JP2008168585A - フレキシブル積層板 - Google Patents

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済 藤崎
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明 小綿
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Abstract

【課題】中間層の耐ピッチング性を向上させることでマイグレーションの発生を防止し、高温多湿の環境下において使用した際の信頼性を向上させることが可能なフレキシブル積層板を提供する。
【解決手段】ベースフィルム1と、このベースフィルム1上に積層された中間層2と、この中間層2上に積層された導電層3と、を備えたフレキシブル積層板において、中間層2は、ニッケル基合金によって構成されており、このニッケル基合金は、Ni;55重量%以上、Mo;12〜45重量%、Cr;0〜33重量%、を含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリイミド等からなるベースフィルムの表面に銅などによって導電層を形成したフレキシブル積層板に関し、特に、TABテープ、フレキシブル回路基板またはフレキシブル配線板などとして使用されるフレキシブル積層板に関する。
近年、電子機器の小型化・軽量化・構造の柔軟化に有利な回路基板として、TAB(Tape Automated Bonding)やFPC(Flexible Print Circuit) 等を用いた回路基板に対する需要が高まってきている。
このような回路基板として使用されるフレキシブル積層板として、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成技術により、ポリイミド等からなるベースフィルム上に直接的に金属薄膜を回路パターンに沿って成膜したのちこの金属薄膜上に電解めっき等により金属めっき層を堆積させて回路パターン状に導電層を形成したものや、金属薄膜をベースフィルムの表面に形成し、その上に電解めっき等で金属を堆積させて導電層を形成し、この導電層をエッチングして回路パターンを形成したもの等が提案されている。しかし、このような構造のフレキシブル積層板では、エッチングによる回路パターン形成工程や電解めっき工程等において、ベースフィルムと導電層間の接合強度が低下し、剥離しやすいという問題があった。
そこで、例えば特許文献1〜6には、導電層とベースフィルムとの間に中間層を設けることにより、ベースフィルムと導電層との間の接合強度の向上を図ったフレキシブル積層板が提案されている。
特開平01−133729号公報 特開平03−274261号公報 特開平05−183012号公報 特開平07−197239号公報 特開平08−330695号公報 特開2005−26378号公報
ところが、これらのいずれの方法によっても、導電層がポリイミド等からなるベースフィルムから剥離する現象を防止するには至っていない。例えば、特許文献2〜5に開示されているような合金を中間層として用いた場合には、この種のフレキシブル積層板に対する一般的な耐久試験(例えば150℃×24時間加熱)を行った場合に、接合強度が低下する現象が本発明者らにより見いだされた。本発明者らが検討したところ、この接合強度の低下は中間層である合金とポリイミド樹脂との結合力の低下が原因であることが判明した。そのメカニズムとしては、合金の酸化による界面劣化や製造工程でポリイミド樹脂が受ける外力による樹脂表面の分子構造の劣化などが考えられるが、1つに特定するに至っていない。
また、たとえ前述のフレキシブル積層板において、接合強度が使用に耐えられる程度の性能を示す場合においても、製造工程中に混入して残存した塩素等の不純物が誘因となってマイグレーションが発生し、導電層に形成された回路が短絡してしまい回路基板としての信頼性が著しく低下してしまうという問題があった。
特に、近年では、前述のフレキシブル積層板を用いたフレキシブル回路基板は、自動車や航空機などの電装部品にも適用され、高温多湿な環境下で使用されるようになってきており、前述のマイグレーションによる短絡事故が発生しやすくなっている。詳述すると、フレキシブル回路基板を高温多湿な環境下においた場合には、フレキシブル回路基板上に結露等によって水分が付着することがある。ここで、例えば導電層に回路パターンを形成する際に用いたエッチング液に含有されている塩素等が残存していた場合には、この水分に塩素等が溶け込んで酸性液が生成される。この水分が中間層内に侵入すると、中間層の一部が水分中にイオンとして溶出し、この中間層溶出部分を通じて導電層の銅が腐食される。このようなマイグレーション現象により、フレキシブル回路基板において短絡事故が発生してしまうのである。
