JP2009017871A - 穀粒加工食品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食味、食感および栄養価に優れた穀粒加工食品を提供すること。
【解決手段】小麦、ライ麦又はライ小麦の頴果の皮部を剥皮して頴果を粉砕することなく穀粒のまま加水加熱によるα化処理をしたことを特徴とする穀粒加工食品である。剥皮による皮部の除去率は4質量%以上、18質量%以下であることが好ましい。もち性の穀粒を使用すると、食感がさらに改良され、経時変化も抑えられてさらに好ましい。また、小麦、ライ麦又はライ小麦の頴果の皮部を剥皮して頴果を粉砕することなく穀粒のまま加水加熱によるα化処理を行うことを特徴とする穀粒加工食品の製造方法である。
【選択図】なし

Description

小麦、ライ麦又はライ小麦の頴果の皮部を剥皮して頴果を粉砕することなく穀粒のまま加水加熱によるα化処理をした穀粒加工食品及びその製造方法に関する。
米はパーリングにより精米され、水とともに炊いて、米飯の形で食される。
また、精米せず玄米の状態でも炊いて食することができる。
これは、米の皮部の機械的強度が弱いため、摩擦で剥皮し易く、また玄米のように皮部がついたままでも食感上大きな違和感はないためである。
トウモロコシの皮部は薄くて弱いため、例えばスイートコーンのようにそのまま茹でたり焼いたりして食することができる。
一方、小麦は粉砕して小麦粉にした後に、パンや麺などに加工されて食される。
小麦のふすま(皮部)は強靭で、胚乳に硬く結着しており、さらにクリーズ(条溝)が存在するために、皮部全体の除去が困難だったことが、このような加工方法の差をもたらした。
小麦を米のように炊いたり、スイートコーンのように茹でる、焼くなどの調理を施しても、皮が硬いために良い食感は得られなかった(例えば非特許文献1参照)。
ライ麦やライ小麦も小麦同様の理由で、製粉して使用される。
今日では、小麦の剥皮は精米技術を応用して実用化されている(例えば非特許文献2参照)。
しかし、この剥皮は小麦粉製造の前段階として実施されるものであり(例えば特許文献1参照)剥皮した小麦を穀粒のまま調理して食することはなかった。
特開2005−13011号公報 小・中学生新聞(毎日中学生新聞掲載)「食欲の秋・・・粉食で張り切ろう!」製粉振興会WWWページ、インターネット〈URL:http://www.seifun.or.jp/newspaper/o_10.html〉2000年11月掲載 株式会社サタケ「ぺリテックシステム」製品カタログ,2005年 6月
本発明の目的は、食味、食感および栄養価に優れた穀粒加工食品を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、小麦、ライ麦又はライ小麦の頴果の皮部を剥皮して頴果を粉砕することなく穀粒のまま加水加熱によるα化処理を行うことにより食感が著しく改善されることを見出した。
また、前記剥皮による皮部の除去率が4質量%以上、18質量%以下であるとき食味、食感および加工時の作業性が特に優れ、さらに、皮部の除去率が4質量%以上、12質量%以下の範囲であるときにさらに特徴のある食感が付加されること、もち性の穀粒を使用するとさらに食感などが改良されること、また栄養価も他の穀物加工品に比べて高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、小麦、ライ麦又はライ小麦の頴果の皮部を剥皮して頴果を粉砕することなく穀粒のまま加水加熱によるα化処理をしたことを特徴とする穀粒加工食品である。
また、剥皮による皮部の除去率が4質量%以上、18質量%以下であることを特徴とする前記穀粒加工食品である。
また、もち性の穀粒を使用する前記穀粒加工食品である。
