JP2007068917A - 視認状態判断装置、自動車、及び視認状態判断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】先行車両との接近度合に応じて、アクセル操作に対する操作反力を付与して運転操作支援を行うペダル反力装置12を備え、アクセル操作に対する操作反力を付与する際の運転者のアクセル操作量に基づいて、先行車両との接近度合に対する運転者の注意度合を判断し、この注意度合と運転者の視線とに基づいて、運転者の眼球運動の特性を予め取得しておき、その後の運転者の眼球運動と予め取得している眼球運動の特性とを比較することによって、前方物体に対する運転者の視認状態を判断する。注意度合の判断は、操作反力の変動に対するアクセル操作量の追従性を示す相関係数を算出し、この相関係数が高いほど、運転者の注意度合が低いと判断する。
【選択図】図4
Description
本発明の課題は、高価で大規模な装置を用いることなく、車両走行時の運転者の視認状態を高精度に判断することである。
《第1実施形態》
《構成》
図1は、本発明の概略構成図である。自動車1には、例えばマイクロコンピュータで構成されたコントローラ2と、車室内に配設され運転者の頭部及び眼球を前方の左右2方向から撮像するカメラ3と、車両前方に存在する前方物体との距離を検出するレーザレーダ4と、走行車線を検出可能な車線検出装置、及び道路地図情報を取得可能なナビゲーション装置からなる走行環境検出装置5と、運転者の各種操作及び操作量を検出する操作状態検出装置6と、運転者のブレーキ操作とは独立して制動力を制御可能なブレーキアクチュエータ7と、運転者に警報を発する警報装置8と、ステアリングホイール9に対して任意の操作反力を付与可能な操舵反力装置10と、アクセルペダル11に対して任意の操作反力を付与可能なペダル反力装置12と、が搭載されている。
なお、この第1実施形態では、操作支援部20が、ペダル反力装置12と、警報装置8と、ブレーキアクチュエータ7とを駆動制御して運転操作支援を行う場合について説明する。
先ずステップS1では、後述する図4のステップS24で設定される視認フラグFwが“0”にリセットされているか否かを判定する。この判定結果がFw=1であるときには、運転者が注意対象(第1実施形態では前方物体)を視認していると判断して所定のメインプログラムに復帰する。一方、判定結果がFw=0であるときには、運転者が注意対象を視認していない可能性があると判断してステップS2に移行する。なお、初期設定ではFw=0にリセットされている。
Tc=D/Vr ………(1)
続くステップS3では、接触予測時間Tcが所定値T1(例えば2秒程度)より長く、且つ自車速Vmが所定値V1(例えば20km/h程度)より遅いか否かを判定する。この判定結果が『Tc≦T1、且つVm≧V1』であるときには、自車両が前方物体と接触する可能性が高いと判断して、後述するステップS7に移行する。一方、『Tc>T1、又はVm<V1』であるときには、自車両が前方物体と接触する可能性は低いと判断してステップS4に移行する。
続くステップS5では、接触予測時間Tcが所定値T2(T2>T1)より短いか否かを判定する。この判定結果が『Tc≧T2』であるときには、運転者に注意を喚起する必要はないと判断して、所定のメインプログラムに復帰する。一方、判定結果が『Tc<T2』であるときには、運転者に注意を喚起する必要があると判断してステップS6に移行する。
F=K×Tc+(1−K)×(D/V) ………(2)
一方、ステップS7では、緊急フラグFuを“1”にセットする。
続くステップS9では、ブレーキアクチュエータ7を駆動制御して、接触予測時間Tcに応じた自動ブレーキを作動させると共に、警報装置8を駆動制御して、運転者に警報を発してから所定のメインプログラムに復帰する。
先ずステップS11では、カメラ3で運転者の頭部及び眼球を撮像するために、赤外線ランプを点灯する。
続くステップS12では、カメラ3で左右2方向からの頭部及び眼球を撮像する。
続くステップS13では、赤外線ランプを消灯する。
