JP2009016734A - 抵抗体内蔵フレキシブル配線基板 - Google Patents

抵抗体内蔵フレキシブル配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】抵抗値の制御および複数の抵抗の同時形成が容易であり、抵抗値の変動が小さく、導電層表面が平滑であって、可撓性に優れた抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供することを目的とする。
【解決手段】ベースフィルム1と、前記ベースフィルム1上に積層された中間層20と、前記中間層20上に積層された導電層30とを具備してなり、
前記導電層30が複数の配線部31、32から構成され、少なくとも一対の配線部31、32同士の間から、前記中間層20が露出されているとともに、
前記中間層20が前記導電層30よりも高抵抗であることにより、前記中間層20が抵抗体22とされていることを特徴とする抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、抵抗体内蔵フレキシブル配線基板に関する。
近年、電子機器の小型化・軽量化・構造の柔軟化に有利な回路基板として、TAB(Tape Automated Bonding)やFPC(Flexible Print Circuit)等を用いた回路基板に対する需要が高まってきている。
また、回路基板には半導体チップ、抵抗体、キャパシタ、インダクタ等の部品を表面実装し、実装する部品を小型化することで回路基板の小型化、高密度化対応を図っている。
図7は、抵抗チップを表面実装された抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を示す断面模式図である。図7に示す抵抗体内蔵フレキシブル配線基板13は、ベース材1と、ベース材1上に形成された配線部31、32と、配線部の端子部同士の間に接続された抵抗チップ5とから構成されており、抵抗体として0603サイズの小型抵抗チップ5が表面実装されている。
しかし、抵抗チップ5を表面実装すると、抵抗素子数の増加に伴って、配線基板における抵抗チップ5の占有面積が広がり、さらには実装工程の負荷が大きくなるという問題がある。また、抵抗チップ5が表面実装された抵抗体内蔵フレキシブル配線基板13が、フレキシブル配線基板である場合には、抵抗チップの存在によって可撓性が損なわれてしまう問題がある。
このように、抵抗チップの表面実装では高密度化、柔軟化に限界があるため、抵抗やインダクタ等の素子を内蔵した、素子内蔵型の配線基板の開発が進められている。特許文献1や特許文献2では、素子内蔵型配線基板が紹介されており、特許文献1ではプリント配線基板の表面の配線間にコンデンサを作り込む方法として、一対の電極配線間に誘電体材料をスクリーン印刷等によって部分的に印刷して誘電体を形成する方法が報告されている。上記の印刷手法により、同様に抵抗体を形成して、抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を形成することも可能である。図8は、抵抗体を印刷形成された抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を示す断面模式図である。図8に示す抵抗体内蔵フレキシブル配線基板14は、ベース材1と、ベース材1上に形成された配線部31、32と、配線部の端子部同士の間に印刷によって形成された抵抗体6とから構成されている。
しかしながら、図8に示すように、印刷により抵抗体6を形成する場合、印刷時のにじみ、かすれや膜厚ばらつき等により、抵抗値を高精度に制御することが困難になる場合がある。
また、プリント配線基板は、自動車や航空機などの電装部品に適用され、高温環境下で使用されるようになっているため、抵抗体6を印刷形成された抵抗体内蔵フレキシブル配線基板14においても高温高湿環境下においても信頼性が高い配線基板であることが望まれている。しかし、印刷により抵抗体6を形成する場合には、配線部31、32からなる電極と抵抗体6が直接接触しており、界面における接触抵抗の影響が大きくなるとともに、例えば高温高湿条件(温度=85℃,相対湿度=85%)の使用環境下では界面の腐食等により抵抗値が大きく変化する問題が生じている。
さらには、抵抗部品の表面実装および抵抗体の印刷形成のいずれにおいても、抵抗体形成後の配線基板の表面の平滑性が担保されず、抵抗以外の部品実装が困難となる問題が生じている。
特開2006−319023号公報 特開2004−197224号公報
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであって、抵抗値の制御および複数の抵抗の同時形成が容易であり、抵抗値の変動が小さく、導電層表面が平滑であって、可撓性に優れた抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板は、ベースフィルムと、前記ベースフィルム上に積層された中間層と、前記中間層上に積層された導電層とを具備してなり、
前記導電層が複数の配線部から構成され、少なくとも一対の配線部同士の間から、前記中間層が露出されているとともに、