さらに、小麦、ライ麦又はライ小麦の頴果の皮部を剥皮して頴果を粉砕することなく穀粒のまま加水加熱によるα化処理を行うことを特徴とする穀粒加工食品の製造方法である。
本発明の穀粒加工は食感、食味に優れるだけでなく、ビタミン、食物繊維、各種ミネラルなどの栄養成分を多く含み、栄養価も高い。
外観も良好で、使用する穀物により色調も変えることができる。
もち性の穀粒を使用すれば食感がさらに改良され、経時変化も抑えることができる。
また、剥皮程度や調理時の加熱の程度などを調整することで幅広い食感を実現することができるため、調味などと組み合わせて幅広い食品に使用することができる。
さらに、本発明の食品は調理後の保形性に非常に優れているため、レトルト食品や缶詰といった長期保存用の食品にも使用することができ、利用形態も広い範囲に適応する。
本発明の食品製造方法によれば、小麦、ライ麦、またはライ小麦から4質量%以上、18質量%以下の範囲で皮部を除去して食品素材としており、可食部は元の穀粒の82〜96質量%に及ぶ。
通常の製粉における食用の小麦粉またはライ麦粉の歩留は70〜75質量%程度であり、それよりもはるかに多くの部分を食用として利用することができ、食糧の有効利用となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用できる穀物は、小麦(一粒系小麦、二粒系小麦、普通系小麦を含む)、ライ麦およびライ小麦の頴果である。
これら穀物には多くの品種があるが、皮部の構造や、加熱調理した場合の胚乳部の物性は品種間でもほぼ同じであり(ただし、後述するようにもち性の穀物では胚乳部の物性がやや異なる)、全ての品種が使用可能である。
本発明にもち性の穀物の頴果を用いると、いっそう好ましい結果を得ることができる。
もち性の穀物とは、GBSSIの活性を完全に欠いた穀物を指す。
例えば普通系小麦の場合、3つのWx遺伝子(Wx−A1,Wx−B1,Wx−D1)を持つが、これら全ての発現を欠くとGBSSIの活性が失われ、もち性のもち小麦となる。
デュラム小麦に代表される二粒系小麦の場合には、2つのWx遺伝子(Wx−A1,Wx−B1)の発現を欠くともち性のもち小麦となる。
ライ麦やライ小麦の場合には、もち性の品種はおそらく未開発と思われるが、理論的には小麦のGBSSIに相当するたん白質の活性を欠いていれば、それらの穀粒はもち性となり、もち小麦と同様の効果を得られると期待できる。
本発明に利用できるもち性の穀物の一例としては、うららもち、もち姫、もち乙女、はつもち、あけぼのもち、いぶきもちなどのもち小麦の品種が挙げられる。
ただし、本発明に利用できるもち性の穀物はこれら品種のみには限定されず、GBSSIの活性を完全に欠いた小麦は全て利用できる。
また、小麦のGBSSIに相当するたん白質の活性を欠いたライ麦、ライ小麦も全て利用できると期待される。
本発明に使用する穀物は、1種類で用いることができる他、2種類以上(例えば小麦とライ麦)を混合して加工しても、加工後に2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの穀物はイネ科オオムギ族に属するが、同じ族の大麦は加熱調理したときの胚乳の物性が硬く弾力も強すぎ、さらに大麦は頴が果皮に固着しており剥皮してもクリーズ中のハル(籾殻)が完全に除去できず皮の硬さを感じるため、剥皮して調理しても食べ難い。
したがって、大麦は本発明の食品の製造方法とは相性が悪く、従来のように蒸してロールで圧扁し、押し麦にするという方法が理に適っている。
小麦にも頴が果皮に固着している種(例えば Triticum dicoccum,T.speltaなど)があり、それらの使用は避けた方が良い。
これは、大麦の場合と同様に、剥皮しても頴が完全に除去しきれず、特にクリーズ中などに頴が残って食感に悪影響を及ぼすことがあるためである。