ステップS15では、後述する図5の静的較正値演算処理を実行し、運転者の視線検出に対する静的較正値を算出する。これは、主に運転者の身体的特徴に応じて、工場出荷時の補正係数を較正する値である。
一方、ステップS17では、視線検出部22で、後述する図6の視線検出処理を実行し、運転者の視線方向を検出する。
続くステップS18では、前述した図3の操作支援処理で設定される緊急フラグFuが“0”にリセットされているか否かを判断する。この判定結果が『Fu=1』であるときには、緊急モードであると判断して後述するステップS24に移行する。一方、判定結果が『Fu=0』であるときには、通常モードであると判断してステップS19に移行する。
続くステップS20では、上記ステップS19で運転者の注意度合を判断できたか否かを判定する。ここで、運転者の注意度合を判断できていなければ、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。一方、運転者の注意度合を判断できていれば、ステップS21に移行する。
ステップS23では、特性取得部23で、後述する図9の非視認特性取得処理を実行してから、所定のメインプログラムに復帰する。
一方、ステップS24では、視認状態判断部24で、後述する図11の視認状態判断処理を実行し、運転者が注意対象を視認しているか否かを判断してから、所定のメインプログラムに復帰する。
先ずステップS151では、カメラ3で撮像した画像データに基づいて、頭部中心位置Phを算出する。この頭部中心位置Phは、左右の2台のカメラレンズの中心を結ぶ直線上の中点を原点として算出し、この原点に対する水平方向の回転角(以下、頭部水平角と称す)をφhとし、垂直方向の回転角(以下、頭部垂直角と称す)をξhとする。
なお、眼球中心位置の算出は、例えば特開平9−238905に記載されているような公知の手法を採用する。すなわち、左右の2方向から撮像した2つの角膜反射画像の眼球中心位置と、夫々のカメラレンズ中心位置とを結ぶ2本の直線の交点を眼球中心位置Peとする。
続くステップS154では、対象眼球の眼球中心位置Peと、瞳孔中心位置Ppとに基づいて運転者の視線方向を算出する。先ず、下記(3)式に示すように、カメラ3に対する対象眼球の回転角(光軸)θを算出する。ここで、|Pd|は眼球中心位置Peから瞳孔中心位置Ppに向かうベクトルの大きさ、fは眼球画像を撮像するカメラのレンズ系と眼球中心位置Peとの位置関係によって決まる補正係数(光学的な倍率に相当)、Leは眼球中心から瞳孔中心までの標準的な距離(規定値)、αはLeに対する個人差を補正するための補正係数である。
θ=sin-1{|Pd|/(f×α×Le)} ………(3)
θe=θ−β×θ0 ………(4)
そして、カメラ3に対する視線方向θeを、カメラ間の中点を原点とする座標に変換し、その水平方向の回転角(以下、視線水平角と称す)をφeとし、垂直方向の回転角(以下、視線垂直角と称す)をξeとする。この瞬間の注意対象は、眼球中心位置Peを始点とし、視線方向[φe,ξe]に向かう直線上に存在することになる。
続くステップS157では、[φs,ξs]と[φe,ξe]との誤差が所定値(例えば10%)以下であるか否かを判定する。ここで、誤差が所定値を超えているときには、そのまま静的較正値演算処理を終了する。一方、誤差が所定値以下であるときには、ステップS158に移行する。
続くステップS159では、所定時間が経過しているか否かを判定する。ここで、所定時間が経過していないときには、そのまま静的較正値演算処理を終了する。一方、所定時間が経過しているときには、ステップS160に移行する。
ステップS160では、所定時間の間に採取されたΔα及びΔβの夫々の平均値を算出し、これを静的較正値としてから、この静的較正値演算処理を終了する。
ステップS171〜S174では、図5のステップS151〜S154と同様の処理を実行するので、その詳細説明は省略する。但し、前記(3)式、及び(4)式で用いるα及びβを、夫々、下記(5)式、及び(6)式に従って較正する。
α=(1+Δα)×α0 ………(5)
β=(1+Δβ+βk)×β0 ………(6)
