JP2009015533A - 視線方向検出装置 - Google Patents

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Futoshi Tsuda
太司 津田
Takehiko Tanaka
勇彦 田中
Takeshi Sasuga
岳史 流石
Tomonori Akiyama
知範 秋山
Akira Kadoya
明 角屋
Fumio Sugaya
文男 菅谷
Takashi Hattori
貴司 服部
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Abstract

【課題】検出精度の向上を図った視線方向検出装置を提供すること。
【解決手段】人物Dの視線方向Lを検出する視線方向検出手段を備え、注視すべき対象物102が検出された際に、注視すべき対象物102の存在する方向を視線方向基準線Lとして、視線方向検出手段によって検出された視線方向Lを視線方向基準線Lに沿うように補正する。これにより、注視すべき対象物102の存在する方向を人物Dが注視している方向と想定し、検出された視線方向Lを補正するので、視線方向の検出精度を向上させることが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、人物の視線方向を検出する視線方向検出装置に関する。
従来、ドライバの顔を撮像するカメラを備え、カメラからの映像信号に基づいて画像処理を行い、ドライバの視線方向を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−351339号公報
従来技術では、検出された視線方向と実際の視線方向とにズレが生じることがあり、検出精度の向上が求められている。例えば、斜視のドライバの場合、ドライバが正面を見ている場合であっても、正面を見ていないと判定される場合があった。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、検出精度の向上を図った視線方向検出装置を提供することを目的とする。
本発明による視線方向検出装置は、人物の視線方向を検出する視線方向検出手段と、人物が注視すべき対象物を検出する対象物検出手段と、対象物検出手段によって注視すべき対象物が検出された際に、注視すべき対象物の存在する方向を視線方向基準線とし、視線方向基準線に沿うように視線方向を補正する補正手段とを備えることを特徴としている。
このような視線方向検出装置によれば、人物の視線方向を検出する視線方向検出手段を備え、注視すべき対象物が検出された際に、注視すべき対象物の存在する方向を視線方向基準線として、視線方向検出手段によって検出された視線方向を補正する。これにより、注視すべき対象物の存在する方向を人物が注視している方向と想定し、視線方向検出手段により検出された視線方向が補正されるので、視線方向の検出精度を向上させることが可能となる。なお、「人物が注視すべき対象物」とは、人物が注視している対象物、及び人物が注視していると想定される対象物を含むものである。
また、視線方向検出手段は、車両を操縦するドライバの視線方向を検出するものであり、対象物検出手段は、ドライバが注視すべき他車両を検出するものであることが好ましい。これにより、注視すべき他車両の存在する方向をドライバが注視している方向と想定し、視線方向検出手段により検出された視線方向が補正される。
また、他車両によってドライバが受けるプレッシャの大きさを示すプレッシャ度合を算出するプレッシャ度合算出手段を更に備え、対象物検出手段は、プレッシャ度合算出手段によって算出されたプレッシャ度合に基づいて、他車両が、ドライバが注視すべき対象物であるか否かを判定することが好ましい。
また、他車両によってドライバが受けるプレッシャの大きさを示すプレッシャ度合を算出するプレッシャ度合算出手段を更に備え、対象物検出手段は、プレッシャ度合算出手段によって算出されたプレッシャ度合に基づいて、他車両がドライバが注視すべき対象物であるか否かを判定することが好ましい。例えば、他車両である先行車との車間距離に基づいて、プレッシャ度合を算出することができる。具体的には、自車と先行車とが接近している場合には、車間距離が開いている場合に比して、ドライバが受けるプレッシャ(圧迫感)が大きいので、ドライバが先行車を見ている可能性が高いと判定することができる。そのため、プレッシャ度合が大きい場合には、先行車をドライバが注視すべき対象物と判定することができ、先行車が存在する方向を視線方向基準線として、この視線方向基準線に沿うように、視線方向を補正することで、検出精度を向上させることができる。