本発明では、穀物の頴果から一定量の皮部を除去した後に加水加熱して使用する。
本発明における皮部の除去とは、頴果の表面から皮部(果皮、種皮、およびアリューロン層)を所定の比率で取り去ることをいう。
また、皮部の除去率が高い場合には、胚乳の上層部も削り取られて除去される場合があるが、それも除去される皮部に含む。
皮部は穀粒全体からほぼ均一に除去しなければならず、例えば頴果の一部分だけから厚く剥皮するような場合には、本発明の効果は得ることができない。
ただし、穀粒全体から均一に皮部を除去するといっても、クリーズ(穀粒の胚芽からみて裏側にある縦の溝)部分は物理的に除去困難であり、また食感への影響も大きくないので、この部分は皮部の除去の対象には入らない。
本発明では、穀物の皮部を一定の範囲で取り去ることで、その穀物を調理した際に皮の硬さを感じず、かつ除去の程度によっては特有の食感を示すという効果を得ている。
この効果の実現のためには、皮部が所定の比率で除去できればよく、従って皮部の除去の方法は特に限定されない。
例えば、精麦機や精米機のように皮部を削ったり摩擦により削ぎ落としたりする方法が使用できる。
本発明における穀物の皮部の除去率は、4質量%以上、18質量%以下とすることが好ましい。
ここで皮部の除去率とは、皮部除去前後の穀物の質量差を、皮部除去前の穀物の質量で除し、百分率で表した値をいう。
皮部の除去率が4質量%未満であると、調理(加水加熱)して食したときに皮の硬さを感じるため食感が劣って好ましくない。
皮部の除去率が18質量%を超えると、調理(加水加熱)して食した時の食味食感は問題ないが、加工時の作業性が極端に劣り、歩留も劣るため好ましくない。
皮部の除去率が4質量%以上18質量%以下であると、調理して食した時に皮部の硬さを感じず良好な食感であるが、特に皮部の除去率が4質量%以上12質量%以下の時には特有の食感が得られる。
この食感は、最初に噛んだときにプチッと皮が弾けるような感じはあるが、その後の咀嚼時には皮部の硬さは感じず、穀物加工品としては非常にユニークで好ましい食感である。
皮部の除去率が4質量%近い時はこの食感を強く感じ、除去率が高くなるにつれてこの食感は弱まり、12質量%を超えると感じなくなる。
従って、対象とする食品に応じて穀物の剥皮量を調整することで、プチプチした食感の程度を調整することが可能となる。
本発明にもち性穀物、例えばもち小麦を使用した場合、調理後の穀粒がソフトになり、プチッとした食感が際立つ。
また、もち性穀物を使用すると当然のことながらもちもちした特有の食感が得られ、好ましい。
さらに、もち性穀物を使用することで澱粉の老化が抑えられ、調理後の穀粒を冷凍や冷蔵で保存した場合に、もちもちしたソフトな食感が長期間持続し、ボソボソした食感になり難いという特徴もある。
剥皮した穀物(小麦、ライ麦、ライ小麦の頴果)は、加水加熱によるα化処理により穀粒加工食品とする。
なお、本発明において、穀粒加工食品とは、単独で食用とする場合のほか、他の食品素材と組み合わせて使用する場合も含む。
本発明の加水加熱によるα化処理は、穀粒の胚乳部分を膨潤させ、食品として適度な硬さとするのに加え、胚乳中の澱粉を糊化(吸水によるでんぷん粒の膨潤と結晶の融解、および部分的溶解)させて消化吸収し易くすることを目的としており、これらが達成されていれば方法は特段問わない。
本発明の加水加熱によるα化処理の例としては、剥皮した穀物を水または湯(水分が主体の出汁やスープ等も含む)に入れて加熱する、いわゆる「炊く」、「煮る」、「茹でる」といった調理方法や、気体の水を使用して「蒸す」という方法が挙げられる。