ここで、α0及びβ0は、補正係数α及びβの工場出荷時の初期値(規定値)であり、開発時に不特定多数の被験者のデータを平均処理することによって定められる。Δα及びΔβは、図4のステップS15で算出される静的較正値であり、初期値は0である。βkは、車両走行時における運転者の頭部運動と眼球運動の相関特性の個人差を補うための動的較正値であり、これは図4のステップS22で算出され、初期値は0である。
先ずステップS191では、先行車両に対して追従走行してから所定時間が経過しているか否かを判定する。ここで、所定時間が経過していないときには、運転者の注意度合は不明であると判断してステップS192に移行する。一方、所定時間が経過しているときには、ステップS193に移行する。
ステップS194では、バッファに記憶された情報をリセットしてから、この注意度合判断処理を終了する。
一般に、先行車両に追従している際に、運転者が先行車両との車間距離を意識し、その変動に応じてアクセル操作を行う場合には、ペダル反力の変動よりも早くアクセルペダルを調節するのに対し、先行車両への注意力が低い場合には、ペダル反力の変動に対するアクセル操作量の追従性が強まり、ペダル反力の変動に対してやや遅れてアクセルペダルを調節する。すなわち、車間距離の変動に対するアクセル操作量の相関性が強く、且つ反力指令値の変動に対するアクセル操作量の相関性が強いほど、先行車両との車間距離に対する運転者の注意度合が低いと判断できる。
ステップS197では、特性フラグFsを“1”にセットしてから、この注意度合判断処理を終了する。
ステップS198では、特性フラグFsを“0”にリセットしてから、この注意度合判断処理を終了する。
先ずステップS221では、カメラ間の中点を原点とする座標に変換した先行車両位置Pvと、その時点の眼球中心位置Peとを結ぶ直線を算出し、その方向[φv,ξv]を算出する。これを、バッファに記憶されている全時刻のデータについて行う。
続くステップS223では、下記(7)式、及び(8)式に示すように、偏差[Δφv(t),Δξv(t)]と、頭部位置Phの角度時間変化φh(t)及びξh(t)との規格化相互相関係数を算出する。
Rx=(1/T)|R(Δφv(t),φh(t))| ………(7)
Ry=(1/T)|R(Δξv(t),ξh(t))| ………(8)
続くステップS225では、記憶されているRx及びRyとVmの組み合わせデータを回帰処理して、車速毎の補正係数Rx(Vm)及びRy(Vm)を算出し、下記(9)式、及び(10)式に示すように、動的較正値βkを算出し記憶してから、この視認特性取得処理を終了する。ここで、Kx及びKyは眼球中心と原点とを結ぶ直線の回転運動と眼球の回転運動との大きさの比から定まる補正係数(規定値)である。
βkx=Kx・Rx(Vm) ………(9)
βky=Ky・Ry(Vm) ………(10)
先ずステップS231では、現時点に至る所定時間Tの平均車速Vmを算出する。
続くステップS232では、下記(11)式〜(13)式に示すように、所定時間Tの眼球中心位置φe及びξeの時間変動の自己相関係数列Rφ(j)及びRξ(j)を算出する。ここで、NはT/t(t:サンプリングタイム)を満たす定数、Σは記憶されているφe及びξeの総和、T1はT>T1を満たす時間であり、例えばT=10秒の場合、T1=1秒といった値である。
Rφ(j)=[(1/N)Σφe(i)φe(i+j)]/[(1/N)Σφe(i)φe(i)]
………(11)
Rξ(j)=[(1/N)Σξe(i)ξe(i+j)]/[(1/N)Σξe(i)ξe(i)]
………(12)
j=0、1、……、T1/t ………(13)
続くステップS234では、記憶されている全てのRφ及びRξとVmの組み合わせを回帰処理し、非視認時の眼球運動特性関数Rφ(Vm)及びRξ(Vm)として記憶してから、この眼球運動特性取得処理を終了する。
先ずステップS241では、現時点に至る所定時間Tの平均車速Vmを算出する。
続くステップS242では、図4の前記ステップS17で算出された視線が、図3の操作支援処理で自車両と接触する可能性があると判断された前方物体に向いているか否かを判定する。ここで、運転者の視線がその前方物体に向いていないときには、運転者が視認していないと判断してステップS243に移行する。一方、運転者の視線がその前方物体に向いているときには、運転者が視認している可能性があると判断してステップS244に移行する。
