JP6331232B2 - 車両用制限速度検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用制限速度検出装置に係わり、特に、自車両前方に存在する制限速度の道路標識を認識し、検出された制限速度の正否を検証する車両用制限速度検出装置に関する。
従来、カメラによって車両前方を撮影し、その撮影画像に基づいて運転支援等に必要な情報を取得することが提案されている。
例えば、特許文献1には、車載カメラにより撮像された画像により道路標識等の情報を抽出し、ディスプレイ等の表示装置に表示する車載装置が開示されている。この車載装置は、GPS等により取得した自車位置情報に対応する標識情報がカーナビゲーション用情報記憶手段に保存された道路標識情報中に存在する場合でも、撮像装置で取得した画像から該当する道路標識を抽出できた場合は、抽出した道路標識の情報を優先して表示装置に表示する。
特開2007−183764号公報
しかしながら、上記のような車載装置では、現状ではカメラにより撮像された画像の解析精度は完全ではない。このため、例えば、道路上の看板や道路標識以外の標識を道路標識として誤認識してしまう場合があり、特に、車載装置が制限速度を表示する場合には、誤った制限速度が運転者に表示されてしまう可能性がある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、車両の制限速度の誤検出を排除してより信頼性のある制限速度の検出が可能となる車両用制限速度検出装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の車両用制限速度検出装置は、自車両前方を撮影するように構成された撮影手段と、撮影手段により撮影された画像から自車両の走行時の制限速度の情報を検出するように構成された制限速度検出手段と、自車両の周辺に存在する周辺車両の走行速度に関する情報を検出する周辺車両速度検出手段と、制限速度検出手段によって検出された制限速度が正しいか否かを、周辺車両速度検出手段によって検出された周辺車両の走行速度に関する情報に基づいて検証するように構成された検証手段と、検証手段によって検証された制限速度に基づく情報を報知するように構成された報知手段と、自車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、を備え、検証手段は、制限速度と自車両の走行速度との差が所定範囲内でない場合に、周辺車両の走行速度に関する情報に基づく検証を行うように構成されている、ことを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、車両用制限速度検出装置は、撮影手段により自車両前方の画像を撮影し、撮影した画像から自車両の走行時の制限速度の情報を検出する。一方、周辺車両速度検出手段は、自車両の周辺に存在する周辺車両の走行速度に関する情報を検出する。ここで、周辺車両の運転者は、走行路の制限速度やその他交通状況等を勘案して各々所定の走行速度で走行しているのであるから、制限速度と周辺車両の走行速度との間には一程度の相関性があると考えられる。そこで、本発明では、検証手段は、検出した周辺車両の走行速度に関する情報に基づいて、画像から検出した制限速度が正しいか否かを検証する。
以上のように、本発明においては、検証手段が、検出した制限速度の正否を周辺車両の走行速度に関する情報に基づいて検証するので、撮影手段によって撮影された画像から検出した自車両の制限速度が誤検出であった場合にその情報を使用しないように排除することが可能となるので、車両の制限速度の誤検出による誤表示を防止して、より信頼性のある制限速度の検出が可能になる。
また、検出された制限速度と自車両の走行速度との差が大きい場合、検出された制限速度が誤検出である可能性が考えられる。そこで本発明では、検出された制限速度と自車両の走行速度との差が所定範囲以内でない場合に、周辺車両の走行速度に関する情報に基づく検証を行うので、誤検出の可能性が比較的高い場合に検証が行われるから、検証がより効率的に行われる。