また、これらの方法を組み合わせて使用しても良いし、他の調理方法、例えば「炒める」、「焼く」、「煎る」、「油で揚げる」などの方法と組み合わせても、最終的に胚乳部分の適度な膨潤と澱粉の糊化が達成されていれば、本発明の加水加熱によるα化処理に含まれる。
例えば、チャーハンのように炊いてから炒めたり、リゾットのように炒めてから煮たりという調理には、加水および加熱の段階が含まれており、胚乳部分の適度な膨潤と澱粉の糊化が起こるので、本発明の加水加熱によるα化処理に含まれる。
調理以外の目的で加水および加熱を行う場合、例えば穀粒を水とともにパウチに詰めてレトルト処理したり、缶詰にして加熱殺菌したりする場合も、胚乳部分の適度な膨潤と澱粉の糊化が達成されていれば、本発明の加水加熱によるα化処理に含まれる。
本発明の穀粒加工食品は良好な食感と食味を有しており、剥皮率を調整することで食感を広い範囲で調整することができる。
さらに原料となる穀物の選択により外観もバラエティーに富んだものにできるため、広範囲の用途に使用できる。
例えば、そのまま調理して主食にしたり、味付けして副食にしたり、スープの具、サラダ、ソース(パスタソースやカレーなど)、パンや菓子等への添加などに使用できる。
本発明の穀粒加工食品は米飯とは食感が異なるものの、茹でたり炊いたりするだけでも食味食感に違和感なく食すことができる。
しかも本食品には米は使用していないため、米アレルギーを持つ人向けの主食用穀物加工食品とすることができる。
さらに、本発明の穀粒加工食品は保形性に非常に優れるため、過酷な条件で殺菌処理を行っても煮崩れず、レトルト食品や缶詰などにして販売することも可能である。
本発明の穀粒加工食品は、食物繊維、ミネラル、ビタミンなどの栄養成分に富む。
したがって、本食品を摂取すれば、食物繊維などの不足しがちな栄養素を補うことができる。
以下本発明を実施例により具体的に説明する。
[実施例1〜2、比較例1〜2]
PH(オーストラリア産プライムハード小麦)を4質量%剥皮した後に加水加熱したものを実施例1とした。
PHを7質量%剥皮した後に加水加熱したものを実施例2とした。
PHを剥皮せずに加水加熱したものを比較例1とした。
PHを1質量%剥皮した後に加水加熱したものを比較例2とした。
小麦の剥皮は、小麦に約0.5質量%の加水を行った後に、株式会社サタケ製のVCW2A型精麦機を使用して行った。
加水加熱方法は、試料300gを水洗いおよび水切りした後に、420mlの水に30分間浸漬し、市販の家庭用炊飯器(普通炊きコース)で調理した。
評価は熟練のパネラー10名により行った。
評価結果は次のとおりである。
実施例1は、噛んだときに皮が弾けるようなプチッとした感じが強いが、その後の咀嚼では皮の硬さは感じなかった。
また、胚乳部は歯応えはあるが良好な食感で、食味は米飯と比べて濃く、甘味も強かった。
実施例2は、プチッとした感じが良好(実施例1よりやや弱い)で、硬すぎず、軟らかすぎずといったバランスの取れた食感であった。
咀嚼時に皮を噛む感じはなかった。
食味は実施例1よりはやや薄いものの、米飯よりは強い甘味を感じた。
比較例1は皮が硬く、胚乳も十分に膨潤してないために硬すぎる食感であった。
また、咀嚼時に皮を噛む感じがあり、不快感があった。
風味はやや穀物臭があるものの、悪くはなかった。
比較例2は比較例1よりはやや良い食感だが、皮を噛む感じはかなり残っており、美味しいとは言えない。
食味は比較例1よりも穀物臭が薄まったが、甘味は強く良好であった。
この結果より、適度に剥皮した小麦はプチッとした特有の食感があり、食味も良好で、食品として優れていた。
同じ穀物調理品の米飯と比べて、剥皮小麦の調理品は粘りは少ないが口溶けがよく、プチッとした特有の食感をもち、食味は濃く、甘味もはっきりしているという点でかなり異なった特徴を有しており、全く新規の食品である。
また、剥皮率の調整で食感を変えられる点も優れている。