また、視線方向検出手段によって検出された視線方向と、視線方向基準線との角度が所定の判定閾値よりも大きい場合に、補正手段による補正を禁止することが好ましい。検出対象の人物がいねむりしている場合、意図的に注視すべき対象物を見ていない場合には、視線方向検出手段によって検出された視線方向と、視線方向基準線との方向が大きく異なることが想定されるため、検出された視線方向と視線方向基準線との角度が所定の判定閾値よりも大きい場合には、補正手段による補正を禁止することで、不必要な補正がなされることを防止することができる。なお、「所定の判定閾値」とは、例えば実験等により設定されるものであって、人物が対象物を見ていないと想定することができ、補正手段による補正が不要であると判定するための判定閾値を指す。
本発明の視線方向検出装置によれば、人物が注視すべき対象物が検出された場合に、注視すべき対象物の存在する方向に基づいて、視線方向検出手段によって検出される視線方向を補正するため、視線方向の検出精度を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は、本発明の第1実施形態に係る視線方向検出装置のブロック構成図、図2は、先行車を注視すべき対象物とした場合の視線方向基準線、キャリブレーション前の視線方向、及びキャリブレーション後の視線方向を示す平面図である。
図1に示す視線方向検出装置10は、自車両101(図2参照)に搭載され、例えば運転者Dの視線方向を検出して脇見判定を行うものであり、運転者Dの顔画像を撮像する顔画像撮像カメラ12、顔画像撮像カメラ12からの映像信号に基づいて画像処理を行って運転者Dの視線方向を判定する視線方向判定用電子制御ユニット(以下、「判定用ECU」という)14を備えている。顔画像撮像カメラ12は、例えばコラムカバー(不図示)の上面に設置され、運転者Dの顔画像を取得するものである。
判定用ECU14は、演算処理を行うCPU、記憶部となるROM及びRAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを備え、本発明の視線方向検出手段、対象物検出手段、及びプレッシャ度合算出手段を構成する(詳しくは後述する)。
判定用ECU14には、運転者Dに警告を報知する警報器16が電気的に接続されている。判定用ECU14は、運転者Dの脇見を検出した場合に、指令信号を送信して、警報器16によって警告することで、運転者Dに脇見を止めるように促すことができる。
また、視線方向検出装置10は、車両前方画像撮像カメラ18、前方画像処理ECU20、ミリ波レーダ22、及び車速センサ24を備えている。車両前方画像撮像カメラ18は、自車両101(図2参照)前方を撮影するものであり、前方画像処理ECU20は、車両前方画像撮像カメラ18からのデータに基づいて画像処理を行い、車両前方画像を生成する。生成された車両前方画像に関するデータは、判定用ECU14に出力される。視線方向検出装置10では、自車両101の前方を走行する先行車102を撮像して、先行車102の画像データを判定用ECU14に出力することができる。送信された先行車102の画像データは、後述するプレッシャ値(プレッシャ度合)の算出に利用される。
ミリ波レーダ22は、自車両101の前面に設けられ、先行車102の位置情報(方位及び距離に関する情報)及び相対速度を、先行車102に関する情報として出力する。出力された先行車102に関する情報は、プレッシャ値の算出に利用される。なお、自車両101の側方を検知する側方用ミリ波レーダを更に備える構成としてもよい。
車速センサ24は、自車両101の車速を検出するものであり、検出された車速に関するデータは、判定用ECU14に送信される。送信された車速に関するデータは、プレッシャ値の算出に利用される。
ここで、本発明の視線方向検出装置10の判定用ECU14は、検出された視線方向Lを補正するキャリブレーション機能(ゼロ点調整機能)を有している。このキャリブレーション機能は、図2に示すように、運転者Dが注視すべき対象物(例えば先行車102)が検出された際には、対象物の存在方向を運転者Dの視線方向Lとして、補正するものである。なお、「運転者Dが注視すべき対象物」とは、運転者が注視していると想定される対象物を含み、例えば、自車両101の前方を走行する先行車102が挙げられる。
判定用ECU14のCPUでは、記憶部に記憶されているプログラムを実行することで、図1に示すように、視線方向検出部26、プレッシャ値算出部28、対象物検出部30、視線方向基準線算出部32、補正部34、及び脇見判定部36が構成される。