なお、特許文献6には、中間層として耐食性に優れたクロム合金を用いたものが開示されている。クロム合金は腐食速度が極めて小さいという特徴を有しているが、局所的な腐食、いわゆるピッチングに弱く、中間層の一部が局所的に腐食するおそれがあった。特に、前述のような高温多湿の環境下においては、局所的な腐食を起点としてマイグレーションが進行するため、短絡事故を十分に防止することができない。
そこで、高温多湿の環境下においても使用可能なように、耐食性及び信頼性を従来よりもさらに向上させた、フレキシブル積層板が望まれていた。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであって、中間層の耐ピッチング性を向上させることでマイグレーションの発生を防止し、高温多湿の環境下において使用した際の信頼性を向上させることが可能なフレキシブル積層板を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明に係るフレキシブル積層板は、ベースフィルムと、このベースフィルム上に積層された中間層と、この中間層上に積層された導電層と、を備えたフレキシブル積層板において、前記中間層は、ニッケル基合金によって構成されており、このニッケル基合金は、Ni;55重量%以上、Mo;12〜45重量%、Cr;0〜33重量%、を含有することを特徴としている。
本発明に係るフレキシブル積層板によれば、ベースフィルムと導電層との間に、Ni;55重量%以上、Mo;12〜45重量%、Cr;0〜33重量%、を含有するニッケル基合金で構成された中間層が設けられているので、中間層はNi単相状態でベースフィルム上に積層される。これにより、中間層の表面には緻密な不動態皮膜が形成されることになり、中間層の耐食性を向上させることができる。
また、耐ピッチング性を向上させる元素であるMoが12重量%以上含有されているので、高温多湿な環境下においてもピッチングの発生を防止できる。さらに、Crを含有した場合には、中間層全体としての耐食性を向上させることが可能となる。
なお、Moの含有量が45重量%以下、Crの含有量が33重量%以下とされているので、中間層をエッチングによって除去して回路パターンを形成することができる。
ここで、前記中間層を構成するニッケル基合金は、Al、Fe及びCoから選択される1種または2種以上を含有し、これらAl、Fe及びCoの含有量が合計で10重量%以下とされていてもよい。
この場合、Al、Fe及びCoが含有されることでNi相の固溶範囲が広がり、Ni相が安定し、緻密な不動態皮膜を安定して形成することができる。
さらに、前記中間層を構成するニッケル基合金は、W、Ti、Nb及びTaから選択される1種または2種以上を含有し、これらW、Ti、Nb及びTaの含有量が合計で6重量%以下とされていてもよい。
この場合、W、Ti、Nb及びTaによって緻密な不動態皮膜が形成されることになり、より確実にピッチングを防止でき、このフレキシブル積層板の信頼性を向上させることができる。
また、前記ベースフィルムのうちの少なくとも前記中間層が積層される表面が、ポリイミドで構成されていてもよい。
この場合、中間層を構成するニッケル基合金に含有されるMo,Crが、ポリイミドと強固に結合することになり、ベースフィルムと中間層との接続強度を効果的に向上させることができる。
本発明によれば、中間層の耐ピッチング性を向上させてマイグレーションを防止し、高温多湿の環境下において使用した際の信頼性を向上させることが可能なフレキシブル積層板を提供することができる。
以下に、本発明の一実施形態であるフレキシブル積層板について添付した図面を参照して説明する。
このフレキシブル積層板は、ベースフィルム1と、ベースフィルム1の表面に形成された中間層2と、この中間層2上に形成された導電層3とを具備する。
ベースフィルム1は、いわゆるポリイミド樹脂で構成されている。ここで、ベースフィルム1を構成するポリイミド樹脂は、BPDA系ポリイミド樹脂やPMDA系ポリイミド樹脂であってもよい。一般的にBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸)を原料とするポリイミドフィルム(宇部興産製商品名「ユーピレックス」など)は熱および吸湿寸法安定性および剛性が良好であり、主にTAB用途に使用されているが、金属薄膜との接合強度が低い特徴を有する。一方、PMDA(ピロメリット酸二無水物)を原料とするポリイミドフィルム(東レ・デュポン製商品名「カプトン」、鐘淵化学工業製商品名「アピカル」など)は金属薄膜との接合強度が高いとされている。このような特性を考慮して適宜選択することが好ましい。
また、ベースフィルム1は、単層であってもよいが、複数種のポリイミド樹脂を積層した積層フィルムであってもよいし、中間層2が形成される表面のみがポリイミド樹脂で構成されていてもよい。