ステップS244では、非視認時の眼球運動特性Rφ(Vm)及びRξ(Vm)と、現時点の眼球運動の高次の自己相関係数Rφ(T1/t)及びRξ(T1/t)とが、下記(14)式、及び(15)式を共に満たすか否かを判定する。ここで、(14)式、及び(15)式を共に満たすときには、運転者の眼球運動が非視認時の眼球運動特性と適合し、運転者が前方物体を視認していない可能性が高いと判断して前記ステップS243に移行する。一方、(14)式、及び(15)式の何れかを満たさないときには、運転者が前方物体を視認している可能性が高いと判断してステップS245に移行する。
Rφ(T1/t)>1+Rφ(Vm)×(T1/t) ………(14)
Rξ(T1/t)>1+Rξ(Vm)×(T1/t) ………(15)
ステップS245では、視認フラグFwを“1”にセットしてから、この視認状態判断処理を終了する。
次に、第1実施形態の作用について説明する。
今、運転者が自動車1のイグニッションをONにして、走行開始の準備をしているとする(図4のステップS14の判定が“Yes”)。このとき、運転者の頭部及び眼球の画像データに基づいて運転者の視線[φe,ξe]を検出すると共に、所定のスイッチ操作がなされるときの視線方向に基づいて静的較正値Δα及びΔβを算出する(図5のステップS151〜S160)。
その後、車両が走行を開始し、先行車両に対して定常的に追従走行したとする(図7のステップS191の判定が“Yes”)。このとき、先行車両との接触予測時間Tcに応じて、運転者のアクセル操作に対して操作反力が付与されるので(図3のステップS2〜S6)、例えば先行車両に対して接近し過ぎると、運転者はペダル反力の増加によってペダル踏込み量を減少するように促される。
ところで、低速で走行していれば運転者は近距離の視対象を目で追うので、自然と頭部の動きが大きくなり眼球運動への影響が大きくなる。逆に、高速で走行していれば運転者は遠くの視対象を安定して見るので、頭部の動きが小さくなり眼球運動への影響が小さくなる。
そして、この動的較正値βkを用い、前記(6)式に従って、工場出荷時の補正係数βを較正してから視線方向を算出することにより(図6のステップS174)、主に車速毎の頭部の動きに対する視線検出の精度を較正する。
ところで、先行車両に対する注意度合が高いときには、車外の環境変化を積極的に取得しようとするが、注意度合が低いときには、眼球運動の変動が滑らか(緩慢)になり、これは車速が高いほど顕著になる。
その後、接触予測時間Tcが所定値T1以下で、且つ自車速Vmが所定値V1以上になったら(図3のステップS3の判定が“No”)、自車両が前方物体と接触する可能性が高いと判断し、運転者がこの前方物体を視認しているか否かを判断する(図4のステップS24)。
上記の第1実施形態では、先行車両との車間距離や相対速度に応じてペダル反力装置12を駆動し、アクセル操作に対する操作反力を付与することにより、運転操作支援を行っているが、これに限定されるものではない。すなわち、運転者へ注意を喚起できればよいので、単に警報装置8によって警報を発するだけもよい。この場合、接触予測時間Tcに応じて音量や警報内容を変更すればよい。
(1)アクセル操作に対する操作反力によって運転操作支援を行う際の運転者のアクセル操作量に基づいて、前方物体に対する運転者の注意度合を判断する注意度合判断手段と、この注意度合判断手段の判断結果と運転者の視線変化とに基づいて、運転者の眼球運動の特性を取得する特性取得手段と、この特性取得手段で取得した眼球運動の特性と運転者の視線変化とに基づいて、前方物体に対する運転者の視認状態を判断する視認状態判断手段とを備える。
したがって、前方物体との接触を回避するために、自動ブレーキを作動させる等、適切な手段を講じることが可能となる。
これにより、運転者の注意度合を容易に判断することができる。