[実施例3〜8、比較例3〜6]剥皮率の影響
剥皮率と食感の関係を調べるための試験を行った。
精選した1CW(ナンバーワン カナダ ウェスタン レッド スプリング小麦)を0質量%から24質量%の範囲で剥皮し、加水加熱調理して食感を評価した。
試作した試料を表1に示す。
小麦の剥皮は、400gの小麦に12g加水した後に、株式会社サタケ製家庭用精米機(SKM5B型)で処理する方法で行った。
剥皮率は処理時間を手動で変えることで調整した。
調理は、鍋に水を入れて加熱し、沸騰したところで剥皮した小麦を投入して15分間茹でる方法で行った。
食感評価は熟練のパネラー10名により行った。
評価結果を表1に示す。
Figure 2009017871
小麦を剥皮して調理する場合、剥皮率が低すぎると硬さと皮を噛む感じがあり、食感は良くない。
また、剥皮率が高すぎると穀粒が激しく煮崩れて調理器具が極端に汚れたり、調理済みの食品がべたついて扱いにくくなったり、歩留まりが減少したりする。
その場合も、食味、食感の評価はそれほど悪くないが、加工時の作業性等も含めた総合的な評価としては劣る。
したがって、小麦を剥皮してから加水加熱して食品とする場合、剥皮率は4質量%以上18質量%以下の範囲とするのが好ましい。
さらに、剥皮率を4質量%以上12質量%以下の範囲とすると、この加工方法特有のプチプチした食感が得られるので、さらに好ましい。
[実施例9〜14、比較例7]小麦銘柄および他穀物の比較
各種銘柄の小麦、ライ麦および大麦を加工し、食味食感を比較した。
使用した小麦はWW(アメリカ合衆国産ウエスタンホワイト小麦)、ホクシン(北海道産)、チクゴイズミ(福岡県産)、ASW(オーストラリア産日本向けヌードルブレンド小麦)、Durum(カナダウエスタンアンバーデュラム小麦)の5種類である。
ライ麦はカナダ産ライ麦(2等)、大麦は北海道産のりょうふうを使用した。
これらの穀物各400gに12g加水し、株式会社サタケ製家庭用精米機(SKM5B型)で6分間処理して剥皮した。
調理は、鍋に水を入れて加熱し、沸騰したところで剥皮した小麦を投入して15分間茹でる方法で行った。
食感評価は熟練のパネラー10名により行った。
評価結果を表2に示す。
Figure 2009017871
小麦銘柄によって剥皮率に大きな差が付いたが、これは各銘柄の小麦の形状や表面の摩擦係数の影響と考えられる。
剥皮率は異なるものの、実施例9〜実施例13の小麦加工品は全て良好な食感を有していた。
また、剥皮率と食感の相関が高い(剥皮率が高くなるほど、プチプチ感が弱まり、穀粒硬さはソフトになっている)ことから、食感は剥皮率によって左右され、小麦銘柄の影響はあまりないことが確認された。
小麦に加えて、ライ麦も小麦同様良好な食味食感を示すことが判明した。
しかし、大麦は食感が劣るため、本発明の方法では利用できない。
大麦は表面研磨により剥皮を行っても、クリーズの中のハル(籾殻)が除去できず、咀嚼時に不快な感じがした。
また、胚乳の物性も、このまま食品にするには硬さと弾力が強すぎた。
従って、大麦は従来のように蒸してロールで圧扁する押し麦の加工法が理に適っていると言える。
なお、表2において大麦の剥皮率の記載が無いのは、ハルごと剥皮を行ったので果皮と種皮の除去量が計算できないためであり、表皮の状態からは小麦の6〜7質量%の剥皮に相当すると考えられた。
各種小麦を使用した試作では、赤小麦と白小麦で明確な色の違いがみられた。
これは、小麦表皮の色素が種皮の中でもアリューロン層に近い細胞層に存在するためであり、6〜7質量%の剥皮ではその層を除去しきれないためである。
したがって剥皮率がさらに上がれば、色彩差は小さくなると考えられる。
実際に実施例3〜8および比較例3〜6では、剥皮量10質量%以上では穀粒が白っぽくなる傾向がみられた。