本発明において、好ましくは、検証手段は、制限速度検出手段によって検出された制限速度と、周辺車両速度検出手段によって検出された周辺車両の走行速度との差が所定範囲内であるとき、制限速度が正しいと判定するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、検出された制限速度と周辺車両の走行速度とを比較し、これらの差が所定範囲内である場合には、検出された制限速度が正しいものであると判定する。したがって、簡単な検証手法でより正確な制限速度の検出が行われる。
本発明において、好ましくは、所定範囲は、検出された制限速度が大きいほど、広く設定される。
このように構成された本発明によれば、検出された制限速度が大きいほど、所定範囲が広く設定される。一般に、制限速度が大きくなると、周辺車両の走行速度はより多様になる。そこで、本発明では、検出された制限速度に応じて所定範囲の広さを調整する。これにより、制限速度の検証がより実情に合ったものとなり、簡単な検証手法でより正確な制限速度の検出が行われる。
本発明において、好ましくは、検証手段は、検出された制限速度が、正しいと検証された直前の制限速度と異なる場合に、周辺車両の走行速度に関する情報に基づく検証を行うように構成されている。
このように構成された本発明によれば、正しいと検証された直前の制限速度と異なる制限速度が検出された場合、検出された制限速度が誤検出である可能性が考えられる。そこで本発明では、検出された制限速度が、正しいと検証された直前の制限速度と異なる場合に、周辺車両の走行速度に関する情報に基づく検証を行う。したがって、誤検出の可能性が比較的高い場合に検証が行われるから、検証がより効率的に行われる。
本発明において、好ましくは、報知手段は、制限速度を自車両の乗員に表示する表示手段であり、検証手段が制限速度が正しくないと判断した場合には、表示手段は、表示している制限速度の情報を継続して表示するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、検証手段による検証の結果、検出した制限速度が正しくない場合には、検出した制限速度を表示せず、表示手段が現在表示している制限速度を表示し続ける。したがって、正しくない制限速度を表示してしまうような誤表示が防止されるとともに、表示手段の頻繁な表示変更が防止され、乗員が感じる可能性のある違和感が抑制される。
本発明による車両用制限速度検出装置によれば、車両の制限速度の誤検出を排除してより信頼性のある制限速度の検出を行うことができる。
本発明の第一実施形態による車両用制限速度検出装置の構成ブロック図である。 本発明の第一実施形態による車両用制限速度検出装置の制限速度検出処理のフローチャートである。 本発明の第二実施形態による車両用制限速度検出装置の構成ブロック図である。 本発明の第二実施形態による車両用制限速度検出装置の制限速度に対する車両の許容走行速度を示す図である。 本発明の第二実施形態による車両用制限速度検出装置の制限速度検出処理のフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。なお、第二実施形態以降では、第一実施形態と同様の構成には、図面に第一実施形態と同一符号を付し、その説明を簡略化または省略する。
[第1実施形態]
本発明の第一実施形態に係る車両用制限速度検出装置について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る車両用の制限速度検出装置1の構成ブロック図である。この図1に示すように、本実施形態による制限速度検出装置1は、自車両の前方を撮影するカメラ2と、自車両の周辺に存在する周辺車両の走行状況を測定する周辺車両測定手段としてのレーダ4と、カメラ2が撮影した画像データ及びレーダ4が測定した周辺車両の走行状況に関する情報が入力されるECU6(Electronic Control Unit)と、ECU6から出力された各種情報を表示する表示装置8と、を有している。
カメラ2は、制限速度検出装置1が搭載された自車両の前方に向けて自車両に設置され、撮影した画像データをECU6に出力する。このカメラ2としては、例えば撮像素子としてCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサを使用したカメラが使用される。