さらに、ベースフィルム1の厚さは特に限定されないが、ベースフィルム1としての剛性を確保する観点から12μm以上が好ましく、フレキシブル積層板の変形の容易さを確保する観点から125μm以下であることが好ましい。
中間層2は、Ni;55重量%以上、Mo;12〜45重量%、Cr;0〜33重量%を含有するニッケル基合金で構成されており、ベースフィルム1の表面に積層されている。このニッケル基合金には、Al、Fe及びCoから選択される1種または2種以上が合計で10重量%以下まで含有されていてもよい。さらに、W、Ti、Nb及びTaから選択される1種または2種以上が合計で6重量%以下まで含有されていてもよい。
ここで、中間層2の厚さは特に限定されないが、不動態皮膜を安定して形成して耐食性を向上させる観点から10nm以上とすることが好ましく、中間層2を積層した後にエッチングにて回路パターンを形成する際におけるエッチング速度を確保する観点から30nm以下とすることが好ましい。
導電層3は、導電性を有する材質、具体的には、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、金、白金などから選択される1種または2種以上で構成され、特に好ましくは純銅、または、ニッケル、亜鉛、もしくは鉄等を含む銅合金で構成されている。
導電層3の厚さは特に限定されないが、10nm以上であればよく、より好ましくは30nm以上である。なお、導電層3が300nmよりも厚いとコストが高くなりすぎ、10nmよりも薄いとめっき工程にて焼き切れる等の不良が発生しやすくなる。
次に、この構成のフレキシブル積層板の製造方法について説明する。
ポリイミド樹脂で構成されたベースフィルム1上にニッケル基合金を積層させて中間層2を形成する。ニッケル基合金を積層するには、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の乾式薄膜形成技術により、前記ニッケル基合金をベースフィルム1上に付着させればよい。成膜条件は特に限定されないが、ニッケル基合金の酸化を防ぐ上では成膜槽内の酸素、水の分圧を極力低くすることが好ましい。
なお、構造材として市販されている耐食合金(例えば、三菱マテリアル製商品名「MAT21」、Ni;60重量%、Mo;19重量%、Cr;19重量%)をターゲットとして使用してもよい。
中間層2の上に導電層3を形成するには、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成技術によって金属を成膜すればよい。また、ある程度の薄膜を前記各方法で成膜した後に、この金属薄膜上に電解めっき法や無電解めっき法等により金属めっき層を堆積させて所定厚さの導電層3を形成してもよい。
このように構成されたフレキシブル積層板は、導電層3及び中間層2をエッチングすることにより回路パターンが形成され、フレキシブル回路基板として使用される。ここで、中間層2の耐食性が向上されているので、塩化第二鉄溶液などの通常のエッチング液を使用した場合には、エッチング速度が遅くて生産効率が低下してしまう。そこで、本実施形態のように耐食性に優れた中間層2を形成した場合には、例えば塩化第二鉄溶液に過酸化水素を加えたものや硫酸鉄溶液を加えたものなど、エッチング性に優れたエッチング液を使用することが好ましい。
本実施形態であるフレキシブル積層板においては、ベースフィルム1と導電層3との間に、Ni;55重量%以上、Mo;12〜45重量%、Cr;0〜33重量%を含有するニッケル基合金で構成された中間層2が設けられているので、中間層2がニッケル単相状態で積層されており、中間層2の上に緻密な不動態皮膜が形成されて中間層2の耐食性が向上される。また、Moの効果により、高温多湿な環境下においてもピッチングの発生が防止される。さらに、Crを含有する場合には、中間層2全体の耐食性を向上させることが可能となる。また、Moの含有量が45重量%以下、Crの含有量が33重量%以下とされているので、エッチング液によって中間層2を溶解することが可能となり、回路パターンをエッチングによって形成することができる。
さらに、中間層2を形成するニッケル基合金に、Al、Fe及びCoから選択される1種または2種以上が合計で10重量%以下含有されている場合には、Al、Fe及びCoの効果によってNi相の固溶範囲が広がってNi相が安定し、中間層2の上に緻密な不動態皮膜を安定して形成することができる。
また、中間層2を形成するニッケル基合金に、W、Ti、Nb及びTaから選択される1種または2種以上が合計で6重量%以下含有されている場合には、W、Ti、Nb及びTaによって緻密な不動態皮膜が形成されることになり、確実にピッチングの発生を防止できる。