前記中間層が前記導電層よりも高抵抗であることにより、前記中間層が抵抗体とされていることを特徴とする。
本発明の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板によれば、一対の配線部同士が、配線部間では電気的に隔離されており、一方の配線部から配線部の下の中間層を経て他方の配線部に電流が流れるため、露出した中間層の部分を抵抗体として用いることが可能となる。
また、中間層の露出面積の制御により、抵抗値の制御が容易である。さらに、中間層の露出には、導電層の除去等の手法を用いることができるため、複数の抵抗値を有する複数の抵抗体の一括形成が可能である。
さらに、導電層とベース部との間に抵抗体を形成するため、導電層の上にチップ部品が載置されることがなく、表面が平滑であって可撓性に優れた抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供することができる。
また、本発明の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板は、前記中間層が、Ni;55質量%以上、Cr;4質量%以上を含有するNiCr合金であることが好ましい。
この場合には、中間層が、Niを55質量%以上、Crを4質量%以上含有するNiCr合金で構成され、Ni単相状態でベースフィルム上に積層されるため、中間層の表面には緻密な不動態皮膜が形成されることになり、中間層の耐食性を向上させることができる。
また、中間層にCrが含有されているため、中間層全体としての耐食性が向上されている。
したがって、抵抗体として用いられる中間層の耐食性が向上されるため、エッチング手法を用いた導電層のみの選択除去により、中間層を露出させることが可能となる。また、露出された中間層は、腐食されにくいことから、抵抗値の変動が小さい抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供することができる。
さらに、前記中間層を構成する前記NiCr合金が、窒素を含有するとともに、前記窒素が前記Niおよび/またはCrと窒化物を形成していることが好ましい。
この場合、中間層に窒素が含まれることによって、酸素もしくは水分子に対する耐食性が高いバリア層が形成されるため、耐食性を向上することができる。また、中間層にNiおよび/またはCrとの窒化物が形成されることで、酸素もしくは水分子に対する耐食性が高いバリア層が形成されるため、耐食性を向上することができる。特に、CrNは、酸素、水などに対する耐食性が高いバリア層の役目を担うことができる。
したがって、抵抗体として用いられる中間層の耐食性を向上されるため、エッチング手法を用いた導電層のみの選択除去により、中間層を露出させることが可能となる。また、露出された中間層は、腐食されにくいことから、抵抗値の変動が小さい抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供することができる。
更にまた、前記中間層を構成する前記NiCr合金が、易酸化元素を含有されていてもよい。
この場合、Crよりも酸化しやすい易酸化元素が含有されているため、ベースフィルムと中間層との界面に存在する酸素や水蒸気により易酸化元素が優先的に酸化されて、Crの酸化を抑制できる。これによって、ベースフィルムと中間層の接合強度の低下を抑制するとともに、中間層の耐食性を向上することができる。
したがって、抵抗体として用いられる中間層の耐食性を向上されるため、エッチング手法を用いた導電層のみの選択除去により、中間層を露出させることが可能となる。また、露出された中間層は、腐食されにくいことから、抵抗値の変動が小さい抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供することができる。
また、前記易酸化元素がMoであってもよい。
この場合、Crよりも酸化しやすい易酸化元素であるMoが含有されているため、ベースフィルムと中間層との界面に存在する酸素や水蒸気によりMoが優先的に酸化されて、Crの酸化を抑制できる。これによって、ベースフィルムと中間層の接合強度の低下を抑制するとともに、中間層の耐食性を向上することができる。
したがって、抵抗体として用いられる中間層の耐食性を向上されるため、エッチング手法を用いた導電層のみの選択除去により、中間層を露出させることが可能となる。また、露出された中間層は、腐食されにくいことから、抵抗値の変動が小さい抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供することができる。
さらに、前記中間層を構成する前記NiCr合金が更に、Al、Fe及びCoから選択される1種または2種以上の元素を10質量%以下の割合で含有されていてもよい。
この場合、Al、Fe及びCoが含有されることでNi相の固溶範囲が広がり、Ni相が安定し、緻密な不動態皮膜を安定して形成することができるため、中間層の耐食性が向上させることができる。したがって、抵抗体として用いられる中間層の耐食性を向上されるため、エッチング手法を用いた導電層のみの選択除去により、中間層を露出させることが可能となる。また、露出された中間層は、腐食されにくいことから、抵抗値の変動が小さい抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供することができる。