レーダ4は、対象物の位置及び速度を測定する測定装置であり、自車両の前後の車幅方向両側にそれぞれ設けられている。レーダ4は、自車両の前後左右へ向けて電波(送信波)を送信し、対象物により送信波が反射されて生じた反射波を受信する。本実施形態では、レーダ4は、送信波と受信波に基づいて、自車両と周辺車両との間の位置(例えば、車間距離、車両に対する角度位置等)や自車両に対する周辺車両の相対速度を測定し、それらの測定結果をECU6に出力する。
表示装置8は、自車両の車室の前部においてドライバの視野内に設けられる。この表示装置8としては、例えば、液晶ディスプレイやヘッドアップディスプレイが用いられる。
ECU6は、カメラ2により撮影された画像から自車両が走行路を走行する際の制限速度の道路標識を認識して制限速度Vaの情報を検出する制限速度検出部10と、カメラ2により撮影された画像及びレーダ4から入力された周辺車両の走行状況の測定結果に基づいて周辺車両の走行速度を算出する周辺車両速度検出部12と、制限速度検出部10によって検出された制限速度Vaが正しいか否かを検証する制限速度検証部14と、を有する。
ECU6が備えるこれらの要素は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
制限速度検出部10は、カメラ2で撮影された画像から制限速度Vaの道路標識を認識するように構成されている。具体的には、例えば、制限速度Vaの道路標識は通常赤い円形のマーク内に制限速度Vaの数字が表示されているから、制限速度検出部10は、円形マーク及び内部の数字が組み合わされた画像をカメラ2で撮影された画像の中から認識するように構成されている。また、制限速度検出部10は、認識された制限速度Vaの道路標識から制限速度Vaの情報、つまり制限速度Vaの数字の情報を検出するように構成されている。
周辺車両速度検出部12は、カメラ2で撮影された画像から自車両の周辺を走行する周辺車両を認識し、自車両に対する周辺車両の位置及び相対速度と、画像認識の確からしさの情報とを検出するように構成されている。そして、周辺車両速度検出部12は、自車両に対する周辺車両の相対速度と自車両の走行速度から、周辺車両の走行速度を計算するように構成されている。
また、周辺車両速度検出部12は、レーダ4で測定された自車両と周辺車両との間の位置(例えば、車間距離、車両に対する角度位置等)や自車両に対する周辺車両の相対速度から、自車両に対する周辺車両の位置及び相対速度と、例えばレーダ4の反射波の強さから算出した、測定結果の確からしさの情報と、を算出するように構成されている。
なお、画像中に複数の周辺車両が存在する場合、あるいはレーダ4から入力した周辺車両についての走行状況の情報が複数存在する場合には、周辺車両速度検出部12は、各周辺車両について自車両に対する周辺車両の位置及び相対速度と、画像認識の確からしさの情報または測定結果の確からしさの情報とを算出するように構成されている。この場合に、周辺車両速度検出部12は、複数の周辺車両についての走行速度の情報を算出した後、周辺車両の走行速度としてそれらの平均値を採用してもよいし、各周辺車両に対する画像認識の確からしさに基づいて重み付けを行って周辺車両の走行速度を算出してもよい。
また、周辺車両速度検出部12は、自車両と同じ方向に一定速度以上で走行している周辺車両についての情報を検出するように構成されており、例えば周辺車両が停止している場合や、周辺車両が対向車であって反対方向に走行している場合等、明らかに本実施形態における周辺車両として認識するのに不適切である場合には、その周辺車両についての情報を採用しないように構成されている。
周辺車両速度検出部12は、カメラ2で撮影された画像の画像認識の確からしさの情報と、レーダ4から入力された周辺車両の走行状況と測定結果の確からしさの情報とに基づいて、カメラ2で撮影された画像から検出した周辺車両速度とレーダ4で測定された周辺車両の走行状況から検出した周辺車両速度のうちのいずれか一方を、周辺車両の走行速度Vcとして選択するように構成されている。