視線方向検出部26は、顔画像撮像カメラ12から入力された映像信号に基づいて、画像処理を行い運転者Dの目画像を抽出し、運転者Dの視線方向Lを検出する。
プレッシャ値算出部28は、検出された先行車102のプレッシャ値を算出するものである。なお、「プレッシャ値」とは、先行車102によって運転者が受けるプレッシャ(圧迫感)の度合いを示すものであり、プレッシャ値が大きい場合には、運転者が受けるプレッシャは、プレッシャ値が小さいに比して大きくなる。
次に、プレッシャ値の算出方法について説明する。プレッシャ値として、例えば「先行車との距離に基づくプレッシャ値」、「先行車との相対速度に基づくプレッシャ値」、「先行車までのTTCに基づくプレッシャ値」、「先行車の大きさに基づくプレッシャ値」、及び「自車速度に基づくプレッシャ値」が挙げられる。
「先行車との距離に基づくプレッシャ値」は、図2に示すように、自車両101と先行車102との車間距離Daに応じて算出される。運転者Dは、車間距離Daが短い場合には、車間距離Daが長い場合に比して、プレッシャを強く感じていると想定され、先行車102を注視している可能性が高い。そのため、車間距離Daに応じて、プレッシャ値を算出することができ、車間距離Daが短い場合には、車間距離Daが長い場合に比して、プレッシャ値が大きくなるように算出する。プレッシャ値算出部28は、ミリ波レーダ22によって計測された車間距離Daに基づいて、「先行車との距離に基づくプレッシャ値」を算出することができる。
「先行車との相対速度に基づくプレッシャ値」は、自車両101と先行車102との相対速度に応じて算出される。運転者Dは、先行車102との相対速度が大きく自車両101が先行車102に接近している場合には、相対速度が小さく先行車102が自車両から離間している場合に比して、プレッシャを強く感じていると想定され、先行車102を注視している可能性が高い、そのため、先行車102との相対速度に応じて、プレッシャ値を算出することができ、相対速度が大きい場合には、相対速度が小さい場合に比して、プレッシャ値が大きくなるように算出する。プレッシャ値算出部28は、ミリ波レーダ22によって計測された先行車102との相対速度に基づいて、「先行車との相対速度に基づくプレッシャ値」を算出することができる。
「先行車までのTTCに基づくプレッシャ値」は、自車両101と先行車102とのTTC(Time To Collision)に応じて算出される。TTCは、自車両101が先行車102と衝突するまでの時間であり、車間距離Daを相対速度で割ったものである。運転者Dは、TTCが短い場合には、TTCが長い場合に比して、プレッシャを強く感じていると想定され、先行車102を注視している可能性が高い、そのため、先行車102とのTTCに応じてプレッシャ値を算出することができ、TTCが短い場合には、TTCが長い場合に比して、プレッシャ値が大きくなるように算出する。プレッシャ値算出部28は、ミリ波レーダ22によって計測された先行車102との相対速度及び相対距離に基づいてTTCを算出し、算出されたTTCに基づいて、「先行車までのTTCに基づくプレッシャ値」を算出することができる。
「先行車の大きさに基づくプレッシャ値」は、先行車102の投影面積に応じて算出される。ここでいう「先行車102の投影面積」とは、運転者から先行車102を見た場合の面積である。運転者Dは、先行車102の投影面積が大きい場合には、投影面積が小さい場合に比して、プレッシャを強く感じていると想定され、先行車102を注視している可能性が高い、そのため、先行車102の投影面積に応じてプレッシャ値を算出することができ、先行車102の投影面積が大きい場合には、小さい場合に比して、プレッシャ値が大きくなるように算出する。プレッシャ値算出部28は、前方画像処理ECU20から画像データに基づいて、先行車102の投影面積を算出し、算出された投影面積に基づいて、「先行車の大きさに基づくプレッシャ値」を算出することができる。なお、先行車102の投影面積の変化率に基づいて、プレッシャ値を算出するようにしてもよい。
「自車速度に基づくプレッシャ値」は、自車両101の速度に応じて算出される。運転者Dは、自車速が大きい場合には、自車速が小さい場合に比して、プレッシャを強く感じていると想定され、先行車102を注視している可能性が高い、そのため、自車速に応じてプレッシャ値を算出することができ、自車速が大きい場合には、小さい場合に比して、プレッシャ値が大きくなるように算出する。プレッシャ値算出部28は、車速センサ24によって計測された自車速に基づいて、「自車速度に基づくプレッシャ値」を算出することができる。なお、プレッシャ値は、上述した複数のプレッシャ値を組み合わせて算出してもよい。