更にまた、前記中間層を構成する前記NiCr合金が更に、W、Ti、Nb及びTaから選択される1種または2種以上の元素を6質量%以下の割合で含有されていてもよい。
この場合、W、Ti、Nb及びTaによって緻密な不動態皮膜が形成されることになり、より確実にピッチング腐食を防止でき、中間層の耐食性が向上する。したがって、抵抗体として用いられる中間層の耐食性を向上されるため、エッチング手法を用いた導電層のみの選択除去により、中間層を露出させることが可能となる。また、露出された中間層は、腐食されにくいことから、抵抗値の変動が小さい抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供することができる。
また、本発明の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板は、前記ベース部の、少なくとも前記中間層が積層される表面が、ポリイミドで構成されていることが好ましい。
この場合、中間層を構成するNiCr合金に含有されるMo,Crが、ポリイミドと強固に結合することになり、ベース部と中間層との接続強度が効果的に向上されるため、抵抗値の変動が小さく、安定した抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供することができる。
以上説明したように、本発明によれば、抵抗値の制御および複数の抵抗の同時形成が容易であり、抵抗値の変動が小さく、導電層表面が平滑であって、可撓性に優れた抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を提供できる。
以下に、本発明の一実施形態である抵抗体内蔵フレキシブル配線基板について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板の断面模式図である。なお、図1は本発明の実施形態である抵抗体内蔵フレキシブル配線基板の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板の寸法関係とは異なる。
本実施形態の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板(抵抗体内蔵フレキシブル配線基板)11は、図1に示すように、ベースフィルム1と、ベースフィルム1の表面に形成された中間層20と、この中間層20上に形成された導電層30と、から概略構成されている。
抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11の表面を形成する導電層30は、一方の電極となる配線部31と、他方の電極となる配線部32とから構成されており、配線部31と配線部32とのあいだに中間層の露出部21が露出されている。
配線部31と配線部32とのあいだに露出している中間層の露出部21が、抵抗体22とされている。また、この露出部21に隣接する配線部31、32の端部が抵抗体22の端子部31a、32aとなっている。
ベースフィルム1は、いわゆるポリイミド樹脂で構成されている。ここで、ベースフィルム1を構成するポリイミド樹脂は、BPDA系ポリイミド樹脂やPMDA系ポリイミド樹脂であってもよい。一般的にBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸)を原料とするポリイミドフィルム(宇部興産製商品名「ユーピレックス」など)は熱および吸湿寸法安定性および剛性が良好であり、主にTAB用途に使用されているが、金属薄膜との接合強度が低い特徴を有する。一方、PMDA(ピロメリット酸二無水物)を原料とするポリイミドフィルム(東レ・デュポン製商品名「カプトン」、鐘淵化学工業製商品名「アピカル」など)は金属薄膜との接合強度が高いとされている。このような特性を考慮して適宜選択することが好ましい。
また、ベースフィルム1は、単層であってもよいが、複数種のポリイミド樹脂を積層した積層フィルムであってもよいし、中間層20が形成される表面のみがポリイミド樹脂で構成されていてもよい。
さらに、ベースフィルム1の厚さは特に限定されないが、ベースフィルム1としての剛性を確保する観点から12μm以上が好ましく、抵抗体内蔵フレキシブル配線基板12の変形の容易さを確保する観点から125μm以下であることが好ましい。
中間層20は、Ni;55質量%以上、Cr;4質量%以上を含有するNiCr合金で構成されており、ベースフィルム1の表面に積層されている。
このNiCr合金には、窒素が含有されるとともに、窒素がNiおよび/またはCrと窒化物を形成されていてもよい。また、易酸化元素であるMoが含有されていてもよい。さらに、Al、Fe及びCoから選択される1種または2種以上が合計で10質量%以下まで含有されていてもよい。更にまた、W、Ti、Nb及びTaから選択される1種または2種以上が合計で6質量%以下まで含有されていてもよい。