なお、周辺車両速度検出部12としては、カメラ2で撮影された画像から検出した周辺車両速度とレーダ4で測定された周辺車両の走行状況から検出した周辺車両速度との両方を検出・算出した上でいずれか一方を選択する方式に限らず、いずれか一方の検出方法のみを採用してもよい。
制限速度検証部14は、制限速度検出部10で検出された制限速度Vaと周辺車両速度Vcとの差が、所定範囲内であるか否かを判断することによって、検出された制限速度Vaが正しいか否かを検証するように構成されている。本実施形態では、制限速度検証部14は、検出された制限速度vaと周辺車両速度Vcとの差の絶対値が20km/h以下である場合に、検出された制限速度vaが正しいと判断するように構成されている。
また、制限速度検証部14は、制限速度検出部10で検出された制限速度Vaが、正しいと検証された直前の制限速度と異なる場合に、周辺車両の走行速度に基づく検証を行うように構成されている。本実施形態では、制限速度検証部14は、制限速度検出部10で検出された制限速度Vaが、表示装置8に現在表示されている制限速度と異なる場合に、周辺車両の走行速度に基づく検証を行うように構成されている。
次に、制限速度検出装置1が行う制限速度の検出・検証処理について説明する。
図2は、本実施形態による制限速度検出装置1の制限速度検出処理のフローチャートである。この制限速度検出処理は、車両のイグニッションがオンにされ、制限速度検出装置1に電源が投入された場合に起動され、繰り返し実行される。
図2に示すように、制限速度検出処理が開始されると、カメラ2は自車両前方を撮影し、撮影した画像データをECU6に出力する(ステップS1)。
続いて、制限速度検出部10は、カメラ2により撮影された画像データに含まれる制限速度道路標識を認識し、制限速度Vaの情報を検出する。ECU6は、制限速度Vaが検出されたか否かを判断し(ステップS2)、検出された場合には次のステップに進む。このステップS2で制限速度Vaが検出されなかったと判断した場合には、ステップS1に戻ってカメラ2による自車両前方の撮影を行う。
ステップS2において制限速度Vaが検出された場合、ECU6は、検出された制限速度Vaが、正しいと検証された直前の制限速度と異なるか否かを判断する。より具体的には、本実施形態では、ECU6は、検出された制限速度Vaが表示装置8に現在表示されている制限速度Vbと異なるか否かを判断する(ステップS3)。表示装置8に現在表示されている制限速度Vbと検出された制限速度Vaが異なる場合、両者が同じである場合に比べて、制限速度Vaの検出が誤りである可能性が高い。そこで本実施形態では、両者が異なる場合に、周辺車両の走行速度に基づく制限速度Vaの検証処理を行う。
一方、両者が同じである場合には、周辺車両の走行速度に基づく制限速度Vaの検証処理は行わず、ステップS1に戻り、カメラ2による自車両前方の撮影を行う。その結果、表示装置8には、現在表示されている制限速度Vbがそのまま継続して表示されることとなる。
ステップS3において、検出された制限速度Vaが表示装置8に現在表示されている制限速度Vbと異なる場合、周辺車両速度検出部12は、ステップS1で撮影した画像から周辺車両の走行速度を検出するとともに、レーダ4から入力された周辺車両の走行状況の情報から周辺車両の走行速度を検出する。そして、カメラ2による画像からの画像認識の確からしさの情報及びレーダ4による測定結果の確からしさの情報に基づいて、カメラ2による画像から検出した周辺車両の走行速度と、レーダ4から入力された情報から検出した周辺車両の走行速度とのうちいずれか一方を選択する。
以上のような処理により、周辺車両速度検出部12は、周辺車両の走行速度Vcを検出する(ステップS4)。
次に、制限速度検証部14は、検出された制限速度Vaと検出された周辺車両の走行速度Vcとの差が所定範囲以内であるかどうかを判断する。具体的には、制限速度検証部14は、制限速度Vaと走行速度Vcとの差の絶対値が20km/h以下であるかどうかを判断する(ステップS5)。制限速度Vaと走行速度Vcとの差の絶対値が20km/h以下である場合、制限速度検証部14は、検出された制限速度Vaが正しいと判断し、ECU6は、表示装置8に制限速度vaの表示を行うように表示信号を出力する。その結果、表示装置8は、表示された制限速度を変更・更新して、検出された制限速度Vaを表示する(ステップS6)。