このように中間層2における耐ピッチング性の向上を図ることができるので、ピッチングを起因とするマイグレーションを確実に防止でき、このフレキシブル積層板を使用することで、短絡事故を未然に防ぐことが可能な信頼性の高いフレキシブル回路基板を提供することができる。
また、ベースフィルム1の表面が、ポリイミド樹脂で構成されているので、中間層2を構成するニッケル基合金に含有されるMo,Crが、ポリイミド樹脂と強固に結合することになり、ベースフィルム1と中間層2との接続強度を向上させることができる。
さらに、構造材として市販されている耐食合金をターゲットとして使用してベースフィルム1の表面に中間層2を積層することにより、低コストでこのフレキシブル積層板を製造することができる。
以上、本発明の実施形態であるフレキシブル積層板について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、中間層2を形成するNi基合金に、Ni、Mo、Cr、Al、Fe、Co、W、Ti、Nb及びTa以外の元素が、不可避不純物として含有されていてもよい。なお、不可避不純物としては総量で2重量%以下に抑えることが好ましい。
また、回路パターンをエッチングによって形成するものとして説明したが、これに限定されることはなく、ベースフィルム1の表面に、中間層2及び導電層3を回路パターン形状に形成してもよい。
さらに、フレキシブル積層板は、フレキシブル回路基板のみでなく、TABテープ、フレキシブル配線板などを構成するものであってもよい。
また、ベースフィルム1の片面に中間層2及び導電層3を形成したもので説明したが、これに限定されることはなく、ベースフィルム1の両面に中間層2及び導電層3が形成されていてもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明の効果を実証する。
(実施例1〜4)
ベースフィルムとしてBPDA系ポリイミド樹脂で構成された宇部興産株式会社製商品名「ユーピレックスS」(厚さ38μm)を使用し、このベースフィルムを直流(DC)スパッタリング装置内にセットし、その表面に下記の条件にて中間層および導電層を連続的に形成した。
中間層材質:Ni−Mo−Cr−Fe−W合金(三菱マテリアル製商品名MA22)
成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W
成膜厚さ:5nm,10nm、20nm、30nm
導電層材質:純銅
成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW
成膜厚さ:300nm、さらに硫酸銅浴により銅電解めっき層を行い、厚さ20μmの導電層を形成した。
このようにして、実施例1〜4のフレキシブル積層板を得た。
(実施例5〜8)
ベースフィルム及び導電層は実施例1〜4と同一とし、中間層の材質及び厚さを以下のように変更して、実施例5〜8のフレキシブル積層板を得た。
中間層材質:Ni−Mo−Cr−Ta合金(三菱マテリアル製商品名MAT21)
成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W
成膜厚さ:5nm,10nm、20nm、30nm
(実施例9〜11)
ベースフィルム及び導電層は実施例1〜8と同一とし、中間層の材質及び厚さを以下のように変更して、実施例9〜11のフレキシブル積層板を得た。
中間層材質:Ni−Mo−Cr−Fe−W合金(三菱マテリアル製商品名MA276)
成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W
成膜厚さ:5nm,10nm、20nm
(実施例12〜14)
ベースフィルム及び導電層は実施例1〜11と同一とし、中間層の材質及び厚さを以下のように変更して、実施例12〜14のフレキシブル積層板を得た。
中間層材質:Ni−Mo−Fe合金(三菱マテリアル製商品名MA−B)
成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W
成膜厚さ:5nm,10nm、20nm
(実施例15)
ベースフィルム及び導電層は実施例1〜14と同一とし、中間層の材質及び厚さを以下のように変更して、実施例15のフレキシブル積層板を得た。
中間層材質:Ni−Mo−Cr−Fe合金
成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W
成膜厚さ:10nm
(比較例1〜3)
ベースフィルム及び導電層は実施例1〜15と同一とし、中間層の材質及び厚さを以下のように変更して、比較例1〜3のフレキシブル積層板を得た。
中間層材質:Ni−Mo−Cr合金(三菱マテリアル製商品名MCアロイ)
成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W