ここで、中間層20の厚さは特に限定されないが、不動態皮膜を安定して形成して耐食性を向上させる観点から10nm以上とすることが好ましく、中間層20を積層した後にエッチングにて配線パターンを形成する際におけるエッチング速度を確保する観点から30nm以下とすることが好ましい。
なお、中間層20は、上述の合金に制限されるものではなく、他の耐食性合金に変更してもよい。
抵抗体22は、図1に示すように、配線部31と配線部32との間であって、露出された中間層の露出部21である。
抵抗体22の抵抗値は、中間層20の材質、中間層20の厚み、または導体層30の開口面積等を適宜調節することによって変更できる。
抵抗体22の抵抗値は、特に限定されないが、Cr;20質量%のNiCr合金を中間層に用いた場合には、30Ω〜10MΩの範囲が好ましい。抵抗値が30Ω未満であると、抵抗部を幅3mm、高さ5mmのサイズとしても、中間層膜厚が50nmと厚くなる。このため、中間層20の不要部のエッチングが困難になる。また、抵抗値が10MΩを超えると、抵抗部を幅50μm、長さ50μmのサイズとしても、中間層膜厚が3nmと薄くなる。このため、抵抗部形成において幅・長さを精度よくエッチングすることが困難になるうえ、中間層20の膜厚も回路基板としての信頼性を維持できる下限の厚みとなる。
したがって、抵抗体22の抵抗値は、30Ω〜10MΩの範囲であることが好ましく、さらに80Ω〜5MΩの範囲がより好ましい。
導電層30は、中間層20よりも低抵抗であることがより好ましい。
また、導電層30の材質は、特に限定されないが、導電性を有する材質、具体的には、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、金、白金などから選択される1種または2種以上で構成されることが好ましく、純銅、または、ニッケル、亜鉛、もしくは鉄等を含む銅合金で構成されていることが特に好ましい。
さらに、導電層30の厚さは特に限定されないが、10nm以上であればよく、より好ましくは30nm以上である。なお、導電層30が12μmよりも厚いとコストが高くなりすぎ、10nmよりも薄いとめっき工程にて焼き切れる等の不良が発生しやすくなる。
以上のように、本実施形態の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11によれば、中間層20と導電層30が積層している配線部31、32部分では、中間層20が導電層30に比べて低抵抗なので、電流が主に導電層30に集中して流れる。一方、中間層の露出部21では、導電層30がないので、導電層の端部同士の間では中間層の露出部21を電流が流れる。この露出部21を構成する中間層20が導電層30よりも高い抵抗値を有するので、中間層20が抵抗体22として機能する。
これにより、導電層30とベースフィルム1との間に抵抗体22を形成できるため、導電層30の上にチップ部品が載置されることがなく、表面が平滑であって可撓性に優れた抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11を提供することができる。
また、本実施形態の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11によれば、ベースフィルム1と導電層30との間に、Ni;55質量%以上、Cr;4質量%以上を含有するNiCr合金で構成された中間層20が設けられているので、中間層20がNi単相状態で積層されており、中間層20の表面に緻密な不動態皮膜が形成されて中間層20の耐食性を向上される。また、中間層にCrが含有されているため、中間層20全体としての耐食性が向上されている。
さらに、中間層20を形成するNiCr合金に、窒素が含まれている場合には、酸素もしくは水分子に対する耐食性が高いバリア層が形成されるため、耐食性を向上することができる。
更にまた、中間層20にNiおよび/またはCrとの窒化物が形成されている場合には、酸素もしくは水分子に対する耐食性が高いバリア層が形成されるため、耐食性を向上することができる。特に、CrNは、酸素、水などに対する耐食性が高いバリア層の役目を担うことができる。
さらに、中間層20を形成するNiCr合金に、Al、Fe及びCoから選択される1種または2種以上が合計で10質量%以下含有されている場合には、Al、Fe及びCoの効果によってNi相の固溶範囲が広がってNi相が安定し、中間層20の上に緻密な不動態皮膜を安定して形成することができる。
更にまた、中間層20を形成するNiCr合金に、W、Ti、Nb及びTaから選択される1種または2種以上が合計で6質量%以下含有されている場合には、W、Ti、Nb及びTaによって緻密な不動態皮膜が形成されることになり、確実にピッチング腐食の発生を防止できる。
なお、本実施形態の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11によれば、ベースフィルム1の表面がポリイミド樹脂で構成されているため、中間層20を構成するNiCr合金に含有されるMo,Crが、ポリイミドと強固に結合することになり、ベースフィルム1と中間層20との密着強度が効果的に向上される。