(3)操作反力の変動に対するアクセル操作量の追従性についての相関性を判断し、この相関性が強いほど、運転者の注意度合が低いと判断する。
これにより、運転者の注意度合を容易に判断することができる。
これにより、運転者ごとに異なる非視認特性を容易に取得することができる。
(5)運転者の視線が前方物体からずれるとき、又は運転者の眼球運動が非視認特性と適合するときに、運転者が前方物体を視認していないと判断する。
これにより、ただ視線が前方物体に向いているだけで、実際には注意深く視認していないような状態を的確に判断することができる。
これにより、運転者が確実に視認している状態だけを的確に判断することができる。
(7)運転者の注意度合が所定の度合よりも高いと判断したときに、運転者の眼球位置と前方物体とを結ぶ直線を算出し、この直線と運転者の視線との差分を算出し、この差分と運転者の頭部位置との相関性を判断し、この相関性に基づいて眼球運動の視認特性を取得する。
これにより、運転者ごとに異なる動的な視認特性を容易に取得することができる。
これにより、主に車速毎の頭部の動きについての視線検出の精度を向上させることができる。
(9)運転者が前方物体を視認していないと判断するときに運転操作支援を実行し、運転者が前方物体を視認していると判断するときに運転操作支援を制限する。
これにより、運転者にとって本当に必要なときだけ制御介入することができる。
これにより、運転者に接触回避方向の運転操作を促し、前方物体との接触回避を図ることができる。
(11)アクセル操作に対して操作反力を付与する。
これにより、運転者に対して接触回避方向の運転操作を直接促し、前方物体との接触回避を図ることができる。
(12)警報を報知することにより運転操作支援を行う。
これにより、運転者に対してペダル操作の感覚(触覚)だけではなく、聴覚に対しても働きかけることにより、運転者の注意を確実に喚起することができる。
《構成》
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態は、自車両が走行車線から逸脱する可能性を判断し、この判断結果に応じて運転操作支援を行うものである。すなわち、走行環境検出装置6によって走行車線を検出し、車線中心に対する車両中心の横ずれ量Wに応じて、操舵反力装置10を駆動制御し、逸脱方向へのステアリング操作に対して操作反力を付与するものとし、この点を除けば前述した図3の操作支援処理を実行するので、その詳細説明は省略する。
F=Ks×(W1−W0) ………(16)
ここで、第2実施形態の注意度合判断処理を、図12のフローチャートに従って説明する。
ステップS292では、その時点の車速、横ずれ量、操舵角δ、操作反力F、頭部中心位置Ph、眼球中心位置Pe、視線方向[φe、ξe]、走行履歴情報をバッファに記憶してから、この注意度合判断処理を終了する。ここで、走行履歴情報とは、例えば単路や交差点付近などの道路パターンと、直進や右左折などの走行パターンの組み合わせを符号化したものである。
ステップS294では、バッファに記憶された情報をリセットしてから、この注意度合判断処理を終了する。
一般に、運転者が道路線形を注意深く視認して、その線形に応じて操舵する場合には、運転者の視認している位置の横ずれ量に応じて調節する。この横ずれ量を判断する視認位置は、運転者や道路環境によって揺らぐため、相互相関係数の値が特定の次数で突出して高いことはない。これに対し、道路線形への注意レベルが低くなり、操舵反力を感じながら操舵する場合は、車両から所定量だけ前方位置の横ずれ量に応じてステアリング操作量が変動するため、相互相関係数が突出して高いラグ値が存在することになる。
ステップS297では、特性フラグFsを“1”にセットしてから、この注意度合判断処理を終了する。
ステップS298では、特性フラグFsを“0”にリセットしてから、この注意度合判断処理を終了する。
その他の構成については、前述した第1実施形態と同様である。
以上より、操舵反力装置10が「操作支援手段」に対応し、図12の注意度合判断処理が「注意度合判断手段」に対応する。
次に、第2実施形態の作用について説明する。