一方、ステップS5において検出された制限速度Vaと検出された周辺車両の走行速度Vcとの差の絶対値が20km/hより大きい場合、制限速度検証部14は、検出された制限速度Vaが正しくないと判断する。ECU6は表示装置8に表示信号を出力せず、その結果、表示装置8は検出された制限速度Vaを表示せず、現在表示されている制限速度の表示を継続する(ステップS7)。
以上のような本実施形態による制限速度検出装置1によれば、以下のような効果が得られる。
制限速度検出装置1が、制限速度検出部10と、周辺車両速度検出部12と、制限速度検証部14と、を有し、制限速度検出部10が、カメラ2で撮影された画像から自車両の走行時の制限速度の情報を検出し、制限速度検証部14が、周辺車両速度検出部12で検出された周辺車両の走行速度に基づいて、検出された制限速度が正しいか否かを検証するので、カメラ2によって撮影された画像から検出した自車両の制限速度が誤検出であった場合にその情報を表示装置8に表示しないようにすることができる。したがって、誤検出された制限速度の情報を排除してより信頼性のある制限速度検出を行うことができるとともに、より信頼性のある制限速度を表示装置8に表示することができる。
制限速度検証部14は、制限速度検出部10によって検出された制限速度Vaと、周辺車両速度検出部12によって検出された周辺車両の走行速度Vcとの差が所定範囲内であるとき、より具体的には、検出された制限速度Vaと検出された周辺車両の走行速度Vcとの差の絶対値が所定値、つまり20km/h以下であるとき、制限速度Vaが正しいと判定する。したがって、簡単な検証手法でより正確に制限速度の検出を行うことができる。
制限速度検証部14は、検出された制限速度Vaが、表示装置8に表示された制限速度と異なる場合に、周辺車両の走行速度Vcに基づく検証を行う。つまり、制限速度検証部14は、検出された制限速度Vaが制限速度検証部14で正しいと検証された直前の制限速度と異なる場合に、周辺車両の走行速度Vcに基づく検証を行う。ここで、検出された制限速度Vaが表示装置8に表示された制限速度と異なる場合、検出された制限速度Vaが誤検出であることが考えられる。本実施形態では、制限速度検証部14は誤検出の可能性がある場合に検証を行うから、検証をより効率的に行うことができる。
制限速度検出装置1は、検出された制限速度Vaが正しくないと判断された場合には、表示装置8にその制限速度Vaを表示しない。これにより、表示装置8には、現在表示されている制限速度が継続して表示される。したがって、正しくない制限速度を表示してしまうような誤表示を防止することができるとともに、表示装置8の頻繁かつ不必要な表示変更を防止することができ、乗員が感じる可能性のある違和感や混乱を抑制することができる。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態に係る車両用制限速度検出装置について説明する。
図3は、本発明の第二実施形態に係る車両用制限速度検出装置50の構成ブロック図である。図3に示すように、制限速度検出装置50は、第一実施形態に係る車両用制限速度検出装置1が有する構成の他、自車両に設けられ、自車両の走行速度Vdを検出するための車速センサ16を有する。車速センサ16は、検出した走行速度信号をECU6に出力する。
また、ECU6は、制限速度検出部10で検出された制限速度Vaに応じて予め設定された、自車両の走行速度及び/又は周辺車両の走行速度の許容走行速度範囲を取得する許容走行速度範囲取得部18を有する。
図4は、第二実施形態による車両用制限速度検出装置50の制限速度Vaに対する車両の許容走行速度を示す図である。この図4に示すように、本実施形態では、制限速度検出部10で検出された制限速度Vaに応じて自車両の走行速度及び/又は周辺車両の走行速度の許容走行速度範囲がテーブルで設定されており、許容走行速度範囲取得部18は、このテーブルに基づいて、検出された制限速度Vaに応じた許容走行速度範囲を取得するように構成されている。