成膜厚さ:30nm,20nm,7nm
(比較例4、5)
ベースフィルム及び導電層は実施例1〜15及び比較例1〜3と同一とし、中間層の材質及び厚さを以下のように変更して、比較例4,5のフレキシブル積層板を得た。
中間層材質:Ni−Cr合金
成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W
成膜厚さ:20nm,5nm
(比較例6,7)
ベースフィルム及び導電層は実施例1〜15及び比較例1〜5と同一とし、中間層の材質及び厚さを以下のように変更して、比較例6,7のフレキシブル積層板を得た。
中間層材質:Ni−Cr合金
成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W
成膜厚さ:20nm,5nm
(成分分析)
これらのフレキシブル積層板の中間層について、導電層(純銅)をアンモニア系溶媒で溶解後、中間層のみを酸溶解してICP分析によって成分分析を行った。成分分析結果を表1に示す。ここで、比較例1〜3は、本発明のCrの上限値及びMoの下限値を外れたものである。また、比較例4〜7は、Moの下限値を外れたものである。
Figure 2008168585
(比較試験)
実施例1〜15および比較例1〜7のフレキシブル積層板から幅10mm×長さ150mmの短冊状試験片を切り出し、IPC−TM−650(米国プリント回路工業会規格試験法)による方法にて、ベースフィルムと中間層及び導電層間のピール強度を測定した。この試験法は、前記短冊状試験片のベースフィルム側を6インチの直径ドラムの外周に周方向へ向けて接着固定したうえ、導電層の一端を治具で50mm/分でベースフィルムから剥離させながら引っ張り、それに要する荷重を測定する方法である。
また、各試験片に対して耐熱試験(150℃、24時間)を行い、その後のフレキシブル積層板について、上記と同じ接合強度試験を行うことにより、耐熱試験後の接合強度を比較した。
さらに、実施例1〜15および比較例1〜7のフレキシブル積層板の信頼性評価として、10個のサンプルを高温多湿条件下(95℃、95%RH)で200時間保持し、保持後の短絡状態を確認して短絡発生確率を算出した。
このような比較実験の結果を表2に示す。
Figure 2008168585
ピール強度を見ると、実施例1〜15においては、耐熱試験後においても比較的高い値を示している。特に、中間層の膜厚が厚いほどピール強度は高い。一方、比較例3、5〜7においては、耐熱試験後のピール強度が大きく低下していることが分かる。なお、中間層の厚みが厚い比較例1、2、4においてはある程度のピール強度が確保されているが、実施例1〜15における同等厚さのものと比較するとピール強度は低い。
また、信頼性評価としては、実施例1〜15においては短絡発生確率0〜20%といずれも低い値を示した。一方、比較例1〜7においては短絡発生確率40〜100%といずれも高い値を示した。
この比較試験の結果から、本発明によれば、高温多湿の環境下で使用されても、短絡の発生が少なく信頼性の高いフレキシブル積層板を提供することができることが確認された。
本発明の実施形態であるフレキシブル積層板を示す断面図である。
符号の説明
1 ベースフィルム
2 中間層
3 導電層

Claims (4)

  1. ベースフィルムと、このベースフィルム上に積層された中間層と、この中間層上に積層された導電層と、を備えたフレキシブル積層板において、
    前記中間層は、ニッケル基合金によって構成されており、このニッケル基合金は、Ni;55重量%以上、Mo;12〜45重量%、Cr;0〜33重量%、を含有することを特徴とするフレキシブル積層板。
  2. 請求項1に記載のフレキシブル積層板において、
    前記中間層を構成するニッケル基合金は、Al、Fe及びCoから選択される1種または2種以上を含有し、これらAl、Fe及びCoの含有量が合計で10重量%以下とされていることを特徴とするフレキシブル積層板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のフレキシブル積層板において、
    前記中間層を構成するニッケル基合金は、W、Ti、Nb及びTaから選択される1種または2種以上を含有し、これらW、Ti、Nb及びTaの含有量が合計で6重量%以下とされていることを特徴とするフレキシブル積層板。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のフレキシブル積層板において、
    前記ベースフィルムのうちの少なくとも前記中間層が積層される表面が、ポリイミドで構成されていることを特徴とするフレキシブル積層板。
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