今、先行車両の存在しない走行車線を走行しているとすると、走行車線に対する横ずれ量Wに応じて、運転者のステアリング操作に対して操作反力が付与されるので、例えば走行車線に対する逸脱傾向が高くなると、運転者は操舵反力の増加によって逸脱回避方向へ修正するように促される。
一方、運転者の注意度合が低いと判断されたときには(図12のステップS296の判定が“Yes”)、運転者は道路線形を注意深く視認していないはずなので、このときの運転者の眼球運動を非視認特性として取得する。
その他の作用については、前述した第1実施形態と同様である。
上記の第2実施形態では、走行車線からの横ずれ量Wに応じて操舵反力装置10を駆動し、ステアリング操作に対する操作反力を付与することにより、運転操作支援を行っているが、これに限定されるものではなく、勿論、前述した第1実施形態と組み合わせて、運転操作支援を行ってもよい。
(1)自車両が走行車線から逸脱する可能性を判断し、この判断結果に応じて、逸脱方向への運転操作に対して操作反力を付与することにより運転操作支援を行う。
これにより、運転者に逸脱回避方向の運転操作を促し、走行車線からの逸脱回避を図ることができる。
その他の効果については、前述した第1実施形態と同様である。
2 コントローラ
3 カメラ
4 レーザレーダ
5 走行環境検出装置
6 操作状態検出装置
7 ブレーキアクチュエータ
8 警報装置
9 ステアリングホイール
10 操舵反力装置
11 アクセルペダル
12 ペダル反力装置
20 操作支援部
21 注意度合判断部
22 視線検出部
23 特性取得部
24 視認状態判断部
Claims (16)
- 自車進路上の注意対象と自車両との相対関係に応じて運転操作支援を行う操作支援手段と、運転者の運転操作状態を検出する操作状態検出手段と、運転者の視線を検出する視線検出手段と、
前記操作支援手段が運転操作支援を行う際に前記操作状態検出手段が検出する運転操作状態に基づいて、前記注意対象に対する運転者の注意度合を判断する注意度合判断手段と、該注意度合判断手段が判断する注意度合及び前記視線検出手段が検出する視線に基づいて、運転者の眼球運動の特性を取得する特性取得手段と、該特性取得手段が取得した眼球運動の特性及び前記視線検出手段が検出する視線に基づいて、前記注意対象に対する運転者の視認状態を判断する視認状態判断手段と、を備えることを特徴とする視認状態判断装置。 - 前記注意度合判断手段は、前記操作支援手段による運転操作支援量と運転者による運転操作量との相関性を判断し、当該相関性に基づいて運転者の注意度合を判断することを特徴とする請求項1に記載の視認状態判断装置。
- 前記注意度合判断手段は、前記運転操作支援量の変動に対する前記運転操作量の追従性についての前記相関性を判断し、当該相関性が強いほど、運転者の注意度合が低いと判断することを特徴とする請求項2に記載の視認状態判断装置。
- 前記特性取得手段は、前記注意度合判断手段が運転者の注意度合は所定の度合よりも低いと判断したときに、運転者の視線変化に基づいて眼球運動の自己相関性を判断し、当該自己相関性に基づいて眼球運動の非視認特性を取得することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の視認状態判断装置。
- 前記視認状態判断手段は、運転者の視線が前記注意対象からずれるとき、又は運転者の眼球運動が前記特性取得手段の取得した非視認特性と適合するときに、運転者が前記注意対象を視認していないと判断することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の視認状態判断装置。
- 前記視認状態判断手段は、運転者の視線が前記注意対象に向い、且つ運転者の眼球運動が前記特性取得手段の取得した非視認特性と適合しないときに、運転者が前記注意対象を視認していると判断することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の視認状態判断装置。