このような色彩の差は、用途によって使い分けることで食品の付加価値を高められると考えられる。
たとえば、食品に穀粒が入っていることを目立たせたい場合には、他の食材と異なる色調の穀粒を選択すれば良い。
デュラム小麦は剥皮して調理することで透明感のある鮮やかな黄色を呈し、この色調だけで食品に彩を添える目的で使用できる。
[実施例15〜21、比較例8〜9]ライ麦及びライ小麦
ライ麦が小麦と同様に加工できることが確認されたので、ライ麦(カナダ産)とライ小麦(国産)について剥皮率の影響を調べた。
剥皮率は小麦で求めた上限、下限付近を中心に、表3に示すとおり設定した。
ライ麦の剥皮は、400gのライ麦に12g加水した後に、株式会社サタケ製家庭用精米機(SKM5B型)で処理する方法で行った。
剥皮処理は1分または30秒間処理した後に重量測定を行い再度処理を行うという手順を繰り返し、所定の剥皮率になったところで処理を終えた。
ライ小麦では、精米機での処理量を80g、加水量を2.4gに変更したが、それ以外は実施例15〜17のライ麦と同様の方法で剥皮を行った。
調理および評価は、実施例9〜14と同様の方法で行った。
評価結果を表3に示す。
Figure 2009017871
この結果より、ライ麦も小麦と同様に剥皮率4質量%以上、18質量%以下の範囲で良好な食味食感と加工時の作業性などを示し、さらに4質量%以上、12質量%以下で一層望ましい食感になることが確認された。
ライ麦穀粒中の皮部の比率は、一般に小麦よりも2質量%程度多いとされているが、その差は本発明の加工方法には影響を及ぼさなかった。
さらに、ライ小麦でも小麦と同じ剥皮率で良好な食味食感および作業性などを示すことが確認された。
したがって、本発明の加工方法は小麦、ライ麦およびライ小麦に共通して使用できる。
[栄養成分]
実施例2で使用した7質量%剥皮した小麦(調理前の穀粒)の栄養成分(100g中の各栄養性分含有量)を測定した結果を表4に示す。
栄養成分の測定は、五訂日本食品標準成分表(平成12年12月20日、科学技術庁資源調査会編集、大蔵省印刷局発行)に記載の方法に準じて行った。
また、比較のために白米、玄米、小麦、小麦粉及び押し麦も併記したが、それらのデータは五訂日本食品標準成分表から引用した。
Figure 2009017871
剥皮した小麦の栄養成分は、当然のことながら小麦と小麦粉の間に位置するが、どちらかというと小麦に近く、栄養素はかなり多いといえる。
玄米と比較した場合、劣るのはビタミンB1だけであり、それ以外は同程度か優れているものばかりであった。
中でも食物繊維、鉄およびカルシウムが多いのが大きな特徴であり、この結果から剥皮した小麦の栄養成分は玄米よりもかなり優れていると言える。
精白米と比較すると、この差はさらに拡大する。
大麦の押し麦と比較した場合、食物繊維は同等だが、ビタミンと鉄、亜鉛など一部のミネラルが多い点で優れている。
従って、剥皮小麦は従来の主要な穀物加工品と比べて栄養成分で勝ると言える。
[調理例]
剥皮および加水加熱で調理を行った小麦を使用して各種食品を試作した。
[実施例22]サラダ
剥皮小麦加水加熱品を使用してサラダを試作した。
実施例2と同様にして作った剥皮小麦加水加熱品100gと、市販のミックスドベジタブル100gを混合し、さらに市販のフレンチドレッシング40gを加えて混合して実施例22のサラダとした。
加水加熱した剥皮小麦はドレッシングとの相性がよく、またプチプチした食感がアクセントとなり、実施例22のサラダは美味で見た目も良好であった。
[実施例23]チャーハン風の調理
剥皮小麦加水加熱品をチャーハン風に調理した。
フライパンに大さじ1杯のサラダ油を入れて熱し、とき卵(鶏卵1個分)を軽く炒めた。
