10に示す識別球決定処理で放出する識別球を特定しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図13に示すように、演出制御基板36に乱数生成器としての機能を付加させ、STEP52で特定された演出態様と、演出制御基板36で生成した識別球乱数とに基づいて放出する識別球を特定するようにしてもよい。具体的には、STEP561に代えて、STEP561A及びSTEP561Bを実行する。
この場合、演出制御基板36がまず乱数を生成し、これを識別球決定乱数として取得する(STEP561A)。例えば、0から9までの10個の数字の中から1つの乱数を生成して、これを識別球決定乱数とする。
次に、この識別球決定乱数と、STEP52で特定された演出態様とから、放出する識別球を決定する(STEP561B)。例えば、表3に示すテーブルに基づいて、識別球決定乱数の値、および演出態様が抽選結果の大当たりを演出するものであるか、それとも抽選結果の外れを演出するものであるかに応じて、識別球を特定する。
例えば、STEP561Bで取得した識別球決定乱数が8で、STEP52で特定された演出態様が大当たりを演出するものである場合には、レッドの識別球が特定され、識別球決定乱数が8で、演出態様が外れを演出する場合にはライトブルーの識別球が特定される。そのため、上述のように、抽選結果の大当たりを期待させる場合には、明るい色(燃える色)を特定し、抽選結果の外れを示唆する場合には、暗い色(冷めた色)の識別球を特定することで、遊技者にその後の遊技状態を予測させることができる。
さらに、STEP561Bで取得した識別球決定乱数が2で、STEP52で特定された演出態様が大当たりを演出するものである場合には、ダークブルーの識別球が特定される。この場合には、ダークブルー識別球により、遊技者に対して抽選結果の外れを示唆することになるが、実際には大当たりとなる。一方、識別球決定乱数が3で、演出態様が外れを演出する場合にはピンクの識別球が特定される。この場合には、ピンクの識別球により遊技者に対して大当たりを期待させることになるが、実際には外れとなる。そのため、その後の遊技状態を予測させずに意外性を与えることができる。
このように、遊技者にその後の遊技状態を予測させる、或いはその予測に反する意外性を与えることで、遊技を行っている遊技者あるいはその周辺にいる者に、その後の遊技状態を期待させ、遊技に誘い込むような魅力的な演出を行うことができる。
また、本実施形態では、演出態様に応じて放出する識別球を決定しているが、これに限定されるものではなく、告知態様又は抽選手段の抽選結果を含めたこれら3つの要素の全部又は一部に基づいて放出する識別球を総合的に決定するようにしてもよい。また、本実施形態では、それぞれ異なる色彩のみが施された複数の識別球を、収容空間217a〜217jに収納する構成としたが、これに限定されることなく、「大当り」、「ハズレ」、「熱」などの文字が印字された識別球を収容空間217a〜217jに収納し、放出する構成としてもよい。
1…パチンコ遊技機、2…前枠、3…遊技盤、3a…遊技空間、3b…識別球遊技空間、4…液晶表示装置(演出表示装置)、4a…演出図柄表示部、5…台間玉貸し機、6…上皿、7…下皿、8…発射ハンドル、11…始動入賞口、12…可変入賞口、13…普通電動役物、14…普通図柄作動用ゲート、15…大入賞口、16…アウト口、17…球レール、18…普通図柄表示部、19…特別図柄表示部、21…識別球放出装置、22…識別球回収手段、33…主制御基板(抽選手段、数値保持手段、告知態様決定手段)、36…演出制御基板(演出特定手段、識別球決定手段)、M…作動保留記憶装置(数値記憶手段)、211…識別球放出回転体、212…識別球収容体、213…回転体駆動手段、214…収容体駆動手段、215…ストッパ、216…ストッパ駆動手段、217a〜217j…収容空間、221…誘導部材、222…下部通路部材、222a…第1識別球検出手段、223…上方搬送手段(搬送手段)、224…上部通路部材、224a…第2識別球検出手段。