さらに、本実施形態では、制限速度検証部14は、車速センサ16で検出された自車両の走行速度Vdが、許容走行速度範囲取得部18で取得された許容走行速度範囲内であるか否かを判断することによって、検出された制限速度Vaが正しいか否かを検証するように構成されている。また、制限速度検証部14は、周辺車両の走行速度Vcが、許容走行速度範囲取得部18で取得された許容走行速度範囲内であるか否かを判断することによって、検出された制限速度Vaが正しいか否かを検証するように構成されている。
次に、制限速度検出装置50が行う制限速度の検出・検証処理について説明する。
図5は、第二実施形態による車両用制限速度検出装置50の制限速度検出処理のフローチャートである。図5のステップS21からステップS23までは、第一実施形態の制限速度の検出・検証処理のステップS1からステップS3までと同様なので説明を省略する。
ステップS23において、検出された制限速度Vaが表示装置8に現在表示されている制限速度Vbと異なる場合、ECU6は、検出された制限速度Vaの検証処理を開始する。
まず、車速センサ16が、自車両の走行速度Vdを検出し、ECU6に出力する(ステップS24)。一方、許容走行速度範囲取得部18は、検出された制限速度Vaに対して設定された車両の許容走行速度範囲を取得する(ステップS25)。そして、制限速度検証部14は、自車両の走行速度Vdが、取得された許容走行速度範囲内であるか否かを判断する(ステップS26)。ここで、自車両の走行速度Vdが、取得された許容走行速度範囲内である場合(ステップS26においてYES)、制限速度検証部14は、検出された制限速度Vaが正しいと判断し、ECU6は、表示装置8に制限速度Vaの表示信号を出力する。表示装置8は、表示している制限速度の情報を更新・変更して、検出された制限速度Vaを表示する(ステップS27)。
一方、ステップS26において、自車両の走行速度Vdが、取得された許容走行速度範囲内でない場合(ステップS26においてNO)には、制限速度検証部14は、周辺車両の走行速度Vcに基づいた制限速度Vaの検証処理を開始する。まず、周辺車両速度検出部12は、第一実施形態と同様の処理によって、周辺車両の走行速度Vcを検出する(ステップS28)。制限速度検証部14は、検出した周辺車両の走行速度Vcが、ステップS25で取得された許容走行速度範囲内であるか否かを判断する(ステップS29)。
検出した周辺車両の走行速度Vcが、ステップS25で取得された許容走行速度範囲内である場合(ステップS29においてYES)、制限速度検証部14は、検出された制限速度Vaが正しいと判断し、ECU6は、表示装置8に制限速度Vaの表示信号を出力する。表示装置8は、表示している制限速度の情報を更新・変更して、検出された制限速度Vaを表示する(ステップS27)。
一方、ステップS29において、検出した周辺車両の走行速度Vcが、ステップS25で取得された許容走行速度範囲内でない場合(ステップS29においてNO)、制限速度検証部14は、検出された制限速度Vaが正しくないと判断する。ECU6は表示装置8に表示信号を出力せず、その結果、表示装置8は検出された制限速度Vaを表示せず、現在表示されている制限速度の表示を継続する(ステップS30)。
以上のような第二実施形態による制限速度検出装置50によれば、第一実施形態と同様の効果の他、以下のような効果が得られる。
許容走行速度範囲取得部18が、制限速度検出部10で検出された制限速度Vaに対応する車両の許容走行速度範囲を取得し、制限速度検証部14は、周辺車両の走行速度Vcが取得された許容走行速度範囲内であるか否かを判断することによって、検出された制限速度Vaが正しいか否かを検証するので、検出された制限速度Vaが正しいか否かを、周辺車両の走行速度に基づいて検証することができる。これにより、検出した制限速度Vaが誤検出であった場合にその制限速度の情報を表示装置8に表示しないようにすることができる。したがって、誤検出された制限速度の情報を排除してより信頼性のある制限速度検出を行うことができるとともに、より信頼性のある制限速度を表示装置8に表示することができる。また、制限速度検証部14は、周辺車両の走行速度Vcが取得された許容走行速度範囲内であるか否かを判断することによって、検出された制限速度Vaが正しいか否かを検証するので、簡単な検証手法で制限速度Vaの検証を行うことができる。