以上のように、中間層20の耐食性が優れているので、中間層20の露出部21である抵抗体22は、腐食による抵抗値の変動が小さく、安定しているとともに、配線部31、32の密着力が高く、導電層30の表面が平滑であって、可撓性に優れた抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11を提供することができる。
本実施形態の製造方法を、図面を参照して説明する。図2〜図4は本実施形態の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11の製造方法を説明するための図であって、図2はフレキシブル積層板形成工程を示す断面模式図であり、図3および図4は抵抗体形成工程を示す断面模式図である。尚、各図は本実施形態の製造方法を説明するために、多数ある抵抗体のうち、1抵抗体部分のみを拡大して示したものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11の寸法関係とは異なる。
本実施形態の抵抗体内蔵フレキシブル基板11の製造方法は、フレキシブル積層板形成工程と、抵抗体形成工程とから概略構成されている。以下、各工程について順次説明する。
最初にフレキシブル積層板形成工程では、図2に示すように、ポリイミド樹脂で構成されたベースフィルム1上にNiCr合金を積層させて中間層20を形成する。NiCr合金を積層するには、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の乾式薄膜形成技術により、前記NiCr合金をベースフィルム1上に付着させればよい。成膜条件は特に限定されないが、NiCr合金の酸化を防ぐ上では成膜槽内の酸素、水の分圧を極力低くすることが好ましい。
なお、構造材として市販されている耐食合金(例えば、三菱マテリアル製商品名「MAT21」、Ni;60質量%、Mo;19質量%、Cr;19質量%)をターゲットとして使用してもよい。
次に、中間層20の上に導電層30を形成するには、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成技術によって金属を成膜すればよい。また、ある程度の薄膜を前記各方法で成膜した後に、この金属薄膜上に電解めっき法や無電解めっき法等により金属めっき層を堆積させて所定厚さの導電層30を形成してもよい。以上のようにして、フレキシブル積層板10を形成する。
次に抵抗体形成工程では、図3に示すように、フレキシブル積層板10の導電層30の上にエッチング阻害層41を形成する。エッチング阻害層41を形成するには、感光性レジスト、ドライフィルム等をフォトリソグラフィー技術によって所定の開口面積となるように形成すればよい。
次に、塩化第二鉄溶液などの通常のエッチング液を使用して、エッチング阻害層41の開口部から導電層30をエッチングにより除去することにより、中間層の露出部21を形成することができる。ここで、中間層20の耐食性が向上されているため、導電層30と中間層20のエッチング速度が異なり、導電層30のみが選択的にエッチングされる。
その後、図4のように、エッチング阻害層41を除去することで、抵抗体22を形成することができる。
以上のようにして、本実施形態の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11を製造することができる。
以上のように、本実施形態の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11によれば、中間層20と導電層30が積層している配線部31、32部分では、導電層30が中間層20に比べて低抵抗なので、電流が主に導電層30に集中して流れる。一方、中間層の露出部21では、導電層30がないので、導電層の端部同士の間では中間層の露出部21を電流が流れる。この露出部21を構成する中間層20が導電層30よりも高い抵抗値を有するので、中間層が抵抗体として機能する。これにより、中間層の露出部21を抵抗体22として形成できる。
また、中間層20の耐食性が向上されており、エッチングによる導電層30の選択除去が可能であるため、導電層30の開口面積の制御によって容易に複数の抵抗値を有する複数の抵抗体22を一括形成することができる。
また、構造材として市販されている耐食合金をターゲットとして使用してベースフィルム1の表面に中間層20を積層することができるため、低コストでこの抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11を製造することができる。
以上、本発明の実施形態である抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、中間層20を形成するNi基合金に、Ni、Mo、Cr、Al、Fe、Co、W、Ti、Nb及びTa以外の元素が、不可避不純物として含有されていてもよい。なお、不可避不純物としては総量で2質量%以下に抑えることが好ましい。
また、中間層20を窒化処理してもよい。例えば、フレキシブル積層板形成工程のスパッタリングにおいて、プロセスガスのArに、5〜30体積%の窒素を混入させることで中間層20を窒化処理することが可能である。これによって、中間層20の耐食性をさらに向上させることが可能となる。
さらには、抵抗体22上に絶縁皮膜を付与してもよい。