対象物検出部30は、プレッシャ値算出部28によって算出されたプレッシャ値に基づいて、検出された先行車102が運転者が注視すべき対象物であるか否かの判定を行う。対象物検出部30は、例えば、プレッシャ値が所定の閾値より大きい場合には、プレッシャ値が大きいと判定する。なお、所定の閾値とは、例えば実験等によって任意に設定される値であり、プレッシャ値が大きいか否かを判定するための値である。運転者が対象物を注視しているか可能性が高い場合には、プレッシャ値が大きいと判定することができる。
視線方向基準線算出部32は、注視すべき対象物が検出された際に、注視すべき対象物の存在する方向を視線方向基準線として算出する。例えば、運転者Dと先行車102の後部中央とを結ぶ線を視線方向基準線Lと設定する。補正部34は、視線方向検出部26によって検出された視線方向Lを、視線方向基準線算出部32によって算出された視線方向基準線Lに沿うように補正する。すなわち、視線方向検出部26のキャリブレーションを行う。図2では、実線で示すLが補正後の視線方向となり、キャリブレーション後において、視線方向検出部26は、視線方向Lを運転者Dの視線方向として出力する。
脇見判定部36は、検出された運転者Dの視線方向に基づいて、運転者Dが脇見をしているか否かの脇見判定を行う。運転者Dが脇見運転中であると判定した場合には、警報器16に駆動信号を送信して、運転者Dに対して警報を行う。
次に、判定用ECU14で実行される制御処理について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態に係る判定用ECUで実行される「メイン制御処理」の手順を示すフローチャートである。まず、判定用ECU14は、顔画像撮像カメラ12から運転者Dの顔画像に関する映像信号を入力する(S1)。次に、判定用ECU14は、入力された運転者Dの映像信号に基いて、運転者Dの眼画像を抽出し(S2)、この抽出された眼画像に基いて、運転者Dの視線方向Lを検出する(S3)。
続いて、判定用ECU14は、キャリブレーション時間が経過したか否かを判定する(S4)。キャリブレーション時間は、キャリブレーションの実行間隔を設定するための時間であり、キャリブレーション時間を変更することで、キャリブレーションの実行間隔を変更することができる。キャリブレーション時間が経過したと判定された場合には、ステップS5に進み、キャリブレーション時間が経過したと判定されなかった場合には、ステップS6に進む。
ステップS5では、キャリブレーション実行処理を行う。図4は、「キャリブレーション実行処理」の手順を示すフローチャートである。判定用ECU14は、ステップS5のキャリブレーション実行処理として、図4に示すステップS11〜S22の処理を実行する。
判定用ECU14は、「キャリブレーション実行処理」を開始すると、まず、キャリブレーションタイマをスタートさせる(S11)。次に、判定用ECU14は、タイムアウトであるか否かを判定する(S12)。判定用ECU14は、キャリブレーションタイマによる経過時間が予め設定されたタイムアウト時間を経過した場合には、タイムアウトと判定し、「キャリブレーション実行処理」を終了して、図3に示すメイン処理のステップS6に進む。タイムアウトと判定されなかった場合には、ステップS13に進む。
続くステップS13では、先行車102を検出しているか否かを判定する。判定用ECU14は、先行車102を検出していない場合には、ステップS12に戻る。判定用ECU14は、タイムアウト時間が経過するまで、繰り返して先行車102を検出しているか否かを判定し、タイムアウト時間内に先行車102を検出することができなかった場合には、「キャリブレーション実行処理」を終了する。先行車102が検出されている場合には、ステップS14に進む。
ステップS14では、判定用ECU14は、プレッシャ値Pを算出する。次に、判定用ECU14は、プレッシャ値Pが大きいか否かを判定する(S15)。例えば、プレッシャ値Pがプレッシャ判定閾値Pthより大きい場合には、プレッシャ値Pが大きいと判定し、検出された先行車102が、「運転者Dが注視すべき対象物である」と判定する。プレッシャ値Pが大きいと判定された場合には、ステップS16に進み、プレッシャ値Pが大きいと判定されなかった場合には、ステップS17に進む。なお、プレッシャ値が大きいと判定されなかった場合には、ステップS12に戻り、ステップS12〜S15の処理を繰り返すようにしてもよい。