そこに実施例2と同様にして作った剥皮小麦加水加熱品250gを加えて炒め、市販のチャーハンの素1袋(27g)を入れてさらに炒めて実施例23のチャーハン風食品とした。
この調理方法ではプチプチした食感がよく引き立ち、外観はチャーハン風であるが食感は全く異なっており、非常にユニークかつ美味な食品となった。
実施例23の食品は、チャーハンのように主食として食べるだけでなく、副食や肉料理の付け合わせなどにも使用できる。
[実施例24]レトルトスープ
剥皮小麦加水加熱品を使用して、レトルトスープを試作した。
オリーブオイルですりおろしにんにくを炒め、角切りにんじんと乾燥オニオンを加えてさらに炒めた。
澱粉、粉末ブイヨンおよび食塩を溶いたトマト缶を加え、水を加えて80℃まで加熱した。
実施例2と同様にして作った剥皮小麦加水加熱品を加えてスープと混合し、パウチに剥皮小麦加水加熱品入りスープ190gと別添ベーコン10gを加えてレトルト処理し、実施例24のレトルトスープとした。
レトルト条件は120℃、35分である。
素材の詳細を表5に示す。
実施例24のスープは美味であり、スープパスタ感覚で食べることができた。
実施例24のレトルトスープでは、剥皮小麦のプチプチした食感は弱くなるが、レトルトのような過酷な加熱でも煮崩れず、穀粒の形は残った。
パスタのような穀物加工食品は、レトルト処理を行うと煮崩れてしまうが、剥皮小麦は保形性に優れることから、レトルトや缶詰など過酷な条件で加熱殺菌を行う食品にも使用できることが確認できた。
Figure 2009017871
[実施例25]リゾット風調理
剥皮小麦を使用して、リゾット風の調理を行った。
985gのお湯に粉末ブイヨン10gおよび食塩5gを溶かして、液体ブイヨンとした。
鍋にバター30gを入れて融かし、実施例2と同様にして作った剥皮小麦加水加熱品340gを加え炒めた。
そこに液体ブイヨンを4〜5回にわけて加え、30分間加熱して実施例25の食品とした。
実施例25の食品は、具の小麦がプチプチと弾けることが特徴のスープ様食品となり、食感、食味とも良好であった。
日本の米で作るリゾットは澱粉が流出してのり状になるが、剥皮小麦は粒の保形性が良いため溶け出さずサラサラとしている。
そのため、剥皮小麦をリゾット風調理した食品は、インディカ米で作るイタリアのリゾットに近い食感となり美味であるとともに、作業性も良好であった。
[実施例26]プロセスドグレインとそれを使用したパン
レトルト処理した剥皮小麦を使用して小麦粒入りパンを試作した。
実施例2の剥皮小麦加水加熱品200gをパウチに入れ、120℃で35分間レトルト処理した。
前記レトルト剥皮小麦を添加して、70%中種法により食パンを試作し、実施例26とした。
製パン方法の詳細を表6に示す。
なお、表6の配合は質量によるベーカーズパーセント(小麦粉の計を100質量%とする配合比率表示方法)で表してある。
実施例26の食パンは、食感、食味ともに良好であった。
既存の調理済み穀物入りのパンと比較すると、多量の小麦を入れてもプチプチした感じが少しするだけで、あとは普通の食パンと大差ない食味、食感である。
従って、本発明による剥皮および調理を行った穀粒を加えたパンは、食物繊維や無機質などの栄養素を多く含んだパンを、食感および食味の違和感なく提供するのに適している。
Figure 2009017871
実施例22〜26のように、剥皮して調理した穀物は幅広い用途に使用できることが確認できた。
[実施例27,実施例28]もち小麦ともちでない小麦の比較
もち小麦を7質量%剥皮して、炊飯器で炊いて実施例27とした。
ホクシンを7質量%剥皮して、炊飯器で炊いて実施例28とした。
前記穀物の剥皮は、穀粒300gに16g加水し、株式会社サタケ製家庭用精米機(SKM5B型)で処理する方法で行った。
処理時間はもち小麦で7分、ホクシンで6分であった。
調理は市販の炊飯器の普通炊きコースを用いた。