更にまた、抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11の配線部31、32から、複数の配線部を形成してもよい。図5および図6は、配線部形成工程を示す断面模式図である。図5に示すように、抵抗体内蔵フレキシブル配線基板11の抵抗体22および配線部31、32上に、前述のエッチング阻害層41と同様にしてエッチング阻害層42を形成する。次に、塩化第二鉄溶液に過酸化水素を加えたものや硫酸鉄溶液を加えたものなど、エッチング性に優れたエッチング液を使用して、エッチング阻害層42の開口部から、配線部31、32の一部を中間層20ごとエッチングにより除去する。ここで、エッチング性に優れたエッチング液を使用することにより、耐食性が向上されている中間層20を溶解することが可能となる。その後、エッチング阻害層42を除去することで、図6に示すように、抵抗体22の端子部33a、35aを有する配線部33、35と、抵抗体22とは電気的に絶縁されている配線部34、36とを形成することができる。
また、回路パターンをエッチングによって形成するものとして説明したが、これに限定されることはなく、ベースフィルム1の表面に、中間層20及び導電層30をスパッタ方やめっき法等によって回路パターン形状に形成してもよい。
さらに、配線基板は、TABテープ、フレキシブル回路基板等のフレキシブル配線基板のみでなく、リジッドフレックス配線基板、硬質配線基板などを構成するものであってもよい。
また、ベースフィルム1の片面に中間層20及び導電層30を形成したもので説明したが、これに限定されることはなく、ベースフィルム1の両面に中間層20及び導電層30が形成されていてもよい。
図1は、本発明の実施形態の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板の断面模式図である。 図2は、フレキシブル積層板形成工程を示す断面模式図である。 図3は、抵抗体形成工程を示す断面模式図である。 図4は、抵抗体形成工程を示す断面模式図である。 図5は、配線部形成工程を示す断面模式図である。 図6は、配線部形成工程を示す断面模式図である。 図7は、抵抗チップを表面実装された抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を示す断面模式図である。 図8は、抵抗体を印刷形成された抵抗体内蔵フレキシブル配線基板を示す断面模式図である。
符号の説明
1・・・ベースフィルム、20・・・中間層、21・・・中間層の露出部、22・・・抵抗体、30・・・導電層、31、32・・・配線部、11・・・抵抗体内蔵フレキシブル配線基板

Claims (8)

  1. ベースフィルムと、前記ベースフィルム上に積層された中間層と、前記中間層上に積層された導電層とを具備してなり、
    前記導電層が複数の配線部から構成され、少なくとも一対の配線部同士の間から、前記中間層が露出されているとともに、
    前記中間層が前記導電層よりも高抵抗であることにより、前記中間層が抵抗体とされていることを特徴とする抵抗体内蔵フレキシブル配線基板。
  2. 前記中間層が、Ni;55質量%以上、Cr;4質量%以上を含有するNiCr合金であることを特徴とする請求項1に記載の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板。
  3. 前記中間層を構成する前記NiCr合金が、窒素を含有するとともに、前記窒素が前記Niおよび/またはCrと窒化物を形成していることを特徴とする請求項2に記載の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板。
  4. 前記中間層を構成する前記NiCr合金が、易酸化元素を含有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板。
  5. 前記易酸化元素がMoであることを特徴とする請求項4に記載の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板。
  6. 前記中間層を構成する前記NiCr合金が更に、Al、Fe及びCoから選択される1種または2種以上の元素を10質量%以下の割合で含有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板。
  7. 前記中間層を構成する前記NiCr合金が更に、W、Ti、Nb及びTaから選択される1種または2種以上の元素を6質量%以下の割合で含有することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板。
  8. 前記ベースフィルムの、少なくとも前記中間層が積層される表面が、ポリイミドで構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の抵抗体内蔵フレキシブル配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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