ステップS16では、判定用ECU14は、リセット閾値Tthを変更する。「リセット閾値Tth」は、後述するステップ18における判定に用いられる判定閾値である。ここでは、プレッシャ値Pが大きいと判定された場合には、リセット閾値Tthを小さな値とすることで、キャリブレーションを実行し易くする。また、リセット閾値Tthをプレッシャ値Pの大きさ比例するように変更してもよい。
次に、判定用ECU14は、プレッシャ継続時間Tを積算する(S17)。ここでは、プレッシャ値Pがプレッシャ判定閾値Pthを超えている時間を、プレッシャ継続時間Tとして算出する。すなわち、ステップS15において、プレッシャ値Pが大きいと判定されてからの継続時間を算出する。
続いて判定用ECU14は、プレッシャ継続時間Tがリセット閾値Tthより大きいか否かの判定を行う(S18)。プレッシャ継続時間Tがリセット閾値Tthより大きいと判定された場合には、ステップS19に進む。プレッシャ継続時間Tがリセット閾値Tthより大きいと判定されなかった場合には、ステップS12に戻り、ステップS12〜S18の処理を繰り返す。
ステップS19では、判定用ECU14は、注視すべき対象物(先行車102)の存在する方向を視線方向基準線Lとして算出する。次に、判定用ECU14は、ステップS3で検出された視線方向LとステップS19で算出された視線方向基準線Lとの角度θを算出し、算出された角度θが角度判定閾値θthより大きいか否かを判定する(S20)。角度θが角度判定閾値θthより大きいと判定された場合には、処理を終了して、メイン処理に復帰する。一方、角度θが角度判定閾値θthより大きいと判定されなかった場合には、ステップS21に進み、キャリブレーションを実行する。すなわち、顔画像撮像カメラ12によって検出された運転者Dの視線方向Lと、視線方向基準線Lとの開きが大きい場合には、運転者Dが先行車102を注視していない可能性が高いため、キャリブレーションを実行しないようにしている。なお、「角度判定閾値角度θth」は、実験等によって任意に設定される値であり、運転者Dが対象物を注視していないと判定するための閾値である。
ステップS21では、判定用ECU14は、検出された視線方向Lを視線方向基準線Lに沿うように補正して、キャリブレーションを実行する。続いて、判定用ECU14は、キャリブレーション周期を変更(S22)してメイン処理に復帰する。ステップS22でキャリブレーション周期を変更することで、メイン処理におけるステップS4の判定閾値が変更されて、キャリブレーション実行処理を行う間隔を修正することができる。例えば、プレッシャ継続時間が長い場合(プレッシャ値の積算値が大きい場合)に、キャリブレーション間隔を短くすることで、視線方向の検出精度を向上させるようにしてもよい。
続いて、判定用ECU14は、「キャリブレーション実行処理」を終了すると、脇見判定を実行する(S6)。判定用ECU14は、運転者Dの視線方向に基いて、脇見をしているか否かの判定を行い、脇見をしていると判定した場合には、運転者Dに脇見をしないように警告する。
このような本実施形態の視線方向検出装置10によれば、注視すべき対象物として先行車102が検出された場合には、先行車102の存在する方向を視線方向基準線Lとして、検出された視線方向Lを視線方向基準線Lに沿うようにキャリブレーションを行っている。キャリブレーション後の視線方向Lのようになる。このように、注視すべき対象物が検出された場合に、運転者が対象物を注視していると想定して、キャリブレーションが実行されるので、視線方向の検出精度を向上させることができる。
また、先行車102によって運転者が受けるプレッシャの大きさの示すプレッシャ値に基いて、検出された先行車102が注視すべき対象物であるか否かの判定を行うことができる。これは、運転者Dが受けるプレッシャが大きい場合には、運転者Dは、対象物を注視している可能性が極めて高いため、プレッシャ値に基いて、注視すべき対象物であるか否かを判定することで、精度良くキャリブレーションを実行することができる。
また、補正前の視線方向Lと、視線方向基準線Lとの角度θが判定閾値よりも大きい場合には、キャリブレーションの実行を中止しているので、運転者Dが居眠りしている場合、意図的に先行車102を注視していない場合には、キャリブレーションが実行されないので、不要なキャリブレーションの実行を防止することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態において、注視すべき対象物を先行車102としているが、注視すべき対象物は、先行車102に限定されない。例えば、注視すべき対象物を、対向車としてもよい。図5は、対向車を注視すべき対象物とした場合の視線方向基準線、キャリブレーション前の視線方向、及びキャリブレーション後の視線方向を示す平面図である。