- 前記特性取得手段は、前記注意度合判断手段が運転者の注意度合は所定の度合よりも高いと判断したときに、運転者の眼球位置と前記注意対象とを結ぶ直線を算出し、当該直線と前記視線検出手段が検出する視線との差分を算出し、当該差分と運転者の頭部位置との相関性を判断し、当該相関性に基づいて眼球運動の視認特性を取得することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の視認状態判断装置。
- 前記特性取得手段が取得した視認特性に基づいて前記視線検出手段を較正する較正手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の視認状態判断装置。
- 前記操作支援手段は、前記視認状態判断手段が運転者は前記注意対象を視認していないと判断するときに運転操作支援を実行し、当該視認状態判断手段が運転者は前記注意対象を視認していると判断するときに運転操作支援を制限することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の視認状態判断装置。
- 前記注意対象となる前方物体に自車両が接触する可能性を判断する接触判断手段を備え、
前記操作支援手段は、前記接触判断手段の判断結果に応じて、接触方向への運転操作に対して操作反力を付与することにより運転操作支援を行うことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の視認状態判断装置。 - 前記注意対象となる走行車線から自車両が逸脱する可能性を判断する逸脱判断手段を備え、
前記操作支援手段は、前記逸脱判断手段の判断結果に応じて、逸脱方向への運転操作に対して操作反力を付与することにより運転操作支援を行うことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の視認状態判断装置。 - 前記操作支援手段は、アクセル操作及びステアリング操作の少なくとも一方に対して操作反力を付与することを特徴とする請求項10又は11に記載の視認状態判断装置。
- 前記操作支援手段は、警報を報知することにより運転操作支援を行うことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の視認状態判断装置。
- 自車進路上の注意対象と自車両との相対関係に応じて運転操作支援を行う操作支援手段を備え、
前記操作支援手段が運転操作支援を行う際の運転者の運転操作状態に基づいて、前記注意対象に対する運転者の注意度合を判断し、当該注意度合が所定の度合よりも低いと判断されたときの運転者の眼球運動の特性を予め取得しておき、その後の運転者の眼球運動と予め取得している眼球運動の特性とを比較することによって、前記注意対象に対する運転者の視認状態を判断することを特徴とする視認状態判断装置。 - 自車進路上の注意対象に対する運転者の視認状態を判断する視認状態判断装置を備えた自動車において、
前記視認状態判断装置は、
前記注意対象と自車両との相対関係に応じて運転操作支援を行う操作支援手段と、運転者の運転操作状態を検出する操作状態検出手段と、運転者の視線を検出する視線検出手段と、
前記操作支援手段が運転操作支援を行う際に前記操作状態検出手段が検出する運転操作状態に基づいて、前記注意対象に対する運転者の注意度合を判断する注意度合判断手段と、該注意度合判断手段が判断する注意度合及び前記視線検出手段が検出する視線に基づいて、運転者の眼球運動の特性を取得する特性取得手段と、該特性取得手段が取得した眼球運動の特性及び前記視線検出手段が検出する視線に基づいて、前記注意対象に対する運転者の視認状態を判断する視認状態判断手段と、を備えることを特徴とする自動車。 - 自車進路上の注意対象と自車両との相対関係に応じて運転操作支援が行われる際の運転者の運転操作状態に基づいて、前記注意対象に対する運転者の注意度合を判断し、当該注意度合が所定の度合よりも低いと判断されたときの運転者の眼球運動の特性を予め取得しておき、その後の運転者の眼球運動と予め取得している眼球運動の特性とを比較することによって、前記注意対象に対する運転者の視認状態を判断することを特徴とする視認状態判断方法。
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