制限速度検証部14が、車速センサ16によって検出された自車両の走行速度Vdが、許容走行速度範囲内であるか否かを判断することによって、検出された制限速度Vaが正しいか否かを検証するので、簡単な検証手法で制限速度Vaの検証を行うことができる。
また、本実施形態では、制限速度検証部14は、自車両の走行速度Vdが許容走行速度範囲内である場合には検出された制限速度Vaが正しいと判断し、許容走行速度範囲内でない場合には、周辺車両の走行速度Vcが許容走行速度範囲内であるか否かを判断することによって、周辺車両の走行速度Vcに基づいた制限速度Vaの検証を行う。ここで、自車両の走行速度Vdが許容走行範囲内でない場合、検出された制限速度Vaが誤検出であることが考えられる。本実施形態では、制限速度検証部14は誤検出の可能性がある場合に、周辺車両の走行速度Vcに基づいた検証を行うから、検証をより効率的に行うことができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、以下のような態様であってもよい。
前述の第一実施形態では、制限速度検証部14は、検出された制限速度Vaと周辺車両の走行速度Vcとの差が一定の所定範囲内(第一実施形態では制限速度Vaと走行速度Vcとの差の絶対値が20km/h以下)であるか否かを判断することによって、制限速度Vaの検証を行ったが、本発明では、所定範囲は固定の範囲に限らず、例えば検出された制限速度Vaに応じて変化するように設定されていてもよい。より具体的には、所定範囲は、例えば検出された制限速度Vaが大きいほど広く設定されてもよい。この場合には、所定範囲は、制限速度Vaに対して比例的に広くなるように設定されてもよいし、あるいは、例えば制限速度Vaが30〜40km/hであれば所定範囲を±20km/hに、40〜60km/hであれば±30km/hに、60〜120km/hであれば30km/hに設定するというように、所定の制限速度Vaの範囲に対して一定の所定範囲を段階的に設定してもよい。
一般に、制限速度が大きくなると、周辺車両の走行速度はより多様になるが、上記のように検出された制限速度に応じて所定範囲の幅を調整し、検出された制限速度Vaが大きいほど所定範囲を広く設定すれば、制限速度の検証をより実情に合ったものとすることができ、簡単な検証手法でより正確に制限速度を検出することができる。
前述の第二実施形態では、制限速度検証部14は、自車両の走行速度Vdが、許容走行速度範囲取得部18で取得された許容走行速度範囲内であるか否かを判断するように構成されていたが、これに限らず、自車両の走行速度Vdに基づいて制限速度Vaが正しいか否かを検証する際には、例えば、制限速度検証部14は、検出された制限速度Vaと自車両の走行速度Vdとの差が所定範囲内である場合に、制限速度Vaが正しいと判断し、両者の差が所定範囲内でない場合に、周辺車両の走行速度Vcに基づく検証を行うように構成されていてもよい。
前述の第一実施形態では、周辺車両速度検出部12は、カメラ2の画像から検出された周辺車両の走行速度またはレーダ4から測定された周辺車両の走行速度を検出するように構成されていたが、これに限らず、例えばカメラ2の画像やレーダ4の測定値から得られる周辺車両と自車両との相対速度を検出してもよい。この場合には、制限速度検証部14は、周辺車両速度検出部12で検出した周辺車両と自車両の相対速度が所定範囲内であるかどうか判断するように構成されていればよい。要するに、本発明の周辺車両速度検出手段は、周辺車両の走行速度を検出するものに限らず、周辺車両と自車両の相対速度を含む、周辺車両の走行速度に関する情報を検出するものであればよい。また、本発明の制限速度検証手段は、周辺車両の走行速度に基づいて制限速度を検証するものに限らず、周辺車両と自車両の相対速度を含む、周辺車両の走行速度に関する情報に基づいて制限速度を検証するものであればよい。