例えば、ミリ波レーダ22によって検出された対向車103の移動と、視線方向検出部26によって検出された運転者の視線方向L,Lの変化とが同期している場合には、対向車103を注視すべき対象物と判定してもよい。この場合、対向車103の存在する方向を視線方向基準線L,Lとして、検出された視線方向L,Lを、視線方向基準線L,Lに沿うようにキャリブレーションを行う。なお、対向車103に対して、プレッシャ値Pを算出し、算出されたプレッシャ値Pに基づいて、対向車が注視すべき対象物であるか否かを判定してもよい。
また、注視すべき対象物は、上記先行車、対向車に限定されない。例えば、歩行者、道路標識、信号、ナビ画面、計器の表示部等を注視すべき対象物としてもよい。また、音声によって、運転者に注視すべき対象物を注視するように促して、キャリブレーションを実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態において、車両101に搭載され運転者Dの視線方向を検出する視線方向検出装置としているが、例えば、鉄道、飛行機等に搭載され、操縦者の視線方向を検出する視線方向検出装置としてもよく、プラント等の計器室に設置され、オペレータの視線方向を検出する視線方向検出装置としてもよい。要は、人物の視線方向検出するものであればよい。
また、上記実施形態では、検出された視線方向と、視線方向基準線との角度θが所定の判定閾値以上である場合に、キャリブレーションの実行を禁止する構成としているが、角度θが所定の判定閾値以上である場合に、キャリブレーションの実行を禁止しなくてもよい。
本発明の実施形態に係る視線方向検出装置を示すブロック構成図である。 先行車を注視すべき対象物とした場合の視線方向基準線、キャリブレーション前の視線方向、及びキャリブレーション後の視線方向を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る判定用ECUで実行される「メイン制御処理」の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る判定用ECUで実行される「キャリブレーション処理」の手順を示すフローチャートである。 対向車を注視すべき対象物とした場合の視線方向基準線、キャリブレーション前の視線方向、及びキャリブレーション後の視線方向を示す平面図である。
符号の説明
10…視線方向検出装置、12…顔画像撮像カメラ、14…判定用ECU(視線方向検出手段、対象物検出手段、プレッシャ度合算出手段)、16…警報器、18…車両前方画像撮像カメラ、20…前方画像処理ECU、22…ミリ波レーダ、24…車速センサ、26…視線方向検出部、28…プレッシャ値算出部、30…対象物検出部、32…視線方向基準線算出部、34…補正部、36…脇見判定部、101…自車両、102…先行車(注視すべき対象物)、103…対向車(注視すべき対象物)、D…運転者(人物)、Da…先行車と自車両との車間距離、L,L,L…視線方向基準線、L,L,L…検出された視線方向。

Claims (4)

  1. 人物の視線方向を検出する視線方向検出手段と、
    前記人物が注視すべき対象物を検出する対象物検出手段と、
    前記対象物検出手段によって前記注視すべき対象物が検出された際に、前記注視すべき対象物の存在する方向を視線方向基準線とし、前記視線方向基準線に沿うように前記視線方向を補正する補正手段とを備えることを特徴とする視線方向検出装置。
  2. 前記視線方向検出手段は、車両を操縦するドライバの視線方向を検出するものであり、
    前記対象物検出手段は、前記ドライバが注視すべき他車両を検出するものであることを特徴とする請求項1記載の視線方向検出装置。
  3. 他車両によって前記ドライバが受けるプレッシャの大きさを示すプレッシャ度合を算出するプレッシャ度合算出手段を更に備え、
    前記対象物検出手段は、
    前記プレッシャ度合算出手段によって算出された前記プレッシャ度合に基づいて、前記他車両がドライバが注視すべき対象物であるか否かを判定することを特徴とする請求項2記載の視線方向検出装置。
  4. 前記視線方向検出手段によって検出された前記視線方向と前記視線方向基準線との角度が所定の判定閾値よりも大きい場合に、前記補正手段による補正を禁止することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の視線方向検出装置。
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