なお、使用したもち小麦は、「もち乙女」とカナダ品種を交配して作出された、GBSSIの活性を持たない実験系統である。
実施例27の炊いた直後の食感は、実施例28に比べて胚乳がややソフトで、プチプチ感がやや目立ち、もちもち感が強かった。
実施例27と実施例28を約4℃の冷蔵庫で1日保存した後に、常温に戻して食感を比較した。
実施例28はやや老化してボソボソした感じがあったが、実施例27はソフトでもちもちした食感であった。
ただし、実施例28を電子レンジで再加熱したところ、ボソボソした感じは消え、炊いた直後に近い食感に戻った。
実施例27と実施例28を約−20℃の冷凍庫で1週間保管した後に、常温に戻して食感を比較した。
実施例28はやや硬く、ややボソボソした食感であったが、実施例27はソフトでもちもちした食感であった。
これらの結果より、もち性の穀物はもち性でないものに比べて、ソフトでプチプチ感がやや目立つのに加え、当然のことながらもちもち感が強く、さらに食感の経時変化が少ないことが確認できた。
[実施例29,実施例30]もち小麦を加えたパン
実施例27をレトルト処理した後に、フランスパンの生地に加えて製パンし、実施例29のフランスパンを得た。
実施例28をレトルト処理した後に、フランスパンの生地に加えて製パンし、実施例30のフランスパンを得た。
レトルト処理は、剥皮小麦加水加熱品をパウチに入れ、120℃で35分間処理する方法で行った。
フランスパンの製法は次のとおりである。
(1)市販のフランスパン用プレミックス100質量部、水60質量部、パン用圧搾酵母3質量部をパン用ミキサーに投入し、低速で2分間、高速で7分間捏ねた後、レトルト処理した剥皮小麦加水加熱品30質量部を投入し低速で2分間捏ねて生地を得た。
捏ね上げ温度は28℃となるように調整した。
(2)前記生地を室温で20分間醗酵し、60gに分割して丸めた後で、室温で20分間生地を休ませた。
(3)前記生地玉を手作業でクッペの形に整形し、38℃、75%RHの醗酵室で30分間最終醗酵した。
(4)醗酵後の生地にクープを入れ、220℃のパン窯で20分間焼成した。
(5)焼成したフランスパンを1時間程度室温で冷却した後に、食感を官能的に評価した。
実施例30のフランスパンは穀粒のプチプチした感じが少しするが硬さは感じず、良好な食感であった。
実施例29のフランスパンは穀粒がソフトであり、プチプチ感は実施例30よりもやや目立ち、またもちもちした感じもユニークで、実施例30よりもさらに良好な食感であった。
実施例29および実施例30のフランスパンを焼成後一日経ってから試食したところ、実施例30に練り込まれた穀粒はやや硬くなっていたが、実施例29では軟らかさを持続していた。
実施例27と実施例29の結果より、本発明の穀粒加工食品にもち性の穀粒を使うと、もち性でない穀粒よりも食感がさらに改良され、食感の経時変化も抑えられることが確認できた。

Claims (4)

  1. 小麦、ライ麦又はライ小麦の頴果の皮部を剥皮して頴果を粉砕することなく穀粒のまま加水加熱によるα化処理をしたことを特徴とする穀粒加工食品。
  2. 剥皮による皮部の除去率が4質量%以上、18質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の穀粒加工食品。
  3. 使用する穀粒がもち性であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の穀粒加工食品。
  4. 小麦、ライ麦又はライ小麦の頴果の皮部を剥皮して頴果を粉砕することなく穀粒のまま加水加熱によるα化処理を行うことを特徴とする穀粒加工食品の製造方法。
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