前述の実施形態では、報知手段は、ディスプレイ等に走行路の制限速度を表示する表示手段(表示装置6)であったが、これに限らず、表示手段は制限速度以外の情報を表示するものであってもよく、例えば検出され検証された制限速度に基づいて自車両の走行速度を監視し、自車両の走行速度が制限速度を超えたときに、ディスプレイ等に制限速度を超えている旨の表示を行うものであってもよい。また、報知手段は、ディスプレイ等に状右方を表示するものに限らず、例えば警告音や音声を発する手段等、検出・検証された制限速度に基づいて乗員に報知する任意の手段を用いることができる。
前述の実施形態では、撮影手段としてカメラ2を用いたが、これに限らず、撮影手段は、例えば動画を撮影するビデオカメラであってもよい。その場合には、ビデオカメラで連続的に動画を撮影し、その画像データの中から必要な画像を抽出すればよい。
前述の実施形態では、周辺車両速度検出手段としてレーダが用いられていたが、周辺車両速度検出手段は、これに限らず、対象物との距離や相対速度を測定するものであれば、ミリ波レーダや、レーザレーダ、超音波センサ等の任意のセンサを採用することができる。また、周辺車両速度検出手段は、複数のセンサを用いて、位置及び速度測定装置を構成してもよい。
1、50 制限速度検出装置
2 カメラ(撮影手段)
4 レーダ
6 ECU
8 表示装置(報知手段、表示手段)
10 制限速度検出部(制限速度検出手段)
12 周辺車両速度検出部(周辺車両速度検出手段)
14 制限速度検証部(検証手段)
16 車速センサ(走行速度検出手段)
18 許容走行速度範囲取得部

Claims (5)

  1. 自車両前方を撮影するように構成された撮影手段と、
    前記撮影手段により撮影された画像から前記自車両の走行時の制限速度の情報を検出するように構成された制限速度検出手段と、
    前記自車両の周辺に存在する周辺車両の走行速度に関する情報を検出する周辺車両速度検出手段と、
    前記制限速度検出手段によって検出された前記制限速度が正しいか否かを、前記周辺車両速度検出手段によって検出された前記周辺車両の前記走行速度に関する情報に基づいて検証するように構成された検証手段と、
    前記検証手段によって検証された制限速度に基づく情報を報知するように構成された報知手段と、
    前記自車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、を備え、
    前記検証手段は、前記制限速度と前記自車両の前記走行速度との差が所定範囲内でない場合に、前記周辺車両の前記走行速度に関する情報に基づく検証を行うように構成されている、
    ことを特徴とする車両用制限速度検出装置。
  2. 前記検証手段は、前記制限速度検出手段によって検出された前記制限速度と、前記周辺車両速度検出手段によって検出された前記周辺車両の前記走行速度との差が所定範囲内であるとき、前記制限速度が正しいと判定するように構成されている、
    請求項1に記載の車両用制限速度検出装置。
  3. 前記所定範囲は、検出された前記制限速度が大きいほど、広く設定される、
    請求項2に記載の車両用制限速度検出装置。
  4. 前記検証手段は、検出された前記制限速度が、正しいと検証された直前の制限速度と異なる場合に、前記周辺車両の前記走行速度に関する情報に基づく検証を行うように構成されている、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用制限速度検出装置。
  5. 前記報知手段は、制限速度を前記自車両の乗員に表示する表示手段であり、
    前記検証手段が前記制限速度が正しくないと判断した場合には、前記表示手段は、表示している制限速度の情報を継続して表示するように構成されている、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用制限速度検出装置。
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